JP2851875B2 - プラスチックレンズ - Google Patents

プラスチックレンズ

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JP2851875B2
JP2851875B2 JP1214109A JP21410989A JP2851875B2 JP 2851875 B2 JP2851875 B2 JP 2851875B2 JP 1214109 A JP1214109 A JP 1214109A JP 21410989 A JP21410989 A JP 21410989A JP 2851875 B2 JP2851875 B2 JP 2851875B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プラスチックレンズ、更に詳しくは、硫黄
原子を含む高屈折率で低比重のプラスチックレンズに関
する。
〔従来の技術〕
最近において、透明なプラスチック材料は、軽いこ
と、耐衝撃性が大きくて割れ難いこと、加工し易いこ
と、並びに染色できることなど、無機ガラスによっては
得られない種々の特長を有することから、光学レンズの
材料として多方面で使用され始めている。
特に視力矯正用の眼鏡レンズの材料としては、軽量
性、高い耐衝撃性および染色の容易性などが必須の性質
として要求されることから、プラスチックレンズ材料は
好適なものである。
更に、プラスチックレンズ材料としては、屈折率の高
いものが要求されており、それは、屈折率が高いプラス
チックレンズ材料によれば、例えば眼鏡レンズの周辺部
のコバ厚を薄くすることができるからである。
従来、最も多く使用されている眼鏡用のプラスチック
レンズ材料は、ジエチレングリコールビスアリルカーボ
ネート樹脂であるが、この樹脂は屈折率が1.50前後と比
較的低いのみでなく、比重も1.31と屈折率の割に高く、
この点において必ずしも満足し得るものではない。
一方、優れた耐衝撃性を有するプラスチックレンズ材
料としてはポリウレタン系樹脂が多方面で検討されてお
り、例えば、特開昭57−136601号公報、西独特許第2,92
9,313号明細書、米国特許第3,907,864号明細書、米国特
許第3,954,584号明細書、その他においてポリウレタン
系樹脂よりなるレンズが開示されている。
しかしながら、これらのポリウレタン系樹脂レンズも
屈折率が十分に高いものではなく、この点で満足できる
ものではない。
更に、より高い屈折率を有するポリウレタン系樹脂と
して、ハロゲン原子を含有するものが特開昭58−164615
号公報、特開昭59−133211号公報などにおいて提案され
ている。このように、ハロゲン原子、特に臭素原子やヨ
ウ素原子を含有する場合には、その含有量に応じて重合
体の屈折率が高くなるのであるが、これと同時にハロゲ
ン原子の含有量に応じて重合体の比重が大きくなってし
まい、このため、プラスチック材料の最大の特長という
べき軽量性が損なわれ、結局得られるプラスチックレン
ズ材料は、屈折率の大きい有利性が大幅に減殺されたも
のとなる。
更に、水酸基を含有するビニル単量体とイソシアネー
ト化合物との反応により重合体分子に架橋構造を導入し
たものが、特開昭58−168614号公報などによって提案さ
れている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように、高屈折率で耐衝撃性に優れたプラスチッ
クレンズ材料を求めて各方面から模索が行われている
が、未だ十分に満足すべきものが得られていないのが現
状である。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたもの
であり、高屈折率で耐衝撃性に優れ、しかも比重の小さ
いプラスチックレンズを提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明のプラスチックレンズは、下記A成分、B成
分、C成分およびD成分を、下記の条件および条件
が満足される相対的割合で反応させると共に重合させる
ことによって得られる、チオウレタン結合と付加重合部
