JP2861580B2 - 刺繍データ作成装置 - Google Patents

刺繍データ作成装置

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JP2861580B2
JP2861580B2 JP2231092A JP2231092A JP2861580B2 JP 2861580 B2 JP2861580 B2 JP 2861580B2 JP 2231092 A JP2231092 A JP 2231092A JP 2231092 A JP2231092 A JP 2231092A JP 2861580 B2 JP2861580 B2 JP 2861580B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工布に対して所定の
図形の刺繍を施すミシンにおける、刺繍動作の実行に必
要な刺繍関連データを作成する刺繍データ作成装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】例えばワンポイントマーク等を刺繍する
刺繍ミシンにあっては、ミシンの制御装置は、例えばそ
の図形に対応した針落ち点を指定するステッチデータに
基づいて、加工布あるいは縫針を順次移動させながら刺
繍動作を実行するようになっている。この場合、前記ス
テッチデータは、刺繍データ作成装置により自動的に作
成されるようになっている。
【0003】この刺繍データ作成装置は、マイクロコン
ピュータ,イメージスキャナ,キーボード,フロッピー
ディスクドライブ,CRTディスプレイ等を備えて構成
され、例えばオペレータが図形に関する情報を入力する
ことに基づいて、ステッチデータを演算により自動的に
求めるようになっている。
【0004】一例を上げると、刺繍を行いたい図形Aが
図9(a)に示すような「L」の字を横に倒したような
形状である場合、その輪郭を構成する輪郭線を画定する
輪郭線データ等に基づき、所定のアルゴリズムによって
図形Aは例えば3個の四角形のブロックb1〜b3に分
割される。そして、図10(a)に示すように、ブロッ
クBの各頂点に、刺繍進行方向(矢印で示す方向)に点
1,2,3,4と番号が付されてその位置がブロックデ
ータとして記憶されるのである。ここで、図9のように
ブロックが連続する場合には、2番目b2,3番目b3
のブロックの点1,2は、一つ前のブロックの点3,4
と一致することになる。
【0005】この後、そのブロックデータのいわゆる一
針展開がなされて、ステッチデータが作成されるのであ
る。この一針展開の方法としては、図10(b)に示す
ように、指定された糸密度に応じて、主辺部1−3及び
主辺部2−4を夫々等分割して針落ち点を求め、針落ち
順序が点1,2,a,b,……h,3,4となるような
ステッチデータを作成するものが一般的である。
【0006】ここで、糸密度とは、副辺部1−2の中点
及び副辺部3−4の中点を結ぶ中心線に対し、その単位
長さ(例えば1mm)あたりステッチが何本横切るかで
指定される。また、上記の一針展開の方法は、逆N型展
開ルーチンと称され、詳しい説明は省略するが、その他
にもV型展開ルーチンと称される方法等の種々の一針展
開の方法が知られている。
【0007】このようなステッチデータによれば、図9
(b)に示すように、加工布には図形Aをサテン縫いの
ステッチSにより、所定の糸密度で埋めるような刺繍が
実行されるのである。
【0008】尚、上述のようなブロックデータを用いず
に、輪郭線データから、直接ステッチデータを作成する
ようにしたものも周知である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した図
形Aのように、折曲がっている部分がある図形の刺繍を
行う場合、図9(b)に示すように、その折曲り部分に
おいて、ステッチSが刺繍進行方向に対して大きく傾斜
するようになる。また、その他にも、デザイン的にステ
ッチが斜めになったり、図形のうち幅が細い部分のステ
ッチをわざと斜めにしてその部分をより鮮明にするとい
ったことが行われる。
【0010】ところが、そのように図形Aのうちステッ
チSが刺繍進行方向に対して大きく傾斜する部分がある
