JP4081866B2 - 刺繍データ作成装置及び記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、刺繍領域の内部を縫い目で埋めるための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置、及び、その刺繍データを作成するためのソフトウェアプログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の刺繍データ作成装置では、次のようにして刺繍データを作成することが考えられている。例えば、図19に例示するように、針落ち点Dを菱形に配列した単位パターンを設定しておく。なお、図19の単位パターン99は13列の縫い目線Lに対応している。この単位パターン99を、図20に示すように縦横に並べて配置(タイリング)し、所望の刺繍領域の内部を埋めれば、刺繍領域全体に針落ち点Dを設定することができる。このように設定された針落ち点Dに周知の方法で縫い順を設定し、これを刺繍データとして刺繍ミシンを制御すれば、その刺繍ミシンによって上記針落ち点Dの間に縫い目を形成し、刺繍領域の内部を縫い目で埋めることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この種の単位パターンは、各パターン毎に縫い目方向が規定されているので、縫い目方向を変更する場合は単位パターンそのものを作り直す必要がある。逆に、縫い目方向を一定にしたままで単位パターンの配置方向(例えば傾き)を変更するのも困難である。このため、刺繍データの作成能率向上には限界がある。また、この種の単位パターンは、糸密度(縫い目線Lの間隔に対応)が変化すると形状が大きく変化する。例えば、図19の単位パターン99は、糸密度が高くなると図21(A)に例示するように、糸密度が低くなると図21(B)に例示するように、それぞれ変化する。すなわち、糸密度に応じて縫い目模様が変化するため、所望の縫い目模様を得るためには、糸密度の変更に応じて単位パターンを作り直す必要がある。更に、この種の単位パターンを使用して刺繍データを作成した場合、隣接するが縫い順は連続しない刺繍ブロックの境界では、縫い目模様を揃えるのが困難な場合がある。
【0004】
そこで、本発明は、単位パターンを作り直すことなく、所望の縫い目模様に対応した刺繍データを容易に作成することのできる刺繍データ作成装置、及びその刺繍データを作成するための記憶媒体を提供することを目的としてなされた。特に、請求項2,3,6,7記載の発明は、縫い目模様を一層容易に変化させることのできる刺繍データ作成装置及び記憶媒体を提供することをも目的としてなされた。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達するためになされた請求項1記載の発明は、外形線によって規定される刺繍領域の内部を縫い目で埋めるための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置であって、線によって構成された図形を所定の形状領域で囲む形態で表され、縫い目模様の単位となる単位パターンを記憶する単位パターン記憶手段と、上記単位パターンを、上記外形線によって規定される上記刺繍領域の面内に、互いに隣接するもの同士が上記形状領域の外形線で連接するように2次元的に並べて配置するタイリング手段と、所望の縫い目方向に延びる線に沿って連続して配置される縫い目線を上記刺繍領域に設定する縫い目線設定手段と、上記タイリング手段によって配置された各単位パターンの上記図形を構成する線と、上記縫い目線設定手段に設定された縫い目線との交点を、針落ち点として設定する針落ち点設定手段と、を備えたことを特徴としている。
【0006】
このように構成された本発明では、単位パターン記憶手段に記憶された単位パターンを、タイリング手段が、外形線によって規定される刺繍領域の面内に、互いに隣接するもの同士が当該単位パターンの形状領域の外形線で連接するように2次元的に並べて配置する。また、縫い目線設定手段は、所望の縫い目方向に延びる線に沿って連続して配置される縫い目線を上記刺繍領域に設定する。本発明の単位パターンは線によって構成された図形を所定の形状領域で囲む形態で表され、上記縫い目線も連続しているので、上記タイリング手段によって配置された各単位パターンの上記図形を構成する線と上記縫い目線設定手段によって設定された縫い目線との間には交点ができる。そこで、針落ち点設定手段は、この交点を針落ち点として設定する。このため、針落ち点は上記単位パターンを構成する線の形状に応じて配設され、その針落ち点に応じて所望の縫い目が形成される。しかも、単位パターンの配置と縫い目線の設定とを独立して実行しているので、糸密度や縫い目方向、或いは単位パターンの配置方向を変化させても縫い目模様の形状は変化しない。
【0007】
従って、本発明では、単位パターンを作り直すことなく、所望の縫い目模様に対応した刺繍データを容易に作成することができる。よって、刺繍データの作成能率を良好に向上させ、刺繍を施した繊維製品の製造コストを大幅に低減することができる。
【0008】
なお、上記縫い目線は、点線や破線でなく連続した線であれば種々の形態で設定することができる。例えば、上記刺繍領域の外形線上の2点を繋ぐ線分,曲線,または折れ線であってもよく、その線分等の方向は刺繍領域全体に渡って一定であっても部分部分で異なってもよい。また、上記縫い目線としては、更に、上記刺繍領域内に一端を有する線分,曲線,または折れ線、或いは、上記刺繍領域に包含される閉曲線または多角形等、種々の形態の線を設定することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成に加え、上記タイリング手段による上記単位パターンの配置位置を規定するパラメータ、または、上記単位パターンの形状を規定するパラメータの、少なくともいずれか一方を設定するパラメータ設定手段を、更に備えたことを特徴としている。
