JP2863585B2 - 繊維用撥水剤 - Google Patents

繊維用撥水剤

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JP2863585B2 JP2044017A JP4401790A JP2863585B2 JP 2863585 B2 JP2863585 B2 JP 2863585B2 JP 2044017 A JP2044017 A JP 2044017A JP 4401790 A JP4401790 A JP 4401790A JP 2863585 B2 JP2863585 B2 JP 2863585B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は非縮合反応性オルガノシロキサンオリゴマー
の含有量を低減したオルガノポリシロキサンを主剤とす
る繊維用撥水剤に関するものである。
[従来の技術] 従来、分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたオルガ
ノポリシロキサンはその単独、あるいはオルガノハイド
ロジェンポリシロキサンや縮合用触媒との併用で、ガラ
ス長繊維織物,石綿,ロツクウール,ガラス短繊維積層
物等の産業用や、オシメカバー,レインコート,カサ
地,スノーウエア等の衣料用に撥水性を付与するため広
く使用されてきた。特に、無機繊維であるガラス繊維,
ロックウール,石綿等の表面にはシラノール基が存在す
るため高温での焼付けで、シラノール基を有するオルガ
ノポリシロキサンと化学的に縮合し、耐久性のある撥水
性が得られるため、現在でもこれらの撥水剤はシラノー
ル基を有するオルガノポリシロキサンが主流をなしてい
る。また、衣料用においても、シラノール基を有するオ
ルガノポリシロキサンを主剤とする処理剤は撥水性以外
に、繊維に柔軟性,優れた風合,通気性,透湿性を付与
するため、多くの用途で幅広く使用されている。
しかし、特にガラス繊維等の無機繊維に撥水性を付与
する際、通常、250〜290℃で10〜20分間という高温、長
時間の加熱処理を行なっている。衣料用としての有機繊
維においても、生産性を上げるため加熱処理時間は短い
が、加熱装置は常に150℃〜190℃という高温に保持され
ている。
このように、産業用や衣料用としての無機繊維および
有機繊維を処理する加熱装置は、常に高温に保持されて
いるため、この加熱処理の際オルガノポリシロキサン中
に含まれる環状または鎖状の非縮合反応性オルガノシロ
キサンオリゴマーが蒸発し、その油状物が加熱装置内の
天井等に付着し、凝集し、滴下するため爆発や火災の危
険性があると同時に、オイルスポットとなって繊維製品
を汚し、また、蒸発した非縮合反応性オルガノシロキサ
ンオリゴマーがしだいに熱分解して、最終的には二酸化
けい素の粉末となって飛散して繊維製品に付着して、そ
れを汚してしまうという欠点があった。この原因は従来
使用されてきたオルガノポリシロキサンが、例えば、環
状のジオルガノシロキサンオリゴマーを酸触媒またはア
ルカリ触媒の存在下で平衡重合したものを減圧下で軽く
ストリッピングして製造するために、通常、けい素原子
数が20以下の非縮合反応性オルガノシロキサンオリゴマ
ーが10000〜40000ppm存在するためである。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は、上記した欠点を解消することを目的とし、
高温で使用しても、爆発や火災の危険性がなく、油状揮
発物や二酸化けい素粉末の発生のない繊維用撥水剤を提
供するものである。
[問題点を解決するための手段とその作用] 上記した目的は、ケイ素原子数20以下の非縮合反応性
オルガノシロキサンオリゴマーの含有量が1000ppm以下
であり、分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたオルガ
ノポリシロキサンを主剤とする繊維用撥水剤により達成
される。
これを説明するに、本発明の繊維用撥水剤の主剤とし
て使用される分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたオ
ルガノポリシロキサンは、けい素原子数20以下の非縮合
反応性オルガノシロキサンオリゴマーの含有量が1000pp
m以下である必要がある。これは20以下の非縮合反応性
オルガノシロキサンオリゴマーの含有量が1000ppmより
も多いと、加熱装置内で非縮合反応性オルガノシロキサ
ンオリゴマーが蒸発し、その油状物が落下して繊維製品
を汚したり、さらには、非縮合反応性オルガノシロキサ
ンオリゴマーが熱分解して、二酸化けい素粉末となり、
