JP2873439B2 - プリント基板の穴明け装置及び穴明け方法 - Google Patents

プリント基板の穴明け装置及び穴明け方法

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JP2873439B2
JP2873439B2 JP7244377A JP24437795A JP2873439B2 JP 2873439 B2 JP2873439 B2 JP 2873439B2 JP 7244377 A JP7244377 A JP 7244377A JP 24437795 A JP24437795 A JP 24437795A JP 2873439 B2 JP2873439 B2 JP 2873439B2
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  • Machine Tool Sensing Apparatuses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】この発明は、プリント基板の穴明け
装置及びその穴明け装置を用いた穴明け方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、回路基板の製作には、1枚の大面
積の基板に多数の回路パターンを印刷した後に各回路パ
ターン毎に切断・分離して多数の回路基板を得る方法が
行われている。この切断に際しては、基板に少なくとも
1対のガイド穴を設け、このガイド穴を加工装置に設け
られたガイドピンに挿着するなどして位置決めし、順次
切断することが行なわれている。したがってガイド穴は
切断位置を決める基礎になるもので、正確な位置に穴明
けすることが要求されている。
【0003】このような穴明けをするための穴明け装置
として、回路パターンを印刷する際に予め1対の穴明け
位置にマークを付しておき、このマークを穴明け装置に
設けられたTVカメラやX線カメラなどの撮像手段によ
って撮像し、これを画像処理してその結果求められた位
置にドリルなどの穴明け手段を移動させて穴明けするも
のが用いられている。特開平3−277411号に開示
されているように、1対の撮像手段及び1対の穴明け手
段を有し同時に1対の穴を明けられるようにした装置が
ある。これは、様々なサイズのプリント基板の穴明けを
行い得るように、一方の撮像手段及び穴明け手段を移動
可能に設けてある。そして、両撮像手段間の初期位置に
おける間隔は予めわかっているので、明けるべき穴の間
隔に合わせて数値制御により可動側の撮像手段及び穴明
け手段を移動した後、両撮像手段により両識別用マーク
をそれぞれ撮像し、画像処理により両識別用マークの中
心位置を求め、この中心位置に両穴明け手段により穴明
けするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成による
と、プリント基板のサイズに合わせて数値制御により撮
像手段及び穴明け手段を移動させているが、具体的に
は、明けるべき穴の間隔から初期状態における両撮像手
段間の間隔を引いた量だけ移動させている。しかし、初
期状態における両撮像手段間の間隔が不正確であると穴
明け精度が悪くなる。機械を使用する環境(温度、湿度
など)により、経時的に機械的な誤差を生じた場合にも
穴明け精度が悪くなる。
【0005】また、初期状態から穴明けすべき位置まで
可動側の撮像手段及び穴明け手段を移動させるためにボ
ールネジを用いる場合があるが、ボールネジの精度が不
十分なのでリニアスケールを用いて移動量を確認し、誤
差がある場合には修正するようにしている。このリニア
スケールが高価であり、コスト高の要因となっている。
【0006】そこで本発明の目的は、高価なリニアスケ
ールを必要とせず、経時的な誤差にも対応して精度よく
穴明けできるプリント基板の穴明け装置及び穴明け方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るプリント基板の穴明け装置は、1対
の識別用マークが設けられたプリント基板を載置する作
業テーブルと、識別用マークをそれぞれ撮像するように
固定側と可動側とに設けてある撮像手段と、識別用マー
クの撮像結果に基づいて作業テーブル上のプリント基板
に穴明けするように固定側と可動側とに設けてある穴明
け手段と、固定側の撮像手段及び穴明け手段の位置を調
整する第1の移動手段と、固定側の撮像手段及び穴明け
