JP2862224B2 - 分電盤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、配線被覆板を備えた箱
体本体に各種電気機器や配線等を収納した分電盤に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来技術の分電盤の内機は、図３のよう
に箱体本体２１の内側背面２１ａの左右側面２１ｂの近
傍に夫々対向する２本の内機取付レール２２を設け、そ
の内機取付レール２２には複数個の透孔２３が設けら
れ、上下端部は略Ｕ字状の切欠部２４が形成され、透孔
２３を利用して内機取付レール２２間に機器取付板２５
を設けると共に、上下端部の切欠部２４は箱体本体２１
の内側背面２１ａの四隅に垂設された取付ボルト２６に
挿通させ、四隅の取付ボルト２６をすべてナット２７に
よって螺着していた。

【０００３】また、箱体本体２１の内側背面２１ａの四
隅に垂設された取付ボルト２６は、図４のように取付金
具２８に取付ボルト２６の頭部２６ａを挿通して垂設さ
せ、ボルトサポータ２９によって取付ボルト２６を抜け
止めすると共に、ナット３０によって取付ボルト２６を
垂設した状態で固定していた。

【０００４】また、分電盤の配線被覆板の支柱は、図５
のように箱体本体２１の開口端縁部２１ｃの直下近傍に
設けた取付金具２８に内機取付レール２２または機器取
付板（図示せず）を固定し、その内機取付レール２２ま
たは機器取付板より開口端縁部２１ｃの近傍までの長さ
の棒状の蝶番支柱３１及び受け支柱３２を垂設したもの
や、図６のように箱体本体２１の側面２１ｂ側へ大きく
突出するように略コ字状に形成した蝶番支柱３３及び受
け支柱（図示せず）があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術によると、箱体本体２１の内側背面２１ａの四隅
に垂設された取付ボルト２６に内機取付レール２２をナ
ット２７で螺着しているため、例えば、箱体本体２１を
予め壁面に設置した状態で各種電気機器を取り付けた内
機取付レール２２を取り付ける場合、内機取付レール２
２と箱体本体２１の左右側面２１ｂとの間に隙間がな
く、箱体本体２１の開口端縁部２１ｃに両手が当たるた
め、取付作業が非常に困難である他、内機取付レール２
２を取り付けた後、同様に内機取付レール２２と箱体本
体２１の左右側面２１ｂとの間の配線スペース３４が非
常に狭く、配線作業が困難であるという欠点もあった。

【０００６】また、図５及び図６の蝶番支柱３１，３３
及び受け支柱３２は高さが固定されているため、箱体本
体２１の奥行寸法Ｄが変更した場合、その箱体に応じた
高さの支柱を設けたり、内機取付レール２２と取付金具
２８との間にスペーサを介して内機の高さ調節をしなけ
ればならず、部品点数が増加するという欠点があった。

【０００７】そこで本発明は、配線作業及び配線被覆板
の支柱の高さ調節が容易に行うことができる分電盤を提
供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る分電盤は、箱体本体の内側背面の少な
くとも四隅に設けた取付金具に第１のボルトを垂設し、
その第１のボルトに対向する第１の挿通孔を形成したベ
ース金具を設け、そのベース金具は一端の近傍に第２の
挿通孔を形成すると共に、その第２の挿通孔に第２のボ
ルトを垂設し、その第２のボルトに内機取付レールの上
下固定部を固着し、ベース金具の他端は第１の挿通孔よ
り箱体本体の上下左右の側面の少なくとも一面方向へ延
設すると共に、その上下左右の側面の少なくとも一面に
当接または近接して垂設され、そのベース金具の垂設部
に第３の挿通孔を形成し、その第３の挿通孔に配線被覆
板の支柱を固着したものである。

