JP2876769B2 - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、振動エネルギー吸収性能に優れ、さらに圧
縮永久歪が少ない塩化ビニル系樹脂組成物に関するもの
である。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来より振動エネルギー吸収材としては、ブチルゴ
ム,ポリノルボルネン、特殊なポリウレタンエラストマ
ーなどが使用されている。これら振動エネルギー吸収材
の性能評価は、その材料の粘弾性測定により求められる
貯蔵弾性率(E′)と損失係数(tanδ)でなされる。
振動エネルギー吸収材として設計するためには損失係
数は大きければ大きいほど、また貯蔵弾性率は使用され
る形態によって最適値が存在する。これら2つの因子は
通常温度依存性が大きい。すなわち貯蔵弾性率は温度が
高くなるにつれて徐々に低下し、通常ガラス転移点を越
えた温度域から急激に低下する。また、損失係数はガラ
ス転移点を超えた温度域で最も高い値を示すがその前後
の温度域では低下する傾向が一般的である。
従って、従来よりこのような振動エネルギー吸収材に
求められる基準としては、まず材料が用いられる温度域
で高い損失係数を有することであった。一方、貯蔵弾性
率については無機,金属の充填材や軟化材あるいはゴム
等を添加することによりかなりの幅でその値を調整する
ことができるため最適値に合わせることが可能であっ
た。それゆえ、ブチルゴムやポリノルボルネン、特殊な
ポリウレタエラストマー等は損失係数の値がそれぞれ最
大でtanδ=1.4,2.8,1,3という優れた値を示している。
ところがこれらの素材は加工性,成形性に難があり使用
範囲が限られていた。
一方、塩化ビニル系樹脂は、一般的な成形加工法、例
えば押出成形法,射出成形法,カレンダー成形、ブロー
成形,真空成形などに於いて容易に成形加工がなされ、
また無機,金属の充填材や軟化材あるいはゴム等との複
合化が容易であるという長所を有している。
しかしながら、塩化ビニル樹脂のガラス転移温度は約
80℃であり、これ単独では振動エネルギー吸収材の実用
使用温度域(−30〜70℃)から外れており使用できな
い。またこの塩化ビニル樹脂のガラス転移温度を低下さ
せるものとして可塑剤があるが、例えば最も一般的な可
塑剤であるDOPを添加するとガラス転移温度は低下する
ものの損失係数の最大値も低下してしまい振動エネルギ
ー吸収性能が悪いものとなる。ところが最近の本発明者
らの検討の結果、ジシクロヘキシルフタレートに代表さ
れるごく限られた種類の可塑剤を塩化ビニル樹脂に添加
すると損失係数のピーク温度が下がり、しかもピーク値
が1.6程度にまで上昇することが見出だされた。しか
し、このジシクロヘキシルフタレートを塩化ビニル樹脂
に単独で70wt%以上添加したり30wt%以下の添加量でも
DOPなどと混合するとブリードするという欠点を有して
いるため改良が必要であった。
又、振動エネルギー吸収材が、比較的重量のある精密
電子機器,音響機器などの足として使用される場合が多
いため、長時間経過すると振動エネルギー吸収材が変形
し、初期の形状を保持しなくなり性能を発揮できなくな
るという問題があった。それ故、耐荷重変形性すなわち
圧縮永久歪の少ない振動エネルギー吸収材が望まれてい
る。これを改良する方法には、例えばベンゾイルパーオ
キサイド,ジクミルパーオキサイド,t−ブチルパーオキ
サイド等の有機過酸化物、例えば1,4−テトラメチレン
ジアミン,1,6−ヘキサメチレンジアミン等のジアミン系
化合物、例えば硫黄,テトラメチルチュウラムジスルフ
ィド,トリアジンジチオール等の硫黄系化合物による塩
化ビニル樹脂の架橋、ジアリルフタレート,架橋性ポリ
ウレタンまたはエポキシ樹脂等の成分架橋による方法、
さらには予め重合時に架橋した架橋塩化ビニル樹脂また
は塩化ビニル樹脂と相溶性の良い架橋NBR,架橋ポリウレ
