JP2668364B2 - 高屈折率プラスチックレンズ - Google Patents
高屈折率プラスチックレンズInfo
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- JP2668364B2 JP2668364B2 JP62233750A JP23375087A JP2668364B2 JP 2668364 B2 JP2668364 B2 JP 2668364B2 JP 62233750 A JP62233750 A JP 62233750A JP 23375087 A JP23375087 A JP 23375087A JP 2668364 B2 JP2668364 B2 JP 2668364B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、高屈折率で極めて低分散であり、かつ、軽
量で耐衝撃性に優れたプラスチックレンズに関するもの
である。 〔従来の技術〕 プラスチックレンズは、無機レンズに比べ軽量で割れ
にくく、染色が容易なため、近年、眼鏡レンズ、カメラ
レンズや光学素子に普及しはじめている。 これらの目的に現在広く用いられている樹脂として
は、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)
(以下、CR−39と称す)をラジカル重合させたものがあ
る。この樹脂は、耐衝撃性に優れていること、軽量であ
ること、染色性に優れていること、切削性、および研磨
性等の加工性が良好であることなどの種々の特徴を有し
ている。 しかしながら、屈折率が無機レンズ(ND=1.52)に比
べND=1.50と小さく、ガラスレンズと同等の光学特性を
得るためには、レンズ中心厚、コバ厚、および曲率を大
きくする必要があり、全体的に肉厚になることが避けら
れない。このためより屈折率の高いレンズ用樹脂が望ま
れている。さらに、高屈折率を与えるレンズ用樹脂の1
つとして、イソシアネート化合物とジエチレングリコー
ルなどのヒドロキシ化合物との反応(特開昭57−13660
1、同57−136602)、もしくはテトラブロモビスフェノ
ールAなどのハロゲン原子を含有するヒドロキシ化合物
との反応(特開昭58−164615)や硫黄を含有するヒドロ
キシ化合物との反応(特開昭60−194401、同60−21722
9)より得られるウレタン樹脂や、イソシアネート化合
物と脂肪族ポリチオールとの反応(特開昭60−199016)
より得られるチオカルバミン酸S−アルキルエステル系
レンズ用樹脂が提案されている。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、前述のポリイソシアネート化合物とヒ
ドロキシ化合物との反応、ポリイソシアネート化合物と
脂肪族ポリチオールとの反応より得られる樹脂は、屈折
率が充分高くなく、さらに高い屈折率を得るために芳香
環や、ハロゲン原子を含むヒドロキシ化合物を使用した
場合、分散が大きくなったり、比重が大きくなり、実用
的な樹脂およびレンズを得難いという問題があった。 〔課題を解決するための手段〕 このような問題に鑑み、本発明者らは種々のポリチオ
ールを研究した結果、本発明の1分子中に2個以上のチ
オール基、およびチオール基以外に1個以上のポリスル
フィド結合及び/又は2個以上のスルフィド結合を有
し、かつ、芳香環を有しないポリチオールの少なくとも
1種と、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有
し、かつ、芳香環を有しない脂肪族ポリイソシアネート
の少なくとも1種とを反応させて得られるレンズが、極
めて低分散であり、かつ、高い屈折率、軽量性、透明
性、耐衝撃性、耐候性および加工性に優れていることを
見出し、本発明に至った。 本発明によって1分子中に2個以上のイソシアネート
基を有し、かつ、芳香環を有しない脂肪族ポリイソシア
ネートの少なくとも1種と、1分子中に2個以上のチオ
ール基、およびチオール基以外に1個以上のポリスルフ
ィド結合及び/又は2個以上のスルフィド結合を有し、
かつ、芳香環を有しないポリチオールの少なくとを1種
とを反応させて得られる高屈折率プラスチックレンズが
提供される。 本発明における1分子中に2個以上のチオール基、お
よびチオール基以外に1個以上のポリスルフィド結合及
び/又は2個以上のスルフィド結合を有し、かつ、芳香
環を有しないポリチオールは、例えば、下記の一般式
(I)〜(IV)により表されるものである。なお、一般
式(I)、(II)および(IV)のポリチオールの分子量
は好ましくは1,000以下である。 HS(CH2)m1Sp1(CH2)m2Sp2・・・・・・ (CH2)m1-1Sp1-1(CH2)m1SH (I) (式中、iが2の時は、m1、m2は1〜10の整数、p1は2
〜5の整数を表し、iが3〜20の整数の時は、m1〜miは
1〜10の整数、p1〜pi−1は1〜5の整数を表す) (式中、Xは酸素又は硫黄原子を表し、iが2の時は、
m1、m2は1〜10の整数、p1は2〜5の整数を表し、iが
3〜20の整数の時は、m1〜miは1〜10の整数、p1〜pi−
1は1〜5の整数、n1、n2は1〜5の整数を表す) (式中、m、nは1〜5の整数、pは2〜5の整数を表
す) (RmCCH2S(CH2)m1Sp1(CH2)m2Sp2・・・・ (CH2)m1-1Sp1-1(CH2)m1SH〕n (IV) (式中、Rはメチル、エチル、クロロメチル、ブロモメ
チル基を表し、m1〜miは1〜10の整数、iは1〜20の整
数、p1〜pi−1は1〜5の整数、mは0〜2の整数、n
