JP2566976B2 - ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸の脱炭酸方法 - Google Patents

ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸の脱炭酸方法

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    • C07C17/361Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving a decrease in the number of carbon atoms
    • C07C17/363Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving a decrease in the number of carbon atoms by elimination of carboxyl groups

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸の脱炭酸
方法に関する。本発明の脱炭酸方法によって生成される
ハロゲン置換芳香族化合物は、医薬、農薬、感光材料お
よび機能性樹脂等の中間原料として使用することができ
る。
〔従来の技術〕
ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸の脱炭酸は非常に困
難とされ、その技術を記載した文献の数は少ない。
ヤコブソン等のJournal of General Chemistry of th
e USSR,36−1,144〜146(1966)では、テトラフルオロ
オルトフタル酸をジメチルホルムアミド中で1時間145
℃で加熱することにより、2,3,4,5−テトラフルオロ安
息香酸を得ているが、濾別結晶による収率はわずか44%
である。また、濾液からのエーテル抽出分を加えても、
収率は64%までにしかならず、工業的に満足できるもの
ではない。
英国特許公開第2,122,190号明細書には、溶媒、特に
は非プロトン系極性溶媒中でハロゲン置換ベンゼンカル
ボン酸を20℃以上に加熱して脱炭酸する方法が記載され
ている。しかしながら、この提案によれば、極性溶媒で
あるエチレングリコール等を用いると、収率を高くする
のにかなりの時間を要し、また、ニトロベンゼンを使用
すると収率は極めて低い。非プロトン系極性溶媒の中で
も特殊なジメチルホルムアミドやキノリンを用いると、
比較的短時間で脱炭酸が行われ、ハロゲン置換ベンゼン
も高収率で得られるが、フタル酸の一方のカルボン酸基
だけを選択的に脱炭酸して安息香酸誘導体を得る方法に
ついては記載がない。
米国特許第2,439,237号明細書には、無機塩基材料の
存在下で水性系においてテトラクロロオルトフタル酸ま
たはその無水物を超大気圧下で加熱することによるテト
ラクロロベンゼンの製法が記載されている。また、特開
昭62−45号公報には、金属酸化物を触媒として、水性媒
体中で自然発生圧力下において140〜180℃でテトラフル
オロオルトフタル酸を脱炭酸してテトラフルオロ安息香
酸を得る方法が記載されている。更に、特開昭61−4313
0号公報には、同様の方法で210〜300℃に加熱してテト
ラフルオロオルトフタル酸を脱炭酸してテトラフルオロ
ゼンゼンを得る方法が記載されている。
しかしながら、これらの方法は水性系で実施されるの
で圧力が非常に高くなり、例えば前記特開昭61−43130
号公報記載の方法において210〜300℃の温度に上げると
自然発生圧力だけで数十kgに達する。従ってオートクレ
ーブが必要となり、しかも酸性物質を高圧下で反応させ
るので、特殊なオートクレーブが使用する必要があり、
設備費が高価なものになる。更に、前記の米国特許明細
書は塩基置換体の脱炭酸に関してのみ開示するだけであ
り、他のハロゲン置換体には必ずしも適用することがで
きず、例えばテトラフルオロオルトフタル酸に適用する
と弗素原子1個がヒドロキシル基で置換されたトリフル
オロフェノールが主生成物となり、テトラフルオロ安息
香酸またはテトラフルオロベンゼンを得ることはできな
い。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、反応の制御が容易であり、目的生成
物の純度および収率が極めて高い、ハロゲン置換ベンゼ
ンカルボン酸の脱炭酸方法を提供することにある。
特に、本発明の第1の目的は、被処理原料および目的
生成物の種類に応じて、単に処理温度を変えるだけでジ
カルボン酸の両カルボン酸基を同時に脱炭酸する条件、
あるいはそのジカルボン酸の一方のカルボン酸基だけを
脱炭酸する条件を簡単に選択することのできる反応系を
提供することにある。
更に、本発明の第2の目的は、被処理原料であるカル
