JP2013249586A - 床用断熱材 - Google Patents

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Abstract

【課題】支持材に付着した水分を速やかに除去でき、長期にわたってカビの発生を抑制できる床用断熱材を提供する。
【解決手段】この床用断熱材10は、床構造を構成する枠体1,1間に装着されて床用面材2の下方に配置されるものであり、無機繊維に撥水剤を含有するバインダーを付与した無機繊維マット20と、無機繊維マット20の底面に貼着されて、該無機繊維マット20の幅方向両側に延出され、該無機繊維マット20の両側面を覆い、更にフランジ状に延出して耳部を構成できる長さとされた、有機繊維を含む不織布からなるシート状の支持材30とを備え、無機繊維マット20は、24時間の水浸漬における体積吸水率が10%以下であり、支持材30は、オレフィン樹脂繊維及び/又はフッ素樹脂繊維の不織布で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、床構造を構成する枠体間に装着されて、床用面材の下方に配置される床用断熱材に関し、更に詳しくは、無機繊維マットと、該無機繊維マットの底面に貼着されたシート状の支持材とを有する床用断熱材に関する。
住宅等の建物の建設においては、省エネルギー及び居住の快適性の観点から、断熱施工が行われており、建物の床、壁、天井、屋根下地部に断熱材を敷設している。住宅等の床下の断熱施工においては、土台、大引き、根太等の床構造を構成する枠体間に断熱材を配置し、その上に床用面材(床板、床下地板)などを敷設している。
床下の断熱施工に用いる床用断熱材として、特許文献1には、マット状の断熱材の底面に、断熱材の両側面を覆いフランジ状に延出して耳部を構成できる長さを有するシート状の支持材が貼着され、該支持材が透湿性を有し、且つ、該支持材の少なくとも一部に親水剤が付与されている床用断熱材が開示されている。
国際公開WO2012/033185号パンフレット
戸建住宅や集合住宅の建設においては、耐震性、経済性及び作業者の安全性の観点から、屋根及び壁を建設した後に、床を建設する工法である根太床工法から、先に床を建設して足場を確保した後に、屋根及び壁を建設する工法である剛床工法に変わりつつある。
剛床工法では、屋根を建設する前に床を建設するため、床構造への雨水の侵入や、住宅基礎となるコンクリート打ち込みから放出される水分などにより、床下空間の湿度が高くなり、床下に施工した断熱材に結露水が付着して、カビが発生したり、断熱性能が損なわれる恐れがあった。
特許文献1では、段落番号0052に記載されるように、支持材に親水性効果を発現し易くし、初期の性能を高めるために支持材の基材に親水剤を付与している。また、実施例においても、支持材の基材に親水剤を付与している。しかしながら、親水剤は、結露水等の水滴によって洗い流され易く、支持材の親水性が経時的に低下する傾向にあった。このため、支持材や無機繊維マットにカビ等が経時的に発生し易くなる恐れがあった。
よって、本発明の目的は、支持材に付着した水分を速やかに除去でき、長期にわたってカビの発生を抑制できる床用断熱材を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の床用断熱材は、床構造を構成する枠体間に装着されて、床用面材の下方に配置される床用断熱材において、無機繊維に、熱硬化性樹脂と撥水剤とを含有するバインダーを付与して、マット状に成形してなる無機繊維マットと、前記無機繊維マットの底面に貼着されて、該無機繊維マットの幅方向両側に延出され、該無機繊維マットの両側面を覆い、更にフランジ状に延出して耳部を構成できる長さとされたシート状の支持材とを備え、前記無機繊維マットは、24時間の水浸漬における体積吸水率が10%以下であり、前記支持材は、オレフィン樹脂繊維及び/又はフッ素樹脂繊維の不織布で構成されていることを特徴とする。
本発明の床用断熱材において、前記バインダーは、フェノール樹脂及びアクリル樹脂から選ばれた熱硬化性樹脂と、水酸基、アミノ基、エポキシ基及びカルボキシル基から選ばれた官能基を有するフッ素化合物又はケイ素化合物である撥水剤とを含有することが好ましい。前記撥水剤は、水酸基、アミノ基、エポキシ基及びカルボキシル基から選ばれた官能基と、フルオロアルキル基とを有するフッ素化合物であるか、あるいは、水酸基、アミノ基、エポキシ基及びカルボキシル基から選ばれた官能基と、ジメチルシロキサン部位とを有するケイ素化合物であることが好ましい。