場合、言換えれば上記ブロックb2のように副辺部が斜
辺となっているいびつな四角形のブロックでは、ステッ
チSが刺繍進行方向に対して略直角となる長方形のブロ
ック(ブロックb1)に比べ、一針展開時の糸密度は同
等であっても、実質的なステッチの密度(ブロック全体
の面積に対するステッチSの占める面積)は高くなって
いる。
【0011】このため、従来の方法で作成された刺繍デ
ータによれば、刺繍の出来上り状態で、図形Aの折曲り
部分においてステッチSが混み合って、その部分が他の
部分に比べて膨らんで見えるといった不具合が生ずるこ
とになっていた。
【0012】そこで、かかる欠点を解消するため、本出
願人は、特願平2−122726号等により、ブロック
の形状に応じてブロック毎に糸密度を補正し、図形全体
で実質的なステッチの密度を均一化することを提案して
いる。
【0013】しかしながら、このようにブロック毎に糸
密度を補正する方法では、図9に示すブロックb2のよ
うに、ブロックb2のうち刺繍の始めの部分ではステッ
チSの傾斜は少なく、ブロックb2の後半に進むに従っ
て次第に傾斜が大きくなるというように、ブロックb2
内においてステッチSの傾斜度合が変化していくような
場合には対応できず、結局、1個のブロックb2内部に
おいて実質的なステッチSの密度が不均一となるといっ
た問題点が依然として残されていた。
【0014】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、実質的なステッチの密度を図形全体に
均一化してきれいな刺繍を実行することが可能な刺繍デ
ータを作成することができる刺繍データ作成装置を提供
するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の刺繍データ作成装置は、加工布に対して所
定の図形の刺繍を施すミシンにおける、前記図形の輪郭
を構成し刺繍進行方向に延びる一対の対向する主辺部間
を交互に結ぶステッチにより、設定された糸密度にて該
図形の内部を埋めるような刺繍を実行させるための刺繍
関連データを作成するものであって、刺繍進行方向に対
する前記ステッチの傾斜の大きさを判定する判定手段
と、この判定手段によりステッチの傾斜が大きいと判定
された前記図形中の領域の糸密度が、ステッチの傾斜が
小さいと判定された領域の糸密度に比べて低くなるよう
に変更する糸密度変更手段とを具備している。
【0016】
【作用】糸密度を図形全体に渡って均等とした場合に
は、ステッチの傾斜が大きい領域では、実質的なステッ
チの密度が高くなる事情がある。
【0017】これに対し、上記手段によれば、判定手段
により、ステッチの刺繍進行方向に対する傾斜が大きい
と判定された図形中の領域においては、糸密度変更手段
により、その糸密度がステッチの傾斜が小さい領域の糸
密度に比べて低くなるように変更される。
【0018】従って、例えば図形全体あるいは図形中の
一つのブロックにあって、ステッチの傾きが次第に変化
するような場合でも、ステッチの傾斜が大きい領域のみ
の糸密度を低くすることができる。この結果、実質的な
ステッチの密度を図形全体に均一化することが可能とな
り、ひいてはきれいな刺繍を実行することができるよう
になる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例について、図1
乃至図6を参照して説明する。尚、本実施例では、ブロ
ックデータを用いるものにおいて、そのブロックデータ
の補正及び補正されたブロックデータを一針展開する際
の糸密度の変更を行う場合について述べる。また、図5
に示すような、「L」の字を横に倒したような形状の図
形Aを具体例としてあげながら説明する。
【0020】まず、図示はしないが、刺繍ミシンについ
て簡単に触れておく。刺繍ミシンは、ミシンベッド上に
配置される加工布を、水平移動機構により装置固有の
x,y座標系で示される所定位置に移動させつつ、縫針
及び釜機構による縫い動作を行うことにより、その加工
布に所定の刺繍を施すようになっている。
【0021】この場合、前記水平移動機構や針棒など
は、制御装置により制御されるようになっており、従っ
て、一針毎の加工布のx,y方向の移動量(針落ち位
置)等を指示する刺繍関連データとしてのステッチデー