ボン酸を酸加水分解で製造した後で、その単離工程を省
略して、そのカルボン酸の抽出液をそのまま加熱処理す
ることによって脱炭酸を実施することのできる系を提供
することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明に従えば、一般式 (式中、nは1または2であり、そしてXは各々独立し
て弗素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子である
が、すべての基Xが同時に水素原子であることはなく、
また式(I)の化合物が3,4,6−トリフルオロフタル酸
を示す場合は除くものとする) で表されるハロゲン置換ベンゼンカルボン酸を、(イ)
窒素原子に直接結合する水素原子を含まず、しかも複素
環式芳香族性をもたない窒素原子含有有機塩基中、また
は、(ロ)該窒素原子含有有機塩基と分子内の永久双極
子モーメントが2D未満で沸点が80〜300℃の、芳香族炭
化水素、ハロゲン置換芳香族炭化水素、炭素原子数7位
以上の脂肪族炭化水素及びハロゲン置換脂肪族炭化水素
から成る群から選ばれた少なくとも一種の非極性有機溶
媒との混合物中で加熱処理することを特徴とする前記の
ハロゲン置換ベンゼンカルボン酸の脱炭酸方法が提供さ
れる。
本明細書において「フタル酸」とは一般にベンゼンカ
ルボン酸を意味し、オルトフタル酸、メタフタル酸(ま
たはイソフタル酸)およびパラフタル酸(またはテレフ
タル酸)を含む用語として使用する。従って、特にベン
ゼン−o−ジカルボン酸を意味するときはオルトフタル
酸と記載する。
本発明方法で処理する一般式(I)の化合物は、ハロ
ゲン置換(特にポリハロゲン置換)のフタル酸および安
息香酸である。ポリハロゲン置換化合物としては、1種
のハロゲン原子で置換された化合物だけでなく、2種ま
たは3種のハロゲン原子で置換された化合物が含まれ
る。一般式(I)において水素原子としての基Xの数
は、フタル酸の場合には3個以下、特には1個または0
個であり、そして安息香酸の場合には4個以下、特には
2個、1個または0個である。一般式(I)の代表的化
合物としては、例えばテトラフルオロオルトフタル酸、
テトラフルオロメタフタル酸、テトラフルオロパラフタ
ル酸、テトラクロロオルトフタル酸、テトラクロロメタ
フタル酸、テトラクロロパラフタル酸、テトラブロモオ
ルトフタル酸、テトラブロモメタフタル酸、テトラブロ
モパラフタル酸、トリフルオロオルトフタル酸(但し、
3,4,6−トリフルオロフタル酸は除く)、トリフルオロ
メタフタル酸、トリフルオロパラフタル酸、トリクロロ
オルトフタル酸、トリクロロメタフタル酸、トリクロロ
パラメタル酸、トリフルオロモノクロロオルトフタル
酸、トリフルオロモノクロロメタフタル酸およびトリフ
ルオロモノクロロパラフタル酸等のハロゲン置換フタル
酸、並びにペンタフルオロ安息香酸、ペンタクロロ安息
香酸、ペンタブロモ安息香酸、テトラフルオロ安息香
酸、テトラクロロ安息香酸、テトラブロモ安息香酸、ト
リフルオロ安息香酸、トリクロロ安息香酸、トリブロモ
安息香酸、ジフルオロ安息香酸、テトラフルオロモノク
ロロ安息香酸、トリフルオロジクロロ安息香酸およびト
リフルオロモノクロロ安息香酸等のハロゲン置換安息香
酸が含まれる。
本発明方法では、前記一般式(I)の化合物を特定の
窒素原子含有有機塩基中、又は、該有機塩基と非極性有
機溶媒との混合物中で加熱処理する。この塩基として
は、その塩基中の窒素原子に直接結合する水素原子を含
まず、しかも複素環式芳香族性をもたないものであれば
任意の化合物を使用することができる。ここで「窒素原
子に直接結合する水素原子を含まず」とは、前記有機塩
基中に含まれるいずれの窒素原子も水素原子と直接結合
しておらず、炭素原子と結合していることを意味する。
また、「複素環式芳香族性をもたない」とは、前記有機
塩基中に含まれるいずれの窒素原子も、それ自体が芳香
族性複素環の環構成員とはならないことを意味する。
本発明方法で使用する有機塩基としては、その中に含
まれる窒素原子が前記の条件を満たす限り、窒素原子1
個のモノアミンだけでなく、複数個の窒素原子を含むポ
リアミン例えばジアミンまたはトリアミン等も含まれ
る。
本発明方法で使用する前記の有機塩基の例としては、
一般式 〔式中、R1とR2とR3とは、各々独立に、炭素原子1〜18
個の直鎖状または分枝状のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、オ
クチル基、ノニル基、ドデシル基、またはステアリル
基)、アルケニル基(例えばオレイル基)、アリール基
(例えばフェニル基またはナフチル基)、または炭素原
子5〜8個のシクロアルキル基(例えばシクロヘキシル
基)であり、あるいはR1とR2とは一緒になって炭素原子
5〜8個のアルキレン基を形成することができるものと
