JP2877602B2 - リワインダ停止装置 - Google Patents

リワインダ停止装置

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JP2877602B2
JP2877602B2 JP4005183A JP518392A JP2877602B2 JP 2877602 B2 JP2877602 B2 JP 2877602B2 JP 4005183 A JP4005183 A JP 4005183A JP 518392 A JP518392 A JP 518392A JP 2877602 B2 JP2877602 B2 JP 2877602B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平行に配置した一対の
巻取ロールのうち、一方の巻取ロールにシート材を巻掛
けて移送すると共に、これら一対の巻取ロール上でコイ
ルに巻上げる2ドラム方式のリワインダ装置に係り、特
に、徐動速度での運転中に停止指令を与えて停止させる
リワインダ停止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は製紙用リワインダ装置の概略構成
図である。同図に示すように、シート材1は電動機2に
よって駆動されるアンワインダ3からA矢印方向に巻き
戻され、それぞれ電動機4,5によって駆動される一対
の巻取ロール6,7上でコイル8として巻取られる。こ
の場合、巻取ロール6,7は水平、かつ、平行に配置さ
れ、シート材1は一方の巻取ロール6の側方から送込ま
れ、約半周だけ巻き掛けられて上方に移送され、コイル
8は巻取ロール6,7に接触した状態で巻き太ってゆ
く。ここで、製品として求められる所定の長さのシート
材1を順次コイル8として巻き上げてゆくため、アンワ
インダ3からは、複数のコイルが取出される。
【0003】ところで、シート材1をリワインダ装置に
よってコイルとして巻取るよりも上流の工程にて、シー
ト材1に穴が開いたり、厚みの薄い部分が生じたりして
いないかの検査が行われる。これら穴のある部分や厚み
の薄い部分は欠陥点と称され、リワインダ装置での巻取
中に、装置自体を停止してその除去作業が行なわれる。
【0004】この欠陥点の除去に際しては、シート材1
の先端からある一定の距離にある基準点と呼ばれる色付
けされた箇所から欠陥点までの距離データ、すなわち、
欠陥長データに従ってオペレータが手動にて停止指令を
与える。
【0005】具体的には、欠陥点までの巻取長が比較的
長い段階で減速操作し、その速度が徐動速度と称される
低速の一定の速度に到達したとき、この徐動速度に維持
し、残余の巻取長が徐動距離と称される一定の距離に近
付いた段階で停止指令を与えることにより、欠陥点を周
方向の最も作業のしやすい角度位置、例えば、図7中の
M点(以下、作業位置と称する)に停止させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したリワインダの
停止操作は、予め検出された欠陥長と、巻取ロール6を
駆動する電動機4に結合されたパルス発生器の出力パル
スから換算した巻取長とを比較して行われるため、コイ
ルの巻取径が小さいときに欠陥点がちょうど作業位置に
停止したとしても、コイルの巻取径が大きいときには欠
陥点が作業位置に到達する前に停止することになる。
【0007】このように、停止位置がずれた場合には、
再度、欠陥位置を作業位置Mまで移動させる操作をしな
ければならず、しかもその操作には熟練を要した。
【0008】また、停止のタイミングを逸した場合には
欠陥点を巻込んでしまうため、作業効率の著しい低下を
招いていた。
【0009】この発明は上記の問題点を解決するために
なされたもので、コイル径が異なったとして、欠陥点を
確実に作業位置に停止させることのできるリワインダ停
止装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、平行に配置し
た一対の巻取ロールのうち、一方の巻取ロールにシート
材を巻掛けて移送すると共に、前記一対の巻取ロール上
でコイルに巻上げるリワインダ装置を、徐動速度での運
転中に停止指令を与えて停止させるに当り、前記シート
材の基準点から欠陥点までの距離を設定する欠陥長設定
手段と、周方向で見た巻取コイルの所定の角度位置を作
業位置とし、この作業位置に前記シート材の基準点が到
