JP2875845B2 - m―フェノキシベンジルアルコールの製法 - Google Patents

m―フェノキシベンジルアルコールの製法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、m−フェノキシベンジルアルコールの製法
に関する。
m−フェノキシベジルアルコールはピレスロイド系殺
虫剤の原料である。近年、農薬に対する人体への影響の
観点から、低毒性のピレスロイド系農薬への要求が高
く、m−フェノキシベンジルアルコールを安価に供給す
ることは農薬開発の上で一つの大きな課題である。
〔従来の技術〕
従来、m−フェノキシベンジルアルコールの製造方法
については、m−フェノキシトルエンを塩素化、酸化す
ることによる方法が一般的に知られている。しかし、こ
れらの方法は、次のような欠点を有し、工業的に安価で
有利な方法としてはまだ満足できるものではなかった。
(1)m−フェノキシトルエンの側鎖塩素化による方
法: 側鎖メチル基を塩素化反応ではベンジル位に第二の塩
素付加が起こり、副生成物を生じ、反応率を上げると選
択率が低下し、分離、精製工程が必要であり、更に、次
工程の加水分解も煩雑である。
(2)m−フェノキシトルエンの側鎖の酸化による方
法: 側鎖メチル基の酸化に際しては、高温、高圧といった
厳しい反応条件を必要とし、ベンジル位がアルコールで
止まらずにアルデヒドまたはカルボン酸にまで酸化され
る。目的物を得るためには、これらの生成したベンズア
ルデヒドまたは安息香酸を還元しなければならないの
で、この方法は(1)と同様工程が煩雑である。
また、m−フェノキシベンジルアルコールの別の製造
方法として、m−クロロ安息香酸エステルまたはニトリ
ルとフェノレートとを縮合させる方法(フランス特許第
2456727)も知られている。しかし、この方法に使用さ
れるm−クロロ安息香酸エステルまたはニトリルは高価
であり、工業的に有利な方法とはなり得ない。さらに別
の製造方法として、m−ヒドロキシベンジルアルコール
とブロムベンゼンとを、銅触媒を用いて縮合させること
によって、m−フェノキシベンジルアルコールを得る方
法(特開昭48−61443、特開昭61−186339)も提案され
ている。しかし、この方法も、原料のブロムベンゼンが
高価であるという点から工業的製法として不十分であ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者らは、先にm−ヒドロキシ安息香酸から比較
的安価にm−ヒドロキシベンジルアルコールを製造する
ことに成功した。それ故、本発明者らは、m−ヒドロキ
シベンジルアルコール及び、クロルベンゼンを出発原料
としてm−フェノキシベンジルアルコールを製造する方
法を鋭意検討した結果、それを高収率で得る方法を先に
提案した。(特開昭61−257938、特開昭63−041435) 該方法は、8−オキシキノリンの銅錯体形成化合物触
媒、及び塩基の存在下、N,N′−ジメチルイミダゾリジ
ノン、N,N′−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、N−メチル−2−ピロリドン、スルホラン、と
いった極性溶媒を用いて、140〜200℃の反応温度で生成
水をクロルベンゼンと共沸脱水させながら、m−ヒドロ
キシベンジルアルコールとクロルベンゼンを反応させ、
m−フェノキシベンジルアルコールを製造する方法であ
る。
しかしながら、該方法においては、安価なクロルベン
ゼンとの縮合で収率よく目的のm−フェノキシベンジル
アルコールが得られる点で有利であるが、上記の極性溶
媒が比較的高価であるため、該方法を工業的に実施する
ためには、反応終了後、濾過にて不溶の無機塩を除去し
た後、蒸留して、クロルベンゼンとともに極性溶媒を回
収し、再使用できるプロセスを確立する必要がある。し
かも上記極性溶媒は、塩基性条件下比較的不安定であ
り、反応中に一部分解し、タール状物が生成するため、
反応マスを濾過して、無機塩類を除去するときに、濾過
性が悪くなるととともに、蒸留による回収率が悪いとい
う欠点を有する。
〔課題を解決するための手段〕
m−ヒドロキシベンジルアルコールとクロルベンゼン
の縮合反応を工業的に実施可能なプロセスにするために
は、目的物のm−フェノキシベンジルアルコールの収率
アップを目指すだけでなく、製造原価にしめる溶媒のコ
スト低減を検討する必要がある。従って、本発明の目的
