JP2701061B2 - 2,4―ジフルオロ―5―クロロ安息香酸の製造方法 - Google Patents
2,4―ジフルオロ―5―クロロ安息香酸の製造方法Info
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、医薬、農薬、感光材料及び液晶材料等の中
間原料として有用な新規物質である、2,4−ジフルオロ
−5−クロロ安息香酸の製造方法に関する。
間原料として有用な新規物質である、2,4−ジフルオロ
−5−クロロ安息香酸の製造方法に関する。
本発明の製造方法によって得られる2,4−ジフルオロ
−5−クロロ安息香酸に関しては、Chemical Abstract
等にも記載が見当たらず、また、本発明者らが知る限り
その他の文献類にもその記載が見当らないので、これら
の物質は新規物質と考えられる。
−5−クロロ安息香酸に関しては、Chemical Abstract
等にも記載が見当たらず、また、本発明者らが知る限り
その他の文献類にもその記載が見当らないので、これら
の物質は新規物質と考えられる。
本発明者等は、前記の如く各種物質の中間原料として
極めて有用な上記の化合物を得るべく鋭意研究を行なっ
た結果、2,4,6−トリフルオロ−5−クロロイソフタロ
ニトリルを、弱酸性水溶液中で金属亜鉛とともに加熱す
るだけで脱フッ素還元反応により容易に2,4−ジフルオ
ロ−5−クロロイソフタロニトリルが生成し、この2,4
−ジフルオロ−5−クロロイソフタロニトリルを酸性水
溶液中で加水分解すると2,4−ジフルオロ−5−クロロ
イソフタル酸が得られ、次いでこの2,4−ジフルオロ−
5−クロロイソフタル酸をトリ−n−オクチルアミン等
の有機塩基中で加熱すると脱炭酸反応によって2,4−ジ
フルオロ−5−クロロ安息香酸が得られることを見出
し、更に研究を進めて本発明を完成した。
極めて有用な上記の化合物を得るべく鋭意研究を行なっ
た結果、2,4,6−トリフルオロ−5−クロロイソフタロ
ニトリルを、弱酸性水溶液中で金属亜鉛とともに加熱す
るだけで脱フッ素還元反応により容易に2,4−ジフルオ
ロ−5−クロロイソフタロニトリルが生成し、この2,4
−ジフルオロ−5−クロロイソフタロニトリルを酸性水
溶液中で加水分解すると2,4−ジフルオロ−5−クロロ
イソフタル酸が得られ、次いでこの2,4−ジフルオロ−
5−クロロイソフタル酸をトリ−n−オクチルアミン等
の有機塩基中で加熱すると脱炭酸反応によって2,4−ジ
フルオロ−5−クロロ安息香酸が得られることを見出
し、更に研究を進めて本発明を完成した。
本発明は、2,4,6−トリフルオロ−5−クロロイソフ
タロニトリルを、水性溶媒中で固体金属と反応させて2,
4−ジフルオロ−5−クロロイソフタロニトリルを得、
該2,4−ジフルオロ−5−クロロイソフタロニトリルを
酸性水溶液中で加水分解して2,4−ジフルオロ−5−ク
ロロイソフタル酸を得、次いで該2,4−ジフルオロ−5
−クロロイソフタル酸を溶媒中で加熱して脱炭酸するこ
とを特徴とする2,4−ジフルオロ−5−クロロ安息香酸
の製造方法に関する。
タロニトリルを、水性溶媒中で固体金属と反応させて2,
4−ジフルオロ−5−クロロイソフタロニトリルを得、
該2,4−ジフルオロ−5−クロロイソフタロニトリルを
酸性水溶液中で加水分解して2,4−ジフルオロ−5−ク
ロロイソフタル酸を得、次いで該2,4−ジフルオロ−5
−クロロイソフタル酸を溶媒中で加熱して脱炭酸するこ
とを特徴とする2,4−ジフルオロ−5−クロロ安息香酸
の製造方法に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
説明を容易にするために、本発明方法の反応工程の反
応式を以下に示す。
応式を以下に示す。
以下、本発明方法の各工程について順に説明する。
還元工程(A) 本発明方法の脱フッ素還元工程においては、出発原料
である2,4,6−トリフルオロ−5−クロロイソフタロニ
トリル(F3Cl IPNと略称することがある)を、例えば水
性溶媒中で固体金属と反応させることによって、この還
元工程の目的生成物である2,4−ジフルオロ−5−クロ
ロイソフタロニトリル(F2Cl IPN)と略称することがあ
る)を生成する。
である2,4,6−トリフルオロ−5−クロロイソフタロニ
トリル(F3Cl IPNと略称することがある)を、例えば水
性溶媒中で固体金属と反応させることによって、この還
元工程の目的生成物である2,4−ジフルオロ−5−クロ
ロイソフタロニトリル(F2Cl IPN)と略称することがあ
る)を生成する。
上記の固体金属としては、例えば、亜鉛、錫、鉄、ニ
ッケル、クロム、アルミニウム、銅などを挙げることが
できる。これらの中、入手の容易性や反応収率の良さ等
の観点より固体金属を用いるのが好ましく、金属亜鉛を
用いるのが特に好ましい。
ッケル、クロム、アルミニウム、銅などを挙げることが
できる。これらの中、入手の容易性や反応収率の良さ等
の観点より固体金属を用いるのが好ましく、金属亜鉛を
用いるのが特に好ましい。
上記の金属亜鉛としては、通常市販されている金属亜
鉛粉末等あらゆるものが使用できる。金属亜鉛を使用す
る場合の反応式は以下のとおりである。
鉛粉末等あらゆるものが使用できる。金属亜鉛を使用す
る場合の反応式は以下のとおりである。
金属亜鉛の使用量は、上記反応式に示すごとく、理論
的にはF3Cl IPN 1モルに対し、1モル存在すれば良い
が、通常0.8〜10モル、好ましくは0.9〜5モル、特に好
ましくは1〜2モル存在させるのがよい。金属亜鉛を上
記使用範囲の下限値より少ない量で使用すると反応速度
が遅くなり、また、上限値より多いと、生成したF2Cl I
PNの脱フッ素還元反応が更に進行して副生成物2−フル
オロ−5−クロロイソフタロニトリル(以下、FCl IPN
と略称することがある)の生成を極少量以下に抑えるこ
とができなくなるので、上記使用範囲内の量を用いるの
がよい。
的にはF3Cl IPN 1モルに対し、1モル存在すれば良い
が、通常0.8〜10モル、好ましくは0.9〜5モル、特に好
ましくは1〜2モル存在させるのがよい。金属亜鉛を上
記使用範囲の下限値より少ない量で使用すると反応速度
が遅くなり、また、上限値より多いと、生成したF2Cl I
PNの脱フッ素還元反応が更に進行して副生成物2−フル
オロ−5−クロロイソフタロニトリル(以下、FCl IPN
と略称することがある)の生成を極少量以下に抑えるこ
とができなくなるので、上記使用範囲内の量を用いるの
がよい。
上記の還元反応は水性溶媒中で容易に進行する。但
し、出発原料であるF3Cl IPNおよびこの還元工程での目
的物質であるF2Cl IPNともに非水溶性の物質であるた
め、反応温度によって水性相と二つの固相〔出発物質お
よび目的物質よりなる固体と、固体金属等〕との三相、
または、水性相および油相の二つの液相と固相(固体金
属等)との三相にわたる異相反応であるので、この還元
反応は撹拌によりできるだけ反応系を均一に保ちながら
行なうのが良い。
し、出発原料であるF3Cl IPNおよびこの還元工程での目
的物質であるF2Cl IPNともに非水溶性の物質であるた
め、反応温度によって水性相と二つの固相〔出発物質お
よび目的物質よりなる固体と、固体金属等〕との三相、
または、水性相および油相の二つの液相と固相(固体金
属等)との三相にわたる異相反応であるので、この還元
反応は撹拌によりできるだけ反応系を均一に保ちながら
行なうのが良い。
この還元工程において用いる水性溶媒とは、水、また
は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒をいい、このよう
な有機溶媒の併用によって、固相および/または油相を
水性相中に溶解させ一液相とさせ得る場合があり、ま
た、後記するように本発明に係る反応を還流温度条件下
で行なう場合には、還流温度を調節することも可能であ
る。
は、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒をいい、このよう
な有機溶媒の併用によって、固相および/または油相を
水性相中に溶解させ一液相とさせ得る場合があり、ま
た、後記するように本発明に係る反応を還流温度条件下
で行なう場合には、還流温度を調節することも可能であ
る。
このような水溶性有機溶媒としては、水100重量部に
対して50重量部以上溶解するものならば特に制限なく使
用することができ、例えば、メチルアルコール、エチル
アルコール、n−もしくはi−プロピルアルコール等の
炭素数1〜3の脂肪族一価アルコール類;例えば、アリ
ルアルコール、フルフリルアルコール等のその他の一価
アルコール類;例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール(1,2−,1,3−)、グリセリン等の炭素原子
数1〜3の脂肪族多価アルコール類;例えば、室温で液
状のポリエチレングリコール;例えば、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル等のエチレングリ
コールと炭素原子数1〜4の脂肪族一価アルコールとの
モノまたはジエーテル化物;例えば、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコー
ルと炭素原子数1〜4の脂肪族一価アルコールとのモノ
またはジエーテル化物;例えば、1−グリセリンモノメ
チルエーテル等のグリセリンと炭素原子数1〜3の脂肪
族一価アルコールとのモノエーテル化物;例えば、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン(1,3−,1,4−)等の環状
エーテル類;並びに、例えば、アセトン、アセトニトリ
