JP2566977B2 - 2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法 - Google Patents

2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法

Info

Publication number
JP2566977B2
JP2566977B2 JP62209157A JP20915787A JP2566977B2 JP 2566977 B2 JP2566977 B2 JP 2566977B2 JP 62209157 A JP62209157 A JP 62209157A JP 20915787 A JP20915787 A JP 20915787A JP 2566977 B2 JP2566977 B2 JP 2566977B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
mol
group
reaction
organic solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62209157A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6452737A (en
Inventor
秀典 新夕
昌彦 吉田
正典 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Carbide Industries Co Inc filed Critical Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority to JP62209157A priority Critical patent/JP2566977B2/ja
Publication of JPS6452737A publication Critical patent/JPS6452737A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2566977B2 publication Critical patent/JP2566977B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、2,4,5−トリフルオロ安息香酸の新規の製
造方法に関する。
〔従来の技術〕
2,4,5−トリフルオロ安息香酸は、医薬、農薬、感光
材料および機能性樹脂等の中間原料として有用な化合物
である。この2,4,5−トリフルオロ安息香酸は、従来、
2,4,5−トリフルオロブロモベンゼンを出発原料として
合成する方法が知られていた。特開昭58−188839号公報
には、2,4,5−トリフルオロブロモベンゼンと金属マグ
ネシウムとをテトラヒドロフラン中で反応させて2,4,5
−トリフルオロフェニルマグネシウムブロミドとし、次
いで炭酸ガスと反応させて2,4,5−トリフルオロ安息香
酸を製造する方法が記載されている。また、特開昭60−
72885号公報記載の方法では、2,4,5−トリフルオロブロ
モベンゼンとシアン化第一銅とをN−メチルピロリドン
中で加熱処理して2,4,5−トリフルオロベンゾニトリル
を単離した後、これを濃硫酸中で加熱撹拌してアミド誘
導体とし、ついで濃硫酸−亜硝酸ソーダ水溶液と加熱処
理して2,4,5−トリフルオロ安息香酸を得ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、前記の従来方法では、いずれの場合も
収率が60%未満と低いうえ、出発原料の2,4,5−トリフ
ルオロブロモベンゼンは特殊な試薬で非常に高価である
ため、工業的製造方法として満足できるものではなかっ
た。
本発明者等は、3,4,6−トリフルオロフタル酸を出発
原料として用い、これを液状媒体中、特定温度範囲条件
下で加熱処理することによって2位のカルボン酸基だけ
を選択的に脱炭酸することができ、従って2,4,5−トリ
フルオロ安息香酸を簡単に得ることができることを見出
した。
従って、本発明の目的は、2,4,5−トリフルオロ安息
香酸の安価で簡易な新規の製造方法を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
前記の目的は、本発明により、3,4,6−トリフルオロ
フタル酸を液状媒体中、80〜250℃の温度範囲で加熱処
理することを特徴とする、2,4,5−トリフルオロ安息香
酸の製造方法によって達成することができる。
本発明方法の液状媒体としては、出発原料、反応生成
物および場合により使用する触媒との間で、本発明にと
って不都合な副反応を起こすことのない、常温で液体の
任意の化合物を使用することができる。
このような液状媒体としては、水、非プロオン性極性
有機溶媒、N−H結合を有しない含窒素有機塩基、およ
び、これらの混合物が好適に使用できる。
なお、本発明において“極性有機溶媒”とは、分子内
に2D(デバイ)以上の永久双極子モーメントをもつ中性
の有機化合物をいう。
前記の非プロトン性極性有機溶媒としては、例えばジ
メチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、ジメチルス
ルホン、テトラメチルスルホン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ア
セトニトリル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ベンゾ
ニトリル、ニトロベンゼン、グリコール類のジアルキル
エーテル、または、キノリンなどがあり、そのうち、水
溶性非プロトン性極性有機溶媒としては例えばジメチル
スルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチルスルホ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘ
キサメチルリン酸トリアミド、N−メチピロリドン、ア
セトニトリル、グリコール類のジアルキルエーテル〔例
えばジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライ
ム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリ
グライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテ
ル(テトラグライム)〕などがある。また非水溶性非プ
ロトン性極性有機溶媒としては例えばベンゾニトリル、
ニトロベンゼンなどがある。
また、本発明で使用できる前記のN−H結合を有しな
い含窒素有機塩基(以下、非プロトン性有機塩基と略称
することがある)の例としては、一般式 〔式中、R1とR2とR3とは、各々独立に、炭素原子1〜18
個の直鎖状または分枝状のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、オ
クチル基、ノニル基、ドデシル基、またはステアリル
基)、アルケニル基(例えばオレイル基)、アリール基
(例えばフェニル基またはナフチル基)、または炭素原
子5〜8個のシクロアルキル基(例えばシクロヘキシル
基)であり、あるいはR1とR2とは一緒になって炭素原子
5〜8個のアルキレン基を形成することができるものと
し、そしてR3は前記の意味であるか、あるいはR1とR2
は一緒になって炭素原子5〜8個のアルキレン基を形成
し、そしてR3はそのアルキレン基中の炭素原子と窒素原
子とを結合する炭素原子2〜4個のアルキレン基である
ものとする〕 で表される第3アミンを挙げることができる。
好ましい第3アミンは、トリアルキルアミン(例えば
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリラ
ウリルアミン、トリステアリルアミン、ジメチルエチル
アミン、メチルジエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン)、トリアルケニルアミン、ジアルキルアリール
アミン(例えばジメチルアニリン、ジエチルアニリ
ン)、アルキルジアリールアミン(例えばジフェニルメ
チルアミン、ジフェニルエチルアミン)、トリアリール
アミン(例えばトリフェニルアミン)、ジアルキルシク
ロアルキルアミン(例えばジメチルシクロヘキシルアミ
ン)、N−アルキル置換飽和窒素複素環式化合物(例え
ばN−メチル−ピロリジン、N−メチル−モルホリン、
N−メチル−ピペリジン)またはキヌクリジンである。
本発明で使用することのできる別の非プロトン性有機
塩基の例としては、一般式 〔式中、Aはアルキレン基(炭素原子数1〜8個)また
はアリーレン基であり、R4とR5とR6とR7とは各々独立に
炭素原子1〜18個の直鎖状または分枝状のアルキル基も
しくはアルケニル基、アリール基、または炭素原子5〜
8個のシクロアルキル基であり、あるいはR4とR5もしく
はR6とR7またはR4とR6もしくはR5とR7とが各々炭素原子
2〜8個のアルキレン基を形成することができるものと
する〕 で表されるジアミンを挙げることができる。
前記のジアミンは、例えはN,N′−テトラアルキル−
アルキレンジアミン(例えばN,N′−テトラメチルメチ
レンジアミン、N,N′−テトラメチルエチレンジアミ
ン、N,N′−テトラメチルトリメチレンジアミン)、N,
N′−テトラアルキル−アリーレンジアミン(例えばN,
N′−テトラメチルフェニレンジアミン)、あるいは環
状ジアミン(例えばトリエチレンジアミン、N,N′−ジ
メチルピペリジン)である。本発明においては、前記の
ジアミン以外にも、同様のトリアミン等のポリアミンも
使用することができる。
本発明で使用することのできる更に別の非プロトン性
有機塩基の例としては一般式 (式中、R8とR9とR10とは、各々独立に、炭素原子1〜1
8個の直鎖状または分枝状のアルキル基もしくはアルケ
ニル基、アリール基または炭素原子5〜8個のシクロア
ルキル基であり、あるいはR8とR10とが炭素原子3〜8
個のアルキレン基を形成することができ、あるいはR9
炭素原子3〜8個のアルキレン基を形成して基−C=N
