JP2566977B2 - 2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法 - Google Patents

2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法

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JP2566977B2
JP2566977B2 JP62209157A JP20915787A JP2566977B2 JP 2566977 B2 JP2566977 B2 JP 2566977B2 JP 62209157 A JP62209157 A JP 62209157A JP 20915787 A JP20915787 A JP 20915787A JP 2566977 B2 JP2566977 B2 JP 2566977B2
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、2,4,5−トリフルオロ安息香酸の新規の製
造方法に関する。
〔従来の技術〕
2,4,5−トリフルオロ安息香酸は、医薬、農薬、感光
材料および機能性樹脂等の中間原料として有用な化合物
である。この2,4,5−トリフルオロ安息香酸は、従来、
2,4,5−トリフルオロブロモベンゼンを出発原料として
合成する方法が知られていた。特開昭58−188839号公報
には、2,4,5−トリフルオロブロモベンゼンと金属マグ
ネシウムとをテトラヒドロフラン中で反応させて2,4,5
−トリフルオロフェニルマグネシウムブロミドとし、次
いで炭酸ガスと反応させて2,4,5−トリフルオロ安息香
酸を製造する方法が記載されている。また、特開昭60−
72885号公報記載の方法では、2,4,5−トリフルオロブロ
モベンゼンとシアン化第一銅とをN−メチルピロリドン
中で加熱処理して2,4,5−トリフルオロベンゾニトリル
を単離した後、これを濃硫酸中で加熱撹拌してアミド誘
導体とし、ついで濃硫酸−亜硝酸ソーダ水溶液と加熱処
理して2,4,5−トリフルオロ安息香酸を得ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、前記の従来方法では、いずれの場合も
収率が60%未満と低いうえ、出発原料の2,4,5−トリフ
ルオロブロモベンゼンは特殊な試薬で非常に高価である
ため、工業的製造方法として満足できるものではなかっ
た。
本発明者等は、3,4,6−トリフルオロフタル酸を出発
原料として用い、これを液状媒体中、特定温度範囲条件
下で加熱処理することによって2位のカルボン酸基だけ
を選択的に脱炭酸することができ、従って2,4,5−トリ
フルオロ安息香酸を簡単に得ることができることを見出
した。
従って、本発明の目的は、2,4,5−トリフルオロ安息
香酸の安価で簡易な新規の製造方法を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
前記の目的は、本発明により、3,4,6−トリフルオロ
フタル酸を液状媒体中、80〜250℃の温度範囲で加熱処
理することを特徴とする、2,4,5−トリフルオロ安息香
酸の製造方法によって達成することができる。
本発明方法の液状媒体としては、出発原料、反応生成
物および場合により使用する触媒との間で、本発明にと
って不都合な副反応を起こすことのない、常温で液体の
任意の化合物を使用することができる。
このような液状媒体としては、水、非プロオン性極性
有機溶媒、N−H結合を有しない含窒素有機塩基、およ
び、これらの混合物が好適に使用できる。
なお、本発明において“極性有機溶媒”とは、分子内
に2D(デバイ)以上の永久双極子モーメントをもつ中性
の有機化合物をいう。
前記の非プロトン性極性有機溶媒としては、例えばジ
メチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、ジメチルス
ルホン、テトラメチルスルホン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ア
セトニトリル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ベンゾ
ニトリル、ニトロベンゼン、グリコール類のジアルキル
エーテル、または、キノリンなどがあり、そのうち、水
溶性非プロトン性極性有機溶媒としては例えばジメチル
スルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチルスルホ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘ
キサメチルリン酸トリアミド、N−メチピロリドン、ア
セトニトリル、グリコール類のジアルキルエーテル〔例
えばジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライ
ム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリ
グライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテ
ル(テトラグライム)〕などがある。また非水溶性非プ
ロトン性極性有機溶媒としては例えばベンゾニトリル、
ニトロベンゼンなどがある。
また、本発明で使用できる前記のN−H結合を有しな
い含窒素有機塩基(以下、非プロトン性有機塩基と略称
することがある)の例としては、一般式 〔式中、R1とR2とR3とは、各々独立に、炭素原子1〜18
個の直鎖状または分枝状のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、オ
クチル基、ノニル基、ドデシル基、またはステアリル
基)、アルケニル基(例えばオレイル基)、アリール基
(例えばフェニル基またはナフチル基)、または炭素原
子5〜8個のシクロアルキル基(例えばシクロヘキシル
基)であり、あるいはR1とR2とは一緒になって炭素原子
5〜8個のアルキレン基を形成することができるものと
し、そしてR3は前記の意味であるか、あるいはR1とR2
は一緒になって炭素原子5〜8個のアルキレン基を形成
し、そしてR3はそのアルキレン基中の炭素原子と窒素原
子とを結合する炭素原子2〜4個のアルキレン基である
ものとする〕 で表される第3アミンを挙げることができる。
好ましい第3アミンは、トリアルキルアミン(例えば
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリラ
ウリルアミン、トリステアリルアミン、ジメチルエチル
アミン、メチルジエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン)、トリアルケニルアミン、ジアルキルアリール
アミン(例えばジメチルアニリン、ジエチルアニリ
ン)、アルキルジアリールアミン(例えばジフェニルメ
チルアミン、ジフェニルエチルアミン)、トリアリール
アミン(例えばトリフェニルアミン)、ジアルキルシク
ロアルキルアミン(例えばジメチルシクロヘキシルアミ
ン)、N−アルキル置換飽和窒素複素環式化合物(例え
ばN−メチル−ピロリジン、N−メチル−モルホリン、
N−メチル−ピペリジン)またはキヌクリジンである。
本発明で使用することのできる別の非プロトン性有機
塩基の例としては、一般式 〔式中、Aはアルキレン基(炭素原子数1〜8個)また
はアリーレン基であり、R4とR5とR6とR7とは各々独立に
炭素原子1〜18個の直鎖状または分枝状のアルキル基も
しくはアルケニル基、アリール基、または炭素原子5〜
8個のシクロアルキル基であり、あるいはR4とR5もしく
はR6とR7またはR4とR6もしくはR5とR7とが各々炭素原子
2〜8個のアルキレン基を形成することができるものと
する〕 で表されるジアミンを挙げることができる。
前記のジアミンは、例えはN,N′−テトラアルキル−
アルキレンジアミン(例えばN,N′−テトラメチルメチ
レンジアミン、N,N′−テトラメチルエチレンジアミ
ン、N,N′−テトラメチルトリメチレンジアミン)、N,
N′−テトラアルキル−アリーレンジアミン(例えばN,
N′−テトラメチルフェニレンジアミン)、あるいは環
状ジアミン(例えばトリエチレンジアミン、N,N′−ジ
メチルピペリジン)である。本発明においては、前記の
ジアミン以外にも、同様のトリアミン等のポリアミンも
使用することができる。
本発明で使用することのできる更に別の非プロトン性
有機塩基の例としては一般式 (式中、R8とR9とR10とは、各々独立に、炭素原子1〜1
8個の直鎖状または分枝状のアルキル基もしくはアルケ
ニル基、アリール基または炭素原子5〜8個のシクロア
ルキル基であり、あるいはR8とR10とが炭素原子3〜8
個のアルキレン基を形成することができ、あるいはR9
炭素原子3〜8個のアルキレン基を形成して基−C=N
−の炭素原子と結合することができるものとする) で表されるアミジンを挙げることができる。