は、安価でかつ塩基性条件下に安定で溶媒の分解タール
化が少なく、後処理の濾過が簡便に行え、回収効率の良
い、反応溶媒を見出すことにより、工業的に実施可能な
m−フェノキシベンジルアルコールの製造法を提供する
ことにある。
この問題を解決するために、本発明者らは、鋭意検討
した結果、アルキレングリコールを反応溶媒として用い
た場合には、m−フェノキシベンジルアルコールの収率
が良く、かつアルキレングリコールが本塩基性反応条件
下に安定でタールを生成せず、反応終了後の濾過の改善
及び溶媒回収効率が良くなることを見出し、本発明を完
成した。
すなわち、本発明は銅化合物触媒及び塩基の存在下、
クロルベンゼンとm−ヒドロキシベンジルアルコールと
の反応によりm−フェノキシベンジルアルコールを製造
する方法において、m−ヒドロキシベンジルアルコール
1モル当り0.3〜5モルのアルキレングリコールを反応
溶媒として用いることを特徴とするm−フェノキシベン
ジルアルコールの製法である。
本発明の方法における一方の原料たるクロルベンゼン
は、ベンゼンの塩素化により、工業的に多量に製造さ
れ、容易に入手できる。
また本発明の方法における他方の原料であるm−ヒド
ロキシベンジルアルコールは、m−クレゾールを原料と
する醗酵法、m−ヒドロキシベンズアルデヒドを還元す
る方法、m−ヒドロキシ安息香酸を還元する方法などに
より合成される。
本発明方法において使用する塩基としては、特に限定
されるものではないが、例えばナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドといっ
たナトリウムあるいはカリウムアルコラート、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムまたは相応する重炭酸塩等が挙げられる。塩基の使
用量は、m−ヒドロキシベンジルアルコールに対して最
低でも理論量であることが必要であり、m−ヒドロキシ
ベンジルアルコール1モル当り通常1.0〜4.0モル、好ま
しくは1.0〜2.0モルである。上記の上限を越える量を使
用した場合、特に反応速度等に改善は見られず、目的生
成物のm−フェノキシベンジルアルコールがさらにクロ
ルベンゼンと反応したm−フェノキシベンジルフェニル
エーテルの副生量が増加する傾向がある。
また、使用する塩基によっては、m−ヒドロキシベン
ジルアルコールとの反応で水が生成するので、クロルベ
ンゼンとの共沸によって、反応初期にあるいは、反応中
に、脱水を行うことが好ましい。
本発明方法において使用できる反応溶媒はアルキレン
グリコールである。好ましいアルキレングリコールは式
(I)で表される。
(式中、R,R′は水素原子、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、X1およびX2は水素原子、メチル基
を、nは1〜10の整数をそれぞれ示す)で表されるもの
である。具体的には、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ
コール、トリプロピレングリコール等のグリコール類、
あるいはそれらのモノメチルエーテル、モノエチルエー
テル、モノプロピルエーテル、モノイソプロピルエーテ
ル、モノn−ブチルエーテル、モノイソブチルエーテル
等のグリコールモノエーテル類、あるいはそれらのジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、
ジイソブチルエーテル、等のグリコールジエーテル類が
挙げられる。反応溶媒としてのアルキレングリコールは
一種又は二種以上を混合して用いても良い。更にアルキ
レングリコールと非プロトン性極性溶媒と混合して用い
ることも可能である。
その使用量は、溶媒効果を出すために、m−ヒドロキ
シベンジルアルコール1モル当り0.3〜5.0モルの範囲で
使用する。
またクロルベンゼンの使用量は、m−ヒドロキシベン
ジルアルコールに対して当量以上であることが必要であ
る。しかし、あまり多いと反応の容積効率を低下させる
のでm−ヒドロキシベンジルアルコール1モル当り通常
1.0〜20.0モル、好ましくは2.0〜10.0モルの範囲で使用
する。
本発明方法において使用する銅触媒としては、銅粉、
ハロゲン化銅、炭酸銅などが例示される。これらはその
まま単独使用しても差支えないが、これらを錯体の形で
使用することが好ましい。
例えば、8−オキシキノリン銅錯体(特開昭59−1347
