JP3541078B2 - 刺繍データ作成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、被縫製物に対し、ニットステッチをシミュレートした刺繍ステッチを施すために採用される刺繍データ作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
横編機や丸編機などの工業用編機を使用してニット編地が編成される。編成されるニット編地のデザイン性を高めるためにジャカード柄、インターシャ柄等の模様編みによる編成技法が採用されている。しかし、従来から編成されるニット編地は前記した各編成技法によるかそれらを複合させて編成されたものであり、編成された編地に対しデザイン性を付与する別の方法としては例えば編成された各編地をパッチとして各パッチを寄せ集めてひとつの編地に仕立てる方法、あるいは編成された編地に対しアップリケや刺繍等を施しデザイン性を高める等の方法が採られていた。特に最近はニット編地のデザイン性を高めるためにニット編地に刺繍模様を施すことが流行となってきた。
【0003】
また、従来から刺繍はデザイン的価値を高めるためにニット編地を始め、織地、皮シート材等種々の被縫製物に対し行われている。刺繍デザインは、ランニングステッチ、サテンステッチ、ジグザグステッチ等の基本的なステッチの組合せで構成されている。ラインに沿ってライン上に刺繍を行うときはランニングステッチあるいはジグザグステッチなどが使用される。また周囲が囲まれた閉鎖領域内を刺繍ステッチで埋め尽くす(フィル)場合にはサテンステッチ等が使用される。
【0004】
公知の刺繍データ作成装置には、刺繍ステッチを形成するための各種機能が備えられている。特開平3−862号、特開平3−861号公報は、周囲が囲まれた輪郭内の閉鎖領域を指定された縫い目形成方向、あるいは予め決められた縫い目形成方向に従ってサテンステッチ等の刺繍ステッチでフィルする刺繍データ作成装置について開示している。
また、予め任意の刺繍ステッチにより表現される縫い目パターンを基本パターンとして複数個をメモリに記憶させ、複数の縫い目パターンの中から任意の基本パターンを選んで閉鎖領域内のxy方向に展開させるようにしたフィル機能を備えた刺繍データ作成装置も知られている。
【0005】
しかし、先のものは、閉鎖領域内を単にサテンステッチ等でフィルするだけのものであり、それによる新規なデザイン的効果は期待できない。また、後のものでは、記憶される基本パターンは連続して繰り返されることで一種のデザインを形成するもので、その多くが幾何学的な模様をモチーフしたものであること、また、展開される基本パターンのサイズやピッチあるいは刺繍ステッチの太さ等は記憶される際に設定されたものが使用される。そのためニットステッチの集合体で形成されるニット編地に対し、上記した基本パターンの配列によってフィルされた刺繍模様は、刺繍ステッチの構造がニット編地の構造と全く異なるために刺繍部分が浮いて目立ってしまうという別の問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ニットステッチをシミュレートした刺繍ステッチによるフィルのための刺繍データの作成装置を得ることを目的とする。
また、前記刺繍ステッチに対し、ゲージあるいは糸番手等の風合い設定を行なうことで所望する風合いをもつ刺繍データの作成装置を得ること等を目的とする。
【0007】
【発明を解決するための手段】
本発明の刺繍データ作成装置は、作成する刺繍模様の輪郭を示す輪郭データを記憶するための輪郭データ記憶手段と、前記刺繍模様を刺繍縫いする際の縫い目パターンとしてニットステッチをシミュレートした縫い目パターンを記憶する縫い目パターン記憶手段と、前記縫い目パターンにより前記刺繍模様の輪郭内に縫い目パターンを配列した刺繍模様を表すための刺繍データを生成する処理手段と、その処理手段により生成された刺繍データを記憶する刺繍データ記憶手段から構成した。
また、縫い目パターン記憶手段に記憶された縫い目パターンを平編みステッチをシミュレートした基本パターンで構成した。
また、刺繍される縫い目パターンの風合い設定を、ウエール方向における所定長さ当たりのニットステッチ数および/またはコース方向における所定長さ当たりのニットステッチ数として行うようにした。
また、刺繍される縫い目パターンの風合い設定を、刺繍ステッチの太さとして行うようにした。
また、前記処理手段は基本となる縫い目パターンが輪郭の周縁部においても完全な形で再現されるように輪郭データと縫い目パターンとのクロスを検出する検出手段を設けた。