タが与えられることにより、制御装置は、刺繍動作を自
動的に実行することが可能となるのである。本実施例に
係る刺繍データ作成装置は、かかるステッチデータを作
成する機能を備えるものである。
【0022】尚、近年では、刺繍関連データとしてのブ
ロックデータが与えられることにより、自動的に一針展
開を行いつつ刺繍動作を実行する刺繍ミシンも供されて
きている。刺繍ミシンがこのような機能を有する場合に
は、刺繍データ作成装置はブロックデータを作成するま
での処理を行えば良く、また、最終的なステッチデータ
は、どちらが作成しても同等のものとなる。
【0023】次に、本実施例に係る刺繍データ作成装置
の全体構成について、図2及び図3を参照して述べる。
図2は刺繍データ作成装置の全体の外観を示すものであ
り、ここで、作成装置本体1は、例えば汎用のパーソナ
ルコンピュータ本体からなり、図3に示すように、CP
U2,ROM3,RAM4,フロッピーディスクドライ
ブ5,入出力インターフェイス6をバス7を介して相互
に接続して構成されている。
【0024】そして、この作成装置本体1には、刺繍す
べき図形A等を画面8aに表示するためのCRTディス
プレイ8、オペレータが各種の指示を行うためのキーボ
ード9及びマウス10、例えばオペレータが新たに作成
した図形Aの原画を入力するためのイメージスキャナ1
1、作成されたデータのファイルを記憶するためのハー
ドディスクドライブからなる外部記憶装置12が、前記
入出力インターフェイス6を介して接続されている。
【0025】前記ROM3は、図形Aの輪郭を構成し刺
繍進行方向に延びる一対の対向する主辺部間を交互に結
ぶステッチにより、設定された糸密度にて該図形Aの内
部を埋めるような刺繍を実行させるためのステッチデー
タの作成等を実行するためのプログラムを備えている。
【0026】また、前記RAM4には、図4に示すよう
に、カウンタ4a,ブロックデータエリア4b,ステッ
チデータエリア4c,糸密度データエリア4d等が、ワ
ーキングエリア4eと共に設けられている。
【0027】これにより、本実施例では、作成装置本体
1は、まず、前記イメージスキャナ11により図形Aの
イメージを読取ってイメージデータを作成し、このイメ
ージデータから、自動的あるいはオペレータが表示装置
8の画面8aを見ながら適宜なポイントを指定すること
により、図形Aの輪郭線を抽出して輪郭線データを作成
する。
【0028】次に、この輪郭線データから、図形Aを、
例えば所定のアルゴリズムにより刺繍進行方向(図5に
矢印で示す方向)に連続する複数の四角形のブロックb
1〜b3に自動的に分割することにより、ブロックデー
タを作成する。このブロックデータは、前記各ブロック
の頂点に、刺繍進行方向に向けて1,2,3,4の番号
が付された位置座標からなる。この番号は、1番の点が
そのブロックの縫始めとなり、4番の点が縫終りとな
り、線分1−3と線分2−4と(これらが主辺部とな
る)の間を交互に結ぶステッチ(例えばサテン縫い)に
より刺繍動作が進行するように設定されるのである。
【0029】また、このブロックデータと共に、各ブロ
ックb1〜b3に対する糸密度がRAM4に記憶される
ようになっている。この糸密度とは、副辺部1−2の中
点及び副辺部3−4の中点を結ぶ中心線に対し、その単
位長さ(例えば1mm)あたりステッチが何本横切るか
で指定され、例えばオペレータにより予め設定されるよ
うになっている。
【0030】しかる後、作成装置本体1は、ブロックデ
ータ及び糸密度データから、各ブロックを一針展開する
ことにより、ステッチデータを作成するようになってい
る。この一針展開の方法としては、例えば図10に示す
ように、設定された糸密度に応じて、各ブロックの主辺
部1−3及び主辺部2−4を夫々等分割して針落ち点
a,b……を求め、針落ち順序が点1,2,a,b,…
…h,3,4となるようなステッチデータを作成する逆
N型展開ルーチンが用いられる。
【0031】尚、上記のイメージデータ,輪郭線デー
タ,ブロックデータ,ステッチデータは、例えば作成さ
れた段階でその都度フロッピーディスクに記憶されるよ
うになっている。
【0032】さて、本実施例では、作成装置本体1は、
そのソフトウエア構成により、前記ブロックデータが作