する〕 で表される第3アミンを挙げることができる。
好ましい第3アミンは、トリアルキルアミン(例えば
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルア
ミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリラ
ウリルアミン、トリステアリルアミン、ジメチルエチル
アミン、メチルジエチルアミン)、ジアルキルアリール
アミン(例えばジメチルアニリン、ジエチルアニリ
ン)、アルキルジアリールアミン(例えばジフェニルメ
チルアミン、ジフェニルエチルアミン)、トリアリール
アミン(例えばトリフェニルメチルアミン)、ジアルキ
ルシクロアルキルアミン(例えばジメチルシクロヘキシ
ルアミン)、N−アルキル置換飽和窒素複素環式化合物
(例えばN−メチル−ピロリジン、N−メチル−モルホ
リン、N−メチル−ピペリジン)である。
本発明で使用することのできる別の有機塩基の例とし
ては、一般式 〔式中、Aはアルキレン基(炭素原子数1〜8個)また
はアリーレン基であり、R4とR5とR6とR7とは各々独立に
炭素原子1〜18個の直鎖状または分枝状のアルキル基も
しくはアルケニル基、アリール基、または炭素原子5〜
8個のシクロアルキル基であり、あるいはR4とR5もしく
はR6とR7またはR4とR6もしくはR5とR7とが各々炭素原子
2〜8個のアルキレン基を形成することができるものと
する〕 で表されるジアミンを挙げることができる。
前記のジアミンは、例えばN,N′−テトラアルキル−
アルキレンジアミン(例えばN,N′−テトラメチルメチ
レンジアミン、N,N′−テトラメチルエチレンジアミ
ン、N,N′−テトラメチルトリメチレンジアミン)、N,
N′−テトラアルキル−アリーレンジアミン(例えばN,
N′−テトラメチルフェニレンジアミン)、あるいは環
状ジアミン(例えばトリエチレンジアミン、N,N′−ジ
メチルピペリジン)である。
本発明で使用することのできる更に別の有機塩基の例
としては一般式 (式中、R8とR9とR10とは、各々独立に、炭素原子1〜1
8個の直鎖状または分枝状のアルキル基もしくはアルケ
ニル基、アリール基または炭素原子5〜8個のシクロア
ルキル基であり、あるいはR8とR10とが炭素原子3〜8
個のアルキレン基を形成することができ、あるいはR9
炭素原子3〜8個のアルキレン基を形成して基−C=N
−の炭素原子と結合することができるものとする) で表されるアミジンを挙げることができる。
前記のアミジンは、例えば二環式アミジン(例えばジ
アザビシクロウンデセン、ジアゼビシクロノネン)であ
る。
これらの窒素原子含有有機塩基のなかでも、一般式
(III)で表わされる第3アミンが本発明においては特
に好ましい。
本発明方法では、前記一般式(I)の化合物を前記特
定の窒素原子含有有機塩基中、または、該有機塩基と非
極性有機溶媒との混合物中で加熱処理する。ここで「非
極性有機溶媒」とは、分子内の永久双極子モーメントが
2D(デバイ)未満(好ましくは1.5D以下、特には1D以
下)の、常温で液体の化合物を意味する。前記の非極性
有機溶媒として、好ましくは沸点80〜300℃の有機溶媒
であって、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、クメン、ブチ
ルベンゼン、シメン等の芳香族炭化水素類;パラジクロ
ロベンゼン、パラジフルオロベンゼン等のハロゲン置換
芳香族炭化水素類;ヘプタン、オクタン等の炭素原子7
個以上の脂肪族炭化水素類;1,2−ジクロロエタン、1,1,
2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン置換脂肪族炭化
水素類を挙げることができる。これらの中では、芳香族
炭化水素、ハロゲン置換芳香族炭化水素類、脂肪族炭化
水素類、およびハロゲン置換脂肪族炭化水素類等の炭化
水素系溶媒を用いるのが更に好ましく、ハロゲン原子で
置換されていない芳香族炭化水素類を用いるのが特に好
ましい。
非極性有機溶媒系で脱炭酸を実施する場合には、前記
一般式(I)のカルボン酸1モルに対して、一般に有機
塩基0.1〜3.0モル(反応速度の観点から好ましくは0.3
〜2.0モル、更に好ましくは0.75超〜1.5モル)および非
極性有機溶媒0〜10モル(好ましくは0.5〜5.0モル)を
使用する。
非極性有機溶媒を使用しない場合には、前記一般式
(I)のカルボン酸1モルに対して好ましくは0.5〜10
モル更に好ましくは0.5〜5モルの量で有機塩基を使用
する。
本発明方法においては、前記脱炭酸を極性溶媒、殊
に、水性溶媒が実質的に存在しない系で脱炭酸を実施す
るのが好ましい。なお、本明細書において「極性溶媒」
とは、分子内に2D以上の永久双極子モーメントをもつ、
常温で液体の化合物を意味する。また、「実質的に存在
しない」とは、水性溶媒または極性溶媒が不純物程度の