分を有する共重合体よりなり、屈折率が1.55以上、比重
が1.4以下であることを特徴とする。
A成分:分子中にチオール基または水酸基を有するラジ
カル重合可能な不飽和基を有する単量体 B成分:分子中に複数のイソシアネート基を有するポリ
イソシアネート化合物 C成分:ジまたはトリチオール化合物 D成分:A成分およびC成分とラジカル重合可能な不飽和
基を複数有する多官能単量体 条件:当該A成分のチオール基と水酸基との合計モル
数をa、B成分のイソシアネート基のモル数をb、およ
びC成分のチオール基のモル数をcとするとき、有効モ
ル比b/cの値が1より小さく、かつ比(a+c)/bの値
が2.5以上であること 条件:D成分が全体に対して20〜80重量%であること。
〔効果〕
本発明によるプラスチックレンズは、高屈折率で耐衝
撃性に優れ、しかも比重の小さいものである。このよう
な効果が得られる理由は次のとおりである。すなわち、
この共重合体においては、B成分とC成分とによってチ
オウレタン結合すなわちチオカルバミン酸エステル結合 が形成されると共に、A成分がチオール基を有するとき
はA成分とB成分とによってもチオウレタン結合が形成
され、またA成分が水酸基を有するときはその水酸基に
よってウレタン結合が形成され、しかもC成分は複数の
チオール基を有することによって架橋構造が形成される
結果、得られる共重合体は、基本的に耐衝撃性に優れた
ウレタン系樹脂の構造を有するものとなる。しかも、C
成分のチオール基のモル数がB成分のイソシアネート基
のモル数よりも過剰であってチオウレタン結合の形成に
関与しない未反応のチオール基が存在するため、当該未
反応チオール基とA成分およびD成分中のラジカル重合
性不飽和基とによる付加重合反応が、A成分とD成分と
による共重合反応と共に生じ、しかもD成分が多官能単
量体であることによっても架橋構造が形成されることと
なる。その結果、得られる共重合体は、分子鎖中に多数
の硫黄原子が導入されたものとなるため、比重が過大と
なることが回避されてしかも高い屈折率を有するものと
なる。すなわち、硫黄原子によるチオウレタン結合およ
び付加重合部分が高い密度で形成されることにより、得
られる共重合体は、水酸基を有する化合物とイソシアネ
ート化合物とによる通常のポリウレタン結合のみを有す
る重合体に比較して、より高い屈折率を有し、かつ、ハ
ロゲン原子を含むものより比重の小さいものとなるので
ある。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明においては、分子中にチオール基または水酸基
を有するラジカル重合可能な不飽和基を有する単量体よ
りなるA成分と、分子中に2個以上のイソシアネート基
を有するB成分と、ジまたはトリチオール化合物よりな
るC成分と、更に分子中にラジカル重合可能な不飽和基
を有しA成分お中にラジカル重合可能な不飽和基を複数
有しA成分およびC成分と共重合可能な多官能単量体よ
りなるD成分とを、特定の相対的比率において反応させ
ると共に重合させ、これによって得られる共重合体によ
り、プラスチックレンズを得る。
具体的には、A成分、B成分、C成分およびD成分間
において、次の反応および重合を生じさせることによっ
て共重合体を得る。
(i)チオウレタン化反応 このチオウレタン化反応においては、B成分のインソ
シアネート基と、C成分のチオール基およびA成分のチ
オール基または水酸基とにより、チオウレタン結合また
はチオウレタン結合とウレタン結合との両方が形成され
る。
(ii)ラジカル重合反応 このラジカル重合反応は、上記のチオウレタン化反応
の後にあるいは並行して行われる。このラジカル重合反
応においては、上記のチオウレタン結合の形成に関与し
ないC成分によるチオール基とA成分およびD成分の重
合性不飽和基とが付加重合する反応と、A成分とD成分
との不飽和基による共重合反応とが行われる。
以上のチオウレタン化反応においては、B成分のイソ
シアネート基のモル数をb、C成分のチオール基のモル
数をcとするとき、それらの有効モル比b/cの値αが1
より小であることが必要である。ただし、αの値は、0.
