JP2873659B2 - 電磁調理器用均一加熱シート - Google Patents

電磁調理器用均一加熱シート

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JP2873659B2
JP2873659B2 JP548294A JP548294A JP2873659B2 JP 2873659 B2 JP2873659 B2 JP 2873659B2 JP 548294 A JP548294 A JP 548294A JP 548294 A JP548294 A JP 548294A JP 2873659 B2 JP2873659 B2 JP 2873659B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁調理器関連部品に
係り、より詳細には、平形渦巻状の加熱コイルを備えた
汎用電磁調理器のトッププレート上に載置され、電磁調
理具等の被加熱物を均一に加熱するための均一加熱シー
トに関する。
【0002】
【従来の技術】電磁調理器は、一般に、リッツ線等の導
線を中心より外周に向かって円形や角形に渦巻状に密接
巻回した平形の加熱コイルと、この加熱コイルと略平行
に配された非磁性・電気絶縁性のトッププレートとを有
し、このトッププレート上に電磁調理具等の被加熱物を
載せて誘導加熱を行うものである。
【0003】図12上段は、この種の電磁調理器の要部
側面図であり、加熱コイル22に高周波電流を流し、こ
のときに発生する高周波磁界によって、被加熱物20を
誘導加熱する様子を示してある。ここに、加熱コイル2
2は上述のような平形渦巻状のものであり、被加熱物2
0は、例えばSUS系の磁性容器である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の従来
の電磁調理器で誘導加熱を行うと、加熱コイル22の中
心部及び周縁部の磁束鎖交数が中間部の磁束鎖交数に比
べて相対的に少なくなる。そのため、加熱コイル22を
指向する電磁調理具20の底面の中心部及び周縁部にお
ける加熱が不十分になる一方、逆にその中間部が異常に
加熱される。特に、中心部における加熱が弱い。
【0005】例えば、図12の例では、図下段に示すよ
うに、中心部Cや周縁部Pの温度が中間部Mにおける最
高温度に比べて約120℃の差が生じている。これは、
均一な加熱温度が要求される調理用には適さないことを
意味している。上記温度分布のムラは、電磁調理器や被
加熱物である磁性容器の構造を改良することである程度
是正することができる。しかしながら、既存の汎用電磁
調理器や磁性容器をそのまま使用して上記温度ムラを解
消できれば資源の有効利用が図れ、実用性が格段に高ま
る。
【0006】本発明は、かかる観点に鑑み、電磁調理器
のトッププレート上に載置するだけで既存の被加熱物の
加熱温度分布を均一にすることができる電磁調理器用均
一加熱シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第一発明に係る電磁調理
器用均一加熱シートは、平形渦巻状の加熱コイルと略平
行の電磁調理器のトッププレート上に載置する均一加熱
シートであって、その外周縁と内周縁とを結ぶスリット
部を少なくとも1つ形成した環状導電板を有し、この環
状導電板電気絶縁材で覆ってシート状に成形したことを
特徴とする。
【0008】第二発明に係る電磁調理器用均一加熱シー
トは、上記第一発明の構成において、径の異なる複数の
前記環状導電板を同一平面内の同心上にそれぞれ所定間
隔で配設し、各環状導電板を電気絶縁材で覆ってシート
状に成形したことを特徴とする。
【0009】第三の発明に係る電磁調理器用均一加熱シ
ートは、上記第二発明の構成において、各環状導電板の
スリット部が、径方向に隣設する他の環状導電板のスリ
ット部と相対的に異なる部位に形成されていることを特