ル、ラクトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、ジエチルスルホオキシド等のその
他の水溶性有機溶媒;などを挙げることができる。
対して50重量部以上溶解するものならば特に制限なく使
用することができ、例えば、メチルアルコール、エチル
アルコール、n−もしくはi−プロピルアルコール等の
炭素数1〜3の脂肪族一価アルコール類;例えば、アリ
ルアルコール、フルフリルアルコール等のその他の一価
アルコール類;例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール(1,2−,1,3−)、グリセリン等の炭素原子
数1〜3の脂肪族多価アルコール類;例えば、室温で液
状のポリエチレングリコール;例えば、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル等のエチレングリ
コールと炭素原子数1〜4の脂肪族一価アルコールとの
モノまたはジエーテル化物;例えば、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレ
ングリコールジエチルエーテル等のジエチレングリコー
ルと炭素原子数1〜4の脂肪族一価アルコールとのモノ
またはジエーテル化物;例えば、1−グリセリンモノメ
チルエーテル等のグリセリンと炭素原子数1〜3の脂肪
族一価アルコールとのモノエーテル化物;例えば、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン(1,3−,1,4−)等の環状
エーテル類;並びに、例えば、アセトン、アセトニトリ
ル、ラクトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、ジエチルスルホオキシド等のその
他の水溶性有機溶媒;などを挙げることができる。
これらの有機溶媒は、それぞれ単独でまたは2種以上
混合して用いることができる。これらの有機溶媒の中、
入手の容易性や経済的観点より脂肪族一価アルコール類
が特に好適に使用できる。
混合して用いることができる。これらの有機溶媒の中、
入手の容易性や経済的観点より脂肪族一価アルコール類
が特に好適に使用できる。
還元反応は、一般に20℃以上の温度で行なうことがで
き、反応速度の点から40℃以上で行なうのが好ましい。
この還元反応は密閉耐圧反応槽中で高温、高圧下で反応
させることも可能であるが、反応設備コスト等の観点か
ら、大気圧下、50℃〜還流温度の範囲で反応させるのが
好ましい。さらに、副生成物FCl IPN抑制の観点から、6
0〜100℃の温度範囲で反応させるのが特に好ましい。
き、反応速度の点から40℃以上で行なうのが好ましい。
この還元反応は密閉耐圧反応槽中で高温、高圧下で反応
させることも可能であるが、反応設備コスト等の観点か
ら、大気圧下、50℃〜還流温度の範囲で反応させるのが
好ましい。さらに、副生成物FCl IPN抑制の観点から、6
0〜100℃の温度範囲で反応させるのが特に好ましい。
反応時間は、特に制限されるものではないが、長時間
に過ぎるとFCl IPN生成の副反応が進行する場合がある
ので、一般に15分〜10時間、好ましくは30分〜6時間程
度の範囲で行なうのが良い。
に過ぎるとFCl IPN生成の副反応が進行する場合がある
ので、一般に15分〜10時間、好ましくは30分〜6時間程
度の範囲で行なうのが良い。
本発明の脱フッ素還元反応は、その反応系が中性、酸
性およびアルカリ性のいずれの領域にある場合において
も進行するが、例えばpH9以上のアルカリ性領域では、
4−位のフッ素が水酸基で置換された2,6−トリフルオ
ロ−5−クロロ−4−ヒドロキシイソフタロニトリル
や、ニトリル基が加水分解された2,4,6−トリフルオロ
−5−クロロイソフタルアミド等が副生する場合がある
ので、例えば、pH9未満の反応系で反応を行なうのが好
ましく、pH2〜7の範囲の反応系で反応を行なうのが、
特に好ましい。
性およびアルカリ性のいずれの領域にある場合において
も進行するが、例えばpH9以上のアルカリ性領域では、
4−位のフッ素が水酸基で置換された2,6−トリフルオ
ロ−5−クロロ−4−ヒドロキシイソフタロニトリル
や、ニトリル基が加水分解された2,4,6−トリフルオロ
−5−クロロイソフタルアミド等が副生する場合がある
ので、例えば、pH9未満の反応系で反応を行なうのが好
ましく、pH2〜7の範囲の反応系で反応を行なうのが、
特に好ましい。
上記還元反応は、酸の存在下に行なうことができる。
本発明に用いることのできる酸としては、例えば硫酸、
塩酸、硝酸等の無機酸類;および、例えば、酢酸、蓚
酸、安息香酸、無水フタル酸、p−トルエンスルホン酸
等の有機酸類等のように、水溶液中で酸性を示すものな
らばあらゆるものを用いることができる。これらの酸の
うち、入手の容易さ等の理由から硫酸、塩酸、硝酸、酢
酸等の酸類を用いるのが好ましい。
本発明に用いることのできる酸としては、例えば硫酸、
塩酸、硝酸等の無機酸類;および、例えば、酢酸、蓚
酸、安息香酸、無水フタル酸、p−トルエンスルホン酸
等の有機酸類等のように、水溶液中で酸性を示すものな
らばあらゆるものを用いることができる。これらの酸の
うち、入手の容易さ等の理由から硫酸、塩酸、硝酸、酢
酸等の酸類を用いるのが好ましい。
しかしながら、例えば、固体金属等として最も好適な
亜鉛を用いた場合、反応系が強酸領域では、酸と金属亜
鉛との副反応(水素を発生して酸の亜鉛塩を生成する)
が起って金属亜鉛を浪費することがあり、また、副生し
ている水不溶性のフッ化亜鉛と酸とが反応して腐蝕性の
フッ化水素を遊離させる場合がある。さらに、酸の濃度
が過剰に過ぎると、ニトリル基が加水分解を受けて2,4,
6−トリフルオロ−5−クロロイソフタルアミド、2,4−
ジフルオロ−5−クロロイソフタルアミド、2,4,6−ト
リフルオロ−5−クロロイソフタル酸および2,4−ジフ
ルオロ−5−クロロフタル酸等およびこれらの混合物が
副生する場合がある。このような理由から、酸の使用量
は、原料F3Cl IPN 1モルに対して0〜5グラム当量、特
に0.1〜5グラム当量の量で用いるのが好ましく、ま
た、前記金属亜鉛の使用量(モル数)をx、酸の量(グ
ラム当量数)をyとすると1≦2x-y≦3の関係式を満足
する範囲の量で使用するのが好ましい。
亜鉛を用いた場合、反応系が強酸領域では、酸と金属亜
鉛との副反応(水素を発生して酸の亜鉛塩を生成する)
が起って金属亜鉛を浪費することがあり、また、副生し
ている水不溶性のフッ化亜鉛と酸とが反応して腐蝕性の
フッ化水素を遊離させる場合がある。さらに、酸の濃度
が過剰に過ぎると、ニトリル基が加水分解を受けて2,4,
6−トリフルオロ−5−クロロイソフタルアミド、2,4−
ジフルオロ−5−クロロイソフタルアミド、2,4,6−ト
リフルオロ−5−クロロイソフタル酸および2,4−ジフ
ルオロ−5−クロロフタル酸等およびこれらの混合物が
副生する場合がある。このような理由から、酸の使用量
は、原料F3Cl IPN 1モルに対して0〜5グラム当量、特
に0.1〜5グラム当量の量で用いるのが好ましく、ま
た、前記金属亜鉛の使用量(モル数)をx、酸の量(グ
ラム当量数)をyとすると1≦2x-y≦3の関係式を満足
する範囲の量で使用するのが好ましい。
さらに、反応の酸濃度は水性溶媒の量1000gに対して1
0当量以下の範囲で用いるのが好ましく、8当量以下の
範囲で用いるのが更に好ましい。酸の添加方法も、反応
初期に一括添加する方法の他、逐次添加などの方法等も
適宜選択できる。
0当量以下の範囲で用いるのが好ましく、8当量以下の
範囲で用いるのが更に好ましい。酸の添加方法も、反応
初期に一括添加する方法の他、逐次添加などの方法等も
適宜選択できる。
更にまた、本発明方法に係る反応においては、酸を用
いる代りに水可溶性塩を用い、前記のpH範囲、即ち、pH
9未満、さらにはpH2〜7の範囲の反応系中で行なうこと
がてきる。この方法によれば、工業化に際して比較的安
価なSUS304,SUS316等のステンレス鋼を使用することが
できるようになるとともに、酸を用いる場合と同様の高
純度、高収率で目的化合物を得ることができるという優
れた効果を発揮する。
いる代りに水可溶性塩を用い、前記のpH範囲、即ち、pH
9未満、さらにはpH2〜7の範囲の反応系中で行なうこと
がてきる。この方法によれば、工業化に際して比較的安
価なSUS304,SUS316等のステンレス鋼を使用することが
できるようになるとともに、酸を用いる場合と同様の高
純度、高収率で目的化合物を得ることができるという優
れた効果を発揮する。
このような水可溶性塩としては、特に限定されるもの
ではなく、水100gに対して0.01g以上、好ましくは1g以
上溶解するものであればいずれも使用できる。このよう
な水可溶性塩としては、例えば、硫酸アンモニウム、硫
酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸カリウム、硫
酸水素カリウムなどの硫酸塩;例えば、塩化アンモニウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、
塩化マグネシウム、塩化バリウム等の塩酸塩;例えば、
硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝
酸カルシウム、硝酸マグネシウム等の硝酸塩;例えば、
リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン
酸二水素アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸一水
素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カリウ