成された後、そのブロックのうち刺繍進行方向に細長い
ブロックについては、そのブロックをさらに細分化する
ようにブロックデータを補正し、その後、補正された各
ブロックにおけるブロック形状から、ステッチの刺繍進
行方向に対する傾斜が大きくなると間接的に判定される
場合には、そのブロックに関する糸密度を、設定された
糸密度よりも小さくする糸密度の変更を行うようになっ
ている。
【0033】従って、この作成装置本体1が、本発明に
いう判定手段及び糸密度変更手段として機能するように
なっている。このブロックの補正及び糸密度の変更の処
理手順の詳細は、後述するフローチャートの説明にて明
らかとなる。
【0034】次に、このように構成された刺繍データ作
成装置の作用について、図1,図5及び図6も参照して
述べる。今、例えば図5に示す図形Aのステッチデータ
を作成する場合には、上述のように、イメージデータ,
輪郭線データ,ブロックデータが順に作成される。
【0035】作成されたブロックデータにおいては、図
5(a)に示すように、図形Aは、ブロックb1〜b3
の3個のブロックに分割されている。また、糸密度デー
タは、オペレータにより予め設定されているが、このと
きには、図形Aに対して1つの値(全てのブロックb1
〜b3に対して同等な値)に設定されている。
【0036】さて、このようにブロックデータが作成さ
れると、ステッチデータに一針展開される以前に、図1
のフローチャートに示す手順にて、ブロックの補正及び
糸密度の変更の処理が実行される。
【0037】まず、ステップS1にて、ブロックデータ
の読込みを行なう。次に、ステップS2にて、総ブロッ
クデータ数(この場合3)を変数Nに代入し、ステップ
S3にて、カウンタCに1をセットすると共に、ステッ
プS4にて、カウンタPに0を代入する。
【0038】次のステップS5では、C番目のブロック
の形状が細長いかどうかを判断する。この判断は、各ブ
ロックの一対の主辺部の長さ平均が、一対の副辺部の長
さ平均の例えば2倍を越えるかどうかにより行う。ここ
で、図形Aのブロックb1のようにブロックの形状が細
長いものではない場合には(No)、ステップS6に
て、細分化することなくそのままC番ブロックをRAM
4に記憶し、ステップS8に進む。
【0039】一方、ステップS5にて、ブロックの形状
が細長いものであった場合には(Yes)、ステップS
7に進む。図形Aの例では、ブロックb2及びブロック
b3は、共に細長いと判断される。このステップS7で
は、細長さに応じたブロックの細分化が行われる。この
細分化は、例えば上記の副辺部の長さ平均が主辺部の長
さ平均の2倍〜4倍の場合には2分割、4倍〜6倍の場
合には3分割といったように、細分化されたブロックの
副辺部の長さ平均が主辺部の長さ平均の2倍以内に収ま
るようにして行われる。
【0040】図形Aの例では、ブロックb2及びブロッ
クb3は共に2分割される。ここでは、図5(b)に示
すように、例えばブロックb2の両主辺部の中点p,q
を結ぶ線により、ブロックb2が細分化されるのであ
る。また、ブロックb3も同様に、中点r,sを結ぶ線
により2分割される。この結果、図形Aは、刺繍方向に
順に5つのブロックB1〜B5に補正されるのである。
【0041】ステップS7では、このようにして細長い
ブロックを細分化した、新たなブロックデータを作成
し、順にRAM4に記憶すると共に、細分化により増加
したブロックの個数分だけカウンタPをインクリメント
する。
【0042】この後、ステップS8に進み、ここでカウ
ンタCをインクリメントし、ステップS9にて、Cの値
がNの値を越えたかどうかを判断して、越えていない場
合には、ステップS5に戻る。全てのブロックについて
上述の処理が終了すると、ステップS9にてYesとな
ってブロックデータの補正の処理が終了する。
【0043】そして、ステップS10からは、補正され
たブロックデータの各ブロックについての糸密度の変更
の処理が行われる。ここでは、まず、ステップS10に
て、変数Nの値にPの値を加算したものを新たなNの値
とし(図形Aの例では5)、ステップS11にて、カウ
ンタCに1を代入する。
【0044】次のステップS12では、C番ブロックの
糸密度の補正を行う。図1のフローチャートには示して