達してからの巻取長を演算する巻取長演算手段と、巻取
コイルのコイル径を検出するコイル径検出手段と、検出
された前記コイル径に基づき、前記一方の巻取ロールが
シート材に接触する所定点から前記作業位置までの巻取
開始時と巻取途中とのストローク差を演算するストロー
ク差演算手段と、前記シート材を徐動速度から停止させ
るまでの徐動距離をSj 、設定された前記シート材の基
準位置から欠陥点までの距離をLs 、それぞれ演算され
た前記巻取長をL、ストローク差をSP として次式 Sj =Ls −L+SP の関係が成立したときに停止指令を出力する停止開始検
出手段とを備えたものである。
【0011】
【作用】以下、本発明の原理を説明した後で、その作用
を説明する。図2に示したように、シート材1は一対の
巻取ロール6,7のうちの一方の巻取ロール6に約半周
だけ巻き掛けられ、これら二つのロール面に接触した状
態でコイル8として巻取られる。図2 (a)はコイル径の
小さい場合を、図2 (b)はコイル径の大きい場合を示
す。
【0012】ここで、シート材1のコイルとしての巻取
長は、巻取ロール6に結合されたパルス発生器のパルス
数に基づいて検出される。そして、予め与えられた欠陥
長と巻取長との差が徐動距離に略等しくなったタイミン
グにて停止指令を与えることにより、欠陥点Kが図2
(a)に示した位置で停止し、しかも、この位置が最も作
業のしやすい角度位置であったとする。しかるに、コイ
ル径が大きい場合にもこれと同様にして停止指令を与え
たとすると、図2 (b)に示すように、コイル径の増大に
応じて、破線の矢印で示した方向にずれ、極端な場合に
は作業位置の反対側に停止する。これは、シート材1が
常時接触する巻取ロール6の周上の適当な点から見て所
定の距離だけ離れた位置に欠陥点Kが停止するためと考
えられる。
【0013】そこで、図3 (a)に示したように、コイル
の巻取開始時に、シート材1の基準点を作業位置Mに合
わせて巻取を開始し、巻取ロール6上のa点から作業位
置MまでのストロークをSo とする。また、図3 (b)に
示したように、コイル径の大きいときに、同じく、巻取
ロール6上のa点から作業位置MまでのストロークをS
s とする。若し、巻取開始時のコイル径を基準にして、
停止指令を与えたときに、欠陥点Kがちょうど作業位置
Mに到達して停止したとすれば、図3 (b)の場合には上
記のストロークSs とSo との差だけ余分に巻取った段
階で停止指令を与えるならば、巻取径の大きい場合にも
欠陥点Kが作業位置Mに到達した段階で停止することが
分かる。
【0014】図4はこのストローク差を求めるために、
図3 (a)を拡大して示した図である。図中の符号はそれ
ぞれ次のように定義される。
【0015】a:巻取ロール6,7の中心を結んだと仮
定した線と交差する巻取ロール6の円周上の点 b:巻取ロール6の中心 c:巻取ロール6,7の中間点 d:巻取ロール6とコイル8の接点 e:コイル8の頂点 f:コイル8の中心 Do :初期コイル径 D:巻取途中のコイル径 M:コイル8の中心を通る鉛直線からロール7側にずれ
た作業位置 Rd :巻取ロール6,7の直径 Rm :巻取ロール6,7の中心間距離 θ:点Mfeを結ぶ角度 θf :点efdを結ぶ角度 θb :点dbcを結ぶ角度 これらの定義に従うならば、角度θb は次式によって演
算することができる。
【0016】
【数1】 また、このθb を用いることによりロール7の円周上の
点a,d間のストロークSadは次式によって求められ
る。
【0017】
【数2】 また、角度θf はθf =θb +π/2であるから、コイ
ル8の外周の点dーeーM間のストロークSdeM は次式
によって求められる。
【0018】
【数3】 従って、図3 (a)に示すように、点aから作業位置Mま
でのストロークSo はSad+SdeM により次式によって
演算することができる。
【0019】
【数4】 一方、図3 (b)に示したように、巻取コイル径がDであ
る場合の点aから作業位置Mまでのストロークを同様に
して求める。この場合、コイル8の直径がDo からD
に、点dbcを結ぶ角度がθb からθb ′に、点efd
を結ぶ角度がθf からθf ′にそれぞれ変化しているも
のとして角度θb ′は次式によって演算することができ
る。
【0020】
【数5】 また、このθb ′を用いることによりロール7の円周上
の点a,d間のストロークSad′は次式によって求めら