徴とする。
【0010】第四発明に係る電磁調理器用均一加熱シー
トは、平形渦巻状の加熱コイルと略平行の電磁調理器の
トッププレート上に載置する均一加熱シートであって、
所用幅の導電板を所用間隙をもって平形渦巻状に形成
し、これを電気絶縁材で覆ってシート状に成形したこと
を特徴とする。
【0011】第五発明に係る電磁調理器用均一加熱シー
トは、平形渦巻状の加熱コイルと略平行の電磁調理器の
トッププレート上に載置する均一加熱シートであって、
その中心孔部から周縁部方向に複数のスリット部を放射
状に形成するとともに少なくとも1つのスリット部をそ
の外周縁と結んだ導電板を有し、この導電板を電気絶縁
材で覆ってシート状に成形したことを特徴とする。
【0012】更に、第六発明に係る電磁調理器用均一加
熱シートは、上記第五発明の構成において、更に、前記
導電板の外周縁の所定部位から中心孔部方向に複数のス
リット状切り欠き部を形成したことを特徴とする。
【0013】
【作用】第一発明に係る電磁調理器用均一加熱シート
は、その環状導電板が電磁調理器側の平形渦巻状の加熱
コイルと略平行に置かれると、該加熱コイルからの高周
波磁界によって、環状導電板の周方向に誘導電流が発生
する。このとき、誘導電流は、スリット部により遮断さ
れて、環状導電板をさらに周方向に循環することができ
ないため、スリット部付近の端部で向きを変え、他方の
周縁部方向に流れる(図3において電流I3)。この場
合、環状導電板の内周縁に沿って流れる電流は、上記周
方向の誘導電流と逆向きであり、またその内周縁に集中
的に流れる。この電流によって環状導電板の対応部位、
特に中心部近傍が選択的に誘導加熱される。その結果、
電気絶縁材を介して環状導電板上に平行に置かれた被加
熱物の底面の中心部がその中間部よりも相対的に強く加
熱され、該底面各部における加熱温度差が小さくなる。
【0014】第二発明に係る電磁調理器用均一加熱シー
トの場合は、各環状導電板の外周縁を流れる上記誘導電
流は、加熱コイルの高周波電流を相殺する向きに流れ、
他方、内周縁を流れる電流は高周波電流を強めるように
作用する。従って、それぞれの環状導電板の幅(径方向
の長さ)及びその配設間隔を適当に選定することによ
り、電気絶縁材を介して環状導電板上に平行に置かれた
被加熱物の底面における加熱温度分布を調節することが
できる。
【0015】第三発明に係る電磁調理器用均一加熱シー
トでは、複数の環状導電板に形成されるスリット部の位
置がそれぞれ相対的に異なるので、一の環状導電板の内
周縁又は外周縁に電流の流れる向きと隣設の環状導電板
の外周縁又は内周縁に流れる電流の向きが常に逆にな
り、急激な温度上昇又は下降が抑制され、上記被加熱物
の底面の加熱温度分布がより均一になる。
【0016】第四発明の電磁調理器用均一加熱シートで
は、平形渦巻状導電板の各導電板要素が一体形成され、
誘導電流が複合的に作用し合ってその中心部近傍に集中
的に流れ込むので、当該部位の誘導磁界が上記第二及び
第三発明の場合と同様、相対的に強まる。従って、被加
熱物の底面の加熱温度分布が均一になる。
【0017】第五発明の電磁調理器用均一加熱シートで
は、加熱コイルからの高周波磁界によって、導電板の周
方向に誘導電流が流れるが、この誘導電流は、外周縁と
中心孔部とを結ぶスリット部により遮断されて導電板を
さらに周方向に循環することができないため、該スリッ
ト部付近の端部で向きを変え、中心孔部方向に流れる。
この電流は、更に、放射状に形成された各スリット部周
辺の端部に沿って流れるが、導電板の中心孔部から外周
縁に向かう電流及びその逆方向の電流は、上記加熱コイ
ルの高周波電流による誘導磁界を相殺しないので、中心
孔部周辺の誘導磁界のみが相対的に強くなる。その結
果、電気絶縁材を介して導電板上に平行に置かれた被加
熱物の底面の中心部がその中間部よりも相対的に強く加
熱され、底面各部における加熱温度差が小さくなる。