−の炭素原子と結合することができるものとする) で表されるアミジンを挙げることができる。
前記アミジンは、例えばトリアルキルアミジンまたは
二環式アミジン(例えばジアザビシクロウンデセン、ジ
アザビシクロノネン)である。
本発明においては前記の各種の液状媒体を組合せて使
用することもてきる。例えば、前記の非プロトン性有機
塩基と水、前記非プロトン性有機塩基と非プロトン性極
性有機溶媒、あるいは、水と非プロトン性極性有機溶媒
である。
また、本発明で用いる液状媒体としては、本発明の優
れた効果を妨げない範囲において、必要に応じ前記以外
の有機溶媒を併用することができる。
このような有機溶媒の中で好適なものとしては、例え
ば、非極性有機溶媒を挙げることができる。なお、ここ
でいう“非極性有機溶媒”とは、分子内の永久双極子モ
ーメントが2D末端の中性の有機化合物をいうものとす
る。
前記の非極性有機溶媒としては、好ましくは沸点80〜
300℃の有機溶媒であって、ブタノール、ペンタノー
ル、ヘキサノール、シクロヘキサノール等の炭素原子4
個以上の脂肪族アルコール類;プロピルエーテル、ブチ
ルエーテル等の、少なくとも一方のアルキル基が炭素原
子3個以上をもつジアルキルエーテル類;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロ
ピルベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、シメン等の芳
香族炭化水素類;パラジクロロベンゼン、パラジフルオ
ロベンゼン等のハロゲン置換芳香族炭化水素類;ヘプタ
ン、オクタン等の炭素原子7個以上の脂肪族炭化水素
類;1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン等のハロゲン置換脂肪族炭化水素類を挙げることがで
きる。これらの中では、芳香族炭化水素類、ハロゲン置
換芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、およびハロゲ
ン置換脂肪族炭化水素類等の炭化水素系溶媒を用いるの
が更に好ましく、ハロゲン原子で置換されていない芳香
族炭化水素類を用いるのが特に好ましい。
本発明方法は、場合により触媒の存在下で実施するこ
とができる。触媒としては、この種の脱炭酸反応におい
て公知の触媒を使用する。使用する液状媒体の種類に応
じて触媒を選択するのが好ましい。水性媒体中で使用す
る触媒としては、例えばアンモニア、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硫
酸塩、有機酸塩またはフッ化物、あるいはアルカリ土類
金属の酸化物、更に有機塩基の硫酸塩、フッ化物または
有機酸塩を挙げることができる。アンモニア、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属の硫酸塩としては、例え
ば、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウ
ム、硫酸ルビジウム、硫酸セシウム、硫酸マグネシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウ
ムである。有機塩基の硫酸塩としては、例えば、ピリジ
ン硫酸塩、キノリン硫酸塩、または前述の非プロト性有
機塩基の硫酸塩を例示できる。また、アンモニアの水酸
化物、炭酸塩、有機酸塩またはフッ化物としては、例え
ば、アンモニア水、炭酸アンモニウム、フッ化アンモニ
ウムまたは、出発原料もしくは生成物とアンモニアとの
塩、すなわち3,4,6−トリフルオロフタル酸アンモニウ
ム、2,4,5−トリフルオロ安息香酸アンモニウムであ
る。
アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、有機
酸塩またはフッ化物としては、例えば、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、フッ化マ
グネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸
カルシウム、フッ化カルシウム、酸化ストロンチウム、
水酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化バリウ
ム、炭酸バリウムまたは出発原料(3,4,6−トリフルオ
ロフタル酸)もしくは生成物(2,4,5−トリフルオロ安
息香酸)とアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、
カルシウム、ストロンチウムまたはバリウム)の水酸化
物との塩も触媒として作用する。
また、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、有機酸塩ま
たはフッ化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭
酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸カリウム、フッ化カリウムまたは出発原料もしくは生
