JPS5940585Y2 - 歯車変速機用同期装置におけるシフティングキ−の飛び出し防止装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車等の歯車変速装置におけるボルダ・
ワーナタイプの同期装置のうち、特に第５連用等でみら
れるようにクラッチハブの片側にのみシンクロナイザリ
ングや変速ギヤが配設された同期装置のシフティングキ
ーの飛び出し防止装置に関するものである。

上記の第５連用等の同期装置において、そのクラッチハ
ブスリーブが、他のシフト操作（例えばリバースへのシ
フト操作）に連動して上記のシンクロナイザリングや変
速ギヤが配設されていない側に移動した場合、シフティ
ングキーがキースプリングの弾発力やその他の外力を受
けて大きく傾いたときに、その傾きを規制する部材が無
いため、シフティングキーは必要限度を越えで傾き、つ
いにはキースプリングの弾力によって外方へ飛び出すと
いった事態を招く。

この対策として、上述したシフティングキーの傾きを規
制するためのシフティングキーリテーナを、クラッチハ
ブに固定することが実施されているのであるが、この考
案は上記リテーナをクラッチハブのボス部に対して確実
にまわり止めした状態で、しかも簡単に組みつけること
ができるシフティングキーの飛び出し防止装置の提供を
、その日０勺とするもので゛ある。

。次に本考案の槽底を、図面で示す実施例に従って詳細
に説明する。

ボルダ・ワーナタイプの第５連用同期装置を断面で表し
た第１図にお・いて、シャフト１は図示されていない変
速機ケース（エクステンションハウジングも含む）に対
して回転自在に支持されている。

このシャフト１の軸上にはクラッチハブ２がシャフト１
と共に回転し得るように配設されており、このハブ２の
外周にはハブスリーブ５が変速機のシフト操作によって
図面の左右方向へ移動し得るようにスプライン嵌合され
ている。

上記クラッチハブ２の片側（図面の右側）には第５連用
の変速ギヤ８が、シャフト１に対して回転自在に配設さ
れている。

このギヤ８は、前記ハブスリーブ５の内歯と噛み合うス
プライン歯９を有し、このスプライン歯９とハブスリー
ブ５との間にはシンクロナイザリング１０が配設されて
いる。

なお、上記ハブスリーブ５の内周には、その円周方向の
三個所にお゛いて周知のシフティングキー６が組み込ま
れており、これらのキー６は一対のキースプリング７に
よって常にハブスリーブ５の内周に押しつけられる方向
の弾力作用を受けている。

前記変速ギヤ８お・よびシンクロナイザリング１０が配
置されている側とは反対側（図面の左側）のクラッチハ
ブ２のボス部３には、上記シフティングキー６の飛び出
しを防止するためのシフティングキーリテーナ１１が設
けられている。

すなわち、このリテーナ１１は、その中心にスリーブ部
１３を有し、このスリーブ部１３を上記ボス部３の外周
に圧入しているのである。

また、このボス部３の端面には第１図の一部を拡大して
表した第２図からも明らかなように、切欠き状の溝４が
形成されており、一方上記リテーナ１１のスリーブ部１
３の端面にはボス部３の溝４に係合する爪１４が曲げ形
成されている。

なお、リテーナ１１には前記シフティングキー６の後述
する傾きを規制するためのストッパー面１２およびキー
６の軸方向への移動を規制する面１５が形成されている
。

上記の横取にお゛いて、第５速へのシフト操作により、
シフトフォーク（図示しない）の動作を通じてハブスリ
ーブ５が第１図の右方向へ移動する。

この結果、前記シフティングキー６ならびにシンクロナ
イザリング１０等により、周知のようにシャフト１側（
クラッチハブ側）と変速ギヤ８側との回転同期作用を果
した後、ハブスリーブ５の内歯がギヤ８のスプライン歯
９に噛み合ってシャフトが完了する。

なお、このシフト操作によるハブスリーブ５の移動に伴
い、そのシフトストロークのある時点において前記シフ
ティングキー６の右端面がシンクロナイザリング１０の
キー溝の内端面に当り、このキー６の軸方向の移動が制
限される。

そして、シフトストロークのほぼ最終時点では、通常よ
く知られているようにキースプリング７の弾発力やその
他の外力等の影響に基づいてキー６は右下りに傾き得る
が、その傾きはシンクロナイザリング１０のキー溝の底
面にキー６の右下面が当接することによって規制される
。

また、上記のハブスリーブ５は、そのフォークシャツｌ
−（図示しない）がリバース用としても兼用されている
などの理由により、このリバースへのシフト操作に連動
して第１図の左方向へ移動する。

このときのハブスリーブ５の移動に伴い、そのストロー
クのある時点にお゛いてシフティングキー６の左端面が
前記リテーナ１１の面１５に当り、このときのキー６の
移動が制限される。

そして、ノ）ブスリーブ５のストロークのほぼ最終時点
では、シフティングキー６が上記第５速へのシフト時と
は逆に左下りに傾き得るが、この傾きはキー６の左下面
が前記リテーナ１１のストッパー面１２に当接すること
によって規制される。

つまり、ハブスリーブが第１図の左方向へ移動した場合
には、リテーナ１１のストッパー面１２が、シンクロナ
イザリング１０のキー溝底面゛と同様の機能を果し、限
度を越えたキーの傾きによってこのキー６が外へ飛び出
すことを防止しているのである。

上記シフティングキーリテーナ１１の組みつけは、その
スリーブ部１３をクラッチハブ２のボス部３外周に対し
て軸方向から圧太し、これと同時にリテーナ１１の爪１
４をボス部３の溝４に係合させるだけでよい。

そして、同期装置の組みつけ状態における上記の爪１４
は、シャフト１の段つき部１′ に押しつけられ、もっ
て溝４との係合状態が適正に保持される。

以上のように本考案は、シフティングキーの飛び出し防
止のためのキーリテーナを極めて簡単に組みつけること
ができ、しかもその組みつけ状態が確実となる利点を有
する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は第５連用の同期
装置を表した断面図、第２図は第１図の要部を拡大して
表した断面図である。 ２・・・・・・クラッチハブ、３・・・・・・ボス部、
４・・・・・・溝、５・・・・・・ハブスリーブ、６・
・・・・・シフティングキー、８・・・・・・変速ギヤ
、９・・・・・・スプライン歯、１０・・・・・・シン
クロナイザリング、１１・・・・・・シフティングキー
リテーナ、１３・・・・・・スリーブ部、１４・・・・
・・爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クラッチハブおよびハブスリーブの片側のみにシンクロ
   ナイザリングならびにハブスリーブの内歯と噛み合うス
   プライン歯を備えた変速ギアが配設される同期装置にお
   いて、前記のシンクロナイザリングおよび変速ギヤが配
   設されていない側のクラッチハブのボス部外周にシフテ
   ィングキーリテーナの中心のスリーブ部を圧入し、かつ
   この圧入に際してスリーブ部の端面に形成した爪を、ク
   ラッチハブのボス部の端面に形成した溝に係合させたこ
   とを特徴とするシフティングキーの飛び出し防止装置。