JP2851104B2 - サイクロデキストリン包接化合物を用いた食品の保存方法 - Google Patents

サイクロデキストリン包接化合物を用いた食品の保存方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、流通、保存時の生鮮食品、加工食品の防
黴、制菌を目的としたサイクロデキストリン包接化合物
を用いた食品の保存方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、食品の保存方法として、例えば特開昭58−6334
8号公報に記載される如く、イソチオシアネート類を含
む植物抽出精油類を吸着させたゼオライトを青果物と共
に包装容器内に同封するか、上記ゼオライトを含むフイ
ルム等により青果物を包装する保存方法がある。又、特
開昭58−101670号公報に記載される如く、植物抽出精油
類等の揮散性物質を透過性の制御されたフイルムからな
る袋、容器に包装した包装体を食品と共に包装する保存
方法がある。さらに、特開昭61−108359号公報に記載さ
れる如く、ヒノキチオールの包接化合物を含有する包装
材料により食品を包装する保存方法がある。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、特開昭58−63348号公報に記載される
保存方法の場合は、ゼオライトを担体とするために湿度
の影響を受け、抗菌作用する揮発ガスを食品に適した一
定の揮発濃度にすることが困難な欠点がある。例えば、
この場合、包装内の湿度が90%以上になると水との置換
反応で吸着していた植物性精油類を放出するが、黴、細
菌等の微生物の至適繁殖湿度は65%以上と低温度からで
あるために、湿度の低い包装系内での効果が期待できな
い欠点がある。又、特開昭58−101670号公報に記載され
る保存方法の場合は、透過性の制御されたフイルムによ
って揮散性物質を包装しなければならず簡便性に欠ける
と共に、揮発ガスの揮発濃度等の制御が必ずしも十分と
はいえない欠点がある。さらに、特開昭61−108359号公
報に記載される保存方法の場合は、抗菌効果がある反
面、食品に薬害等の悪影響を及ぼすこともあり必ずしも
実用に適さない欠点がある。
本発明は、かかる現状に鑑み、食品全搬に亘って悪影
響を及ぼさず、優れた食品安全性を有し、揮発ガスの揮
発濃度を長期間一定にして防黴、制菌を目的とした食品
の保存方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は天然植物からの抽出物であるイソチオシアン
酸エステル類又はこの配合物が食品の防黴、制菌に特に
効果があることを発見し、しかもこれらが天然植物から
のものであることにより食品安全性を有することに着目
してなされたものである。又、一方では上記イソチオシ
アン酸エステル類又はこの配合物の効果を安定してより
有効に発揮させるために、食品安全性を有するサイクロ
デキストリンに着目してなされたものである。
すなわち、本発明は、食品の保存時に、イソチオシア
ン酸エステル類又はこの配合物の、サイクロデキストリ
ン包接化合物を存在させることにより食品に発生する
黴、細菌の増殖を抑制するサイクロデキストリン包接化
合物を用いた食品の保存方法である。又、上記サイクロ
デキストリン包接化合物に芳香を有する物質が含有され
る場合も含む食品の保存方法である。又、上記サイクロ
デキストリン包接化合物が食品包装材料に塗布又は混入
されることにより食品の保存を行う方法である。
イソチオシアン酸エステル類又はこの配合物は食品安
全性に加え、揮散せしめて食品の包装内雰囲気にてその
効果が十分発揮されることから食品保存前として使用す
るものである。イソチオシアン酸エステル類としては、
イソチオシアン酸メチル、イソチオシアン酸エチル、イ
ソチオシアン酸n−プロピル、イソチオシアン酸イソプ
ロピル、イソチオシアン酸n−ブチル、イソチオシアン
酸イソブチル、イソチオシアン酸イソアミル、イソチオ