成物とアルカリ金属水酸化物との塩も触媒となる。
また、有機塩基のフッ化物または有機酸塩としては、
例えば、前述の非プロトン性有機塩基のフッ化物または
該非プロトン性有機塩基と出発原料もしくは生成物との
塩を例示できる。
次に非プロトン性極性有機溶媒を含有してなる液状媒
体中で使用する触媒としては、無機塩基、例えば重炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等を挙げ
ることができる。
更に、非プロトン性有機塩基を含有してなる液状媒体
中では、該非プロトン性有機塩基自体が触媒作用を有
し、また、該非プロトン性有機塩基と、出発原料溶液中
に場合により含まれていることのある硫酸または出発原
料もしくは生成物である有機酸との塩も触媒作用を有す
るので、必ずしも別途、触媒の添加を要しない。
本発明方法においては、使用する液状媒体および場合
により使用する触媒の種類に応じて、加熱条件や出発原
料と液状媒体との量比等を簡単に設定することができ
る。
例えば、非プロトン性極性有機溶媒中で本発明方法を
実施する場合には、反応温度80〜200℃好ましくは90〜1
80℃、特に好ましくは105〜140℃で0.5〜3時間好まし
くは約1時間、大気圧下で加熱処理する。触媒は、出発
原料1モルに対して0.05〜0.75モル好ましくは0.2〜0.5
モルの量で使用する。
更に、有機塩基媒体中で本発明方法を実施する場合に
は、反応温度100〜200℃好ましくは120〜180℃で0.5〜5
0時間好ましくは約0.5〜5時間、大気圧下で加熱処理す
る。
非極性有機溶媒の共存下で実施する場合には、出発原
料1モルに対して、一般に有機塩基0.1〜3.0モル(反応
速度の観点から好ましくは0.3〜2.0モル、更に好ましく
は0.75超〜1.5モル)および非極性有機溶媒0〜10モル
(好ましくは0.5〜5.0モル)を使用する。
非極性有機溶媒を使用しない場合には、出発原料1モ
ルに対して好ましくは0.5〜10モル更に好ましくは0.5〜
5モルの量で有機塩基を使用する。
水性溶媒中で本発明方法を実施する場合には、反応温
度80〜250℃好ましくは100〜220℃、特に好ましくは130
〜180℃で2〜40時間好ましくは約5〜30時間、pH0.7〜
2.2好ましくは1.2〜2.0で真空ないし約15気圧好ましく
は1〜10気圧の下で加熱処理する。水性媒体の使用量
は、出発原料1モルに対し、0.1〜2.0モル好ましくは0.
2〜1.0モルである。触媒の使用量は触媒の種類によって
差があり、各々、出発原料1モルに対して、アンモニ
ア、アルカリ金属、アルカリ土類金属および有機塩基の
硫酸塩およびフッ化物では0.01〜3.0モル好ましくは0.0
5〜1.0モル、有機塩基では0.01〜1.2モル好ましくは0.1
〜0.9モル、アンモニアの水酸化物、炭酸塩および有機
酸塩並びにアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸
塩および有機酸塩では0.01〜0.4モル好ましくは0.05〜
0.25モル、そしてアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩およ
び有機酸塩では0.002〜0.1モル好ましくは0.005〜0.05
モルである。
本発明の出発原料である3,4,6−トリフルオロフタル
酸の製造は、特に限定されるものではなく、任意の方法
によることができ、例えば、3,4,5,6−テトラフルオロ
フタロニトリルを脱フッ素還元して3,4,6−トリフルオ
ロフタロニトリルを得、次いで該3,4,6−トリフルオロ
フタロニトリルを加水分解することによる方法、およ
び、該3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリルを加水
分解して3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸を得、次い
で該3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸を脱フッ素還元
することによっても得られる。
上記の3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリルの脱
フッ素還元方法としては、例えば、3,4,5,6−テトラフ
ルオロフタロニトリルを硫酸酸性水溶液中で亜鉛末とと
もに50℃ないし還流温度で加熱処理することにより3,4,
6−トリフルオロフタロニトリルを得る方法が挙げられ
る。引き続き行なう加水分解法としては、得られた3,4,
6−トリフルオロフタロニトリルを、例えば、50〜90重
量%硫酸水溶液中、例えば、100〜180℃の温度で加熱す
ることにより、目的とする3,4,6−トリフルオロフタル
酸を得る方法が好適に採用しうる。こうして生成された
3,4,6−トリフルオロフタル酸は任意の公知の方法で単
離することができる。例えば、非水溶性の溶媒により抽
出してから溶媒を除去する方法、硫酸水溶液を冷却して
析出する結晶を濾過する方法等を利用することができ
る。特に非水溶性の溶媒として前記の非プロトン性有機