いないが、この糸密度の補正の方法の一例としては、図
6に示すような方法がある。
【0045】即ち、ブロックBは、点1,2,3,4を
頂点とするものであるが、まず、両副辺部1−2及び副
辺部3−4の中点M及びNを夫々求めると共に、両副辺
部1−2及び副辺部3−4を夫々延長しその交点Oを求
める。そして、両副辺部1−2及び副辺部3−4の延長
線のなす角を2等分する直線L1を求め、この直線L1
に平行で前記中点Nを通る直線L2を求める。さらに、
点Mから直線L2向けて垂線を引き、直線L2との交点
をPとする。
【0046】そして、線分MPの長さを線分MNの長さ
で割った値が、補正係数となり、設定されていた糸密度
dにこの補正係数を乗算することにより、補正された糸
密度Dが算出されるのである。式で示すと、 D=(MP/MN)×d となる。尚、副辺部が平行な場合には、中点Mから、副
辺部3−4に向けて垂線を引き、副辺部3−4との交点
をPとする。従って、副辺部が主辺部に対して傾斜して
いる場合には、MP<MNとなって、補正係数が1以下
となり、また、ブロックが長方形の場合には、補正係数
は1となるのである。
【0047】これにて、刺繍進行方向に対するステッチ
の傾斜が大きいかどうかが、ブロックの形状によって間
接的に判定されることになり、ステッチの傾斜が大きく
なるブロックについては、その傾斜の度合に応じて糸密
度が小さくなるように変更されるのである。
【0048】このように糸密度の補正が行われると、ス
テップS13にて、カウンタCがインクリメントされ、
ステップS14にて、Cの値がNの値を越えたかどうか
を判断して、越えていない場合には、ステップS12に
戻る。全てのブロックB1〜B5について上述の処理が
終了すると、ステップS14にてYesとなって糸密度
の補正の処理が終了する。
【0049】しかる後、上述のようにして補正されたブ
ロックデータ及びブロック毎の糸密度に基づいて、ステ
ッチデータの作成がなされる。このステッチデータの作
成方法(一針展開)は、上述の通りであるが、ここで
は、各ブロックB1〜B5に対する糸密度が、夫々異な
っている。つまり、ブロックB1に対しては糸密度が設
定されたままの値であり、ブロックB2及びブロックB
5に対しては、それよりやや低い糸密度とされ、ブロッ
クB3及びブロックB4に対しては、さらに低い糸密度
とされているのである。
【0050】そして、この後、得られたステッチデータ
に基づいて、加工布に対する刺繍が実行されるのである
が、ブロック及び糸密度の補正を行ったことにより、加
工布には、図5(c)に示すようなステッチSが形成さ
れるようになる。このステッチデータによれば、図形A
の折曲り部分においてステッチSが混み合うこともな
く、実質的なステッチSの密度が図形A全体に渡って均
一化され、見た目にもきれいな刺繍が施されるようにな
るのである。
【0051】このように本実施例によれば、通常の方法
で一旦作成されたブロックデータを、細長いブロックが
細分化されるように補正を行い、この補正を行ったうえ
で、各ブロックに対する糸密度を、ステッチの傾斜が大
きくなるブロックに対してその傾斜に応じて糸密度が低
くなるように変更するようにした。
【0052】従って、糸密度を均等にした従来のものと
異なり、実質的なステッチSの密度の均一化を図ること
ができる。しかも、いわば大雑把なブロック毎に糸密度
を補正していた従来のものとも異なり、細長いブロック
の細分化を行って綿密に糸密度の変更を行うようにした
ので、ステッチSの傾斜度合が連続的に変化していくよ
うな場合でも、一つのブロック内ひいては図形A全体に
おける実質的なステッチSの密度を均一化することがで
きる。
【0053】この結果、ステッチSが傾斜する部分が生
ずる事情があっても、ステッチSに部分による粗密が生
ずることがなくなり、きれいな刺繍を実行することがで
きる刺繍データを作成することが可能となったのであ
る。
【0054】尚、上記実施例では、作成装置本体1によ
りステッチデータまで作成するようにしたが、一針展開
の機能を有する刺繍ミシンにより刺繍を実行させる場合
には、ブロックデータの補正及び糸密度の変更までを行
って、これを刺繍関連データとして刺繍ミシンに与える
ようにすれば良い。
