JP3280592B2 - 高屈折率プラスチックレンズ用樹脂の製造方法 - Google Patents
高屈折率プラスチックレンズ用樹脂の製造方法Info
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- JP3280592B2 JP3280592B2 JP35243796A JP35243796A JP3280592B2 JP 3280592 B2 JP3280592 B2 JP 3280592B2 JP 35243796 A JP35243796 A JP 35243796A JP 35243796 A JP35243796 A JP 35243796A JP 3280592 B2 JP3280592 B2 JP 3280592B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高屈折率で、極め
て低分散であり、かつ、軽量で耐衝撃性に優れたプラス
チックレンズ用樹脂の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】プラスチックレンズは、無機レンズに比
べ軽量で割れにくく、染色が容易なため、近年、眼鏡レ
ンズ、カメラレンズや光学素子に普及しはじめている。
これらの目的に現在広く用いられている樹脂としては、
ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)(以
下、CR−39と称す)をラジカル重合させたものがあ
る。この樹脂は、耐衝撃性に優れていること、軽量であ
ること、染色性に優れていること、切削性、および研磨
性等の加工性が良好であることなどの種々の特徴を有し
ている。 【0003】しかしながら、屈折率が無機レンズ(nD
=1.52)に比べnD=1.50と小さく、ガラスレ
ンズと同等の光学特性を得るためには、レンズの中心
厚、コバ厚、および曲率を大きくする必要があり、全体
的に肉厚になることが避けられない。このため、より屈
折率の高いレンズ用樹脂が望まれている。さらに、高屈
折率を与えるレンズ用樹脂の1つとして、イソシアネー
ト化合物とジエチレングリコールなどのヒドロキシ化合
物との反応(特開昭57−136601、同57−13
6602)、もしくはテトラブロモビスフェノールAな
どのハロゲン原子を含有するヒドロキシ化合物との反応
(特開昭58−164615)や硫黄を含有するヒドロ
キシ化合物との反応(特開昭60−194401、同6
0−217229)より得られるウレタン樹脂や、イソ
シアネート化合物と脂肪族ポリチオールとの反応(特開
昭60−199016)より得られるチオカルバミン酸
S−アルキルエステル系レンズ用樹脂が提案されてい
る。 【0004】しかしながら、前述のポリイソシアネート
化合物とヒドロキシ化合物との反応、ポリイソシアネー
ト化合物と脂肪族ポリチオールとの反応により得られる
樹脂は、屈折率が充分高くなく、さらに高い屈折率を得
るために芳香環や、ハロゲン原子を含むヒドロキシ化合
物を使用した場合、分散が大きくなったり、比重が大き
くなり、実用的な樹脂およびレンズを得難いという問題
があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無色
透明で高屈折率を有し、極めて分散が小さく、低比重で
あるプラスチックレンズ用樹脂の製造方法を提供するこ
とである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者らは種々のポリチオールを研究した結果、
本発明の1分子中に2個以上のチオール基、およびチオ
ール基以外に1個以上のポリスルフィド結合および/ま
たは2個以上のスルフィド結合を有し、かつ、芳香環を
有しないポリチオールの少なくとも1種と、1分子中に
2個以上のイソシアネート基を有し、かつ、芳香環を有
しない脂肪族ポリイソシアネートの少なくとも1種とを
反応させて得られる樹脂が、極めて低分散であり、か
つ、高い屈折率、軽量性、透明性、耐衝撃性、耐候性お
よび加工性に優れていることを見出し、本発明に至っ
た。すなわち、本発明は、1分子中に2個以上のイソ
シアネート基を有し、かつ、芳香環を有しない脂肪族ポ
リイソシアネートの少なくとも1種と、1分子中に2個
以上のチオール基、およびチオール基以外に1個以上の
ポリスルフィド結合および/または2個以上のスルフィ
ド結合を有し、かつ、芳香環を有しないポリチオールの
少なくとも1種とを反応させることを特徴とする高屈折
率プラスチックレンズ用樹脂の製造方法に関するもので
あり、また、1分子中に2個以上のイソシアネート基
を有し、かつ、芳香環を有しない脂肪族ポリイソシアネ
ートの少なくとも1種と、1分子中に2個以上のチオー
ル基、およびチオール基以外に1個以上のポリスルフィ
ド結合および/または2個以上のスルフィド結合を有
し、かつ、芳香環を有しないポリチオールの少なくとも
一種とを反応させることを特徴とする屈折率1.59以