これが繊維製品に付着して汚れの原因となるためであ
る。なお、ケイ素原子数20以下の非縮合反応性オルガノ
シロキサンオリゴマーの含有量が500ppm以下であること
が好ましく、より好ましくは200ppm以下である。
本発明に使用されるオルガノポリシロキサンは好まし
くは直鎖状であるが一部分岐鎖状でもよく、その分子鎖
末端がシラノール基で封鎖されたものであり、25℃にお
ける粘度には特に制限はないが、一般には50〜200000セ
ンチストークス、特に好ましいのは100〜20000センチス
トークスである。
オルガノポリシロキサンのけい素原子に結合する有機
基としては、メチル基,エチル基,ブチル基,ヘキシル
基,オクチル基などのアルキル基,ビニル基,アリル
基,ヘキセニル基などのアルケニル基,フェニル基など
のアリール基,3,3,3−トリフルオロプロピル基のような
置換炭化水素基が例示される。好ましくはメチル基であ
る。一般にジメチルポリシロキサン,ジメチルシロキサ
ン・メチルエチルシロキサンコポリマー,ジメチルシロ
キサン・メチルビニルシロキサンコポリマー,ジメチル
シロキサン・メチルフェニルシロキサンコポリマーが例
示されるが、このうちジメチルポリシロキサンが最も好
ましい。したがって、非縮合反応性オルガノシロキサン
オリゴマーはけい素原子数20以下の環状ジメチルシロキ
サンもしくは直鎖状の縮合反応性基を有しないジメチル
シロキサンが主体であり、主剤のオルガノポリシロキサ
ンに対応してメチル基の替わりにエチル基,ビニル基も
しくはフェニル基等が少量結合しているものを含む。
本発明に使用される非縮合反応性オルガノシロキサン
オリゴマー含有量が1000ppm以下のオルガノポリシロキ
サンは、平衡重合後軽くストリッピングすることにより
製造した、通常けい素原子数20以下の非縮合反応性オル
ガノシロキサンオリゴマーを10000〜40000ppm含有する
オルガノポリシロキサンをさらに高温、高真空処理する
ことにより、例えば270〜350℃、0.1〜15mmHgの条件で
薄膜蒸発機により非縮合反応性オルガノシロキサンオリ
ゴマー分を除去したり、またメタノール,エタノール,n
−ブタノール,i−プロパノールのようなアルコール,ア
セトン,メチルエチルケトンのようなケトンまたはヘキ
サン,ベンゼン,トルエン,キシレン等の各種有機溶剤
またはこれらの混合物により非縮合反応性オルガノシロ
キサンオリゴマー分を抽出除去したりする方法、また
は、これらの組み合せによる方法等により得ることがで
きる。好ましくは薄膜蒸発機によるか有機溶媒抽出によ
る方法であるが、非縮合反応性オルガノシロキサンオリ
ゴマーを極力低減したい場合は薄膜蒸発機と有機溶媒抽
出とを併用すればよい。
本発明の繊維用撥水剤は、ガラス繊維,石綿,ロック
ウール等の無機繊維を処理する場合はオルガノポリシロ
キサン単独で使用してもよい。また、オルガノハイドロ
ジェンポリシロキサン,シランカップリング剤,縮合反
応用触媒等を追加配合して組成物にしてもよい。いずれ
の場合もトルエン,キシレン,ヘキサン,ヘプタン,ゴ
ム揮発油,パークロルエチレン,1,1,1−トリクロルエタ
ンのような有機溶媒と併用してもよい。またエマルジョ
ンとして用いてもよく、例えばポリオキシアルキレンア
ルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェ
ノールエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエス
テル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシア
ルキレンソルビタンアルキルエステル類のような非イオ
ン系界面活性剤;脂肪族アミン塩類、第4級アンモニウ
ム塩類、アルキルピリジウム塩類のようなカチオン系界
面活性剤の1種または2種以上あるいはポリビニルアル
コール類と水を使用して常法により乳化させてもよい。
撥水性を向上させる場合は架橋剤としてのオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンを併用するとよい。この、オ
ルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は分子鎖
末端がシラノール基で封鎖されたオルガノポリシロキサ
ン100重量部に対し一般に0.2〜20重量部であるが、好ま
しくは0.5〜15重量部である。オルガノハイドロジェン
ポリシロキサンは1分子中に少なくとも2個のけい素原
子結合の水素原子を有する直鎖状,分岐鎖状もしくは環
状のものである。好ましくは重合度4〜50の直鎖状もし
くは環状のメチルハイドロジェンポリシロキサン,ジメ
チルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポ
リマー,メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジ
ェンシロキサンコポリマーが使用される。これ以外に両
末端のけい素原子に水素原子が結合したジオルガノポリ
シロキサンやけい素原子結合の水素原子を有するオルガ
ノポリシロキサンレジンも含まれる。
さらに、本発明の繊維用撥水剤には繊維製品の強度を
向上し、繊維製品の撥水性に耐久性(効果の持続性)を
付与するために、シランカップリング剤を配合すること
ができる。この配合量は主剤のオルガノポリシロキサン
100重量部に対し、一般に0.1〜10重量部であるが、好ま
しくは、0.5〜5重量部である。
本発明に使用されるシランカップリング剤の具体例と
しては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン,γ−
アミノプロピルメチルジエトキシシラン,γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン,β−(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン,γ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン,γ−メタク
リロキシプロピルエチルジエトキシシラン,γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシランがある。
さらに、本発明の撥水剤には分子鎖末端がシラノール
基で封鎖されたオルガノポリシロキサンとメチルハイド
ロジェンポリシロキサンあるいはシランカップリング剤
との縮合反応を促進し、硬化を強固にするために縮合反
応用触媒を添加することができる。この添加量は主剤の
オルガノポリシロキサン100重量部に対し、一般に0.05
〜10重量部であるが、好ましくは0.1〜5重量部であ
る。このような縮合反応用触媒としては、例えば、ジブ
チル錫ジアセテート,ジブチル錫ジラウレート,ジオク
チル錫ジラウレート,ジブチル錫ジオクテート,ナフテ
ン酸亜鉛,ナフテン酸コバルト,オクチル酸亜鉛,オク
チル酸錫,オクチル酸コバルト,ジオクチル酸ジイソオ
クチルメルカプトアセテート,ナフテン酸ジルコニウ
ム,オクチル酸ジルコニウム,テトラブチルオルソチタ
ネート等の有機金属触媒、ジエタノールアミン,トリエ
タノールアミン等の有機けい素化合物を含まないアミン
系触媒が挙げられる。
本発明の繊維用撥水剤には上記した以外に必要に応じ
て両末端トリオルガノシリル基封鎖のシリコーンオイ
ル,顔料,染料,防黴剤,熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂
等を添加してもよい。
撥水処理する繊維構造物としては織物,編物,不織
布,積層物,フェルト,フィラメント,トウ,ステープ
ル,スライバー等いかなる形態をとってもよく、その素
材としてはガラス繊維,石綿,ロックウール,炭化けい
素繊維等の無機繊維,綿,麻,羊毛,絹,レーヨン,ア
セテート,ナイロン,ポリエステル,アクリル,塩化ビ
ニル,ポリエチレン,ポリプロピレン,スパンデックス
等の有機繊維がある。本発明の繊維用撥水剤は、特に、
ドーム状屋根材に使用されるガラス長繊維織物や建築用
断熱材として使用されるグラスウール積層物等の撥水剤
として好適である。
本発明の繊維用撥水剤は通常、溶媒に溶解するか、エ
マルジョンの形で使用され、繊維製品にスプレー,ロー
ラ,浸漬等により、繊維製品に対し一般にシリコーン分
として0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%にな
るように均一に付着させた後、溶媒や水を蒸発させてか
ら、150℃〜290℃で1〜20分間加熱処理することによっ
て良好な撥水性を有する繊維製品を得ることができる。
[実施例] 次に、本発明を実施例によって説明する。実施例中に
部とあるのは重量部を、%とあるのは重量%を意味し、
粘度は25℃における値である。
実施例1 次の分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジメチ
ルポリシロキサンオイル3種(サンプルA,BおよびC)
を使用した。なお、非縮合反応性ジメチルシロキサンオ
リゴマー含有量はガスクロマトグラフにより測定した。
サンプルA(本発明) けい素原子数20以下の非縮合反応性ジメチルシロキサ
ンオリゴマーを23550ppm含有する粘度1990センチストー
クスのジメチルポリシロキサンを、薄膜蒸発機(塔長4.
