JP3145394B2 - オルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法および該エマルジョンにより処理してなる物 - Google Patents
オルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法および該エマルジョンにより処理してなる物Info
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Description
成する非縮合反応性オルガノシロキサンオリゴマーの含
有量を抑制したオルガノポリシロキサンエマルジョンの
製造方法に関する。
ノポリシロキサンはその単独、あるいはオルガノハイド
ロジェンポリシロキサンや縮合用触媒との併用で、ガラ
ス長繊維織物,石綿,ロツクウール,ガラス短繊維積層
物等の産業用や、オシメカバー,レインコート,カサ
地,スノーウエア等の衣料用に撥水性を付与するため広
く使用されてきた。特に、無機繊維であるガラス繊維,
ロックウール,石綿等の表面にはシラノール基が存在す
るため高温での焼付けで、シラノール基を有するオルガ
ノポリシロキサンと化学的に縮合し、耐久性のある撥水
性が得られるため、現在でもこれらの撥水剤はシラノー
ル基を有するオルガノポリシロキサンが主流をなしてい
る。また、衣料用においても、シラノール基を有するオ
ルガノポリシロキサンを主剤とする処理剤は撥水性以外
に、繊維に柔軟性,優れた風合,通気性,透湿性を付与
するため、多くの用途で幅広く使用されている。特に、
繊維分野ではγ−アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ンとの併用により、ポリエステルステープルファイバー
のふとん綿や詰綿用として多量に使用されている。さら
には、タイヤ成型時のブラダー用潤滑剤にも用いられ、
その用途は多岐にわたっている。
する。例えば、ガラス繊維等の無機繊維に撥水性を付与
する際、通常、250〜290℃で10〜20分間という高温、長
時間の加熱処理を行なっている。衣料用としての有機繊
維においても、生産性を上げるため加熱処理時間は短い
が、加熱装置は常に150℃〜190℃という高温に保持され
ている。
有機繊維を処理する加熱装置は、常に高温に保持されて
いるため、この加熱処理の際オルガノポリシロキサン中
に含まれる環状または鎖状の非縮合反応性オルガノシロ
キサンオリゴマーが蒸発し、その油状物が加熱装置内の
天井等に付着し、凝集し、滴下するため爆発や火炎の危
険性があると同時に、オイルスポットとなって繊維製品
を汚し、また、蒸発した非縮合反応性オルガノシロキサ
ンオリゴマーがしだいに熱分解して、最終的には二酸化
ケイ素の粉末となって飛散して繊維製品に付着して、そ
れを汚してしまうという欠点があった。この原因は従来
使用されてきたオルガノポリシロキサンが、例えば、環
状のジオルガノシロキサンオリゴマーを酸触媒またはア
ルカリ触媒の存在下で平衡化重合したものをそのまま用
いるか、減圧下で軽くストリッピングして製造するため
に、未反応物や低重合物が完全に除去されず、通常、ケ
イ素原子数が20以下の非縮合反応性オルガノシロキサン
オリゴマーが10,000〜120,000ppm存在するためである。
れたオルガノポリシロキサンを原料とした乳化重合にお
いても、重合触媒である酸触媒やアルカリ触媒を使用し
た場合、非縮合反応性オルガノシロキサンオリゴマーが
多量に生成することは免れ得ない。
10000センチストークス未満)の分子鎖末端がシラノー
ル基で封鎖されたオルガノポリシロキサンを原料とし、
乳化重合によって、比較的高分子量(25℃における粘度
が好ましくは10000センチストークス以上)のオルガノ
ポリシロキサンを製造する際に副生する非縮合反応性シ
ロキサンオリゴマーの生成量を抑制したオルガノポリシ
ロキサンエマルジョンの製造方法を提供するものであ
る。
℃における粘度が30〜10000センチストークス未満に相
当する値である。)で示され、かつ、ケイ素原子数20以
下の非縮合反応性オルガノシロキサンオリゴマーの含有