は4−m を表す)。 具体的には、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、
ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−
メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカ
プトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプト
エチルチオ)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチ
オ)プロパン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチ
オ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチ
オ)プロパン、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィ
ド、ビス(2−メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス
(3−メルカプトプロピル)ジスルフィドなど、および
これらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン
酸のエステル;ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2
−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフ
ィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキ
シエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテー
ト)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカ
プトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィ
ドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロ
ピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネー
ト)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチ
ルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカ
プトエチルエステル)、4,4′−ジチオジブチル酸ビス
(2−メルカプトエチルエステル)、テトラキス(メル
カプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メ
ルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−
メルカプトプロピルチオメチル)メタン等があげられ
る。 その他の化合物としては、ジチオジグリコール酸ビス
(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオプロ
ピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステ
ル)、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパ
ン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロ
パン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)
プロパン、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、1,4−
ジチアン−2,5−ジオールビス(2−メルカプトアセテ
ート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(3−メル
カプトプロピオート)などの脂肪族系ポリチオールがあ
げられる。 本発明において用いられる1分子中に2個以上のイソ
シアネート基を有し、かつ、芳香環を有しない脂肪族ポ
リイソシアネートは、例えば、 エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネ
ート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネー
ト、ノナメチレンジイソシアネート、2,2′−ジメチル
ペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサ
ンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、
ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイ
ソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート、1,6,11−ウンデカメチレントリイソシア
ネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、
1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオ
クタン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−