上、アッベ数40以上の高屈折率プラスチックレンズ用
樹脂の製造方法に関するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明によって、1分子中に2個
以上のイソシアネート基を有し、かつ、芳香環を有しな
い脂肪族ポリイソシアネートの少なくとも1種と、1分
子中に2個以上のチオール基、およびチオール基以外に
1個以上のポリスルフィド結合および/または2個以上
のスルフィド結合を有し、かつ、芳香環を有しないポリ
チオールの少なくとも1種とを反応させて得られる高屈
折率プラスチックレンズ用樹脂が提供される。 【0008】本発明における1分子中に2個以上のチオ
ール基、およびチオール基以外に1個以上のポリスルフ
ィド結合および/または2個以上のスルフィド結合を有
し、かつ、芳香環を有しないポリチオールは、例えば下
記の一般式(I)〜(IV)により表されるものであ
る。なお、一般式(I)、(II)および(IV)のポ
リチオールの分子量は好ましくは、1,000以下であ
る。 【0009】 【化1】 (式中、iが2の時は、m1、m2は1〜10の整数、
p1は2〜5の整数を表し、iが3〜20の整数の時
は、m1〜miは1〜10の整数、p1〜pi−1は1
〜5の整数を表す) 【0010】 【化2】(式中、Xは酸素又は硫黄原子を表し、iが2の時は、
m1、m2は1〜10の整数、p1は2〜5の整数を表
し、iが3〜20の整数の時は、m1〜miは1〜10
の整数、p1〜pi−1は1〜5の整数、n1、n2は
1〜5の整数を表す) 【0011】 【化3】 (式中、m、nは1〜5の整数、pは2〜5の整数を表
す) 【0012】 【化4】 (式中、Rはメチル、エチル、クロロメチル、ブロモメ
チル基を表し、m1〜miは1〜10の整数、iは1〜
20の整数、p1〜pi−1は1〜5の整数、mは0〜
2の整数、nは4−mを表す) 【0013】具体的には、メルカプトエチルジスルフィ
ド、1,2−ジ(2−メルカプトエチルチオ)エタン、
ジ(2−メルカプトエチルチオ)メタン等の化合物およ
びそれらのチオグリコール酸またはメルカプトプロピオ
ン酸のエステル、ヒドロキシエチルジスルフィド、スル
フィド−ビス(β−ヒドロキシエチルスルフィド)、
1,4−ジチアン−2,5−ジオール等のヒドロキシポ
リスルフィド化合物のチオグリコール酸またはメルカプ
トプロピオン酸のエステル、ジメルカプトジグリコール
酸、ジメルカプトジプロピオン酸ビス(カルボキシメチ
ル)トリチオカーボネート等の2−メルカプトエタノー
ルとのエステル、1,3−ジ(2−メルカプトエチルチ
オ)プロパン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオ
メチル)メタン等があげられる。 【0014】本発明において用いられる1分子中に2個
以上のイソシアネート基を有し、かつ、芳香環を有しな
い脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート、
1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート等の脂
肪族イソシアネートがあげられる。 【0015】さらには、これらの核塩素化物、臭素化物
等があげられる。前記ポリイソシアネートと前記ポリチ
オールの使用割合は、−NCO/−SH基のモル比率で
0.5〜3.0が好ましく、特に0.5〜1.5が好ま
しい。 【0016】本発明において、樹脂の架橋度を上げるた
めにペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等
のポリオールおよびそれらのチオグリコール酸、メルカ
プトプロピオン酸エステル、トリス(3−メルカプトプ
ロピル)イソシアヌレート、ピロガロールまたはトリス
(2−メルカプトエチル)シクロヘキサン等の化合物を
用いることができる。さらに、より高い屈折率を得るた
めに、ベンゼンジチオールやキシリレンジチオールなど
芳香環を含むポリチオールを適宜加えてもよい。その
際、モノマー全体でNCO/(SH+OH)モル比率
が、好ましくは0.5〜3.0、特に好ましくは0.5
〜1.5になるようにポリイソシアネートを増量する。 【0017】また、本発明においては、樹脂の耐光性改
良のため、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、蛍
光染料などの添加剤を必要に応じて適宜加えてもよい。 【0018】本発明のプラスチックレンズ用樹脂の製造
方法は、前記のポリイソシアネート、ポリチオールおよ
び必要に応じて前述のポリオールやポリチオールの架橋
剤等を混合し、この混合物を公知の注型重合法、すなわ
ち、離型処理をしたガラス製または金属性のモールド
と、樹脂性のガスケットとを組み合わせたモールド型の
中に注入し、加熱して硬化させる方法である。この際の
反応温度および反応時間は、使用するモノマーによって
も異なるが、一般には、−20℃〜150℃および0.
