JP2856404B2 - 切削インサート - Google Patents

切削インサート

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JP2856404B2 JP63263804A JP26380488A JP2856404B2 JP 2856404 B2 JP2856404 B2 JP 2856404B2 JP 63263804 A JP63263804 A JP 63263804A JP 26380488 A JP26380488 A JP 26380488A JP 2856404 B2 JP2856404 B2 JP 2856404B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は切り粉出し(チップ除去)工作用、好ましく
は旋削や掘削用うの切削インサートであって、主切刃と
追加切刃とを含む少なくとも1つの切削コーナを有する
切削インサートに関する。
〔従来の技術〕
例えば旋削工作において、従来の工作は粗(荒)工作
用の1又はそれ以上の切削インサートによって実行され
る。この旋削工作は別の仕上切削インサートによって完
成する。これは粗旋削面が充分に仕上げられた丸味を有
していないが故に必要である。このように異なる工具を
使って幾つかの工程工作を行うことは高価につき、且つ
時間を要することは直截に認識される。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上述のタイプの切削インサートであ
って、例えば長手方向の旋削が:同時に粗工作と仕上工
作;或いは同時に仕上工作と研摩工作;或いはまた同時
に粗工作、仕上工作及び研摩工作を実行することが出来
る切削インサートを提供することにある。
〔発明の構成〕
本発明によれば、少なくとも1つの切削コーナーを有
し、当該切削コーナを構成する2種の切刃によって同時
に切削することが出来る旋削や掘削等に適用して有利な
切り粉出し工作用の切削インサート(10)であって、当
該2種の切刃は該切削インサートに配設された相対的に
粗目の工作を実行するための主切刃(13)と該切削イン
サートの送り方向(M)に見て該主切刃(13)の背後に
配位している相対的に緻密な工作を実行するための追加
切刃(14)であり、工作物との工作係合時において回転
軸線(11a)を含む平面に対する法線の方向から該切削
インサートを見た場合の、即ち該切削インサートの平面
視における、当該主切刃(13)は前位と後位の直線部分
とその間の丸味部分とを有している斯ゝる構成の切削イ
ンサートにおいて、 (1)前記切削インサートの平面視において、該追加
切刃(14)は仕上工作を実行させるために前位と後位の
直線部分とその間の端点(17)とを有し; (2)該切削インサート平面視において、工作線とし
ての想像直線(15)が1点(16)で該主切刃(13)の該
丸味部分に外接し且つ該追加切刃(14)の該端点(17)
を通り、当該想像直線(15)上の当該接点(16)と該端
点(17)との間の該回転軸線(11a)に関する半径の方
向における距離が該追加切刃(14)の半径方向切込み、
即ち切削深さ(h2)を規定し、そして該送り方向(M)
に対する該追加切刃(14)の該後位直線部分のなす角度
が該追加切刃(14)のアキシャル逃げ角(ε)を規定し
ており;そして (3)該半径方向切削深さ(h2)が0.03−0.5mmの範
囲にあり、該アキシャル逃げ角(ε)が0.25−2°の範
囲にあり、そして該主切刃(13)の該接点(16)と該追
加切刃(14)の該端点(17)との間の該想像直線(15)
の長さ0.1−4mmの範囲にあることを特徴とする切削イン
サートが提供される。
〔実施例〕
第1図に示す本発明に係わる切削インサート10は割付
け可能(インデキシャブル)なものであって、開示の実
施例では、三角の基本形を有している。しかし、本発明
の範囲では、その他の基本形、例えば斜方形を有するこ
とも可能である。
このインデキシャブルインサート10は工具ホルダ(図
示省略)に取付けられている。工作物11はその回転軸線
11aに関して回転する間にインサート10によって工作さ
れる。インサート10の送り方向はMによって表される。
第1図は平面視で切削インサートと工作物の工作係合状
態を示すが、こゝで言う「平面視」とは回転軸線を含む
平面に対する法線の方向から見ることを意味する。従っ