5m)を用い、温度250℃で0.1〜0.2mmHgの減圧下で2回
通過させ、非縮合反応性ジメチルシロキサンオリゴマー
含有量を38ppmまで減じたもの。
サンプルB(比較例) 薄膜蒸発機による処理なしで、非縮合反応性ジメチル
シロキサンオリゴマーを23550ppm含有する粘度1990セン
チストークスのジメチルポリシロキサン。
サンプルC(比較例) けい素原子数20以下の非縮合反応性ジメチルシロキサ
ンオリゴマーを23550ppm含有する粘度1990センチストー
クスのジメチルポリシロキサンを、薄膜蒸発機(塔長4.
5m)を用い、温度250℃で4〜5mmHgの減圧下で2回通過
させ、非縮合反応性ジメチルシロキサンオリゴマー含有
量を5770ppmまで減じたもの。このようにして準備した
ジメチルポリシロキサンを用い、次のような試験を実施
した。
ヒートクリーニングまたは水系で精練したガラス繊維
織物(平織)を25×25cmの大きさに切断し、サンプルA,
BおよびCの各濃度が1%であるトルエン溶液に10秒間
浸漬後、マングルロールで絞り率100%(シリコーンの
付着量1%)に絞った後、室温で吊下げて乾燥した。次
いで、290℃のオーブン中に吊下げ、18分間加熱処理し
た。その後、JISL−1079のスプレー法に準じて撥水度を
測定した。
また、グラスウールを使用した建物用断熱材を25×25
×5cmの大きさに切断し、その重量当り、サンプルA,Bお
よびCのジメチルポリシロキサンの5%トルエン溶液を
使用して、付着量が各0.5%になるように均一に噴霧し
た。このようにして処理したグラスウール断熱材を各4
枚重ねにして、幅が30cm,奥行き30cm,高さ25cmの大きさ
の内部を清浄にしたミニジェットオーブン(ニクロム線
で加熱)にいれ、200℃で20時間加熱処理した。加熱処
理終了後オーブンの天井およびこのニクロム線であるヒ
ータ表面へのシリカの付着を観察した。
この結果を第1表に示す。撥水性についてはサンプル
A,BおよびCとも差が無かったが、サンプルBではミニ
ジェットオーブンの天井全体が薄く濡れ(汚れ)、ヒー
タ表面にもわずかに白い粉末(オリゴマーが蒸発し、酸
化し、二酸化けい素の白い粉末となったもの。)が付着
していた。サンプルCはオーブンの天井が僅かに汚れ、
白い粉末の付着がかすかに認められた。一方、本発明の
サンプルAは汚れおよび白い粉末の付着とも全く認めら
れず、ガラス繊維用撥水剤として好適であることが証明
された。
実施例2 実施例1で準備したサンプルAおよびBに添加剤を加
えて、次のサンプルを調製した。
サンプルA−1(本発明) サンプルA95部に、分子鎖両末端がトリメチルシリル
基で封鎖された粘度30センチストークスのメチルハイド
ロジェンポリシロキサンを5部添加したもの。
サンプルA−2(本発明) サンプルA95部に、分子鎖両末端がジメチルハイドロ
ジェンシリル基で封鎖された粘度100センチストークス
のジメチルポリシロキサンを5部添加したもの。
サンプルA−3(本発明) サンプルA−1を100部に、式 で示される γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを2部添
加したもの。
サンプルA−4(本発明) サンプルA−1を100部に、式 で示される γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメト
キシシランを2部添加したもの。
サンプルA−5(本発明) サンプルA−1を100部に、ジブチル錫ジラウレート
を1部添加したもの。
サンプルB−1(比較例) サンプルB95部に、分子鎖両末端がトリメチルシリル
基で封鎖された粘度30センチストークスのメチルハイド
ロジェンポリシロキサンを5部添加したもの。
サンプルB−2(比較例) サンプルB−1を100部に、式 で示される γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを2部添