前記アミジンは、例えばトリアルキルアミジンまたは
二環式アミジン(例えばジアザビシクロウンデセン、ジ
アザビシクロノネン)である。
本発明においては前記の各種の液状媒体を組合せて使
用することもてきる。例えば、前記の非プロトン性有機
塩基と水、前記非プロトン性有機塩基と非プロトン性極
性有機溶媒、あるいは、水と非プロトン性極性有機溶媒
である。
また、本発明で用いる液状媒体としては、本発明の優
れた効果を妨げない範囲において、必要に応じ前記以外
の有機溶媒を併用することができる。
このような有機溶媒の中で好適なものとしては、例え
ば、非極性有機溶媒を挙げることができる。なお、ここ
でいう“非極性有機溶媒”とは、分子内の永久双極子モ
ーメントが2D末端の中性の有機化合物をいうものとす
る。
前記の非極性有機溶媒としては、好ましくは沸点80〜
300℃の有機溶媒であって、ブタノール、ペンタノー
ル、ヘキサノール、シクロヘキサノール等の炭素原子4
個以上の脂肪族アルコール類;プロピルエーテル、ブチ
ルエーテル等の、少なくとも一方のアルキル基が炭素原
子3個以上をもつジアルキルエーテル類;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロ
ピルベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、シメン等の芳
香族炭化水素類;パラジクロロベンゼン、パラジフルオ
ロベンゼン等のハロゲン置換芳香族炭化水素類;ヘプタ
ン、オクタン等の炭素原子7個以上の脂肪族炭化水素
類;1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン等のハロゲン置換脂肪族炭化水素類を挙げることがで
きる。これらの中では、芳香族炭化水素類、ハロゲン置
換芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、およびハロゲ
ン置換脂肪族炭化水素類等の炭化水素系溶媒を用いるの
が更に好ましく、ハロゲン原子で置換されていない芳香
族炭化水素類を用いるのが特に好ましい。
本発明方法は、場合により触媒の存在下で実施するこ
とができる。触媒としては、この種の脱炭酸反応におい
て公知の触媒を使用する。使用する液状媒体の種類に応
じて触媒を選択するのが好ましい。水性媒体中で使用す
る触媒としては、例えばアンモニア、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硫
酸塩、有機酸塩またはフッ化物、あるいはアルカリ土類
金属の酸化物、更に有機塩基の硫酸塩、フッ化物または
有機酸塩を挙げることができる。アンモニア、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属の硫酸塩としては、例え
ば、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウ
ム、硫酸ルビジウム、硫酸セシウム、硫酸マグネシウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウ
ムである。有機塩基の硫酸塩としては、例えば、ピリジ
ン硫酸塩、キノリン硫酸塩、または前述の非プロト性有
機塩基の硫酸塩を例示できる。また、アンモニアの水酸
化物、炭酸塩、有機酸塩またはフッ化物としては、例え
ば、アンモニア水、炭酸アンモニウム、フッ化アンモニ
ウムまたは、出発原料もしくは生成物とアンモニアとの
塩、すなわち3,4,6−トリフルオロフタル酸アンモニウ
ム、2,4,5−トリフルオロ安息香酸アンモニウムであ
る。
アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、有機
酸塩またはフッ化物としては、例えば、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、フッ化マ
グネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸
カルシウム、フッ化カルシウム、酸化ストロンチウム、
水酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化バリウ
ム、炭酸バリウムまたは出発原料(3,4,6−トリフルオ
ロフタル酸)もしくは生成物(2,4,5−トリフルオロ安
息香酸)とアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、
