JP2873639B2 - 変速機の同期噛合い装置 - Google Patents

変速機の同期噛合い装置

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JP2873639B2 JP3278659A JP27865991A JP2873639B2 JP 2873639 B2 JP2873639 B2 JP 2873639B2 JP 3278659 A JP3278659 A JP 3278659A JP 27865991 A JP27865991 A JP 27865991A JP 2873639 B2 JP2873639 B2 JP 2873639B2
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島 巧 豊
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D23/00Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
    • F16D23/02Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
    • F16D23/04Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch
    • F16D23/06Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch and a blocking mechanism preventing the engagement of the main clutch prior to synchronisation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用の機械式変速機
に使用されている同期噛合い装置に関し、特にシンクロ
ナイザ等のテーパ面側に樹脂部材を装着した構成におけ
る樹脂部材の耐久性向上対策に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の同期噛合い装置は、変
速時にスリーブを移動することで、そのスプライン端面
をシンクロナイザのスプラインの端面に衝突して押圧
し、これによりシンクロナイザの内面のテーパ面をダブ
ルコーン等のコーン面に摩擦接触して両者を同期回転す
るように構成されている。従って、迅速に同期させるた
めには、シンクロナイザのテーパ面は摩擦係数が大きい
ことが望ましく、このことからシンクロナイザのテーパ
面に樹脂部材を装着した構成が提案されている。
【0003】従来、上記シンクロナイザに樹脂部材を装
着した同期噛合い装置は、例えば図5に示すように構成
されている。即ち、シンクロナイザ14が外周にスプラ
イン14a を有する鉄製の母材30と、その内周に装着
される摩擦係数の大きい樹脂部材32とで構成される。
樹脂部材32は扁平なリング状を成して、外周に溝33
が形成され、内面に所定の角度のテーパ面34が形成さ
れ、テーパ面34の両端に面取り部35,36が施され
ている。そして、この樹脂部材32が溝33を母材30
の内面30a の中心部に形成されるハ字形断面の凸部3
1に抜止めして嵌合し、且つ両者を接着して一体的に固
着される。このような構成により、シンクロナイザ14
における樹脂部材32の摩擦係数の大きいテーパ面34
がアウタコーン19のコーン面19a に摩擦接触して、
迅速に同期するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の同期噛合い装置にあっては、偏荷重M(モーメン
ト)により樹脂部材32の一部が破壊されることがあ
る。つまり、この同期噛合い装置においては、同期運動
開始時にテーパ面34とコーン面19aとの間のガタ等
によりシンクロナイザ14に偏荷重Mが作用することが
あるけれども、この場合の偏荷重Mの反力Rはテーパ面
34と面取り部35,36との交点Cから樹脂部材32
に入力される。そして、この反力Rは樹脂部材32を介
して最終的に母材30に伝達されるが、同交点C位置は
樹脂部材32の変形量の大きな端部32a,32bに対
応された位置になるため、この反力Rで端部32a,3
2bが無理に変形され、交点C付近から面取り部35,
36から亀裂が生じて、早期に破損することがある。
【0005】本発明は、この点に鑑みてなされたもの
で、シンクロナイザに作用する偏荷重に対し、樹脂部材
への負担を軽減してその耐久性等を向上することを目的