【0018】第六発明の電磁調理器用均一加熱シートで
は、導電板の外周縁を周方向に流れる上記誘導電流が、
各スリット状切り欠き部付近の端部で順次方向を変えな
がら循環する。従って、この切り欠き部の数を適当に変
えることで外周縁付近の磁界の強さを調節することが可
能になる。
【0019】
【実施例】次に図面を参照して本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0020】(第1実施例)図1(a)は本発明の第1
実施例に係る電磁調理器用均一加熱シートの断面図であ
り、1は電磁調理器用加熱シート(以下、各実施例にお
いて単に加熱シートと称する)、2は環状導電板、3は
電気絶縁シートである。図示するように、この実施例の
加熱シート1は、その外周縁と内周縁とを結ぶスリット
部を少なくとも1つ形成した環状導電板2を、その表裏
面側から2枚の電気絶縁シート3で覆って接着成形した
ものである。なお、本実施例の応用として、図1(b)
のように、環状導電板2を平板状の電気絶縁シート3’
内に埋設して加熱シート1’を構成することもできる。
【0021】使用に際しては、例えば図2に示すよう
に、汎用電磁調理器のトッププレート21の主面(被加
熱物を載せる面)上に加熱シート1を載置する。このと
き、平形渦巻状の加熱コイル22の中心点と加熱シート
1内の環状導電板2の中心点とがほぼ同一になるように
位置合わせを行うと効果的である。その後、この加熱シ
ート1の上に磁性容器等の被加熱物20を載置し、上記
加熱コイル22に高周波電流を流す。
【0022】図3(a)は、電磁調理器側の加熱コイル
22と加熱シート内の環状導電板2との位置関係を示す
側面図であり、(b)はその平面図である。図示するよ
うに、加熱コイル22は、リッツ線等の導線を同一平面
内で渦巻状に多数巻回して構成されるものであり、環状
導電板2は、銅板等で作られた導電体円板の中心部を円
形にくり抜いた環状板に、外周縁と内周縁とを結んでこ
れらの間の電気的接続を遮断するスリット部4を形成し
たものである。
【0023】図2及び図3(a)(b)に示す位置関係
において、加熱コイル22に高周波電流I1を流すと該
加熱コイル22のコイル面に誘導磁界が発生するが、同
時に、加熱シート1内の環状導電板2に誘導電流が流れ
る。
【0024】この誘導電流のうち、環状導電板2の外周
縁付近を流れる第一の誘導電流I2は、加熱コイル22
の高周波電流I1と反対方向となるが、スリット4部で
遮断されるために環状導電板3全体を一巡することがで
きない。このため、スリット4部の付近に集められた大
電流である第二の誘導電流I3が、環状導電板3の内周
縁を第一の誘導電流I2とは逆向きに、つまり加熱コイ
ル22の高周波電流I1と同じ方向に流れるようにな
る。そしてこの場合、環状導電板2の外周縁を流れる第
一の誘導電流I2は、加熱コイル22の高周波電流I1と
逆向きであるために相殺される。よってこの部分におい
て誘導加熱することはできないが、環状導電板2の内周
縁付近では、高周波電流I1と第二の誘導電流I3とが同
じ方向となるため、これらの電流によって発生する磁界
が強め合い、環状導電板2の内周縁付近には大きな誘導
磁界が発生する。
【0025】つまり、結果的には、環状導電板2の幅の
コイル電流分が集合して環状導電板2の内周縁付近に高
周波磁界が発生したのと同じ効果を得ることができる。
そしてこの効果を利用して、加熱コイル22において相
対的に磁界が強すぎる中間部の電流の一部を、中心部の
磁界の弱い部分に選択移動させることができ、加熱シー
ト1上の被加熱物底面の中心部における加熱温度を上昇
させることができるようになる。
【0026】なお、図1及び図3の例は、環状導電板2
のスリット部4を1箇所だけ形成した例であるが、スリ
ット部4は2か所以上形成するようにしても良い。例え