5〜72時間である。 【0019】 【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例で得られたレンズ用樹脂の屈
折率、アッベ数、玉摺り加工性、耐衝撃性および紫外線
曝露による黄変性試験の試験法は、下記の試験法によっ
た。 ・屈折率、アッベ数:プルリッヒ屈折計を用い、20℃
で測定した。 ・加工性:眼鏡レンズ加工用の玉摺り機で研削した。 【0020】研削面か良好なものを良(○)、やや良好
なものをやや良(△)とした。 ・耐衝撃性:中心厚が2mmの平板を用いて、FDA規
格に従って綱球落下試験を行い、割れないものを良
(○)とした。 ・耐紫外線性試験:サンシャインカーボンアークランプ
を装備したウエザオメーターにレンズをセットし、20
0時間経たところでレンズを取り出しウエザオメーター
で試験する前のレンズと色相を比較した。 評価基準は変化なし(○)、わずかに黄変(△)、黄変
(×)とした。 ・光学歪み:光学歪み計を用い、目視で光学歪みの無い
物を(○)、光学歪みのあるものを(×)とした。 【0021】実施例1 イソホロンジイソシアネート 111g(0.5モ
ル)、m−キシリレンジイソシアネート 94g(0.
5モル)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メ
ルカプトアセテート) 121g(0.4モル)、ヒド
ロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプルピ
オネート) 132g(0.4モル)およびペンタエリ
スリトールテトラキス(3−メルカプトプルピオネー
ト) 49g(0.1モル)を室温で混合し均一とした
後、シリコン系焼付タイプの離型剤で処理をした、ガラ
スモールドとテフロン製ガスケットよりなるモールド型
中に注入した。次いで50℃で3時間、60℃で1時
間、70℃で1時間、80℃で1時間、100℃で2時
間加熱を行い、硬化させた。こうして得られた樹脂は、
屈折率1.59であり、屈折率に比しアッベ数42と極
めて低分散であり、無色透明で、加工性、耐衝撃性、耐
紫外線性も良好であった。 【0022】実施例2〜3 実施例1と同様にして表−1の組成で重合を行い、得ら
れた樹脂の物性を表−2に示した。 【0023】 【比較例】比較例1 m−キシリレンジイソシアネート188gとペンタエリ
スリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネー
ト)244gを混合し、均一とした後、実施例1と同様
にして重合した。得られた樹脂の屈折率は1.59、ア
ッベ数36で無色透明であり、加工性、耐衝撃性、耐紫
外線性も良好であった。 【0024】比較例2〜6 比較例1と同様にして表−1の組成で重合を行い、得ら
れた樹脂の物性を表−2に示した。 【0025】 【表1】【表2】【0027】 【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明の
製造方法により得られるレンズ用樹脂は、無色透明で高
屈折率を有し、極めて分散が小さく、低比重である。さ
らに、玉摺りなどの加工性および耐衝撃性に優れてお
り、眼鏡レンズ、カメラレンズおよびその他光学素子用
のレンズ素材として好適な樹脂である。
て低分散であり、かつ、軽量で耐衝撃性に優れたプラス
チックレンズ用樹脂の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】プラスチックレンズは、無機レンズに比
べ軽量で割れにくく、染色が容易なため、近年、眼鏡レ
ンズ、カメラレンズや光学素子に普及しはじめている。
これらの目的に現在広く用いられている樹脂としては、
ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)(以
下、CR−39と称す)をラジカル重合させたものがあ
る。この樹脂は、耐衝撃性に優れていること、軽量であ
ること、染色性に優れていること、切削性、および研磨
性等の加工性が良好であることなどの種々の特徴を有し