手段に対し、可動側の撮像手段及び穴明け手段を一体的
に接近、離反させる第2の移動手段と、撮像手段の位置
確認用の複数の孔部が予め定められた間隔で設けられて
おり、作業テーブル上に配設される治具板とを有し、
数の孔部は、少なくとも一つ固定側の撮像手段と対向
可能であり、その他第2の移動手段によって可動側の
撮像手段が固定側の撮像手段に対して接近、離反する方
向に沿って配列してあることを特徴とする。
【0008】複数の孔部は、各々が上記1対の識別用マ
ークの配置方向と直角の方向に設けられた1対の小孔か
らなっていることが好ましい。
【0009】この治具板は作業テーブルに着脱可能であ
ことが好ましい。
【0010】そして、治具板はプリント基板と同材質か
らなることが好ましい。
【0011】また、本発明に係る穴明け方法は、プリン
ト基板に穴明けすべき穴の間隔に応じて可動側の撮像手
段及び穴明け手段を第2の移動手段により移動させ、複
数の孔部のうち両撮像手段の近傍に位置するものをそれ
ぞれ撮像し、両撮像手段の画像領域内における各孔部の
中心の位置を画像処理によりそれぞれ求め、各中心位置
と、予め求められている撮像した孔部間の間隔とに基づ
いて、両撮像手段間の間隔を算出し、両識別用マークが
両撮像手段の画像領域内にそれぞれ入るようにプリント
基板を作業テーブル上にセットし、両撮像手段により両
識別用マークを撮像し、画像処理により両識別用マーク
の中心位置を検出し、各識別用マーク中心位置と両撮像
手段間の間隔とに基づいて両識別用マーク間の間隔を求
め、両識別用マーク間の間隔と穴明けすべき穴の間隔と
の誤差を求め、識別用マークの中心位置から誤差分だけ
補正された穴明け位置を設定し、両移動手段により両穴
明け手段を各穴明け位置にそれぞれ移動させた後、プリ
ント基板に穴明けすることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】図1には本発明に係る穴明け装置
の全体構造を示している。作業テーブル1の上方には、
所定の間隔をおいて1対のX線照射手段4が支持してあ
る。まず、このX線照射手段4の構成について説明す
る。X線照射手段4には、照射するX線の通路5を構成
する防護管6が連結してある。防護管6にはX線の通路
5を横切るようにシャッタ7が設けてあり、このシャッ
タは進退駆動されて通路5を開閉する。防護管6の外周
に上下方向のガイド溝8が形成してある。防護管6の下
方には、通路5に連通するX線の通路9を有する保護筒
10が作業テーブル1に対して近接及び離反可能に設け
てある。保護筒10は、防護管6の外周に嵌合する筒体
13の下端に固着してある。筒体13の一部に、ガイド
溝8を摺動可能なガイド14が設けてある。保護筒10
の周囲にはシリンダ11により上下可能な遮蔽部材12
が設けられている。この遮蔽部材12は、鉛含有の合成
樹脂シートを用い、裾の部分に適当な間隔で縦の切れ目
を入れたものを2枚並設して設けてあり、その内部に、
X線遮断効果を上げる金属性の鎖が設けられている。X
線を照射する際には、裾の部分がテーブル上のワークに
当って、内側を密閉することによりX線が周囲に漏洩し
ないように遮蔽可能である。
【0013】このような構成のX線照射手段のうち、図
面左側に設けてあるのが固定側X線照射手段4aであ
り、右側に設けてあるのが可動側X線照射手段4bであ
る。可動側X線照射手段4bにはナット15が設けてあ
り、このナット15は、モータ16により回転されるリ
ードスクリュー17に螺合している。また、可動側X線
照射手段4bには、レール18上を摺動するスライダ1
9が設けてある。従って、モータ16の作動により、可
動側X線照射手段2bは図面左右方向に移動可能であ
る。
【0014】図2,3には作業テーブル1より下方が示
してある。X線の照射を受けるワークの透過像を撮像す
る1対の撮像手段2と、1対の穴明け手段3と、1対の
移動手段20とが配設してある。まず、撮像手段2及び
穴明け手段3について説明する。Yテーブル21上に
は、支持板39が立設し、この支持板39には、連結板
40及び筒部材41を介して撮像手段であるX線カメラ
2が保持されている。X線カメラ2には、画像処理装置
や中央処理装置などが接続されており、ワークの透過像
の撮像を画像処理した結果に基づいて後述の移動手段2
0等の動作が制御される。支持板39の片面には1対の
レール42が取り付けてある。そして、穴明け手段3を
保持する保持フレーム44にレールガイド44aが設け