ム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム等の
リン酸塩;例えば四ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;例
えば、クエン酸アンモニウム、クエン酸水素アンモニウ
ム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、ク
エン酸カリウム、クエン酸水素カリウム等のクエン酸
塩;例えば、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸
カリウム、酢酸カルシウム等の酢酸塩;例えば、酒石酸
ナトリウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石酸カリウム、
酒石酸水素カリウム等の酒石酸塩;例えばシュウ酸カリ
ウム等のシュウ酸塩;例えば、乳酸ナトリウム、乳酸カ
ルシウム等の乳酸塩;フタル酸アンモニウム、フタル酸
水素アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸水素
ナトリウム、フタル酸カリウム、フタル酸水素カリウム
等のフタル酸塩;等を例示することができる。
ではなく、水100gに対して0.01g以上、好ましくは1g以
上溶解するものであればいずれも使用できる。このよう
な水可溶性塩としては、例えば、硫酸アンモニウム、硫
酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸カリウム、硫
酸水素カリウムなどの硫酸塩;例えば、塩化アンモニウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、
塩化マグネシウム、塩化バリウム等の塩酸塩;例えば、
硝酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝
酸カルシウム、硝酸マグネシウム等の硝酸塩;例えば、
リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン
酸二水素アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸一水
素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸カリウ
ム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム等の
リン酸塩;例えば四ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;例
えば、クエン酸アンモニウム、クエン酸水素アンモニウ
ム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、ク
エン酸カリウム、クエン酸水素カリウム等のクエン酸
塩;例えば、酢酸アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸
カリウム、酢酸カルシウム等の酢酸塩;例えば、酒石酸
ナトリウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石酸カリウム、
酒石酸水素カリウム等の酒石酸塩;例えばシュウ酸カリ
ウム等のシュウ酸塩;例えば、乳酸ナトリウム、乳酸カ
ルシウム等の乳酸塩;フタル酸アンモニウム、フタル酸
水素アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸水素
ナトリウム、フタル酸カリウム、フタル酸水素カリウム
等のフタル酸塩;等を例示することができる。
これらの水可溶性塩の中、その水溶液が弱酸性を示す
硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム等の強酸弱塩基塩;硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カ
リウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリ
ウム、リン酸−水素カリウム、リン酸二水素カリウム等
の無機酸の強塩基水素塩;クエン酸水素アンモニウム、
クエン酸水素ナトリウム、クエン酸水素カリウム、酒石
酸水素ナトリウム、酒石酸水素カリウム、フタル酸水素
ナトリウム、フタル酸水素カリウム等の有機酸の強塩基
水素塩;等の使用が好ましい。これらの塩はそれぞれ単
独で、又は、二種以上混合して用いることができ、ま
た、必要に応じて、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、アンモニア等の塩基を併用して、水性溶媒の
pHを前記好適なpH範囲になるように調節することもでき
る。
硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム等の強酸弱塩基塩;硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カ
リウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリ
ウム、リン酸−水素カリウム、リン酸二水素カリウム等
の無機酸の強塩基水素塩;クエン酸水素アンモニウム、
クエン酸水素ナトリウム、クエン酸水素カリウム、酒石
酸水素ナトリウム、酒石酸水素カリウム、フタル酸水素
ナトリウム、フタル酸水素カリウム等の有機酸の強塩基
水素塩;等の使用が好ましい。これらの塩はそれぞれ単
独で、又は、二種以上混合して用いることができ、ま
た、必要に応じて、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、アンモニア等の塩基を併用して、水性溶媒の
pHを前記好適なpH範囲になるように調節することもでき
る。
さらに、前記の塩類は適宜の酸と組合せて用いること
により反応系の水性溶媒のpHを前記好適なpH範囲とする
こともできる。このような塩類としては、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、硝酸
ナトリウム、硝酸カリウム等のその水溶液がほぼ中性の
強酸強塩基正塩;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、
四ホウ酸ナトリウム等のその水溶液がアルカリ性の無機
酸強塩基正塩;クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、
酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、乳酸ナトリウム、
乳酸カルシウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウ
ム等のその水溶液がアルカリ正の有機酸強塩基正塩等を
例示することができる。
により反応系の水性溶媒のpHを前記好適なpH範囲とする
こともできる。このような塩類としては、硫酸ナトリウ
ム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩
化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化バリウム、硝酸
ナトリウム、硝酸カリウム等のその水溶液がほぼ中性の
強酸強塩基正塩;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、
四ホウ酸ナトリウム等のその水溶液がアルカリ性の無機
酸強塩基正塩;クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、
酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、乳酸ナトリウム、
乳酸カルシウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウ
ム等のその水溶液がアルカリ正の有機酸強塩基正塩等を
例示することができる。
上記の如き塩類と組合せるに好適な酸としては、例え
ば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸などの無機酸;
例えば、クエン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、シュウ
酸、乳酸、フタル酸、安息香酸、p−トルエンスルホン
酸等の有機酸を挙げることができる。
ば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸などの無機酸;
例えば、クエン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、シュウ
酸、乳酸、フタル酸、安息香酸、p−トルエンスルホン
酸等の有機酸を挙げることができる。
前記の水可溶性塩の使用量は特に制限されるものでは
ないが、反応系のpHが前記範囲となるような量を用いる
のが好ましく、出発原料F3Cl IPN 1モルに対して、合計
量で例えば、0.01〜1モル、特には0.03〜0.5モル用い
るのが好ましい。また、該水可溶性塩の反応系の水性溶
媒中における濃度は、合計量で例えば0.01〜2モル/
、特には、0.02〜1モル/であるのがよい。
ないが、反応系のpHが前記範囲となるような量を用いる
のが好ましく、出発原料F3Cl IPN 1モルに対して、合計
量で例えば、0.01〜1モル、特には0.03〜0.5モル用い
るのが好ましい。また、該水可溶性塩の反応系の水性溶