ている。 【0003】しかしながら、屈折率が無機レンズ(nD
=1.52)に比べnD=1.50と小さく、ガラスレ
ンズと同等の光学特性を得るためには、レンズの中心
厚、コバ厚、および曲率を大きくする必要があり、全体
的に肉厚になることが避けられない。このため、より屈
折率の高いレンズ用樹脂が望まれている。さらに、高屈
折率を与えるレンズ用樹脂の1つとして、イソシアネー
ト化合物とジエチレングリコールなどのヒドロキシ化合
物との反応(特開昭57−136601、同57−13
6602)、もしくはテトラブロモビスフェノールAな
どのハロゲン原子を含有するヒドロキシ化合物との反応
(特開昭58−164615)や硫黄を含有するヒドロ
キシ化合物との反応(特開昭60−194401、同6
0−217229)より得られるウレタン樹脂や、イソ
シアネート化合物と脂肪族ポリチオールとの反応(特開
昭60−199016)より得られるチオカルバミン酸
S−アルキルエステル系レンズ用樹脂が提案されてい
る。 【0004】しかしながら、前述のポリイソシアネート
化合物とヒドロキシ化合物との反応、ポリイソシアネー
ト化合物と脂肪族ポリチオールとの反応により得られる
樹脂は、屈折率が充分高くなく、さらに高い屈折率を得
るために芳香環や、ハロゲン原子を含むヒドロキシ化合
物を使用した場合、分散が大きくなったり、比重が大き
くなり、実用的な樹脂およびレンズを得難いという問題
があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無色
透明で高屈折率を有し、極めて分散が小さく、低比重で
あるプラスチックレンズ用樹脂の製造方法を提供するこ
とである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者らは種々のポリチオールを研究した結果、
本発明の1分子中に2個以上のチオール基、およびチオ
ール基以外に1個以上のポリスルフィド結合および/ま
たは2個以上のスルフィド結合を有し、かつ、芳香環を
有しないポリチオールの少なくとも1種と、1分子中に
2個以上のイソシアネート基を有し、かつ、芳香環を有
しない脂肪族ポリイソシアネートの少なくとも1種とを
反応させて得られる樹脂が、極めて低分散であり、か
つ、高い屈折率、軽量性、透明性、耐衝撃性、耐候性お
よび加工性に優れていることを見出し、本発明に至っ
た。すなわち、本発明は、1分子中に2個以上のイソ
シアネート基を有し、かつ、芳香環を有しない脂肪族ポ
リイソシアネートの少なくとも1種と、1分子中に2個
以上のチオール基、およびチオール基以外に1個以上の
ポリスルフィド結合および/または2個以上のスルフィ
ド結合を有し、かつ、芳香環を有しないポリチオールの
少なくとも1種とを反応させることを特徴とする高屈折
率プラスチックレンズ用樹脂の製造方法に関するもので
あり、また、1分子中に2個以上のイソシアネート基
を有し、かつ、芳香環を有しない脂肪族ポリイソシアネ
ートの少なくとも1種と、1分子中に2個以上のチオー
ル基、およびチオール基以外に1個以上のポリスルフィ
ド結合および/または2個以上のスルフィド結合を有
し、かつ、芳香環を有しないポリチオールの少なくとも
一種とを反応させることを特徴とする屈折率1.59以
上、アッベ数40以上の高屈折率プラスチックレンズ用
樹脂の製造方法に関するものである。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明によって、1分子中に2個
以上のイソシアネート基を有し、かつ、芳香環を有しな
い脂肪族ポリイソシアネートの少なくとも1種と、1分
子中に2個以上のチオール基、およびチオール基以外に
1個以上のポリスルフィド結合および/または2個以上
のスルフィド結合を有し、かつ、芳香環を有しないポリ
チオールの少なくとも1種とを反応させて得られる高屈
折率プラスチックレンズ用樹脂が提供される。 【0008】本発明における1分子中に2個以上のチオ
ール基、およびチオール基以外に1個以上のポリスルフ
ィド結合および/または2個以上のスルフィド結合を有
し、かつ、芳香環を有しないポリチオールは、例えば下