塩基のうち非水溶性のもの、或いは、前記非プロトン性
極性有機溶媒または非極性有機溶媒のうち非水溶性のも
のを用いて抽出を行なう場合には、得られた抽出液をそ
のまゝ、または、必要に応じて該非プロトン性有機塩基
および/または前記の触媒を加えて、引き続き本発明の
2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造を行なうことがで
きる。このような非水溶性非プロトン性有機塩基として
は、例えば、トリアルキルアミン(各アルキル基の炭素
原子数が2以上のもの)、ジアルキルアリールアミン、
アルキルジアリールアミン、トリアリールアミンまたは
ジアルキルシクロアルキルアミン等の第3アミン;例え
ば、N,N′−テトラアルキルアリーレンジアミン等のジ
アミンを挙げることができ、非水溶性非プロトン性極性
有機溶媒としては、例えば、ベンゾニトリル、ニトロベ
ンゼン等を、また、非水溶性非極性有機溶媒としては、
例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、
エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、ブチルベ
ンゼン、シメン等の芳香族炭化水素類;パラジクロロベ
ンゼン、パラジフルオロベンゼン等のハロゲン置換芳香
族炭化水素類;プロピルエーテル、ブチルエーテル類の
ジアルキルエーテル類等を挙げることができる。
また、3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリルの加
水分解法としては、前記3,4,6−トリフルオロフタロニ
トリルの加水分解の場合とほゞ同様な方法が採用でき
る。引き続き行なう脱フッ素還元方法としては、得られ
た3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸を、アルカリ水溶
液中、亜鉛末とともに40〜70℃で加熱処理することよ
り、3,4,6−トリフルオロフタル酸を得る方法が挙げら
れる。こうして生成された3,4,6−トリフルオロフタル
酸は、任意の公知の方法で単離することができる。例え
ば固形分を濾過した後、6規定硫酸水溶液を滴下して中
和し、次いで非水溶性の溶媒により抽出してから溶媒を
除去する方法等を利用することができる。さらに、非水
溶性の溶媒、即ち、非水溶性非プロトン性有機塩基、或
いは、非水溶性非プロトン性極性有機溶媒または非水溶
性非極性有機溶媒を用いて抽出を行なう場合には、前記
同様、得られた抽出液をそのまゝ、または、必要に応じ
て該非プロトン性有機塩基および/または前記の触媒を
加えて、引き続き本発明の2,4,5−トリフルオロ安息香
酸の製造を行なうことができる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、これは本発明を限定するものではない。
実施例1 冷却還流管と温度計とを備えた300mlフラスコに3,4,6
−トリフルオロフタル酸50gと、トリ−n−オクチルア
ミン80.3gとを仕込み、130℃で1時間加熱撹拌した。反
応終了後、冷却してから反応液中に10重量%水酸化ナト
リウム水溶液118gを加えて撹拌し、水層を分液により単
離した。この水層中に35重量%塩酸水溶液46.1gを加
え、析出した結晶を濾過し、乾燥したところ、純度99.2
重量%の2,4,5−トリフルオロ安息香酸37.5g〔収率92.8
モル%(フタル酸を基準とする:以下同様)〕を得た。
こうして得られた2,4,5−トリフルオロ安息香酸の物
性値は次の通りであった。
融点:95〜96℃ IR(cm-1):1690,1460,1270,1160 質量スペクトル(m/e):131,159,176(M+1 H NMR(CDCl3:TMS) (ppm)δ 7.1(1H,d−t 6.4Hz,9.8Hz) 7.9(1H,d−d−d 6.7Hz,8.9Hz,10.5Hz)19 F NMR(CDCl3:CF3COOH):1H−デカップリング (ppm)δ −31.9(1F,d−d 9.8Hz,15.9Hz) −47.1(1F,d−d 9.8Hz,20.8Hz) −64.9(1F,d−d 15.9Hz,20.8Hz) 実施例2 実施例1と同様の容器に3,4,6−トリフルオロフタル
酸50gとトリエチルアミン25.3gとキシレン80gとを仕込
み、120℃で3時間加熱撹拌した。反応終了後、実施例
1と同様の処理を行って、純度98.9重量%の2,4,5−ト
リフルオロ安息香酸36.7g(収率90.8モル%)を得た。
この生成物の物性値も実施例1のものと同じであった。
実施例3 実施例1と同様の容器に、3,4,6−トリフルオロフタ
ル酸50gと、ジメチルホルムアミド100gとN−メチルピ
ロリジン5gとを仕込み、140℃で5時間加熱撹拌した。
反応終了後、反応液を300gの水中に分散し、硫酸10gを
加えた。この水溶液をイソプロピルエーテルで抽出し、
2回水で洗浄した後、有機層を分液により単離して、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、イソプロピルエ
ーテルを減圧留去し、得られた固体を乾燥したところ、