本発明の床用断熱材によれば、無機繊維マットが、無機繊維に撥水剤を含有するバインダーを付与してマット状に成形してなり、24時間の水浸漬における体積吸水率が10%以下であるので、雨水等が無機繊維マットの内部に侵入しても、速やかに外部に排水できる。また、無機繊維マットの底面には、オレフィン樹脂繊維及び/又はフッ素樹脂繊維の不織布で構成された支持材が貼着されているので、これらの繊維は疎水性に優れることから、支持材表面に該雨水や、結露水などの水滴が付着しても、繊維自体が吸水することなく、水滴をはじいて速やかに除去できる。このため、長期にわたってカビの発生を抑制できる。
本発明の床用断熱材を用いた床断熱構造の概略構成図である。 床下結露試験の概略図である。
以下、本発明の床用断熱材について、図面を参照して説明する。図1には、本発明の床用断熱材を用いた床断熱構造が示されている。
図1に示すように、本発明の床用断熱材10は、床構造を構成する枠体1,1間に装着し、床用断熱材10上に床用面材2を配置して床断熱構造を形成する際に用いられる。以下、床用断熱材10について詳しく説明する。
本発明の床用断熱材10は、無機繊維マット20と、シート状の支持材30とを備える。
無機繊維マット20は、無機繊維に、熱硬化性樹脂と、撥水剤とを含有するバインダーを付与してマット状に成形されてなるものである。
無機繊維としては、特に限定されず、グラスウール、ロックウール等を用いることができる。無機繊維の繊維化方法は、火焔法、吹き飛ばし法、遠心法(ロータリー法とも言う)などの各種方法を用いることができる。
バインダーに用いる熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。好ましくは、バインダーの硬化時にホルムアルデヒドの放出を抑制できるという理由から、アクリル樹脂である。
アクリル樹脂は、酸価が350〜850mgKOH/g、重量平均分子量が1,000〜15,000であるものが好ましい。
また、アクリル樹脂の架橋剤は、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のジアルカノールアミンを少なくとも1種以上含有するものが好ましい。架橋剤には、ジアルカノールアミン以外のポリオールを更に併用してよい。かかるポリオールとしては、特に制限はないが、水溶性のポリオールであることが好ましく、具体的には、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)及びその二量体又は三量体、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)及びその二量体又は三量体、1,3−プロパンジオール、2,2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,3−プロパンジオール等の脂肪族ポリオール類;トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のトリアルカノールアミン類;グルコース、フルクトース、マンニトール、ソルビトール、マルチトール等の糖類、及び上記ポリオール類と、フタル酸、アジピン酸、アゼライン酸等のポリエステルポリオール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリル樹脂系ポリオール等が挙げられる。架橋剤としてジアルカノールアミンとポリオールを併用する場合、ジアルカノールアミン類100質量部に対して、ポリオールは200質量部未満が好ましく、100質量部未満がより好ましい。
アクリル樹脂と架橋剤とのモル比は、アクリル樹脂中のカルボキシル基のモル数に対し、架橋剤中の水酸基とイミノ基との合計のモル数が、0.8〜1.5であることが好ましく、0.9〜1.2がより好ましく、0.95〜1.1が特に好ましい。
バインダーに用いる撥水剤としては、特に限定は無く、従来公知のものを用いることができる。好ましくは、水酸基、アミノ基、エポキシ基及びカルボキシル基から選ばれた官能基(以下、反応性官能基という)を有するフッ素化合物及び/又はケイ素化合物である。
フッ素化合物としては、上記反応性官能基と、フルオロアルキル基とを有するものが好ましい。このようなフッ素化合物としては、例えば、特許第3746455などに記載されたフッ素化合物などを用いることができる。
ケイ素化合物としては、上記反応性官能基と、ジメチルシロキサン部位とを有するものが好ましい。このようなケイ素化合物としては、例えば、第2863585号等に記載されたケイ素化合物などを用いることができる。