てあり、このレールガイド44aがレール42に摺動自
在に嵌合している。穴明け手段3は、エアスピンドル4
3aと、その上端に固着してあるコレットチャック43
bと、コレットチャック43bに保持されるドリル43
cなどの穿孔部材とを有している。エアスピンドル43
aの駆動によりドリル43cが回転し、プリント基板を
穴明けするものである。穴明け手段3の上端には切屑カ
バー45が取り付けてある。
【0015】次に、図3を参照しこの穴明け手段3を上
下方向(z方向)に駆動する駆動機構46について以下
に説明する。支持板39には取り付け部材47を介し
て、z方向に延びるリードスクリュー48が回転自在に
取付けてある。このリードスクリュー48にはナット4
9が螺合し、さらにこのナットは、ナットホルダ50を
介して前述の保持フレーム44に固着されている。リー
ドスクリュー48の上端はベルト車51に連結されてい
る。また、取付け部材47にはモータ52が保持されて
おり、モータ52の駆動軸がベルト車53に連結されて
いる。ベルト車51,53にはベルト54が掛け回され
ている。従って、モータ52の駆動によりベルト車53
が回転すると、ベルト53を介してベルト車51に回転
が伝達され、それによってリードスクリュー48が回転
する。すると、ナット49と一体的にナットホルダ50
及び保持フレーム44がZ方向に移動し、この保持フレ
ームに保持されている穴明け手段3が上下動する。
【0016】このような構成の撮像手段2及び穴明け手
段3のうち、図面左側に設けてあるのが固定側撮像手段
2a及び固定側穴明け手段3aであり、右側に設けてあ
るのが可動側撮像手段2b及び可動側穴明け手段3bで
ある。
【0017】移動手段20は、作業テーブル1の下方に
位置する撮像手段2及び穴明け手段3を作業位置へ移動
させるもので、固定側撮像手段2a及び穴明け手段3a
を移動させる第1の移動手段20aと可動側撮像手段2
b及び穴明け手段3bを移動させる第2の移動手段20
bとからなり、両者は図1,2の左右方向(X方向)の
移動距離が異なる以外は殆ど同じ構成であり、以下の説
明では同一構成の部分には同一の符号を付している。
【0018】図1,2の左右方向(X方向)には、第
1,第2の移動手段20a,20bに共通に用いられる
1対のレール29が設けてある。このレール29には、
X方向に摺動可能なスライダ22が取付けてあり、さら
にこれらスライダ22上にXテーブル23が取り付けて
ある。固定側のXテーブル23aには、モータ25aに
連結された短リードスクリュー26aに螺合するナット
24aが固着されている。可動側のXテーブル23bに
は、ローラ33及びプーリ34によりT字型に掛け回さ
れているタイミングベルト35を介してモータ25bに
連結された1対の長リードスクリュー26bに螺合する
1対のナット24bが固着されている。従って、モータ
25の駆動によりリードスクリュー26が回転すると、
ナット24と一体的にXテーブル23はX方向に移動す
る。なお、固定側Xテーブル23aの移動範囲は小さ
く、可動側Xテーブル23bの移動範囲は大きい。
【0019】Xテーブル23上には、図2上下方向(Y
方向)に延びるレール27が固着されている。このレー
ル27上に、スライダ28が摺動可能に嵌合されてい
る。スライダ28上にはYテーブル21が固着されてい
る。Yテーブル21の下面には、ナット32が固着して
ある。そして、Xテーブル23上にはモータ30が固着
され、このモータの駆動軸と連結されたリードスクリュ
ー31が回転自在に配設されている。そしてこのリード
スクリュー31には、前述のナット32が螺合してい
る。従って、モータ30の駆動によりリードスクリュー
31が回転すると、ナット32と一体的にYテーブル2
1はY方向に移動する。
【0020】図1,4に示すように、作業テーブル1に
は、固定側撮像手段2a又は穴明け手段3aと対向する
位置に貫通孔60が設けられ、可動側Xテーブル23b
の移動に伴って可動側撮像手段2b又は穴明け手段3b
の移動範囲に対向的にX方向に延びる長穴63が穿設さ
れている。作業テーブル1には、この貫通孔60及び長
穴63を覆う大きさの治具板61が配設されている。図
5に示す治具板61は、穴明けすべきプリント基板と同
じ材質からなり、段部1a(図1参照)に嵌合するとと
もに止めネジ61aにて固定されている。治具板61に
は、貫通孔60と対向し貫通孔60よりも小径の貫通孔
61bと、長穴63と対向し長穴63よりも小幅の長穴
61cとが設けてあるとともに、貫通孔61bの上下に