ば図4は、中心部から等間隔に3箇所のスリット部4を
形成した例である。この場合、加熱コイル22に流れる
高周波電流I1により誘導される電流のうち、外周縁を
流れる第一の誘導電流I2は、上記高周波電流I1により
発生する磁界を相殺する方向、内周縁を流れる第二の誘
導電流I2は、該磁界を強め合う方向に流れる。
【0027】図5上段に、この実施例の加熱シート1を
汎用の電磁調理器のトッププレート上に載置して被加熱
物20を誘導加熱する様子を示す。被加熱物20は、従
来例を示す図12と同様、SUS系の磁性容器であり、
加熱コイル22は平形渦巻状のものである。また、図5
下段は、この実施例の加熱シート1を使用して上記被加
熱物20を空炊きした場合の、所定時間加熱した後にお
ける表面温度分布の測定例である。この場合、中心部C
の温度は、図12に示した従来例における温度分布と比
較した場合、中央部Cの温度が70℃程度上昇している
ことが判る。なお、図4の構成の環状導電板を用いた場
合にも略同様の結果を得た。
【0028】(第2実施例)次に、図6を参照して本発
明の第2実施例を説明する。なお、この実施例では、上
記第1実施例と同一機能の構成部品に同一符号を付して
説明する。図6上段はこの実施例で用いる環状導電板の
構造を説明する平面図であり、下段はそのA−A断面図
である。この実施例では、径の異なる複数の環状導電板
5,6,7を、第1実施例と同様、図1に示した電気絶
縁シート3で覆って接着成形する。これら環状導電板
5,6,7は、それぞれ第1実施例で説明した環状導電
板2と相似のものであり、外周縁と内周縁とを結ぶスリ
ット部4を少なくとも1つ形成してなる。
【0029】また、各環状導電板5,6,7は、同一平
面内に同心上に配列されている。つまり、最も中心部に
位置する環状導電板5が、それより径の大きな環状導電
板6の内周付近に電気的接続なしで入っている。またこ
の環状導電板6が、それより径の大きな環状導電板7の
内周付近に電気的接触なしで入っている。
【0030】更に、各環状導電板5,6,7に形成され
るスリット部4は、隣設の他の環状導電板のスリット部
と相対的に異なる位置に形成される。図示の例では交互
に180度差をもつ位置に形成した例を示してある。
【0031】このように構成される本実施例の加熱シー
トでは、第1実施例の場合と同様に、各環状導電板5,
6,7において内周縁付近を流れる第二の誘導電流I3
によって、それぞれの環状導電板5,6,7の内周付近
の磁界がそれぞれ強められる。また、スリット部4が、
各環状導電板5,6,7において相対的に異なる位置に
形成されているから第一の誘導電流I2と隣設の環状導
電板の第二の誘導電流I3とがそれぞれ異なる方向に流
れ、局部的な磁界の上昇乃至下降が抑制される。この結
果、被加熱物底面の加熱温度をより均一に調節すること
ができる。
【0032】(第3実施例)図7は本発明の第3実施例
に係る加熱シートの導電板部分の平面図である。なお、
この実施例においても上記各実施例と同一機能の構成部
品については同一符号を付して説明する。この導電板
は、上記第2実施例で説明したものとほぼ同様である
が、次の点において異なるものである。
【0033】即ち、最も内側に位置しその一端5Aにス
リット部4を有する導電板5の他端5Bが、その外周に
位置するより大きな導電板6の一端6Aに接合され、更
に、この導電板6の他端6Bが、その外周に位置するよ
り大きな導電板7の一端7Aに接合されている。これに
より1つの平形渦巻状導電板を一体に構成している。
【0034】この実施例では、上記第1及び第2実施例
の場合と同様に、それぞれの導電板(要素)5,6,7
の外周縁付近に第一の誘導電流I2、内周縁の部分に大
きな第二の誘導電流I3が流れるが、各導電板(要素)
5,6,7が互いに接合された一体構成のため、これら
第一及び第二の誘導電流I3が複合的に作用し合い、被
加熱物底面をより均一に加熱することができる。