01以上、特に0.02以上であることが好ましい。このよう
にαの値が1より小であることによりチオウレタン結合
の形成に供されないC成分のチオール基が必ず存在し、
C成分のチオール基とA成分およびD成分の不飽和基と
による付加重合反応が確実に生ずることとなり、これに
よって架橋性の多官能型のチオウレタン化合物が生成さ
れる。αが1以上である場合には、上記の付加重合反応
が生じたとしても僅かであるため、得られる共重合体の
架橋の程度が低いものとなるのみでなく、全体における
硫黄原子の含有割合も少なくなるので、得られる共重合
体に十分に高い屈折率と優れた耐衝撃性を得ることがで
きない。
また、A成分、B成分およびC成分の三者の相対的割
合は、A成分のチオール基と水酸基との合計モル数をa
とするとき、比(a+c)/bの値βは2.5以上であるこ
とが必要であり、特に15以下であることが好ましい。こ
のβの値が過大の場合には、架橋構造の程度が低くくて
得られる共重合体は耐熱性が劣るものとなり、一方過小
の場合には、得られる共重合体は硫黄原子の含有割合が
小さいものとなるため、本発明の目的を十分に達成する
ことができない。
更に本発明においては、上記A成分、B成分およびC
成分の合計の全体に対する割合は80〜20重量%とされ、
D成分の全体に対する割合は20〜80重量%とされること
が必要である。
本発明において、A成分として用いられる水酸基また
はチオール基を有するラジカル重合可能な不飽和基を有
する単量体としては、例えば、2−メルカプトエタノー
ル、パラハイドロキシチオフェノール、2−メルカプト
エチルエーテル、2−メルカプトエチルスルフィドなど
の脂肪族または芳香族メルカプトアルコール類または後
述するC成分の具体例として挙げたものと同じ脂肪族若
しくは芳香族ジまたはトリチオール化合物類と、ラジカ
ル重合性不飽和基を有する化合物とを反応させて得られ
る生成物、例えばアクリル酸、メタクリル酸若しくはビ
ニル安息香酸などによるエステル類、アリルエーテル類
などを挙げることができる。
これらのほか、水酸基を有するラジカル重合可能な不
飽和基を有する単量体としては、次の一般式(I)で示
されるヒドロキシル基を含有するアクリル酸エステルま
たはメタクリル酸エステルなどを挙げることができる。
一般式(I) (式中、nは1〜3の整数、R1は水素原子またはメチル
基、R2は各種置換基を有していてもよい炭素数2〜12の
脂肪族または芳香族炭化水素残基を表わす。) 一般式(I)で示される化合物の具体例としては、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−フェ
ノキシ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−フ
ェノキシ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4
−ヒドロキシブチルメタクリレートなどを挙げることが
できるが、これらのみに限定されるものではない。
更に、水酸基を含有すると共に2個以上のラジカル重
合性不飽和基を有する単量体を挙げることができる。そ
の具体例としては、例えば2−ヒドロキシ−1−アクリ
ロキシ−3−メタクリロキシプロパン、テトラメチロー
ルメタントリアクリレートなどを挙げることができる。
以上に加えて、アリルアルコール、メタクリルアルコ
ール、不飽和基を有するポリエステルポリオール、ポリ
エーテルポリオールなどの各種のポリオールをもA成分
の例として挙げることができる。
本発明において、B成分として用いられる複数のイソ
シアネート基を有するポリイソシアネート化合物の具体
例としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、
オクタメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
テトラメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、
ナフタレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′
−ビスフェニレンジイソシアネート、メタキシリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのビ
ュウレット化反応生成物、トリマー構造の化合物あるい
はトリメチロールプロパンとのアダクト反応生成物、イ
ソホロンジイソシアネートから、誘導される3官能乃至
4官能ポリイソシアネート化合物、2−イソシアネート
エチル−2,6−ジイソシアネートエチルヘキサノエート
などの挙げることができるが、これらのみに限定される
ものではない。
以上のうち、得られる共重合体が熱や光によって黄変
を生じ易いものとなる芳香族系のイソシアネート化合物
より、そのような黄変が生じにくい重合体を与える脂肪
族系イソシアネート化合物あるいヘキサメチレンジイソ
シアネートの多官能誘導体などを用いるのが望ましく、
これによってプラスチックレンズとして要求される無色
透明性の安定した共重合体が得られる。
本発明において、C成分として用いられるジまたはト