媒中における濃度は、合計量で例えば0.01〜2モル/
、特には、0.02〜1モル/であるのがよい。
還元工程(A)の終了後、熱時濾過して固形分を濾別
するか、または反応系を冷却し、中間生成物F2Cl IPNを
溶解する非水溶性の抽出溶媒を加えて混合してから固形
分を濾別し、続いて濾液から分液によって水層を除い
て、中間生成物F2Cl IPNを含有する抽出混合物を得る。
するか、または反応系を冷却し、中間生成物F2Cl IPNを
溶解する非水溶性の抽出溶媒を加えて混合してから固形
分を濾別し、続いて濾液から分液によって水層を除い
て、中間生成物F2Cl IPNを含有する抽出混合物を得る。
次に、この抽出混合物中に無機酸水溶液を加え、加熱
して加水分解工程(B)を実施する。
して加水分解工程(B)を実施する。
なお、この還元工程(A)において副正することのあ
るFCl IPNは、次の加水分解工程(B)において2−フ
ルオロ−5−クロロフタル酸(以下、FCl IPAと略称す
ることがある)に加水分解されるが、後記する脱炭酸工
程(C)における条件ではほとんど脱炭酸されずFCl IP
Aとして残るため、本発明の前記目的物であるF2Cl BAと
は比較的容易に分離することが可能である。そのため、
本発明方法においては、還元工程(A)終了後、FCl IP
N等を特に取り除くことなく、次の加水分解工程(B)
を行なうことができる。
るFCl IPNは、次の加水分解工程(B)において2−フ
ルオロ−5−クロロフタル酸(以下、FCl IPAと略称す
ることがある)に加水分解されるが、後記する脱炭酸工
程(C)における条件ではほとんど脱炭酸されずFCl IP
Aとして残るため、本発明の前記目的物であるF2Cl BAと
は比較的容易に分離することが可能である。そのため、
本発明方法においては、還元工程(A)終了後、FCl IP
N等を特に取り除くことなく、次の加水分解工程(B)
を行なうことができる。
加水分解工程(B) 本発明方法における加水分解反応は無機酸(例えば硫
酸、塩酸または臭化水素酸、好ましくは硫酸)水溶液中
で容易に進行する。例えば、還元反応によって得られた
2,4−ジフルオロ−5−クロロイソフタロニトリル(F2C
l IPN)を50〜90重量%の硫酸水溶液中で、例えば100〜
180℃の温度で加熱することにより、2,4−トリフルオロ
−5−クロロイソフタル酸(以下、F2Cl IPAと略称する
ことがある)を得る方法が好適に採用しうる。
酸、塩酸または臭化水素酸、好ましくは硫酸)水溶液中
で容易に進行する。例えば、還元反応によって得られた
2,4−ジフルオロ−5−クロロイソフタロニトリル(F2C
l IPN)を50〜90重量%の硫酸水溶液中で、例えば100〜
180℃の温度で加熱することにより、2,4−トリフルオロ
−5−クロロイソフタル酸(以下、F2Cl IPAと略称する
ことがある)を得る方法が好適に採用しうる。
加水分解工程(B)終了後、後記の脱炭酸工程(C)
において述べるようなN−H結合を有しない含窒素有機
塩基(以下、非プロトン性有機塩基と称することがあ
る)のうち非水溶性のもの、或いは、非プロトン性極性
有機溶媒または非極性有機溶媒のうち非水溶性のものを
用いて、上記加水分解工程(B)で得られた中間生成物
F2Cl IPAの抽出を行なう。得られた抽出液はそのまま、
または、必要に応じて例えば、水酸化ナトリウム水溶液
等のアルカリ性水溶液を加え、よく混合して抽出液を洗
浄した後、その溶媒および/または後記する触媒を加え
て、引き続き脱炭酸工程(C)を実施して2,4−ジフル
オロ−5−クロロ安息香酸(F2Cl BA)を製造すること
ができる。このような非水溶性非プロトン性有機塩基と
しては、例えば、トリアルキルアミン(各アルキル基の
炭素原子数が2以上のもの)、ジアルキルアリールアミ
ン、アルキルジアリールアミン、トリアリールアミンま
たはジアルキルシクロアルキルアミン等の第3アミン;
例えば、N,N′−テトラアルキルアリーレンジアミン等
のジアミンを挙げることができ、非水溶性非プロトン性
極性有機溶媒としては、例えば、ベンゾニトリル、ニト
ロベンゼン等を、また、非水溶性非極性有機溶媒として
は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、ブチ
ルベンゼン、シメン等の芳香族炭化水素類;パラジクロ
ロベンゼン、パラジフルオロベンゼン等のハロゲン置換
芳香族炭化水素類;プロピルエーテル、ブチルエーテル
類のジアルキルエーテル類等を挙げることができる。
において述べるようなN−H結合を有しない含窒素有機
塩基(以下、非プロトン性有機塩基と称することがあ
る)のうち非水溶性のもの、或いは、非プロトン性極性
有機溶媒または非極性有機溶媒のうち非水溶性のものを
用いて、上記加水分解工程(B)で得られた中間生成物
F2Cl IPAの抽出を行なう。得られた抽出液はそのまま、
または、必要に応じて例えば、水酸化ナトリウム水溶液
等のアルカリ性水溶液を加え、よく混合して抽出液を洗
浄した後、その溶媒および/または後記する触媒を加え
て、引き続き脱炭酸工程(C)を実施して2,4−ジフル
オロ−5−クロロ安息香酸(F2Cl BA)を製造すること
ができる。このような非水溶性非プロトン性有機塩基と
しては、例えば、トリアルキルアミン(各アルキル基の
炭素原子数が2以上のもの)、ジアルキルアリールアミ
ン、アルキルジアリールアミン、トリアリールアミンま
たはジアルキルシクロアルキルアミン等の第3アミン;
例えば、N,N′−テトラアルキルアリーレンジアミン等
のジアミンを挙げることができ、非水溶性非プロトン性
極性有機溶媒としては、例えば、ベンゾニトリル、ニト
ロベンゼン等を、また、非水溶性非極性有機溶媒として
は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、ブチ
ルベンゼン、シメン等の芳香族炭化水素類;パラジクロ
ロベンゼン、パラジフルオロベンゼン等のハロゲン置換
芳香族炭化水素類;プロピルエーテル、ブチルエーテル
類のジアルキルエーテル類等を挙げることができる。
脱炭酸工程(C) 本発明方法における脱炭酸反応は、前記の加水分解工
程で得られた中間生成物F2Cl IPAを溶媒中で80〜250℃
の温度範囲で加熱することにより容易に進行する。
程で得られた中間生成物F2Cl IPAを溶媒中で80〜250℃
の温度範囲で加熱することにより容易に進行する。
この脱炭酸工程の溶媒は、出発原料F2Cl IPA、反応生
成物F2Cl BAおよび場合により使用する触媒との間で、
この脱炭酸工程にとって不都合な副反応を起こすことの
ないものであればよい。
成物F2Cl BAおよび場合により使用する触媒との間で、
この脱炭酸工程にとって不都合な副反応を起こすことの
ないものであればよい。
このような触媒としては、水、非プロトン性極性有機
溶媒、非プロトン性有機塩基、および、これらの混合物
が好適に使用できる。
溶媒、非プロトン性有機塩基、および、これらの混合物
が好適に使用できる。
なお、本明細書において“極性有機溶媒”とは、分子
内に2D(デバイ)以上の永久双極子モーメントをもつ中
性の有機化合物をいう。
内に2D(デバイ)以上の永久双極子モーメントをもつ中
性の有機化合物をいう。
前記の非プロトン性極性有機溶媒としては、例えばジ
メチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、ジメチルス
ルホン、テトラメチルスルホン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ア
セトニトリル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ベンゾ
ニトリル、ニトロベンゼン、グリコール類のジアルキル
エーテル、または、キノリンなどがあり、そのうち、水
溶性非プロトン性極性容器溶媒としては例えばジメチル
スルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチルスルホ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘ
キサメチルリン酸トリアミド、N−メチルピロリドン、
アセトニトリル、グリコール類のジアルキルエーテル
〔例えばジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグ
ライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル
(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチル
エーテル(テトラグライム)〕などがある。また非水溶
性非プロトン性極性有機溶媒としては例えばベンゾニト
リル、ニトロベンゼンなどがある。
メチルスルホキシド、ジフェニルスルホン、ジメチルス
ルホン、テトラメチルスルホン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ア
セトニトリル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ベンゾ
ニトリル、ニトロベンゼン、グリコール類のジアルキル
エーテル、または、キノリンなどがあり、そのうち、水
溶性非プロトン性極性容器溶媒としては例えばジメチル
スルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチルスルホ
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘ
キサメチルリン酸トリアミド、N−メチルピロリドン、
アセトニトリル、グリコール類のジアルキルエーテル