タン等を塩化ビニル樹脂にブレンドする方法、水酸基の
ような反応性基を有する塩化ビニル樹脂を用いジイソシ
アネート等により架橋体とする方法などがある。これら
の方法において、塩化ビニル樹脂に架橋を行う場合は、
容易に圧縮永久歪の良好な組成物を得ることが可能であ
るが、反面問題点としては、(1)熱安定性に劣り着色
しやすい(2)架橋剤の残留物により臭気が残る(3)
架橋度を高くすると所定の硬度にするのに多量の可塑剤
を要する、等の問題がある。
反応性可塑剤を用いた場合は、ラジカル反応系である
ことが多いため、前述と同じ問題が起こる。
架橋塩化ビニル樹脂または架橋NBR等を塩化ビニル樹
脂にブレンドする場合は、(1)塩化ビニル樹脂へのそ
れらの分散性に関係し、引張強度,伸度等の物性の低下
が著しい(2)硬度の調整のため多量の可塑剤を要する
(3)反発弾性の低下(4)多量に添加すると成形性が
悪くなる(5)架橋NBR中のブタジエン成分により耐候
性及び耐熱老化性が悪い、等の問題がある。
さらに水酸基のような反応性基を有する塩化ビニル樹
脂を用いジイソシアネート等により架橋体とする方法で
は、反応性に劣るため、改良効果が少ない。
近年、塩化ビニル樹脂とポリウレタンの複合が、注目
され、様々な方法が提起されている。例えば、ポリウレ
タンを塩化ビニルモノマー(VCM)に溶解し、VCMの重合
により塩化ビニル樹脂とポリウレタンとの複合体を得る
方法、ポリオールの存在下VCMの重合により水酸基含有
塩化ビニル樹脂を製造し、これらのウレタン化反応によ
り得る方法、さらには塩化ビニル樹脂に、ポリオール,
イソシアネート,触媒等を含浸させ反応して得る方法等
がある。
しかしながら、これらの方法で得た塩化ビニル樹脂と
ポリウレタンとの複合体は、ゴム弾性に劣り、これらの
特性を必要とする用途には適さない。この様な複合体の
製造方法に於いて、トリイソシアネートを用いウレタン
架橋体を造ると加工性に劣るものとなる。また、一般的
に用いられる塩化ビニル樹脂とポリウレタンとの複合方
法として、ロールまたはバンバリーミキサーに於いて、
塩化ビニル樹脂と高度な弾性を有するポリウレタンエラ
ストマーをポリマーブレンドして得る方法がある。この
方法により得た複合体は、反発弾性に優れるものの圧縮
永久歪に劣るため改良が望まれている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上述のような現状に鑑み、ブリード現
象のない可塑剤の成分及び架橋体を形成するポリウレタ
ンの成分について検討した結果、本発明を完成するに至
った。
すなわち、本発明は塩化ビニル樹脂,水酸基2個以上
を有しかつ分子量が300以上10,000以下のポリマーポリ
オール,イソシアネート基3個以上を有する化合物、下
記の(i)の構造を有するフタル酸エステル及び下記の
(ii)の構造を有するリン酸エステルとを剪断力下、加
熱溶融混合してなる塩化ビニル系樹脂組成物であって、
該組成物のテトラヒドロフラン(THF)不溶分が5〜55
重量%である塩化ビニル系樹脂組成物およびこれを成形
してなる振動エネルギー吸収材に関するものである。
R1,R2:単環式炭化水素 R3〜R5:芳香族単環式炭化水素 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる塩化ビニル樹脂は、通常用いられる重
合方法により得られるもので良い。例えば、懸濁重合
法,塊状重合法,溶液重合法および乳化重合法などがあ
る。
なお、本発明でいう塩化ビニル樹脂とは、塩化ビニル
の単独重合体及び塩化ビニル単量体と共重合可能な単量
体との共重合塩化ビニル樹脂をさす。
また、塩化ビニル樹脂の重合度は、800〜8,000好まし
くは、1,000〜5,000の範囲のものが使用される。
塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体としては、例
