JP2862715B2 - 光切断計測用平板状光束投光装置 - Google Patents

光切断計測用平板状光束投光装置

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JP2862715B2 JP26970791A JP26970791A JP2862715B2 JP 2862715 B2 JP2862715 B2 JP 2862715B2 JP 26970791 A JP26970791 A JP 26970791A JP 26970791 A JP26970791 A JP 26970791A JP 2862715 B2 JP2862715 B2 JP 2862715B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光切断法によって例
えばトンネル断面を計測するために使用される光切断計
測用平板状光束投光装置に関し、詳しくは、トンネル周
壁面などの計測対象物周壁面へ向けて放射状に広がる平
板状光束を投射して計測対象物周壁面上にその周壁面に
沿うリング状の光切断線を生じさせる光切断計測用平板
状光束投光装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、トンネル掘削時において
トンネルの断面形状が設計通りになっているか否かを知
るため、あるいは既設のトンネルの保守点検のために光
切断法を用いてトンネルの断面形状を計測することが行
われている。このトンネル断面の計測は、トンネル内か
ら投光装置によってトンネル周壁面全周へ向けて放射状
に広がる平板状光束を投射してトンネル周壁面上にその
周方向に沿うリング状の光切断線を生じさせ、この光切
断線をテレビカメラにより撮像し、得られた光切断画像
上での光切断線の位置を検出することにより所定の座標
系におけるトンネルの断面形状を求めるものである。
【0003】このようなトンネル断面計測に使用される
投光装置としては、従来、実開昭62−67212 号公報に示
されているようなものがある。図6はこの従来技術に係
るトンネル断面計測用投光装置の横断平面図である。
【0004】図6に示すように、上記従来のトンネル断
面計測用投光装置51は、以下のように構成されている。
横向きの円筒体52の後端部には放物面反射鏡53が同軸状
に接続され、円筒体52及び放物面反射鏡53の外側は緩衝
材54を介してケーシング55で覆われている。また、円筒
体52とケーシング55の前端には、ガラスなどよりなる角
形透明筒56を介して端板57が固定されており、この角形
透明筒56により、円筒体52及び放物面反射鏡53の軸心と
直交する面にそって全周にわたって光の通過を許すスリ
ット状開口部56aが形成されている。
【0005】上記放物面反射鏡53の焦点位置にはハロゲ
ンランプなどのランプ光源58が配設されており、上記円
筒体52の内側には、図に示すように、ランプ光源58より
も前方において、第1凸レンズ59と第2凸レンズ60と
が、第1凸レンズ59の前側の焦点Fと第2凸レンズ60の
後側の焦点Fとを一致させた状態で同軸状に配設されて
いる。
【0006】この第1凸レンズ59と第2凸レンズ60の間
の上記焦点Fの位置には、円筒体52の軸心に直交するス
リット板61が配設されており、スリット板61の中央部に
は焦点Fの位置で小さく開口するスリット孔があけられ
ている。また、第2凸レンズ60を通過した光を直角に方
向変換してスリット状開口部56aから放射状に広がる平
板状光束として投射するために、上記端板57の中央部に
は円錐状反射鏡62が配設されている。
【0007】このように構成されるトンネル断面計測用
投光装置51においては、ランプ光源58から発した光線の
一部は、放物面反射鏡53で反射されて平行光線となり、
第1凸レンズ59で屈折して焦点Fに収束された後、第2
凸レンズ60により平行光線とされる。なお、第1凸レン
ズ59を通過後に焦点Fに収束しない非収束光はスリット