5−イソシアネートメチルオクタン、ビス(イソシアネ
ートエチル)カーボネート、ビス(イソシアネートエチ
ル)エーテル、1,4−ブチレングリコールジプロピルエ
ーテル−ω,ω′−ジイソシアネート、リジンイソシア
ネートメチルエステル、リジントリイソシアネート、2
−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキ
サノエート、2−イソシアネートプロピル−2,6−ジン
イソシアネートヘキサノエート、イソホロンジイソシア
ネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサ
ン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロ
ヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイ
ソシアネート、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネー
ト、2,2′−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、ビス(4−イソシアネート−n−ブチリデ
ン)ペンタエリスリトール、ダイマ酸ジイソシアネー
ト、2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネ
ートプロピル)−5−イソシアネートメチル−ビシクロ
−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−
3−(3−イソシアネートプロピル)−6−イソシアネ
ートメチル−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イ
ソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピ
ル)−5−イソシアネートメチル−ビシクロ−〔2,2,
1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2−(3
−イソシアネートプロピル)−6−イソシアネートメチ
ル−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアネ
ートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−5
−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−〔2,2,
1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−3−(3
−イソシアネートプロピル)−6−(2−イソシアネー
トエチル)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イ
ソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピ
ル)−5−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−
〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2
−(3−イソシアネートプロピル)−6−(2−イソシ
アネートエチル)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン等
の脂肪族、脂環族イソシアネートがあげられる。 さらには、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロ
ゲン置換体を用いてもよい。これらのポリチオール、ポ
リイソシアネートはそれぞれ二種以上を混合しても、又
は単独で用いてもよい。前記ポリイソシアネートと前記
ポリチオールの使用割合は、−NCO/−SH基のモル比率で
0.5〜3.0が好ましく、特に0.5〜1.5が好ましい。 本発明において、樹脂の架橋度を上げるためにペンタ
エリスリトール、トリメチロールプロパン等のポリオー
ルおよびそれらのチオグリコール酸、メルカプトプロピ
オン酸エステル、トリス(3−メルカプトプロピル)イ
ソシアヌレート、プロガロールまたはトリス(2−メル
カプトエチル)シクロヘキサン等の化合物を用いること
ができる。さらに、より高い屈折率を得るために、ベン
ゼンジチオールやキシリレンジチオールなど芳香環を含
むポリチオールを光学物性を損なわない範囲で適宜加え
てもよい。その際、モノマー全体でNCO/(SH+OH)モル
比率が、好ましくは0.5〜3.0、特に好ましくは0.5〜1.5
になるようにポリイソシアネートを増量する。 また、本発明においては、レンズの耐光性改良のた
め、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、蛍光染料
などの添加剤を必要に応じて適宜加えてもよい。 本発明のレンズの作製は、前記のポリイソシアネー
ト、ポリチオールおよび必要に応じて前述のポリオール
やポリチオールの架橋剤を混合し、公知の注型重合法、
すなわち、離型処理をしたガラス製または金属性のモー
ルドと、樹脂性のガスケットとを組み合わせたモールド
型の中に注入し、加熱して硬化させる。 反応温度および反応時間は、使用するモノマーによっ
ても異なるが、一般には−20℃〜150℃および0.5〜72時
間である。 〔発明の効果〕 本発明のレンズは、無色透明で高屈折率を有し、極め
て分散が小さく、低比重である。さらに、玉摺りなどの