〔例えばジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグ
ライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル
(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチル
エーテル(テトラグライム)〕などがある。また非水溶
性非プロトン性極性有機溶媒としては例えばベンゾニト
リル、ニトロベンゼンなどがある。
また、本発明の脱炭酸工程で使用できる前記のN−H
結合を有しない含窒素有機塩基の例としては、一般式 〔式中、R1とR2とR3とは、各々独立に、C1〜C18の直鎖
状または分枝状のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、
ノニル基、ドデシル基、またはステアリル基)、アルケ
ニル基(例えばオレイル基)、アリール基(例えばフェ
ニル基またはナフチル基)またはC5〜C8のシクロアルキ
ル基(例えばシクロヘキシル基);R1とR2とは一緒にな
ってC5〜C8のアルキレン基を形成し且つR3は前記C1〜C
18の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、アルケニル
基、アリール基またはC5〜C8のシクロアルキル基;ある
いはR1とR2とは一緒になってC5〜C8のアルキレン基を形
成し且つR3はそのR1とR2とが一緒になって形成するアル
キレン基中の炭素原子と窒素原子とを結合するC2〜C4の
アルキレン基;である〕で表される第3アミンを挙げる
ことができる。
結合を有しない含窒素有機塩基の例としては、一般式 〔式中、R1とR2とR3とは、各々独立に、C1〜C18の直鎖
状または分枝状のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、
ノニル基、ドデシル基、またはステアリル基)、アルケ
ニル基(例えばオレイル基)、アリール基(例えばフェ
ニル基またはナフチル基)またはC5〜C8のシクロアルキ
ル基(例えばシクロヘキシル基);R1とR2とは一緒にな
ってC5〜C8のアルキレン基を形成し且つR3は前記C1〜C
18の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、アルケニル
基、アリール基またはC5〜C8のシクロアルキル基;ある
いはR1とR2とは一緒になってC5〜C8のアルキレン基を形
成し且つR3はそのR1とR2とが一緒になって形成するアル
キレン基中の炭素原子と窒素原子とを結合するC2〜C4の
アルキレン基;である〕で表される第3アミンを挙げる
ことができる。
好ましい第3アミンは、トリアルキルアミン(例えば
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリラ
ウリルアミン、トリステアリルアミン、ジメチルエチル
アミン、メチルジエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン)、トリアルケニルアミン、ジアルキルアリール
アミン(例えばジメチルアニリン、ジエチルアニリ
ン)、アルキルジアリールアミン(例えばジフェニルメ
チルアミン、ジフェニルエチルアミン)、トリアリール
アミン(例えばトリフェニルアミン)、ジアルキルシク
ロアルキルアミン(例えばジメチルシクロヘキシルアミ
ン)、N−アルキル置換飽和窒素複素還式化合物(例え
ばN−メチル−ピロリジン、N−メチル−モルホリン、
N−メチル−ピペリジン)またはキヌクリジンである。
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリラ
ウリルアミン、トリステアリルアミン、ジメチルエチル
アミン、メチルジエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン)、トリアルケニルアミン、ジアルキルアリール
アミン(例えばジメチルアニリン、ジエチルアニリ
ン)、アルキルジアリールアミン(例えばジフェニルメ
チルアミン、ジフェニルエチルアミン)、トリアリール
アミン(例えばトリフェニルアミン)、ジアルキルシク
ロアルキルアミン(例えばジメチルシクロヘキシルアミ
ン)、N−アルキル置換飽和窒素複素還式化合物(例え
ばN−メチル−ピロリジン、N−メチル−モルホリン、
N−メチル−ピペリジン)またはキヌクリジンである。
脱炭酸工程で使用することのできる別の非プロトン性
有機塩基の例としては、一般式 〔式中、Aはアルキレン基(炭素原子数1〜8個)また
はアリーレン基であり、R4とR5とR6とR7とは各々独立に
C1〜C18の直鎖状または分枝状のアルキル基もしくはア
ルケニル基、アリール基またはC5〜C8のシクロアルキル
基;あるいはR4とR5もしくはR6とR7またはR4とR6もしく
はR5とR7とが各々C2〜C8のアルキレン基を形成するもの
である〕 で表されるジアミンを挙げることができる。
有機塩基の例としては、一般式 〔式中、Aはアルキレン基(炭素原子数1〜8個)また
はアリーレン基であり、R4とR5とR6とR7とは各々独立に
C1〜C18の直鎖状または分枝状のアルキル基もしくはア
ルケニル基、アリール基またはC5〜C8のシクロアルキル
基;あるいはR4とR5もしくはR6とR7またはR4とR6もしく
はR5とR7とが各々C2〜C8のアルキレン基を形成するもの
である〕 で表されるジアミンを挙げることができる。
前記のジアミンは、例えばN,N′−テトラアルキル−
アルキレンジアミン(例えばN,N′−テトラメチルメチ
レンジアミン、N,N′−テトラメチルエチレンジアミ
ン、N,N′−テトラメチルトリメチレンジアミン)、N,
N′−テトラアルキル−アリーレンジアミン(例えばN,
N′−テトラメチルフェニレンジアミン)、あるいは環
状ジアミン(例えばトリエチレンジアミン、N,N′−ジ
メチルピペリジン)である。前記のジアミン以外にも、
同様のトリアミン等のポリアミンも使用することができ
る。
アルキレンジアミン(例えばN,N′−テトラメチルメチ
レンジアミン、N,N′−テトラメチルエチレンジアミ
ン、N,N′−テトラメチルトリメチレンジアミン)、N,
N′−テトラアルキル−アリーレンジアミン(例えばN,
N′−テトラメチルフェニレンジアミン)、あるいは環
状ジアミン(例えばトリエチレンジアミン、N,N′−ジ
メチルピペリジン)である。前記のジアミン以外にも、
同様のトリアミン等のポリアミンも使用することができ
る。
脱炭酸工程で使用することのできる更に別の非プロト
ン性有機塩基の例としては一般式 (式中、R8とR9とR10とは、各々独立にC1〜C18の直鎖状
または分枝状のアルキル基もしくはアルケニル基、アリ
ール基またはC5〜C8のシクロアルキル基であり且つRは
水素、C1〜C18の直鎖状または分枝状のアルキル基もし
くはアルケニル基、アリール基またはC5〜C8のシクロア
ルキル基;R8とR9とがC3〜C8のアルキレン基を形成し、R
10はC1〜C18の直鎖状または分枝状のアルキル基もしく
はアルケニル基、アリール基またはC5〜C8のシクロアル
キル基であり且つRは水素原子、C1〜C18の直鎖状また
は分枝状のアルキル基もしくはアルケニル基、アリール
基またはC5〜C8のシクロアルキル基;R8とR10とがC2〜C8
のアルキレン基を形成し、R9はC1〜C18の直鎖状または
分枝状のアルキル基もしくはアルケニル基、アリール基
またはC5〜C8のシクロアルキル基であり且つRは水素、
C1〜C18の直鎖状または分枝状のアルキル基もしくはア
ルケニル基、アリール基またはC5〜C8のシクロアルキル
基;あるいは、R8とR10とがC2〜C8のアルキレン基を形
成し且つR9とRとがC3〜C8のアルキレン基を形成するも
のである。) で表されるアミジンを挙げることができる。
ン性有機塩基の例としては一般式 (式中、R8とR9とR10とは、各々独立にC1〜C18の直鎖状
または分枝状のアルキル基もしくはアルケニル基、アリ
ール基またはC5〜C8のシクロアルキル基であり且つRは
水素、C1〜C18の直鎖状または分枝状のアルキル基もし
くはアルケニル基、アリール基またはC5〜C8のシクロア
ルキル基;R8とR9とがC3〜C8のアルキレン基を形成し、R
10はC1〜C18の直鎖状または分枝状のアルキル基もしく
はアルケニル基、アリール基またはC5〜C8のシクロアル
キル基であり且つRは水素原子、C1〜C18の直鎖状また
は分枝状のアルキル基もしくはアルケニル基、アリール
基またはC5〜C8のシクロアルキル基;R8とR10とがC2〜C8
のアルキレン基を形成し、R9はC1〜C18の直鎖状または
分枝状のアルキル基もしくはアルケニル基、アリール基
またはC5〜C8のシクロアルキル基であり且つRは水素、
C1〜C18の直鎖状または分枝状のアルキル基もしくはア
ルケニル基、アリール基またはC5〜C8のシクロアルキル
基;あるいは、R8とR10とがC2〜C8のアルキレン基を形
成し且つR9とRとがC3〜C8のアルキレン基を形成するも
のである。) で表されるアミジンを挙げることができる。
N−の炭素原子と結合することができるものとする) で表されるアミジンを挙げることができる。
上記アミジンは、例えばトリアルキルアミジンまたは
二還式アミジン(例えばジアザビシクロウンデセン、ジ
アザビシクロノネン)である。
二還式アミジン(例えばジアザビシクロウンデセン、ジ
アザビシクロノネン)である。
前記の各種の溶媒を組合せて使用することもできる。
例えば、前記の非プロトン性有機塩基と水、前記非プロ
トン性有機塩基と非プロトン性極性有機溶媒、あるい
は、水と非プロトン性極性有機溶媒である。
例えば、前記の非プロトン性有機塩基と水、前記非プロ