43)が好ましい触媒である。8−オキシキノリン銅錯体
は通常m−ヒドロキシベンジルアルコールに対し0.5〜
5.0モル%の範囲で使用するのがよい。
反応温度は、通常120〜200℃、好ましくは130〜170
℃、更に好ましくは150〜170℃の範囲である。120℃未
満では反応速度が極端に遅くなる傾向にある。200℃を
越えると原料のm−ヒドロキシベンジルアルコールが熱
により分解する為、m−フェノキシベンジルアルコール
の選択率が低くなることがある。
反応は常圧でも行えるが、反応速度を上げるためには
0.5〜5.0kg/cm2程度に加圧することが好ましい。
反応時間は、反応温度、反応圧力によって異なるが、
常圧では10〜30時間程度、加圧下では1〜10時間程度が
通常である。
反応は、生成物のm−フェノキシベンジルアルコール
の酸化反応等を避けるため、通常、窒素ガス等の不活性
ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
該反応終了後に反応混合物中に残る過剰のクロルベン
ゼン及びアルキレングリコールは、濾過によって不溶の
無機塩及び触媒を反応混合物から除いた後、蒸留するこ
とによって回収できる。
アルキレングリコールの回収を行う必要がない場合に
は、反応終了後に反応混合物を水洗し、アルキレングリ
コールを含んだ水相を廃棄し、油相を蒸留することによ
って、クロルベンゼンを回収し、精m−フェノキシベン
ジルアルコールを取得することができる。
〔実施例〕
以下、実施例によって、本発明を具体的に説明する。
実施例1 リフラックスコンデンサーと脱水管を備えた反応器に
m−ヒドロキシベンジルアルコール50.0g(0.40モ
ル)、クロルベンゼン90.0g(0.80モル)、トリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル164.2g(1.00モル)、
および炭酸カリウム41.8g(0.30モル)を混合し、さら
に塩化第一銅0.8g、および8−オキシキノリン1.2gを仕
込んだ。
窒素ガス雰囲気下150℃に昇温し、そのまま還流脱水
をつづけながら20時間撹拌した。
反応終了後、反応混合物を70℃まで冷却し、減圧濾過
した〔桐山ロート用濾紙No.3(φ60mm)使用、減圧度20
〜30mmHg〕ところ、濾過に要した時間は約3分であっ
た。
濾過によって、不溶の無機物を除去した後、濾過残渣
を少量のクロルベンゼンで洗浄し、洗浄液を濾液に加え
た。この液をGLC分析に付すことにより、m−ヒドロキ
シベンジルアルコールの転化率は99%、m−フェノキシ
ベンジルアルコール収率は93%、トリエチレングリコー
ルモノメチルエーテルの残存率は仕込み量に対して98%
であることが判った。
また、この液を減圧蒸留することによってクロルベン
ゼン、及びトリエチレングリコールモノメチルエーテル
162.5g(純度98%、回収率97%)を回収した後、精m−
フェノキシベンジルアルコール71.6g(純度98%、単離
収率87%)が得られた。
実施例2 m−ヒドロキシベンジルアルコール20.0g(0.16モ
ル)、クロルベンゼン70.5g(0.63モル)、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル19.2g(0.16モル)、お
よび炭酸カリウム16.7g(0.12モル)、塩化第二銅0.40
g、および8−オキシキノリン0.48gを、リフラックスコ
ンデンサーと脱水管を備えたオートクレーブ内に仕込ん
だ。オートクレーブ内を窒素ガスにて置換した後、160
℃に昇温し、4時間撹拌を行った。反応圧力は1.3〜1.7
kg/cm2であった。反応終了後、反応混合物を70℃まで冷
却し、実施例1と同様の後処理を行った。濾過は3分以
内で終了した。クロルベンゼン及び、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル18.8g(純度98%、回収率96
%)を回収した後、精m−フェノキシベンジルアルコー
ル28.6g(純度97%、単離収率86%)が得られた。
実施例3 ジエチレングリコールモノメチルエーテルに替えて、
ジエチレングリコールモノiso−プロピルエーテル30.0g
(0.20モル)を使用した以外は、実施例2と全く同様に
反応及び後処理を行った。
濾過所要時間は3分以内であった。クロルベンゼン及
びジエチレングリコールモノiso−プロピルエーテル30.