えば、エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン−1,ブ
タジエン,スチレン,α−メチルスチレン,アクリロニ
トリル,塩化ビニリデン,シアン化ビニリデン,アルキ
ルビニルエーテル類,カルボン酸ビニルエステル類,ア
リールエーテル類,ジアルキルマレイン酸類,フマル酸
エステル類,N−ビニルピルリドン,ビニルピリジン,ビ
ニルシラン類,アクリル酸アルキルエステル類,メタク
リル酸アルキルエステル類等を挙げることができる。
さらに塩化ビニル樹脂はエチレン−酢酸ビニル−塩化
ビニルグラフトポリマー,塩化ビニル−ウレタンコポリ
マー等のグラフト重合体であっても良い。ただし、塩化
ビニル樹脂はこれらに限定されるものではない。又、こ
れらの重合体の重合時にジビニルベンゼン等のジビニル
化合物を添加して得られる架橋塩化ビニル樹脂も用いら
れる。
架橋塩化ビニル樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)
不溶分が、重量百分率で0.1〜25重量%の範囲のもので
あり、これを単独または未架橋塩化ビニル樹脂とのブレ
ンドで用いる。
本発明で用いるポリマーポリオールとは、水酸基2個
以上を有し、且つ分子量300以上10,000以下、好ましく
は、1,000以上5,000以下のものである。この様なポリマ
ーポリオールは例えば、炭素数4〜10の脂肪族系ジカル
ボン酸と炭素数2〜10の脂肪族系グリコール及び/また
はエポキシ基を開環重合して得られる繰り返し単位が5
以下のグリコールとの縮合重合により得ることができ
る。
尚、本発明でいう分子量とは、数平均分子量を示し、
これは、ゲルパーミエイション・クロマトグラフィー
(GPC)などによって測定可能である。
ポリマーポリオールの製造に用いられる炭素数2〜10
の脂肪族系グリコールとは、例えば、1,2−エタンジオ
ール,1,2−プロパンジオール,1,4−ブタンジオール,ブ
テンジオール,3−メチル−1,5−ペンタンジオール,1,6
−ヘキサンジオール,1,10−デカメチレンジオール,2,5
−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール,ネオペンチルグ
リコール,1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げら
れる。
一方、エポキシ基を有する化合物としては、例えば酸
化エチレン,酸化プロピレン,テトラヒドロフラン(TH
F)等の環状エーテルが挙げられる。これらを開環重合
して繰り返し単位が5以下のグリコールとしたものも、
本発明のグリコールとして好適に用いられる。これらの
うち1種または2種以上が使用される。
ポリマーポリオールの製造に用いられる炭素数4〜10
の脂肪族系ジカルボン酸としては、例えばコハク酸,グ
ルタール酸,アジピン酸,アゼライン酸,セバシン酸等
が挙げられ、これらの1種または2種以上が使用され
る。
このようなポリマーポリオールとしては、日本ポリウ
レタン(株)より商品名ニッポランとして市販されてい
る。
ポリマーポリオールの添加量は、塩化ビニル樹脂100
重量部に対し、10〜170重量部が好ましい。10重量部未
満では、ゴム弾性の改良に至らず、170重量部をこえる
と、加工が出来なくなる。
本発明で用いる3個以上のイソシアネート基を有する
化合物とは、例えば、2,4−及び2,6−トリレンジイソシ
アネート,m−及びp−フェニレンジイソシアネート,1−
クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート,1,5−ナフ
タレンジイソシアネート,メチレンビスフェニレン−4,
4′−ジイソシアネート,m−及びp−キシレンジイソシ
アネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,リジンジ