量、例えば、全反応系中に10重量%以下程度の量を超え
て存在しないことを意味する。
前記の極性溶媒としては、水;プロトン性有機溶媒、
例えば炭素原子3個以下の低級アルコール(例えばメタ
ノール、エタノール、プロパノール)、低級ポリオール
(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリ
セリン);水溶性非プロトン性極性有機溶媒、例えばジ
メチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テトラメチル
スルホン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチルピロリ
ドン、アセトニトリル、グリコール類のジアルキルエー
テル〔例えばジエチレングリコールジメチルエーテル
(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエー
テル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメ
チルエーテル(テトラグライム)〕;まは非水溶性非プ
ロトン性極性有機溶媒、例えばベンゾニトリル、ニトロ
ベンゼン;などが含まれる。
本発明方法においては、特定の窒素原子含有有機塩基
中、または、該有機塩基と非極性有機溶媒との混合物中
で脱炭酸を実施することにより、個々の被処理原料およ
び目的生成物に応じて適切な処理条件(主に処理温度)
を簡単に設定することができる。
例えば、ハロゲン置換フタル酸から一方のカルボン酸
基のみを脱炭酸して相当するハロゲン置換安息香酸を生
成することができる。この場合の処理温度は、一般に80
〜250℃、好ましくは100〜200℃である。処理時間は、
一般に0.5〜50時間特には0.5〜5時間である。
処理温度は、ハロゲン置換基の種類によって多少の差
があり、例えばテトラフルオロオルトフタル酸では100
〜150℃、テトラブロモオルトフタル酸では100〜130℃
そしてテトラクロロオルトフタル酸では150〜200℃であ
る。個々の被処理原料に応じた最適処理温度および処理
時間はパイロット試験によって簡単に決定することがで
きる。
次に、ハロゲン置換フタル酸の両方のカルボン酸基を
同時に脱炭酸して相当するハロゲン置換ベンゼンを生成
することができる。この場合の処理温度は、一般に100
〜300℃、好ましくは120〜280℃である。処理時間は、
一般に0.5〜50時間特には0.5〜5時間である。
処理温度は、ハロゲン置換基の種類によって多少の差
があり、例えばテトラフルオロオルトフタル酸では180
〜250℃、テトラブロモオルトフタル酸では130〜180℃
そしてテトラクロロオルトフタル酸では220〜270℃であ
る。個々の被処理原料に応じた最適処理温度および処理
時間は前記と同様に簡単に決定することができる。
更に、ハロゲン置換安息香酸から相当するハロゲン置
換ベンゼンを生成することができる。この場合の処理温
度は、一般に60〜300℃、好ましくは70〜280℃である。
処理時間は、一般に0.5〜50時間特には0.5〜5時間であ
る。
処理温度は、ハロゲン置換基の種類によって多少の差
があり、例えば2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸では1
80〜250℃、2,3,4,5−テトラブロモ安息香酸では130〜1
80℃、2,3,4,5−テトラクロロ安息香酸では220〜270
℃、そしてペンタフルオロ安息香酸では70〜120℃であ
る。個々の被処理原料に応じた最適処理温度および処理
時間は、同様に簡単に決定することができる。
本発明方法においては、その他の条件、例えば圧力、
雰囲気等には特に臨界的な意味はなく、大気圧下および
大気中で実施することができる。
本発明の被処理原料であるハロゲン置換ベンゼンカル
ボン酸は、任意の公知の方法、例えば相当するニトリル
誘導体(すなわち、ハロゲン置換フタロニトリルまたは
ハロ置換ベンゾニトリル)を加水分解することによって
得ることができる。
前記の加水分解法は、前記のニトリル誘導体を50〜90
重量%硫酸水溶液中で例えば100〜180℃の温度で加熱す
ることにより、目的とするカルボン酸を得ることからな
る。こうして生成されたハロゲン置換ベンゼンカルボン
酸は、任意の公知の方法で単離することができる。。例
えば、非水溶性の溶媒により抽出してから溶媒を除去す
る方法、硫酸水溶液を冷却して析出する結晶を濾過する
方法、あるいはハロゲン置換ベンゼンカルボン酸が非水
溶性である場合には水蒸気蒸溜した後に濾過する方法等
を利用することができる。本発明では、こうして単離し
たカルボン酸(特には弗素置換カルボン酸)を被処理原
料として使用することもできる。
しかしながら、本発明者は、脱炭酸の被処理原料であ