トン性有機塩基と非プロトン性極性有機溶媒、あるい
は、水と非プロトン性極性有機溶媒である。
また、脱炭酸工程で用いる溶媒としては、必要に応じ
前記以外の有機溶媒を併用することができる。
前記以外の有機溶媒を併用することができる。
このような有機溶媒の中で好適なものとしては、例え
ば、非極性有機溶媒を挙げることができる。なお、ここ
でいう“非極性有機溶媒”とは、分子内の永久双極子モ
ーメントが2D末端の中性の有機化合物をいうものとす
る。
ば、非極性有機溶媒を挙げることができる。なお、ここ
でいう“非極性有機溶媒”とは、分子内の永久双極子モ
ーメントが2D末端の中性の有機化合物をいうものとす
る。
前記の非極性有機溶媒としては、好ましくは沸点80〜
300℃の有機溶媒であって、ブタノール、ペンタノー
ル、ヘキサノール、シクロヘキサノール等の炭素原子4
個以上の脂肪族アルコール類;プロピルエーテル、ブチ
ルエーテル等の、少なくとも一方のアルキル基が炭素原
子3個以上をもつジアルキルエーテル類;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロ
ピルベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、シメン等の芳
香族炭化水素類;パラジクロロベンゼン、パラジフルオ
ロベンゼン等のハロゲン置換芳香族炭化水素類;ヘプタ
ン、オクタン等の炭素原子7個以上の脂肪族炭化水素
類;1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン等のハロゲン置換脂肪族炭化水素類を挙げることがで
きる。これらの中では、芳香族炭化水素類、ハロゲン置
換芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、およびハロゲ
ン置換脂肪族炭化水素類等の炭化水素系溶媒を用いるの
が更に好ましく、ハロゲン原子で置換されていない芳香
族炭化水素類を用いるのが特に好ましい。
300℃の有機溶媒であって、ブタノール、ペンタノー
ル、ヘキサノール、シクロヘキサノール等の炭素原子4
個以上の脂肪族アルコール類;プロピルエーテル、ブチ
ルエーテル等の、少なくとも一方のアルキル基が炭素原
子3個以上をもつジアルキルエーテル類;ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、プロ
ピルベンゼン、クメン、ブチルベンゼン、シメン等の芳
香族炭化水素類;パラジクロロベンゼン、パラジフルオ
ロベンゼン等のハロゲン置換芳香族炭化水素類;ヘプタ
ン、オクタン等の炭素原子7個以上の脂肪族炭化水素
類;1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ン等のハロゲン置換脂肪族炭化水素類を挙げることがで
きる。これらの中では、芳香族炭化水素類、ハロゲン置
換芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、およびハロゲ
ン置換脂肪族炭化水素類等の炭化水素系溶媒を用いるの
が更に好ましく、ハロゲン原子で置換されていない芳香
族炭化水素類を用いるのが特に好ましい。
脱炭酸工程は、場合により触媒の存在下で実施するこ
とができる。触媒としては、この種の脱炭酸反応におい
て公知の触媒を使用する。使用する溶媒の種類に応じて
触媒を選択するのが好ましい。水性溶媒中で使用する触
媒としては、例えば、アンモニア、アルカリ金属または
アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸
塩、有機酸塩またはフッ化物、あるいはアルカリ土類金
属の酸化物、更に有機塩基の硫酸塩、フッ化物または有
機酸塩を挙げることができる。アンモニア、アルカリ金
属またはアルカリ土類金属の硫酸塩としては、例えば、
硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫
酸ルビジウム、硫酸セシウム、硫酸マグネシウム、硫酸
カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウムであ
る。有機塩基の硫酸塩としては、例えば、ピリジン硫酸
塩、キノリン硫酸塩、または前述の非プロトン性有機塩
基の硫酸塩を例示できる。また、アンモニアの水酸化
物、炭酸塩、有機酸塩またはフッ化物としては、例え
ば、アンモニア水、炭酸アンモニウム、フッ化アンモニ
ウムまたは、出発原料もしくは生成物とアンモニアとの
塩、すなわち2,4−ジフルオロ−5−クロロイソフタル
酸アンモニウム、2,4−ジフルオロ−5−クロロ安息香
酸アンモニウムである。
とができる。触媒としては、この種の脱炭酸反応におい
て公知の触媒を使用する。使用する溶媒の種類に応じて
触媒を選択するのが好ましい。水性溶媒中で使用する触
媒としては、例えば、アンモニア、アルカリ金属または
アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、硫酸
塩、有機酸塩またはフッ化物、あるいはアルカリ土類金
属の酸化物、更に有機塩基の硫酸塩、フッ化物または有
機酸塩を挙げることができる。アンモニア、アルカリ金
属またはアルカリ土類金属の硫酸塩としては、例えば、
硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫
酸ルビジウム、硫酸セシウム、硫酸マグネシウム、硫酸
カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウムであ
る。有機塩基の硫酸塩としては、例えば、ピリジン硫酸
塩、キノリン硫酸塩、または前述の非プロトン性有機塩
基の硫酸塩を例示できる。また、アンモニアの水酸化
物、炭酸塩、有機酸塩またはフッ化物としては、例え
ば、アンモニア水、炭酸アンモニウム、フッ化アンモニ
ウムまたは、出発原料もしくは生成物とアンモニアとの
塩、すなわち2,4−ジフルオロ−5−クロロイソフタル
酸アンモニウム、2,4−ジフルオロ−5−クロロ安息香
酸アンモニウムである。
アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、有機
酸塩またはフッ化物としては、例えば、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、フッ化マ
グネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸
カルシウム、フッ化カルシウム、酸化ストロンチウム、
水酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化バリウ
ム、炭酸バリウムまたは出発原料(2,4−ジフルオロ−
5−クロロイソフタル酸)もしくは生成物(2,4−ジフ
ルオロ−5−クロロ安息香酸)とアルカリ土類金属(例
えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムまた
はバリウム)の水酸化物との塩も触媒として作用する。
酸塩またはフッ化物としては、例えば、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、フッ化マ
グネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸
カルシウム、フッ化カルシウム、酸化ストロンチウム、
水酸化ストロンチウム、酸化バリウム、水酸化バリウ
ム、炭酸バリウムまたは出発原料(2,4−ジフルオロ−
5−クロロイソフタル酸)もしくは生成物(2,4−ジフ
ルオロ−5−クロロ安息香酸)とアルカリ土類金属(例
えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムまた
はバリウム)の水酸化物との塩も触媒として作用する。
また、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、有機酸塩ま
たはフッ化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭
酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸カリウム、フッ化カリウムまたは出発原料もしくは生
成物とアルカリ金属水酸化物との塩も触媒となる。
たはフッ化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、炭
酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、水酸化カリウム、炭
酸カリウム、フッ化カリウムまたは出発原料もしくは生
成物とアルカリ金属水酸化物との塩も触媒となる。
また、有機塩基のフッ化物または有機酸塩としては、
例えば、前述の非プロトン性有機塩基のフッ化物または
該非プロトン性有機塩基と出発原料もしくは生成物との
塩を例示できる。
例えば、前述の非プロトン性有機塩基のフッ化物または
該非プロトン性有機塩基と出発原料もしくは生成物との
塩を例示できる。
次に非プロトン性極性有機溶媒を含有してなる溶媒中
で使用する触媒としては、無機塩基、例えば重炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等を挙げるこ
とができる。
で使用する触媒としては、無機塩基、例えば重炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等を挙げるこ
とができる。
更に、非プロトン性有機塩基を含有してなる溶媒中で
は、該非プロトン性有機塩基自体が触媒作用を有し、ま