純度98.4重量%の2,4,5−トリフルオロ安息香酸37.9g
(収率93.3モル%)を得た。生成物の物性値は実施例1
のものと同じであった。
実施例4 実施例1と同様の容器に、3,4,6−トリフルオロフタ
ル酸50gとジメチルスルホキシド150gとを仕込み、160℃
で2時間加熱撹拌した。反応終了後、実施例3と同様の
処理を行って、純度98.2重量%の2,4,5−トリフルオロ
安息香酸38.7g(収率95.2モル%)を得た。生成物の物
性値は実施例1と同じであった。
実施例5 500mlの耐圧ガラスオートクレーブに3,4,6−トリフル
オロフタル酸50gと水200gとを仕込み、150℃で3時間加
熱撹拌した。反応途中で炭酸ガスの発生により圧が上が
るため時々炭酸ガスを抜いた。反応終了後、冷却すると
結晶が析出したため、これを濾過し、乾燥して、純度9
7.0重量%の2,4,5−トリフルオロ安息香酸36.9g(収率8
9.8モル%)を得た。生成物の物性値は実施例1と同じ
であった。
実施例6 冷却還流管と温度計を備えた500mlフラスコに、3,4,6
−トリフルオロフタロニトリル50gと70重量%硫酸水溶
液115.4gとを仕込み、130〜140℃で3時間加熱撹拌して
加水分解反応を実施した。反応終了後、反応液を70℃ま
で冷却し、35重量%トリ−n−オクチルアミンのキシレ
ン溶液278gを加えて撹拌し、3,4,6−トリフルオロフタ
ル酸を抽出した。次いで硫酸水溶液層を除去した後、再
び130℃で1時間加熱し、脱炭酸反応を実施した。反応
終了後、室温まで冷却して、20重量%水酸化ナトリウム
143gを加えて撹拌し、2,4,5−トリフルオロ安息香酸を
水層に逆抽出した。次いで、水層を単離した後、35重量
%塩酸水溶液56g加え、析出した結晶を濾過単離した。
この結晶を乾燥して、純度99.0重量%の2,4,5−トリフ
ルオロ安息香酸43.0g〔収率88.0モル%(ニトリル化合
物を基準とする)〕を得た。生成物の物性値は実施例1
と同じであった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3,4,6−トリフルオロフタル酸を、液状媒
    体中、80〜250℃の温度範囲で加熱処理することを特徴
    とする、2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法。
  2. 【請求項2】上記液状媒体が、水、非プロトン性極性有
    機溶媒、および/またはN−H結合を有しない含窒素有
    機塩基を含有してなる液状媒体であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
JP62209157A 1987-08-25 1987-08-25 2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法 Expired - Fee Related JP2566977B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62209157A JP2566977B2 (ja) 1987-08-25 1987-08-25 2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62209157A JP2566977B2 (ja) 1987-08-25 1987-08-25 2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6452737A JPS6452737A (en) 1989-02-28
JP2566977B2 true JP2566977B2 (ja) 1996-12-25

Family

ID=16568261

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62209157A Expired - Fee Related JP2566977B2 (ja) 1987-08-25 1987-08-25 2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2566977B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4937377A (en) * 1989-11-20 1990-06-26 Occidental Chemical Corporation Preparation of 3,4-difluorobenzoic acid by the decarboxylation of 4,5-difluorophthalic anhydride or 4,5-difluorophthalic acid
US4935541A (en) * 1989-11-20 1990-06-19 Occidental Chemical Corporation Preparation of 2,4,5-trifluorobenzoic acid by decarboxylation of 3,4,6-trifluorophthalic anhydride