板61によって遮断されることになる。そして、第2凸レ
ンズ60を通過した平行光線が、円錐状反射鏡62によって
方向変換され、トンネル周壁面Tへ向けて放射状に広が
る平板状光束として投射されるようになっている。
【0008】上記投光装置51においては、放物面反射鏡
53によって反射されて平行光線となるのは、ランプ光源
58から全立体角中に放射される光パワーのうち、図6に
示すように、有効集光立体角Ω内へ放射される光パワー
である。また、放射状に広がる平板状光束を投射するこ
とによってトンネル周壁面にその周方向に沿って生じる
リング状の光切断線Cの幅d(トンネル周壁面における
平板状光束の厚み)は、発光点の大きさε(ランプ光源
58の例えばフィラメントの大きさ)と、放物面反射鏡5
3,凸レンズ59及び60,スリット板61よりなる光学系
と、円錐状反射鏡62からトンネル周壁面までの距離Lと
により、その幾何学的な関係から決まることになる。
【0009】上記投光装置51においては、スリット板61
のスリット孔位置におけるランプ光源58の像の大きさε
´は、第1凸レンズ59の焦点距離をf10,放物面反射鏡
53の焦点距離をAとすると、ε´=ε・(f10/A)と
なる。ここで、スリット板61の孔径φをこのε´よりも
小さくなるように設計すると、大きさφの光源から放射
された光が第2凸レンズ60によって平行光線とされ、こ
の平行光線が円錐状反射鏡62によって方向変換されて平
板状光束として投射されることにより、トンネル周壁面
に幅dのリング状の光切断線Cが生じることになる。
【0010】この光切断線Cの幅dは、第2凸レンズ60
と円錐状反射鏡62間の距離が十分短いとし、円錐状反射
鏡62とトンネル周壁面間の距離をL,第2凸レンズ60の
焦点距離をf20とすると、d=φ・(L/f20)とな
る。また、ランプ光源58による光パワーのうち、トンネ
ル周壁面へ投射される平板状光束の形成に寄与する光パ
ワーの効率ηは、η=(Ω/4π)・{φ/〔ε・(f
10/A)〕}2 となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のトンネル断
面計測用投光装置においては、光源としてハロゲンラン
プなどのランプ光源を使用し、平板状光束を得るためレ
ンズ系によりこのランプ光源からの光の一部を平行光線
とするようにしたものであるから、トンネル周壁面上に
光束を狭い幅でもって絞り込んだ光パワー密度の高い光
切断線が得られ難い。このため、トンネル断面計測のた
めにトンネル周壁面上に生じた光切断線をテレビカメラ
により撮像する場合、急峻に大きく変化するステップパ
ルス状の光強度分布を示す光切断線像が得られ難く、例
えばトンネル周壁面の光学的反射率が「こけ」などの付
着により低い場合には、トンネル断面の計測精度が悪く
なるという欠点があった。
【0012】この発明は、上記従来の欠点を解消するた
めになされたものであって、光切断法により形状計測を
行うべきトンネルなどの計測対象物の周壁面へ向けて放
射状に広がる平板状光束を投射する光切断計測用平板状
光束投光装置において、トンネル周壁面などの計測対象
物周壁面に光束を狭い幅に絞り込んだ光パワー密度の高
い光切断線を生成させることができ、これによりトンネ
ル断面などの計測を精度良く行うことができるようにし
た、光切断計測用平板状光束投光装置の提供を目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の光切断計測用平板状光束投光装置は、
筒状をなし、その先端側の一部に略全周にわたって光の
通過を許す所定幅の光通過用窓部を有するケーシング
と、前記ケーシング内の後部に配設された光源と、前記
ケーシング内の前記光源の前方に配設され前記光源から
の光束を前方へ向かわせる光学手段と、前記光通過用窓
部の内側に配設され、前記光学手段からの光束を方向変
換して前記光通過用窓部から放射状に広がる平板状光束