また、前記処理手段は刺繍模様が隣接し合う複数の輪郭データから構成されている場合に、各輪郭部に生成されるシミュレートステッチが隣接部において境界をクロスする縫い目パターンについて、輪郭内外での面積比に応じて隣接部分の境界をクロスするどちらか一方の縫い目パターンだけを生成するようにエッジ処理を行う隣接部エッジ処理手段を備えている。
【0008】
【作用】
本発明の刺繍データ作成装置では、刺繍される縫い目パターンは風合い設定手段により ウエール方向やコース方向における所定長さ当たりのニットステッチ数として指定すること、あるいは縫い目パターンの外形を変えずに縫う回数を指定することで所望するニットステッチの密度やニットステッチの糸の太さを表現できる。また、輪郭データ内に展開配列された縫い目パターンの内、境界をクロスする縫い目パターンは輪郭データとのクロスの状況が検出され、その縫い目パターンの刺繍データの生成を正否が決定される。また、輪郭データ同士が隣接し合う場合でも境界部に位置する縫い目パターンの輪郭内外での面積比によって、何れの側縫い目パターンに対し刺繍データを生成させるかが自動的に判別処理される。
【0009】
【実施例】
本発明の実施例について図面とともに以下に説明する。
図1は、横編機によって編成された記号2,3,4からなるインターシャ編地1に対し、刺繍模様5が施された刺繍付きのニット編地10を示す。図2−Aは、図1に示した刺繍模様5を含む破線部で囲まれた編地部分10aを拡大した図である。図2−Bは、図2−Aに示した編地10aを線i−iから見た断面図を示す。ニット編地10aの表側には、上糸により形成された刺繍部5aが縫い付けられており、ニット編地10aと刺繍部5aとの間には上糸が被縫製材としてのニット編地10aのニットステッチ内に埋没するのを防ぐ目的でシート材7が挿入されている。このシート材7aは、例えばポリ塩化ビニルを原料とする薄手の熱溶解性のシート材が使用される。一方、ニット編地10aの裏側には、上糸と下糸からなる刺繍部5bが編地に縫い付けられており、刺繍部5bとニット編地10との間には不織布などからなるシート材8が挿入されている。
【0010】
図3は、本実施例における刺繍データ作成装置20を構成する各部のブロック図を示したもので、主制御装置22を備えている。主制御装置22は、各種データを扱って演算処理するCPU24,CPUの動作プログラムが記憶されたプログラムメモリとしてのROM26,読出し書き込み可能な作業用のメモリとしてのRAM28及びバス30等を含むコンピュータを主体とするものであり、バス30には入出力インターフェイス(I/F)32が接続されている。入出力インターフェイス32には下絵等の読取を行うスキャナー34、オペレータがCRTに表示されるコマンドキーに従い各種指示を与えたり、カーソル移動してデータ入力をためのスタイラスペン35、フロッピーディスクやハードディスクあるいは光磁気ディスク等のドライブの外部記憶装置(FDD)36、CRT37及び刺繍ミシン38接続されている。
【0011】
ROM26には、縫い目パターン記憶部41、ゲージ設定や糸番手設定のための風合い設定プログラム42、エッジ処理、隣接部エッジ処理、基準点設定等の各種プログラム44,45,46を備えた刺繍データを生成する処理プログラム43及び生成される刺繍データをレタッチ等を行う編集プログラム47が記憶されている。また、RAM28には、前記した各種プログラムに対応して設定されるデータを格納するエリア別の記憶部60〜68を有する。また、本実施例の装置では、刺繍の原画や輪郭データ、刺繍データ等についてのRAM28に記憶される構成となっているが、これに代えて記憶部としてFDD36に装着したフロッピー等を用いることも可能であり、当然そのような場合でも本発明の記憶装置を構成するものとなる。
【0012】
次に図1、図2に示されたニット編地10に対し、刺繍模様5を刺繍するための刺繍ミシンの針落ちデータ等からなる刺繍データを作成する場合について図4のフローチャート及び図5、図6を参照しながら装置の動作を説明する。
