JP2876430B2 - 写真感光材料用包装材料に用いる着色樹脂組成物及びこれを用いた写真感光材料用包装材料 - Google Patents

写真感光材料用包装材料に用いる着色樹脂組成物及びこれを用いた写真感光材料用包装材料

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JP2876430B2
JP2876430B2 JP3097138A JP9713891A JP2876430B2 JP 2876430 B2 JP2876430 B2 JP 2876430B2 JP 3097138 A JP3097138 A JP 3097138A JP 9713891 A JP9713891 A JP 9713891A JP 2876430 B2 JP2876430 B2 JP 2876430B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真感光材料用包装材
料に用いる着色樹脂組成物及びこれを用いた写真感光材
料用包装材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光によりその品質価値を全く失う
写真感光材料の包装に用いられる遮光フイルムが特公平
2−2700号公報等で、レンズ付フイルムユニットが特開
昭63−226643号公報等で、プラスチック製パトローネが
特開平1−312538号公報等で、写真フイルム用密封容器
が実開昭54−100617号公報等で開示されている。そし
て、これらにおいて遮光性を確保するにはカーボンブラ
ック等の遮光性物質を添加することにより行われてい
た。
【0003】最近、手軽でかつ安価に写真撮影が可能な
点で人気が高いレンズ付フイルムや、海外旅行の記念画
像を撮影するための写真カメラも、遮光性を確保するた
めにカーボンブラック等の遮光性物質が添加されてい
る。その他、VTRカメラ、テレビジョン、VTRテー
プ用カートリッジや自動車のバンパーにも、遮光性、高
級な外観等を確保するために、カーボンブラック、金属
粉末等の着色物質が添加されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の写真
感光材料用フイルム等では、遮光性を大きくしようとす
ると、着色物質、特に遮光性の優れたカーボンブラック
やアルミニウム粉末等の添加量の増加によって行わなけ
ればならなかった。しかし、着色物質の添加量が多くな
ると異物の固まりやフィッシュアイやボイドの発生が多
くなり、また物理強度、成形性、ヒートシール性等の低
下をきたし好ましくないものであった。
【0005】また、写真フイルム用スプールやプラスチ
ック製パトローネでは、JISで寸法、形状が規定され
ているため、その薄肉部分においても遮光性を確保でき
るように多量の遮光性物質を添加しなければならず、厚
肉部分においては必要以上の遮光性物質を添加したもの
となっていた。同様のことが写真フイルム用密封遮光容
器やレンズ付きフイルムや写真カメラ等にも言える。さ
らに、VTRカメラやテレビ、VTRテープ用カートリ
ッジ、自動車のバンパーにも同様のことが言える。
【0006】本発明は以上の問題点を解決し、着色物質
を増加させることなく着色性を増強できる写真感光材料
用包装材料に用いる着色樹脂組成物及びこれを用いた写
真感光材料用包装材料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために各種物質の着色性に与える影響を鋭意研究
し、着色物質とともに光により着色する物質を添加した
場合、光により着色する物質を添加しない場合に比して
着色性が15%以上向上することを見い出した。
【0008】本発明は、以上のような本発明者の着色性
の研究により始めて完成したものであり、すなわち、本
発明の写真感光材料用包装材料に用いる着色樹脂組成物
は、PHが6〜9、平均粒子径が10〜120mμ、揮
発成分が2.0%以下、吸油量が50ml/100g以
上のファーネスカーボンブラックと、光により着色する
物質と、滑剤とが配合された熱可塑性樹脂からなること
を特徴として構成されている。
【0009】また、本発明の写真感光材料用包装材料に
用いる着色樹脂組成物を主体として形成されている写真
感光材料用包装材料は、上記PHが6〜9、平均粒子径
が10〜120mμ、揮発成分が2.0%以下、吸油量
が50ml/100g以上のファーネスカーボンブラッ
クと、光により着色する物質と、滑剤とが配合された熱
可塑性樹脂を主体として形成されていることを特徴とし
て構成されている。
【0010】本発明に用いる着色物質の代表例を以下に
記載する。 (1) 無機化合物 A. 酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アンチ
モン、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライ
ト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アルミナ繊
維等 B. 水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム等 C. 炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 D. (亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 E. ケイ酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、
ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カ
ルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等 F. 炭素…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、炭素中空球等 G. その他…鉄粉、銅粉、鉛粉、錫粉、ステンレス粉、
パール顔料、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ポロン
繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、チタン酸カリウム、
チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウ
ム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、アルミニウ
ムペースト、タルク等
【0011】(2) 有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモン
ド、ピーナッツ、モミ殻など)、着色した各種の繊維例
えば木綿、ジュート、紙細片、セロハン片、ナイロン繊
維、ポリプロピレン繊維、デンプン、芳香族ポリアミド
繊維等これらの着色物質のなかで、滑剤や界面活性剤等
のブリードアウト量を減少させることができるので、カ
ーボンブラックが好ましい。 カーボンブラックの原料
による分類例をあげるとガスブラック、ファーネスブラ
ック、チャンネルブラック、アントラセンブラック、ア
セチレンブラック、ケッチェンカーボンブラック、サー
マルブラック、ランプブラック、油煙、松煙、アニマル
ブラック、ベジタブルブラック等がある。本発明では遮
光性、コスト、物性向上の目的ではファーネスカーボン
ブラックが望ましく、高価であるが帯電防止効果を有す
る着色物質としてはアセチレンカーボンブラック、変性
副生カーボンブラックであるケッチェンカーボンブラッ
クが望ましい。必要により前者と後者を必要特性に従っ
てミックスすることも望ましい。着色物質をポリエチレ
ン系ポリマーに配合する形態は上記のように種々ある
が、マスターバッチ法がコスト、作業場の汚染防止等の
点で望ましい。公知文献の特公昭40-26196号では有機溶
媒に溶解した重合体の溶液中にカーボンブラックを分散
せしめて、重合体−カーボンブラックのマスターバッチ
をつくる方法を、特公昭43-10362号にはカーボンブラッ
クをポリエチレンに分散してマスターバッチをつくる方
法を述べている。