設けられた座ぐり部61dにそれぞれ小径の孔部62が
穿設され、長穴61cの上下にも一定間隔で座ぐり部6
1d及び孔部62が穿設されている。貫通孔61b及び
長穴61cはドリル43cが貫通してプリント基板に穴
明けするための孔であり、孔部62は両撮像手段2の位
置確認のためのもので、各孔部62間の間隔は予め判っ
ている。
【0021】次に本発明によってプリント基板に穴明け
する方法について説明する。この実施例では穴明けの対
象となるプリント基板は、回路パターンや穴明けのため
の識別用マークが露出してない多層基板である。識別用
マークはプリント基板の左右両側に対称的に設けてあ
る。
【0022】本発明では、穴明けに先立って両撮像手段
2間の間隔を確認するところに特徴がある。両撮像手段
2は、製造時の誤差などにより位置が不正確になってい
たり、移動手段(特に第2の移動手段のX方向)の誤差
により初期位置から穴明け位置に移動するときに位置ず
れを生じる可能性がある。そこでこれらを補正して正確
な穴明けを行うようにしている。
【0023】予めプリント基板に穿設すべき穴(本実施
例では2個)の間隔Lを入力しておき、それに応じて第
2の移動手段20bにより可動側撮像手段2b及び穴明
け手段3bが移動される。しかしこのとき、可動側撮像
手段2b及び穴明け手段3bの初期位置のずれや、第2
の移動手段20bの誤差や、可動側撮像手段2b及び穴
明け手段3bの取付位置の誤差などにより、可動側撮像
手段2b及び穴明け手段3bが固定側撮像手段2a及び
穴明け手段3aから正確にLだけ離れた位置にない場合
がある。
【0024】そこで、プリント基板を載置する前に、両
X線照射手段4からX線を作業テーブル1に向けて照射
し、両X線照射手段4のそれぞれの近傍に位置する孔部
62のX線透過像を、両撮像手段(X線カメラ)2a,
2bにて撮像し、これを画像処理して、各孔部62の中
心位置をそれぞれ求める。ここでは、図6において、
定側及び可動側の撮像手段2a,2bとも治具板61に
設けられている長穴61c部の上下に位置する1対の小
孔を用いて間隔を確認する場合について説明する。固定
側の撮像手段2aによって撮像された孔部を62a,6
2bとし、可動側の撮像手段2bによって撮像された孔
部を62c,62dとして示している。そこで、例え
ば、長穴61cの上部に位置する孔部62aの中心と固
定側撮像手段2aの中心2a’との位置の差を求めると
ともに、長穴61cの上部に位置する孔部62cの中心
と固定側撮像手段2bの中心2b’との位置の差を求め
る。ここで、治具板61において孔部62aと孔部62
cとの間の間隔L1は予め判っているので、このL1を
もとに、孔部62aと撮像手段中心2a’との位置ずれ
量及び孔部62cと撮像手段中心2b’との位置ずれ量
を考慮すると、両撮像手段2a,2b間の間隔L2が算
出できる。精度がよく誤差が生じていなければ、LとL
2とが一致し、特に補正を必要とせずプリント基板の穴
明け作業が行えるが、LとL2との間に誤差がある場合
は撮像手段の位置が所望の位置からずれていることが判
る。
【0025】そこで、作業テーブル1上にプリント基板
をセットし、両撮像手段2によって両識別用マークM
1,M2を撮像し、これを画像処理してそれぞれの中心
位置を求める。図7に示すように、識別用マークM1の
中心と固定側撮像手段2aの中心2a’との位置の差を
求めるとともに、識別用マークM2の中心と可動側撮像
手段2bの中心2b’との位置の差を求める。ここで、
両撮像手段間の間隔L2は前工程で求められているた
め、識別用マークM1,M2間の正確な間隔L3を算出
することができる。本来は、識別用マークM1,M2間
の間隔L3が所望の穴間の間隔Lと一致するように形成
されるが、プリント基板の製造誤差や熱変形等よりL3
がLと一致していない可能性がある。その場合、識別用
マークの位置に正確に穴明けしてしまうと、穴間の間隔
が狂ってしまい、後工程(プレス抜き等)において治具
の位置決めピンに全穴を嵌合させることができずプリン
ト基板を治具に取り付けられないというような不具合が
生じる。そこで本発明では、識別用マークの位置を修正
して、正確にLの間隔に穴明けするようにしている。具
体的には、L3とLとの差(L3−L)を左右に半分ず
つ振り分けて、識別用マークM1,M2からそれぞれ
(L3−L)/2だけずらした位置を穴明け位置P1,
P2と設定する。もちろん、穴明け位置P1,P2間の