て、ここでの「平面図」は当該法線の方から見たインサ
ートの図面である。こゝで言う「回転軸線」は図1、
2、3、4、6の事例では11aで指定されていて、これ
を工作物が有しているが、図7、8の事例では切削イン
サートを具備した工具(ドリル)が有している。
第1図の円で囲む部分の詳細は第2図に示される。
第2図から分かるようにインサート10は送り方向Mに
見て前位の主切刃13と後位の追加(第2)切刃14を有す
る少なくとも1個の切削コーナを含んでいる。主切刃13
は前位と後位の直線部分とその間の丸味部分とを有す
る。
この実施例では、主切刃13の前位直線部分は90°の設
定角αを有している。こゝでいう設定角αは主切刃13の
前位直線部分と送り方向Mの間の内角と定義される。主
切刃13のアキシャル逃げ角δ、即ち主切刃13の後位直線
部分と送り方向Mの間のなす内角、は比較的広い範囲で
変動し得る。本実施例ではδ≒5°である。主切刃の半
径方向切削深さ(切込み)はh1によって表され、丸味部
分のノーズ半径はRによって表されている。ノーズ半径
の大きさは、0.2〜3.2mmの範囲にあるべきである。
追加切刃14の半径方向切削深さ(切込み)h2は0.5mm
より小さく、好ましくは0.03mmである。従って、主切刃
13が明確な波形の粗工作面を作り出すならば、本発明の
範囲内で、追加切刃が負の切削深さを有することが可能
である、即ち波形のピークは完全に除去されない。追加
切刃14の設定角はβによって表され、大きな値にするこ
とも可能であるが、こゝでは3°程度が好ましく、従っ
てこゝでは3°の角度にしてある。追加切刃14のアキシ
ャル逃げ角ε、即ち追加切刃14の後位直線部分と送り方
向Mの間のなす内角、は2°より小さくすべきである。
本実施例では、ε≒15′である。
第2図は切削インサートと工作物を平面視で描いてい
る。切削インサートには、この平面視において点16で切
削コーナに外側から接触し且つ主切刃13から更に遠くに
離れて位置する追加切刃14の端点17を通る直線15を引く
ことが出来る。当該直線は工作線と呼ばれる想像線であ
り、両切刃に対する外接直線である。この直線15の主切
刃13の前位直線部分のなす内角はτで表される。
なお、上記の設定角βとは送り方向Mと追加切刃14の
前位直線部分のなす角と定義される。
上記の追加切刃14の半径方向切削深さ(切込み)h2
接点16と端点17の間の半径方向の距離によって規定され
る。
こゝで言う「半径」とは前記「回転軸線」(11a)に
関する半径、即ち当該回転軸線を中心とする半径のこと
である。
直線15の両点16,17間の長さは0.1〜4mmであり、好ま
しくは0.5〜2mm、例えば1mmである。
第3図から明らかなように、主切刃13と追加切刃14に
夫々作用する半径方向の送り力(即ち、回転軸線11aに
関する半径の方向における送り力)F1′とF1″は小さ
い。これはインサート10に作用する反力が小さいことを
意味する。
第3図から、ノーズ半径Rが小さくなければ、それだ
け半径方向力F1′が小さくなることが認識される。主切
刃13の設定角αと比較すると、追加切刃14の設定角βは
相対的に実に小さい。しかし、この小さな設定角βであ
るにも拘わらず(小さいことは半径方向力を大きくする
ことになる)、半径方向力F1″は主切刃13の半径方向切
込みh2が小さいが故に小さくなる。
第4図から明らかなように、本発明は90°とは違う値
の主切刃設定角αを有するインサートにも適用し得る。
この設定角αが90°より小さいならば、主切刃13の半径
方向力F1がより大きくなる。本発明の範囲内で、主切刃
13の設定角αを90°より幾分大きくすることも可能であ
る。このような場合には、主切刃13の前位直線部分に作
用する半径方向力が主切刃の丸味部分に作用する半径方
向力及び/或いは追加切刃に作用する半径方向力を補
う。
本発明によれば、主切刃13の内角τと設定角αの和は
177°〜210°、好ましくは177°〜195°の値を有してい
る。
本発明の切削インサートは次のように機能する。
第2図において、長手(縦)方向の旋削において、正
常な外見の主チップ(切り屑、或いは切り粉)18の削成
が主切刃13で達成されるが、その際に追加切刃14で非常
に薄い二次チップ19も削成される。1回転当たり0.2mm
の送り量(速度)で、約0.2mm厚の主チップ18が得ら
れ、その際に得られる二次チップ19の厚みはわずかに0.