【0012】本発明の写真感光材料用包装材料として、
使用する上で写真感光材料に対しカブリの発生がなく、
感光度の増減の発生が少なく、遮光能力が大きく、L−
LDPE樹脂フィルムに添加した場合でも、カーボンブ
ラックの固まり(ブツ)の発生やフィッシュアイ等フィ
ルム中にピンホールが発生しにくい点で、カーボンブラ
ックの中でも特に、PHが6.0〜9.0、平均粒子径
が10〜120mμ、揮発成分が2.0%以下、吸油量
が50ml/100g以上のファーネスカーボンブラッ
クが好ましい。チャンネルカーボンブラックは高価な上
に、写真感光材料にカブリを発生させるものが多く好ま
しくない。どうしても使用する必要がある場合でも写真
性に及ぼす影響を調査して選択すべきである。
【0013】また、写真感光材料用の包装材料に用いる
ことが出来る好ましいカーボンブラックの実際の製品と
しては、例えば三菱化成製のカーボンブラック#20
(B)、#30(B)、#33(B)、#40(B)、#44(B)、#45(B)、
#50、#55、#100、#600、#2200(B)、#2400(B)、M
A8、MA11、MA100等が挙げられる。
【0014】海外の製品としては、例えばキャボット社
のBlack Pearls 2、46、70、71、74、80、81、607等、R
egal 300、330、400、660、991、SRF-S等、Vulcan 3、
6等、Sterling 10、SO、V、S、FT−FF、MT−FF等
が挙げられる。
【0015】さらに、アシュランドケミカル社のUnited
R、BB、15、102、3001、3004、3006、3007、3008、300
9、3011、3012、XC−3016、XC−3017、3020等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0016】着色物質の添加量は、好ましくは0.1〜15w
t%、特に好ましくは0.5〜10wt%、最も好ましくは1.0
〜7.0wt%の範囲であり、これにより光により着色する
物質との併用効果(着色濃度向上、物理強度低下度合を
減少、溶融接着性向上、成形性向上、樹脂流動性向上)
が大きく発揮される。
【0017】着色物質の表面にはシリコン系オイルを被
覆することができる。このシリコン系オイルは、常温に
おける粘度が50〜100,000センチストークスの範囲が好
ましく、更に好ましくは5,000〜30,000センチストーク
スの高粘度のものがよい。添加量は、種類使用目的によ
り異なるが0.01〜1.0重量%である。好ましくは0.03〜
0.5重量%、特に好ましくは0.05〜0.3重量%である。
【0018】シリコン系オイル添加の効果は、本発明用
途としては次のように多くある。 繊維状充添材、非繊維状遮光性物質、顔料と併用する
だけでこれらの表面を被覆して分散性を向上させる。 樹脂の流動性を向上し、スクリューのモーター負荷を
小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミドを添加
しなくても滑性を十分確保できる。 加熱状態でのフイルムの摩擦保数を小さくし、自動製
袋適性を向上し、ヒートシール時のシワ発生や摺動によ
る光沢の低下を防止し、美しいシール部を得ることがで
きる。 遮光性物質と併用すると、遮光能力を向上でき、物性
を低下させる遮光性物質の添加量を減量しても遮光性を
確保できる。
【0019】シリコン系オイルは、ポリジメチルシロキ
サン、ポリメチルフェニルシロキサン、オレフィン変性
シリコン、ポリエチレングリコールやポリプロピレング
リコールで変性したポリエーテル変性シリコン、オレフ
ィン/ポリエーテル変性シリコン、エポキシ変性シリコ
ン、アミノ変性シリコン、アルコール変性シリコン等変
性されたシロキサン結合を含有したシリコン系オイルで
ある。該シリコン系オイル中、特にオレフィン変性シリ
コン、ポリエーテル変性シリコン、オレフィン/ポリエ
ーテル変性シリコン等が優れている。該シリコン系オイ
ルは、加熱状態でのフィルムの摩擦係数を改良し、自動
包装機による熱板シール中に生じる摺動抵抗を低下さ
せ、皺の発生を防止することにより、美しい外観と高度
な密封性と被包装体にたるみない密着性とを有する性能
を保持したフイルムを得る基礎をつくることが出来る。
又摺動による光沢の低下を防止して、美しいシール部を
得ることが出来る。シリコン系オイルを併用した場合の
本発明では、摺動ヒートシールをする場合、高温摩擦係
数を1.4以下にすることが出来る。
【0020】光により着色する物質には、アミン系酸化
防止剤、リグニン、感光性樹脂、5,8-Dimenthyl-tocotr
ienol、紫外線感応性化合物等がある。
【0021】紫外線感応性(着色する)化合物として
は、感光性樹脂、スピロピラン化合物、スピロオキサジ
ン化合物、スピロピリドオキサジン化合物、ステロベン
化合物、トリアリールメタン化合物、ビオローゲン化合
物、ハロゲン化銀化合物、チタン含有塩化合物、Ag2
−SiO2系化合物等がある。
【0022】樹脂組成物中に添加する量としては、目的
とする着色濃度等によって決定されるがコスト、他方の
悪影響防止の点から0.01〜40重量%、好ましくは0.05〜
20重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
【0023】着色物質が0.5重量%含まれる時は0.01〜
5重量%、好ましくは0.03〜3重量%、特に好ましくは
0.5〜2重量%添加する。
【0024】いずれにしても着色物質の添加量以下にす
るのが経済性、被包装物の品質への悪影響防止等の点か
ら好ましい。
【0025】また、光により着色する物質を添加する
と、酸化防止剤を用いなくても樹脂劣化によるブツ(異
物の固まり)やフィッシュアイの発生がほとんど発生し
なくなると同時に、成形品の物理強度低下が小さくな
る。
【0026】熱可塑性樹脂には、各種ポリエチレン樹脂
(ホモポリマー、コポリマー、2種以上のブレンドポリ
マー)、各種ポリプロピレン樹脂、各種ポリスチレン
樹、ABS樹脂、TAC樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、DAC樹脂、EVOH樹脂がある。
【0027】エチレン共重合体樹脂の代表例を以下に示
す。 (1) エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂 (2) エチレン−プロピレン共重合体樹脂 (3) エチレン−1−ブテン共重合体樹脂 (4) エチレン−ブタジエン共重合体樹脂 (5) エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂 (6) エチレン−メタクリル酸メチル共重合体樹脂 (7) エチレン−アクリル酸メチル共重合体樹脂 (8) エチレン−アクリル酸エチル共重合体樹脂(以後E
EA樹脂と表示) (9) エチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂 (10)エチレン−アクリル酸共重合体樹脂 (11)アイオノマー樹脂(エチレンと不飽和酸との共重合
物を亜鉛などの金属で架橋した樹脂) (12)エチレン−αオレフィン共重合体樹脂(L-LDPE樹
脂) (13)エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共重合体樹
【0028】エチレン共重合体樹脂中では、フイルム成
形性及びヒートシール適性が良く、破袋強度、衝撃穴あ
け強度及び引裂き強度が大きいので、L-LDPE樹脂とEE
A樹脂が好ましい。
【0029】L-LDPE(Liner Low Density Polyetylene)
樹脂は第3のポリエチレン樹脂と称され、中低圧法、高
圧法両ポリエチレン樹脂の利点を併せもつ省エネルギ
ー、省資源という時代の要請に合致する低コスト、高強
度の樹脂である。この樹脂は低圧法又は高圧改良法でエ
チレンと炭素数が3〜13個、好ましくは4〜10個のα−
オレフィンを共重合させたコポリマーで線状の直鎖に短
分岐をもった構造のポリエチレン系樹脂である。物理強
度やコストの点で好ましいα−オレフィンとしてはブテ
ン-1、オクテン-1、ヘキセン-1,4-メチルペンテン-1、
ヘプテン-1などが使用される。
【0030】密度は一般に低中密度ポリエチレン樹脂程