る前記一般式(I)で表されるハロゲン置換カルボン酸
(特には弗素置換カルボン酸)を酸加水分解で製造した
後で、その単離工程を省略して脱炭酸処理を実施するこ
とのできる方法を見出した。
従って、本発明の第2の目的は、 (a)一般式 〔式中、nおよびXは前記一般式(I)で与えた意味を
もつ〕 で表されるハロゲン置換ベンゼンカルボニトリルを無機
酸(例えば硫酸、塩酸または臭酸、好ましくは硫酸)水
溶液中で加水分解して、一般式 〔式中、nおよびXは前記と同じ意味をもつ〕 で表される相当するハロゲン置換ベンゼンカルボン酸を
生成し、 (b)実質的に非水溶性の窒素原子含有有機塩基であっ
てその窒素原子に直接に結合する水素原子を含まずしか
も複素環式芳香族性をもたない有機塩基、前記非極性有
機溶媒またはそれらの混合物を用いて、反応液中から前
記一般式(I)で表されるカルボン酸を抽出し、 (c)そして、得られた抽出液が前記有機塩基を含んで
いない場合にはその有機塩基を添加してから、加熱処理
する ことを特徴とする、前記一般式(I)で表されるハロゲ
ン置換ベンゼンカルボン酸の脱炭酸方法によって達成す
ることができる。
前記の工程(a)で使用する一般式(II)で表される
ニトリル化合物は、目的とする生成物に応じて選択す
る。使用する無機酸の濃度は、例えば硫酸水溶液の場
合、50〜90重量%好ましくは60〜80重量%である。工程
(a)の加水分解それ自体は従来公知の方法をそのまま
使用する。
工程(b)では、前記工程(a)で得られたハロゲン
置換ベンゼンカルボン酸を溶解して含む反応水性液か
ら、前記カルボン酸を選択的に抽出する。抽出には、実
質的に非水溶性の前記窒素原子含有有機塩基、有機溶媒
またはそれらの混合物を使用する。ここで「実質的に非
水溶性」とは水に対する溶解度(重量)が6以下である
ことを意味する。使用することのできる非水溶性有機塩
基は、例えば前記一般式(III),(IV)および(V)
で表される塩基の中で非水溶性の塩基であり、例えばト
リアルキルアミン(各アルキル基の炭素原子数が2以上
のもの)、ジアルキルアリールアミン、アルキルジアリ
ールアミン、トリアリールアミン及びジアルキルシクロ
アルキルアミン等の第3アミン、並びにN,N′−テトラ
アルキルアリーレンジアミン等のジアミンを特に好適に
使用することができる。
工程(c)では、必要に応じて前記の非水溶性有機塩
基を、工程(b)で得られる抽出液に添加する。抽出液
中に前記の有機塩基が存在しないかまたは不足している
場合には、これを添加して、被処理カルボン酸1モルに
対して、有機塩基を全体として一般に0.1〜3.0モル、好
ましくは0.3〜2.0モル、更に好ましくは0.75超〜1.5モ
ル存在させるようにする。続いて、この抽出液をそのま
ま加熱処理して脱炭酸することができる。この場合の処
理条件は前記の第1の脱炭酸方法で説明した条件と同じ
である。
本発明においては、いずれの脱炭酸方法においても、
脱炭酸終了後の目的生成物の単離を、任意の公知の方法
によって行なうことができる。
例えば、目的生成物が、低沸点ハロゲン置換ベンゼン
であり、しかもその沸点が溶媒および有機塩基の沸点よ
りも低い場合は、反応系内からの直接蒸溜操作により、
目的とするハロゲン置換ベンゼンを得ることができる。
また釜残として残った有機塩基あるは有機塩基含有有機
溶媒溶液はそのまま次の脱炭酸反応に使用することがで
きる。
目的生成物が高沸点ハロゲン置換ベンゼンである場合
は、脱炭酸終了後、反応液を冷却して結晶を析出させ、
これを濾過することにより、目的とするハロゲン置換ベ
ンゼンを得ることができる。また、濾液の有機塩基ある
いは有機塩基含有有機溶媒溶液はそのまま次の脱炭酸に
使用することができる。
生成物がハロゲン置換安息香酸である場合には、反応
終了後、使用した有機塩基よりも強い塩基性を示すアル
カリ水溶液で反応液を洗うことにより、目的とするハロ
ゲン置換安息香酸を塩としてアルカリ水溶液中に逆抽出
させることができる。また、有機塩基および/または有
機溶媒を適宜選択することにより、得られたハロゲン置
換安息香酸を含有する有機塩基あるいは有機塩基含有有
機溶媒溶液は、そのまま次の脱炭酸に使用することがで
きる。
また、ハロゲン置換安息香酸を得ることを目的とする
場合には、アルカリ水溶液中に大過剰の酸(例えば塩
酸、硫酸、硝酸またはリン酸)を加えて結晶として析出
させ、これを濾過してハロゲン置換安息香酸を得ること
ができる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、これは本発明の技術的範囲を限定するものではな
い。以下の実施例で収率は、実施例1〜11および17にお
いてはフタル酸を基準とし、実施例12〜16においては安
息香酸を基準とし、そして実施例18〜23においてはフタ
ロニトリルを基準とした。
実施例1 冷却還流管と温度計とを備えた100mlフラスコにテト