加工性および耐衝撃性に優れており、眼鏡レンズ、カメ
ラレンズおよびその他光学素子に用いるのに好適であ
る。 〔実施例〕 以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、実施例で得られたレンズの屈折率、アッベ
数、玉摺り加工性、耐衝撃性および紫外線曝露による黄
変性試験の試験法は、下記の試験法によった。 ・屈折率、アッベ数:プルリッヒ屈折計を用い、20℃で
測定した。 ・加工性:眼鏡レンズ加工用の玉摺り機で研削し、 研削面が良好なものを良(○)、 やや良好なものをやや良(△)とした。 ・耐衝撃性:中心厚が2mmの平板を用いて、FDA規格に従
って綱球落下試験を行い、割れないものを良(○)とし
た。 ・耐紫外線試験:サンシャインカーボンアークランプを
装備したウエザオメーターにレンズをセットし、200時
間経たところでレンズを取り出しウエザオメーターで試
験する前のレンズと色相を比較した。評価基準は変化な
し(○)、わずかに黄変(△)、黄変(×)とした。 ・光学歪み:光学歪み計を用い、目視で光学歪みの無い
物を(○)、光学歪みのあるものを(×)とした。 実施例1 イソホロンジジイソシアネート222.3g、テトラキス
(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン220.4gを室
温で混合し均一とした後、シリコン系焼付タイプの離型
剤で処理をした、ガラスモールドとテフロン製ガスケッ
トよりなるレンズモールド型中に注入した。次いで50℃
で3時間、60℃で1時間、70℃で1時間、80℃で1時
間、100℃で2時間加熱を行い、硬化させた。こうして
得られたレンズは、屈折率1.60であり、屈折率に比しア
ッベ数40と極めて低分散であり、無色透明で、加工性、
耐衝撃性、耐紫外線性も良好であった。 実施例2−6 実施例1と同様にして表1の組成で重合を行い、得ら
れたレンズの物性を表1に示した。 比較例1 m−キシリレンジイソシアネート188gとペンタエリス
リトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
244gを混合し、均一とした後、実施例1と同様にして重
合した。得られたレンズの屈折率は1.59、アッベ数36で
無色透明であり、加工性、耐衝撃性、耐紫外線性も良好
であった。 比較例2−6 比較例1と同様にして表1の組成で重合を行い、得ら
れたレンズの物性を表1に示した。
量で耐衝撃性に優れたプラスチックレンズに関するもの
である。 〔従来の技術〕 プラスチックレンズは、無機レンズに比べ軽量で割れ
にくく、染色が容易なため、近年、眼鏡レンズ、カメラ
レンズや光学素子に普及しはじめている。 これらの目的に現在広く用いられている樹脂として
は、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)
(以下、CR−39と称す)をラジカル重合させたものがあ
る。この樹脂は、耐衝撃性に優れていること、軽量であ
ること、染色性に優れていること、切削性、および研磨
性等の加工性が良好であることなどの種々の特徴を有し
ている。 しかしながら、屈折率が無機レンズ(ND=1.52)に比
べND=1.50と小さく、ガラスレンズと同等の光学特性を
得るためには、レンズ中心厚、コバ厚、および曲率を大
きくする必要があり、全体的に肉厚になることが避けら
れない。このためより屈折率の高いレンズ用樹脂が望ま
れている。さらに、高屈折率を与えるレンズ用樹脂の1
つとして、イソシアネート化合物とジエチレングリコー
ルなどのヒドロキシ化合物との反応(特開昭57−13660
1、同57−136602)、もしくはテトラブロモビスフェノ
ールAなどのハロゲン原子を含有するヒドロキシ化合物
との反応(特開昭58−164615)や硫黄を含有するヒドロ
キシ化合物との反応(特開昭60−194401、同60−21722
9)より得られるウレタン樹脂や、イソシアネート化合
物と脂肪族ポリチオールとの反応(特開昭60−199016)
より得られるチオカルバミン酸S−アルキルエステル系
レンズ用樹脂が提案されている。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、前述のポリイソシアネート化合物とヒ
ドロキシ化合物との反応、ポリイソシアネート化合物と
脂肪族ポリチオールとの反応より得られる樹脂は、屈折
率が充分高くなく、さらに高い屈折率を得るために芳香
環や、ハロゲン原子を含むヒドロキシ化合物を使用した
場合、分散が大きくなったり、比重が大きくなり、実用
的な樹脂およびレンズを得難いという問題があった。 〔課題を解決するための手段〕 このような問題に鑑み、本発明者らは種々のポリチオ
ールを研究した結果、本発明の1分子中に2個以上のチ
オール基、およびチオール基以外に1個以上のポリスル
フィド結合及び/又は2個以上のスルフィド結合を有
し、かつ、芳香環を有しないポリチオールの少なくとも
1種と、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有
し、かつ、芳香環を有しない脂肪族ポリイソシアネート
の少なくとも1種とを反応させて得られるレンズが、極
めて低分散であり、かつ、高い屈折率、軽量性、透明
性、耐衝撃性、耐候性および加工性に優れていることを
見出し、本発明に至った。 本発明によって1分子中に2個以上のイソシアネート
基を有し、かつ、芳香環を有しない脂肪族ポリイソシア
ネートの少なくとも1種と、1分子中に2個以上のチオ
ール基、およびチオール基以外に1個以上のポリスルフ