度とされているが、市販品では0.87〜0.95g/cm3の範囲
内にあるものが多い。メルトインデックスは0.1〜50g/1
0分の範囲内にあるものが多い。
【0031】L-LDPE樹脂の重合プロセスとしては中・低
圧装置を用いる気相法、液相法と高圧改良法装置を用い
るイオン重合法等がある。
【0032】L-LDPE樹脂の具体例を以下に示す。 エチレン・ブテン-1共重合体樹脂 GレジンとNUC−FLX(UCC社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) マーレックス (フィリップス社) スタミレックス (DSM社) エクセレンVL (住友化学) ネオゼックス (三井石油化学) 三菱ポリエチ−LL (三菱油化) 日石リニレックス (日本石油化学) NUCポリエチレン−LL (日本ユニカー) 出光ポリエチレンL (出光石油化学)
【0033】エチレン・ヘキセン-1共重合体樹脂 TUFLIN (UCC社) TUFTHENE (日本ユニカー)
【0034】エチレン・4メチルペンテン-1共重合体樹
脂 ウルトゼックス (三井石油化学)
【0035】エチレン・オクテン-1共重合体樹脂 スタミレックス (DSM社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) MORETEC (出光石油化学)
【0036】これらのL-LDPE樹脂の中で、フイルム状の
包装材料に使用する場合に好ましい樹脂は、メルトイン
デックス(以後MIと表示)が0.8〜10g/10分(JIS K-67
60)、密度が0.870 〜0.940g/cm3(JIS K-6760) 、そして
α−オレフィンの炭素数6〜8個の液相法プロセスと気
相法プロセスで得られたものである。
【0037】特に好ましい代表的な例を商品名であげる
と、ポリエチレンにα−オレフィン側鎖として炭素数6
個の4-メチルペンテン-1を導入した三井石油化学(株)の
ウルトゼックス及びα−オレフィン側鎖として炭素数8
個のオクテン-1を導入した出光石油化学(株)のMORETEC
とDSM社のスタミレックスとダウケミカル社のダウレ
ックスがある(以上4社品共液相法プロセスで得られた
L-LDPE樹脂である。)。低圧法の気相法プロセスで得られ
た好ましい代表的な例を商品名であげると、α−オレフ
ィン側鎖として炭素数6個のヘキセン-1を導入した日本
ユニカー(株)のTUFLIN及びUCC社のTUFTHENE等があ
る。
【0038】また最近発売された密度が0.910g/cm3未満
の超低密度直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、例えばUC
C社のNUC−FLXや住友化学(株)のエクセレンVL
も好ましい(以上2社品共α−オレフィンが炭素数4個
のブテン−1を使用)。
【0039】前記EEA樹脂は、その代表的製造メーカ
ーとしてユニオン・カーバイド社(アメリカ)、日本ユ
ニカー(株)、三菱油化(株)、住友化学(株)、三井ポリケ
ミカル(株)等がある。具体例として日本ユニカー(株)で
現在市販しているEEA樹脂の代表的銘柄名とそのコモ
ノマー含有量、メルトインデックス、及び密度を示す
(コモノマー含有量 NUC試験法で6%以上のも
の)。
【0040】
【表1】
【0041】本発明の着色樹脂組成物には、帯電防止剤
を添加することができる。本発明に用いることが可能な
帯電防止剤の代表例を以下に記載する。
【0042】I.ノニオン系(=非イオン系) (1) アルキルアミン誘導体:T-B103 (松本油脂)、T-B1
04(松本油脂) アルキルアミド型 ポリオキシエチレンアルキルアミン:アーモスタット31
0(ライオン油脂) 3級アミン(ラウリルアミン):アーモスタット400(ラ
イオン油脂) N,N-bis(2-hydroxyethyl cocoamine):アーモスタット
410(ライオン油脂) 3級アミン:ANTISTATIC273C、273、273E(FineOrg. Che
m) N-hydroxyhexadecyl-di-ethanol-amine:Belg. P. 654,
049 N-hydroxyoctadecyl-di-ethanol-amine:(National Dis
t.)
【0043】(2) 脂肪酸アマイド誘導体:TB-115(松本
油脂)、エレガンP100(日本油脂)、エリークSM-2(吉
村油化学) シュウ酸-N,N'-ジステアリルアミドブチルエステル:ヘ
キスト ポリオキシエチレンアルキルアミド
【0044】(3) エーテル型 ポリオキシエチレンアルキルエーテル RO(CH2CH2O)nH ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 特殊非イオン型:レジスタット104, PE100, 116〜118
(第一工業製薬)、レジスタットPE132, 139(第一工業
製薬)、エレガンE115, ケミスタット1005(日本油
脂)、エリークBM-1(吉村油化学)、エレクトロストリ
ッパ−TS, TS2, 3,5, EA, EA2, 3(花王石鹸)
【0045】(4) 多価アルコールエステル型 グリセリン脂肪酸エステル:モノグリ((日本樟脳)、TB
-123(松本油脂)、レジスタット113(第一工業製薬) ソルビタン脂肪酸エステル 特殊エステル:エリークBS-1(吉村油化学) 1-ヒドロキシエチル-2-ドデシルグリオキサゾリン:ブ
リティシュ・セロファン
【0046】II.アニオン系 (1) スルホン酸類 アルキルスルホネート RSO3Na アルキルベンゼンスルホネート アルキルサルフェート ROSO3Na
【0047】(2) リン酸エステル型 アルキルホスフェート
【0048】III.カチオン系 (1) アミド型カチオン:レジスタットPE300, 401, 402,
406, 411(第一工業製薬)
【0049】(2) 四級アンモニウム塩 第4級アンモニウムクロライド 第4級アンモニウムサルフェート 第4級アンモニウムナイトレート カチミンCSM-9(吉村油化学)、CATANAC609(アメリカン
・シアナミド)、デノン314C(丸菱油化)、アーモス
タット 300(ライオン油脂)、100V(アーマー)、エ
レクトロストリッパ−ES(花王石鹸)、ケミスタット20
09A(日本油脂) Stearamido propyl-dimethyl-β-hydroxyethyl ammoniu
m nitrate:CATANAC・SN(アメリカン・ジアナミド)
【0050】IV.両性イオン系 (1) アルキルペタイン型:
【0051】(2) イミダゾリン型: レオスタット53, 532(ライオン油脂)、AMS 53(ライオ
ン油脂)、AMS 303, 313(ライオン油脂) アルキルイミダゾリン型
【0052】(3) 金属塩: AMS 576(ライオン油脂) レオスタット826, 923(ライオン油脂) (RNR'CH2CH2CH2NCH2COO)2Mg R≧C, R'=Hまたは(CH
2)mCOO-;ライオン油脂 R=C38炭化水素、A=酸素またはイミノ基、M=有
機アミンまたは金属
【0053】(4) アルキルアラニン型:
【0054】V.導電性樹脂 ポリビニルベンジル型カチオン ポリアクリル酸型カチオン
【0055】VI.その他;レジスタット204, 205(第一
工業製薬)、エレガン2E, 100E(日本油脂)、ケミ
スタット1002, 1003, 2010(日本油脂)、エリーク51
(吉村油化学)、ALROMINE RV-100(ガイギー)
【0056】以上帯電防止剤の中で写真性及び人身に与
える悪影響が小さいので、非イオン(ノニオン)系帯電
防止剤が特に好ましい。
【0057】帯電防止剤について具体的に説明する。内
部用帯電防止剤としては非イオン系、アニオン系、両性
イオン系のいずれを用いても良い。
【0058】具体的には、非イオン系としては高級アル
コールのエチレンオキサイド付加体、アルキルフェノー
ルのエチレンオキサイド付加体、エステル類(たとえば
高級脂肪酸と多価アルコールのエステル、高級脂肪酸の
ポリエチレン−グリコールエステル等)、ポリエーテル
類、アミド類(たとえば高級脂肪酸アミド、ジアルキル
アミド、高級脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加体