US4981999A (en) * 1989-11-20 1991-01-01 Occidental Chemical Corporation Selective removal of chlorine from chlorophthalic compounds
US5153350A (en) * 1991-05-16 1992-10-06 Braish Tamim F Process for preparing 3,4,6-trifluorophithalonitrile
US5196590A (en) * 1992-05-11 1993-03-23 Occidental Chemical Corporation Method of making 2,4,5-trihalobenzoic acid
EP2270178A3 (en) * 2004-02-04 2011-02-23 API Corporation Method for producing alcohol and carboxylic acid having optical activity

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6185349A (ja) * 1984-10-04 1986-04-30 Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd 2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸の製法
JP2566976B2 (ja) * 1987-04-08 1996-12-25 日本カーバイド工業株式会社 ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸の脱炭酸方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6452737A (en) 1989-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5091929B2 (ja) 安息香酸類の製造方法
JP2566977B2 (ja) 2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法
JP2567004B2 (ja) 2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法
JPS63156753A (ja) アルキルトリフルオロアセトアセテ−トの製造方法
JP2652030B2 (ja) 2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法
JP2725179B2 (ja) 2,4,5−トリフルオロー3−ヒドロキシ安息香酸の製造方法
JPS6185350A (ja) 2,4‐ジクロロ‐5‐フルオロ安息香酸の製法
JP2893546B2 (ja) 4−ブロモ−3,5,6−トリフルオロフタル酸とその製法,3−ブロモ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製法
JP3101974B2 (ja) 4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル−安息香酸類の製法
JP2701061B2 (ja) 2,4―ジフルオロ―5―クロロ安息香酸の製造方法
JP2007145815A (ja) トリフルオロメタンスルホン酸無水物の製造方法。
JP2935423B2 (ja) 2,4,5−トリフルオロ−3−アルコキシ安息香酸の製造方法
JP2875845B2 (ja) m―フェノキシベンジルアルコールの製法
JP3293676B2 (ja) ハロマレイン酸およびハロフマル酸エステル類の製造方法
JPH02306945A (ja) テトラフルオロ無水フタル酸及びその誘導体の製法
JP5000031B2 (ja) 芳香族−o−ジアルデヒド化合物の製造方法
JP3605732B2 (ja) ピロメリット酸誘導体の製造方法
JP4273648B2 (ja) ω―シアノアルデヒド化合物の製造法
JPH10182563A (ja) 2−カルバモイル−3,4,5,6−テトラフルオロ安息香酸とその製法及びその誘導体の製法
JPH0637422B2 (ja) フルオロ脂肪族ジカルボン酸の製造方法
JP3545466B2 (ja) ジヒドロクロマンカルボン酸類及びその製造方法
JP2536030B2 (ja) アミノフェノ―ルアルキルエ―テルの製造方法
JPS62114936A (ja) 3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸メチルエステルの単離法
JP2001114741A (ja) 芳香族シアノ安息香酸化合物の製造方法
JPH0770041A (ja) 3,4−ジフルオロ−6−ニトロベンゾニトリル

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees