JPH0717548B2 - 1,1−ジフルオロシクロヘキサンの製造方法 - Google Patents

1,1−ジフルオロシクロヘキサンの製造方法

Info

Publication number
JPH0717548B2
JPH0717548B2 JP19810386A JP19810386A JPH0717548B2 JP H0717548 B2 JPH0717548 B2 JP H0717548B2 JP 19810386 A JP19810386 A JP 19810386A JP 19810386 A JP19810386 A JP 19810386A JP H0717548 B2 JPH0717548 B2 JP H0717548B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trifluoroacetic acid
difluorocyclohexane
acid
reaction
cyclohexanone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP19810386A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6354331A (ja
Inventor
正弘 東條
伸典 福岡
Original Assignee
旭化成工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 旭化成工業株式会社 filed Critical 旭化成工業株式会社
Priority to JP19810386A priority Critical patent/JPH0717548B2/ja
Publication of JPS6354331A publication Critical patent/JPS6354331A/ja
Publication of JPH0717548B2 publication Critical patent/JPH0717548B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は1,1−ジフルオロシクロヘキサンの製造方法に
関する。さらに詳しくはシクロヘキサノンを原料として
1,1−ジフルオロシクロヘキサンを高収率で製造する方
法に関する。
〔従来の技術〕
従来1,1−ジフルオロシクロヘキサンはシクロヘキサノ
ンと四フツ化イオウとの反応(ジヤーナル・オブ・オー
ガニツク・ケミストリー・36巻、818頁(1971))や、
シクロヘキサノンと六フツ化モリブデンとの反応(テト
ラヘドロン、27巻、3965頁(1971))、あるいは1−ク
ロロシクロヘキセンとフツ化水素との反応(ヘルベチカ
・ヒミカ・アクタ、46巻、18181頁(1963))によつて
合成されている。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら従来の方法にはいくつかの欠点があつた。
例えば、四フツ化イオウや六フツ化モリブデンを用いる
方法では、これらのフツ素化試剤の合成が極めて厳しい
反応条件を必要とし工業的に実施することが困難であ
る。例えは四フツ化イオウの製造は通常、ハステロイC
のオートクレーブヘイオウとフツ化ナトリウムと塩素を
仕込んだ後に長時間高温(最終的には225〜250℃)に保
つた後に反応混合物を低温で蒸留して生成物である四フ
ツ化イオウ(沸点−40℃)を得ている。(ジヤーナル・
オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエテイー、82
巻、539頁(1960))また、これらのフツ素化試剤では
含有されるフツ素原子のうち実際にシクロヘキサン環に
導入されるものは半分以下にすぎない。四フツ化イオウ
とシクロヘキサノンの反応を例にとれば次式に示すよう
四フツ化イオウはシクロヘキサノンのフツ素化によりフ
ツ化チオニルへ転化するが、このものはもはやフツ素化
反応の活性をもつていない。工業的に1,1−ジフルオロ
シクロヘキサンを製造する場合には、高価なフツ素原子
を回収することが必要であり、従つて前出のフツ化チオ
ニルから原料である四フツ化イオウを再び合成せねばな
らない。しかしそのためには、フツ化チオニルをアルカ
リ加水分解することによりアルカリ金属フツ化物を製造
した後に前述の四フツ化イオウ製造工程の原料の一部と
するという極めて複雑な回収工程を必要とする。六フツ
化モリブデンとシクロヘキサノンの反応により1,1−ジ
フルオロシクロヘキサンを製造する場合にも同様に複雑
な回収工程を必要とし、回収工程により生成するアルカ
リ金属フツ化物の量は四フツ化イオウの場合よりもさら
に多い。また四フツ化イオウを用いる反応では耐圧反応
容器を必要とし、六フツ化モリブデンを用いる方法では
重金属であるモリブデンの回収が問題である。
1,1−ジフルオロシクロヘキサンを製造する従来技術の
他の一つは1−クロロシクロヘキセンとフツ化水素との
反応により行なうものであり比較的温和な反応条件によ
り反応が進行するが、収率は良くない。また原料として
用いる1−クロロシクロヘキセンは通常、高価な塩素化
試剤である五塩化リンとシクロヘキサノンから製造され
るため、工業的には行ない難い。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはシクロヘキサノンを原料として1,1−ジフ
ルオロシクロヘキサンを製造する方法に関して鋭意研究
を重ねた結果、アシラール化工程、フツ素化工程、及び
トリフルオロ酢酸回収工程を組合わせることにより、目
的とする1,1−ジフルオロシクロヘキサンを高収率・高
選択率で製造できることを見出し、本発明を完成するに
至つた。
すなわち、本発明はシクロヘキサノンから1,1−ジフル
オロシクロヘキサンを製造するに当り、 (I)シクロヘキサノンにトリフルオロ酢酸無水物を反
応させることにより1,1−ビス(トリフルオロアセトキ
シ)シクロヘキサンを得るアシラール化工程、 (II)該1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロ
ヘキサンにフツ化水素を反応させることにより1,1−ジ
フルオロシクロヘキサンとトリフルオロ酢酸を得るフツ
素化工程、 及び (III)前記(II)において生成したトリフルオロ酢酸
に脱水剤を反応させることによりトリフルオロ酢酸無水
物を得るトリフルオロ酢酸回収工程 を包含することを特徴とする1,1−ジフルオロシクロヘ
キサンの製造方法を提供するものである。
本発明におけるアシラール化工程は式(I)で示される
ようにシクロヘキサノンにトリフルオロ酢酸無水物を反
応させることによる1,1−ビス(トリフルオロアセトキ
シ)シクロヘキサンの製造方法からなつている。
本アシラール化工程は無溶媒で行なうこともできるが、
反応に悪影響を及ぼさない溶媒を用いることもできる。
例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ビフ
エニルエーテルなどのエーテル類;二硫化炭素;塩化メ
チレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、
トリクロロエタン、テトラクロロエタンなどのハロゲン
化炭化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブ
ロモベンゼン、クロロナフタレンなどのハロゲン化芳香
族炭化水素類;ニトロベンゼン、ニトロトルエン、ニト
ロメタンなどのニトロ化合物類;ヘキサン等の脂肪族炭
化水素類;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類などが
使用される。
アシラール化工程において原料として用いるシクロヘキ
サノンは、どのような方法によつて製造されたものであ
つてもよい。
アシラール化工程において原料として用いるシクロヘキ
サノンとトリフルオロ酢酸無水物の量比はシクロヘキサ
ノンに対するトリフルオロ酢酸無水物のモル比で表わす
と、通常0.01〜100、好ましくは0.1〜50が用いられる。
また、触媒を添加することも良い。触媒としては例え
ば、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸等のカルボン
酸、三フツ化ホウ素等のルイス酸、パラトルエンスルホ
ン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン
酸等の有機スルホン酸、硫酸等の鉱酸などを使用するこ
とができる。
アシラール化工程を行なう場合の反応温度及び反応時間
は原料の量比や、溶媒の有無によつて異なるが、通常−
40〜250℃、5分〜500時間であり、好ましくは0〜150
℃、10分〜200時間である。
本発明におけるフツ素化工程は式(2)で示されるよう
に1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘキサ
ンにフツ化水素を反応させることによる1,1−ジフルオ
ロシクロヘキサンの製造方法からなつている。
フツ素化工程は上式に示すように、1,1−ビス(トリフ
ルオロアセトキシ)シクロヘキサン1モルが、2モルの
フツ化水素と反応することにより1,1−ジフルオロシク
ロヘキサン1モルとトリフルオロ酢酸2モルとを生成す
る。反応生成物である1,1−ジフルオロシクロヘキサン
とトリフルオロ酢酸は蒸留等の通常の分離操作により簡
単に精製することができる。
フツ素化工程において使用されるフツ化水素とは、フツ
化水素を含有するものであればどのような組成のもので
もよい。通常はフツ化水素あるいはフツ化水素とアミン
の混合物が用いられ、好ましくは無水フツ化水素あるい
は無水フツ化水素とアミンの混合物が用いられる。
フツ素化工程において使用されるフツ化水素は通常水含
有量が10重量%以下、好ましくは3重量%以下、さらに
好ましくは1重量%以下のものが使用される。
フツ素化工程でフツ化水素と混合して用いることのでき
るアミンとしてはメチルアミン、エチルアミン、プロピ
ルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、シクロ
ヘキシルアミン等の脂肪族一級アミン類;ジメチルアミ
ン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピ
ルアミン、ジブチルアミン、モルホリン、ピペリジン、
ピペラジン、ジシクロヘキシルアミン等の脂肪族二級ア
ミン類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、トリブチルアミン、トリシクロヘキシル
アミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン(DABC
O)等の脂肪族三級アミン;アニリン、ジフエニルアミ
ン、トリフエニルアミン等の芳香族アミン類;ピリジ
ン、2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、キノ
リン、メチルキノリン類、メラミン等の含窒素芳香族化
合物などがあげられる。特にブチルアミン、シクロヘキ
シルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、トリエ
チルアミン、トリブチルアミン、アニリン、ピリジン、
ピコリン類、メラミンが好ましく用いられる。
フツ素化工程において使用することのできるフツ化水素
−アミン混合物とは前述のフツ化水素とアミンを混合し
たものを指すが、その組成はアミンに対するフツ化水素
分子のモル比で表わして、通常0.1〜100、好ましくは1
〜50のものが用いられる。
フツ素化工程においては反応速度を上げる目的で酸を触
媒として添加することも好ましい方法である。このよう
な酸としては、ギ酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、
トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリク
ロロ酢酸等のカルボン酸類;メタンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン
酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸類;塩酸、
硫酸等の鉱酸類;三フツ化ホウ素、塩化アルミニウム、
フツ化アルミニウム、三塩化チタン、四塩化チタン、三
塩化鉄、三フツ化鉄等のルイス酸類などが挙げられる。
フツ素化工程では反応が進行するにつれて副生物として
トリフルオロ酢酸が生成してくるため、トリフルオロ酢
酸を酸触媒として使用することは反応混合物の分離を容
易にするため特に好ましい。また副生してくるトリフル
オロ酢酸も触媒として作用するため、添加する酸触媒の
量も少なくてよい。
フツ素化工程においてはまたフツ化セシウム、フツ化ル
ビジウム、フツ化カリウム、フツ化ナトリウム等の金属
フツ化物を添加することもできる。
フツ素化工程は無溶媒で行なうこともできるが、反応に
悪影響を及ぼさない溶媒を用いることもできる。例え
ば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ビフエニ
ルエーテルなどのエーテル類;塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエタ
ン、テトラクロロエタン、フロン類などのハロゲン化炭
化水素類;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハ
ロゲン化芳香族炭化水素類;ヘキサン、オクタン、デカ
ン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン等の脂環式炭
化水素類などが使用される。
フツ素化工程において使用される1,1−ビス(トリフル
オロアセトキシ)シクロヘキサンと、フツ化水素との量
比は、フツ化水素分子の1,1−ビス(トリフルオロアセ
トキシ)シクロヘキサンに対するモル比で表わして、通
常0.1〜2000、好ましくは2〜1000が用いられる。
フツ素化工程において酸触媒を添加する場合、その量は
使用する酸触媒の酸性度によつても変わるが、使用する
酸触媒の1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロ
ヘキサンに対するモル比で表わして、通常0.0001〜1、
好ましくは0.001〜0.1で充分である。
フツ素化工程を行なう場合の反応温度及び反応時間は用
いる原料とフツ化水素の量比、触媒の有無及び種類、溶
媒の有無などにより異なるが、通常−76℃〜150℃、5
分〜100時間であり、好ましくは−40℃〜100℃、5分〜
50時間である。
本発明におけるトリフルオロ酢酸回収工程は、前記フツ
素化工程において生成するトリフルオロ酢酸に脱水剤を
反応させることによつてトリフルオロ酢酸無水物を得る
ことからなつている。
トリフルオロ酢酸回収工程において用いられる脱水剤
は、トリフルオロ酢酸を脱水してトリフルオロ酢酸無水
物を生成し得るものであれば良く、特にその種類を規定
するものではなく、無水酢酸、ジシクロヘキシルカーボ
ジイミド、メトキシアセチレン、五酸化リンなどを用い
ることができる。五酸化リンの場合には、脱水後はリン
酸として回収することができるため特に好ましい。
トリフルオロ酢酸回収工程において使用されるトリフル
オロ酢酸と脱水剤の量比は、使用する脱水剤の脱水能
や、脱水条件によつても変り得る。ここで脱水能を、ト
リフルオロ酢酸2分子から水1分子を脱水するのに必要
な脱水剤のモル数と定義し、これを脱水当量と呼ぶこと
にする。本トリフルオロ酢酸回収工程において使用され
るトリフルオロ酢酸と脱水剤の脱水当量との比は、トリ
フルオロ酢酸に対する脱水剤の脱水当量の比の値で表わ
して通常0.1〜100が使用されるが、トリフルオロ酢酸回
収効率を良好とするためには上記の比を高くすることが
好ましく、また経済的な点から、あまり大きな比は好ま
しくない、従つて好ましくは上記の比の値が1〜20の範
囲が用いられる。
トリフルオロ酢酸回収工程における反応温度・時間は使
用する脱水剤の種類や量によつても変化するが、通常0
〜300℃、5分〜100時間であり、好ましくは10〜150
℃、10分〜50時間である。
トリフルオロ酢酸回収工程において生成するトリフルオ
ロ酢酸無水物は蒸留等の操作により容易に反応混合物か
ら留去することができ、前記アシラール化工程の原料と
することができる。すなわちトリフルオロ酢酸無水物は
効率良く循環してくりかえし使用することができるた
め、損失は少ない。また循環使用できない副生物は極め
て少量であり経済的に好ましい。
〔発明の効果〕
本発明により、シクロヘキサノンとフツ化水素から、従
来は合成の容易でなかつた1,1−ジフルオロシクロヘキ
サンを高収率・高選択率で製造することができる。
〔実施例〕
以下に実施例を示し、本発明を具体的に述べる。
実施例1 シクロヘキサノン51.6g(0.526モル)とトリフルオロ酢
酸無水物291.1g(1,39モル)とを、予め系内を窒素置換
した反応器に入れ、25℃で3時間攪拌した後、25℃で72
時間静置した。未反応のトリフルオロ酢酸無水物を留去
した後の反応混合物を蒸留することによりシクロヘキサ
ノン2.5g(0.025モル)と1,1−ビス(トリフルオロアセ
トキシ)シクロヘキサン154g(0.50モル)を得た。
予め系内を窒素置換した反応器へ無水フツ化水素−ピリ
ジン混合物(フツ化水素含量70重量%)600g(フツ化水
素を21モル含有)を入れ、−30℃まで冷却した後、攪拌
しながら1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロ
ヘキサン154g(0.50モル)とトリフルオロ酢酸2.3g(0.
02モル)を添加した。攪拌を行ないつつ反応温度を−30
℃に2時間保つた後、徐々に加温することにより1時間
で20℃まで昇温し、さらに20℃に2時間保つた。反応混
合物を精留することにより、トリフルオロ酢酸114.0g
(1.0モル)と1,1−ジフルオロシクロヘキサン58.8g
(0.49モル)を得た。
精留塔付きの反応容器へ五酸化リン170.0g(1.20モル)
と上記のトリフルオロ酢酸114.0g(1.0モル)を入れ、
攪拌しつつ加熱し、反応温度を70℃に保ちながら、留出
する低沸生成物をドライアイス−アセトントラツプで補
集した。加熱・攪拌を5時間行なつた後に留出した成分
を分析したところ、トリフルオロ酢酸無水物102.9g(0.
490モル)が生成していた。
本実施例は1,1−ジフルオロシクロヘキサンがシクロヘ
キサノンを基準として転化率95%、選択率98%で得られ
ること、及びトリフルオロ酢酸無水物が、反応により生
成するトリフルオロ酢酸から、収率98%で回収できるこ
とを示す。
実施例2 シクロヘキサノン392.6g(4.00モル)とトリフルオロ酢
酸無水物2100g(10.0モル)とを、予め系内を窒素置換
した反応器に入れ、25℃で3時間攪拌した後、25℃で72
時間静置した。未反応のトリフルオロ酢酸無水物を留去
した後の反応混合物(I)の組成はシクロヘキサノン1
5.7g(0.16モル)と1,1−ビス(トリフルオロアセトキ
シ)シクロヘキサン1183g(3.84モル)とから成つてい
た。
予め系内を窒素置換した反応器へ無水フツ化水素3900g
(195モル)を入れ、−30℃まで冷却した後、攪拌しな
がら、1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロヘ
キサンを含む上記の反応混合物(I)を添加した。攪拌
を行ないつつ温度を−30℃に2時間保つた後、徐々に加
温することにより1時間で20℃まで昇温し、さらに20℃
に4時間保つた。反応混合物を精留することにより、無
水フツ化水素3746g、トリフルオロ酢酸876g(7.68モ
ル)、シクロヘキサノン15.0g(0.15モル)、1,1−ジフ
ルオロシクロヘキサン456g(3.80モル)を得た。
精留塔付きの反応容器へ五酸化リン1300g(9.15モル)
と上記のトリフルオロ酢酸876g(7.68モル)を入れ、攪
拌しつつ加熱し、反応温度を70℃に保ちながら、留出す
る低沸生成物をドライアイス−アセトントラツプで補集
した。加熱・攪拌を6時間行なつた後に留出した成分を
分析したところ、トリフルオロ酢酸無水物790g(3.76モ
ル)が生成していた。
本実施例は1,1−ジフルオロシクロヘキサンがシクロヘ
キサノンを基準として転化率95%、選択率99%で得られ
ること、及びトリフルオロ酢酸無水物が、反応により生
成するトリフルオロ酢酸から、収率98%で回収できるこ
とを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シクロヘキサノンから1,1−ジフルオロシ
    クロヘキサンを製造するに当り、 (I)シクロヘキサノンにトリフルオロ酢酸無水物を反
    応させることにより1,1−ビス(トリフルオロアセトキ
    シ)シクロヘキサンを得るアシラール化工程、 (II)該1,1−ビス(トリフルオロアセトキシ)シクロ
    ヘキサンにフッ化水素を反応させることにより1,1−ジ
    フルオロシクロヘキサンとトリフルオロ酢酸を得るフッ
    素化工程、 及び (III)前記(II)において生成したトリフルオロ酢酸
    に脱水剤を反応させることによりトリフルオロ酢酸無水
    物を得るトリフルオロ酢酸回収工程 を包含することを特徴とする1,1−ジフルオロシクロヘ
    キサンの製造方法。