【0010】
本発明では、パラメータ設定手段により、タイリング手段による単位パターンの配置位置を規定するパラメータ、または、単位パターンの形状を規定するパラメータの、少なくともいずれか一方を設定することができる。このため、単位パターンを作り直すことなく、縫い目模様の配置または形状を変化させることができる。
【0011】
すなわち、本発明では、請求項1記載の発明の構成に加えて、縫い目模様の配置または形状を容易に変化させることができるといった効果が生じる。従って、一層所望のものに近い縫い目模様を形成することができ、例えば、縫い目模様を隙間なく刺繍領域に配設することも容易に実行できる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の構成に加え、上記パラメータ設定手段が、上記単位パターンの配置基準位置、上記単位パターンの配置方向、上記単位パターンの配置のずらし方向、上記単位パターンの配置のずらし幅、上記単位パターンの大きさ、または、上記単位パターンの傾斜角の内、少なくともいずれか一つを設定することを特徴としている。
【0013】
本発明では、パラメータ設定手段により、単位パターンの配置基準位置、単位パターンの配置方向、単位パターンの配置のずらし方向、単位パターンの配置のずらし幅、単位パターンの大きさ、または、単位パターンの傾斜角の内、少なくともいずれか一つを設定することができる。
【0014】
このため、本発明では、単位パターンの配置基準位置、単位パターンの配置方向、単位パターンの配置のずらし方向、単位パターンの配置のずらし幅、単位パターンの大きさ、または、単位パターンの傾斜角を設定することにより、一層容易に縫い目模様の配置または形状を変化させることができる。従って、請求項2記載の発明の効果に加えて、一層所望のものに近い縫い目模様を一層容易に形成することができるといった効果が生じる。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加え、上記タイリング手段が、上記単位パターンを、上記刺繍領域全体を包含する範囲に配置することを特徴としている。
本発明では、刺繍領域全体を包含する範囲にタイリング手段が単位パターンを配置するので、刺繍領域の各部はいずれかの単位パターンに属することになる。このため、ステッチ(一針分の縫い目)が分割され易くなって長いステッチが少なくなる。
【0016】
従って、本発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、長いステッチが少ない良好な刺繍データを作成できるといった効果が生じる。よって、本発明によって作成された刺繍データに基づいて刺繍を行えば、糸の浮きの少ない良質な縫い目を形成することができる。
【0017】
請求項5記載の発明は、外形線によって規定される刺繍領域の内部を縫い目で埋めるための刺繍データを作成する手段としてコンピュータを機能させるソフトウェアプログラムを記憶した記憶媒体であって、線によって構成された図形を所定の形状領域で囲む形態で表され、縫い目模様の単位となる単位パターンを、上記外形線によって規定される上記刺繍領域の面内に、互いに隣接するもの同士が上記形状領域の外形線で連接するように2次元的に並べて配置するタイリング処理と、所望の縫い目方向に延びる線に沿って連続して配置される縫い目線を上記刺繍領域に設定する縫い目線設定処理と、上記タイリング処理によって配置された各単位パターンの上記図形を構成する線と、上記縫い目線設定処理によって設定された縫い目線との交点を、針落ち点として設定する針落ち点設定処理と、をコンピュータに実行させるためのソフトウェアプログラムを記憶したことを特徴としている。
【0018】
本発明に記憶されたソフトウェアプログラムをコンピュータに実行させれば、タイリング処理により、外形線によって規定される刺繍領域の面内に単位パターンが、互いに隣接するもの同士が当該単位パターンの形状領域の外形線で連接するように2次元的に並べて配置される。また、縫い目線設定処理では、所望の縫い目方向に延びる線に沿って連続して配置される縫い目線が上記刺繍領域に設定される。
【0019】
本発明の単位パターンは線によって構成された図形を所定の形状領域で囲む形態で表され、上記縫い目線も連続しているので、上記タイリング処理によって配置された各単位パターンの上記図形を構成する線と上記縫い目線設定処理によって設定された縫い目線との間には交点ができる。そこで、針落ち点設定処理では、この交点を針落ち点として設定する。このため、針落ち点は上記単位パターンを構成する線の形状に応じて配設され、その針落ち点に応じて所望の縫い目が形成される。しかも、単位パターンの配置と縫い目線の設定とを独立して実行しているので、糸密度や縫い目方向、或いは単位パターンの配置方向を変化させても縫い目模様の形状は変化しない。
【0020】
従って、本発明に記憶されたソフトウェアプログラムをコンピュータに実行させれば、請求項1記載の発明と同様に、単位パターンを作り直すことなく、所望の縫い目模様に対応した刺繍データを容易に作成できるといった効果が生じる。よって、刺繍データの作成能率を良好に向上させ、刺繍を施した繊維製品の製造コストを大幅に低減することができる。
【0021】
なお、上記縫い目線は、点線や破線でなく連続した線であれば種々の形態で設定することができる。例えば、上記刺繍領域の外形線上の2点を繋ぐ線分,曲線,または折れ線であってもよく、その線分等の方向は刺繍領域全体に渡って一定であっても部分部分で異なってもよい。また、上記縫い目線としては、更に、上記刺繍領域内に一端を有する線分,曲線,または折れ線、或いは、上記刺繍領域に包含される閉曲線または多角形等、種々の形態の線を設定することができる。