ラフルオロオルトフタル酸10gとトリn−オクチルアミ
ン15.0gとを仕込み、130℃で1時間加熱撹拌した。反応
終了後、反応液中に10重量%水酸化ナトリウム水溶液25
gを加えて撹拌し、水層を分液により単離した。この水
層中に35重量%塩酸水溶液25gを加え、析出した結晶を
濾過し、乾燥したところ、純度99.0重量%の2,3,4,5−
テトラフルオロ安息香酸7.3g(収率88.8モル%)を得
た。
実施例2 実施例1と同様の容器に、テトラフルオロオルトフタ
ル酸10gとトリラウリルアミン26.3gとキシレン30gとを
仕込み、130℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、実
施例1と同様の処理を行って、純度98.7重量%の2,3,4,
5−テトラフルオロ安息香酸7.0g(収率84.6モル%)を
得た。
実施例3 実施例1と同様の容器にテトラフルオロオルトフタル
酸10gとトリエチルアミン3.9gとクメン50gとを仕込み、
120℃で3時間加熱撹拌した。反応終了後、実施例1と
同様の処理を行って、純度99.1重量%の2,3,4,5−テト
ラフルオロ安息香酸7.2g(収率87.2モル%)を得た。
実施例4 実施例1と同様の容器にテトラフルオロメタフタル酸
10gとトリn−オクチルアミン15.0gとを仕込み、120℃
で1時間加熱撹拌した。反応終了後、反応液中に10重量
%水酸化ナトリウム水溶液25gを加えて撹拌し、水層を
分液により単離した。この水層中に35重量%塩酸水溶液
25gを加え、析出した結晶を濾過し、乾燥したところ、
純度98.4重量%の2,3,4,6−テトラフルオロ安息香酸7.5
g(収率91.3モル%)を得た。
実施例5 実施例1と同様の容器に、テトラフルオロパラフタル
酸10gとトリプロピルアミン9gとトルエン30gとを仕込
み、110℃で3時間加熱撹拌した。反応終了後、実施例
1と同様の処理を行って純度98.0重量%の2,3,5,6−テ
トラフルオロ安息香酸7.1g(収率85.9モル%)を得た。
実施例6 実施例1と同様の容器に、テトラクロロオルトフタル
酸10gとN,N−ジメチルアニリン4.0gとメシチレン30とを
仕込み、160℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、実
施例1と同様の処理を行って、純度99.2重量%の2,3,4,
5−テトラクロロ安息香酸7.8g(収率90.0モル%)を得
た。
実施例7 実施例1と同様の容器に、テトラブロモパラフタル酸
10gとトリブチルアミン4.6gとキシレン30gとを仕込み、
130℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、実施例1と
同様の処理を行って、純度97.9重量%の2,3,5,6−テト
ラブロモ安息香酸6.6g(収率71.9モル%)を得た。
実施例8 実施例1と同様の容器にテトラフルオロオルトフタル
酸20gとトリn−オクチルアミン30gとを仕込み、220℃
で1時間加熱した。反応液より留出してくる1,2,3,4−
テトラフルオロベンゼンを捕捉することにより、純度9
8.0重量%の1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン11.2g
(収率88.0モル%)を得た。
実施例9 実施例1と同様の容器にテトラフルオロメタフタル酸
20gとトリn−オクチルアミン30gとを仕込み、160℃で
1時間加熱した。反応液より留出してくる1,2,3,5−テ
トラフルオロベンゼンを捕捉することにより、純度98.2
重量%の1,2,3,5−テトラフルオロベンゼン11.7g(収率
91モル%)を得た。
実施例10 実施例1と同様の容器にテトラフルオロパラフタル酸
20gとトリn−ラウリルアミン36.5gとp−シメン50gと
を仕込み、140℃で1時間加熱した。反応液より留出し
てくる1,2,4,5−テトラフルオロベンゼンを捕捉するこ
とにより、純度97.9重量%の1,2,4,5−テトラフルオロ
ベンゼン11.3g(収率87.7モル%)を得た。
実施例11 実施例1と同様の容器に3,4,6−トリフルオロオルト
フタル酸20gとトリn−オクチルアミン32.1gとを仕込
み、250℃で1時間加熱した。反応液より留出してくる
1,3,4−トリフルオロベンゼンを捕捉することにより、
純度98.3重量%の1,3,4−トリフルオロベンゼン11.0g
(収率90.0モル%)を得た。
実施例12 実施例1と同様の容器に2,3,4,5−テトラフルオロ安
息香酸20gとトリイソオクチルアミン35.4gとを仕込み、
220℃で1時間加熱した。反応液より抽出してくる1,2,
3,4−テトラフルオロベンゼンを捕捉することにより純
度98.2重量%の1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン14.2g
(収率90.6モル%)を得た。
実施例13 実施例1と同様の容器に2,3,5,6−テトラフルオロ安
息香酸20gとトリn−オクチルアミン35.4とを仕込み、1
40℃で1時間加熱した。反応液より留出してくる1,2,4,
5−テトラフルオロベンゼンを捕捉することにより純度9
8.5重量%の1,2,4,5−テトラフルオロベンゼン14.0g
(収率89.6モル%)を得た。
実施例14 実施例1と同様の容器に2,4,5−トリフルオロ安息香
酸20gとトリn−オクチルアミン40.2gとを仕込み、250
℃で1時間加熱した。反応液より留出してくる1,3,4−
トリフルオロベンゼンを捕捉することにより、純度99.0
重量%の1,3,4−トリフルオロベンゼン13.9g(収率91.1
モル%)を得た。
実施例15 実施例1と同様の容器に2,4,6−トリフルオロ安息香
酸20gとトリn−オクチルアミン40.2gとを仕込み、150
℃で1時間加熱した。反応液より留出してくる1,3,5−
トリフルオロベンゼンを捕捉することにより、純度98.0
重量%の1,3,5−トリフルオロベンゼン14.4g(収率94.0
モル%)を得た。
実施例16 実施例1と同様の容器にペンタフルオロ安息香酸20g
とトリn−オクチルアミン16.5gとエチルベンゼン50gと
を仕込み、90℃で3時間加熱撹拌した。反応液より留出
してくる1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンを捕捉す
ることにより、純度98.3重量%の1,2,3,4,5−ペンタフ
ルオロベンゼン14.8g(収率92.6モル%)を得た。
実施例17 実施例1と同様の容器にテトラブロモパラフタル酸20
gとトリn−オクチルアミン17.6gとを仕込み、150℃で
3時間加熱撹拌した。反応終了後、水を加えて冷却し、
析出した結晶を濾過し、乾燥して、純度96.8重量%の1,
2,4,5−テトラブロモベンゼン12.8g(収率76.0モル%)
を得た。
実施例18 冷却還流管と温度計とを備えた200mlフラスコにテト
ラフルオロオルトフタロニトリル20.0gと70重量%硫酸
水溶液56.0gとを仕込み、130〜140℃で3時間加熱撹拌
して加水分解反応を実施した。反応終了後、反応液を70
℃まで冷却して、35重量%トリn−オクチルアミンのキ
シレン溶液100gを加えて撹拌し、テトラフルオロオルト
フタル酸を抽出した。次いで硫酸水溶液層を除去した
後、再び128℃で1時間加熱し、脱炭酸反応を実施し
た。反応終了後、室温まで冷却して、20重量%水酸化ナ
トリウム水溶液40gを加えて撹拌し、テトラフルオロ安
息香酸を水層に逆抽出した。次いで、水層を単離した
後、35重量%塩酸水溶液42gを加えて析出した結晶を濾
過単離した。この結晶を乾燥して、純度99.3重量%の2,
3,4,5−テトラフルオロ安息香酸16.6g(収率85.0モル
%)を得た。
実施例19 実施例18と同様の方法で加水分解を実施した後、トリ
n−ブチルアミン18.5gによってテトラフルオロオルト
フタル酸を抽出した。硫酸水溶液層を除去した後、130
℃で1時間加熱処理し、実施例18と同様に精製したとこ
ろ、純度99.5重量%の2,3,4,5−テトラフルオロ安息香
酸17.0g(収率87.2モル%)を得た。
実施例20 実施例18と同様の方法で加水分解を実施したが、但
し、テトラフルオロオルトフタロニトリル20.0gの代り
にテトラフルオロメタフタロニトリル20.0gを使用し
た。反応終了後、トリ−n−ラウリルアミン52.2gによ
ってテトラフルオロメタフタル酸を抽出し、エチルベン
ゼン50gを加えた後、硫酸水溶液層を除去した。抽出液
を120℃で1時間加熱処理し、実施例18と同様に精製し
て、純度99.0重量%の2,3,4,6−テトラフルオロ安息香
酸16.9g(収率86.2モル%)を得た。
実施例21 実施例18と同様の方法で加水分解を実施したが、但
し、テトラフルオロオルトフタロニトリル20.0gの代り
にテトラフルオロパラフタロニトリル20.0gを使用し
た。反応終了後、トルエン100gによってテトラフルオロ
パラフタル酸を抽出した。硫酸水溶液層を除去した後、
N,N−ジメチルアニリン10.0gを加え、110℃で3時間加
熱処理して脱炭酸処理を行なった。実施例18と同様に精
製して、純度98.3重量%の2,3,5,6−テトラフルオロ安
息香酸17.3g(収率87.7モル%)を得た。
実施例22 実施例18と同様の方法で加水分解を実施した後、トリ
−n−オクチルアミン35.4gによってテトラフルオロオ
ルトフタル酸を抽出した。硫酸水溶液層を除去した後、
220℃で1時間加熱した。反応液より留出してくる1,2,
3,4−テトラフルオロベンゼンを捕捉することにより、
純度98.1重量%の1,2,3,4−テトラフルオロベンゼン13.