イソシアネート,4,4′−メチレンビスシクロヘキシルジ
イソシアネート,イソホロンジイソシアネート,トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアー
ネートの3量体,1,6,11−ウンデカントリイソシアネー
ト,リジンエステルトリイソシアネート,4−イソシアネ
ートメチル−1,8−オクタメチルジイソシアネート等の
トリイソシアネート類、もしくは、ポリフェニルメタン
ポリイソシアネート等の多官能イソシアネート類が挙げ
られ、これらの1種または2種以上が使用される。ま
た、上記のジイソシアネート類を併用することも可能で
ある。
ただし、全イソシアネートのNCO基モル数に対するト
リイソシアネートのNCO基モル数が0.25以上が望まし
い。0.25未満では、架橋密度の不足により十分な性能を
発揮出来ない。
又、NCO/OH比は、0.3〜1.3の範囲が好ましい。0.3未
満では、イソシアネートにトリイソシアネートのみを用
いても架橋密度の不足により十分な性能を発揮出来な
い。1.3を越えると、加工が出来ない。
本発明で用いる一般式(i)の構造を有するフタル酸
エステルとは、R1,R2がC3〜C8の単環式炭化水素からな
る化合物である。R1,R2は同一でも異なっていてもよ
く、環上の水素は他の置換基に置換されていてもよい。
具体的にはジシクロヘキシルフタレート(DCHP),ジ
メチルシクロヘキシルフタレート(DMCHP),ジフェニ
ルフタレート(DPP)等が挙げられ、好ましくはジシク
ロヘキシルフタレートである。添加量は特に制限されな
いが、後述する(ii)の構造を有する化合物と併用する
ことが必要である。(i)の構造を有する化合物は、極
めて高い損失係数(tanδ)を与え、振動エネルギー吸
収材として、その使用は有益である。
一般式(ii)の構造を有するリン酸エステルとは、R3
〜R5がC6〜C9の芳香族単環式炭化水素からなる化合物で
ある。R3〜R5は同一でも異なっていてもよく、環上の水
素は他の置換基に置換されていてもよい。
具体的には、トリクレジルホスフェート(TCP),ト
リキシレニルホスフェート(TXP)等が挙げられ、好ま
しくは、トリキシレニルホスフェートである。(ii)の
構造を有する化合物は、それ自体で高い損失係数(tan
δ)を与えるがさらに(i)の構造を有する化合物のブ
リード現象を抑制し、併用することによって極めて高い
損失係数を材料に与える。
本発明においてその他の可塑剤も併用出来る。例え
ば、フタル酸ジ−n−ブチル,フタル酸ジ−2−エチル
ヘキシル(DOP),フタル酸ジ−n−オクチル,フタル
酸ジイソオクチル,フタル酸オクチルデシル,フタル酸
ジイソデシル,フタル酸ブチルベンジル,イソフタル酸
ジ−2−エチルヘキシル等のフタル酸系可塑剤,アジピ
ン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA),アジピン酸ジ−
n−デシル,アジピン酸ジイソデシル,セバシン酸ジブ
チル,セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪族エ
ステル系可塑剤,トリメリット酸トリオクチル,トリメ
リット酸トリデシル等のトリメリット酸系可塑剤,ピロ
メリット酸テトラオクチル等のピロメリット酸系可塑
剤,リン酸トリブチル,リン酸トリ−2−エチルヘキシ
ル,リン酸2−エチルヘキシルジフェニル,リン酸トリ
クレジル等のリン酸エステル系可塑剤,エポキシ化大豆
油,エポキシ化アマニ油等のエポキシ系可塑剤及びアジ
ピン酸またはセバシン酸とグリコールとを縮合重合して
得られる平均分子量500〜10000の高分子可塑剤等が挙げ
られる。
本発明の組成物を調製する際、触媒を使用してもよ
い。触媒を用いなくとも反応は進行するが、触媒を使用
した方が均一な反応が進行し好ましい。この様な触媒と
しては、一般的なウレタン化反応に用いられる触媒であ