として投射する円錐状反射鏡とを備え、光切断法により
形状計測を行うべき計測対象物の周壁面へ向けて放射状
に広がる平板状光束を投射する光切断計測用平板状光束
投光装置において、前記光源が、出射光軸が前記ケーシ
ングの軸心線方向であるZ軸方向,レーザビーム出射面
から見てpn接合面と平行な方向がX軸方向,レーザビ
ーム出射面から見てpn接合面と垂直な方向がY軸方向
となるように配設された半導体レーザとされており、前
記光学手段が、前記半導体レーザの前方に配設されこの
半導体レーザからのレーザビームが入射されるコリメー
トレンズと、このコリメートレンズの前方に配設され、
YZ面内において前記コリメートレンズにより平行光と
されたレーザビームの厚みを拡大し、この厚みが拡大さ
れたレーザビームに収束性を与える一方、XZ面内にお
いて前記コリメートレンズを通過した発散性を有するレ
ーザビームに収束性を与える集光レンズ系とにより構成
されていることを特徴とするものである。
【0014】請求項2の光切断計測用平板状光束投光装
置は、請求項1の光切断計測用平板状光束投光装置にお
いて、前記集光レンズ系と前記円錐状反射鏡の間に、前
記集光レンズ系を通過したレーザビームを断面円形光束
にするための円形開口部を有する円形アパチャーを備え
ているものである。
【0015】
【作用】この発明による光切断計測用平板状光束投光装
置では、光源として半導体レーザを使用している。半導
体レーザのpn接合における活性層の発光点(発光領
域)から出射されるレーザビームは、出射光軸の方向を
Z軸方向とすると、レーザビーム出射面から見てpn接
合面に対して平行な方向(X軸方向)とこれに垂直な方
向(Y軸方向)とでその拡がり角(発散角)が異なる。
特に、高出力型の半導体レーザでは、図5に示すよう
に、活性層内に発光点がpn接合面に沿って多数形成さ
れるようになっていることから、出射されるレーザビー
ムの指向性がYZ面内とXZ面内とで異なるものとな
る。
【0016】このため、半導体レーザから出射されたレ
ーザビームをコリメートレンズで平行光線にしようとす
る場合、図5におけるYZ面内においては光源としての
発光点による大きさが小さいので理想に近い平行光線が
得られるが、図5におけるXZ面内においては、発光点
による大きさがYZ面内におけるそれに比べて大きいこ
とから、理想に近い平行光線が得られず発散性を有する
ものとなる。
【0017】そこで、この発明による光切断計測用平板
状光束投光装置は上記のように構成されているので、Y
Z面内においては、点光源と見なせる半導体レーザから
のレーザビームがコリメートレンズで平行光とされた
後、集光レンズ系により、そのビームの厚みが拡大され
たレーザビームが収束性を与えられて円錐状反射鏡へ導
かれる一方、XZ面内においては、コリメートレンズを
通過した発散性を有するレーザビームが集光レンズ系に
より収束性を与えられて円錐状反射鏡へ導かれる。この
ようになされたレーザビームを円錐状反射鏡により方向
変換してトンネル周壁面などの計測対象物周壁面へ向け
て放射状に広がる平板状光束として投射するようにした
ので、トンネル周壁面などの計測対象物周壁面に光束を
狭い幅に絞り込んだ光パワー密度の高い光切断線を生成
させることができる。
【0018】また、上記集光レンズ系と円錐状反射鏡と
の間に円形アパチャーを配設することが好ましい。集光
レンズ系を通過したレーザビームを円形アパチャーによ
ってその断面形状が円形な光束に整え、この断面円形光
束とされたレーザビームを円錐状反射鏡に投射すること
により、計測対象物の周壁面へ向けて厚みに局部的な脹
らみのない平板状の光束を投射することができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例に基づいてこの発明を説明す
る。図1はこの発明の一実施例による光切断計測用平板
状光束投光装置の構成説明図、図2は図1に示す光切断
計測用平板状光束投光装置のYZ面内における動作を説