量が5000ppm以下であるオルガノポリシロキサン、
(B)重合用触媒(但し、(C)成分に触媒作用を有す
る界面活性剤を使用する場合は(B)成分は不要であ
る。)、(C)界面活性剤および(D)水から成るエマ
ルジョンを、温度40℃以下、重合時間40時間以内の条件
で乳化重合し生成したオルガノポリシロキサン中のケイ
素原子数20以下の非縮合反応性オルガノシロキサンオリ
ゴマーの含有量が1000ppmを越え、かつ、10000ppm以下
であることを特徴とするオルガノポリシロキサンエマル
ジョンの製造方法により解決される。
ラノール基で封鎖されたオルガノポリシロキサンは、乳
化重合の主原料であり、その分子構造は直鎖状であるが
一部分岐鎖状でもよく、分子鎖末端がシラノール基で封
鎖されたものであり、mは25℃における粘度が30〜1000
0センチストークス未満に相当する値のものであるが、
好ましくは50〜1000センチストークスのものであり、特
に好ましいのは50〜300センチストークスである低分子
量のものである。
素原子数20以下の非縮合反応性オルガノシロキサンオリ
ゴマーの含有量は5000ppm以下である必要がある。これ
はケイ素原子数20以下の非縮合反応性オルガノシロキサ
ンオリゴマーの含有量が5000ppmよりも多いと、乳化重
合により非縮合反応性オルガノシロキサンオリゴマーが
増加して、重合完了後の高分子量オルガノポリシロキサ
ンに含まれるケイ素原子数20以下の非縮合反応性オルガ
ノシロキサンオリゴマーが10,000ppmを越える恐れがあ
るからである。したがって、ケイ素原子数20以下の非縮
合反応性オルガノシロキサンオリゴマーの含有量は少な
い程よいが、実際上は1000ppm以下であることが好まし
い。
炭化水素基であり、これにはメチル基,エチル基,ブチ
ル基,ヘキシル基,オクチル基などのアルキル基,ビニ
ル基,アリル基,ヘキセニル基などのアルケニル基,フ
ェニル基などのアリール基,3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基のような置換炭化水素基が例示される。好ましくは
メチル基である。一般にジメチルポリシロキサン,ジメ
チルシロキサン・メチルエチルシロキサンコポリマー,
ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサンコポリマ
ー,ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサンコ
ポリマーが例示されるが、このうちジメチルポリシロキ
サンが最も好ましい。したがって、非縮合反応性オルガ
ノシロキサンオリゴマーはケイ素原子数20以下の環状ジ
メチルシロキサンオリゴマーもしくは直鎖状の縮合反応
性基を有しないジメチルシロキサンオリゴマーが主体で
あり、主剤のオルガノポリシロキサンに対応してメチル
基の替わりにエチル基,ビニル基もしくはフェニル基等
が少量結合しているものを含む。
オリゴマー含有量が5000ppm以下のオルガノポリシロキ
サンは、平衡化重合後軽くストリッピングすることによ
り製造した、通常ケイ素原子数20以下の非縮合反応性オ
ルガノシロキサンオリゴマーを10000〜80000ppm含有す
るオルガノポリシロキサンをさらに高温、高真空処理す
ることにより、例えば200〜250℃、0.1〜5mmHgの条件で
薄膜蒸発機により非縮合反応性オルガノシロキサンオリ
ゴマー分を除去したり、またメタノール,エタノール,n
−ブタノール,i−プロパノールのようなアルコール,ア
セトン,メチルエチルケトンのようなケトンまたはヘキ
サン,ベンゼン,トルエン,キシレン等の各種有機溶剤
またはこれらの混合物により非縮合反応性オルガノシロ
キサンオリゴマー分を抽出除去したりする方法、また
は、これらの組み合せによる方法等により得ることがで
きる。好ましくは薄膜蒸発機によるか有機溶媒抽出によ
る方法であるが、非縮合反応性オルガノシロキサンオリ
ゴマーを極力低減したい場合は薄膜蒸発機と有機溶媒抽
出とを併用すればよい。
り、この重合触媒としては、アニオン系触媒、カチオン
系触媒があり、アニオン系触媒としては、塩酸、硫酸の