シアン酸アリル、イソチオシアン酸フェニル、イソチオ
シアン酸ベンジルが好適に使用される。
本発明では、上記イソチオシアン酸エステル類又はこ
の配合物をサイクロデキストリンに包接させてサイクロ
デキストリン包接化合物として使用するものである。担
体としてサイクロデキストリンが好適な理由は、上記被
包接物を化学的に安定させ、揮発の徐放化、、無臭化、
酸化防止、光分解の防止を計ることにより被包接物の延
命効果を引出すことができるためである。又、他の理由
は、サイクロデキストリンの種類によって被包接物の揮
発速度、揮発期間を制御でき、一定の揮発濃度を長期に
亘り得ることができ、揮発濃度の制御ができるためであ
る。さらに他の理由は、食品の包装内雰囲気湿度に影響
されることなく安定した揮発濃度を得ることができるた
めである。その他の理由としては、消臭効果により食品
より発生する異臭を除去でき、食品安全性を有し、工業
的に均質であり、廃棄時に焼却処理が可能であり、比重
が小さいといった理由がある。又、サイクロデキストリ
ンとして、α−サイクロデキストリン、β−サイクロデ
キストリン、γ−サイクロデキストリンのいずれが使用
されてもよいが、とくにβ−サイクロデキストリンが好
適に使用される。
上記サイクロデキストリン包接化合物には芳香を有す
る物質が含有されていてもよい。イソチオシアン酸エス
テル類には総じて匂いがあり、食品とこれらの匂いの相
性が合わない場合に芳香を有する物質により上記匂いを
変えたり、消したりするものである。又、上記芳香を有
する物質としては、一般に食品に添加される着香料が使
用されればよく、例えばケイ皮酸、バニリン、酢酸ゲラ
ニル、ペッパーオイル、酢酸エチル等が使用されればよ
い。
又、サイクロデキストリン包接化合物を用いて食品を
保存する方法としては、一般に食品包装材料にサイクロ
デキストリン包接化合物を塗布又は混入し、食品包装内
に被包接物を徐々に揮散させる方法が採用される。上記
食品包装材料としては、合成樹脂フイルム、トレイ、シ
ート、容器、テープ、装飾材等が使用されればよい。な
お、必ずしも上記方法に限定させるものではなく、包装
内に食品と共にサイクロデキストリン包接化合物を存在
させる方法であればよい。
(実施例) 以下、実施例により本発明の効果を示す。
実施例1 イソチオシアン酸アリル20部を包接したサイクロデキ
ストリン3gをウレタン系樹脂バインダーを用いて天然パ
ルプシート表面に塗布して下敷シート(6cm×16cm)を
作成した。この下敷シートをマグロの切り身の下に敷き
トレイに入れ市販のラップにより密封包装し、冷蔵庫に
48時間保存した。このとき、保存開始時と保存48時間後
のマグロ表面の低温菌数の測定と商品価値の評価を行
い、その結果を第1表に示した。
比較例として、ヒノキチオールのサイクロデキストリ
ン包接化合物を天然パルプシート表面に塗布した下敷き
シートを使用した場合(比較例1)、未処理の天然パル
プシートを下敷きシートとして使用した場合(比較例
2)について上記と同様方法により試験し、その結果を
第1表に合わせて示した。
実施例1では菌の繁殖が抑制されており、マグロ表面
に張りが見られ食味も良好で商品価値が十分認められ
た。比較例1では菌の繁殖が抑制されているものの、マ
グロ表面が白濁しドリップが大量に流出し商品価値が認
められなかった。比較例2では菌が繁殖し、マグロ表面
に粘りが観察され異臭が発生し商品価値が認められなか
った。
実施例2 イソチオシアン酸アリル20部を包接したサイクロデキ
ストリン5部を含有する50μm厚のポリエチレンフイル
ムで袋(30cm×60cm)を作成した。これに生切餅100g、
カステラ100gをそれぞれ封入し、ヒートシールにより密
封して、室温(18℃)で30日間保存した。このとき保存
開始して20日後、30日後にそれぞれ黴の発生状況を観察
し、その結果を表2に示した。
比較例として、ヒノキチオールのサイクロデキストリ
ン包接化合物を含有した50μm厚のポリエチレンフイル