【0022】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の構成に加え、上記タイリング処理による上記単位パターンの配置位置を規定するパラメータ、または、上記単位パターンの形状を規定するパラメータの、少なくともいずれか一方を設定するパラメータ設定処理をコンピュータに実行させるためのソフトウェアプログラムを、更に記憶したことを特徴としている。
【0023】
本発明に記憶されたソフトウェアプログラムをコンピュータに実行させれば、パラメータ設定処理により、タイリング処理による単位パターンの配置位置を規定するパラメータ、または、単位パターンの形状を規定するパラメータの、少なくともいずれか一方を設定することができる。このため、単位パターンを作り直すことなく、縫い目模様の配置または形状を変化させることができる。
【0024】
このように、本発明に記憶されたソフトウェアプログラムをコンピュータに実行させれば、請求項2記載の発明と同様に、請求項5に関して述べた効果に加えて次のような効果が生じる。すなわち、縫い目模様の配置または形状を容易に変化させることができる。従って、一層所望のものに近い縫い目模様を形成することができ、例えば、縫い目模様を隙間なく刺繍領域に配設することも容易に実行できる。
【0025】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の構成に加え、上記パラメータ設定処理が、上記単位パターンの配置基準位置、上記単位パターンの配置方向、上記単位パターンの配置のずらし方向、上記単位パターンの配置のずらし幅、上記単位パターンの大きさ、または、上記単位パターンの傾斜角の内、少なくともいずれか一つを設定することを特徴としている。
【0026】
本発明に記憶されたソフトウェアプログラムをコンピュータに実行させれば、パラメータ設定処理により、単位パターンの配置基準位置、単位パターンの配置方向、単位パターンの配置のずらし方向、単位パターンの配置のずらし幅、単位パターンの大きさ、または、単位パターンの傾斜角の内、少なくともいずれか一つを設定することができる。
【0027】
このため、本発明に記憶されたソフトウェアプログラムをコンピュータに実行させれば、単位パターンの配置基準位置、単位パターンの配置方向、単位パターンの配置のずらし方向、単位パターンの配置のずらし幅、単位パターンの大きさ、または、単位パターンの傾斜角を設定することにより、一層容易に縫い目模様の配置または形状を変化させることができる。
【0028】
従って、本発明に記憶されたソフトウェアプログラムをコンピュータに実行させれば、請求項3記載の発明と同様に、請求項6に関して述べた効果に加えて、一層所望のものに近い縫い目模様を一層容易に形成することができるといった効果が生じる。
請求項8記載の発明は、請求項5〜7のいずれかに記載の構成に加え、上記タイリング処理が、上記単位パターンを、上記刺繍領域全体を包含する範囲に配置することを特徴としている。
【0029】
本発明に記憶されたソフトウェアプログラムをコンピュータに実行させれば、タイリング処理により、刺繍領域全体を包含する範囲に単位パターンが配置されるので、刺繍領域の各部はいずれかの単位パターンに属することになる。このため、ステッチが分割され易くなって長いステッチが少なくなる。
【0030】
従って、本発明に記憶されたソフトウェアプログラムをコンピュータに実行させれば、請求項4記載の発明と同様に、請求項5〜7のいずれかに関して述べた効果に加えて次のような効果が生じる。すなわち、長いステッチが少ない良好な刺繍データを作成することができる。よって、本発明によって作成された刺繍データに基づいて刺繍を行えば、糸の浮きの少ない良質な縫い目を形成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1は、本発明の刺繍データ作成装置が適用されたシステム全体の構成を表す説明図である。図1に示すように、本システムは、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)1を中心に構成された刺繍データ作成装置と、その刺繍データ作成装置によって作成された刺繍データに基づき、図示しない加工布に刺繍を行う家庭用の刺繍ミシン10とを備えている。
【0032】
パソコン1には、刺繍データ等を表示するCRTディスプレイ2と、各種入力を行うためのキーボード3及びマウス4と、図柄原画等のイメージを読み込むためのイメージスキャナ装置5と、メモリカード7に刺繍データ等を書き込むフラッシュメモリ装置6とが接続され、これによって刺繍データ作成装置を構成している。メモリカード7は、不揮発性のフラッシュメモリからなり、刺繍ミシン10のフラッシュメモリ装置11に着脱自在に装着される。このメモリカード7を装着して駆動することによって、刺繍ミシン10では、メモリカード7に記憶された刺繍データに基づく刺繍が可能となる。
【0033】
また、パソコン1の本体には、後述の刺繍データ作成処理のプログラムを初めとする各種プログラムや各種データを記憶するハードディスク装置14、刺繍データを読み出したり保存したりするフロッピディスク装置15、及び刺繍データを読み出すCD−ROM装置16が設けられている。
【0034】
次に、図2は、パソコン1の制御系の構成を表すブロック図である。図2に示すように、パソコン1には制御装置20が内蔵されており、その入出力インタフェース21には、前述のCRTディスプレイ2、キーボード3、マウス4、イメージスキャナ装置5、フラッシュメモリ装置6、ハードディスク装置14、フロッピディスク装置15、及びCD−ROM装置16が接続されている。