ような鉱酸、また、アニオン系界面活性剤でもあるアル
キルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンモノアル
キルエーテルの硫酸エステルおよびアルキルナフチルス
ルホン酸が例示される。またカチオン系触媒としては、
水酸化カリウム、水酸化ナトリウムのようなアルカリ金
属水酸化物、また、カチオン系界面活性剤でもある第4
級アンモニウムヒドロキシドおよびその塩が例示され
る。ただし、第4級アンモニウム塩は、触媒作用が低い
ので、アルカリ金属水酸化物と併用し、活性化させて使
用するとよい。
オン系界面活性剤を使用する場合には、触媒はアニオン
系を使用する。また、カチオン系界面活性剤を使用する
場合の触媒はカチオン系を使用する。
〜20重量部であり、好ましくは0.5〜5重量部の範囲で
ある。但し、(C)成分として、アルキルベンゼンスル
ホン酸等のアニオン系界面活性剤を使用する場合は、そ
れ自身に触媒作用を有するので、(B)成分は必要とし
ない。
ために必要であり、これにはアニオン系界面活性剤、カ
チオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤があ
る。
ルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼ
ンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、セチルベ
ンゼンスルホン酸、ミリスチルベンゼンスルホン酸のよ
うなアルキルベンゼンスルホン酸、 CH3(CH2)6CH2O(C2H4O)2SO3H、 CH3(CH2)8CH2O(C2H4O)8SO3H、 CH3(CH2)19CH2O(C2H4O)4SO3H、 CH3(CH2)8CH2C6H4O(C2H4)2SO3Hのようなポリオキ
シエチレンモノアルキルエーテルの硫酸エステルが例示
される。
アンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニ
ウムヒドロキシド、オクチルジメチルベンジルアンモニ
ウムヒドロキシド、デシルジメチルベンジルアンモニウ
ムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒド
ロキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロ
キシド、牛脂トリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヤ
シ油トリメチルアンモニウムヒドロキシドのような第4
級アンモニウムヒドロキシドおよびこれらの塩が例示さ
れる。
アルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェ
ノールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステ
ル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステ
ル、ポリエチレングライコール、ポリプロピレングライ
コール、ジエチレングライコールが例示される。
カチオン系界面活性剤の組み合わせを除く2種以上使用
してよい。
より異なるが、(A)成分100重量部に対し、(C)成
分は1〜50重量部の範囲であり、好ましくは2〜15重量
部の範囲である。
あり、その添加量は限定するものではないが、通常、
(A)成分100重量部に対し、30〜1000重量部の範囲で
使用される。また、(A)成分であるオルガノシロキサ
ンの濃度が10〜50重量%となるような量で使用されるの
が好ましい。
リシロキサン、(C)成分である界面活性剤および
(D)成分である水を混合し、ホモゲナイザー,コロイ
ドミル,ラインミキサー,ソノレータ等の乳化機を通し
た後、必要であれば更に水を加えて均一に乳化分散さ
せ、その後で、(B)成分である重合用触媒を加える。
その際、(B)成分の説明のところで述べたように、
(C)成分としてアルキルベンゼンスルホン酸等のアニ