カルシウム、ストロンチウムまたはバリウム)の水酸化
物との塩も触媒として作用する。
また、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、有機酸塩ま
たはフッ化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭
酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸カリウム、フッ化カリウムまたは出発原料もしくは生
成物とアルカリ金属水酸化物との塩も触媒となる。
また、有機塩基のフッ化物または有機酸塩としては、
例えば、前述の非プロトン性有機塩基のフッ化物または
該非プロトン性有機塩基と出発原料もしくは生成物との
塩を例示できる。
次に非プロトン性極性有機溶媒を含有してなる液状媒
体中で使用する触媒としては、無機塩基、例えば重炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等を挙げ
ることができる。
更に、非プロトン性有機塩基を含有してなる液状媒体
中では、該非プロトン性有機塩基自体が触媒作用を有
し、また、該非プロトン性有機塩基と、出発原料溶液中
に場合により含まれていることのある硫酸または出発原
料もしくは生成物である有機酸との塩も触媒作用を有す
るので、必ずしも別途、触媒の添加を要しない。
本発明方法においては、使用する液状媒体および場合
により使用する触媒の種類に応じて、加熱条件や出発原
料と液状媒体との量比等を簡単に設定することができ
る。
例えば、非プロトン性極性有機溶媒中で本発明方法を
実施する場合には、反応温度80〜200℃好ましくは90〜1
80℃、特に好ましくは105〜140℃で0.5〜3時間好まし
くは約1時間、大気圧下で加熱処理する。触媒は、出発
原料1モルに対して0.05〜0.75モル好ましくは0.2〜0.5
モルの量で使用する。
更に、有機塩基媒体中で本発明方法を実施する場合に
は、反応温度100〜200℃好ましくは120〜180℃で0.5〜5
0時間好ましくは約0.5〜5時間、大気圧下で加熱処理す
る。
非極性有機溶媒の共存下で実施する場合には、出発原
料1モルに対して、一般に有機塩基0.1〜3.0モル(反応
速度の観点から好ましくは0.3〜2.0モル、更に好ましく
は0.75超〜1.5モル)および非極性有機溶媒0〜10モル
(好ましくは0.5〜5.0モル)を使用する。
非極性有機溶媒を使用しない場合には、出発原料1モ
ルに対して好ましくは0.5〜10モル更に好ましくは0.5〜
5モルの量で有機塩基を使用する。
水性溶媒中で本発明方法を実施する場合には、反応温
度80〜250℃好ましくは100〜220℃、特に好ましくは130
〜180℃で2〜40時間好ましくは約5〜30時間、pH0.7〜
2.2好ましくは1.2〜2.0で真空ないし約15気圧好ましく
は1〜10気圧の下で加熱処理する。水性媒体の使用量
は、出発原料1モルに対し、0.1〜2.0モル好ましくは0.
2〜1.0モルである。触媒の使用量は触媒の種類によって
差があり、各々、出発原料1モルに対して、アンモニ
ア、アルカリ金属、アルカリ土類金属および有機塩基の
硫酸塩およびフッ化物では0.01〜3.0モル好ましくは0.0
5〜1.0モル、有機塩基では0.01〜1.2モル好ましくは0.1
〜0.9モル、アンモニアの水酸化物、炭酸塩および有機
酸塩並びにアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸
塩および有機酸塩では0.01〜0.4モル好ましくは0.05〜
0.25モル、そしてアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩およ
び有機酸塩では0.002〜0.1モル好ましくは0.005〜0.05
モルである。
本発明の出発原料である3,4,6−トリフルオロフタル
酸の製造は、特に限定されるものではなく、任意の方法
によることができ、例えば、3,4,5,6−テトラフルオロ
フタロニトリルを脱フッ素還元して3,4,6−トリフルオ
ロフタロニトリルを得、次いで該3,4,6−トリフルオロ
フタロニトリルを加水分解することによる方法、およ
び、該3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリルを加水
分解して3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸を得、次い