明するための図、図3は図1に示す光切断計測用平板状
光束投光装置のXZ面内における動作を説明するための
図である。
【0020】図1において、1はその軸心線方向がトン
ネルの長手方向になるように配される円筒形のケーシン
グである。ケーシング1には、その先端側の一部に全周
にわたって光の通過を許すガラスなどからなる所定幅の
光通過用窓部1aが設けられている。このケーシング1内
には、図に示すように、その後部から光通過用窓部1a側
へ向かって順に、高出力型半導体レーザ2、コリメート
レンズ3、集光レンズ系4と円形アパチャー5及び円錐
状反射鏡6とが図示しない取り付け手段により同軸状に
配設されている。
【0021】上記高出力型半導体レーザ2は、例えば1
ワット程度の出力パワーを有するものであって、図に示
すように、出射光軸がケーシング1の軸心線方向である
Z軸方向,レーザビーム出射面から見てpn接合面と平
行な方向がX軸方向,レーザビーム出射面から見てpn
接合面と垂直な方向がY軸方向となるように配設されて
いる。なお、図1においては、例えば、Z軸方向がトン
ネルの長手方向、X軸方向がトンネルの左右方向、Y軸
方向がトンネルの上下方向に対応する。
【0022】高出力型半導体レーザ2からのレーザビー
ムが入射されるコリメートレンズ3は、焦点距離f1を有
している。この実施例では、コリメートレンズ3は、非
球面形状を有し、f1= 5.5mm,開口数NA=0.55であ
る。
【0023】集光レンズ系4は、図に示すように、Y軸
方向においてレンズ作用を持つ姿勢で配設された第1円
筒面凹レンズ7a及び第2円筒面凸レンズ7bと、X軸方向
においてレンズ作用を持つ姿勢で上記第2円筒面凸レン
ズ7bよりも前方である光通過用窓部1a側に配設された第
3円筒面凸レンズ8とにより構成されている。
【0024】負の焦点距離f2を有する第1円筒面凹レン
ズ7aと正の焦点距離f3を有する収束系レンズの第2円筒
面凸レンズ7bとは、YZ面内(Y軸方向)においてビー
ムエキスパンダとしての作用をなすためのものであり、
YZ面内において、コリメートレンズ3により平行光線
とされたレーザビームの厚みを拡大するとともに、この
厚みが拡大されたレーザビームに第2円筒面凸レンズ7b
によって収束性を与えるようにしている。第1円筒面凹
レンズ7aと第2円筒面凸レンズ7bとは、その主面間距離
a2がa2=f2+f3の関係を満たすように配設されている。
この実施例では、f2=−200 mm,f3=1000mmとし、a2
800 mmに設定されている。
【0025】集光レンズ系4を構成する他の収束系レン
ズの第3円筒面凸レンズ8は、XZ面内(X軸方向)に
おいてコリメートレンズ3を通過した発散性を有するレ
ーザビームに収束性を与えるためのものである。第3円
筒面凸レンズ8は、円錐状反射鏡6との距離が十分短い
とし、焦点距離をf4,円錐状反射鏡6とトンネル周壁面
Tまでの距離をLとすると、コリメートレンズ3の主面
からの距離aが、1/f4=(1/a)+(1/L)の関
係を満たすように配設されている。この実施例では、f4
=1000mm,L=4mとし、a=1400mmに設定されてい
る。なお、上記第1円筒面凹レンズ7aはコリメートレン
ズ3の主面から距離a1=400mmの位置に配してあるの
で、この第3円筒面凸レンズ8と上記第2円筒面凸レン
ズ7bとの主面間距離a3は、a3=200 mmとされている。
【0026】円形アパチャー5は、集光レンズ系4の第
3円筒面凸レンズ8を通過した後述するレーザビームを
断面円形光束にするためのものであり、上記第3円筒面
凸レンズ8と後述する円錐状反射鏡6との間に配設さ
れ、円形開口部が設けられている。上記コリメートレン
ズ3,集光レンズ系4及びこの円形アパチャー5は、光
学手段を構成している。
【0027】円錐状反射鏡6は、円形アパチャー5を通
過した後述するレーザビームを方向変換して光通過用窓
部1aから放射状に広がる平板状光束Sとして投射するた