オン系界面活性剤を使用した場合には、これがそのまま
重合用触媒となるので、改めて重合用触媒を加える必要
がない。次に、このようにして調製したエマルジョンを
重合するのであるが、その際、重合温度と重合時間が非
常に重要となる。重合温度が50℃を越えると、重合反応
が進むと共に、ケイ素原子数20以下の非縮合反応性オル
ガノシロキサンオリゴマーの副生物が急激に増加するた
め、40℃以下の重合温度を保持して40時間以内に重合さ
せる必要がある。重合温度が40℃を越えたり、重合時間
が40時間を越えると目的とする高重合度のものを得るま
でに、ケイ素原子数20以下の非縮合反応性オルガノシロ
キサンオリゴマーの量が10,000ppmを越えてしまう危険
性があるからである。重合温度は低い程好ましいが、実
際の製造条件を考えると、好ましくは10〜30℃で5〜20
時間であり、より高重合度のものを得るためにはその温
度で20〜40時間重合すればよい。
対して10〜15重量%と極端に少なくしたエマルジョン
(この場合、半透明のゲル状物となるが、重合完了後に
水を加えて希釈すれば普通のエマルジョンとなる。)を
調製するのも1つの方法である。但し、重合反応を促進
するために、触媒量を増加することはケイ素原子数20以
下の非縮合反応性オルガノシロキサンオリゴマーの量を
増加させることになるので好ましくない。
応を停止するには、アニオン系界面活性剤を使用したエ
マルジョンでは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ア
ミン等の塩基性物質で中和すればよい。カチオン系界面
活性剤を使用したエマルジョンでは酢酸,塩酸等の酸性
物質で中和する。
のものが得られる上、オルガノポリシロキサンをそのま
ま機械的にエマルジョン化したものと比較して、非常に
安定性が良いという利点がある。したがって、乳化重合
したエマルジョンを用いて処理した物は品質的に優れた
ものが得られる。
サンのような末端封鎖剤を微量添加して、分子鎖末端の
一部がトリメチルシリル基のような末端封鎖基で封鎖し
たオルガノポリシロキサンを得ることも可能である。ま
た、乳化重合する際や乳化重合したエマルジョンを用い
て物を処理する際、γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン,γ−アミノプロピルトリメトキシシランまた
はメチルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン類を
少量添加することも可能である。これらの他に、エマル
ジョンを保存するための防腐剤,防黴剤,金属の腐蝕を
防止するための防錆剤等を併用してもよい。また、乳化
重合したエマルジョンを用いて物を処理する際、オルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンや縮合反応用触媒を添
加してもよい。
ジョンを用いて処理する対象物としては、エマルジョン
中に含まれるケイ素原子数20以下の非縮合反応性オルガ
ノシロキサンオリゴマーの含有量が少ないため、加熱工
程を必要とする物が特に有用である。しかし、加熱を必
要としない物にも適用されることは言うまでもない。そ
の処理対象物としてはガラス繊維,カーボン繊維のよう
な無機繊維、天然繊維,合成繊維のような有機繊維、タ
イヤ成型時に用いるブラダー,レンガ,屋根瓦,ストレ
ート板などのような建築材料が例示される。
となるのは重量部を、%とあるのは重量%を意味し、粘
度は25℃における値である。
ルポリシロキサンオイル2種(サンプルAおよびB)と
オクタメチルシクロテトラシロキサン(サンプルC)を
使用した。なお、ケイ素原子数20以下の非縮合反応性ジ
メチルシロキサンオリゴマー含有量はガスクロマトグラ
フにより測定した。以下、ケイ素原子数20以下の非縮合
反応性ジメチルシロキサンオリゴマーを単にオリゴマー
と呼称する。
スの分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジメチル
ポリシロキサンを、薄膜蒸発機(塔長4.5m)を用い、20
0℃で2mmHgの減圧下で30/分の速度で1回通過させ、