バインダー中の撥水剤の含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。撥水剤の含有量が0.1質量部未満であると、無機繊維マットの撥水性が十分でないことがある。10質量部を超えても撥水性は向上しないので経済的でない。
バインダーには、硬化促進剤が含まれていてもよい。硬化促進剤としては、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウム、次亜リン酸マグネシウム等の次亜リン酸塩類;トリス(3‐ヒドロキシプロピル)ホスフィン等の有機リン化合物類;テトラエチルホスホニウム塩、トリエチルベンジルホスホニウム塩、テトラn‐ブチルホスホニウム塩、トリn‐ブチルメチルホスホニウム塩等の4級ホスホニウム塩類;三フッ化ホウ素アミン錯体、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム等のルイス酸化合物類;チタンラクテート、チタントリエタノールアミネート、ジルコニルアセテート等の水溶性有機金属化合物等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を併用することができる。なかでも、次亜リン酸カルシウム、及びトリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンは、少量でも硬化促進効果が高い上に、バインダー硬化物中に残存しても、バインダー硬化物の耐湿性を損なうことが少ないので好ましい。
バインダーには、更に、シランカップリング剤が含まれていてもよい。シランカップリング剤を含有することで、バインダーと無機繊維との接着性が向上する。シランカップリング剤の官能基数、種類、構造などは特に限定されないが、バインダーの主成分である熱硬化性樹脂との反応性や相溶性の良さから、アミノシランカップリング剤及び/又はエポキシシランカップリング剤が好ましい。アミノシランカップリング剤としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。エポキシシランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。シランカップリング剤の含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、0.01〜0.5質量部が好ましい。シランカップリング剤の含有量が0.01質量部未満であると、添加効果が殆ど得られない。0.5質量部を越えても無機繊維とバインダーとの接着性は向上しないので経済的でない。
無機繊維マット20は、24時間の水浸漬における体積吸水率が10%以下であることが必要であり、5%以下が好ましい。体積吸水率が10%を超えると、無機繊維マットから水が抜けにくくなり、カビ等が発生し易くなる。無機繊維マット20の体積吸水率を10%以下にするには、上記撥水剤をバインダーと併用すれば良い。
なお、本発明において無機繊維マット20の体積吸水率は、無機繊維マット20より100mm角の試験片を切り出し、試験片の寸法及び秤量した後に、水温20℃の水中に、水面下50mmとなるように浸漬し、浸漬開始後24時間後に試験片を取り出し、室温25℃で10分間金網の上に放置した後、試験片を秤量し、浸漬後の増量分を体積に対して百分率で表し、これを体積吸水率とした。
無機繊維マット20の底面には、接着剤25によって、有機繊維を含む不織布をシート状に成形した支持材30が貼着されている。接着剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などのホットメルト系接着剤、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴム系接着剤、アクリル樹脂、ポリビニルアルコールなどの水溶性接着剤、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコールなどのエマルジョン系接着剤などが挙げられ、特に、接着に要する時間が短いことから、粘着系のホットメルト系接着剤が好ましく使用される。支持材30は、無機繊維マット20の底面全面に貼着されていることが好ましい。支持材30を無機繊維マット20の底面全面に貼着することで、床用断熱材10を、枠体1,1間に装着した際に、支持材30の中央部が垂れ下がって無機繊維マット20と支持材30との間に隙間が生じることを防止でき、断熱性の低下を抑制できる。
本発明において、支持材30を構成する有機繊維は、オレフィン樹脂繊維及び/又はフッ素樹脂繊維である。これらの有機繊維は、疎水性に優れるので、繊維自体が吸水し難く、水滴をはじくことができる。