ればよく、例えば、トリエチルアミン,トリエチレンジ
アミン,N−メチルモルホリン等のアミン系触媒,テトラ
メチル錫,テトラオクチル錫,ジメチルジオクチル錫,
トリエチル錫塩化物,ジブチル錫ジアセテート,ジブチ
ル錫ジウラレート等の錫系触媒などを挙げることができ
る。
本発明において、塩化ビニル樹脂に安定剤も加えるこ
とができる。安定剤としては、例えば、ステアリン酸
鉛,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸バリウム,
ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カドミウムなどの金属
石鹸系安定剤,エポキシ化大豆油,エポキシ化アマニ油
などのエポキシ系安定剤などが挙げられる。
さらに必要に応じて通常に用いられる紫外線吸収剤,
酸化防止剤,老化防止剤,加工助剤及び充填剤等を配合
することもできる。ただし、本発明において、錫系安定
剤を使用すると、エステル系ポリマーポリオールの加水
分解触媒となるので使用を避けたほうが良い。
本発明の組成物は、例えば、ロール成形機,二軸混練
機,押出機,バンバリーミキサー等の樹脂の剪断溶融可
能な混練機において行われる。さらに詳しくは、例え
ば、バンバリーミキサーを例にすると、まずケーシング
温度100〜200℃の温度下、塩化ビニル樹脂及び必要に応
じて通常用いられる紫外線吸収剤,酸化防止剤,老化防
止剤、加工助剤及び充填剤等を加え混合する。次ぎに予
め50〜80℃に保温しておいたポリオール,可塑剤それに
イソシアネート,触媒を計量混合し、バンバリーミキサ
ーの投入口より仕込む。剪断力をかけながら、100〜200
℃の温度とし、さらに加熱混合を続け塩化ビニル樹脂の
溶融及びウレタン化反応を行い、3〜60分間後取り出
す。このようにして得られた樹脂組成物はロール成型機
に掛けシート化することができる。
本発明の組成物のTHF不溶分は、5〜55重量%である
ことが必要である。不溶分が5重量%未満であると、十
分な圧縮永久歪が与えられず、55重量%を越えると、成
型加工が困難になる。
このTHF不溶分の測定方法は、以下の通りである。即
ち、厚さ1.0±0.1mmのロールシートを1.0〜1.5mm角に裁
断し、1.0g計量する。これを300ccのビーカーに入れ200
mlTHF中スターラーにて2時間撹拌する。試料は、THFに
より膨潤するが300メッシュのふるいにて過した後、
これをガラス棒等で擂り潰し、過物をさらにい200ml
のTHF中スターラーにて4時間撹拌する。この溶液を予
め計量しておいた紙を通して不溶分を分離し、不溶分
及び紙をシャーレに乗せ40℃のオーブにて5時間乾燥
した後、重量を測定する。この方法により得られた不溶
分重量によりTHF不溶分重量%を測定する。
本発明でいう振動エネルギー吸収材とは、自動車や産
業機器などの振動の激しい部位に直接貼りつけて振動を
抑制したり、精密機器の脚部に用いて床からの振動の伝
播を防止する目的で使用される。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例によりさらに詳述するが、本発
明は、これらに限定されるものではない。
実施例1 内容積1700cc,ケーシング温度150℃のバンバリーミキ
サーに懸濁重合法により得られた塩化ビニル樹脂(東ソ
ー(株)製、商品名リューロンE−2800,平均重合度280
0)を700g,安定剤として、ステアリン酸バリウム14g,ス
テアリン酸亜鉛7g,アミン捕捉剤として日産フェロ有機
化学(株)製商品名BP−331 10.5gを仕込み一定回転速
度で撹拌した。又これとは別に、予め70℃に保温してお
いたポリマーポリオール(日本ポリウレタン(株)製、
商品名ニッポラン4067,数平均分子量2,000)210gと可塑
剤としてトリキシレニルホスフェート((株)大八化学
工業所製,(以下TXPという))210g及びジシクロヘキ