た、該非プロトン性有機塩基と、出発原料溶液中に場合
により含まれていることのある硫酸または出発原料もし
くは生成物である有機酸との塩も触媒作用を有するの
で、必ずしも別途、触媒の添加を要しない。
は、該非プロトン性有機塩基自体が触媒作用を有し、ま
た、該非プロトン性有機塩基と、出発原料溶液中に場合
により含まれていることのある硫酸または出発原料もし
くは生成物である有機酸との塩も触媒作用を有するの
で、必ずしも別途、触媒の添加を要しない。
本発明方法の脱炭酸工程においては、使用する溶媒お
よび場合により使用する触媒の種類に応じて、加熱条件
や出発原料と溶媒との量比等を簡単に設定することがで
きる。
よび場合により使用する触媒の種類に応じて、加熱条件
や出発原料と溶媒との量比等を簡単に設定することがで
きる。
例えば、非プロトン性極性有機溶媒中で脱炭酸を実施
する場合には、反応温度80〜200℃好ましくは90〜180
℃、特に好ましくは105〜140℃で0.5〜3時間好ましく
は約1時間、大気圧下で加熱処理する。触媒は、出発原
料1モルに対して0.05〜0.75モル好ましくは0.2〜0.5モ
ルの量で使用する。
する場合には、反応温度80〜200℃好ましくは90〜180
℃、特に好ましくは105〜140℃で0.5〜3時間好ましく
は約1時間、大気圧下で加熱処理する。触媒は、出発原
料1モルに対して0.05〜0.75モル好ましくは0.2〜0.5モ
ルの量で使用する。
更に、有機塩基溶媒中で脱炭酸を実施する場合には、
反応温度100〜200℃好ましくは120〜180℃で0.5〜50時
間好ましくは約0.5〜5時間、大気圧下で加熱処理す
る。
反応温度100〜200℃好ましくは120〜180℃で0.5〜50時
間好ましくは約0.5〜5時間、大気圧下で加熱処理す
る。
非極性有機溶媒の共存下で実施する場合には、出発原
料1モルに対して、一般に有機塩基0.1〜3モル(反応
速度の観点から好ましくは0.3〜2モル、更に好ましく
は0.75超〜1.5モル)および非極性有機溶媒0〜10モル
(好ましくは0.5〜5モル)を使用する。
料1モルに対して、一般に有機塩基0.1〜3モル(反応
速度の観点から好ましくは0.3〜2モル、更に好ましく
は0.75超〜1.5モル)および非極性有機溶媒0〜10モル
(好ましくは0.5〜5モル)を使用する。
非極性有機溶媒を使用しない場合には、出発原料1モ
ルに対して好ましくは0.5〜10モル更に好ましくは0.5〜
5モルの量で有機塩基を使用する。
ルに対して好ましくは0.5〜10モル更に好ましくは0.5〜
5モルの量で有機塩基を使用する。
水性溶媒中で脱炭酸を実施する場合には、反応温度80
〜250℃好ましくは100〜220℃、特に好ましくは130〜18
0℃で2〜40時間好ましくは約5〜30時間、pH0.7〜2.2
好ましくは1.2〜2で真空ないし約15気圧好ましくは1
〜10気圧の下で加熱処理する。水性溶媒の使用量は、出
発原料1モルに対し、0.1〜2モル好ましくは0.2〜1モ
ルである。触媒の使用量は触媒の種類によって差があ
り、各々、出発原料1モルに対して、アンモニア、アル
カリ金属、アルカリ土類金属および有機塩基の硫酸塩お
よびフッ化物では0.01〜3モル好ましくは0.05〜1モ
ル、有機塩基では0.01〜1.2モル好ましくは0.1〜0.9モ
ル、アンモニアの水酸化物、炭酸塩および有機酸塩並び
にアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩および
有機酸塩では0.01〜0.4モル好ましくは0.05〜0.25モ
ル、そしてアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩及び有機酸
塩では0.002〜0.1モル好ましくは0.005〜0.05モルであ
る。
〜250℃好ましくは100〜220℃、特に好ましくは130〜18
0℃で2〜40時間好ましくは約5〜30時間、pH0.7〜2.2
好ましくは1.2〜2で真空ないし約15気圧好ましくは1
〜10気圧の下で加熱処理する。水性溶媒の使用量は、出
発原料1モルに対し、0.1〜2モル好ましくは0.2〜1モ
ルである。触媒の使用量は触媒の種類によって差があ
り、各々、出発原料1モルに対して、アンモニア、アル
カリ金属、アルカリ土類金属および有機塩基の硫酸塩お
よびフッ化物では0.01〜3モル好ましくは0.05〜1モ
ル、有機塩基では0.01〜1.2モル好ましくは0.1〜0.9モ
ル、アンモニアの水酸化物、炭酸塩および有機酸塩並び
にアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩および
有機酸塩では0.01〜0.4モル好ましくは0.05〜0.25モ
ル、そしてアルカリ金属の水酸化物、炭酸塩及び有機酸
塩では0.002〜0.1モル好ましくは0.005〜0.05モルであ
る。
得られた生成物2,4−ジフルオロ−5−クロロ安息香
酸(F2Cl BA)は任意の公知の方法で単離し、そして精
製することができる。例えば、溶媒として非水溶性非プ
ロトン性有機塩基、非水溶性非プロトン性極性有機溶
媒、非水溶性非極性有機溶媒等の非水溶性溶媒を使用す
る場合は、反応終了後、冷却してから反応液中に水酸化
ナトリウム水溶液等のアルカリ性化合物の水溶液を加え
て撹拌し、水層を分液により単離する。次いで、この水
層中に塩酸水溶液等の無機酸の水溶液を加え、析出した
結晶を濾過して乾燥するなどの方法が採用できる。
酸(F2Cl BA)は任意の公知の方法で単離し、そして精
製することができる。例えば、溶媒として非水溶性非プ
ロトン性有機塩基、非水溶性非プロトン性極性有機溶
媒、非水溶性非極性有機溶媒等の非水溶性溶媒を使用す
る場合は、反応終了後、冷却してから反応液中に水酸化
ナトリウム水溶液等のアルカリ性化合物の水溶液を加え
て撹拌し、水層を分液により単離する。次いで、この水
層中に塩酸水溶液等の無機酸の水溶液を加え、析出した
結晶を濾過して乾燥するなどの方法が採用できる。
また、上記結晶中には生成物F2Cl BAの他に還元工程
(A)で副生することのあるFCl IPNに由来する副生成
物が混入している場合があり、該FCl IPNは加水分解工
程(B)で2−フルオロ−5−クロロイソフタル酸(FC
l IPA)になるが、次の前記の脱炭酸工程(C)におけ
る条件ではほとんど脱炭酸しないため、F2Cl BA中に混
入している可能性のある副生成物は、これよりはるかに
水に対する溶解度の高いFCl IPAである。従って、得ら
れた上記の結晶を熱水から再結晶することにより容易に
高純度のF2Cl BAを得ることができる。
(A)で副生することのあるFCl IPNに由来する副生成
物が混入している場合があり、該FCl IPNは加水分解工
程(B)で2−フルオロ−5−クロロイソフタル酸(FC
l IPA)になるが、次の前記の脱炭酸工程(C)におけ
る条件ではほとんど脱炭酸しないため、F2Cl BA中に混
入している可能性のある副生成物は、これよりはるかに
水に対する溶解度の高いFCl IPAである。従って、得ら
れた上記の結晶を熱水から再結晶することにより容易に
高純度のF2Cl BAを得ることができる。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、これは本発明を限定するものではない。
が、これは本発明を限定するものではない。
実施例1 冷却還流管と温度計を備えた20mlフラスコに、2,4,6
−トリフルオロ−5−クロロイソフタロニトリル(F3Cl
IPN)(純度98重量%)0.29g(約1.3ミリモル)亜鉛粉
末(純度96重量%)91mg(約1.3ミリモル)、氷酢酸80m
g(約1.3ミリモル)及び水3mlを加熱還流下2時間反応
させた。この間、反応系のpHは2〜5であった。冷却
後、反応液をエチルエーテルにて抽出し、このエーテル
層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去するこ
とにより純度86重量%の2,4−ジフルオロ−5−クロロ
イソフタロニトリル(F2Cl IPN)0.22g(収率、73%)
を得た。
−トリフルオロ−5−クロロイソフタロニトリル(F3Cl
IPN)(純度98重量%)0.29g(約1.3ミリモル)亜鉛粉
末(純度96重量%)91mg(約1.3ミリモル)、氷酢酸80m
g(約1.3ミリモル)及び水3mlを加熱還流下2時間反応
させた。この間、反応系のpHは2〜5であった。冷却
後、反応液をエチルエーテルにて抽出し、このエーテル
層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を留去するこ
とにより純度86重量%の2,4−ジフルオロ−5−クロロ
イソフタロニトリル(F2Cl IPN)0.22g(収率、73%)
を得た。
得られたF2Cl IPNの物性値は次の通りであった。
19F−NMR(溶媒:アセトン−d6、内部標準物質:CF3CO
OH、1H−デカップリング) δ=−20.5ppm(1F,d,J=3.7Hz) δ=−24.9ppm(1F,d,J=3.7Hz) 尚、F2Cl IPN中に含まれている不純物は2−フルオロ
−5−クロロイソフタロニトリル(FCl IPN)であり、
このものの物性値は次の通りであった。
OH、1H−デカップリング) δ=−20.5ppm(1F,d,J=3.7Hz) δ=−24.9ppm(1F,d,J=3.7Hz) 尚、F2Cl IPN中に含まれている不純物は2−フルオロ
−5−クロロイソフタロニトリル(FCl IPN)であり、
このものの物性値は次の通りであった。
19F−NMR(溶媒:アセトン−d6、内部標準物質:CF3CO
OH、1H−デカップリング) δ=−29.6ppm(1F,S) 19F−NMR(溶媒:アセトン−d6、内部標準物質:CF3CO