【0035】
更に、制御装置20は、この入出力インタフェース21にバス23を介して接続されたCPU25、ROM27、及びRAM30を備えている。キーボード3等を介して作業者による所定の指示が入力されると、CPU25はハードディスク装置14に記憶された刺繍データ作成処理のプログラムをRAM30に読み込み、次に述べる刺繍データ作成処理を起動する。また、このときRAM30には、外形線メモリ31,単位パターンメモリ33,縫い目データメモリ35,タイルインデックスメモリ37等が構成される。
【0036】
図3〜図5は、この刺繍データ作成処理を表すフローチャートであり、図3はそのメインルーチンを表すフローチャートである。図3に示すように、本処理を起動すると、制御装置20は、S1(Sはステップを表す:以下同様)にて刺繍領域の入力処理を実行する。ここでは、刺繍領域を表す外形線のデータとして、フロッピディスク装置15やハードディスク装置14やCD−ROM装置16に予め記憶されたものの中から選択して読み出したり、イメージスキャナ装置5を介して読み込んだ画像データをもとに刺繍領域の外形線のデータを抽出したり、作業者がマウス4を操作して入力した外形線の構成点(図6の外形線41の例ではP1 〜P9 )を読み込んだりして、外形線メモリ31に格納する。
【0037】
この処理により、例えば図6に例示するような、外形線41の構成点P1 〜P9 の座標データが外形線メモリ31に格納される。なお、上記各種作成方法の内いずれを用いて外形線のデータを作成するかは、キーボード3等による所定の入力に基づいて選択される。
【0038】
制御装置20の処理は続いてS2へ移行し、単位パターンの入力処理を実行する。本実施の形態における単位パターンTは、例えば図7に例示するように、縫い目模様の単位となる所定の形状領域の一例としての長方形領域45と、その内部に描かれた線図形47(図7の例では菱形)とによって構成される。S2では、単位パターンTを構成する長方形領域や線図形の座標データを、フロッピディスク装置15やハードディスク装置14やCD−ROM装置16に予め記憶されたものを読み出したり、作業者がマウス4を操作して入力した線図形の構成点を読み込んだりして、単位パターンメモリ33に格納する。例えば、図7の例では、線図形47の構成点Q1 〜Q4 と、その横サイズ(=10)及び縦サイズ(=6)とが格納される。
【0039】
続くS3では、タイリングパラメータ設定処理を実行する。この処理は、上記単位パターンTを上記刺繍領域を有する面内に2次元的に並べて配置する(以下タイリングという)ための、各種パラメータを設定する処理である。
処理の詳細を図4に示す。図4に示すように、S3の処理を開始すると、先ず、S31にて配置基準位置を設定する。ここでは、図8に例示するように、刺繍領域の外形線41とマウスカーソル49とをCRTディスプレイ2上に表示する。作業者がマウスカーソル49を所望の位置へ移動させた後、マウス4をクリックすると、制御装置20はクリックされた座標点をタイリングの配置基準位置Eとして格納する。この配置基準位置Eが格納され、続いて作業者が所定の入力を行うと、制御装置20は、CRTディスプレイ2上に図9に示すタイリングパラメータ設定ダイアログ70を開く(S33)。続いて、その操作状態を判断し(S35)、以下のような設定を行う。
【0040】
図9に示すように、タイリングパラメータ設定ダイアログ70は、単位パターンTの横サイズ(Width )を設定するための横サイズ設定部71と、単位パターンTの縦サイズ(Height)を設定するための縦サイズ設定部72と、単位パターンTの斜角度(Skew Angle)を設定するための斜角度設定部73と、単位パターンTの配置方向(Pattern Direction )を設定するための配置方向設定部74と、単位パターンTのずらし方向を横方向または縦方向に指定するためのrowボタン75a及びcolumnボタン75bと、そのずらし幅(offset)を設定するためのずらし幅設定部76と、OKボタン77,キャンセルボタン78,及びヘルプボタン79とを備えている。
【0041】
なお、各ボタン75a,75b,77,78,79はマウス4によってクリックすることができ、各設定部71,72,73,74,76はマウス4によってカーソルを移動した後、キーボード3から所望の数値を入力できるように構成されている。また、上記各項目の内、縦サイズ及び横サイズが請求項3記載の単位パターンの大きさに、斜角度が単位パターンの傾斜角に、それぞれ相当する。
【0042】
図4のS35にて、タイリングパラメータ設定ダイアログ70のOKボタン77がクリックされたと判断すると、後述のようにタイリングパラメータ設定ダイアログ70の状態に応じたデータ変更を行った後(S37)、このルーチンを一旦終了して図3のS4へ移行する。ここでは、S3にて設定された各種パラメータに基づき、単位パターンTを、刺繍領域全体を包含する範囲に2次元的に配置する。例えば、図8におけるマウスカーソル49の位置に配置基準位置Eが設定され(S31)、タイリングパラメータ設定ダイアログ70はデフォルトのままでS4へ移行した場合(この場合、S37でも各データがデフォルトのままに保持される)、単位パターンTを図10に例示するように2次元的に配置する。なお、図10では、少なくとも一部が刺繍領域に掛かる単位パターンTのみを図示したが、単位パターンTは制御装置20が認識する範囲全体に敷き詰められるようにしてもよい。
【0043】
すなわち、最初の単位パターンT(0,0)を構成する長方形領域45の左下点が配置基準位置Eに一致するように配置され、残りの単位パターンT(m,n)は横及び縦の方向にT(0,0)を基準に配置される。なお、mは、T(0,0)から右へ一つずれるに従って一つずつ増えて正の整数値を取り、T(0,0)から左へ一つずれるに従って一つずつ減って負の整数値を取る変数を、nは、T(0,0)から上へ一つずれるに従って一つずつ増えて正の整数値を取り、T(0,0)から下へ一つずれるに従って一つずつ減って負の整数値を取る変数を、それぞれ表している。
【0044】
また、タイリングパラメータ設定ダイアログ70にて横サイズ設定部71または縦サイズ設定部72の設定を変更すると、図4のS35よりS41の単位パターンサイズ設定処理へ移行する。S41では、タイリングパラメータ設定ダイアログ70用のメモリ(図示せず)における単位パターンTの横サイズまたは縦サイズの設定を変更してS35へ移行する。この間も、タイリングパラメータ設定ダイアログ70は表示され続ける。このような設定変更を行った後、OKボタン77がクリックされると、単位パターンメモリ33に記憶された単位パターンTの横サイズまたは縦サイズのデータが設定に応じて変更される(S37)。
【0045】
この結果、続くS4では、次のようなタイリングがなされる。例えば、タイリングパラメータ設定ダイアログ70の横サイズ設定部71及び縦サイズ設定部72の設定を変更し、横サイズを大きくすると共に縦サイズを小さくすると、図10に例示したタイリング状態は図11に例示するように変化する。
【0046】
タイリングパラメータ設定ダイアログ70にて斜角度設定部73の設定を変更すると、図4のS35よりS43の単位パターン斜角度設定処理へ移行する。S43では、タイリングパラメータ設定ダイアログ70用のメモリにおける単位パターンTの斜角度の設定を変更してS35へ移行する。このような設定変更を行った後、OKボタン77がクリックされると、単位パターンメモリ33に記憶された単位パターンTの形状に関わるデータが設定された斜角度に応じて変更される(S37)。この結果、続くS4では、次のようなタイリングがなされる。例えば、タイリングパラメータ設定ダイアログ70の斜角度設定部73の設定を60に変更した場合、図10に例示したタイリング状態は図12に例示するように変化する。すなわち、単位パターンTの長方形領域45(斜角度=90°)は、設定された斜角度(60°)に対応する平行四辺形の領域45aに変化する。
【0047】
タイリングパラメータ設定ダイアログ70にて配置方向設定部74の設定を変更すると、図4のS35よりS45の単位パターン配置方向設定処理へ移行する。S45では、タイリングパラメータ設定ダイアログ70用のメモリにおける単位パターンTの配置方向の設定を変更してS35へ移行する。このような設定変更を行った後、OKボタン77がクリックされると、RAM30内に記憶された単位パターンTの配置方向に関わるデータが設定に応じて変更される(S37)。この結果、続くS4では、次のようなタイリングがなされる。例えば、タイリングパラメータ設定ダイアログ70の配置方向設定部74の設定を−30に変更した場合、図10に例示したタイリング状態は図13に例示するように変化する。すなわち、2次元的に配置された単位パターンTを全体的に−30°(時計回り方向に30°)回転させる処理が実行される。
【0048】
タイリングパラメータ設定ダイアログ70にてrowボタン75aまたはcolumnボタン75bがクリックされると、図4のS35よりS47のずらし方向設定処理へ移行する。S47では、タイリングパラメータ設定ダイアログ70用のメモリにおけるずらし方向の設定を変更してS35へ移行する。通常は、これに前後して、タイリングパラメータ設定ダイアログ70にてずらし幅設定部76の設定が変更される。すると、S35よりS49のずらし幅設定処理へ移行する。S49では、タイリングパラメータ設定ダイアログ70用のメモリにおけるずらし幅の設定を変更してS35へ移行する。なお、rowボタン75aまたはcolumnボタン75bがデフォルトとして予め反転表示(クリックされた状態)となっている場合は、ずらし幅設定部76の設定のみが変更される場合もある。このような設定変更を行った後、OKボタン77がクリックされると、設定変更に応じてRAM30内の所定データが変更される(S37)。
【0049】
この結果、続くS4では、次のようなタイリングがなされる。例えば、rowボタン75aをクリックしてずらし幅設定部76を30に設定した場合、図10に例示したタイリング状態は図14に例示するように変化する。すなわち、単位パターンT(m,n+1)はずらし幅Drの分だけ、単位パターンT(m,n)より右方向にずらしながら配置される。なお、上記ずらし幅Drは、次式によって計算される。
【0050】
Dr=(単位パターンTの横サイズ)×(30/100)
また、columnボタン75bをクリックしてずらし幅設定部76を30に設定した場合、図10に例示したタイリング状態は図15に例示するように変化する。すなわち、単位パターンT(m+1,n)はずらし幅Dcの分だけ、単位パターンT(m,n)より上方向にずらしながら配置される。なお、上記ずらし幅Dcは、次式によって計算される。
【0051】
Dc=(単位パターンTの縦サイズ)×(30/100)
また、以上説明したようなサイズ,斜角度,配置方向,ずらし方向,及びずらし幅の設定は、種々に組み合わせて実行することもできる。この場合、所望の設定をタイリングパラメータ設定ダイアログ70上で行った後、OKボタン77をクリックすればよい。このように、S3のタイリングパラメータ設定処理では、S4による単位パターンTのタイリング状態を所望に応じて種々に変更することができる。なお、タイリングパラメータ設定ダイアログ70のキャンセルボタン78またはヘルプボタン79をクリックした場合は、設定状態の放棄やヘルプ画面の呼び出しが行われるが、これらの処理は本発明と直接関係がないのでここでは説明を省略する。