間隔は正確にLである。なお、この実施例では貫通孔及
び長穴の両側に1対の孔部の組が多数配列されているの
で、上下方向の修正も可能である。すなわち、孔部62
aと62bとを結ぶ直線Y1(及び孔部62cと62d
とを結ぶ直線Y2)が画面の縦軸(Y軸)と平行になっ
ていなければ、移動手段20に対する撮像手段及び穴明
け手段の取付精度が悪くぶれが生じていることが考えら
れるため、上記直線と縦軸との平行度のずれを補正デー
タとして記憶し、識別用マークの画像処理や穴明け位置
の設定の際にこのずれ分だけ補正するようにすると、よ
り高精度な穴明けができる。
【0026】そこで両移動手段20a,20bを作動さ
せ、穴明け位置P1,P2に両ドリル43cをそれぞれ
位置させて、エアスピンドル43aを作動させて穴明け
する。この時、固定側のドリル43cは孔部60を貫通
し、可動側のドリル43cは長穴63を貫通して、プリ
ント基板の穴明けが行われる。
【0027】なお、本実施例のように、穴明け位置を設
定する際に、前記実施例の通り両識別用マークの誤差の
2等分値を両識別用マークにそれぞれ振り分けて穴明け
することが望ましいが、誤差の振り分け方法はこれに限
られるものではない。
【0028】また、移動手段により可動側撮像手段及び
穴明け手段を動かす度に、両撮像手段間の正確な間隔を
求める作業を行うことが望ましい。治具板の経時的な変
形等が考えられる場合には、治具板を作業テーブルから
取り外して各孔部間の間隔を測定することにより、常に
正確な計算が行える。ただし、治具板をプリント基板と
同じ材質とする場合には、温度変化等によって両者は同
じように変形するので、治具板の変形を無視して計算す
ることができる。
【0029】孔部62の位置及び大きさに関しては、可
動側撮像手段2bを任意の位置に動かしても常にいずれ
かの孔部62が撮像手段の画像領域内に含まれるように
配設することが望ましい。
【0030】本実施例では、穴明けするプリント基板を
多層基板とし、表面に露出してない位置決め用マークを
撮像するために、撮像手段としてX線カメラを採用して
いるが、多層基板ではなく、位置決め用マークが露出し
ているプリント基板に穴明けするだけのものであれば、
通常のTVカメラでよい。通常のTVカメラを採用する
ものでは、高価なX線発生装置や危険防止対策も不要と
なるので、コスト面で有利なものとなる。また、穴明け
手段としてドリルを採用しているが、これはパンチなど
他の手段に代替可能である。
【0031】図8には治具板の他の実施例を示してい
る。この治具板65は、孔部65bが長手方向に沿って
1列に並んでおり、前記実施例の治具板61の代わりに
代えて止めネジ65aによって作業テーブル1上に固定
される。各孔部65b間の間隔は既知であり、前記実施
例と同様に、この孔部65bのうちの2個を撮像手段2
a,2bで撮像し画像処理することにより両撮像手段2
a,2b間の正確な間隔を知ることができる。そして、
穴明け時にはドリル43cが孔部65bを貫通してプリ
ント基板に穴明けする。この実施例の場合、プリント基
板には孔部65bの対向位置にしか穴明けを行うことが
できないが、治具板の構成が簡単で容易に製造できる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、プリント基板の穴明け
前に、その穴明け間隔について複数種類の間隔に対応可
能な複数の孔部が設けられている治具板を用いて両撮像
手段間の間隔が正確に求められるので、これに基づいて
識別用マーク間の正確な間隔が算出でき、極めて正確な
穴明けが可能で、プリント基板の品質を向上させること
ができる。さらに、複数の孔部は、各々が1対の識別用
マークの配置方向と直角方向に設けられた1対の小孔か
らなっているようにすれば、移動手段に対する撮像手段
及び穴明け手段の取付精度のぶれを補正してより高精度
な穴明けをすることも可能である。治具板を着脱可能と
すると、治具板に変形等を生じた場合にも対応できる。
また、治具板をプリント基板と同材質で形成すると、温
度や湿度等により治具板が変形する時にはプリント基板
も同様に変形するため変形による誤差を無視できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る穴明け装置の正面断面図である。
【図2】上記穴明け装置の作業テーブルより下方の一部
切欠平面図である。
【図3】上記穴明け装置の作業テーブルより下方の一部
切欠側面図である。
【図4】上記穴明け装置の作業テーブルの平面図であ