等)が効果的である。
【0059】アニオン系としては、アルキルアリルホス
ホン酸、アジピン酸、グルタミン酸、アルキルスルホン
酸塩類、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンア
ルキルホスフェート、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩、および
ソジウムジアルキルスルホサクシネートが効果的であ
る。
【0060】カチオン系については、アミン類(たとえ
ばアルキルアミンのリン酸塩、シッフ塩基、アミドアミ
ン、ポリエチレンイミン、アミドアミンと金属塩の複合
体、アミノ酸のアルキルエステル等)、イミダゾリン
類、アミンエチレンオキサイド付加体、第4級アンモニ
ウム塩などが良い。
【0061】両イオン性系については、N-アシルザルコ
シネート、アミノカルボン酸誘導体類、アラニン型金属
塩、イミダゾリン型金属塩、カルボン酸型金属塩、ジカ
ルボン酸型金属塩、ジアミン型金属塩、酸化エチレン基
を有する金属塩等が良い。
【0062】上記の範疇に入らない物質として、無機電
解質、金属粉末、金属酸化物、カオリン、ケイ酸塩、炭
素粉末、炭素繊維も本発明の効果がある。また、グラフ
ト重合およびポリマーブレンド等も効果的である。
【0063】次に外部用帯電防止剤として用いられる代
表例をあげると、非イオン系では多価アルコール類(た
とえばグリセリン、ソルビット、ポリエチレングリコー
ル、ポリエチレンオキサイド等)、多価アルコールエス
テル類、高級アルコールエチレン−オキサイド付加体
類、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体類、
脂肪酸エチレンオキサイド付加体類、アミド類、アミド
酸化エチレン付加体類、アミン酸化エチレン付加体類等
があり、また両イオン性系ではカルボン酸類(たとえば
アルキルアラニン等)、スルホン酸類等が効果的であ
る。
【0064】アニオン系では、カルボン酸塩、硫酸誘導
体(例えばアルキルスルホン酸塩等)、リン酸誘導体
(たとえばホスホン酸、リン酸エステル等)ポリエステ
ル誘導体が良い。
【0065】カチオン系では、アミン類(たとえばアル
キルアミン、アミドアミン、エステルアミン等)、ビニ
ル窒素誘導体、第4級アンモニウム塩(たとえばアミド
基を含むアンモニウム塩、エチレンオキサイドを含むア
ンモニウム塩等)、アクリル酸エステル誘導体、アクリ
ル酸アミド誘導体、ビニルエーテル誘導体等がある。
【0066】本発明の着色樹脂組成物には、滑剤を添加
することができる。市販の代表的滑剤名と製造メーカー
名を以下に記載する。
【0067】(1) 脂肪酸アミド系滑剤 飽和脂肪酸アミド系滑剤 ベヘニン酸アミド系滑剤;ダイヤミッドKN(日本化
成)等 ステアリン酸アミド系滑剤;アーマイドHT(ライオ
ン油脂)、アルフローS−10(日本油脂)、脂肪酸アマ
イドS(花王)、ダイヤミッド200(日本化成)、ダイヤ
ミッドAP−1(日本化成)、アマイドS・アマイドT
(日東化学)、ニュートロン−2(日本精化)等 パルミチン酸アミド系滑剤;ニュートロンS−18(日
本精化)、アマイドP(日東化学)等 ラウリン酸アミド系滑剤;アーマイドC(ライオン・
アクゾ)、ダイヤミッド(日本化成)等
【0068】不飽和脂肪酸アミド系滑剤 エルカ酸アミド系滑剤;アルフローP−10(日本油
脂)、ニュートロン−S(日本精化)、LUBROL(I・C
・I)、ダイヤミッドL−200(日本化成)等 オレイン酸アミド系滑剤;アーモスリップCP(ライ
オン・アクゾ)、ニュートロン(日本精化)、ニュート
ロンE−18(日本精化)、アマイドO(日東化学)、ダ
イヤミッドO−200・ダイヤミッドG−200(日本化
成)、アルフローE−10(日本油脂)、脂肪酸アマイド
O(花王)等
【0069】ビス脂肪酸アミド系滑剤 メチレンビスベヘニン酸アミド系滑剤;ダイヤミッド
NKビス(日本化成)等 メチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;ダイヤミッ
ド200ビス(日本化成)、アーモワックス(ライオン・
アクゾ)、ビスアマイド(日東化学)等 メチレンビオオレイン酸アミド系滑剤;ルブロンO
(日本化成)等 エチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;アーモスリ
ップEBS(ライオン・アクゾ)等 ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;アマ
イド65(川研ファインケミカル)等 ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;アマイ
ド60(川研ファインケミカル)等
【0070】(2) シリコーン系滑剤 各種グレードのジメチルポリシロキサン及びその変性物
(信越シリコーン、東レシリコーン) 特に各種シリコンが樹脂流動性向上、滑性向上等の効果
を発揮させるだけでなく、着色物質と併用すると着色物
質の分散性向上、着色力向上等予想外の効果を発揮する
ので好ましい。
【0071】(3) 非イオン界面活性剤系滑剤;エレクト
ロストリッパ-TS-2、エレクトロストリッパ-TS-3(花
王石鹸)等
【0072】(4) 炭化水素系滑剤;流動パラフィン、天
然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィン、ポ
リエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、塩素化
炭化水素、フルオロカルボン
【0073】(5) 脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(C12以上
が好ましい)、オキシ脂肪酸
【0074】(6) エステル系滑剤;脂肪酸の低級アルコ
ールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪
酸のポリグリコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコール
エステル
【0075】(7) アルコール系滑剤;多価アルコール、
ポリグリコール、ポリグリセロール
【0076】(8) 金属石けん;ラウリン酸、ステアリン
酸、リシノール酸、ナフテン酸、オレイン酸等の高級脂
肪酸とLi、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、S
n、Pb等の金属との化合物
【0077】本発明の着色樹脂組成物には、酸化防止剤
を添加することができる。酸化防止剤の代表例を以下に
記載する。
【0078】(イ) フェノール系酸化防止剤 6-t-ブチル-3-メチルフェニール誘導体、2・6-ジ-t-ブチ
ル-Pクレゾール、2,6-t-ブチル-4-エチルフェノール、2
・2'-メチレンビス-(4-エチル-6-t-ブチルフェノー
ル)、4・4'-ブチリデンビス(6-t-ブチル-m-クレゾー
ル)、4・4'-チオビス(6-t-ブチル-m-クレゾール)、4・4
-ジヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、アルキル化
ビスフェノール、スチレン化フェノール、2・6-ジ-t-ブ
チル-4-メチルフェノール、n-オクタデシル-3-(3'・5'-
ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピネート、2
・2'-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、
4・4'-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェニール)、4・
4'-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノー
ル)、ステアリル-β (3・5-ジ-4-ブチル-4-ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、1・1・3-トリス(2-メチル-4
ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、1・3・5トリメ