まず、ステップ1で処理を開始し、ステップ2で刺繍模様5の閉鎖領域からなる輪郭データ61を得るために先ず刺繍模様の外形を描いた原画がスキャナー34で読み込まれ、同時にCRTに表示される。あるいはスタイラスペン35を使用して刺繍模様5の外形を描画するようにしてもよい。この段階ではCRTに表示された刺繍模様5はラスターデータとして画像メモリに記憶される。次にステップ3では、ステップ2で得た刺繍模様のラスターデータに対し、細線化処理がなされる。ステップ4で細線化されたラスターデータはベクターデータに変換され刺繍模様5の輪郭データ61が作成される。あるいは上記ステップ2〜ステップ4のラスター/ベクター変換に代えて直接オペレータがスタイラスペン35を使用して刺繍模様5の外形を形成する主要な点となる座標を指定してベクターデータの輪郭データ61を作成することもできる。輪郭データ61は61a〜61kの各座標点から形成される。作成される輪郭データ61は、常にCRTで確認することができ、デザイナーは作成途中にある輪郭データ61に対し、座標値を変更する等必要に応じ修正を加えることができる。ステップ6では、刺繍ステッチでフィルしたい輪郭データ61をスタイラスペン35で指定する。本実施例では、刺繍模様5には閉鎖領域である輪郭データ61が唯ひとつしか存在しないが複数の輪郭データが存在する場合には、指定された輪郭データ処理がされた後に次に処理したい輪郭データを順次指定していく。ステップ7では、指定された輪郭データ61に対して風合い設定を実行するかどうかの問い合わせがあり、設定を行う場合には、ステップ8に移り、ゲージや糸番手設定を行うことで風合いを設定する。ゲージ設定とは、予め縫い目パターン記憶部41に記憶されいる単一ニットステッチをシミュレートした縫い目パターンの縦横の大きさを設定することである。縫い目パターン記憶部41には、平編みステッチをシミュレートしたものが記憶される。例えば図9−Aに示すようにニットステッチの表目組織の少なくとも編地表面側に表れる略V字部分だけをシミュレートさせて記憶することや、図9−Bに示したもののようにVの上部を繋げ逆三角形状として縫い目パターンを記憶することができる。図中に示す記号nは針落ち点をそれぞれ示す。また、縫い目パターンとしては、前記の他に裏目組織や縄柄等の交差部を表現するために種々のニットステッチをシミュレートして登録することもできる。編成されたニット編地10に対して、それと同じ風合いの刺繍によるシミュレートステッチを作成するためにはこの設定を行う。
【0013】
ニット編地の風合いは、編成パラメータ、例えば編機のゲージやループ長(度目)、糸の番手によっても変わる。また、ニット編地は伸縮性に富んでいることや編成後の仕上げ処理によって縮んで編地の風合いは変わる。例えば本実施例のニット編地10は、糸がウールを素材とし、糸番手2/30の2本引き揃えで編成され、仕上げ後のステッチ密度が10cm当たりウエール(x)方向に46ステッチ、コース(y)方向に61ステッチであった。
ステップ8において、ゲージ設定による風合い設定は所定長さ(x,y)当たりのステッチ数を設定するようにプログラムされていて、設定されたデータに基づいて縫い目パターンのサイズと形状及び配列ピッチ(拡大縮小率)が決定される。データ設定がなされなかった場合にはデフォルト値による処理が実行される。
【0014】
また、別の態様として、縫い目パターン記憶部に予め各編機ゲージ(5,7,8,10,12ゲージ等)に対応した標準的なステッチサイズをシミュレートした縫い目パターンをそれぞれ記憶させておき、任意の編機ゲージを選択して風合いを決定するようにしてもよい。また、編機ゲージの選択に加えてウエール(x)またはコース(y)方向のステッチ数だけを設定し、各ゲージに対応する縫い目パターンを変形させるようにしてもよい。
ゲージ設定を行う場合に目安となるデータを仕上げ処理後のニット編地のステッチ数とすることで仕上げによる編地の収縮により刺繍縫いされた刺繍ステッチが歪む等の問題を避けることができる。
【0015】
番手設定は、使用される縫い目パターンの外形を変えずに縫う回数を変えてシミュレートされるニットステッチの編糸の太さを表現させるもので縫い目パターンを構成する刺繍ステッチの縫い重ね回数を設定できるようにプログラムされている。
本実施例のニット編地10の場合では、刺繍糸としてニット編地10の編成に使用された糸(ウール、糸番手2/30)と同じか同じ太さのものを使用する場合は、引き揃え本数を考慮して縫い重ね回数を2回と設定すればニットステッチに近い風合いが表現できる。刺繍糸として細い糸を使用する場合には回数を更に増やして太さの表現を行う。これによりニットステッチと刺繍ステッチとの判別が困難となり、あたかも編地全体がニットステッチにより構成されているように見える。このことはインターシャやジャカード等の模様編みの編成に特に有効である。例えばインターシャ領域が点在し、しかも同色の糸で編まなければならないような複雑なインターシャ編みを行う場合に、複数のインターシャ領域の幾つかを刺繍ステッチで代用することができる。複雑なデザインのニット編地を編成することが必要なときでも刺繍ステッチをデザインの一部、あるいは全部に代用させることで容易にデザイン性の高い編地を得ることが可能となる。また、このことは編機編成データのプログラミング時間の短縮、編み立て作業の負担を軽減させるなど編地編成における副次的な効果を奏する。しかし、前記した効果を必要としない場合には使用する刺繍糸の種類は勿論、風合い等の条件設定は必要でないか、自由にその条件設定を行えばよい。