れる。
【0021】
【数6】 また、角度θf ′はθf ′=θb ′+π/2であるか
ら、コイル8の外周の点d−e−M間のストロークS
deM ′は次式によって求められる。
【0022】
【数7】 従って、図3 (b)に示す点aから作業位置Mまでのスト
ロークSs はSad′+SdeM ′により次式によって演算
することができる。
【0023】
【数8】 かくして、コイル径がDo からDに変化した時に、余分
に巻き取るべきストローク差Sp はSs −So であるか
ら次式によって演算することができる。
【0024】
【数9】 ところで、リワインダを停止させるとき、図5に示すよ
うに、速度Vを所定の減速度で減速し、徐動速度Vj
到達する直前にて減速率を小さくし、徐動速度Vj にて
暫く運転し、残余の巻取長が点A,B,Cで囲まれた斜
線部の面積に相当する徐動距離Sj になったとき停止指
令を与える。
【0025】図6はこの徐動距離Sj を求めるための説
明図であり、B,C点間の時間tの前半では速度が負の
減速度変化率で変化し、時間tの後半で正の減速度変化
率で変化する。よって、三角形A,B,Cの面積が徐動
距離Sj となり、次式によって演算される。
【0026】
【数10】 この(10)式で求められる徐動距離Sj は一定値として取
扱うことができる。
【0027】そこで、本発明においては、欠陥長設定手
段によりシート材の基準位置から欠陥点までの距離Ls
を設定し、巻取長演算手段によってシート材の基準点が
作業位置Mに到達してからの巻取長Lを演算し、さら
に、コイル径検出手段により巻取コイルのコイル径Dを
検出すると、ストローク差演算手段が (1)式によりθb
を、 (5)式によりθb ′をそれぞれ演算すると共に、
(9) 式を用いて所定点aから作業位置Mまでの巻取開始
時と巻取途中とのストローク差Sp を演算し、停止開始
検出手段が徐動距離Sj を一定値として次式 Sj =Ls −L+SP …(11) が成立したときに停止指令を出力するようにしたので、
コイル径が種々に変化しても、欠陥点Kを常に作業位置
Mに停止させることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例によって詳
細に説明する。図1は本発明の一実施例の構成を示すブ
ロック図である。ここで、コイル径検出器11はコイル8
のコイル径Dを検出するもので、例えば、コイル8の頂
点eの位置を光学的に検出することによって換算するこ
とができる。このコイル径Dを示す信号は基準点押釦信
号PBk と共にストローク差演算器12に加えられる。基
準点押釦信号PBk はシート材1の基準点が作業位置M
に到達した時点でオペレータが基準押釦を操作した瞬間
に発生する信号であり、ストローク差演算器12はこの瞬
間からコイル径Dに基いてストローク差Sp を演算する
ものである。また、巻取ロール6には図示省略のパルス
発振器が結合されており、その出力パルスPと、前述の
基準点押釦信号PBk とが巻取長演算器13に加えられ
る。この巻取長演算器13は基準点押釦信号PBk が加え
られた瞬間からパルスPを計数し、その計数値に基いて
コイルの巻取長Lを演算する。一方、欠陥長設定器14は
シート材1の基準点から欠陥点までの距離を設定するも
ので、その欠陥長Ls を示す信号が、ストローク差Sp
を示す信号、巻取長Lを示す信号および巻取ロール6を
駆動する電動機に対する速度基準Vと共に停止開始検出
器15に加えられる。この停止開始検出器15は、巻取ロー
ル6を駆動する電動機に対する速度基準Vが徐動速度V
j であるとき、巻取長L、欠陥長Ls 、徐動距離Sj
ストローク差Sp が所定の関係になったとき停止指令S
を発生して速度基準演算器16に加える。この速度基準演
算器16には、その他にオペレータの手動操作による増
速、徐動、保持の各押釦の信号が加えられるが、本発明
に直接関係しないのでこれらを纏めてPBo として示
す。この速度基準演算器16はこれらの信号に基いて速度
基準Vを発生して巻取ロール6を駆動する電動機を制御
する電動機制御装置17に与えるものである。
【0029】上記のように構成された本実施例の詳しい
動作を以下に説明する。新しいアンワインダ3がリワイ
ンダ装置にセットされたとき、上流工程にて検出された
欠陥長Ls を欠陥長設定器14に設定する。そして、シー
ト材1の通紙により基準点が作業位置Mに到達したと