めのものであり、光通過用窓部1aの内側に配設され、頂
角が90°とされている。
【0028】次に、上記のように構成される光切断計測
用平板状光束投光装置のYZ面内における動作について
図2を参照しながら説明する。YZ面内においては、こ
の実施例による高出力型半導体レーザ2は、発光点の大
きさが1μm,出射ビーム拡がり角θY がθY =40°を
持つ。したがって、高出力型半導体レーザ2からのレー
ザビームは、コリメートレンズ3によって厚みD1Yを持
つ理想に近い平行光線とされる。この厚みD1Yは、D1Y
=2・f1・tan(θY /2)で与えられ、この実施例
では、D1Y=4mmとなる。
【0029】コリメートレンズ3によって厚みD1Yを持
つ平行光線とされたレーザビームは、図に示すように、
第1円筒面凹レンズ7a及び第2円筒面凸レンズ7bによ
り、その厚みがD2Yに拡大される。厚みD2Yは、D2Y
M・D1Yで与えられ、この実施例では、M=|f3/f2
であることから、D2Y=5×D1Y=20mmとなる。
【0030】この厚みがD2Yに拡大されたレーザビーム
は、収束系レンズの第2円筒面凸レンズ7bを介して円形
アパチャー5へ導かれ、円形アパチャー5によって断面
円形光束とされて円錐状反射鏡6へ投射されることにな
る。したがって、Y軸方向(トンネルの上下方向)にお
けるトンネル周壁面Tには、回折限界(L=4mで0.4
mm)まで狭くできる幅dY を持つ光切断線Cを生成させ
ることができる。
【0031】次に、上記のように構成される光切断計測
用平板状光束投光装置のXZ面内における動作について
図3を参照しながら説明する。XZ面内においては、こ
の実施例による高出力型半導体レーザ2は、発光点(発
光領域)の大きさが 100μm,出射ビーム拡がり角θX
がθX =10°を持つ。このため、発光領域が大きいこと
から、高出力型半導体レーザ2からのレーザビームは、
コリメートレンズ3を用いても理想に近い平行光線にな
らない。つまり、コリメートレンズ3の主面位置に大き
さDX の仮想発光点があることと等価な状態になる。仮
想発光点の大きさDX は、DX =2・f1・tan(θX
/2)で与えられ、この実施例では、DX =0.8 mmとな
る。
【0032】したがって、XZ面内においてレンズ作用
を持つ収束系レンズの第3円筒面凸レンズ8を、上述し
たように、1/f4=(1/a)+(1/L)の関係を満
たすように配設しているので、X軸方向(トンネルの左
右方向)におけるトンネル周壁面Tには、幅dX =DX
・(L/a)を持つ光切断線Cを生成させることができ
る。この実施例では、幅dX=2.3 mmを得ることができ
る。
【0033】上記のように、光源として高出力型半導体
レーザ2を用い、YZ面内においては、点光源と見なせ
る高出力型半導体レーザ2からのレーザビームをコリメ
ートレンズ3で平行光とした後、第1円筒面凹レンズ7a
及び第2円筒面凸レンズ7bにより、そのビームの厚みを
拡大しこの厚みが拡大されたレーザビームを収束性を与
えて円錐状反射鏡6へ導く一方、XZ面内においては、
コリメートレンズ3を通過した発散性を有するレーザビ
ームを第3円筒面凸レンズ8により収束性を与えて円錐
状反射鏡6へ導き、このようになされたレーザビームを
円錐状反射鏡6により方向変換してトンネル周壁面Tへ
向けて放射状に広がる平板状光束Sとして投射するよう
にしたものであるから、従来は得られる光切断線の幅が
数十mm程度であったのに対して、トンネル周壁面Tに光
束を狭い幅に絞り込んだ光パワー密度の高い幅数mm程度
の光切断線を生成させることができ、トンネル周壁面の
光学的反射率が「こけ」などの付着により低い場合であ
っても、光切断法によるトンネル断面の計測を精度良く
行うことができる。
【0034】また、第3円筒面凸レンズ8と円錐状反射
鏡6との間に円形アパチャー5を配設し、集光レンズ系
4を通過したレーザビームをこの円形アパチャー5によ
ってその断面形状が円形な光束に整え、この断面円形光
