JPH0697942B2 - So2処理による果実・野菜の長期保存方法 - Google Patents

So2処理による果実・野菜の長期保存方法

Info

Publication number
JPH0697942B2
JPH0697942B2 JP7253886A JP7253886A JPH0697942B2 JP H0697942 B2 JPH0697942 B2 JP H0697942B2 JP 7253886 A JP7253886 A JP 7253886A JP 7253886 A JP7253886 A JP 7253886A JP H0697942 B2 JPH0697942 B2 JP H0697942B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vegetables
fruits
long
mold
box
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7253886A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62232332A (ja
Inventor
義則 富永
甲一 馬場
Original Assignee
安生 三雄
今村 勝一
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 安生 三雄, 今村 勝一 filed Critical 安生 三雄
Priority to JP7253886A priority Critical patent/JPH0697942B2/ja
Publication of JPS62232332A publication Critical patent/JPS62232332A/ja
Publication of JPH0697942B2 publication Critical patent/JPH0697942B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は果実・野菜特に灰色カビ病(ボトビチス類のカ
ビ)の発生しやすい果実・野菜の長期保存或いは貯蔵方
法に関する。
従来の技術 灰色カビ病(ボトビチス類のカビ)の発生しやすい果実
或いは野菜、例えばブドウ、アスパラガス、ブロッコリ
ーはカビの発生のため長期貯蔵が困難であり、特にブド
ウは保持温度−0.5〜0℃、湿度85〜95%の温湿度に
て、プラスチック包装の上冷蔵されるが、これらの裸詰
め貯蔵の場合、貯蔵或いは保存期間は30日前後が限度と
されている。そしてブドウのプラスチック包装貯蔵では
生理的に脱粒、カビの発生、裂果、穂軸の変色などが生
じ、商品性を低下させており、中でもカビの発生を抑制
することは困難であった。そのため、通常ブドウの貯蔵
方法としては、ブドウを冷蔵庫内に密封し、硫黄華を燃
してSO2ガスを充満させ、側壁に水を流して加湿し、SO2
を水に溶解させてH2SO2となし、カビや腐敗菌の繁殖を
防ぎ、変色を防止する方法が採用されている。
しかしながら、この方法では硫黄くん蒸の設備を必要と
し、一方SO2は有害であるから残存量を規定以下にする
よう注意する必要があり、設備費がかさばり、又、実用
的には取扱い上難しい点があり、あまり用いられなかっ
たのが現状である。
発明が解決しようとする問題点 カビ特にボトビチス類のカビの発生しやすい果実、野菜
では前記のとおり大々的な設備費のかさむ方法によって
しか長期貯蔵できず、簡単な設備或いは方法による長期
貯蔵方法が望まれており、特にブドウにあっては、その
収穫が9月末までであることから、健全果が90日貯蔵で
きればクリスマス、正月向に出荷、利用できるので、安
価で、操作の簡単で長期間貯蔵できる貯蔵方法の出現が
待望されていた。
問題点を解決するための手段 本発明者は前記の問題点を解決すべく鋭意研究の結果、
SO2発生剤を用い、これを特定の温度で保存された果実
或いは野菜の特定量に対し、SO2の特定量が発生するよ
うにすることにより、該果実或いは野菜が長期貯蔵でき
ることを見出し、本発明に到達したものである。
即ち、本発明はプラスチックフィルム又はシートで包装
された生鮮果実・野菜類をガス透過性のあるプラスチッ
クフィルム又はシートで裏張りされ又は包被され密閉さ
れた箱に収納し、重亜硫酸ナトリウムからなるSO2発生
剤を該包装箱中の上部及び下部に配置し、SO2発生量を
該果実・野菜類に対して、25〜60g/10kgの割合で供給
し、該果実・野菜包装箱を0℃前後に冷却貯蔵すること
を特徴とする生鮮果実・野菜の長期保存方法、特に灰色
カビ病(ボトビチス類のカビ)の発生しやすい生鮮果実
・野菜の長期保存方法に関する。
本発明の果実・野菜を裸詰めにするプラスチックフィル
ム包装のプラスチックフィルムは食品包装用フィルムで
あり、通常、ポリエチレン、ポリプロピレン、KOPフィ
ルム(ポリプロピレンフィルムに塩化ビニリデンを塗布
しさらにポリエチレンフィルムをラミネートしたもの)
等が用いられ、ハンカチ包装等の包装様式として気体が
透過或いは通過できるように包装される。
プラスチックフィルムで包装された生鮮果実・野菜は気
体透過性のプラスチックフィルム又はシート好ましくは
ポリエチレンフィルム又はシートで裏張りされた段ボー