オレフィン樹脂繊維としては、環状オレフィン樹脂繊維、ポリプロピレン樹脂繊維、ポリエチレン樹脂繊維、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂繊維、エチレン−αオレフィン共重合樹脂繊維、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合樹脂等が挙げられる。フッ素樹脂繊維としては、ポリテトラフルオロエチレン樹脂繊維、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂繊維、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂繊維、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂繊維、エチレン−四フッ化エチレン共重合体樹脂繊維等が挙げられる。なかでも、経済性及び耐久性に優れるという理由から、ポリプロピレン樹脂繊維、あるいはポリテトラフルオロエチレン樹脂繊維が好ましい。
支持材30の目付け量は、10〜200g/mが好ましく、20〜100g/mがより好ましい。目付け量が10g/m未満であると支持材としての強度が不足し、施工後の床用断熱材を保持できない場合があり、200g/mを超えると支持材の強度が過剰であり、逆に柔軟性が損なわれ、断熱材施工が煩雑になる場合がある。
図1に示すように、支持材30は、無機繊維マット20の底面21に貼着されて、該無機繊維マット20の底面21を覆う底面部31と、無機繊維マット20の幅方向両側に延出した延出部32とを有する。延出部32は、無機繊維マット20の両側面22,22を覆う側面部33,33と、側面部33からフランジ状に延出して耳部34を構成できる長さとされている。
支持材30は、バイレック法による吸水性評価において、底面部31から200×25mmの試験片を切り出し、試験片が垂直となるように上方を固定し、下端を水に浸漬させ、10分経過後の試験片内を水が上昇した高さが、2mm以下が好ましく、1mm以下がより好ましく、0.5mm以下が特に好ましい。0.5mm以下であれば、支持材30の底面部31に水滴が付着しても、水滴をはじいて速やかに除去できる。
本発明の床用断熱材は、床構造を構成する枠体1の上方に床用断熱材10を配置し、床用断熱材10を上方から枠体1,1間に挿入する。枠体1,1の間としては、例えば土台と大引との間、大引どうしの間、土台及び大引の上に載せられる根太どうしの間などが挙げられる。このとき、無機繊維マット20の両側から延出した支持材30の延出部32を、床用断熱材10を枠体1,1間に挿入した時に、図1に示すように、無機繊維マット20の両側面22,22を覆い、かつ、フランジ状に延びる耳部34が枠体1の上面に当接するように配置する。
こうして設置された床用断熱材10は、支持材30の耳部34を枠体1上に、釘、ネジ、接着剤等で固定することにより、床用断熱材10を枠体1,1間に保持することができる。
本発明の床用断熱材によれば、施工時に雨水が浸入したとしても、無機線マット30が、無機繊維に撥水剤を含有するバインダーを付与してマット状に成形してなるものであるので、速やかに無機繊維マットの外へ排水できる。
また、無機繊維マットの底面には、オレフィン樹脂繊維及び/又はフッ素樹脂繊維の不織布で構成された支持材が貼着されているので、これらの繊維は疎水性に優れることから、支持材表面に上記雨水や結露水などの水滴が付着しても、繊維自体が吸水することなく、支持材表面で水滴をはじいて速やかに除去できる。
以下、本発明の効果について、実施例及び比較例を用いて説明する。
(測定方法)
・無機繊維マットの体積吸水率:無機繊維マットより100mm角の試験片を切り出し、試験片の寸法及び秤量した後に、水温20℃の水中に、水面下50mmとなるように浸漬した。浸漬開始後24時間後に試験片を取り出し、室温25℃で10分間金網の上に放置した後、試験片を秤量した。浸漬後の増量分を体積に対して、百分率で表し、これを体積吸水率とした。
・床下結露試験:図2に示すように、幅1000mm×奥行1000mm床用面材(大引き間は910mmとなるようにする)の上下に、透湿抵抗の高い材料であるポリスチレン発泡体を使用して密閉空間を作成した。床上部の空間は居住空間を想定した室温29℃、湿度68%に保ち、床下空間は結露を促進させるために、室温26℃、湿度は過飽和状態に保ち、床下断熱材下面(支持材表面)に結露を発生させた。その直後に、床下空間にわずかな隙間を設け、2時間を要して床下空間の湿度を過飽和状態から68%まで低減だせて、結露の消失時間を測定した。