チル-2・4・6-トリス(3・5-ジ-t-ブチル-4ヒドロキシベン
ジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン-3(3'・5'-ジ-t-
ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタ
【0079】(ロ) ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6-エトキシ-2・2・4-トリメチル-1・2-ジヒドロキノリン、
2・2・4-トリメチル-1・2-ジヒドロキノリンの重合物、ト
リメチルジヒドロキノリン誘導体
【0080】(ハ) アリルアミン系酸化防止剤 フェニル-α-ナフチルアミン、N-フェニル-β-ナフチル
アミン、N-フェニル-N'-イソピロピル-P-フェニレンジ
アミン、N・N'-ジフェニル-P-フェニレンジアミン、N・N'
-ジ-β-ナフチル-P-フェニレンジアミン、N-(3'-ヒドロ
キシブチリデン)-1-ナフチルアミン
【0081】(ニ) イミダゾール系酸化防止剤 2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾ
イミダゾールの亜鉛塩、 2−メルカプトメチルベンゾイ
ミダゾール
【0082】(ホ) ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイト、ジフェニルイソデシル
フォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト亜リン酸ソーダ、トリノニルフェニルフォスファイ
ト、トリフェニルフォスファイト
【0083】(ヘ) チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1・3-ビス(ジメチルアミノプロピル)-
2-チオ尿素
【0084】(ト) その他空気酸化に有用な酸化防止剤 チオジプロピオン酸ジラウリル
【0085】代表的な市販酸化防止剤を以下に示す。 (1) フェノール系酸化防止剤;SUMILIZER BHT(住友)、
IRGANOX 1076(チバガイギー)、MARK AO−50(アデカ
・アーガス)、SUMILIZER BP−76(住友)、TOMINOX SS
(吉富)、IRGANOX 565(チバガイギー)、IONOX WSP(IC
I)、SANTONOX(Monsanto)、SUMILIZER WX R(住友)、AN
TAGEC-RYSTAL(川口)、IRGANOX 1035(チバガイギ
ー)、ANTAGEW−400(川口)、NOCLIZER NS−6(大内新
興)、IRGANOX 1425 WL(チバガイギー)、MARKAO−80
(アデカ・アーガス)、SUMILIZER GA−80(住友)、 TO
PANOLCA(ICI) 、MARK AO−30(アデカ・アーガス)、MA
RK AO−20(アデカ・アーガス)、IRGANOX 3114(チバ
ガイギー)、MARK AO−330(アデカ・アーガス)、IRGAN
OX 1330(チバガイギー)、CYANOX 1790(ACC)、IRGANOX
1010(チバガイギー)、MARK AO−60(アデカ・アーガ
ス)、SUMILIZER BP−101 (住友)、TOMINOX TT(吉
富)
【0086】(2) 燐系酸化防止剤;IRGAFOS 168(チバガ
イギー)、MARK 2112(アデカ・アーガス)、WESTON 618
(ボルグワーナー)、MARK PEP−8(アデカ・アーガ
ス)、ULTRANOX 626(ボルグ・ワーナー)、MARK PEP−
24G(アデカ・アーガス)、MARK PEP−36(アデカ・アー
ガス)、HCA(三光)
【0087】(3) チオエーテル系酸化防止剤;DLTDP "Y
OSHITOMI"(吉富)、SUMILIZER TPL(住友)、ANTIOX L
(日油)、DMTD"YOSHITOMI"(吉富)、SUMILIZER TPM
(住友)、ANTIOX M(日油)、DSTP "YOSHITOMI"(吉
富)、SUMILIZER TPS(住友)、ANTIOX S(日油)、SEEN
OX 412S(シプロ)、MARK AO−412 S(アデカ・アーガ
ス)、SUMILIZER TP−D(住友)、MARK AO−23(アデカ
・アーガス)、SANDSTAB P−EPQ(サンド)、IRGAFOS P
−EPQ FF(チバガイギー)、IRGANOX 1222(チバガイギ
ー)、MARK 329K(アデカ・アーガス)、WES TON399(ボ
ルグ・ワーナー)、MARK 260(アデカ・アーガス)、MA
RK 522A(アデカ・アーガス)
【0088】(4) 金属不活性化剤;NAUGARD XL−1(ユニ
ロイヤル)、MARK CDA−1(アデカ・アーガス)、MARK C
DA−6(アデカ・アーガス)、LRGANOX MD−1024(チバガ
イギー)、CUNOX(三井東圧)
【0089】特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の
酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社のイ
ルガノックス各種と住友化学(株)のSumilizer BHT, Sum
ilizer BH−76, Sumilizer WX−R, Sumi-lizer BP−101
等である。又フェノール系の酸化防止剤及び/又は燐系
酸化防止剤を2種以上ミックスして用いると酸化防止効
果が大きくなるので好ましい。
【0090】本発明の着色樹脂組成物に、静電気故障等
を防止するために導電性物質を添加することができる。
この導電性物質の代表例を以下に示す。 (1) 金属表面被覆顔料 (2) 金属粉末、金属フレーク (3) 炭素繊維 (4) 金属繊維 (5) ウィスカー(チタン酸カリウム、窒化アルミナ、ア
ルミナ) (6) 無機化合物
【0091】無機化合物の代表例を以下に示す。リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、鉛、鉄銅、亜鉛、アルミニウム、スズ、ストロンチ
ウムおよびマンガンから選ばれた少なくとも一つの元素
の塩からなる無機塩化合物であり、その中でも効果や経
済性の面から特に好ましく用いられるものとしては、塩
化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化
カルシウム、塩化鉄および塩化銅などの塩酸塩、硝酸カ
リウム、硝酸マグネシウム、硝酸塩および硝酸亜鉛など
の硝酸塩、硝酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸マ
グネシウムおよび硫酸鉄などの硫酸塩、リン酸水素カリ
ウムおよびリン酸ナトリウムなどの酸塩、ホウ酸カリウ
ムなどのホウ酸塩ならびに臭化ナトリウムおよび臭化リ
チウムなどの臭化物があげられる。上記化合物は結晶水
を有してもよい。
【0092】これらの無機化合物を使用する量について
は、100cm2当たり0.1〜20mgの量の範囲が好ましく、0.1
mg/100cm2以下では帯電防止性能が不十分であり、また1
0mg/100cm2以上では写真フイルムにカブリ等の悪影響を
及ぼす。その他、本発明では必要により各種添加剤を用
いることができる。
【0093】次に、添加剤の代表例を以下に記載する
が、本発明はこれに限定されるものではなく、公知のあ
らゆるものの中から選択できる。
【0094】
【表2】
【0095】上述した着色樹脂組成物を主体として形成
される写真感光材料用包装材料としては、図1に示すよ
うな写真フィルム用スプール、図2に示すような写真フ
ィルム用カートリッジ(特公昭53−2050号、特公
昭54−28735号、実公昭56−16610号、特
開平1−118129号、特開平1−312540号
等)、図3に示すような密封遮光容器(マイクロフィル
ム用プラスチックケース)、図4に示すようなレンズ付
フィルムユニット(特開昭63−226643号等)、図
5に示すような身蓋一体型角形プラスチックケース、写
真フィルム用遮光紙(特公昭55−31541号、特公
昭61−36216号、特公平2−13774号、特開
昭57−196218号、特開昭58−203436