加したもの。
このように準備した各サンプルを、実施例1と全く同
様にして、1%のトルエン溶液でガラス繊維織物を処理
して撥水度を測定し、また、グラスウール断熱材を処理
してミニジェットオーブンで加熱試験を行なった。この
結果を第2表に示す。
本発明の撥水剤はミニジェットオーブンの天井の汚れ
もなく、また、ニクロム線ヒータ上の白粉も全くなく、
撥水度も良好であり、ガラス繊維用撥水剤としていずれ
も好適であった。
実施例3 次の分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジメチ
ルポリシロキサンオイル2種(サンプルDおよびE)を
準備した。なお、非縮合反応性ジメチルシロキサンオリ
ゴマー含有量はガスクロマトグラフにより測定した。
サンプルD(本発明) けい素原子数20以下の非縮合反応性ジメチルシロキサ
ンオリゴマーを22250ppm含有する粘度4153センチストー
クスの分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジメチ
ルポリシロキサン200gと、600mlのエタノールを1の
分液ろ斗に入れ、20分間強く振とうし、その後2時間静
置した。上液のエタノール層を分液し、非縮合反応性オ
ルガノシロキサンオリゴマーを抽出した。この操作を12
回繰り返した後、下層のジメチルポリシロキサンを4口
フラスコに移し、120℃で20〜30mmHgの減圧下でエタノ
ールと微量の水分を除去した。このジメチルポリシロキ
サン中の非縮合反応性ジメチルシロキサンオリゴマーの
含有量は7ppmであった。
サンプルE(比較例) サンプルDに使用した未抽出のジメチルポリシロキサ
ン。粘度4153センチストークスで非縮合反応性ジメチル
シロキサンオリゴマー含有量は22250ppm。
上記サンプルDおよびサンプルEを使用し、下記のよ
うに添加剤を加えた後、シリコーン分が1%になるよう
にトルエンに溶解して撥水剤を調製した。
サンプルD−1(本発明) サンプルDを95部に、分子鎖両末端がトリメチルシリ
ル基で封鎖された粘度30センチストークスのメチルハイ
ドロジェンポリシロキサン5部、ジブチル錫ジラウレー
ト1部を添加したもの。
サンプルD−2(本発明) サンプルD−1を100部に、式H2N(CH22NH(CH23
Si(OCH3で示される γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シランを1部添加したもの。
サンプルE−1(比較例) サンプルEを95部に、分子鎖両末端がトリメチルシリ
ル基で封鎖された粘度30センチストークスのメチルハイ
ドロジェンポリシロキサン5部、ジブチル錫ジラウレー
ト1部を添加したもの。
サンプルE−2(比較例) サンプルE−1を100部に、式H2N(CH22NH(CH23
Si(OCH3で示される γ−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シランを1部添加したもの。
上記したサンプルD−1,D−2,E−1およびE−2の4
種の撥水剤を用い、ポリエステル65%綿35%混紡のレー
ンコート地(25×25cm)を10秒間侵漬後、引上げ、マン
グルローラを用いて絞り率100%(シリコーン付着量1
%)に絞った後、室温で吊下げて乾燥した。次いで、15
0℃のオーブンに入れ、5分間加熱硬化した後、JISL−1
079のスプレー法に準じて撥水度を測定した。
また、上記したサンプル4種とサンプルDおよびサン
プルEを用いて、衣料用撥水剤としての適否を次のよう
に調べた。すなわち、500mlのビーカーに各サンプル100
gを別々に入れ、清浄にした時計皿をかぶせ、200℃のジ
フェニル系シリコーンオイルバスに、ビーカーの底部を
浸漬して24時間放置した。次いで、小さな脱脂綿片をピ
ンセットでつまみ、時計皿の底部をよくふき取った。こ