で該3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸を脱フッ素還元
することによっても得られる。
上記の3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリルの脱
フッ素還元方法としては、例えば、3,4,5,6−テトラフ
ルオロフタロニトリルを硫酸酸性水溶液中で亜鉛末とと
もに50℃ないし還流温度で加熱処理することにより3,4,
6−トリフルオロフタロニトリルを得る方法が挙げられ
る。引き続き行なう加水分解法としては、得られた3,4,
6−トリフルオロフタロニトリルを、例えば、50〜90重
量%硫酸水溶液中、例えば、100〜180℃の温度で加熱す
ることにより、目的とする3,4,6−トリフルオロフタル
酸を得る方法が好適に採用しうる。こうして生成された
3,4,6−トリフルオロフタル酸は任意の公知の方法で単
離することができる。例えば、非水溶性の溶媒により抽
出してから溶媒を除去する方法、硫酸水溶液を冷却して
析出する結晶を濾過する方法等を利用することができ
る。特に非水溶性の溶媒として前記の非プロトン性有機
塩基のうち非水溶性のもの、或いは、前記非プロトン性
極性有機溶媒または非極性有機溶媒のうち非水溶性のも
のを用いて抽出を行なう場合には、得られた抽出液をそ
のまゝ、または、必要に応じて該非プロトン性有機塩基
および/または前記の触媒を加えて、引き続き本発明の
2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造を行なうことがで
きる。このような非水溶性非プロトン性有機塩基として
は、例えば、トリアルキルアミン(各アルキル基の炭素
原子数が2以上のもの)、ジアルキルアリールアミン、
アルキルジアリールアミン、トリアリールアミンまたは
ジアルキルシクロアルキルアミン等の第3アミン;例え
ば、N,N′−テトラアルキルアリーレンジアミン等のジ
アミンを挙げることができ、非水溶性非プロトン性極性
有機溶媒としては、例えば、ベンゾニトリル、ニトロベ
ンゼン等を、また、非水溶性非極性有機溶媒としては、
例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、
エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、ブチルベ
ンゼン、シメン等の芳香族炭化水素類;パラジクロロベ
ンゼン、パラジフルオロベンゼン等のハロゲン置換芳香
族炭化水素類;プロピルエーテル、ブチルエーテル類の
ジアルキルエーテル類等を挙げることができる。
また、3,4,5,6−テトラフルオロフタロニトリルの加
水分解法としては、前記3,4,6−トリフルオロフタロニ
トリルの加水分解の場合とほゞ同様な方法が採用でき
る。引き続き行なう脱フッ素還元方法としては、得られ
た3,4,5,6−テトラフルオロフタル酸を、アルカリ水溶
液中、亜鉛末とともに40〜70℃で加熱処理することよ
り、3,4,6−トリフルオロフタル酸を得る方法が挙げら
れる。こうして生成された3,4,6−トリフルオロフタル
酸は、任意の公知の方法で単離することができる。例え
ば固形分を濾過した後、6規定硫酸水溶液を滴下して中
和し、次いで非水溶性の溶媒により抽出してから溶媒を
除去する方法等を利用することができる。さらに、非水
溶性の溶媒、即ち、非水溶性非プロトン性有機塩基、或
いは、非水溶性非プロトン性極性有機溶媒または非水溶
性非極性有機溶媒を用いて抽出を行なう場合には、前記
同様、得られた抽出液をそのまゝ、または、必要に応じ
て該非プロトン性有機塩基および/または前記の触媒を
加えて、引き続き本発明の2,4,5−トリフルオロ安息香
酸の製造を行なうことができる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、これは本発明を限定するものではない。
実施例1 冷却還流管と温度計とを備えた300mlフラスコに3,4,6
−トリフルオロフタル酸50gと、トリ−n−オクチルア
ミン80.3gとを仕込み、130℃で1時間加熱撹拌した。反
応終了後、冷却してから反応液中に10重量%水酸化ナト
リウム水溶液118gを加えて撹拌し、水層を分液により単
離した。この水層中に35重量%塩酸水溶液46.1gを加
え、析出した結晶を濾過し、乾燥したところ、純度99.2
重量%の2,4,5−トリフルオロ安息香酸37.5g〔収率92.8
モル%(フタル酸を基準とする:以下同様)〕を得た。