オリゴマー含有量を850ppmまで減じた粘度78センチスト
ークスのもの。
オリゴマー含有量が53500ppmである粘度65センチストー
クスの分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジメチ
ルポリシロキサン。
オリゴマー含有量が100%) このように準備したオリゴマー含有量が異なる3種の
ジメチルポリシロキサンを各400部、非イオン界面活性
剤としてポリオキシエチレン(6モル)ラウリルエーテ
ル(ただし、サンプルCは本乳化剤のみ添加せず)20
部、重合触媒兼用のアニオン界面活性剤であるドデシル
ベンゼンスルホン酸20部および水50部を容器に加えて均
一に攪拌した後、コロイドミル型乳化機を用いて1回通
過させた。次いで、水510部を加えて均一に溶解分散
後、ホモゲナイザー乳化機を用いて430kg/cm2の圧力下
で2回通過させた。このようにして準備したエマルジョ
ンを25℃の室温で24時間放置することによって重合し
た。次いで、炭酸ナトリウム3.6部を加えて中和して、
反応を停止した。
て、オリゴマーの含有量およびジメチルポリシロキサン
の粘度を次の方法で測定した。この測定結果を第1表に
示す。
タノール5ml,n−ヘキサン10mlおよび水5mlを加えて強く
振とうし、24時間静置した後、n−ヘキサン層をマイク
ロシリンジで採取してガスクロマトグラフを用いて測定
した。
加え、十分攪拌後オイル層のみをシャーレに移して、15
0℃で30分間オーブンに入れ、残存するイソプロピルア
ルコールと水分を完全に蒸発させ、これを25℃に冷却し
てから粘度を動粘度計を用いて測定した。
重合後のオリゴマー量も多いので、重合前のオリゴマー
量を少なくしておいた方が有利である。重合条件にもよ
るが、重合後のオリゴマー量を10000ppm以下とするには
重合前のオリゴマー量が5000ppm以下のものを使用する
ことが必要である。
じ条件でエマルジョンを調製した後、70℃,50℃,35℃,2
5℃および5℃と温度条件を変えて、24時間乳化重合し
た。実施例1と同様に中和して乳化重合によるエマルジ
ョンを得た。このエマルジョンについて、オリゴマーの
含有量とジメチルポリシロキサンの粘度を測定した。こ
の結果を第2表に示す。
と少ないものを使用しても、重合後のオリゴマーの含有
量は重合温度に大きく左右されるため、24時間重合の場
合、重合後のオリゴマー量を10000ppm以下とするには、
重合温度は40℃以下に維持する必要がある。
を、予め、水300部とポリオキシエチレンノニルフェノ
ール(エチレンオキサイド20モル)30部とを溶解してお
いた溶液中に加えて均一に混合した後、400kg/cm2の圧
力のホモゲナイザーで2回処理してエマルジョンを得
た。これに、カチオン系界面活性剤である牛脂のトリメ
チルアンモニウムクロライド20部,ポリオキシエチレン
ノニルフェノールエーテル(エチレンオキサイド6モ
ル)10部,触媒として粒状の水酸化ナトリウム3部と水
337部とを均一に混合したものを加えた。このようにし
て乳化重合前のエマルジョンを調製した。このエマルジ
ョンを25℃で40時間放置することによって重合した後、
酢酸3.05部を加えて中和して重合を停止した。
実施例1と同様にオリゴマー量と粘度を測定した。この
結果を第3表に示す。
化剤を用いて乳化重合した場合も、乳化重合前のオリゴ
マーの含有量が多いと乳化重合後のオリゴマーの含有量
も多くなる傾向を示す。
チルポリシロキサンエマルジョンを用い、オリゴマーの
含有量による影響を見るため、次のような試験を実施し
た。
織物(平織)を25×25cmの大きさに切断し、サンプルA,
BおよびCのエマルジョンを水で40倍に希釈して各濃度
が1%であるエマルジョンに調整して、これに切断した
ガラス繊維織物を10秒相間浸漬した後、マングルロール
で絞り率100%(シリコーンの付着量1%)に絞った
後、室温で吊下げて乾燥した。次いで、290℃のオーブ
ン中に吊下げ、18分間加熱処理した。この処理したガラ
ス繊維織物について、JISL−1079のスプレー法に準じて
撥水度を測定した。