記の一般式(I)〜(IV)により表されるものであ
る。なお、一般式(I)、(II)および(IV)のポ
リチオールの分子量は好ましくは、1,000以下であ
る。 【0009】 【化1】 (式中、iが2の時は、m1、m2は1〜10の整数、
p1は2〜5の整数を表し、iが3〜20の整数の時
は、m1〜miは1〜10の整数、p1〜pi−1は1
〜5の整数を表す) 【0010】 【化2】(式中、Xは酸素又は硫黄原子を表し、iが2の時は、
m1、m2は1〜10の整数、p1は2〜5の整数を表
し、iが3〜20の整数の時は、m1〜miは1〜10
の整数、p1〜pi−1は1〜5の整数、n1、n2は
1〜5の整数を表す) 【0011】 【化3】 (式中、m、nは1〜5の整数、pは2〜5の整数を表
す) 【0012】 【化4】 (式中、Rはメチル、エチル、クロロメチル、ブロモメ
チル基を表し、m1〜miは1〜10の整数、iは1〜
20の整数、p1〜pi−1は1〜5の整数、mは0〜
2の整数、nは4−mを表す) 【0013】具体的には、メルカプトエチルジスルフィ
ド、1,2−ジ(2−メルカプトエチルチオ)エタン、
ジ(2−メルカプトエチルチオ)メタン等の化合物およ
びそれらのチオグリコール酸またはメルカプトプロピオ
ン酸のエステル、ヒドロキシエチルジスルフィド、スル
フィド−ビス(β−ヒドロキシエチルスルフィド)、
1,4−ジチアン−2,5−ジオール等のヒドロキシポ
リスルフィド化合物のチオグリコール酸またはメルカプ
トプロピオン酸のエステル、ジメルカプトジグリコール
酸、ジメルカプトジプロピオン酸ビス(カルボキシメチ
ル)トリチオカーボネート等の2−メルカプトエタノー
ルとのエステル、1,3−ジ(2−メルカプトエチルチ
オ)プロパン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオ
メチル)メタン等があげられる。 【0014】本発明において用いられる1分子中に2個
以上のイソシアネート基を有し、かつ、芳香環を有しな
い脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネート、
1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート等の脂
肪族イソシアネートがあげられる。 【0015】さらには、これらの核塩素化物、臭素化物
等があげられる。前記ポリイソシアネートと前記ポリチ
オールの使用割合は、−NCO/−SH基のモル比率で
0.5〜3.0が好ましく、特に0.5〜1.5が好ま
しい。 【0016】本発明において、樹脂の架橋度を上げるた
めにペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等
のポリオールおよびそれらのチオグリコール酸、メルカ
プトプロピオン酸エステル、トリス(3−メルカプトプ
ロピル)イソシアヌレート、ピロガロールまたはトリス
(2−メルカプトエチル)シクロヘキサン等の化合物を
用いることができる。さらに、より高い屈折率を得るた
めに、ベンゼンジチオールやキシリレンジチオールなど
芳香環を含むポリチオールを適宜加えてもよい。その
際、モノマー全体でNCO/(SH+OH)モル比率
が、好ましくは0.5〜3.0、特に好ましくは0.5
〜1.5になるようにポリイソシアネートを増量する。 【0017】また、本発明においては、樹脂の耐光性改
良のため、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、蛍
光染料などの添加剤を必要に応じて適宜加えてもよい。 【0018】本発明のプラスチックレンズ用樹脂の製造
方法は、前記のポリイソシアネート、ポリチオールおよ
び必要に応じて前述のポリオールやポリチオールの架橋
剤等を混合し、この混合物を公知の注型重合法、すなわ
ち、離型処理をしたガラス製または金属性のモールド
と、樹脂性のガスケットとを組み合わせたモールド型の
中に注入し、加熱して硬化させる方法である。この際の
反応温度および反応時間は、使用するモノマーによって
も異なるが、一般には、−20℃〜150℃および0.