リチオール化合物の具体例としては、例えばエタンジチ
オール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチ
オール、1,4−ブタンジチオール、1,4−ベンゼンジチオ
ール、1,2−ベンゼンジチオール、ビス(4−メルカプ
トフェニル)スルフィド、4−tert−ブチル−1,2−ベ
ンゼンジチオール、エチレングリコールジチオグリコレ
ート、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレー
ト)チオシアヌル酸、ジ(2−メルカプトエチル)スル
フィド、ジ(2−メルカプトエチル)エーテルなどの脂
肪族または芳香族ジまたはトリチオール化合物類を挙げ
ることができるが、これらのみに限定されるものではな
い。
本発明のプラスチックレンズを製造するための代表的
な方法においては、先ず、以上のA成分、B成分、C成
分およびD成分が混合されてチオウレタン化反応が行わ
れる。
このチオウレタン化反応は、通常室温から200℃まで
の範囲の温度で行うことができる。このチオウレタン化
反応においては反応時間を短縮させるために、通常のポ
リウレタンの製造に用いられる反応触媒、例えばジブチ
ルチンジラウレート、スタナスオクトエート、ジメチル
チンジクロライド、塩化第二錫などを適宜使用すること
ができる。
またこのチオウレタン化反応は、チオウレタン結合の
形成反応に対して不活性の有機溶媒中で行うこともで
き、この場合には、反応終了後に有機溶媒を除去すれば
よい。
次に、例えばラジカル重合開始剤を添加することによ
り、チオウレタン結合の形成に関与しないC成分による
チオール基とA成分およびD成分の重合性不飽和基とに
よる付加重合と、A成分とD成分の不飽和基による共重
合反応とが行われ、これにより、本発明のプラスチック
レンズとされる共重合体が形成される。
本発明においてD成分が使用される理由は、当該D成
分をC成分によるチオール基と付加重合させることによ
って硫黄原子を共重合体中に導入させると共に、多官能
単量体であることによって架橋構造の形成を促進させる
ことのほか、D成分を存在させない場合には、上記のチ
オウレタン化反応の反応生成物が粘稠な液体または固体
となることがあるからである。すなわち、そのような場
合においても、D成分を存在させることによって当該反
応生成物を低粘度の液体とすることができ、その結果ラ
ジカル重合反応を容易に行うことが可能となる。このよ
うな観点から、D成分として用いられる単量体は、粘度
の低い液状物であることが好ましい。また、D成分の種
類を選択することにより、得られる共重合体に目的とす
る用途に適した特性を得ることが可能となる点において
も好ましい。
そして以上のように、チオウレタン化反応をD成分の
存在下において行うことができるが、D成分を存在させ
ずにチオウレタン化反応を行い、その反応生成物にD成
分を添加してラジカル重合反応を行う態様によっても共
重合体を得ることが可能である。
D成分としては、その分子中に複数のラジカル重合可
能な不飽和基を有する多官能単量体が用いられる。その
具体例としては、例えばジビニルベンゼンなどの芳香族
ビニル化合物類、ジアリルフタレート、ジアリルイソフ
タレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
トなどのアリル化合物類、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、2,2
−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパ
ンなどの各種のアクリレート類およびメタクリレート類
などを挙げることができるが、これらのみに限定される
ものではない。D成分として多官能単量体を用いること
により、得られる共重合体が高度の架橋構造を有するも
のとなる。
本発明においては、以上のD成分の全体に対する割合
は、目的とするプラスチックレンズの用途に応じて変化
させることができるが、20〜80重量%の範囲とされるこ
とが必要である。このD成分の割合が80重量%を超える
場合には、共重合体全体におけるチオウレタン結合およ
びウレタン結合の割合が小さいものとなるために優れた
耐衝撃性を得ることができず、また硫黄原子の含有割合
も小さくなるために高屈折率でかつ低比重の状態を得る
ことができない。一方、D成分の割合が20重量%未満の
場合には、チオウレタン化反応の反応生成物の粘度が過
度に高くなることがあり、このときには当該生成物は十
分な流動性を有しないため、これを注型重合用の型枠内
に直接注入することが不可能となり、プラスチックレン
ズの製造法として好ましい注型重合法を利用することが
できない。
本発明のプラスチックレンズを作製する場合には、上
記のように、当該共重合体が架橋構造を有するものであ
るため、溶融成型を行うことは殆ど不可能である。従っ
て、流動性を有するチオウレタン化反応の反応生成物を
得、この反応生成物について注型重合法を適用すること
が好ましい。
この場合においては、板状、レンズ状、円筒状、角柱