02mmである。これは追加(第2)切刃14の比較的小さく
見えるアキシャル逃げ角εと組合せると、本発明の切削
インサートを使用したときに、表面仕上げが従来の切削
インサートに比較して確実に改良されるという成果をも
たらす。
従って、追加切刃を含む本発明の設計原理により、工
作物の表面仕上度が従来の切削インサートの場合より
も、1回転当たりの送り速度から顕著に独立した関係に
なる、即ち両者間の無関係度合を格段に大きくすること
に注目すべきである。フィールドテスト(現場の秘密テ
スト)は1回転当たり0.8mmの送り速度において発明原
理を用いることにより満足すべき表面仕上げが達成され
ることを示した。これは工具摩耗(工作物が工作公差を
外れるまでの工作物の数によって測定される)が確実に
軽減されることを意味している。
平均表面偏差“Ra”の尺度で表した表面仕上げを本発
明と従来の切削工具に関して異なる送り速度“S"におい
て表示した第5図のグラフから、本発明の切削工具によ
る表面仕上げの改良を認識することが出来る。
第5図から明らかなように、本発明によれば、表面仕
上の格段の改良が達成される。特にこれは高送り速度に
おいて顕著である。
第6図には本発明に係わる第2の実施例の切削インサ
ート10aが示されているが、これは前記第1の実施例の
切削インサート10に対し、送り方向Mに見て、主切刃13
の背後に二個の追加切刃14a,14bがある点で変更が為さ
れている。
第6図から分かるように、両追加切刃14a,14bの設定
角βa,βbは共に3°である。好ましくは、第2の追加
切刃14bは第1の追加切刃14aに較べ1/100mmだけ更に深
いラジアル切削深さを有している。
角度τaとτbは夫々主切刃13の前位直線部分と工作線
15a,15bのなす角である。
1個以上の追加切刃が設けられた場合、アキシャル逃
げ角εの上述の値は主切刃から最遠方に位置する最終番
目の追加切刃に最も適したものである。
本発明の範囲において、2個以上の追加切刃群を設け
ることは可能である。
また、本発明の範囲において、追加切刃が切削機能を
持たず、研摩機能のみを有していることも可能である。
この場合の切削インサートはバニシ加工手段と称され
る。勿論、切削コーナに1又はそれ以上の第2切刃を1
又はそれ以上のバニシ加工手段との組合せで配設するこ
とも可能である。
第7図に示す第3の実施例は本発明に係わる短穴用の
ドリル20に関するものである。この工具はドリルとして
回転軸線を有し、そして半径方向に見て内側の切削イン
サート21と外側の切削インサート22を具備している。半
径外側インサート22のサークルで囲む部分の拡大詳細は
第8図に示される。
このドリル用インサートは上述の他の実施例に対応す
る形態で、主切刃13と追加切刃14を含む切削コーナを有
している。切削コーナの点16に接し且つ主切刃13から最
遠方に位置する追加切刃14の最終端点17を通る想像直線
は15で表し、これを工作線と称す。
主切刃13の前位直線部分と工作線15とのなす内角はτ
で表す。主切刃13の前位直線部分と送り方向Mのなす設
定角はαで表している。本発明によれば内角τと設定角
αの和は177°〜210°、好ましくは177°〜195°の値で
ある。両点16と17間の工作線の長さは0.1〜4mmで、好ま
しくは0.5〜2mm、例えば1mmである。
本発明は正と負の両種の外形(ジオメトリ)を有する
切削インサートに適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係わる切削インサートを長手方向の旋
削作動位置において工作物と共に示す平面説明図(回転
軸線を含む平面に対する法線の方向から見た図)、第2
図は第1図の切削インサートの局部の詳細を示すインサ
ートの部分拡大平面説明図、第3図は長手方向旋削中の
本発明に係わる切削インサートに作用する半径方向力を
示す工作物とインサートの部分平面説明図、第4図は本
発明に係わる切削インサートの別の実施例における半径
方向力を示す工作物とインサートの部分平面説明図、第
5図は本発明と従来の切削インサートに関し、インサー
ト送り速度に対する表面仕上げ変化を示すグラフ、第6
図は本発明の切削インサートのもう1つの実施例を示す
インサートの部分平面説明図、第7図は短穴用ドリルに
設置した本発明に係わる切削インサートを示すドリルの
部分平面説明図、及び第8図は第7図のインサートの局
部の詳細を示すインサートの拡大部分平面説明図であ