とする変速機の同期噛合い装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、シンクロ機構のシンクロナイザ等の同期
部材のテーパ面側に、扁平なリング状の樹脂部材が母材
側のハ字形断面の凸部に嵌着して装着され、その樹脂部
材にテーパ面が形成される構成において、樹脂部材のテ
ーパ面の両端に、樹脂部材の端面と凸部の端部との間隔
相当する幅の面取り部を設けることを提案するもので
ある。なお、上記面取り部は、所定の角度で斜めに設け
られる構造、または、一段目は浅い角度で、二段目は深
い角度で多段に構成された構造、あるいは、所定の深さ
で階段状に施された構成とすることができる。
【0007】
【作用】このような構成によれば、シンクロナイザ等の
同期部材に偏荷重が作用して、樹脂部材のテーパ面とそ
の両端の面取り部の交点部に局部的な大きな力が加わっ
ても、その力は母材側の凸部に対応した樹脂部材の薄肉
部で支持されるから、樹脂部材の端部の異常変形を未然
に防止できる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図4において、本発明が適応される変速機の同期
噛合い装置の概略について説明する。符号1は出力軸で
あり、この出力軸1に2つの変速ギヤ2,3がニードル
ベアリング4等により回転自在に嵌合され、これらの出
力軸1と2つの変速ギヤ2,3との間にシンクロ機構1
0が設けられている。
【0009】シンクロ機構10は、出力軸1に一体的な
ハブ11、このハブ11の外周に回転方向に一体的で軸
方向移動可能にスプライン嵌合するスリーブ12、スリ
ーブ12の左右に配置されるシンクロナイザ13,1
4、2つの変速ギヤ2,3にそれぞれ一体結合してシン
クロナイザ13,14の左右に隣接配置されるドッグギ
ヤ15,16を有する。スリーブ12はスプリング20
とシンクロナイザキー21の突起部21a により中立位
置に位置決めされ、この中立位置から左右に移動する。
シンクロナイザ13,14とドッグギヤ15,16は、
外周にスプライン13a 〜16a が形成されて、スリー
ブ12のスプライン12a と噛合うことが可能になって
いる。一方の変速ギヤ2では、ドッグギヤ15にコーン
部15b が突設され、このコーン部15b にシンクロナ
イザ13がテーパ接触して遊嵌し、両者の摩擦接触によ
り同期作用するようになっている。
【0010】他方の変速ギヤ3では、シンクロナイザ1
4の内側にダブルコーン17のインナコーン18が出力
軸1に一体結合して設置され、これらの間にアウタコー
ン19が爪部19b をドッグギヤ16に係合して介設さ
れる。そして、インナコーン18にアウタコーン19
が、アウタコーン19にシンクロナイザ14がそれぞれ
2重にテーパ接触して遊嵌し、2重に同期作用するよう
になっている。そこで、このようなシンクロ機構10に
おいて、同期作用する3箇所の部分、即ち2つのシンク
ロナイザ13,14の内周、インナコーン18の外周に
それぞれ樹脂部材32が装着されている。
【0011】図1において、例えばシンクロナイザ14
により本発明の第1の実施例について説明する。シンク
ロナイザ14は図5と略同様に、外周にスプライン14
a を有する鉄製の母材30と、その内周に装着される摩
擦係数の大きい樹脂部材32とで構成される。樹脂部材
32は扁平なリング状を成して、外周に溝33が形成さ
れ、内面に所定の角度のテーパ面34が形成されてい
る。そして、この樹脂部材32が溝33を母材30の内
面30a の中心部に形成されるハ字形断面の凸部31に
抜止めして嵌合し、且つ両者を接着して一体的に固着さ
れる。
【0012】また、樹脂部材32のテーパ面34の両端
に、該樹脂部材32の各端面から母材30に設けた凸部
31の端部31a、31bまでの間隔A、Bに相当する
幅の角度α、βの面取り部35、36を設けることによ
り、テーパ面34の端部をそれぞれ切除している。
【0013】上記実施例による同期噛合い装置におい
て、スリーブ12によりシンクロナイザ14が押圧され
て図1中右方向に移動すると、樹脂部材32のテーパ面
34がアウタコーン19のコーン面19aに摩擦接触し
て同期運動が行われる。この場合、テーパ面34とコー
ン面19aとの間のガタ等によりシンクロナイザ14に
偏荷重Mが作用されると、その反力Rがテーパ面34と
面取り部35の交点Cから樹脂部材32に作用しようと
する。 ところが、テーパ面34の端部に面取り部35を
設けてテーパ面34と面取り部35の交点Cを樹脂部材
32の端面から内側に大きく偏位させて凸部31の端部
31aとの対応位置に位置させることにより、テーパ面
34の端部とコーン面19aの間に隙間を形成してい