状、円錐状、球状、その他用途に応じて設計された、ガ
ラス、プラスチック、金属などを材質とする鋳型または
型枠(モールド)を用意し、これに、所定の割合のA成
分、B成分およびC成分によるチオウレタン化反応の反
応生成物とD成分とをラジカル重合開始剤と共に混合し
て得られる単量体組成物を注入し、これを昇温させて重
合させればよい。
この単量体組成物には必要に応じて各種の添加剤を添
加することができる。ここに添加剤としては、得られる
レンズに期待する用途に応じて着色剤、紫外線吸収剤、
抗酸化剤、熱安定剤、その他が用いられる。
得られら成型物は、そのままで目的とするレンズとし
てもよいし、成型物を更に研削、研磨することにより目
的とするレンズとすることも可能である。
以上、本発明のプラスチックレンズを得るために、A
成分、B成分およびC成分によるチオウレタン化反応
を、ラジカル重合反応に先行して行う場合について主に
説明したが、チオウレタン化反応を先行して行うことは
必ずしも必須のことではなく、チオウレタン化反応とラ
ジカル重合反応を同時に進行させることにより、共重合
体を得ることもできる。
以上のようにして得られる本発明のプラスチックレン
ズに対しては、必要に応じて、染色、表面研磨、帯電防
止処理を行うことにより、レンズとしての諸特性を更に
向上させること、並びに表面硬度を高くするために、無
機あるいは有機のハードコートあるいは無反射コートな
ど通常のレンズになされる二次加工を施すことも勿論可
能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明が
これによって限定されるものではない。
実施例1 2−ヒドロキシエチルメタクリレート8.5gと、ヘキサ
メチレンジイソシアネートの環状三量体(有効NCOの割
合:85.2%、有効分子量M=592)19.3gと、ジ(2−メ
ルカプトエチル)エーテル17.2gと、ジビニルベンゼン5
5gとを十分に混合し、これにジブチルチンジラウレート
0.01gを添加し、60℃で2時間反応させてチオウレタン
化反応を行った。ここに、α=0.39、β=3.22である。
ここに得られた液状の反応生成物にtert−ブチルパー
オキシピバレート1gを添加して単量体組成物を得、これ
を、球面状の内面を有するガラス製モールド中に注入
し、50℃で2時間、60℃で10時間、80℃で2時間、100
℃で3時間ラジカル重合反応を行って、中心厚2.1mm、
直径75mmの透明な共重合体よりなる凹レンズを得た。
このレンズの屈折率をアッベ屈折計により測定したと
ころ、 であった。
また、このレンズはメタノール、エタノール、アセト
ン、トルエンなどの通常の有機溶媒に全く不溶であり、
十分な架橋構造を有するものと認められた。
更に米国FDA規格に準じて、重さ16.33gの鋼球を高さ1
27cmの高さから試料に落下させる鋼球落下法による耐衝
撃性テストをこのレンズについて行ったところ、破損し
たものは全くなく、優れた耐衝撃性を有するものである
ことが認められた。
また、この共重合体の比重は1.13ときわめて小さいも
のであった。
実施例2 2−ヒドロキシエチルメタクリレート16.2gと、イソ
ホロンジイソシアネート13.8gと、純度87%の1,4−ベン
ゼンジチオール20gと、ジビニルベンゼン40gとを十分に
混合し、実施例1に準ずる方法によってチオウレタン化
反応およびラジカル重合反応を行って、中心厚2.0mm、
直径75mmの透明な共重合体よりなる凹レンズを得た。こ
こに、α=0.51、β=2.97である。
このレンズの屈折率は また比重は1.11であった。
また、このレンズはメタノール、エタノール、アセト
ン、トルエンなどの通常の有機溶剤に全く不溶であり、
十分な架橋構造を有するものと認められた。
更に、この凹レンズについて実施例1と同様にして耐
衝撃性テストを行ったところ、破砕したものは全くな
く、優れた耐衝撃性を有することが認められた。
実施例3 構造式 で示されるメタクリル酸−2−メルカプトエチルチオエ
ステル14gと、イソホロンジイソシアネート14gと、エタ
ンジチオール12gと、ジビニルベンゼン60gとを十分に混
合し、これにジブチルチンジラウレート0.01gおよび2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル1.0gを加えてチオウ
レタン化反応を行うと共に、50℃で16時間、80℃で2時
間、100℃で1時間のラジカル重合反応を同時に行っ
て、中心厚2.0mm、直径80mmの透明な共重合体よりなる
凹レンズを得た。ここに、α=0.49、β=2.71である。
このレンズの屈折率は また比重は1.15であった。
また、このレンズはメタノール、エタノール、アセト
ン、トルエンなどの通常の有機溶剤に全く不溶であり、
十分な架橋構造を有するものと認められた。
更に、この凹レンズについて実施例1と同様にして耐
衝撃性テストを行ったところ、破砕したものは全くな
く、優れた耐衝撃性を有することが認められた。
実施例4 1−アクリロキシ−3−(4−フェニル)フェノキシ
−2−プロパノール10.5gと、実施例1で用いたものと
同様のヘキサメチレンジイソシアネートの環状三量体4.