号、特開昭59−15049号、実開平1−90041
号等)、インスタントフィルム用成形品(特開昭59−
86047号等)、明室装填用マガジン(特開平1−1
21852号等)、写真フィルム用パトローネ(特開昭
54−111822号、特開昭56−87039号、特
開昭57−190948号、特開平1−312538号
等)、ディスクフィルム用カートリッジ(実開昭60−
21743号等)、写真フィルム用容器(USP 48
01011号、実開昭54−100617号、実公昭4
4−28473号等)等がある。
【0096】写真感光材料用包装材料を形成する方法
は、各写真感光材料用包装材料の形態により、例えば、
インフレーションフィルム成形、射出成形、真空成形、
シート成形、Tダイフラットフィルム成形、圧空成形、
回転成形、金型内真空射出成形等で形成する
【0097】本発明の写真感光材料用包装材料の表面
に、機能上必要な文字や記号、あるいは商品価値を高め
るために印刷が施すことができる。これらの印刷に使用
されるインキとしては感光材料に無害なものが選ばれ、
一般に使用されているオフセット印刷用インキ、グラビ
ア印刷用インキ又はUVインキから選ぶことができる。
【0098】これらのインキに使用される代表的な合成
樹脂は、塩酢ビ系、硝化綿、ポリエステル、ポリアミド
ウレタン、ポリアクリル、ロジン変性マレイン酸、エチ
レン酢ビ、ビニールエーテル、ウレタン酢ビ、塩酢ビウ
レタン樹脂、変性アルキッド樹脂変性フェノール樹脂、
アルカリ可溶型樹脂(ロジン変性マレイン酸樹脂、スチ
レンマレイン酸樹脂、スチレンアクリル酸樹脂、アクリ
ル酸エステルアクリル酸樹脂、メタクリル酸エステルア
クリル酸樹脂)、ハイドロゾル型樹脂(スチレンマレイ
ン酸樹脂、スチレンアクリル酸樹脂、α−メチルスチレ
ンアクリル酸樹、アクリル酸エステルアクリル酸樹脂、
メタクリル酸エステルアクリル酸樹脂)、エマルジョン
型樹脂(スチレン樹脂、スチレンアクリル酸エステル樹
脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、メタクリル酸エス
テル共重合樹脂)、VUインキ用の樹脂としては、アク
リル系不飽和基を持つポリマーが一般的に使用されてお
り、代表的な例としてはポリエステル/アクリル酸エス
テル、ポリエステル/ウレタン樹脂/アクリル酸エステ
ル、エポキシ樹脂/アクリル酸エステル、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレング
リコールジアクリレート、ヒドロキシエチレンメタクレ
ートが挙げられる。
【0099】又これらのインキには一般に知られている
着色剤が併用される。使用される着色剤としては、特開
昭63−44653号公報等に記載されている各種顔料及びア
ゾ顔料(アゾレーキ;カーミン6B、レッド2B、不溶
性アゾ;モノアゾイエロ(PY−1、3)、ジスアゾイエ
ロ(PY−12、13、14、17、83)、ピラゾロオレンジ(PO
−B−34)、バルカンオレンジ(PO−16)、縮合アゾ
系;クロモフタルイエロ(PY−93、95)、クロモフタル
レッド(PR−144、166)、多環式顔料(フタロシアニン
系;銅フタロシアニンブルー(PB−15、15−1、15−
3)、銅フタロシアニングリーン(PG−7)、シオキサ
ジン系;ジオキサジンバイオレット(PV−23)、イソイ
ンドリノン系;イソインドリノンイエロ(PY−109、11
0)、スレン系;ペリレン、ペリノン、フラバントロ
ン、チオインジゴ、レーキ顔料(マラカイトグリーン、
ローダミンB、ローダミンG、ビクトリアブルーB)又
無機顔料(酸化物、二酸化チタン、ベンガラ、硫酸塩;
沈降性硫酸バリウム、炭酸塩;沈降性炭酸カルシムウ、
珪酸塩;含水珪酸塩、無水珪酸塩、金属粉;アルミニウ
ム粉、ブロンズ粉、亜鉛末、カーボンブラック、黄鉛、
紺青等が挙げられる。またこれ等の顔料は遮光性物質と
して前述の樹脂層等に添加しても構わない。この他に油
溶性染料、分散性染料等も使用される。その他インキを
構成する原材料として必要に応じて各種溶剤、分散剤、
湿潤剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、安定剤、架橋
剤、ワックス等の添加剤が使用される。
【0100】本発明に係る写真感光材料用包装材料を用
いて包装する写真感光材料の代表例を以下に示す。
【0101】(a) ハロゲン化銀写真感光材料(レントゲ
ン写真フイルム、印刷用フイルム(リスフイルム)、白
黒及びカラー印画紙、カラーフイルム、印刷用マスター
紙、DTR感光材料、電算写植フイルム及びペーパー、
マイクロフイルム、映画用フイルム、自己現像型写真感
光材料、直接ポジ型フイルム及びペーパー等)
【0102】(b) ジアゾニウム写真感光材料(4-モルフ
ォリノベンゼンジアゾニウムマイクロフイルム、マイク
ロフイルム、複写用フイルム、印刷用版材等)
【0103】(c) アジド、ジアジド系写真感光材料(パ
ラアジドベンゾエード、4,4'ジアジドスチルベン等を含
む感光材料、例えば複写用フイルム、印刷用版材等)
【0104】(d) キノンジアジド系写真感光材料(オル
ソーキノンジアジド、オルソーナフトキノンジアジド系
化合物、例えばベンゾキノン(1,2)-ジアジド-(2)-4-ス
ルフォン酸フェニルエーテル等を含む感光材料、例えば
印刷用版材、複写用フイルム、密着用フイルム等)
【0105】(e) フォトポリマー(ビニル系モノマー等
を含む感光材料、印刷用版材、密着用フイルム等)
【0106】(f) ポリビニル桂皮酸エステル系(例えば
印刷用フイルム、IC用レジスト等)
【0107】(g) その他、各種の光や酸素や亜硫酸ガス
等により変質、劣化する感光物質、例えば食品(バタ
ー、ピーナッツ、マーガリン、スナック製品、ツマミ、
菓子、お茶、ノリ等)、医薬品(胃腸薬、カゼ薬等の粉
末状、顆粒状の袋入薬品)、染料、写真プリント、カラ
ー印刷物、顔料、写真現像薬品、写真定着薬品、トナ
ー、農業用マルチフイルム、断熱・保温用フイルム、ロ
ール状感光材料の明室装填用防湿遮光フイルム等にも適
用することができる。
【0108】
【作用】本発明の着色樹脂組成物では、光により着色す
る物質が着色物質単独の場合に比してより濃く着色させ
る。そして、この着色濃度を濃くすることにより遮光性
を向上させている。
【0109】
【実施例】
実施例1 プロピレン96.5重量%とエチレン3.5重量%とを共重合
させたMIが32g/10分、分子量分布が2.7のプロピレン
−エチレンランダム共重合体樹脂に、ステアリン酸カル
シウム0.2重量%、アミン系酸化防止剤であるフェニル-
β-ナフチルアミン0.1重量%、5・8-Dimenthyl-tocotrie
nol 0.2重量%、エルカ酸アミド0.1重量%で表面処理し
たファーネスカーボンブラック0.3重量%、平均粒子径
2.2μmのタルク5重量%、MIが10g/10分、密度が0.9
25g/cm3のエチレン・4メチルペンテン-1共重合体樹脂2
0重量%添加したポリプロピレン系樹脂組成物を用い、
型締圧150tの射出成形機で図1の写真フイルム用スプ
ールを作成し、そして、35mmの36枚撮りの写真フイルム
を巻き込んでパトローネ入写真フイルムとし、これを8
万ルックスの太陽光下に30分間放置した。その結果、光
カブリが発生せず、遮光性を確保できた。この写真フイ
ルム用スプールは、従来のポリスチレン樹脂製のものよ
り滑性が向上し、フイルムの巻き上げトルクが小さく、
耐摩耗性の優れたものでありカメラ内で写真フイルムを
巻き上げられなくなることがなくなった。
【0110】比較例1 アミン系酸化防止剤0.1重量%の代わりにフェノール系
酸化防止剤であるテトラキス〔メチレン3-(3'・5'-t-ブ
チル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
を0.3重量%用い、5・8-Dimenthyl-tocotrienolを添加し
ない他は、実施例1のポリプロピレン系樹脂組成物と同
一にしたポリプロピレン系樹脂組成物を用い、型紙圧15
0tの射出成形機で図1の写真フイルム用スプールを作
成し、そして、実施例1と同一条件で遮光性テストを行
ったところ、肉薄部分に光カブリが発生した。光カブリ
が発生しないようにするには、着色物質の平均粒子径2.