ムによる袋を使用した場合(比較例3)、未処理の50μ
m厚のポリエチレンフイルムによる袋を使用した場合
(比較例4)について上記と同様方法により黴の発生状
況を観察し、その結果を第2表に合わせて示した。
実施例3 イソチオシアン酸フェニル20部を包接したサイクロデ
キストリンを天然パルプシート(20cm×30cm)中に5g散
在させたシートを作成した。このシートを、箱詰めした
Geotrichum candidum接種レモン果実10kgの上部に載置
し、10℃で20日間保存した。保存開始20日後の歯の発芽
率、発芽径、果実の表皮障害について調べ、その結果を
第3表に示した。
比較例として、上記シートとして従来使用されている
ジフェニル含浸紙を使用した場合(比較例5)、ヒノキ
チオールのサイクロデキストリン包接化合物を天然パル
プシートに散在させたシートを使用した場合(比較例
6)、未処理の天然パルプシートを使用した場合(比較
例7)について上記と同様にして試験し、その結果を第
3表に合わせて示した。
実施例3では菌(レモン水腐れ病)の発芽率、発芽径
を抑制でき、箱内下部の果実が潰れることなく良好な保
存状態が認められた。比較例5では菌の発芽率、発芽径
も実施例3より大きく、箱内下部の果実が潰れていた。
比較例6では菌の発芽率、発芽径を抑制できる反面、果
実の表皮傷部分に褐変が発生する表皮障害が認められ
た。比較例7では菌が発芽し発芽径が大きくなったた
め、箱内下部の果実が潰れていた。
実施例4 アネトールとオイゲノールの混合物を20部包接したサ
イクロデキストリン0.1gを、不織布と微孔性ポリエチレ
ンフイルムの積層品からなる袋に充填したパックを作成
した。このパックを市販のシメジ100g詰めトレイパック
包装内の底部に設け、8℃で48時間保存した。保存開始
48時間後にシメジの気中菌糸の発生状況、商品価値を調
べ、その結果を第4表に示した。
比較例として、ヒノキチオールのサイクロデキストリ
ン包接化合物0.1gを上記袋に充填したパックを使用した
場合(比較例8)、乾燥剤(生石灰)を上記袋に充填し
たパックを使用した場合(比較例9)、市販のトレイパ
ック包装のままの場合(比較例10)について上記と同様
にして気中菌糸の発生状況、商品価値を調べ、その結果
を第4表に合わせて示した。
(発明の効果) 以上詳述した如く、本発明サイクロデキトリン包接化
合物を用いた食品の保存方法は、包装材料により包装さ
れた食品の保存時に、該包装材料内にイソチアン酸エス
テル類又はこの配合物の、サイクロデキストリン包接化
合物を存在させるので、流通、保存時の食品の黴や細菌
の発生を抑制し、食品の腐敗を抑制でき、悪臭や変色の
発生防止ができ、食品の商品価値を低下させることがな
い。しかも、サイクロデキストリンの被包接物の揮発ガ
スの濃度を制御して長期に亘り安定して抗菌効果を発揮
させることができ、食品安全性の面でも問題が生じな
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23B 7/154 A23L 3/349

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】包装材料により包装された食品の保存時
    に、該包装材料内にイソチアン酸エステル類又はこの配
    合物の、サイクロデキストリン包接化合物を存在させる
    ことを特徴とするサイクロデキストリン包接化合物を用
    いた食品の保存方法。
  2. 【請求項2】サイクロデキストリン包接化合物に芳香を
    有する物質が含有されている請求項1記載のサイクロデ
    キストリン包接化合物を用いた食品の保存方法。
  3. 【請求項3】サイクロデキストリン包接化合物が食品包
    装材料に塗布又は混入されている請求項1又は2記載の
    サイクロデキストリン包接化合物を用いた食品の保存方
    法。
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