0g(純度95%、回収率95%)を回収した後、精m−フェ
ノキシベンジルアルコール28.3g(純度97%、単離収率8
5%)が得られた。
実施例4 クロルベンゼンの使用量を143.9g(1.28モル)に増や
し、ジエチレングリコールモノメチルエーテルに替え
て、トリエチレングリコールジメチルエーテル142.4g
(0.80モル)を使用した以外は、実施例2と全く同様に
反応及び後処理を行った。濾過所要時間は3分以内であ
った。クロルベンゼン、及びトリエチレングリコールジ
メチルエーテル140.9g(純度98%、回収率97%)を回収
した後、精m−フェノキシベンジルアルコール24.7g
(純度98%、単離収率75%)が得られた。
実施例5 ジエチレングリコールモノメチルエーテルに替えて、
プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル39.6g
(0.3モル)を使用した以外は実施例2と同様に反応及
び後処理を行った。
濾過所要時間は3分以内であった。クロルベンゼン、
及びプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル38.8
g(純度98%、回収率96%)を回収した後、精m−フェ
ノキシベンジルアルコール28.1g(純度98%、単離収率8
6%)がえられた。
実施例6 ジエチレングリコールモノメチルエーテルに替えて、
ジエチレングリコール17.0g(0.16モル)を使用した以
外は実施例2と同様に反応及び後処理を行った。
減圧蒸留により、クロルベンゼン及びジエチレングリ
コール16.5g(純度98%、回収率95%)を回収した後、
精m−フェノキシベンジルアルコール24.7g(純度97
%、転化率44.8%、選択率96%、単離収率85%)が得ら
れた。
実施例7 ジエチレングリコールモノメチルエーテルに替えて、
ジエチレングリコールジメチルエーテル21.5g(0.16モ
ル)を使用した以外は実施例2と同様に反応及び後処理
を行った。
減圧蒸留により、クロルベンゼン及びジエチレングリ
コール20.8g(純度98%、回収率95%)を回収した後、
精m−フェノキシベンジルアルコール11.9g(純度97
%、転化率44.8%、選択率96%、単離収率85%)が得ら
れた。
実施例8 ジエチレングリコールモノメチルエーテルに替えて、
ポリエチレングリコール(平均分子量200)10.0g(0.05
モル)を使用した以外は実施例2と全く同様に反応を行
った。反応終了後、反応混合物をその2重量倍の水にて
2回洗浄し、ポリエチレングリコールを水層に除去した
後、油層を蒸留することによりクロルベンゼンを回収し
た後、精m−フェノキシベンジルアルコール28.0g(純
度98%、単離収率85%)が得られた。
比較例1 トリエチレングリルコーモノメチルエーテルに替え
て、N,N′−ジメチルイミダゾリジノン156.6g(1.37モ
ル)を使用した以外は、実施例1と全く同様の反応を行
った。反応終了後、反応混合物を70℃まで冷却し、実施
例1と同様に減圧濾過した。濾過に要した時間は1時間
であった。
不溶の無機物を除去した後、濾過残渣を少量のクロル
ベンゼンで洗浄し、洗浄液を濾液に加えた。この液をGL
C分析に付すことによりm−ヒドロキシベンジルアルコ
ールの転化率98%、m−フェノキシベンジルアルコール
の収率は90%、N,N′−ジメチルイミダゾリジノンの残
存率は仕込み量に対して86%であることがわかった。
また、この液を減圧蒸留して、クロルベンゼン及びN,
N′−ジメチルイミダゾリジノン134.0g(純度97%、回
収率83%)を回収した後、精m−ヒドロキシンベンジル
アルコール70.7g(純度97%、単離収率85%)が得られ
た。
比較例2 ジエチレングリコールモノメチルエーテルに替えて、
ジメチルスルホキシド23.4g(0.30モル)を使用した以
外は、実施例2と全く同様の反応及び後処理を行った。
濾過時間は2時間であった。
クロルベンゼン及びジメチルスルホキシド18.1g(純
度97%、回収率75%)を回収した後、精m−フェノキシ
ベンジルアルコール26.6g(純度97%、単離収率80%)
が得られた。
比較例3 実施例2においてジエチレングリコールモノメチルエ
ーテルを加えない代わりにクロルベンゼンの使用量を9
0.0gに増して、10時間反応させた以外は、実施例2と全
く同様に反応させた。
得られた反応混合物をGLC分析したところ、m−ヒド
ロキシベンジルアルコールの転化率75%、m−フェノキ
シベンジルアルコールの収率は51%であった。
〔発明の効果〕
実施例、比較例の結果から明らかな通り、銅触媒及び
塩基の存在下、クロルベンゼンとm−ヒドロキシベンジ
ルアルコールとの反応により、m−フェノキシベンジル
アルコールを製造する際に、本発明に従ってアルキレン
グリコールを溶媒として使用する場合には、m−フェノ
キシベンジルアルコールの収率が良く、アルキレングリ
コールが塩基性反応条件下で安定なためアルキレングリ
コールの分解によるタールの生成量が少なく、従って後
処理における濾過操作が簡便となり、さらにはアルキレ
ングリコールの回収効率が良いので、m−フェノキシベ
ンジルアルコール製造法における溶媒のコストを大幅に
低減できる極めて価値ある発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 41/16,43/295

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロルベンゼンとm−ヒドロキシベンジル
    アルコールを銅触媒及び塩基の存在下に反応させて、m
    −フェノキシベンジルアルコールを製造する方法におい
    て、m−ヒドロキシベンジルアルコール1モル当り0.3
    〜5モルのアルキレングリコールを反応溶媒として用い
    ることを特徴とするm−フェノキシベンジルアルコール
    の製法。
  2. 【請求項2】アルキレングリコールが式(I) 〔式中、R,R′は水素原子、メチル基、エチル基、プロ
    ピル基、ブチル基、X1およびX2は水素原子、メチル基、
    nは1〜10の整数を示す。〕で表されるエチレングリコ
    ール類あるいはプロピレングリコール類である請求項1
    記載の製法。
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