なお、試験片となる床用断熱材は、幅910mm奥行100mmに切断して、任意に10サンプルを選択して、試験片同士が順不同にてお互い接するように、大引きに支持材の耳部をタッカーで取付け、大引き間に充填した。
(実施例1)
ポリカルボン酸としてポリアクリル酸(酸価770mgKOH/g、重量平均分子量4,000)を水で溶解させた樹脂溶液(固形分45%)を固形分換算で100質量部と、架橋剤としてジエタノールアミンを48.0質量部と、硬化促進剤として次亜リン酸ナトリウムを4.0質量部(架橋剤のイミノ基と水酸基の総モル量/ポリカルボン酸のカルボキシル基のモル量=1.0)、γ―(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン0.2質量部を混合した後、25%アンモニア水で、pH=6.7に調整して、樹脂組成物1を製造した。そして、樹脂組成物1に、撥水剤として、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプタノール100質量部に、モノステアリン酸ポリエチレングリコール8質量部と、ヤシ油脂肪酸ソルビタン2質量部とを混合して調整したフッ素化合物の水系エマルション(フッ素化合物含有量27.3%)を、樹脂組成物1のポリアクリル酸固形分100質量部に対して5質量部添加し、水で希釈して固形分濃度を15%に調整して、バインダー1を製造した。
遠心法により繊維化したガラス繊維に、バインダー1を所定の付与量になるようにスプレーで塗布した後、吸引装置で吸引しながら有孔コンベア上で集綿して、無機繊維断熱材の中間体を形成させた。該中間体を260℃の熱風中で3分間加熱して、バインダーを硬化させ、密度24kg/m、厚み100mm、バインダー付与量6.0%、体積吸水率5.5%の無機繊維マット1を製造した。
無機繊維マット1の底部に、目付40g/mのポリプロピレン樹脂繊維の不織布からなる支持材を、オレフィン系ホットメルト接着剤にて接着させて、実施例1の床用断熱材を製造した。
(実施例2)
ポリカルボン酸としてポリアクリル酸(酸価770mgKOH/g、重量平均分子量4,000)を水で溶解させた樹脂溶液(固形分45%)を固形分換算で100質量部と、架橋剤としてジエタノールアミンを48.0質量部と、硬化促進剤として次亜リン酸ナトリウムを4.0質量部(架橋剤のイミノ基と水酸基の総モル量/ポリカルボン酸のカルボキシル基のモル量=1.0)と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.3質量部を混合した後、25%アンモニア水で、pH=6.7に調整し、樹脂組成物2を製造した。そして、樹脂組成物2に、撥水剤として、オクタフルオロアジピン酸を、樹脂組成物2のポリアクリル酸固形分100質量部に対して5質量部添加し、水で希釈して固形分濃度を15%に調整して、バインダー2を製造した。
バインダー2を用い、実施例1と同様にして成形し、密度32kg/m、厚み35mm、バインダー付与量6.0%、体積吸水率3.5%の無機繊維マット2を製造した。
無機繊維マット2の底部に、目付40g/mのポリプロピレン樹脂繊維の不織布からなる支持材を、オレフィン系ホットメルト接着剤にて接着させて、実施例2の床用断熱材を製造した。
(実施例3)
実施例2の無機繊維マット2の底部に、目付40g/mのフッ素樹脂繊維の不織布からなる支持材を、オレフィン系ホットメルト接着剤にて接着させて、実施例3の床用断熱材を製造した。
(実施例4)
水に分散された、単量体10%以下、二量体80%以上、遊離フェノール1%以下のレゾール型フェノール樹脂を固形分換算で100質量部に対して、尿素を42.8質量部添加し、40℃にて3時間撹拌して、レゾール型フェノール‐尿素樹脂を製造した。このレゾール型フェノール‐尿素樹脂の100質量部に、γ―(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを0.2質量部添加した後、25%アンモニア水でpH=8.5に調整して、樹脂組成物3を製造した。そして、樹脂組成物3に、実施例1で使用したフッ素化合物の水系エマルションを、樹脂組成物3のポリアクリル酸固形分100質量部に対して5質量部添加し、水で希釈して固形分濃度を18%に調整して、バインダー3を製造した。
バインダー3を用い、実施例1と同様にして成形し、密度20kg/m、厚み120mm、バインダー付与量4.0%、体積吸水率1.5%の無機繊維マット3を製造した。