こうして得られた2,4,5−トリフルオロ安息香酸の物
性値は次の通りであった。
融点:95〜96℃ IR(cm-1):1690,1460,1270,1160 質量スペクトル(m/e):131,159,176(M+1 H NMR(CDCl3:TMS) (ppm)δ 7.1(1H,d−t 6.4Hz,9.8Hz) 7.9(1H,d−d−d 6.7Hz,8.9Hz,10.5Hz)19 F NMR(CDCl3:CF3COOH):1H−デカップリング (ppm)δ −31.9(1F,d−d 9.8Hz,15.9Hz) −47.1(1F,d−d 9.8Hz,20.8Hz) −64.9(1F,d−d 15.9Hz,20.8Hz) 実施例2 実施例1と同様の容器に3,4,6−トリフルオロフタル
酸50gとトリエチルアミン25.3gとキシレン80gとを仕込
み、120℃で3時間加熱撹拌した。反応終了後、実施例
1と同様の処理を行って、純度98.9重量%の2,4,5−ト
リフルオロ安息香酸36.7g(収率90.8モル%)を得た。
この生成物の物性値も実施例1のものと同じであった。
実施例3 実施例1と同様の容器に、3,4,6−トリフルオロフタ
ル酸50gと、ジメチルホルムアミド100gとN−メチルピ
ロリジン5gとを仕込み、140℃で5時間加熱撹拌した。
反応終了後、反応液を300gの水中に分散し、硫酸10gを
加えた。この水溶液をイソプロピルエーテルで抽出し、
2回水で洗浄した後、有機層を分液により単離して、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、イソプロピルエ
ーテルを減圧留去し、得られた固体を乾燥したところ、
純度98.4重量%の2,4,5−トリフルオロ安息香酸37.9g
(収率93.3モル%)を得た。生成物の物性値は実施例1
のものと同じであった。
実施例4 実施例1と同様の容器に、3,4,6−トリフルオロフタ
ル酸50gとジメチルスルホキシド150gとを仕込み、160℃
で2時間加熱撹拌した。反応終了後、実施例3と同様の
処理を行って、純度98.2重量%の2,4,5−トリフルオロ
安息香酸38.7g(収率95.2モル%)を得た。生成物の物
性値は実施例1と同じであった。
実施例5 500mlの耐圧ガラスオートクレーブに3,4,6−トリフル
オロフタル酸50gと水200gとを仕込み、150℃で3時間加
熱撹拌した。反応途中で炭酸ガスの発生により圧が上が
るため時々炭酸ガスを抜いた。反応終了後、冷却すると
結晶が析出したため、これを濾過し、乾燥して、純度9
7.0重量%の2,4,5−トリフルオロ安息香酸36.9g(収率8
9.8モル%)を得た。生成物の物性値は実施例1と同じ
であった。
実施例6 冷却還流管と温度計を備えた500mlフラスコに、3,4,6
−トリフルオロフタロニトリル50gと70重量%硫酸水溶
液115.4gとを仕込み、130〜140℃で3時間加熱撹拌して
加水分解反応を実施した。反応終了後、反応液を70℃ま
で冷却し、35重量%トリ−n−オクチルアミンのキシレ
ン溶液278gを加えて撹拌し、3,4,6−トリフルオロフタ
ル酸を抽出した。次いで硫酸水溶液層を除去した後、再
び130℃で1時間加熱し、脱炭酸反応を実施した。反応
終了後、室温まで冷却して、20重量%水酸化ナトリウム
143gを加えて撹拌し、2,4,5−トリフルオロ安息香酸を
水層に逆抽出した。次いで、水層を単離した後、35重量
%塩酸水溶液56g加え、析出した結晶を濾過単離した。
この結晶を乾燥して、純度99.0重量%の2,4,5−トリフ
ルオロ安息香酸43.0g〔収率88.0モル%(ニトリル化合
物を基準とする)〕を得た。生成物の物性値は実施例1
と同じであった。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3,4,6−トリフルオロフタル酸を、液状媒
    体中、80〜250℃の温度範囲で加熱処理することを特徴
    とする、2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法。
  2. 【請求項2】上記液状媒体が、水、非プロトン性極性有
    機溶媒、および/またはN−H結合を有しない含窒素有
    機塩基を含有してなる液状媒体であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
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