2μmのタルク5重量%を10重量%に2倍に増加する必
要があった。滑性に欠け写真フイルムの巻き上げトルク
が大きく、カメラ内で写真フイルムを巻き上げられなく
なることが散発した。
【0111】実施例2 MIが2.1g/10分、密度が0.920g/cm3のエチレン・4メ
チルペンテン-1共重合体樹脂にカーボンブラック3重量
%、ジメチルポリシロキサン(シリコン)0.1重量%、5
・8-Dimenthyl-tocotrienol 0.2重量%、アミン系酸化防
止剤であるN,N'-ジフェニル・フェニレンジアミン0.1重
量%を添加したL-LDPE樹脂組成物を用いてインフレーシ
ョンフイルム成形した。厚さ45μmでカラーペーパーを
密封包装して8万ルックスの太陽光下に30分間放置して
も光カブリが発生せず、滑性が優れ、ブロッキングが発
生せず静電気も少なかった。フイルム成形性も優れ、押
出電流値も小さく、ブツ(異物による固まり)やフィッ
シュアイの発生も少ないものであった。
【0112】比較例2 実施例2と同一のエチレン・4メチルペンテン-1共重合
体樹脂にカーボンブラックを3重量%のみ添加したL-LD
PE樹脂組成物を用いたインフレーションフイルムであ
る。このフイルムは実施例と同じ厚さの45μmでは光カ
ブリが発生し、フイルム厚さを45μm→60μmに厚くし
てはじめて光カブリが発生しなくなった。滑性不足でブ
ロッキングが発生しやすく、シワや筋が発生しやすいフ
イルム成形性が劣るものであった。
【0113】また押し出しに必要な電流値も大きく、ホ
ッパーからスクリューへのペレットの搬送性も悪く、ハ
クリ帯電圧が大きく、ブツ(異物による固まり)やフィ
ッシュアイ等の発生が多かった。
【0114】実施例3 ポリブタジエンゴムを2重量%とカーボンブラック0.4
重量%、酸化ケイ素0.5重量%、粘度が10,000センチス
トックスのジメチルポリシロキサン1.0重量%、アミン
系酸化防止剤であるN,N'-ジ-β-ナフチル-P-フェニレン
ジアミン0.2重量%を含むポリスチレン樹脂を用いて図
1の実施例1と同一の写真フイルム用スプールを同一成
形機を用いて射出成形し、その後に実施例1と同一の遮
光性テストを行ったが光カブリが発生しなかった。ま
た、写真フイルムの巻き上げトルクが小さく、耐摩耗性
が優れており、カメラ内で写真フイルムを巻き上げられ
なくなることがなくなった。
【0115】比較例3 ポリブタジエンゴムを2重量%、カーボンブラックを0.
4重量%、フェノール系酸化防止剤のテトラキス〔メチ
レン3-(3'・5'-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート〕メタンを0.3重量%含むポリスチレン樹脂
を用い、実施例3と同一形状、同一射出成形方法で図1
の写真フイルム用スプールを作成し、同一遮光性テスト
を行った。その結果、肉薄部に光カブリが発生した。光
カブリが発生しないようにするには着色物質のカーボン
ブラックを0.4重量%から0.5重量%以上に増加する必要
があった。また、この写真フイルム用スプールは滑性に
欠け、写真フイルムの巻き上げトルクが大きく、耐摩耗
性も劣っており、カメラ内で写真フイルムを巻き上げら
れなくなることがしばしば発生するものであった。特
に、最近多く使われている電池による写真フイルム巻き
上げ方式のカメラでは、電池が消耗してくると写真フイ
ルム巻き上げ不良が多く発生しやすいものであった。
【0116】実施例4 実施例1と同一のポリプロピレン系樹脂組成物と射出成
形機を用いて図3に示すマイクロフイルム用密封遮光容
器を作成した。この密封遮光容器はヒンジ部の薄肉部の
強度(折り曲げ繰返し強度)も十分であり、遮光性も十
分で光カブリの発生もなかった。
【0117】比較例4 比較例1と同一のポリプロピレン系樹脂組成物と射出成
形機を用いて図3に示すマイクロフイルム用密封遮光容
器を作成した。この密封容器はヒンジ部の薄肉部の強度
が低下し、外観が悪く、防湿性も実施例4より低下して
いた。
【0118】実施例5 ポリブタジエン3.5重量%、カーボンブラック0.3重量
%、酸化ケイ素1.0重量%、粘度が20,000センチストー
クスのジメチルポリシロキサン0.3重量%、アミン系酸
化防止剤であるフェニル-β-ナフチルアミン0.1重量
%、5・8-Dimenthyl-tocotrienol 0.2重量%、ステアリ
ン酸カルシムウ0.3重量%、ファーネスカーボンブラッ
ク0.3重量%含むゴム入ポリスチレン樹脂を用い、図4
に示すレンズ付フイルムユニット本体を型締圧220tの
射出成形機を用いて作成した。このレンズ付フイルムユ
ニット本体に35mm写真フイルム(24枚撮り)パトローネ
を装填後、撮影状態で8万ルックスの太陽光下に30分放
置したが光カブリの発生がなかった。また、樹脂の流動
性も優れており、成形故障(ショートショット等)がほ
とんど発生しなかった。
【0119】比較例5 実施例5から粘度が20,000センチストークのジメチルポ
リシロキサン0.3重量%、アミン系酸化防止剤であるフ
ェニル-β-ナフチルアミン0.1重量%、5・8-Dimenthyl-t
ocotrienol 0.2重量を除去した他は、全く実施例5と同
一のゴム入ポリスチレン樹脂を用いて図4に示すレンズ
付フイルムユニット本体を型締圧220tの射出成形を用
いて作成した。このレンズ付きフイルムユニット本体に
35mm写真フイルム(24枚撮り)パトローネを装填後、撮
影状態で8万ルックスの太陽光下に30分放置したが、光
カブリが発生し、実用化不可であった。また、樹脂の流
動性が悪く、成形故障(ショートショット等)が散発し
た。
【0120】実施例6 MIが14.0g/10分、密度が0.965g/cm3の高密度ポリエチ
レン樹脂92.3重量%、粘度が2万センチストークスのジ
メチルポリシロキサン2.0重量%、ステアリン酸カルシ
ウム0.2重量%、5・8 Dimenthyl-tocotrienol 0.2重量
%、オレイン酸アミド0.05重量%、ファーネスカーボン
ブラック0.25重量%、平均粒子径2.2μmのタルク5重
量%から成る高密度ポリエチレン系樹脂組成物を用い、