束とされたレーザビームを円錐状反射鏡6へ投射するよ
うにしているので、トンネル周壁面Tへ向けて厚みに局
部的な脹らみのない平板状光束を投射することができ
る。
【0035】図4はこの発明の他の実施例による光切断
計測用平板状光束投光装置の構成説明図である。図4に
おいて、11は球面レンズである。この球面レンズ11は、
図1における第2円筒面凸レンズ7bと第3円筒面凸レン
ズ8とに代えて置き換えたものである。図1における上
記2枚の円筒面レンズ7b,8は、ともにその焦点距離が
等しく、円筒面の中心軸の向きが互いに垂直となる組合
せになっているので、一枚の上記球面レンズ11に置き換
えることができる。他の構成は、図1に示すものと同じ
である。
【0036】この実施例では、上記球面レンズ11の焦点
距離は1000mmであり、焦点距離f2=−200 mmを有する第
1円筒面凹レンズ7aと球面レンズ11とは、図1の場合と
同様にして、その主面間距離a2がa2=f2+1000mm=800
mmの関係を満たすように配設されている。また、球面レ
ンズ11とコリメートレンズ3とは、その主面間距離aが
a=1400mmになるように配設されている。したがって、
第1円筒面凹レンズ7aは、コリメートレンズ3の主面か
ら距離a1=600 mmの位置に配されている。このように構
成される光切断計測用平板状光束投光装置においても、
上記図1に示すものと同様にして、トンネル周壁面Tに
光束を狭い幅に絞り込んだ光パワー密度の高い幅数mm程
度の光切断線を生成させることができ、トンネル周壁面
の光学的反射率が「こけ」などの付着により低い場合で
あっても、光切断法によるトンネル断面の計測を精度良
く行うことができる。
【0037】なお、鉄道における保守点検作業のひとつ
として、トンネル、橋梁、プラットホームなどの線路周
辺構造物の経年変化を調べてそのメンテナンス時期を正
確に知るため、光切断法を用いてこれらの線路周辺構造
物の軌道に沿う側の三次元位置座標を求めその三次元形
状を計測することが行われている。この発明による光切
断計測用平板状光束投光装置は、トンネルを含めて上記
のような計測にも使用し得るものである。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、この発明による光切
断計測用平板状光束投光装置によると、光源として、出
射光軸がZ軸方向(例えば断面計測すべきトンネルの長
手方向),レーザビーム出射面から見てpn接合面と平
行な方向がX軸方向,レーザビーム出射面から見てpn
接合面と垂直な方向がY軸方向となるように配設された
半導体レーザを用い、YZ面内においては、点光源と見
なせる半導体レーザからのレーザビームをコリメートレ
ンズで平行光とした後、集光レンズ系により、そのビー
ムの厚みを拡大しこの厚みが拡大されたレーザビームを
収束性を与えて円錐状反射鏡へ導く一方、XZ面内にお
いては、コリメートレンズを通過した発散性を有するレ
ーザビームを集光レンズ系により収束性を与えて円錐状
反射鏡へ導き、このようになされたレーザビームを円錐
状反射鏡により方向変換してトンネル周壁面などの計測
対象物周壁面へ向けて放射状に広がる平板状光束として
投射するようにしたものであるから、計測対象物周壁面
に光束を狭い幅に絞り込んだ光パワー密度の高い幅数mm
程度の光切断線を生成させることができる。これによ
り、光切断法によってトンネル断面を計測するに際し、
トンネル周壁面の光学的反射率が「こけ」などの付着に
より低い場合であっても、トンネル断面の計測を精度良
く行うことができる。
【0039】また、集光レンズ系と円錐状反射鏡との間
に円形アパチャーを配設し、集光レンズ系を通過したレ
ーザビームをこの円形アパチャーによりその断面形状が
円形な光束に整え、この断面円形光束とされたレーザビ
ームを円錐状反射鏡へ投射するようにしているので、ト
ンネル周壁面などの計測対象物周壁面へ向けて厚みに局