る。
【図5】上記穴明け装置の治具板の平面図及び側面断面
図である。
【図6】本発明に係る穴明け方法における撮像手段間の
間隔算出を説明する説明図である。
【図7】本発明に係る穴明け方法における穴明け位置設
定を説明する説明図である。
【図8】治具板の他の実施例の平面図及び側面断面図で
ある。
【符号の説明】
1 作業テーブル 2,2a,2b 撮像手段(X線カメラ) 3,3a,3b 穴明け手段 20a 第1の移動手段 20b 第2の移動手段 62,65 孔部 M1,M2 識別用マーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B26D 5/30 H05K 3/00 K H05K 3/00 B26D 7/01 D (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B26F 1/16 B23B 35/00,41/00 B26D 5/30 B26B 29/08 B23Q 17/24 H05K 3/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対の識別用マークが設けられたプリン
    ト基板を載置する作業テーブルと、 上記識別用マークをそれぞれ撮像するように固定側と可
    動側とに設けてある撮像手段と、 上記識別用マークの撮像結果に基づいて上記作業テーブ
    ル上の上記プリント基板に穴明けするように固定側と可
    動側とに設けてある穴明け手段と、 固定側の上記撮像手段及び上記穴明け手段の位置を調整
    する第1の移動手段と、 固定側の上記撮像手段及び上記穴明け手段に対し可動側
    の上記撮像手段及び上記穴明け手段を一体的に接近、離
    反させる第2の移動手段と、上記撮像手段の位置確認用の複数の孔部が予め定められ
    た間隔で設けられており、 上記作業テーブル上に配設さ
    れる治具板とを有し、 上記複数の孔部は、少なくとも1つ固定側の上記撮像
    手段と対向可能であり、その他上記第2の移動手段に
    よって可動側の上記撮像手段が固定側の上記撮像手段に
    対して接近、離反する方向に沿って複数個配列してある
    ことを特徴とするプリント基板の穴明け装置。
  2. 【請求項2】 上記複数の孔部は、各々が上記1対の識
    別用マークの配置方向と直角の方向に設けられた1対の
    小孔からなっていることを特徴とする請求項1に記載の
    プリント基板の穴明け装置。
  3. 【請求項3】 上記治具板は上記作業テーブルに着脱可
    能であることを特徴とする請求項1に記載のプリント基
    板の穴明け装置。
  4. 【請求項4】 上記治具板は上記プリント基板と同材質
    からなることを特徴とする請求項1または2に記載のプ
    リント基板の穴明け装置。
  5. 【請求項5】 上記プリント基板に穴明けすべき穴の間
    隔に応じて可動側の上記撮像手段及び上記穴明け手段を
    上記第2の移動手段により移動させ、上記複数の孔部の
    うち上記両撮像手段の近傍に位置するものをそれぞれ撮
    像し、上記両撮像手段の画像領域内における上記各孔部
    の中心位置を画像処理によりそれぞれ求め、 上記各孔部中心位置と、予め求められている上記撮像し
    た孔部間の間隔とに基づいて、上記両撮像手段間の間隔
    を算出し、 上記両識別用マークが上記両撮像手段の画像領域内にそ
    れぞれ入るように上記プリント基板を上記作業テーブル
    上にセットし、 上記両撮像手段により上記両識別用マークを撮像し、画
    像処理により上記両識別用マークの中心位置を検出し、 上記各識別用マーク中心位置と上記両撮像手段間の間隔
    とに基づいて上記両識別用マーク間の間隔を求め、上記
    両識別用マーク間の間隔と穴明けすべき穴の間隔との誤
    差を求め、上記識別用マークの中心位置から上記誤差分
    だけ補正された穴明け位置を設定し、 上記両移動手段により上記両穴明け手段を上記各穴明け
    位置にそれぞれ移動させた後、上記プリント基板に穴明
    けすることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載
    のプリント基板の穴明け装置を用いた穴明け方法。
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