【0035】図8上段は、この実施例の加熱シート1を
汎用の電磁調理器のトッププレート上に載置して被加熱
物20を誘導加熱する様子を示す。被加熱物20は、従
来例を示す図12と同様、SUS系の磁性容器であり、
加熱コイル22は平形渦巻状のものである。また、図8
下段は、この実施例の加熱シートを用いて第1実施例と
同条件で加熱した場合における、被加熱物底面の表面温
度分布の測定例を示したものである。図12に示した従
来例の温度分布では、中心部Cと中間部Mの温度との間
の温度差が約120℃であったのに対し、この実施例の
場合には両者の温度差が約40℃と改善されており、各
段に優れた均一加熱の効果が得られることが判る。
【0036】(第4実施例)図9は本発明の第4実施例
に係る加熱シートの導電板部分の平面図である。この導
電板は、上記図7に示した第3実施例の3つの環状導電
板5,6,7を段階的に接合する構成に代えて、銅板等
をプレス成形する際に、所要幅の導電板要素をその長さ
方向に渦巻状に一体形成する。この実施例では、第3実
施例と同様に、各導電板要素を第一及び第二の誘導電流
I2,I3が複合的に作用し合って流れる結果、被加熱物
底面を均一に加熱することができる。
【0037】(第5実施例)図10は、本発明の第5実
施例に係る加熱シートの導電板部分の平面図である。こ
の実施例では、その中心孔部9aから周縁部方向に6つ
のスリット部4を放射状に形成した導電板9を用いて加
熱シートを構成する。スリット部4の1つは、図示する
ように、導電板9の外周縁と結ばれている。なお、外周
縁と結ぶスリット部4の数は複数であっても良く、スリ
ット部の数も任意で良い。この導電板9を電気絶縁シー
トで覆って使用に供する点については上記各実施例と同
様である。
【0038】このような構成の加熱シートは、汎用電磁
調理器のトッププレート上に載置された状態で、該電磁
調理器の加熱コイル22に高周波電流I1を流すと、導
電板9の外周縁付近に上記第一の誘導電流I2が誘導さ
れる。この第一の誘導電流I2は、図示するように、外
周縁と中心孔部9aとを結ぶスリット部4付近の端部で
向きを変え、中心孔部9a方向の第三の誘導電流I4、
高周波電流I1と同一方向の第二の誘導電流I3、外周縁
方向の第四の誘導電流I5として順次各スリット部4周
辺の端部に沿って循環する。
【0039】このとき、第二の誘導電流I3は、上記各
実施例の場合と同様、高周波電流I1による誘導磁界を
強める。他方、第三及び第四の誘導電流I4,I5は、上
記高周波電流I1による誘導磁界を相殺しないので、中
間部付近の誘導磁界を弱めることがない。結局、中心孔
部9a周辺の誘導磁界のみが相対的に強くなり、電気絶
縁材を介して導電板9上に平行に置かれた被加熱物の底
面各部における加熱温度差が小さくなる。なお、この導
電板9の径方向の大きさは、電磁調理器の加熱コイルの
径、あるいは被加熱物の底面の径に応じて任意に設計す
ることができる。従って既存の電磁調理器による加熱分
布をこの導電板9の寸法を適当に選定することで容易に
調節することが可能になる。
【0040】(第6実施例)図11は、本発明の第6実
施例に係る加熱シートの導電板部分の平面図である。こ
の実施例では、上記第5実施例で説明した導電板9を更
に改良したものを用いて加熱シートを構成する。即ち、
この実施例で用いる導電板10は、図示するように、そ
の中心孔部10aから周縁部方向に例えば6つのスリッ
ト部4を放射状に形成し、スリット部4の1つを導電板
10の外周縁と結ぶとともに、その外周縁の所定部位か
ら中心孔部方向にスリット状の切り欠き部11を形成し
たものである。この切り欠き部11の数は5つ以下、あ
るいは7以上であっても良い。また、各切り欠き部11
は、好ましくは、一対のスリット部の各周縁部方向の延
長線と外周縁との交点をそれぞれ求め、各交点までの距
離が等しくなる外周縁の部位を起点に中心孔部10a方