【0055】次に、本発明の第2の実施例について図7
及び図8を参照して説明する。本実施例が上記第1の実
施例と異なるところは、作成装置本体1のソフトウエア
構成にある。
【0056】本実施例においては、通常の方法で作成さ
れたブロックデータ及び糸密度データから、一針展開を
行ってステッチデータを作成する際に、従来のような主
辺部を均等割りして針落ち点とするといった展開ルーチ
ンを用いずに、いわば糸密度を連続的に補正するような
新規な方法の一針展開を行うようになっている。
【0057】詳細は後述するフローチャートの説明にて
明らかとなるが、本実施例の一針展開の方法は、ステッ
チの延びる方向(傾斜の度合)に関係なく、ブロック内
における多数本のステッチ間の間隔が設定された糸密度
に応じてほぼ一定となるように、針落ち点を決定しよう
とするものである。
【0058】このようにステッチ間の間隔をほぼ一定と
することは、言換えると、ステッチの傾斜が大きくなる
部分にあっては、その部分の糸密度が設定された糸密度
よりも低くなることを意味している。従って、作成装置
本体1は、やはり間接的にステッチの傾斜の大きさを判
定し、また、結果的に、図形中のステッチの傾斜の大き
い領域の糸密度が、傾斜が小さい領域に比べて低くなる
ように変更されるのである。
【0059】さて、ブロックデータが通常の方法で作成
された後、図7のフローチャートに示す手順にて一針展
開がなされてステッチデータが作成される。尚、ここで
は、図8に示すブロックb2を一針展開する場合を具体
例としながら説明する。
【0060】即ち、まず、ステップS21にて、ブロッ
クデータの読込みを行い、ステップS22にて、総ブロ
ックデータ数を変数Nに代入する。そして、ステップS
23にて、1番目のブロックの点1,点2を順に針落ち
点としたステッチ1−2のステッチデータをRAM4に
記憶し、ステップS24にて、カウンタCに1をセット
する。
【0061】次のステップS25では、C番ブロックの
各副辺部1−2及び3−4の中点T及びUを求め、その
中点T,Uを結ぶ中心線T−Uの長さを求めて変数Lに
代入し、ステップS26にて、針落ち点を管理する変数
xを1にセットする。
【0062】そして、ステップS27にて、前記中心線
T−U上の点Pxを演算により求める。この点Pxは、
図8に示すように、前ステッチ(1回目にこのルーチン
を通るときにはステッチ1−2)から、中心線T−Uに
垂線を引いたときに、その垂線の長さが糸密度データか
ら得られる糸密度ピッチe(往復2本のステッチが中心
線T−U上を占める長さ)となるようにして求められ
る。
【0063】点Pxが求められると、ステップS28に
て、その点PxがT−U間にあるかどうか(ブロックb
2からはみ出さないかどうか)が判断される。そして、
点PxがT−U間にあれば(Yes)、次のステップS
29にて、T−Pxの長さとPx−Uの長さとの比を求
め、その比により、両主辺部1−3及び2−4を夫々分
割して、点mx及び点nxを求める。
【0064】このようにして求められた点mx及び点n
xが次の針落ち点となり、ステップS30にて、ステッ
チn(x-1) −mx、及び、ステッチmx−nxのステッ
チデータをRAM4に順に記憶する。次のステップS3
1にて、変数xの値をインクリメントし、ステップS2
7に戻って、同様の処理を繰返す。
【0065】これにて、図8に示すように、針落ち点
が、点1,点2,点m1,点n1,点m2,点n2,…
…の順となったステッチデータが作成されて行く。そし
て、ブロックb2の最後の部分になると(図8の例では
xが7になると)、ついには点Pxが線分T−U内に収
まらなくなってしまうようになる(ステップS28にて
No)。
【0066】この場合には、ステップS32にて、次の
針落ち点が強制的に点3,点4に決定され、そのステッ
チデータがRAM4に記憶されるようになる。これに
て、ブロックb2に関するステッチデータが、針落ち点
が点1,点2,点m1,点n1,点m2,……,点n
6,点3,点4となるように作成されるのである。
【0067】この後、ステップS33にて、カウンタC
がインクリメントされ、ステップS34にて、Cの値が
Nの値を越えたかどうかを判断して、越えていない場合
には、ステップS25に戻る。図形の全てのブロックに