OH) δ=−29.6ppm(1F,t,J=4.9Hz) 1H−NME(溶媒:アセトン−d6、内部標準物質:TMS) δ=7.36ppm(2H,d,J=4.9Hz) 実施例2 冷却還流管と温度計を備えた100mlフラスコに2,4,6−
トリフルオロ−5−クロロイソフタロニトリル(F3Cl I
PN)(純度98重量%)4.4g(約20ミリモル)、亜鉛粉末
(純度96重量%)1.9g(約28ミリモル)、氷酢酸1.8g
(約3030ミリモル)及び水48mlを60℃で5時間撹拌下加
熱する。以下、実施例1と同様に処理し、純度74重量%
の2,4−ジフルオロ−5−クロロイソフタロニトリル(F
2Cl IPN)3.6g(収率67%)を得た。
OH、1H−デカップリング) δ=−29.6ppm(1F,S) 19F−NMR(溶媒:アセトン−d6、内部標準物質:CF3CO
OH) δ=−29.6ppm(1F,t,J=4.9Hz) 1H−NME(溶媒:アセトン−d6、内部標準物質:TMS) δ=7.36ppm(2H,d,J=4.9Hz) 実施例2 冷却還流管と温度計を備えた100mlフラスコに2,4,6−
トリフルオロ−5−クロロイソフタロニトリル(F3Cl I
PN)(純度98重量%)4.4g(約20ミリモル)、亜鉛粉末
(純度96重量%)1.9g(約28ミリモル)、氷酢酸1.8g
(約3030ミリモル)及び水48mlを60℃で5時間撹拌下加
熱する。以下、実施例1と同様に処理し、純度74重量%
の2,4−ジフルオロ−5−クロロイソフタロニトリル(F
2Cl IPN)3.6g(収率67%)を得た。
実施例3 冷却還流管と温度計を備えた50mlフラスコに、実施例
2で得られた純度74重量%の2,4−ジフルオロ−5−ク
ロロイソフタロニトリル2.7g約10ミリモル)及び70重量
%の硫酸20gを150℃にて3時間反応を行う。放冷後エチ
ルエーテルにて抽出を行い、得られたエーテル層を無水
塩化カルシウムにて乾燥後溶媒を減圧下留去し目的物を
含む混合物2.8gを得た。
2で得られた純度74重量%の2,4−ジフルオロ−5−ク
ロロイソフタロニトリル2.7g約10ミリモル)及び70重量
%の硫酸20gを150℃にて3時間反応を行う。放冷後エチ
ルエーテルにて抽出を行い、得られたエーテル層を無水
塩化カルシウムにて乾燥後溶媒を減圧下留去し目的物を
含む混合物2.8gを得た。
19F−NMRによる分析より2,4−ジフルオロ−5−クロ
ロイソフタル酸(F2Cl IPA)約8.4ミリモル(収率84
%)を又不純物として2−フルオロ−5−クロロイソフ
タル酸(FCl IPA)約3.6ミリモルを確認した。
ロイソフタル酸(F2Cl IPA)約8.4ミリモル(収率84
%)を又不純物として2−フルオロ−5−クロロイソフ
タル酸(FCl IPA)約3.6ミリモルを確認した。
得られたF2Cl IPAの物性値は次の通りであった。
19F−NMR(溶媒:アセトン−d6、内部標準物質:CF3CO
OH、1H−デカップリング) δ=−29.9ppm(1F,d,J=8.5Hz) δ=−32.0ppm(1F,d,J=8.5Hz) 又、不純物FCl IPAの物性値は次の通りであった。
OH、1H−デカップリング) δ=−29.9ppm(1F,d,J=8.5Hz) δ=−32.0ppm(1F,d,J=8.5Hz) 又、不純物FCl IPAの物性値は次の通りであった。
19F−NMR(溶媒:アセトン−d6) δ=−34.2ppm(F,s) 実施例4 冷却還流管と温度計を備えた30mlフラスコに実施例3
で得られた2,4−ジフルオロ−5−クロロイソフタル(F
2Cl IPA)酸1.0g、(2,4−ジフルオロ−5−クロロイソ
フタル酸約3.0ミリモル、及び2−フルオロ−5−クロ
ロイソフタル酸約1.3ミリモルを含有している)、トリ
−n−オクチルアミン1.8g(約5.1ミリモル)及びキシ
レン5mlを150℃にて3時間加熱還流を行った。反応の終
了を液体クロマトグラフィーで確認した後反応系にエー
テル、水及び水酸化カリウム水溶液を入れ反応生成物を
水層へ抽出する。この水層をエーテルにて洗浄した後、
硫酸にてpH1としエーテル抽出を行う。このエーテル層
を塩化カルシウムにて乾燥後、エーテルを減圧下留去し
結晶0.77gを得た。19F−NMRによる分析より2,4−ジフル
オロ−5−クロロ安息香酸(F2Cl BA)2.7ミリモル(収
率90%)を確認した。又、この結晶を熱水より再結晶を
行うことにより容易にF2Cl BAの純品を得ることができ
た。
で得られた2,4−ジフルオロ−5−クロロイソフタル(F
2Cl IPA)酸1.0g、(2,4−ジフルオロ−5−クロロイソ
フタル酸約3.0ミリモル、及び2−フルオロ−5−クロ
ロイソフタル酸約1.3ミリモルを含有している)、トリ
−n−オクチルアミン1.8g(約5.1ミリモル)及びキシ
レン5mlを150℃にて3時間加熱還流を行った。反応の終
了を液体クロマトグラフィーで確認した後反応系にエー
テル、水及び水酸化カリウム水溶液を入れ反応生成物を
水層へ抽出する。この水層をエーテルにて洗浄した後、
硫酸にてpH1としエーテル抽出を行う。このエーテル層
を塩化カルシウムにて乾燥後、エーテルを減圧下留去し
結晶0.77gを得た。19F−NMRによる分析より2,4−ジフル
オロ−5−クロロ安息香酸(F2Cl BA)2.7ミリモル(収
率90%)を確認した。又、この結晶を熱水より再結晶を
行うことにより容易にF2Cl BAの純品を得ることができ
た。
得られたF2Cl BAの物性値は次の通りであった。
質量スペクトル(EI)M/Z=194(M+2),192
(M+),177,175,149,147 19F−NMR(溶媒:アセトン−d6,内部標準物質:CF3COO
H,1H−デカップリング) δ=−29.1ppm(1F,d,J=12.2Hz) δ=−29.8ppm(1F,d,J=12.2Hz) 1H−NMR(溶媒:アセトン−d6,内部標準物質:TMS) δ=−7.40ppm(1H,d−d,J=9.8Hz,10.5Hz) δ=−8.08ppm(1H,d−d,J=7.6Hz,8.3Hz) 融点:120.0〜120.5℃
(M+),177,175,149,147 19F−NMR(溶媒:アセトン−d6,内部標準物質:CF3COO
H,1H−デカップリング) δ=−29.1ppm(1F,d,J=12.2Hz) δ=−29.8ppm(1F,d,J=12.2Hz) 1H−NMR(溶媒:アセトン−d6,内部標準物質:TMS) δ=−7.40ppm(1H,d−d,J=9.8Hz,10.5Hz) δ=−8.08ppm(1H,d−d,J=7.6Hz,8.3Hz) 融点:120.0〜120.5℃
Claims (1)
- 【請求項1】2,4,6−トリフルオロ−5−クロロイソフ
タロニトリル1モルに対して、金属亜鉛0.8〜2.0モルを
水性溶媒中で反応させて2,4−ジフルオロ−5−クロロ
イソフタロニトリルを得、該2,4−ジフルオロ−5−ク
ロロイソフタロニトリルを酸性水溶液中で加水分解して
2,4−ジフルオロ−5−クロロイソフタル酸を得、次い
で該2,4−ジフルオロ−5−クロロイソフタル酸を溶媒
中で加熱して脱炭酸することを特徴とする2,4−ジフル
オロ−5−クロロ安息香酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63323265A JP2701061B2 (ja) | 1988-12-23 | 1988-12-23 | 2,4―ジフルオロ―5―クロロ安息香酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63323265A JP2701061B2 (ja) | 1988-12-23 | 1988-12-23 | 2,4―ジフルオロ―5―クロロ安息香酸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02169542A JPH02169542A (ja) | 1990-06-29 |
JP2701061B2 true JP2701061B2 (ja) | 1998-01-21 |
Family
ID=18152858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63323265A Expired - Fee Related JP2701061B2 (ja) | 1988-12-23 | 1988-12-23 | 2,4―ジフルオロ―5―クロロ安息香酸の製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2701061B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5294738A (en) * | 1992-04-03 | 1994-03-15 | Occidental Chemical Corporation | Process for selective hydrodefluorination |
EP2270178A3 (en) * | 2004-02-04 | 2011-02-23 | API Corporation | Method for producing alcohol and carboxylic acid having optical activity |
-
1988
- 1988-12-23 JP JP63323265A patent/JP2701061B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02169542A (ja) | 1990-06-29 |
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