5gと、ビス(4−メルカプトフェニル)スルフィド12g
と、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニ
ル)プロパン73gとを十分に混合し、実施例1に準ずる
方法によってチオウレタン化反応およびラジカル重合反
応を行って、中心厚2.1mm、直径80mmの透明な共重合体
よりなる凹レンズを得た。ここに、α=0.23、β=5.2
である。
このレンズの屈折率は また比重は1.22であった。
また、このレンズはメタノール、エタノール、アセト
ン、トルエンなどの通常の有機溶剤に全く不溶であり、
十分な架橋構造を有するものと認められた。
更に、この凹レンズについて実施例1と同様にして耐
衝撃性テストを行ったところ、破砕したものは全くな
く、優れた耐衝撃性を有することが認められた。
実施例5 1−アクリロキシ−3−フェノキシ−2−プロパノー
ル5.9gと、実施例1で用いたものと同様のヘキサメチレ
ンジイソシアネートの環状三量体7.9gと、チオシアヌル
酸11.2gと、テトラメチロールメタンテトラアクリレー
ト10gと、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェ
ニル)プロパン65gとを十分に混合し、実施例1に準ず
る方法によってチオウレタン化反応およびラジカル重合
反応を行って、中心厚2.0mm、直径75mmの透明な重合体
よりなる凹レンズを得た。ここに、α=0.21、β=5.4
である。
このレンズの屈折率は また比重は1.12であった。
また、このレンズはメタノール、エタノール、アセト
ン、トルエンなどの通常の有機溶剤に全く不溶であり、
十分な架橋構造を有するものと認められた。
更に、この凹レンズについて実施例1と同様にして耐
衝撃性テストを行ったところ、破砕したものは全くな
く、優れた耐衝撃性を有することが認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−96208(JP,A) 特開 平2−22601(JP,A) 特開 平1−163702(JP,A) 特開 昭60−199016(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08G 75/00 - 75/32 G02B 1/04 G02C 7/00 - 7/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記A成分、B成分、C成分およびD成分
    を、下記の条件および条件が満足される相対的割合
    で反応させると共に重合させることによって得られる、
    チオウレタン結合と付加重合部分を有する共重合体より
    なり、屈折率が1.55以上、比重が1.4以下であることを
    特徴とするプラスチックレンズ。 A成分:分子中にチオール基または水酸基を有するラジ
    カル重合可能な不飽和基を有する単量体 B成分:分子中に複数のイソシアネート基を有するポリ
    イソシアネート化合物 C成分:ジまたはトリチオール化合物 D成分:A成分およびC成分とラジカル重合可能な不飽和
    基を複数有する多官能単量体 条件:当該A成分のチオール基と水酸基との合計モル
    数をa、B成分のイソシアネート基のモル数をb、およ
    びC成分のチオール基のモル数をcとするとき、有効モ
    ル比b/cの値が1より小さく、かつ比(a+c)/bの値
    が2.5以上であること。 条件:D成分が全体に対して20〜80重量%であること。
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