【０００９】ベース金具の第３の挿通孔と、その第３の
挿通孔に対向する支柱の取付孔との両方またはいずれか
一方を複数個形成したものである。

【００１０】

【作用】箱体本体の取付金具に垂設した第１のボルトに
ベース金具の第１の挿通孔を挿通し、そのベース金具の
第２の挿通孔に第２のボルトを垂設すると共に、その第
２のボルトに内機取付レールの上下固定部を挿通し、第
１のボルト及び第２のボルトにナットを螺着してベース
金具及び内機取付レールを固着する。また、箱体本体の
側面に垂設されたベース金具の垂設部の第３の挿通孔に
支柱の取付孔を対向させ、その取付孔及び第３の挿通孔
に取付部材を挿通して支柱を垂設し、その支柱の上部に
蝶番部材または受け部材を設けて配線被覆板を備える。

【００１１】

【実施例】本発明に係る分電盤一実施例を添付図面に基
づいて説明する。

【００１２】図１は本発明に係る分電盤の一実施例の説
明図、図２は図１における要部の説明図であり、箱体本
体１の内側背面１ａの少なくとも四隅に設けた取付金具
２に第１のボルト３を垂設し、その第１のボルト３に対
向する第１の挿通孔４を形成したベース金具５を設け、
そのベース金具５は一端の近傍に第２の挿通孔６を形成
すると共に、その第２の挿通孔６に第２のボルト７を垂
設し、その第２のボルト７に内機取付レール８の上下固
定部８ａを固着し、ベース金具５の他端は第１の挿通孔
３より箱体本体１の上下左右の側面１ｂの二面方向へ延
設すると共に、その上下左右の側面１ｂの二面に当接ま
たは近接して垂設され、そのベース金具５の垂設部５ａ
に第３の挿通孔９を形成し、その第３の挿通孔９に配線
被覆板１０の支柱１１を固着したものである。

【００１３】ベース金具５の垂設部５ａに形成された第
３の挿通孔９と、その第３の挿通孔９に対向する支柱１
１の取付孔１１ａとを上下方向に複数個形成したもので
ある。

【００１４】箱体本体１の取付金具２に垂設した第１の
ボルト３にベース金具５の第１の挿通孔４を挿通し、そ
のベース金具５の第２の挿通孔６に第２のボルト７を垂
設すると共に、その第２のボルト７に内機取付レール８
の上下固定部８ａを挿通し、第１のボルト３及び第２の
ボルト７にナット１２を螺着してベース金具５及び内機
取付レール８を固着する。また、箱体本体１の側面１ｂ
に垂設されたベース金具５の垂設部５ａの第３の挿通孔
９に支柱１１の取付孔１１ａを対向させ、その取付孔１
１ａ及び第３の挿通孔９に取付ネジ１３を螺着して支柱
１１を垂設し、その支柱１１の上部に蝶番部材１４また
は受け部材１５を設けて配線被覆板１０を備える。

【００１５】上記のように構成された分電盤は、箱体本
体１の内側背面１ａの取付金具２にベース金具５を設
け、そのベース金具５の一端の近傍に内機取付レール８
を固着すると共に、他端の垂設部５ａに支柱１１を垂設
しているため、箱体本体１から内機を取り出す際におい
ても、支柱１１を取り外すことなく、また、箱体本体１
と支柱１１の間の配線スペース１６が非常に広く、配線
する電線が多い場合や太い場合においても、電線の圧迫
によって支柱１１が変形することもなく、配線作業が非
常に容易である他、ベース金具５は箱体本体１の上下左
右の側面１ｂの少なくとも一面方向へ延設され、更にそ
の側面１ｂの少なくとも一面に当接または近接して垂設
部５ａを設けたものであるため、ベース金具５で箱体本
体１の側面１ｂを補強することができ、箱体本体１のた
わみを防止し、強度を向上することができる。

【００１６】また、ベース金具５の一端は箱体本体１の
上下左右の側面１ａの少なくとも一面に当接または近接
して垂設し、その垂設部５ａに形成した第３の挿通孔９
及び支柱１１の取付孔１１ａを上下方向に複数個形成し
たものであるため、箱体本体１の奥行寸法Ｄが変更した
場合、ベース金具５の垂設部５ａに形成した複数個の第
３の挿通孔９または支柱１１に形成した取付孔１１ａと
を夫々上下にスライドさせ、取付ネジ１３を任意の第３
の挿通孔９及び取付孔１１ａに夫々変更することにより
容易に支柱１１の高さ調整をすることもできる。