型締圧150tの射出成形機で図1の写真フイルム用スプー
ルを作成し、そして35mmの36枚撮りの写真フイルムを巻
き込んでパトローネλ写真フイルムとし、これを8万ル
ックスの太陽光下に30分間放置した。その結果、光カブ
リが発生せず、実施例1よりファーネスカーボンブラッ
クを10%以上(0.3→0.25重量%)減少させても遮光性を
確保できた。この写真フイルム用スプールは、従来のポ
リスチレン樹脂製のものより滑性が向上し、フイルムの
巻き上げトルクが小さく、耐摩耗性の優れたものであ
り、カメラ内で写真フイルム巻き上げられなくなること
がなくなった。又、添加剤のブリードアウトによる白粉
もほとんど観察されなかった。
【0121】この予想外の効果は、ジメチルポリシロキ
サンと高密度ポリエチレン樹脂と着色物質の少なくとも
3種を併用した結果であり、着色濃度を向上させ、添加
剤のブリードアウトによる白粉の発生を見えにくくする
効果があることが判明した。
【0122】実施例7 MIが6.0g/10分、密度が0.968g/cm3の高密度ポリエチ
レン樹脂92.4重量%、粘度が1万センチストークスのジ
メチルポリシロキサン2.0重量%、ステアリン酸カルシ
ウム0.1重量%、5・8 Dimenthyl-tocotrienol 0.2重量
%、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド0.05重量%、
ファーネスカーボンブラック0.25重量%、平均粒子径2.
2μmのタルク5重量から成る高密度ポリエチレン系樹
脂組成物を用い、型締圧150tの射出成形機で図3の嵌合
形状で寸法のみ写真フイルムパトローネが収納できる四
角柱状にした容器本体と該容器本体とヒンジで体化さ
れ、開用自在に嵌着されるキャップとからなる図5構造
の写真フイルムパトローネ用容器を作成した。この写真
フイルムパトローネ用容器は、実施例4のポリプロピレ
ン系樹脂組成物を用いたものよりファーネスカーボンブ
ラックを10%以上(0.3→0.25重量%)減少させても遮
光性を確保できる着色濃度向上効果を有する予想外の優
れた遮光容器であった。成形性も優れ(冷却時間を短縮
させても座屈等の変形がなくなった)、添加剤のブリー
ドアウトによる白粉もほとんど観察されなかった。この
予想外の効果は、ジメチルポリシロキサン等のシリコー
ンと高密度ポリエチレン樹脂と着色物質の少なくとも3
種を併用した効果であると判明した。
【0123】実施例6、7の結果より、ポリスチレン樹
脂よりポリオレフィン樹脂、特に高密度ポリエチレン樹
脂にシリコンを添加すると着色濃度向上、滑性向上効果
が発揮されることが明らかになった。
【0124】
【発明の効果】本発明の写真感光材料用包装材料に用い
る着色樹脂組成物は、ファーネスカーボンブラックとと
もに光により着色する物質を添加することにより、ファ
ーネスカーボンブラック単独使用の場合より着色濃度を
大きくすることができる。また、本発明の写真感光材料
用包装材料は、着色性を増大させることができるので、
ファーネスカーボンブラックの添加量を減少させること
ができ、包装材料の物理強度が向上するとともに、不溶
解物、フィッシュアイ、ボイド、発泡の発生を抑え、か
つフィルム成形性、射出成形性、シート成形性、真空成
形性、圧空成形性やヒートシール適性を悪化させること
がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の着色樹脂組成物で形成された写真フイ
ルム用スプールの正図面。
【図2】本発明の着色樹脂組成物で形成された写真フイ
ルム用カートリッジの分解斜視図。
【図3】本発明の着色樹脂組成物で形成されたマイクロ
フイルム用遮光ケースの断面図。
【図4】本発明の着色樹脂組成物で形成されたレンズ付
フイルムユニット本体の分解斜視図。
【図5】本発明の着色樹脂組成物で形成された身蓋一体
角型プラスチックケースの斜視図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08K 13/02 3:04 5:00)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PHが6〜9、平均粒子径が10〜12
    0mμ、揮発成分が2.0%以下、吸油量が50ml/
    100g以上のファーネスカーボンブラック光によ
    り着色する物質と、滑剤とが配合された熱可塑性樹脂か
    らなることを特徴とする写真感光材料用包装材料に用い
    着色樹脂組成物
  2. 【請求項2】 光により着色する物質が、スピロオキサ
    ジン化合物、スピロピリドオキサジン化合物、ステロベ
    ン化合物、トリアリールメタン化合物、ビオローゲン化
    合物、チタン含有塩化合物、酸化銀−酸化珪素系化合物
    である請求項1記載の写真感光材料用包装材料に用いる
    着色樹脂組成物
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂は、密度が0.87〜0.
    95g/cm 3 、メルトインデックスが0.1〜50g
    /10分のエチレン・αオレフィン共重合体樹脂である
    請求項1に記載の写真感光材料用包装材料に用いる着色
    樹脂組成物
  4. 【請求項4】 滑剤が、シリコーン系滑剤である請求項
    1に記載の写真感光材料用包装材料に用いる着色樹脂組
    成物
  5. 【請求項5】 ファーネスカーボンブラックが0.1〜
    15重量%、光により着色する物質が0.01〜40重
    量%配合され、滑剤がシリコーン系滑剤であり、熱可塑
    性樹脂が高密度ポリエチレン樹脂である請求項1に記載
    の写真感光材料用包装材料に用いる着色樹脂組成物
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5に記載の写
    真感光材料用包装材料に用いる着色樹脂組成物を主体と
    して形成されていることを特徴とする写真感光材料用包
    装材料
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