【0052】
S4では、S3のタイリングパラメータ設定処理に応じて単位パターンTをタイリングする際に、次のような座標変換を行っている。すなわち、変更前の単位パターンTを構成する座標を(x,y)、変更後の座標を(X,Y)とした場合、単位パターンサイズの設定変更に応じた座標変換、単位パターン斜角度の設定変更に応じた座標変換、rowボタン75a選択時におけるずらし幅の設定変更に応じた座標変換、columnボタン75b選択時におけるずらし幅の設定変更に応じた座標変換、配置基準位置の設定に応じた座標変換、及び、単位パターン配置方向の設定変更に応じた座標変換は、それぞれ以下の行列にベクトル(x,y,1)をかけることによってベクトル(X,Y,1)として得られる。
【0053】
【数1】
【0054】
なお、上記行列において、Sxは単位パターンTの横サイズの拡大率を、Syは単位パターンTの縦サイズの拡大率を、φは単位パターンTの斜角度を、Wは変換前の単位パターンTの横サイズにSxをかけた値を、Hは変換前の単位パターンTの縦サイズにSyをかけた値を、Dr,Dcは前述のずらし幅を、Ex,Eyは配置基準位置のX座標,Y座標を、θは単位パターンTの配置方向を、それぞれ表している。
【0055】
従って、上記各設定変更を組み合わせた場合の座標変換は、次の(A)または(B)に示す式によって表される。なお、(A)はrowボタン75a選択時における変換式を、(B)はcolumnボタン75b選択時における変換式を、それぞれ表している。
【0056】
【数2】
【0057】
図3に戻って、前述のように、S3でタイリングパラメータが設定された後、S4にてタイリングがなされる。なお、タイリングを実行した際、制御装置20は、単位パターンT(m,n)の内、少なくとも一部が刺繍領域に掛かる整数の組(m,n)をタイルインデックスメモリ37に記憶する。これによって、刺繍領域全体を包含するのに必要かつ充分な単位パターンT(m,n)が制御装置20に認識される。
【0058】
続くS5では、図5に示す縫い目データ作成処理を実行する。図5に示すように、この処理では、先ずS51にて、刺繍領域の縫い目線を算出し、その縫い目線の総数をNとする。ここでは、例えば図16に例示するように、外形線41上の2点を繋ぐ線分によって構成される縫い目線Lを、糸密度及び縫い目方向に基づいて多数設定し、端点A1 ,A2 ,…,AN とB1 ,B2 ,…,BN とを算出する。なお、糸密度及び縫い目方向は、この処理に先立って図示しない他のルーチンに応じて作業者が入力してもよく、デフォルトを使用しても、ハードディスク装置14またはフロッピディスク装置15を介して読み込んでもよい。
【0059】
続くS53では、カウンタCを1にリセットし、S55にてC≦Nであるか否かを判断する。Nは自然数(1≦N)であるので最初は肯定判断し、S57へ移行する。S57では、C番目の縫い目線の始点を、針落ち点として縫い目データメモリ35に記憶する。例えば図16の例では、cが奇数のときはAcを始点、Bcを終点とし、cが偶数のときはBcを始点、Acを終点として、その始点のみの座標データを縫い目データメモリ35に記憶する。
【0060】
続くS59では、そのC番目の縫い目線と交差する単位パターンT(m,n)を抽出する。すなわち、タイルインデックスメモリ37に記憶されている整数の組(m,n)の中から、単位パターンT(m,n)の少なくとも一部がC番目の縫い目線と交差するものを抽出する。例えば、図17の例では、単位パターンT(0,2),T(0,1),T(0,0),T(0,−1),T(0,−2)が縫い目線Lと交差する単位パターンTとして抽出される。
【0061】
更に、続くS61では、S59にて抽出された単位パターンT内の線図形と、C番目の縫い目線との交点を算出し、RAM30内の所定記憶領域に一時記憶する。例えば、図17の例では、上記抽出された単位パターンT(0,2)〜T(0,−2)内の線図形47と、縫い目線Lとの交点D1 ,D2 ,…,D9 が算出され、RAM30に一時記憶される。続いて、S61で一時記憶した交点を前述の始点(S57参照)に近い順にソートし(S63)、その交点を針落ち点として縫い目データメモリ35に追加して記憶し(S65)、更に、C番目の縫い目線の終点を針落ち点として縫い目データメモリ35に追加して記憶した後(S67)、S69へ移行する。
【0062】
S69では、カウンタCの値を一つインクリメントして、前述のS55へ移行する。そして、S51にて算出した全ての縫い目線に対してS57〜S67の処理を終了すると、C=N+1となって(S69)、S55にて否定判断してS6(図3)へ移行する。以上の縫い目データ作成処理(S5)によって、S4にて刺繍領域内にタイリングされた単位パターンTの線図形上に針落ち点を有し、かつ、S51にて算出された縫い目線に沿うように、複数の縫い目を設定することができる。そして、これによって、刺繍領域を縫い目で埋めることができる。
【0063】
そこで、続くS6では、S5にて作成された縫い目データに対応した縫い目を刺繍領域と共にCRTディスプレイ2上に表示するプレビュー処理を実行する。続くS7では、作業者から「OK」の入力がなされたか否かを判断し、「OK」の入力がなされない場合は(S7:NO)、前述のS3へ移行する。これによって、作業者は、タイリングパラメータの設定等を所望の縫い目模様が得られるまで繰り返すことができる。そして、S6のプレビュー処理によって所望の縫い目模様が表示され、作業者が「OK」の入力を行うと、制御装置20はS7にて肯定判断し、S8へ移行する。S8では、作業者に刺繍データの保存の要否を問い合わせ、保存不要が指示されると(S8:NO)そのまま一旦終了する。