向にスリット状に切り欠くことで形成される。なお、こ
の導電板10を電気絶縁シートで覆って使用に供する点
については上記各実施例と同様である。
【0041】このような構成の加熱シートによれば、導
電板10の外周縁を周方向に流れる第一の誘導電流I2
が、各切り欠き部11付近の端部で、それぞれ中心孔部
10a方向の第五の誘導電流I6、周縁部方向の第六の
誘導電流I7のように、それぞれ方向を変えながら循環
する。これら第五及び第六の誘導電流I6,I7は、上述
のように加熱コイル22による誘導磁界を弱めることが
ない。従って、この切り欠き部11の数を適当に変える
ことで外周縁付近の磁界の強さを任意に調節することが
可能になる。
【0042】なお、上記第1〜第6実施例において、導
電板2,5〜10は、使用時に少なからず発熱を生じる
が、電気絶縁シートを介して被加熱物20である調理容
器等の底面にて冷却される。即ち、導電板2,5〜10
の発熱も被加熱物20の加熱に寄与しているため、経済
的にも有利となる。また、各実施例の加熱シートを設け
ることにより、使用の際に若干のエネルギー損失が存在
することが認められるが、この損失はいずれの場合も4
〜5%であり、実用上は全く問題とならない。
【0043】以上、本発明を複数の実施例を示して詳細
に説明したが、本発明は上記実施例の構成に限定される
ことなく、その要旨を変更しない範囲で種々の設計変更
が可能である。例えば、第1〜第3実施例では、導電板
2,5〜7は環状の円板であることを前提に説明した
が、角板であっても良い。また環状板の中央部を円形に
くり抜いた例について説明したが、角形にくり抜いても
良い。また第4実施例では渦巻状の導電板8として完全
な丸形渦巻状のものを説明したが、角形渦巻状のもので
も良い。また、第5及び第6実施例では、円形の導電板
について説明したが、角板であっても良く、複数のスリ
ット部4の長さ、配列は適当に選定して良い。更に、各
導電板2,5〜10は、必ずしも平板構造に限定する必
要はなく、被加熱物20の底面形状に合わせて適当な曲
げを持たせることも可能である。
【0044】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、第一発
明の電磁調理器用均一加熱シートによれば、電磁調理器
のトッププレート上に載置するだけで平形渦巻状の加熱
コイルの磁界強度を調節することができる効果がある。
従って、この均一加熱シートに載置される被加熱物の底
面部の中心部と中間部との間の温度差を小さくすること
ができ、該底面部を均一に加熱することができる。
【0045】また、第二発明のように複数の環状導電板
を同一平面内の同心上に設けたり、あるいは第三及び第
四発明のように渦巻状の環状導電板を用いることで、誘
導加熱による温度分布をより均一化することができる。
第三及び第四発明では、導電板が一体形成されるため、
その加工や取付けが容易であるという効果もある。
【0046】更に、第五発明の電磁調理器用均一加熱シ
ートによれば、導電板の中間部に対応する部位の誘導磁
界が相殺されないので、被加熱物の底面部の均一加熱が
図れるとともに、電磁調理器のトッププレート上の位置
合わせが容易になる効果もある。
【0047】この第五発明を更に発展させた第六発明の
電磁調理器用均一加熱シートでは、上記第五発明による
効果の他、導電板の外周縁付近に対応する部位の誘導磁
界の強さが任意に調節可能になる効果がある。
【0048】いずれの発明においても、既存の電磁調理
器や調理容器等の被加熱物に何等の加工を施すこと無
く、そのままの使用により従来の問題点を解消すること
ができるので、その実用的効果には絶大なものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1実施例に係る均一加熱シ
ートの断面図,(b)はその変形例の断面図である。