き、オペレータが基準点押釦を操作し、続いて、増速、
減速、徐動の各押釦を操作して信号PBo を速度基準演
算器16に与える。速度基準演算器16はこれに応じた速度
基準Vを電動機制御装置17に与えてコイルを巻き取る。
このコイル巻取中にコイル径検出器11はコイル径Dを常
時検出している。また、基準点押釦信号PBk により、
ストローク差演算器12は (1)式を用いてθb を、 (5)式
を用いてθb ′をそれぞれ演算すると共に、コイル径検
出器11で検出されたコイル径D、定数として与えられた
d ,θ,Do 、θf を (9)式に代入してストローク差
p を演算する。
【0030】一方、基準点押釦信号PBk により巻取長
演算器13は巻取ロール6に結合されたパルス発生器の出
力パルスPを計数して巻取長Lを演算する。
【0031】そこで、停止開始検出器15は、速度基準演
算器16から出力される速度基準Vが徐動速度Vj に保持
されていることを条件にして、ストローク差演算器12で
演算されたストローク差Sp 、巻取長演算器13で演算さ
れた巻取長L、欠陥長設定器14で設定された欠陥長Ls
および定数として与えられる徐動距離Sj の間に上記(1
1)式の関係、すなわち、Sj =Ls −L+SP の関係が
成立したとき、停止指令Sを出力して速度基準演算器16
に与える。
【0032】この結果、コイル8のコイル径が異なった
としても、欠陥点Kを常に作業位置Mに停止させること
ができる。
【0033】なお、本実施例を構成するコイル径検出器
11、ストローク差演算器12、巻取長演算器13、停止開始
検出器15、速度基準演算器16のうちの、一つまたは複数
の要素がそれぞれ持つ機能を、制御用計算機に持たせて
も同様な制御ができることは言うまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上の説明によって明らかなように、こ
の発明によれば、欠陥点がオペレータの作業し易い作業
位置にきたとき停止されるため、位置修正のための再運
転をせずに済み、作業効率を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成をを示すブロック図。
【図2】本発明の原理を説明するために、欠陥点の移動
を示す説明図。
【図3】本発明の原理を説明するために、コイルの大き
さによるストロークの違いを示す説明図。
【図4】本発明の原理を説明するために、要部を拡大し
て示した説明図。
【図5】本発明の原理を説明するために、速度と時間と
の関係を示した線図。
【図6】本発明の原理を説明するために、速度と時間と
の関係を示した線図。
【図7】製紙用リワインダ装置の概略構成図。
【符号の説明】
1 シート材 3 アンワインダ 6,7 ロール 8 コイル 11 コイル径検出器 12 ストローク差演算器 13 巻取長演算器 14 欠陥長設定器 15 停止開始検出器 16 速度基準演算器 17 電動機制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平行に配置した一対の巻取ロールのうち、
    一方の巻取ロールにシート材を巻掛けて移送すると共
    に、前記一対の巻取ロール上でコイルに巻上げるリワイ
    ンダ装置を、徐動速度での運転中に停止指令を与えて停
    止させる装置であって、 前記シート材の基準点から欠陥点までの距離を設定する
    欠陥長設定手段と、 周方向で見た巻取コイルの所定の角度位置を作業位置と
    し、この作業位置に前記シート材の基準点が到達してか
    らの巻取長を演算する巻取長演算手段と、 巻取コイルのコイル径を検出するコイル径検出手段と、 検出された前記コイル径に基づき、前記一方の巻取ロー
    ルがシート材に接触する所定点から前記作業位置までの
    巻取開始時と巻取途中とのストローク差を演算するスト
    ローク差演算手段と、 前記シート材を徐動速度から停止させるまでの徐動距離
    をSj 、設定された前記シート材の基準位置から欠陥点
    までの距離をLs 、それぞれ演算された前記巻取長を
    L、ストローク差をSP として次式 Sj =Ls −L+SP の関係が成立したときに停止指令を出力する停止開始検
    出手段と、を備えたことを特徴とするリワインダ停止装
    置。
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