3g(収率87.0モル%)を得た。
実施例23 実施例18と同様の方法で加水分解を実施したが、但
し、テトラフルオロオルトフタロニトリル20.0gの代り
にペンタフルオロベンゾニトリル20.0gを使用し、そし
て70重量%硫酸水溶液56.0gの代りに70重量%硫酸水溶
液58.3gを使用した。反応終了後、トリn−オクチルア
ミン36.6gによってペンタフルオロ安息香酸を抽出し
た。硫酸水溶液層を除去した後、90℃で2時間加熱処理
した。反応液より留出してくる1,2,3,4,5−ペンタフル
オロベンゼンを捕捉することにより、純度99.5重量%の
1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼン15.9g(収率90.5モ
ル%)を得た。
比較例1 実施例1と同様の容器に、テトラフルオロオルトフタ
ル酸10gとピリジン3.3gとを仕込み、130℃で3時間加熱
した。この溶液を液体クロマトグラフで分析〔カラム:U
nisilpack F3−100B(ガスクロ工業)、移動相:アセト
ニトリル/水(1:1)+0.01MH3PO4、流量:2.0ml/min、
検出:UV・214nm〕したところ、2,3,4,5−テトラフルオ
ロ安息香酸はまったく検出されなかった。
比較例2 実施例1と同様の容器にテトラフルオロオルトフタル
酸10gとモノラウリルアミン7.8gとキシレン30gとを仕込
み、130℃で3時間加熱した。この溶液を比較例1と同
様に液体クロマトグラフで分析したところ、2,3,4,5−
テトラフルオロ安息香酸はまったく検出されなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 63/70 C07C 63/70 // C07B 37/06 C07B 37/06 61/00 300 61/00 300

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、nは1または2であり、そしてXは各々独立し
    て弗素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子である
    が、すべての基Xが同時に水素原子であることはなく、
    また式(I)の化合物が3,4,6−トリフルオロフタル酸
    を示す場合は除くものとする) で表されるハロゲン置換ベンゼンカルボン酸を、(イ)
    窒素原子に直接結合する水素原子を含まず、しかも複素
    環式芳香族性をもたない窒素原子含有有機塩基中、また
    は、(ロ)該窒素原子含有有機塩基と、分子内の永久双
    極子モーメントが2D未満で沸点が80〜300℃の、芳香族
    炭化水素、ハロゲン置換芳香族炭化水素、炭素原子数7
    位以上の脂肪族炭化水素及びハロゲン置換脂肪族炭化水
    素から成る群から選ばれた少なくとも一種の非極性有機
    溶媒との混合物中で加熱処理することからなるハロゲン
    置換ベンゼンカルボン酸の脱炭酸方法。
  2. 【請求項2】(a)一般式 (式中、nは1または2であり、そしてXは各々独立し
    て弗素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子である
    が、すべての基Xが同時に水素原子であることはなく、
    また式(I)の化合物が3,4,6−トリフルオロフタロニ
    トリルを示す場合は除くものとする) で表されるハロゲン置換ベンゼンカルボニトリルを無機
    酸水溶液中で加水分解して、一般式 〔式中、nは1または2であり、そしてXは各々独立し
    て弗素原子、塩素原子、臭素原子または水素原子である
    が、すべての基Xが同時に水素原子であることはなく、
    また式(I)の化合物が3,4,6−トリフルオロフタル酸
    を示す場合は除くものとする〕 で表される相当するハロゲン置換ベンゼンカルボン酸を
    生成し、 (b)(イ)実質的に非水溶性の窒素原子含有有機塩基
    であってその窒素原子に直接結合する水素原子を含ま
    ず、しかも複素環式芳香族性をもたない有機塩基、
    (ロ)分子内の永久双極子モーメントが2D未満で沸点が
    80〜300℃の、芳香族炭化水素、ハロゲン置換芳香族炭
    化水素、炭素原子数7位以上の脂肪族炭化水素及びハロ
    ゲン置換脂肪族炭化水素から成る群から選ばれた少なく
    とも一種の非極性有機溶媒または(ハ)それらの混合物
    を用いて、反応液中から前記一般式(I)で表されるカ
    ルボン酸を抽出し、 (c)そして、得られた抽出液が前記有機塩基を含んで
    いない場合にはその有機塩基を添加してから、加熱処理
    する ことを特徴とする、前記一般式(I)で表されるハロゲ
    ン置換ベンゼンカルボン酸の脱炭酸方法。
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