【0016】
ステップ9では、CRT上には、前記設定に従って輪郭データ61と縫い目パターンとが合成表示されるためオペレーターは、輪郭データに対する縫い目パターンの配列状態を確認できる。
輪郭データを囲む直線(x=最大値,y=最大値,x=最小値,y=最小値)により形成される矩形エリアの左下部が縫い目パターンを輪郭データに対して配列させるときの基準位置kとして配列される。しかし、輪郭データ61に対する縫い目パターンの配列状態をxy方向に調整したい場合には、スタイラスペン35により新たな基準点を指定することで縫い目パターンを再配列することができる
。ステップ10は、縫い目パターンが輪郭の周縁部においても完全な形で再現されるように輪郭データと展開される縫い目パターンとのクロスを検出するプログラムがロードされる。図6−Aに部分的に示すように決定された縫い目パターンで輪郭データ61の内側の閉鎖領域をフィルする際に輪郭データ61の座標点61a−61b間のラインのエッジ部に展開される縫い目パターンの刺繍データを生成するか否かを決めるものであり、ステップ11〜13において追加モード、削除モード、自動モードの何れかのモードを刺繍模様に応じて選択することができる。図6−Bは、自動モードにより処理された際のニットステッチと刺繍ステッチ(斜線部)の重合状態を示した図である。ステップ11では、ラインのエッジ部をまたがる全ての縫い目パターンに対し刺繍データを生成させる場合はステップ11でyesを選択する。刺繍データを生成させない場合は、ステップ12に進みyesを選択する。またはステップ12でnoを選択した場合、ステップ13の自動モードへ進み、エッジ部をまたがる縫い目パターンのそれぞれに対し、刺繍データを生成させるか否かを自動的に判別させる。自動モードでは、展開される縫い目パターンがラインを挟んで輪郭の内側と外側の何れ側にその多くが位置するかを面積比率で計算し、内部側に占める割合が50パーセント以上の場合に縫い目パターンを展開させるようにフラグがセットされる。上記した何れのモードにおいてもエッジ部において縫い目パターンが完全な形で展開されるため刺繍ステッチは途中で途切れることなく完全なニットステッチがシミュレートされる。
【0017】
ステップ14では、上記設定されたモードに従って指定された輪郭データ61に対して縫い目パターンが展開され、オペレータは必要に応じて縫い目パターン単位での追加、削除の編集を行う。
ステップ15では、編集された縫い目パターンの配列に従って指定された輪郭データ61に対して刺繍データが生成される。次にステップ16でフィルを行いたい他の輪郭データが存在する場合にはステップ6まで戻って以下同様の作業がなされ、処理する輪郭データがなくなるまで繰り返し行った後にステップ17へ進み処理を終了する。作成される刺繍データは、輪郭内に配列された縫い目パターンに沿って刺繍ステッチが一筆書きの要領で埋め尽くされるように処理プログラムにより適宜方法で処理される。
【0018】
このように作成された刺繍データは、刺繍ミシン38のためのパンチングデータの形態でRAM28に記憶される。あるいは、刺繍データをRAM28への記憶に代えて外部記憶装置(FDD)36に装着されるフロッピーに記憶させたり、刺繍データ作成装置とオンライン接続される刺繍ミシン38側に直接転送させてもよい。
【0019】