ィド結合及び/又は2個以上のスルフィド結合を有し、
かつ、芳香環を有しないポリチオールの少なくとを1種
とを反応させて得られる高屈折率プラスチックレンズが
提供される。 本発明における1分子中に2個以上のチオール基、お
よびチオール基以外に1個以上のポリスルフィド結合及
び/又は2個以上のスルフィド結合を有し、かつ、芳香
環を有しないポリチオールは、例えば、下記の一般式
(I)〜(IV)により表されるものである。なお、一般
式(I)、(II)および(IV)のポリチオールの分子量
は好ましくは1,000以下である。 HS(CH2)m1Sp1(CH2)m2Sp2・・・・・・ (CH2)m1-1Sp1-1(CH2)m1SH (I) (式中、iが2の時は、m1、m2は1〜10の整数、p1は2
〜5の整数を表し、iが3〜20の整数の時は、m1〜miは
1〜10の整数、p1〜pi−1は1〜5の整数を表す) (式中、Xは酸素又は硫黄原子を表し、iが2の時は、
m1、m2は1〜10の整数、p1は2〜5の整数を表し、iが
3〜20の整数の時は、m1〜miは1〜10の整数、p1〜pi−
1は1〜5の整数、n1、n2は1〜5の整数を表す) (式中、m、nは1〜5の整数、pは2〜5の整数を表
す) (RmCCH2S(CH2)m1Sp1(CH2)m2Sp2・・・・ (CH2)m1-1Sp1-1(CH2)m1SH〕n (IV) (式中、Rはメチル、エチル、クロロメチル、ブロモメ
チル基を表し、m1〜miは1〜10の整数、iは1〜20の整
数、p1〜pi−1は1〜5の整数、mは0〜2の整数、n
は4−m を表す)。 具体的には、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、
ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(3−
メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカ
プトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(2−メルカプト
エチルチオ)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチ
オ)プロパン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチ
オ)プロパン、1,3−ビス(3−メルカプトプロピルチ
オ)プロパン、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィ
ド、ビス(2−メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス
(3−メルカプトプロピル)ジスルフィドなど、および
これらのチオグリコール酸およびメルカプトプロピオン
酸のエステル;ヒドロキシメチルジスルフィドビス(2
−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフ
ィドビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキ
シエチルジスルフィドビス(2−メルカプトアセテー
ト)、ヒドロキシエチルジスルフィドビス(3−メルカ
プトプロピオネート)、ヒドロキシプロピルジスルフィ
ドビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシプロ
ピルジスルフィドビス(3−メルカプトプロピオネー
ト)、ジチオジグリコール酸ビス(2−メルカプトエチ
ルエステル)、ジチオジプロピオン酸ビス(2−メルカ
プトエチルエステル)、4,4′−ジチオジブチル酸ビス
(2−メルカプトエチルエステル)、テトラキス(メル
カプトメチルチオメチル)メタン、テトラキス(2−メ
ルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(3−
メルカプトプロピルチオメチル)メタン等があげられ
る。 その他の化合物としては、ジチオジグリコール酸ビス
(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオプロ
ピオン酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステ
ル)、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパ
ン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロ
パン、1,2,3−トリス(3−メルカプトプロピルチオ)
プロパン、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、1,4−
ジチアン−2,5−ジオールビス(2−メルカプトアセテ
ート)、1,4−ジチアン−2,5−ジオールビス(3−メル
カプトプロピオート)などの脂肪族系ポリチオールがあ
げられる。 本発明において用いられる1分子中に2個以上のイソ
シアネート基を有し、かつ、芳香環を有しない脂肪族ポ
リイソシアネートは、例えば、 エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネ
ート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネー
ト、ノナメチレンジイソシアネート、2,2′−ジメチル
ペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサ
ンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、
ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイ
ソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイ
ソシアネート、1,6,11−ウンデカメチレントリイソシア
ネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、
1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオ
クタン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−
5−イソシアネートメチルオクタン、ビス(イソシアネ
ートエチル)カーボネート、ビス(イソシアネートエチ
ル)エーテル、1,4−ブチレングリコールジプロピルエ
ーテル−ω,ω′−ジイソシアネート、リジンイソシア
ネートメチルエステル、リジントリイソシアネート、2
−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキ
サノエート、2−イソシアネートプロピル−2,6−ジン
イソシアネートヘキサノエート、イソホロンジイソシア
ネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサ
ン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロ
ヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイ
ソシアネート、ジシクロヘキシルメチルジイソシアネー
ト、2,2′−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、ビス(4−イソシアネート−n−ブチリデ
ン)ペンタエリスリトール、ダイマ酸ジイソシアネー
ト、2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネ
ートプロピル)−5−イソシアネートメチル−ビシクロ
−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−
3−(3−イソシアネートプロピル)−6−イソシアネ
ートメチル−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イ
ソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピ
ル)−5−イソシアネートメチル−ビシクロ−〔2,2,
1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2−(3
−イソシアネートプロピル)−6−イソシアネートメチ
ル−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアネ
ートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−5
−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−〔2,2,
1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−3−(3
−イソシアネートプロピル)−6−(2−イソシアネー
トエチル)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イ
ソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピ
ル)−5−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−
〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2
−(3−イソシアネートプロピル)−6−(2−イソシ
アネートエチル)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン等
の脂肪族、脂環族イソシアネートがあげられる。 さらには、これらの塩素置換体、臭素置換体等のハロ
ゲン置換体を用いてもよい。これらのポリチオール、ポ
リイソシアネートはそれぞれ二種以上を混合しても、又
は単独で用いてもよい。前記ポリイソシアネートと前記
ポリチオールの使用割合は、−NCO/−SH基のモル比率で
0.5〜3.0が好ましく、特に0.5〜1.5が好ましい。 本発明において、樹脂の架橋度を上げるためにペンタ
エリスリトール、トリメチロールプロパン等のポリオー
ルおよびそれらのチオグリコール酸、メルカプトプロピ
オン酸エステル、トリス(3−メルカプトプロピル)イ
ソシアヌレート、プロガロールまたはトリス(2−メル
カプトエチル)シクロヘキサン等の化合物を用いること
ができる。さらに、より高い屈折率を得るために、ベン
ゼンジチオールやキシリレンジチオールなど芳香環を含
むポリチオールを光学物性を損なわない範囲で適宜加え
てもよい。その際、モノマー全体でNCO/(SH+OH)モル
比率が、好ましくは0.5〜3.0、特に好ましくは0.5〜1.5
になるようにポリイソシアネートを増量する。 また、本発明においては、レンズの耐光性改良のた
め、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色防止剤、蛍光染料