【００１７】ベース金具５の垂設部５ａは箱体本体１の
上下左右の側板１ｂに、当接または近接して設けたもの
であり、垂設部５ａを箱体本体１に近接し、その垂設部
５ａと箱体本体１との間に間隙が形成された場合、その
間隙は５ｍｍ以下が好ましい。

【００１８】尚、上記実施例において、ベース金具５に
形成された第３の挿通孔９及び支柱１１に形成された取
付孔１１ａは夫々上下方向に複数個形成されているが、
これは一例であり、例えば、ベース金具５の第３の挿通
孔９または支柱１１の取付孔１１ａのいずれか一方に形
成することができる。また、その他の部品の形状や孔数
も上記実施例に限定するものではなく、本発明の目的を
逸脱しない範囲において、適宜変更することができる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る分電
盤は、箱体本体の内側背面の少なくとも四隅に設けた取
付金具に第１のボルトを垂設し、その第１のボルトに対
向する第１の挿通孔を形成したベース金具を設け、その
ベース金具は一端の近傍に第２の挿通孔を形成すると共
に、その第２の挿通孔に第２のボルトを垂設し、その第
２のボルトに内機取付レールの上下固定部を固着し、ベ
ース金具の他端は第１の挿通孔より箱体本体の上下左右
の側面の少なくとも一面方向へ延設すると共に、その上
下左右の側面の少なくとも一面に当接または近接して垂
設され、そのベース金具の垂設部に第３の挿通孔を形成
し、その第３の挿通孔に配線被覆板の支柱を固着したも
のであるため、配線作業が非常に容易である他、箱体本
体の強度を向上することができるという優れた効果を有
するものである。

【００２０】ベース金具の第３の挿通孔と、その第３の
挿通孔に対向する支柱の取付孔との両方またはいずれか
一方を複数個形成したものであるため、箱体本体の奥行
寸法が変更した場合においても支柱の高さを容易に調整
することができるという優れた効果を有するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る分電盤の一実施例の説明図であ
る。

【図２】図１における要部の説明図である。

【図３】従来技術の分電盤の説明図である。

【図４】従来技術の取付金具の説明図である。

【図５】従来技術の分電盤の説明図である。

【図６】従来技術の分電盤の説明図である。

【符号の説明】

１・・・箱体本体、１ａ・・・内側背面、１ｂ・・・側
面、２・・・取付金具、３・・・第１のボルト、４・・
・第１の挿通孔、５・・・ベース金具、５ａ・・・垂設
部、６・・・第２の挿通孔、７・・・第２のボルト、８
・・・内機取付レール、８ａ・・・上下固定部、９・・
・第３の挿通孔、１０・・・配線被覆板、１１・・・支
柱、１１ａ・・・取付孔、１２・・・ナット、１３・・
・取付ネジ、１４・・・蝶番部材、１５・・・受け部
材、１６・・・配線スペース、Ｄ・・・奥行寸法。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内機取付レール間に機器取付板を設けて
   各種電気機器を箱体本体の背面に配設し、前記各種電気
   機器等を被覆する配線被覆板を備えた分電盤において、
   前記箱体本体の内側背面の少なくとも四隅に設けた取付
   金具に第１のボルトを垂設し、該第１のボルトに対向す
   る第１の挿通孔を形成したベース金具を設け、該ベース
   金具は一端の近傍に第２の挿通孔を形成すると共に、該
   第２の挿通孔に第２のボルトを垂設し、該第２のボルト
   に前記内機取付レールの上下固定部を第２のボルトで固
   着し、他端は前記第１の挿通孔より前記箱体本体の上下
   左右の側面の少なくとも一面方向へ延設すると共に、該
   上下左右の側面の少なくとも一面に当接または近接して
   垂設され、該ベース金具の垂設部に第３の挿通孔を形成
   し、該第３の挿通孔に前記配線被覆板の支柱を固着した
   ことを特徴とする分電盤。
2. 【請求項２】 前記ベース金具の第３の挿通孔と、該第
   ３の挿通孔に対向する前記支柱の取付孔との両方または
   いずれか一方を複数個形成したことを特徴とする請求項
   １に記載の分電盤。