【0064】
また、保存が指示されると(S8:YES)S9へ移行する。S9では、前述のように作成された刺繍データを、フラッシュメモリ装置6を介してメモリカード7に記憶する。このメモリカード7を刺繍ミシン10に装着して刺繍を行えば、上記作成した刺繍データに対応する縫い目が加工布に実際に形成される。なお、上記S5からS6へ移行する間には、上記縫い目データ等に縫い順や糸替え信号等の必要なデータを補充する処理も実行されるが、周知であるのでここでは説明を省略した。
【0065】
以上説明したように、本刺繍データ作成装置では、単位パターンTの配置(S4)と縫い目線の設定(S51)とを独立して実行し、その単位パターンTの線図形と縫い目線との交点を針落ち点としている。このため、糸密度や縫い目方向、或いは単位パターンTの配置方向を変化させても縫い目模様の形状(特に針落ち点の形状)は変化しない。従って、単位パターンTを作り直すことなく、所望の縫い目模様に対応した刺繍データを容易に作成することができる。よって、刺繍データの作成能率を良好に向上させ、刺繍を施した繊維製品の製造コストを大幅に低減することができる。また、本刺繍データ作成装置では、単位パターンTの配置基準位置、単位パターンTの配置方向、単位パターンTの配置のずらし方向、単位パターンTの配置のずらし幅、単位パターンTのサイズ、及び、単位パターンTの傾斜角を任意に設定することができるので、縫い目模様の配置または形状を所望に応じて容易に変化させることができる。従って、一層所望のものに近い縫い目模様を一層容易に形成することができる。
【0066】
更に、本刺繍データ作成装置では、刺繍領域全体を包含する範囲に単位パターンTを配置するので、刺繍領域の各部はいずれかの単位パターンTに属することになる。このため、ステッチが分割され易くなって長いステッチが少なくなる。従って、本刺繍データ作成装置では、長いステッチが少ない良好な刺繍データを作成できる。よって、本装置によって作成された刺繍データに基づいて刺繍を行えば、糸の浮きの少ない良質な縫い目を形成することができる。
また、図7に例示した単位パターンTは、長方形領域45の各辺の中点に頂点を有する菱形の線図形47を有しているので、ずらし幅を0とした場合、隣接する単位パターンTの線図形47(単位パターンを構成する線)は単位パターンT同士の接片で連接する。このため、ステッチが一層分割され易くなって、長いステッチが一層少なくなる。従って、糸の浮きの一層少ない極めて良質な縫い目を形成することができる。
【0067】
なお、上記実施の形態において、S3がパラメータ設定処理に、S4がタイリング処理に、S51が縫い目線設定処理に、S61が針落ち点設定処理に、それぞれ相当する。また、上記各処理のプログラムを記憶したハードディスク装置14の記憶領域及びその処理を実行するCPU25が、パラメータ設定手段、タイリング手段、縫い目線設定手段、及び針落ち点設定手段にそれぞれ相当し、単位パターンメモリ33が単位パターン記憶手段に相当する。
【0068】
また、本発明は上記実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、縫い目線は、点線や破線でなく連続した線であれば種々の形態で設定することができる。すなわち、刺繍領域の外形線上の2点を繋ぐ曲線,または折れ線であってもよく、その線分等の方向は刺繍領域全体に渡って一定であっても部分部分で異なってもよい。また、縫い目線としては、更に、刺繍領域内に一端を有する線分,曲線,または折れ線、或いは、刺繍領域に包含される閉曲線または多角形等、種々の形態の線を設定することができる。
【0069】
例えば、図18(A)に例示する縫い目線Laは、刺繍領域の外形線41上の2点を繋ぐ線分によって縫い目線Laを構成し、かつ、その縫い目線Laの方向を刺繍領域の部分部分でなだらかに変化させたものである。図18(B)に例示する縫い目線Lbは、刺繍領域を横断する稜線LLを作業者が指定し、外形線41上の2点と、等間隔に配置された稜線LL上の1点とを繋ぐ線分としたものである。図18(C)に例示する縫い目線Lcは、刺繍領域を外側から内側に向けて螺旋状に埋める折れ線としたものである。縫い目線をこのように構成した場合にも、単位パターンTの線図形と縫い目線との間に交点が形成され、その線図形に対応した縫い模様が形成される。このため、上記実施の形態と同様の作用・効果が生じる。
【0070】
また、単位パターンTも種々の形態で設定することができる。例えば、単位パターンを構成する線としての線図形は、円,三角形等種々の形状とすることができ、単位パターンを構成する形状領域の形状も長方形の他、種々の形状とすることができる。例えば、単位パターンの形状領域を正三角形によって構成した場合は、ずらし方向を3方向に設定することができる。
【0071】
更に、上記実施の形態では、記憶媒体としてハードディスク装置14を使用しているが、本発明の記憶媒体としてはこの他種々の形態が考えられる。例えば、ROM,RAM等の素子でもよく、CD−ROM,フロッピディスク等でもよく、カードスロットへ挿入可能なプログラムカートリッジ等でもよく、インターネット上のファイルサーバであってもよい。更に、上記実施の形態では刺繍データ作成装置を刺繍ミシン10と別体に構成したが、両者を一体に構成してもよい。例えば、制御装置20を刺繍ミシン10に内蔵させたり、専用の一体型ハードウェアで構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されたシステム全体の構成を表す説明図である。
【図2】 そのシステムのパソコンの制御系の構成を表すブロック図である。
【図3】 その制御系による刺繍データ作成処理を表すフローチャートである。