ついて上述の処理が終了すると、ステップS34にてY
esとなってステッチデータの作成の処理が終了するの
である。
【0068】このような本実施例によれば、図8からも
明らかなように、一のブロックb2にあって、ステッチ
の傾きに関係なく、ステッチ同士の間隔がほぼ一定とな
るステッチデータを作成することができる。このこと
は、ステッチの傾きが次第に変化するような場合でも、
ステッチの傾斜が大きい領域では(図8ではブロックb
2の右側部位)、針落ち点の間隔が次第に大きくなっ
て、糸密度が低くなることを意味している。
【0069】従って、主辺部を均等割りして針落ち点と
する従来のものと異なり、一のブロック内でステッチの
傾斜度合が連続的に変化していくような場合でも、実質
的なステッチSの密度の均一化を図ることができ、ひい
ては図形全体における実質的なステッチの密度を均一化
することができるものである。
【0070】この結果、上記第1の実施例と同様に、ス
テッチが傾斜する部分が生ずる事情があっても、ステッ
チに部分による粗密が生ずることがなくなり、きれいな
刺繍を実行することができる刺繍データを作成すること
が可能となった。
【0071】尚、上記説明では、ブロックデータを一針
展開してステッチデータを作成する場合を例としたが、
この第2の実施例における一針展開の手法は、ブロック
データを介さずに輪郭線データからステッチデータを直
接作成する場合にも適用することが可能である。
【0072】その他、本発明は、上記した各実施例に限
定されるものではなく、例えばステッチの傾斜の角度を
直接的に算出して糸密度を変更するようにしても良い
等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施するこ
とができるものである。
【0073】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
の刺繍データ作成装置によれば、刺繍進行方向に対する
ステッチの傾斜が大きいと図形中の領域の糸密度が、ス
テッチの傾斜が小さい領域の糸密度に比べて低くなるよ
うに変更されるので、ステッチの傾きが次第に変化する
ような場合でも、ステッチの傾斜が大きい領域のみの糸
密度を低くすることができ、実質的なステッチの密度を
図形全体に均一化してきれいな刺繍を実行することが可
能な刺繍データを作成することができるという優れた効
果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すブロック及び糸密
度の補正の手順を示すフローチャート
【図2】全体の外観を示す斜視図
【図3】全体の電気的構成を示すブロック図
【図4】RAMの内容を示す図
【図5】ブロックの補正の方法を説明するための図
【図6】糸密度の補正の方法を説明するための図
【図7】本発明の第2の実施例を示す一針展開の手順を
示すフローチャート
【図8】一針展開の方法を説明するための図
【図9】従来例を示す図5相当図
【図10】一般的な一針展開の方法を示す図
【符号の説明】
図面中、1は作成装置本体(判定手段,糸密度変更手
段)、2はCPU、3はROM、4はRAM、8はCR
Tディスプレイ、9はキーボード、10はマウス、12
は外部記憶装置、Aは図形、Sはステッチを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工布に対して所定の図形の刺繍を施す
    ミシンにおける、前記図形の輪郭を構成し刺繍進行方向
    に延びる一対の対向する主辺部間を交互に結ぶステッチ
    により、設定された糸密度にて該図形の内部を埋めるよ
    うな刺繍を実行させるための刺繍関連データを作成する
    ものであって、 刺繍進行方向に対する前記ステッチの傾斜の大きさを判
    定する判定手段と、 この判定手段によりステッチの傾斜が大きいと判定され
    た前記図形中の領域の糸密度が、ステッチの傾斜が小さ
    いと判定された領域の糸密度に比べて低くなるように変
    更する糸密度変更手段とを具備することを特徴とする刺
    繍データ作成装置。
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