JP19810386A 1986-08-26 1986-08-26 1,1−ジフルオロシクロヘキサンの製造方法 Expired - Lifetime JPH0717548B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19810386A JPH0717548B2 (ja) 1986-08-26 1986-08-26 1,1−ジフルオロシクロヘキサンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19810386A JPH0717548B2 (ja) 1986-08-26 1986-08-26 1,1−ジフルオロシクロヘキサンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6354331A JPS6354331A (ja) 1988-03-08
JPH0717548B2 true JPH0717548B2 (ja) 1995-03-01

Family

ID=16385539

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19810386A Expired - Lifetime JPH0717548B2 (ja) 1986-08-26 1986-08-26 1,1−ジフルオロシクロヘキサンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0717548B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335720A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Asahi Kasei Corp ポリアセン化合物の製造方法及び有機半導体素子
WO2008132128A2 (en) * 2007-04-27 2008-11-06 Solvay (Société Anonyme) Synthesis of a pharmaceutically active compound
EP1985603A1 (en) * 2007-04-27 2008-10-29 SOLVAY (Société Anonyme) Process for preparing difluorocyclohexanoic acid derivatives
JP2013028569A (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 Central Glass Co Ltd ジェミナルジフルオロ化合物の製造方法
WO2024029524A1 (ja) * 2022-08-02 2024-02-08 ダイキン工業株式会社 フッ素含有芳香族化合物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6354331A (ja) 1988-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6251260B2 (ja)
US5241111A (en) Processes for producing 5-fluorobenzoic acids and their intermediates
JPH0717548B2 (ja) 1,1−ジフルオロシクロヘキサンの製造方法
HU193589B (en) Process for preparing fluorinated phtaloyl- and terephtaloyl compounds
EP0077853B1 (en) Novel trifluoromethyl benzal chlorides and process for the preparation thereof
US4595541A (en) Process for the preparation of trifluoroacetic anhydride
US10882824B2 (en) Method for purifying trifluoromethylpyridines
JPH0717547B2 (ja) 1,1−ジフルオロシクロヘキサンの製造法
JPH08231462A (ja) パーフルオロアルキルカルボン酸フルオライド及びその誘導体の製造方法
JPH0733340B2 (ja) カルボニル基をジフルオロメチレン基に変換する方法
US20060122426A1 (en) Method for producing phthalic acid dichloride
JP2538222B2 (ja) イソホロンジイソシアネ−トの製造方法
JP2517304B2 (ja) ブロモアセトニトリルの製造方法
JP3164284B2 (ja) 2−クロロ−4−トリフルオロメチルベンザルクロライドの製造方法
US3950414A (en) Preparation of aromatic diacid chlorides
JP2756373B2 (ja) 1,1,1−トリフルオロ−3−ニトロ−2−プロペンの製造方法
JP3293676B2 (ja) ハロマレイン酸およびハロフマル酸エステル類の製造方法
JP4749638B2 (ja) テトラフルオロハロゲンベンゼンの製法
JPH02286636A (ja) 1―クロロ―3,4―ジフルオロベンゼンの製造方法
JPH0717549B2 (ja) フルオロベンゼンの製造方法
JPH0317830B2 (ja)
EP0281186B1 (en) Process for the preparation of a benzoic acid derivative
JPH075493B2 (ja) ビス(2―ヒドロキシヘキサフルオロ―2―プロピル)ベンゼン誘導体の製造方法
JPH05186418A (ja) ハロゲノチオフェノールの製造法
JPS63295529A (ja) 2,3,4,5−テトラフルオル安息香酸の製造方法