シルフタレート(大阪有機化学(株)製,(以下DCHPと
いう))280gを混合し、これにヘキサメチレンジイソシ
アネートの3量体(日本ポリウレタン(株)製商品名コ
ロネートEH)34.8g(NCO/OH比=1)触媒としてジブチ
ル錫ジラウレート0.03gを仕込み、1分間混合した後バ
ンバリーミキサー投入口より流し入れた。反応及び混合
時間はこれより15分間行った。
反応終了後、得られた複合体をロール成型機にかけシ
ートしたのち、これをプレス成型し、次に記載する評価
方法に従い各項目について評価した。
評価方法 (1)硬 度 JISK6301スプリング式硬さ試験器(A形)により測定
した。
(2)圧縮永久歪 JISK6301に従い、測定した。
(3)損失係数の測定 動的粘弾性測定装置(オリエンテック(株)製レオバ
イブロン)にて、損失係数(tanδ)の最大値及びその
温度を測定した。
(4)ブリードの有無 厚さ2mmのプレスシートを温度23℃,湿度50%の恒温
恒湿槽に放置し、目視によりブリード現象を調べた。表
1にブリードした例はブリード現象が見い出されるまで
の期間、6ケ月経過後もブリード現象が見い出されない
例は“無”とした。
結果を、表1に示す。
実施例2 可塑剤にTXP280g及びDCHP210gを用いた他はすべて実
施例1と同様に製造し評価した。
結果を、表1に示す。
比較例1 ヘンシェルミキサーに、実施例1で用いた塩化ビニル
樹脂1kg,ステアリン酸バリウム20g,ステアリン酸亜鉛10
g,TXP300g及びDCHP400gを仕込み、加熱撹拌し120℃にて
ドライアップして得られる塩化ビニル樹脂組成物を、15
0℃のロールで5分間混練した。これを用いて実施例1
と同様に評価した。
結果を、表1に示す。
比較例2 可塑剤にTXP400g及びDCHP300gを用いた他はすべて比
較例1と同様に製造し評価した。
結果を、表1に示す。
比較例3 実施例1に於いてトリイソシアネート(コロネートE
H)の代わりに、ヘキサメチレンジイソシアネートを17.
4g(NCO/OH比=1)を用いた他はすべて実施例2と同様
に製造し、評価した。
結果を、表1に示す。
比較例4 実施例1に於いてTXPの代わりにジオクチルフタレー
ト(DOP)300gを用いた他はすべて比較例2と同様に製
造し、評価した。
結果を、表1に示す。
〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、本発明により得られ
た塩化ビニル樹脂複合体は、圧縮永久歪が小さく、また
特定のフタル酸エステルと特定のリン酸エステルを共に
添加することにより、ブリード現象を抑制しかつ損失係
数の高い塩化ビニル系樹脂組成物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5:12 5:523) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 27/06 C08L 75/04 - 75/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル樹脂,水酸基2個以上を有しか
    つ分子量が300以上10,000以下のポリマーポリオール,
    イソシアネート基3個以上を有する化合物、下記の
    (i)の構造を有するフタル酸エステル及び下記の(i
    i)の構造を有するリン酸エステルとを剪断力下、加熱
    溶融混合してなる塩化ビニル系樹脂組成物であって、該
    組成物のテトラヒドロフラン不溶分が5〜55重量%であ
    る塩化ビニル系樹脂組成物。 R1,R2:単環式炭化水素 R3〜R5:芳香族単環式炭化水素
  2. 【請求項2】第(1)項記載の組成物からなる振動エネ
    ルギー吸収材。
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