次に実際に刺繍付きの編地を製造するために横編機によって編成されたニット編地10を仕上げ処理した後に刺繍ミシンの枠(不図示)に傾いたり、伸ばされて変形することがない状態にセットするとともに刺繍される刺繍ステッチがニットステッチと同じ向きに配列されるようにセットする。同じ向きとはニットステッチのコース(y)方向、ウエール(y)方向における配列に対し、刺繍ステッチが交差しないような状態にセットする意味である。その際、編地の下面側には不織布等のシート材8、編地の上面側にはポリ塩化ビニル等からなる薄手の熱溶解性のシート材7を同時にセットして枠に固定する。そして刺繍縫いを開始するために針落ち開始点の位置と編地10との位置合わせが行われる。これにより各刺繍ステッチがニット編地10の各ニットステッチに正確に重合して刺繍されることが保証される。上記準備作業が完了すると刺繍ミシンは運転され、刺繍データに従って編地に対して刺繍を行い、刺繍付きの編地が製造される。刺繍された編地は枠から外された後、刺繍箇所の外側に残った不織布(シート材8)は手作業によってカットされるか、引きちぎる等してニット編地10から取り除かれる。一方、編地表面側にセットされたシート材7は刺繍模様の外側に少しでもはみ出すようなことがあれば製品の外観損ねるものになるためそれらを完全に取り除く必要があり、アイロン等を利用することでシート材51aを熱溶解させてニット編地10から簡単に剥ぎ取られる。挿入されるシート材7,8の両方に薄手の熱溶解性シート材を使用すれば刺繍部分の厚みを抑えることと剥離作業が容易にできる。
【0020】
このようにして製造された刺繍付きのニット編地10は、あたかも編機上で一連に編成され、その全体がニットステッチで構成されているように見えるため刺繍ステッチを代用することでデザイン性を簡単に高めることができる。また、刺繍ステッチが施された部分は他の部分よりも崇高となり立体感を醸し出し更にデザイン性を高めることもできる。
【0021】
図7は、2つの隣接した輪郭データ70a,70bからなる刺繍模様70を示す。図8は刺繍データ作成についてのフローチャートを示す。被縫製物として例えば織地50が使用される。まず先に指定された輪郭データ70aの刺繍データの作成が上記した実施例と同様にステップ1〜ステップ13で行われる。但し、本実施例では、織地50に対して刺繍を施す場合を示すものであるから刺繍ステッチのゲージ設定に関しては、ニットステッチに対し刺繍ステッチを完全に重合させることは不要であり、必要に応じ適当な設定を行えばよい。
注目すべきはステップ14では、輪郭データ70a,70bの隣接部分P(図中太線部)に対するエッジ処理が実行される。ここでは隣接エッジ処理プログラム45によって展開された際に隣接部のラインをまたがる縫い目パターンの面積比率に応じて刺繍データの生成の有無が判定される。もし70a,70bの両方の縫い目パターンが同じ面積比率でラインをまたがっている場合には先に処理が開始された輪郭データ70aに刺繍データを生成するようにする。このようにして相互に隣接した輪郭データが存在する場合であっても何れか一方の輪郭データに関連した縫い目パターンが隣接部に展開されるため隣接部において縫い目パターンが欠落してギャップが生じることが防げる。ステップ15以降については前記フローチャートと同様のステップに従って処理が進められ輪郭データ70aの刺繍データの作成が終了すると前記実施例のステップ6に戻って輪郭データ70bの刺繍データの作成が行われ処理を終了する。本実施例においても前記実施例と同様に輪郭データに対し縫い目パターンを配列させるための基準となる点は唯ひとつだけ設けるようにする。この場合、輪郭データ70aの左下角部k’としてこの点を基準として70a及び70bの縫い目パターンを展開させる。これにより展開される各輪郭データの縫い目パターンは同じ配列状態で展開されるため隣接部においてもそれぞれの縫い目パターンはxy方向にズレることがなく連続性を保つ。
この実施例では、織地に対して本実施例の装置により作成された刺繍データで刺繍を行うことで織りと編みが混在したデザイン性の高い製品を製造できる。
【0022】
また、上記した実施例では、輪郭データ内部の閉鎖領域内を縫い目パターンでフィルするようにしたが、それに代えて輪郭データの輪郭部のみに縫い目パターンを展開させるようにしてもよく、その場合には、刺繍ステッチが輪郭縁辺に途切れることなく連続して現れるように輪郭のライン上をまたがるように展開された縫い目パターンに対しては刺繍データを生成させるように処理させることが望ましい。例えばニット編地のニットステッチで構成された円等のニットパターンの輪郭部を刺繍ステッチで囲むことでニットパターンにアクセントを付与することができ、違ったイメージの製品をすることができる。
尚、上記実施例では、被縫製物として編地と織地の場合についてのみ説明したが、皮シート材を含め刺繍用の被縫製物として採用される全てのものに対し適用可能であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で実施できることはいうまでもない。
【0023】
【発明の効果】