5〜72時間である。 【0019】 【実施例】以下に実施例を示して本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例で得られたレンズ用樹脂の屈
折率、アッベ数、玉摺り加工性、耐衝撃性および紫外線
曝露による黄変性試験の試験法は、下記の試験法によっ
た。 ・屈折率、アッベ数:プルリッヒ屈折計を用い、20℃
で測定した。 ・加工性:眼鏡レンズ加工用の玉摺り機で研削した。 【0020】研削面か良好なものを良(○)、やや良好
なものをやや良(△)とした。 ・耐衝撃性:中心厚が2mmの平板を用いて、FDA規
格に従って綱球落下試験を行い、割れないものを良
(○)とした。 ・耐紫外線性試験:サンシャインカーボンアークランプ
を装備したウエザオメーターにレンズをセットし、20
0時間経たところでレンズを取り出しウエザオメーター
で試験する前のレンズと色相を比較した。 評価基準は変化なし(○)、わずかに黄変(△)、黄変
(×)とした。 ・光学歪み:光学歪み計を用い、目視で光学歪みの無い
物を(○)、光学歪みのあるものを(×)とした。 【0021】実施例1 イソホロンジイソシアネート 111g(0.5モ
ル)、m−キシリレンジイソシアネート 94g(0.
5モル)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(2−メ
ルカプトアセテート) 121g(0.4モル)、ヒド
ロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカプトプルピ
オネート) 132g(0.4モル)およびペンタエリ
スリトールテトラキス(3−メルカプトプルピオネー
ト) 49g(0.1モル)を室温で混合し均一とした
後、シリコン系焼付タイプの離型剤で処理をした、ガラ
スモールドとテフロン製ガスケットよりなるモールド型
中に注入した。次いで50℃で3時間、60℃で1時
間、70℃で1時間、80℃で1時間、100℃で2時
間加熱を行い、硬化させた。こうして得られた樹脂は、
屈折率1.59であり、屈折率に比しアッベ数42と極
めて低分散であり、無色透明で、加工性、耐衝撃性、耐
紫外線性も良好であった。 【0022】実施例2〜3 実施例1と同様にして表−1の組成で重合を行い、得ら
れた樹脂の物性を表−2に示した。 【0023】 【比較例】比較例1 m−キシリレンジイソシアネート188gとペンタエリ
スリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネー
ト)244gを混合し、均一とした後、実施例1と同様
にして重合した。得られた樹脂の屈折率は1.59、ア
ッベ数36で無色透明であり、加工性、耐衝撃性、耐紫
外線性も良好であった。 【0024】比較例2〜6 比較例1と同様にして表−1の組成で重合を行い、得ら
れた樹脂の物性を表−2に示した。 【0025】 【表1】【表2】【0027】 【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明の
製造方法により得られるレンズ用樹脂は、無色透明で高
屈折率を有し、極めて分散が小さく、低比重である。さ
らに、玉摺りなどの加工性および耐衝撃性に優れてお
り、眼鏡レンズ、カメラレンズおよびその他光学素子用
のレンズ素材として好適な樹脂である。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.1分子中に2個以上のイソシアネート基を有し、か
つ、芳香環を有しない脂肪族ポリイソシアネートの少な
くとも1種と、1分子中に2個以上のチオール基、およ
びチオール基以外に1個以上のポリスルフィド結合およ
び/または2個以上のスルフィド結合を有し、かつ、芳
香環を有しないポリチオールの少なくとも1種とを反応
させることを特徴とする高屈折率プラスチックレンズ用
樹脂の製造方法。 2.1分子中に2個以上のイソシアネート基を有し、か
つ、芳香環を有しない脂肪族ポリイソシアネートの少な
くとも1種と、1分子中に2個以上のチオール基、およ
びチオール基以外に1個以上のポリスルフィド結合およ
び/または2個以上のスルフィド結合を有し、かつ、芳
香環を有しないポリチオールの少なくとも1種とを反応
させることを特徴とする屈折率1.59以上、アッベ数
40以上の高屈折率プラスチックレンズ用樹脂の製造方
法。
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JP35243796A JP3280592B2 (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | 高屈折率プラスチックレンズ用樹脂の製造方法 |
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JP35243796A JP3280592B2 (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | 高屈折率プラスチックレンズ用樹脂の製造方法 |
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ID=18424078
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-
1996
- 1996-12-13 JP JP35243796A patent/JP3280592B2/ja not_active Expired - Lifetime
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