【図2】本発明の均一加熱シートの使用例を示す断面図
である。
【図3】(a)は、本発明の第1実施例による電磁調理
器側の加熱コイルと加熱シート内の環状導電板との位置
関係を示す側面図であり、(b)はその平面図である。
【図4】本発明の第1実施例で用いる他の環状導電板の
平面図である。
【図5】上段は第1実施例の加熱シートを汎用の電磁調
理器のトッププレート上に載置して被加熱物を誘導加熱
する例を示した断面図であり、下段は、その場合の被加
熱物の温度分布を示したグラフである。
【図6】本発明の第2実施例で用いる環状導電板の平面
図とそのA−A断面図である。
【図7】本発明の第3実施例で用いる渦巻状導電板の平
面図である。
【図8】上段は図7の導電板による加熱シートを汎用の
電磁調理器のトッププレート上に載置して被加熱物を誘
導加熱する例を示した断面図であり、下段は、その場合
の被加熱物の温度分布を示したグラフである。
【図9】本発明の第4実施例で用いる渦巻状導電板の平
面図である。
【図10】本発明の第5実施例で用いる導電板の平面図
である。
【図11】本発明の第6実施例で用いる導電板の平面図
である。
【図12】(a)上段は従来の電磁調理器により被加熱
物を誘導加熱する様子を説明する要部断面図、下段はそ
の場合の被加熱物の温度分布を示したグラフである。
【符号の説明】
1,1’ 加熱シート(電磁調理器用均一加熱シート) 2,5〜10 導電板 3,3’ 電気絶縁シート 4 スリット部 9a,10a 中心孔部 11 スリット状切り欠き部 20 被加熱物 21 電磁調理器のトッププレート 22 電磁調理器の加熱コイル
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 6/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平形渦巻状の加熱コイルと略平行の電磁
    調理器のトッププレート上に載置する均一加熱シートで
    あって、その外周縁と内周縁とを結ぶスリット部を少な
    くとも1つ形成した環状導電板を有し、この環状導電板
    を電気絶縁材で覆ってシート状に成形したことを特徴と
    する電磁調理器用均一加熱シート。
  2. 【請求項2】 径の異なる複数の前記環状導電板を同一
    平面内の同心上にそれぞれ所定間隔で配し、各環状導電
    板を電気絶縁材で覆ってシート状に成形したことを特徴
    とする請求項1記載の電磁調理器用均一加熱シート。
  3. 【請求項3】 各環状導電板のスリット部が、径方向に
    隣設する他の環状導電板のスリット部と相対的に異なる
    部位に形成されていることを特徴とする請求項2記載の
    電磁調理器用均一加熱シート。
  4. 【請求項4】 平形渦巻状の加熱コイルと略平行の電磁
    調理器のトッププレート上に載置する均一加熱シートで
    あって、所用幅の導電板を所用間隙をもって平形渦巻状
    に一体形成し、これを電気絶縁材で覆ってシート状に成
    形したことを特徴とする電磁調理器用均一加熱シート。
  5. 【請求項5】 平形渦巻状の加熱コイルと略平行の電磁
    調理器のトッププレート上に載置する均一加熱シートで
    あって、その中心孔部から周縁部方向に複数のスリット
    部を放射状に形成するとともに少なくとも1つのスリッ
    ト部をその外周縁と結んだ導電板を有し、この導電板を
    電気絶縁材で覆ってシート状に成形したことを特徴とす
    る電磁調理器用均一加熱シート。
  6. 【請求項6】 前記導電板は、その外周縁の所定部位か
    ら中心孔部方向にスリット状切り欠き部が形成されてい
    ることを特徴とする請求項5記載の電磁調理器用均一加
    熱シート。
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