【図4】 その作成処理のタイリングパラメータ設定処理を表すフローチャートである。
【図5】 上記作成処理の縫い目データ作成処理を表すフローチャートである。
【図6】 刺繍領域の外形線の一例を表す説明図である。
【図7】 単位パターンの一例を表す説明図である。
【図8】 配置基準位置の設定例を表す説明図である。
【図9】 タイリングパラメータ設定ダイアログの設定例を表す説明図である。
【図10】 デフォルトによるタイリングの一例を表す説明図である。
【図11】 サイズ変更時のタイリングの一例を表す説明図である。
【図12】 傾斜角度変更時のタイリングの一例を表す説明図である。
【図13】 配置方向変更時のタイリングの一例を表す説明図である。
【図14】 横方向のずらし幅設定時のタイリングの一例を表す説明図である。
【図15】 縦方向のずらし幅設定時のタイリングの一例を表す説明図である。
【図16】 縫い目線の一例を表す説明図である。
【図17】 その縫い目線に基づく針落ち点の設定を例示する説明図である。
【図18】 縫い目線の他の例を表す説明図である。
【図19】 従来の単位パターンを表す説明図である。
【図20】 その単位パターンのタイリングの一例を表す説明図である。
【図21】 糸密度の変化に伴う従来の課題を表す説明図である。
【符号の説明】
1…パーソナルコンピュータ 2…CRTディスプレイ 3…キーボード
4…マウス 5…イメージスキャナ装置 6…フラッシュメモリ装置
7…メモリカード 10…刺繍ミシン 11…フラッシュメモリ装置
14…ハードディスク装置 15…フロッピディスク装置
16…CD−ROM装置 20…制御装置 25…CPU
30…RAM 31…外形線メモリ 33…単位パターンメモリ
35…縫い目データメモリ 37…タイルインデックスメモリ
41…外形線 45…長方形領域 47…線図形
70…タイリングパラメータ設定ダイアログ 99,T…単位パターン
L,La,Lb,Lc…縫い目線
Claims (8)
- 外形線によって規定される刺繍領域の内部を縫い目で埋めるための刺繍データを作成する刺繍データ作成装置であって、
線によって構成された図形を所定の形状領域で囲む形態で表され、縫い目模様の単位となる単位パターンを記憶する単位パターン記憶手段と、
上記単位パターンを、上記外形線によって規定される上記刺繍領域の面内に、互いに隣接するもの同士が上記形状領域の外形線で連接するように2次元的に並べて配置するタイリング手段と、
所望の縫い目方向に延びる線に沿って連続して配置される縫い目線を上記刺繍領域に設定する縫い目線設定手段と、
上記タイリング手段によって配置された各単位パターンの上記図形を構成する線と、上記縫い目線設定手段に設定された縫い目線との交点を、針落ち点として設定する針落ち点設定手段と、
を備えたことを特徴とする刺繍データ作成装置。 - 上記タイリング手段による上記単位パターンの配置位置を規定するパラメータ、または、上記単位パターンの形状を規定するパラメータの、少なくともいずれか一方を設定するパラメータ設定手段を、更に備えたことを特徴とする請求項1記載の刺繍データ作成装置。
- 上記パラメータ設定手段が、上記単位パターンの配置基準位置、上記単位パターンの配置方向、上記単位パターンの配置のずらし方向、上記単位パターンの配置のずらし幅、上記単位パターンの大きさ、または、上記単位パターンの傾斜角の内、少なくともいずれか一つを設定することを特徴とする請求項2記載の刺繍データ作成装置。
- 上記タイリング手段が、上記単位パターンを、上記刺繍領域全体を包含する範囲に配置することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の刺繍データ作成装置。
- 外形線によって規定される刺繍領域の内部を縫い目で埋めるための刺繍データを作成する手段としてコンピュータを機能させるソフトウェアプログラムを記憶した記憶媒体であって、
線によって構成された図形を所定の形状領域で囲む形態で表され、縫い目模様の単位となる単位パターンを、上記外形線によって規定される上記刺繍領域の面内に、互いに隣接するもの同士が上記形状領域の外形線で連接するように2次元的に並べて配置するタイリング処理と、
所望の縫い目方向に延びる線に沿って連続して配置される縫い目線を上記刺繍領域に設定する縫い目線設定処理と、
上記タイリング処理によって配置された各単位パターンの上記図形を構成する線と、上記縫い目線設定処理によって設定された縫い目線との交点を、針落ち点として設定する針落ち点設定処理と、
をコンピュータに実行させるためのソフトウェアプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。 - 上記タイリング処理による上記単位パターンの配置位置を規定するパラメータ、または、上記単位パターンの形状を規定するパラメータの、少なくともいずれか一方を設定するパラメータ設定処理をコンピュータに実行させるためのソフトウェアプログラムを、更に記憶したことを特徴とする請求項5記載の記憶媒体。
- 上記パラメータ設定処理が、上記単位パターンの配置基準位置、上記単位パターンの配置方向、上記単位パターンの配置のずらし方向、上記単位パターンの配置のずらし幅、上記単位パターンの大きさ、または、上記単位パターンの傾斜角の内、少なくともいずれか一つを設定することを特徴とする請求項6記載の記憶媒体。
- 上記タイリング処理が、上記単位パターンを、上記刺繍領域全体を包含する範囲に配置することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の記憶媒体。
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