無機繊維マット3の底部に、目付40g/mの環状ポリプロピレン樹脂繊維の不織布からなる支持材を、オレフィン系ホットメルト接着剤にて接着させて、実施例4の床用断熱材を製造した。
(実施例5)
樹脂組成物2に、撥水剤として、ポリオキシエチレン脂肪酸エーテル界面活性剤で乳化し、末端にエポキシ基を有し、エポキシ当量が3500eq/gのシリコーンエマルションを、樹脂組成物2のポリアクリル酸固形分100質量部に対して、シリコーン成分で5質量部を添加し、水で希釈して固形分濃度を15%に調整して、バインダー4を製造した。
バインダー4を用い、実施例1と同様にして成形し、密度16kg/m、厚み150mm、バインダー付与量4.0%、体積吸水率8.7%の無機繊維マット4を製造した。
無機繊維マット4の底部に、目付40g/mのポリプロピレン樹脂繊維の不織布からなる支持材を、オレフィン系ホットメルト接着剤にて接着させて、実施例5の床用断熱材を製造した。
(比較例1)
実施例1において、樹脂組成物1に撥水剤を添加しなかった以外は実施例1と同様にしてバインダー5を製造した。
バインダー5を用い、実施例1と同様にして成形し、密度24kg/m、厚み75mm、バインダー付与量4.0%、体積吸水率81.6%の無機繊維マット5を製造した。
無機繊維マット5の底部に、目付40g/mのポリエチレンテレフタレート樹脂繊維の不織布からなる支持材を、オレフィン系ホットメルト接着剤にて接着させて、比較例1の床用断熱材を製造した。
(比較例2)
比較例1の無機繊維マット5の底部に、目付40g/mのアセテート樹脂繊維の不織布からなる支持材を、オレフィン系ホットメルト接着剤にて接着させて、比較例2の床用断熱材を製造した。
(比較例3)
実施例4において、樹脂組成物3に撥水剤を添加しなかった以外は実施例4と同様にしてバインダー6を製造した。
バインダー6を用い、実施例1と同様にして成形し、密度32kg/m、厚み35mm、バインダー付与量6.0%、体積吸水率15.6%の無機繊維マット6を製造した。
無機繊維マット6の底部に、目付40g/mのポリエチレンテレフタレート樹脂繊維の不織布からなる支持材を、オレフィン系ホットメルト接着剤にて接着させて、比較例3の床用断熱材を製造した。
(比較例4)
比較例3の無機繊維マット6の底部に、目付40g/mのポリアミド樹脂繊維の不織布からなる支持材を、オレフィン系ホットメルト接着剤にて接着させて、比較例4の床用断熱材を製造した。
実施例1〜5、比較例1〜4の床用断熱材について、床下結露試験を行い、結露水の消失状況を評価した。結果を表1,2に示す。
表1に示すように、体積吸水率が10%以下の無機繊維マットに、オレフィン樹脂繊維又はフッ素樹脂繊維の不織布で構成された支持材を貼着した実施例1〜5の床用断熱材は、結露水を速やかに除去できた。
これに対し、体積吸水率が10%超の無機繊維マットに、オレフィン樹脂繊維及びフッ素樹脂繊維以外の有機繊維の不織布で構成された支持材を貼着した比較例1〜4の床用断熱材は、結露水の除去に時間を要するものであった。
1:枠体
2:床用面材
10:床用断熱材
20:無機繊維マット
30:支持材
31:底面部
32:延出部
33:側面部
34:耳部

Claims (4)

  1. 床構造を構成する枠体間に装着されて、床用面材の下方に配置される床用断熱材において、
    無機繊維に、熱硬化性樹脂と撥水剤とを含有するバインダーを付与して、マット状に成形してなる無機繊維マットと、
    前記無機繊維マットの底面に貼着されて、該無機繊維マットの幅方向両側に延出され、該無機繊維マットの両側面を覆い、更にフランジ状に延出して耳部を構成できる長さとされたシート状の支持材とを備え、
    前記無機繊維マットは、24時間の水浸漬における体積吸水率が10%以下であり、
    前記支持材は、オレフィン樹脂繊維及び/又はフッ素樹脂繊維の不織布で構成されていることを特徴とする床用断熱材。
  2. 前記バインダーは、フェノール樹脂及びアクリル樹脂から選ばれた熱硬化性樹脂と、水酸基、アミノ基、エポキシ基及びカルボキシル基から選ばれた官能基を有するフッ素化合物又はケイ素化合物である撥水剤とを含有する請求項1に記載の床用断熱材。
  3. 前記撥水剤が、水酸基、アミノ基、エポキシ基及びカルボキシル基から選ばれた官能基と、フルオロアルキル基とを有するフッ素化合物である請求項2に記載の床用断熱材。
  4. 前記撥水剤が、水酸基、アミノ基、エポキシ基及びカルボキシル基から選ばれた官能基と、ジメチルシロキサン部位とを有するケイ素化合物である請求項2に記載の床用断熱材。
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