などの添加剤を必要に応じて適宜加えてもよい。 本発明のレンズの作製は、前記のポリイソシアネー
ト、ポリチオールおよび必要に応じて前述のポリオール
やポリチオールの架橋剤を混合し、公知の注型重合法、
すなわち、離型処理をしたガラス製または金属性のモー
ルドと、樹脂性のガスケットとを組み合わせたモールド
型の中に注入し、加熱して硬化させる。 反応温度および反応時間は、使用するモノマーによっ
ても異なるが、一般には−20℃〜150℃および0.5〜72時
間である。 〔発明の効果〕 本発明のレンズは、無色透明で高屈折率を有し、極め
て分散が小さく、低比重である。さらに、玉摺りなどの
加工性および耐衝撃性に優れており、眼鏡レンズ、カメ
ラレンズおよびその他光学素子に用いるのに好適であ
る。 〔実施例〕 以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、実施例で得られたレンズの屈折率、アッベ
数、玉摺り加工性、耐衝撃性および紫外線曝露による黄
変性試験の試験法は、下記の試験法によった。 ・屈折率、アッベ数:プルリッヒ屈折計を用い、20℃で
測定した。 ・加工性:眼鏡レンズ加工用の玉摺り機で研削し、 研削面が良好なものを良(○)、 やや良好なものをやや良(△)とした。 ・耐衝撃性:中心厚が2mmの平板を用いて、FDA規格に従
って綱球落下試験を行い、割れないものを良(○)とし
た。 ・耐紫外線試験:サンシャインカーボンアークランプを
装備したウエザオメーターにレンズをセットし、200時
間経たところでレンズを取り出しウエザオメーターで試
験する前のレンズと色相を比較した。評価基準は変化な
し(○)、わずかに黄変(△)、黄変(×)とした。 ・光学歪み:光学歪み計を用い、目視で光学歪みの無い
物を(○)、光学歪みのあるものを(×)とした。 実施例1 イソホロンジジイソシアネート222.3g、テトラキス
(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン220.4gを室
温で混合し均一とした後、シリコン系焼付タイプの離型
剤で処理をした、ガラスモールドとテフロン製ガスケッ
トよりなるレンズモールド型中に注入した。次いで50℃
で3時間、60℃で1時間、70℃で1時間、80℃で1時
間、100℃で2時間加熱を行い、硬化させた。こうして
得られたレンズは、屈折率1.60であり、屈折率に比しア
ッベ数40と極めて低分散であり、無色透明で、加工性、
耐衝撃性、耐紫外線性も良好であった。 実施例2−6 実施例1と同様にして表1の組成で重合を行い、得ら
れたレンズの物性を表1に示した。 比較例1 m−キシリレンジイソシアネート188gとペンタエリス
リトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
244gを混合し、均一とした後、実施例1と同様にして重
合した。得られたレンズの屈折率は1.59、アッベ数36で
無色透明であり、加工性、耐衝撃性、耐紫外線性も良好
であった。 比較例2−6 比較例1と同様にして表1の組成で重合を行い、得ら
れたレンズの物性を表1に示した。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭60−199016(JP,A)
特開 昭63−46213(JP,A)
特開 昭63−130614(JP,A)
特開 昭64−26622(JP,A)
特開 昭64−54021(JP,A)
特開 昭60−194401(JP,A)
特開 昭63−265201(JP,A)
特開 昭62−267316(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.1分子中に2個以上のイソシアネート基を有し、か
つ、芳香環を有しない脂肪族ポリイソシアネートの少な
くとも1種と、1分子中に2個以上のチオール基、およ
びチオール基以外に1個以上のポリスルフィド結合及び
/又は2個以上のスルフィド結合を有し、かつ、芳香環
を有しないポリチオールの少なくとも1種とを反応させ
て得られる高屈折率プラスチックレンズ。 2.1分子中に2個以上のイソシアネート基を有し、か
つ、芳香環を有しない脂肪族ポリイソシアネートの少な
くとも1種と、1分子中に2個以上のチオール基、およ
びチオール基以外に1個以上のポリスルフィド結合及び
/又は2個以上のスルフィド結合を有し、かつ、芳香環
を有しないポリチオールの少なくとも1種とを反応させ
て得られる屈折率1.59以上、アッベ数40以上の高屈折率
プラスチックレンズ。 3.1分子中に2個以上のイソシアネート基を有し、か
つ、芳香環を有しない脂肪族ポリイソシアネートの少な
くとも1種と、1分子中に2個以上のチオール基、およ
びチオール基以外に1個以上のポリスルフィド結合及び
/又は2個以上のスルフィド結合を有し、かつ、芳香環
を有しないポリチオールの少なくとも1種とを反応させ
ることを特徴とする高屈折率プラスチックレンズの製造
方法。
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JP62233750A JP2668364B2 (ja) | 1987-09-19 | 1987-09-19 | 高屈折率プラスチックレンズ |
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- 1987-09-19 JP JP62233750A patent/JP2668364B2/ja not_active Expired - Lifetime
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