る。 図において; 10,10a,21,22…切削インサート、11…工作物、11a…回
転軸線、13…主切刃、14;14a,14b…追加切刃(第2切
刃)、15…工作線(想像直線)、18、19…チップ(切り
粉)、F1′,F1″…半径方向力、MS…送り方向、R…ノ
ーズ半径、α、β…設定角、δ、ε…アキシャル逃げ
角、τ…内角。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カール−エリク フォルスベルグ スウェーデン国,エス‐773 00 ファ イェルスタ,ベイェールコマンスベーグ 14 (56)参考文献 実開 昭61−109604(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23B 27/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1つの切削コーナーを有し、当
    該切削コーナを構成する2種の切刃によって同時に切削
    することが出来る旋削や掘削等に適用して有利な切り粉
    出し工作用の切削インサート(10)であって、当該2種
    の切刃は該切削インサートに配設された相対的に粗目の
    工作を実行するための主切刃(13)と該切削インサート
    の送り方向(M)に見て該主切刃(13)の背後に配位し
    ている相対的に緻密な工作を実行するための追加切刃
    (14)であり、工作物との工作係合時において回転軸線
    (11a)を含む平面に対する法線の方向から該切削イン
    サートを見た場合の、即ち該切削インサートの平面視に
    おける、当該主切刃(13)は前位と後位の直線部分とそ
    の間の丸味部分とを有している斯ゝる構成の切削インサ
    ートにおいて、 (1)前記切削インサートの平面視において、該追加切
    刃(14)は仕上工作を実行させるために前位と後位の直
    線部分とその間の端点(17)とを有し; (2)該切削インサート平面視において、工作線として
    の想像直線(15)が1点(16)で該主切刃(13)の該丸
    味部分に外接し且つ該追加切刃(14)の該端点(17)を
    通り、当該想像直線(15)上の当該接点(16)と該端点
    (17)との間の該回転軸線(11a)に関する半径の方向
    における距離が該追加切刃(14)の半径方向切込み、即
    ち切削深さ(h2)を規定し、そして該送り方向(M)に
    対する該追加切刃(14)の該後位直線部分のなす角度が
    該追加切刃(14)のアキシャル逃げ角(ε)を規定して
    おり;そして (3)該半径方向切削深さ(h2)が0.03−0.5mmの範囲
    にあり、該アキシャル逃げ角(ε)が0.25−2°の範囲
    にあり、そして該主切刃(13)の該接点(16)と該追加
    切刃(14)の該端点(17)との間の該想像直線(15)の
    長さ0.1−4mmの範囲にあることを特徴とする切削インサ
    ート。
  2. 【請求項2】該主切刃(13)の該前位直線部分と該想像
    線(15)が内角(τ;τa)をなしていて、該送り方向
    (M)と該主切刃(13)の該前位直線部分とのなす角度
    によって規定される該主切刃(13)の設定角(α)と当
    該内角(τ:τa)との和が177−210°の範囲の値であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載の切削インサー
    ト。
  3. 【請求項3】該主切刃(13)の該接点(16)と該追加切
    刃(14)の該端点(17)との間の該想像線(15)の長さ
    が0.5−2mmの範囲にあることを特徴とする、請求項2に
    記載の切削インサート。
  4. 【請求項4】該主切刃(13)の該設定角(α)と該内角
    (τ)との和が177−195°の範囲にあることを特徴とす
    る、請求項3に記載の切削インサート。
  5. 【請求項5】該送り方向(M)と該追加切刃(14)の該
    前位直線部分のなす角度によって規定される該追加切刃
    (14)の設定角(β)が約3°であることを特徴とす
    る、請求項1−4のいづれか1項に記載の切削インサー
    ト。
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