本発明の刺繍データ作成装置は、ニットステッチをシミュレートした刺繍ステッチとしての縫い目パターンの展開と配列が輪郭データの内側及びその周縁部においても処理手段により適宜処理されるため容易に刺繍データを作成することができる。
また、縫い目パターンとして平編みステッチの少なくとも表目組織の編地表面側に表れる部分だけをシミュレートして記憶させたので簡単な構成でありながらリアル感を出せる。
また、ゲージ設定や糸番手設定により刺繍ステッチのサイズや配列のピッチあるいはステッチの太さを設定することができるので所望する風合いのニットステッチを得ることができる。
また、輪郭データの周縁部及び輪郭データ同士の隣接部においても処理手段により適宜処理されて刺繍データの生成が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】刺繍付きニット編地を示した図である。
【図2】図2−Aは図1の刺繍部分を拡大して示した図で、図2−Bは図2−Aの線i−iから見た刺繍部の断面図である。
【図3】本発明の刺繍データ作成装置を構成する各部を示したブロック図である。
【図4】刺繍データ作成のフローチャートの一例を示した図である。
【図5】刺繍模様の輪郭データを示した図である。
【図6】図6−Aはエッジ部に対して展開される縫い目パターンと輪郭データが合成表示された部分の拡大図を示し、図6−Bは、図6−Aを自動モードで処理した場合の刺繍ステッチの配列を示した図である。
【図7】隣接部を有する刺繍模様を示した図である。
【図8】刺繍データ作成のフローチャートの他の例を示した図である。
【図9】図9−Aは、ニットステッチをシミュレートした縫い目パターンをV型とした例を示し、図9−Bは逆三角形とした例を示した図である。
【符合の説明】
1…インターシャ
7,8…シート部材
10…ニット編地
20…刺繍データ作成装置
22…主制御装置
24…CPU
26…ROM
28…RAM
30…バス
32…I/F
34…スキャナー
35…スタイラスペン
36…外部記憶装置(FDD)
37…CRT
38…刺繍ミシン
61,70…輪郭データ

Claims (6)

  1. 被縫製物に刺繍模様を形成する刺繍ミシンのための刺繍データ作成装置であって、刺繍模様の輪郭を示す輪郭データを記憶するための輪郭データ記憶手段と、前記刺繍模様を刺繍縫いする際の縫い目パターンとしてニットステッチをシミュレートした縫い目パターンを記憶する縫い目パターン記憶手段と、前記刺繍模様の輪郭内に前記縫い目パターンを配列した刺繍模様を表すための刺繍データを生成する処理手段と、その処理手段により生成された刺繍データを記憶する刺繍データ記憶手段から構成したことを特徴とする刺繍データ作成装置。
  2. 縫い目パターン記憶手段に記憶された縫い目パターンが平編みステッチをシミュレートした基本パターンで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の刺繍データ作成装置。
  3. 刺繍される縫い目パターンの風合い設定を、ウエール方向における所定長さ当たりのニットステッチ数および/またはコース方向における所定長さ当たりのニットステッチ数として行う風合い設定手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の刺繍データ作成装置。
  4. 刺繍される縫い目パターンの風合い設定を、刺繍ステッチの太さとして行う風合い設定手段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の刺繍データ作成装置。
  5. 前記処理手段は基本となる縫い目パターンが輪郭の周縁部においても完全な形で再現されるように輪郭データと縫い目パターンとのクロスを検出する検出手段を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の刺繍データ作成装置。
  6. 前記処理手段は刺繍模様が隣接し合う複数の輪郭データから構成されている場合に、各輪郭部に生成されるシミュレートステッチが隣接部において境界をクロスする縫い目パターンについて、輪郭内外での面積比に応じて隣接部分の境界をクロスするどちらか一方の縫い目パターンだけを生成するようにエッジ処理を行う隣接部エッジ処理手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の刺繍データ作成装置。
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