×5cmの大きさに切断し、その重量当り、サンプルA,Bお
よびCのジメチルポリシロキサンの5%エマルジョンを
使用して、付着量が各0.5%になるように均一に噴霧し
た。このようにして処理したグラスウール断熱材を各4
枚重ねにして、幅が30cm,奥行き30cm,高さ25cmの大きさ
の内部を清浄にしたミニジェットオーブン(ニクロム線
で加熱)にいれ、200℃で20時間加熱処理した。加熱処
理終了後オーブンの天井およびこのニクロム線であるヒ
ータ表面へのシリカ付着を観察した。
ルAで処理したガラス繊維織物の方がサンプルBおよび
サンプルCで処理したガラス繊維織物よりも撥水性が優
れ、しかも、加熱処理によるミニジェットオーブンの天
井の濡れやニクロム線上への白粉(シリカ)の付着は、
サンプルAで処理したものの方がサンプルBおよびサン
プルCで処理したものよりはるかに少なく、サンプルA
の方が総合的に優れており、無機繊維の処理剤として好
適であった。
ロキサンエマルジョン247.5部に、γ−アミノプロピル
メチルジメトキシシラン1部を加えてから40倍の水で均
一に希釈したエマルジョンに、綿35%ポリエステル65%
混紡の下着用メリヤス生地を30秒間浸漬した。これを引
上げて、絞り率100%に調整したマングルロールで絞っ
た(シリコーンの付着量1%)後、室温で吊下げて乾燥
してから150℃のオーブン中で3分間加熱処理した。こ
のメリヤス生地の風合は未処理布に比較して非常に柔軟
で、伸長率,伸長回復性も良好であり、有機繊維の処理
剤として好適であった。
ポリシロキサンを原料として乳化重合したオルガノポリ
シロキサンエマルジョンは、オルガノシロキサン環状体
を原料として乳化重合したものに比較して、ケイ素原子
数20以下の非縮合反応性オルガノシロキサンオリゴマー
の発生量を抑制することが容易であるため、重合した後
のオルガノポリシロキサン中に含まれるそのオリゴマー
の含有量を1000ppmを越え、かつ、10000ppm以下と少な
い範囲に調製することが可能である。したがって、本発
明によるエマルジョンを用いて物を処理する際、加熱処
理工程があっても、加熱装置内でのそのオリゴマーによ
る油状揮発物やその酸化による二酸化ケイ素の発生が大
幅に軽減されるため、火災,爆発の危険性や処理した物
への汚れを解消することができるため、特に、無機繊維
や有機繊維を処理するのに好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】(A)一般式 HO(R2SiO)mH (式中、Rは同種もしくは異種の1価炭化水素基,mは25
℃における粘度が30〜10000センチストークス未満に相
当する値である。)で示され、かつ、ケイ素原子数20以
下の非縮合反応性オルガノシロキサンオリゴマーの含有
量が5000ppm以下であるオルガノポリシロキサン、
(B)重合用触媒(但し、(C)成分に触媒作用を有す
る界面活性剤を使用する場合は(B)成分は不要であ
る。)、(C)界面活性剤および(D)水から成るエマ
ルジョンを、温度40℃以下、重合時間40時間以内の条件
で乳化重合し、生成したオルガノポリシロキサン中のケ
イ素原子数20以下の非縮合反応性オルガノシロキサンオ
リゴマーの含有量が1000ppmを越え、かつ、10000ppm以
下であることを特徴とする、オルガノポリシロキサンエ
マルジョンの製造方法。 - 【請求項2】乳化重合後のオルガノポリシロキサンの25
℃における粘度が10000センチストークス以上である、
請求項1に記載のオルガノポリシロキサンエマルジョン
の製造方法。
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WO2013161500A1 (ja) | 2012-04-25 | 2013-10-31 | 信越化学工業株式会社 | オルガノポリシロキサンエマルション組成物 |
WO2014084319A1 (ja) | 2012-11-30 | 2014-06-05 | 信越化学工業株式会社 | 化粧料 |
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