る。このために、偏荷重Mによる反力Rは主として凸部
31の端部31aより内側の薄肉部に作用することにな
る。 また、交点Cに作用する反力Rは面取り部35に対
して直交する方向に作用する。このために、図1中時計
廻りの方向に向う偏荷重Mによって交点Cに作用する反
力Rは、同図に示したように樹脂部材30の中心側に向
う。従って、偏荷重Mによる反力Rは主として凸部31
の表面を覆う薄肉部に作用して変形し易い樹脂部材32
の厚肉端部にはほとんど作用しないために、この反力R
による樹脂部材32の端部の変形が抑制されて破壊が未
然に防止される。 一方、図1中反時計廻りの方向に向う
偏荷重Mが作用した場合は、同図中左側に位置する面取
り部36とテーパ面34の交点Cから樹脂部材32に作
用しようとする。しかしながら、面取り部36を設けて
交点Cを樹脂部材32の端面から内側に偏位した凸部3
1の端部31bとの対応部分に位置させるとともに、面
取り部36を設けたことによって反力Rの方向を内側に
偏向させているために、前記の場合と同様に反力Rが主
として樹脂部材32の薄肉部分で負担されることにな
る。
【0014】上記実施例においては角度α、βで傾斜す
る面取り部34、35を設けて構成を簡略化している
が、図2に示したように凸部31の端部と対向する位置
を始点として小さい角度α1で傾斜する一段目の面取り
部35aを設けたうえで、角度α1より大きな角度α2
で傾斜する二段目の面取り部35bを一段目の面取り部
35aの外側に設けて多段構成の面取り部を構成するこ
ともできる。なお、このように面取り部を多段構成とし
た場合は、偏荷重が作用すると一段目の面取り部35a
も変形してアウタコーン19のコーン面19aと接触し
て同期作用をするという利点がある。
【0015】図3において、本発明の第3の実施例につ
いて説明する。この実施例では、樹脂部材32の端面と
凸部31の端部31a との間隔Aにおいて、所定の深さ
の面取り部37が階段状に施される。従って、この実施
例では変速時に偏荷重が作用すると、樹脂部材32の面
取り部37が一点鎖線のように変形してその偏荷重が分
散されることになり、これにより局部的に大きい力が作
用することが回避される。
【0016】なお、上記面取り部35,36または37
は、他のシンクロナイザ14やインナコーン18に装着
される樹脂部材32にも、同様に設けられることは勿論
である。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
変速機の同期噛合い装置でシンクロナイザ等の同期部材
のテーパ面側に樹脂部材を装着した構成において、偏荷
重が作用した場合に樹脂部材の負担を軽減するように構
成されるので、樹脂部材の破損が回避されて耐久性を向
上することができる。樹脂部材のテーパ面の両端に設け
られる面取り部の長さ、傾き、形状等で対処する構成で
あるから、構造が簡単で、製造も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る変速機の同期噛合い装置の第1の
実施例を示す要部の断面図
【図2】本発明の第2の実施例を示す要部の断面図
【図3】本発明の第3の実施例を示す要部の断面図
【図4】本発明が適応される同期噛合い装置の一例を示
す断面図
【図5】従来例を示す断面図
【符号の説明】
14 シンクロナイザ 30 母材 31 凸部 31a ,31b 端部 32 樹脂部材 33 溝 34 テーパ面 35,36,37 面取り部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シンクロ機構のシンクロナイザ等の同期
    部材のテーパ面側に、扁平なリング状の樹脂部材が母材
    側のハ字形断面の凸部に嵌着して装着され、その樹脂部
    材にテーパ面が形成される構成において、樹脂部材のテ
    ーパ面の両端に、樹脂部材の端面と凸部の端部との間隔
    相当する幅の面取り部を設けたことを特徴とする変速
    機の同期噛合い装置。
  2. 【請求項2】 上記面取り部は、所定の角度で斜めに
    けられたものであることを特徴とする請求項1記載の変
    速機の同期噛合い装置。
  3. 【請求項3】 上記面取り部は、一段目は浅い角度で、
    二段目は深い角度で多段に構成されたものであることを
    特徴とする請求項1記載の変速機の同期噛合い装置。
  4. 【請求項4】 上記面取り部は、所定の深さで階段状に
    施されたものであることを特徴とする請求項1記載の変
    速機の同期噛合い装置。
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