れを赤外吸収スペクトル分析用の食塩板になすり付け、
この食塩板を赤外線分光分析器にかけて非縮合反応性ジ
メチルシロキサンオリゴマーの検出の有無を行なった。
これらの結果を第3表に示す。各サンプルとも撥水度
は良好であった。また、蒸発試験では本発明のサンプル
D,D−1およびD−2からは全く非縮合反応性ジメチル
シロキサンオリゴマーは検出されなかったが、サンプル
E,E−1およびE−2からは微量の非縮合反応性ジメチ
ルシロキサンオリゴマーが検出され、本発明のものが衣
料用撥水剤として好適であることがわかった。つまり、
非縮合反応性ジメチルシロキサンオリゴマーが少量蒸発
しているということは、例えば撥水処理した織物を連続
生産する場合、何10万メートルという膨大な量になるか
ら、加熱装置の中でかなりの量の非縮合反応性オルガノ
シロキサンオリゴマーが蒸発し、これが加熱装置の中で
凝縮して滴下し、オイルスポットなどの汚れの原因とな
るため、撥水剤として不適である。
実施例4 実施例3で準備したサンプルD90部と、分子鎖両末端
がトリメチルシリル基で封鎖された粘度30センチストー
クスのメチルハイドロジェンポリシロキサン10部を混合
したもの30部に、ポリオキシエチレン(6モル)イナノ
ールエーテル1.5部、ポリオキシエチレン(4モル)ノ
ニルフェノールエーテルの硫酸エステルナトリウム塩0.
5部を加え、撹拌機を用い10分間撹拌した。次いで3部
の水を加えて10分間撹拌後、コロイドミル型乳化機を用
い、20/1000インチの間隔で1回ミリングした。その後
で水65部を加えてエマルジョンを調製した。このエマル
ジョン10部に、50%のジブチル錫ジオクテートを含む錫
系触媒のエマルジョン0.1部と水290部を加え、撹拌して
衣料用のエマルジョン撥水剤を調製した。この撥水剤に
カサ地用のポリエステルフィラメント織物(25×25cmの
大きさ)を浸漬し、引上げてマングルローラで絞り率10
0%(シリコーン付着量1%)に絞った。これを110℃で
5分間乾燥後、180℃で1分間加熱処理した。その後、
実施例1と同様、スプレー法で撥水度を調べた。撥水度
は100であり、良好な撥水剤であった。
[発明の効果] 本発明の繊維用撥水剤は、けい素原子数20以下の非縮
合反応性オルガノシロキサンオリゴマーの含有量が1000
ppm以下であり、分子鎖末端がシラノール基で封鎖され
たオルガノポリシロキサンを主剤としているので、加熱
処理などの高温で使用しても、加熱装置内に油状揮発物
が薄膜状や液滴となって帯留することはなく、また、そ
れの酸化による二酸化けい素粉の発生がないため、火
災,爆発の危険性がなく、繊維製品を汚したりすること
もないという特徴を有する。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】けい素原子数20以下の非縮合反応性オルガ
    ノシロキサンオリゴマーの含有量が1000ppm以下であ
    り、分子鎖末端がシラノール基で封鎖されたオルガノポ
    リシロキサンを主剤とする繊維用撥水剤。
  2. 【請求項2】オルガノハイドロジェンポリシロキサンを
    追加配合した請求項1に記載の繊維用撥水剤。
  3. 【請求項3】シランカップリング剤を追加配合した請求
    項1または2に記載の繊維用撥水剤。
  4. 【請求項4】縮合反応用触媒を追加配合した請求項2ま
    たは3に記載の繊維用撥水剤。
  5. 【請求項5】オルガノポリシロキサンがジメチルポリシ
    ロキサンである請求項1,2,3または4に記載の繊維用撥
    水剤。
  6. 【請求項6】繊維が無機繊維である請求項1,2,3または
    4に記載の繊維用撥水剤。
  7. 【請求項7】繊維が有機繊維である請求項4に記載の繊
    維用撥水剤。
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