部的な脹らみのない平板状光束を投射することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による光切断計測用平板状
光束投光装置の構成説明図である。
【図2】図1に示す光切断計測用平板状光束投光装置の
YZ面内における動作を説明するための図である。
【図3】図1に示す光切断計測用平板状光束投光装置の
XZ面内における動作を説明するための図である。
【図4】この発明の他の実施例による光切断計測用平板
状光束投光装置の構成説明図である。
【図5】高出力型半導体レーザについて説明するための
図である。
【図6】従来技術に係るトンネル断面計測用投光装置の
横断平面図である。
【符号の説明】
1…ケーシング 1a…光通過用窓部 2…高出力型半導
体レーザ 3…コリメートレンズ 4…集光レンズ系
5…円形アパチャー 6…円錐状反射鏡 7a…第1円筒
面凹レンズ 7b…第2円筒面凸レンズ 8…第3円筒面
凸レンズ 11…球面レンズ T…トンネル周壁面 S…
平板状光束 C…光切断線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 克彦 大阪市淀川区十三本町2−8−2 (72)発明者 西元 善郎 神戸市西区竹の台5丁目18番地の7 (72)発明者 後藤 有一郎 神戸市西区美賀多台1丁目4番1号 審査官 岡田 卓弥 (56)参考文献 特開 昭63−243848(JP,A) 特開 平2−300613(JP,A) 特開 平4−295707(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 11/00 - 11/30 G01C 7/00 - 7/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状をなし、その先端側の一部に略全周
    にわたって光の通過を許す所定幅の光通過用窓部を有す
    るケーシングと、前記ケーシング内の後部に配設された
    光源と、前記ケーシング内の前記光源の前方に配設され
    前記光源からの光束を前方へ向かわせる光学手段と、前
    記光通過用窓部の内側に配設され、前記光学手段からの
    光束を方向変換して前記光通過用窓部から放射状に広が
    る平板状光束として投射する円錐状反射鏡とを備え、光
    切断法により形状計測を行うべき計測対象物の周壁面へ
    向けて放射状に広がる平板状光束を投射する光切断計測
    用平板状光束投光装置において、 前記光源が、出射光軸が前記ケーシングの軸心線方向で
    あるZ軸方向,レーザビーム出射面から見てpn接合面
    と平行な方向がX軸方向,レーザビーム出射面から見て
    pn接合面と垂直な方向がY軸方向となるように配設さ
    れた半導体レーザとされており、 前記光学手段が、前記半導体レーザの前方に配設されこ
    の半導体レーザからのレーザビームが入射されるコリメ
    ートレンズと、このコリメートレンズの前方に配設さ
    れ、YZ面内において前記コリメートレンズにより平行
    光とされたレーザビームの厚みを拡大し、この厚みが拡
    大されたレーザビームに収束性を与える一方、XZ面内
    において前記コリメートレンズを通過した発散性を有す
    るレーザビームに収束性を与える集光レンズ系とにより
    構成されていることを特徴とする光切断計測用平板状光
    束投光装置。
  2. 【請求項2】 前記コリメートレンズと前記集光レンズ
    系とに加え、前記集光レンズ系と前記円錐状反射鏡との
    間に、前記集光レンズ系を通過したレーザビームを断面
    円形光束にするための円形開口部を有する円形アパチャ
    ーを備えていることを特徴とする請求項1記載の光切断
    計測用平板状光束投光装置。
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