ル箱、或いは該フィルム又はシートで包装密閉された、
例えば該プラスチックの袋中に密閉された段ボール箱又
は木箱等からなるものである。果実・野菜は通常二段詰
めとするが、二段以上とすることも可能である。
亜硫酸ガスの濃度は梱包の中央部より亜硫酸ガス発生剤
に近い方が高いので、果実・野菜を詰めた箱内部の上部
及び下部にSO2発生剤を配置することが必要である。上
部(段)にだけSO2発生剤を入れても下部(段)のもの
にカビが発生しやすく、又、下部にのみSO2発生剤を配
置しても上部のものにカビが発生しやすいものとなり長
期貯蔵は達成できない。
このSO2発生剤は温度0℃前後で適正量の亜硫酸ガスが
発生できるように、例えば、ポリエチレン被覆加工され
たクラフトペーパーに重亜硫酸ナトリウムが塗布又は熱
シールし、その上部に、粒状の重亜硫酸ナトリウムを入
れたポリエチレン含浸原紙等からなる小袋を重ねたもの
をプラスチックフィルム包装袋中に収納されたものから
なるものであって、使用時には該包装袋の上面を解放し
て用いる構成からなるものであり、第1段階で上部の小
袋内の粒状重亜硫酸ナトリウムからSO2が発生し、ボト
ビチス菌等により果実・野菜が腐敗する前に殺菌し、第
2段階では果実・野菜から出る湿気にてSO2発生剤は活
性化され、更に下部クラフトペーパーに塗布又は熱シー
ルされた重亜硫酸ナトリウムより2〜3日してから非常
にゆっくりとSO2を放ち始めるようになっており、それ
が貯蔵期間中継続される。これにより箱内の果実・野菜
のカビの発生を防止することが可能となるのである。
本発明のSO2発生剤のSO2の発生量は果実・野菜10kgに対
して25〜60gであり、35〜50gが鮮度、味覚保存の点で好
ましい。SO2発生量が25g未満ではあまり貯蔵効果がな
く、カビの発生が早まり、又60gを超えるとカビの発生
はないが、変色したり、味覚が落ちるので好ましくな
い。
上記のとおり、果実・野菜及びSO2発生剤を入れた密閉
箱は0℃前後に調節された貯蔵庫に貯蔵する。
例えば全体で35〜50gのSO2を発生するSO2発生剤(2
個)をブドウ等の果実或いは野菜10kg入り段ボール箱中
の上部及び下部に入れ、ガス透過性プラスチックフィル
ムにて該段ボール箱を覆い密封包装0℃に冷蔵すれば、
湿度の増加と共にSO2が放散され、ブドウ等の果実、或
いは野菜のカビの発生を抑制し90日以上貯蔵することが
できる。
この貯蔵方法により、果実・野菜特に灰色カビ病(ボト
ビチス類のカビ)の発生しやすい果実・野菜はブドウ、
アスパラガス、ブロッコリーに限らず、いずれも長期間
保存が可能であり、特にブドウの長期貯蔵に好適であ
る。
作用 プラスチックフィルム又はシートで包装された生鮮果実
・野菜類をガス透過性のあるプラスチックフィルムで裏
張りされ又は包被され密閉された箱に収納し、重亜硫酸
ナトリウムからなるSO2発生剤を該包装箱中の上部及び
下部に配置し、SO2発生量を該果実・野菜類に対して、2
5〜60g/10kgの割合で供給し、該果実・野菜包装箱を0
℃前後に冷却貯蔵することにより、カビや腐敗菌、特に
灰色カビ病(ボトビチス類のカビ)の発生を長期間抑制
防止することができる。
実施例 以下に本発明の一例を説明するが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものでないことは言うまでもない。
実施例1 0.062mmKOPフィルム(0.04mmのポリプロピレンフィルム
に0.002mm位の塩化ビニリデンを塗布し、さらに0.02mm
のポリエチレンフィルムをラミネートしたもの)袋にて
ハンカチ包装したブドウ〔巨峰(登録商標)〕(昭和60
年10月8日収穫)10〜12kgをポリエチレン被覆加工され
たクラフトペーパで重亜硫酸ナトリウムが熱シールされ
ているものと、その上部に粒状の重亜硫酸ナトリウムを
入れたポリエチレン含浸紙からなる小袋が配置された40
×20cmの包装紙からなるSO2発生剤2個(枚)(SO2発生
量23g×2)を段ボール箱に詰める。その際ブドウは二
段に詰め、SO2発生剤は上段と下段にそれぞれ配置し
た。段ボール箱はポリエチレンフィルムで密閉し、0℃
前後に調節された貯蔵庫に貯蔵した。
約3ケ月後に出庫したところ、カビの発生はほとんどな
く、ブドウの健全割合は97%であった。
これに対して、同一のSO2発生量のSO2発生剤を上段のみ
に配置したものでは、下段のものにカビが発生しやく
す、又下段のみに配置したものでは上段のものにカビが
発生しやすい傾向を示した。
又、SO2発生剤のSO2発生量が60gを超えると、ブドウが
変色し、商品性が失われ、SO2発生量が25g未満ではカビ
の発生が早まり長期貯蔵が困難なものとなることが判明
した。
第1表は開封時のガス組成と内容成分、第2表はSO2
生量と鮮度保持の測定結果、第3表は0℃冷蔵のみの場
合とSO2発生剤(SO2発生量46gを上下二段に配置したも
の)あるいは炭酸ガス除去剤を使用し、且つ0℃冷蔵し
た場の90日間貯蔵したときの比較を示したものである。
第1表からもわかるとおり、開封時のガス組成におい
て、SO2組成はSO2発生量が25g以下では充分ではなく、
そのため第2表に示すとおり、SO2発生量が25g以下では
カビ発生数が多く、カビ発生で調製した果粒割合、腐敗
数割合、萎調数割合及び主穂の変色数割合が大きくな
り、健全重割合が小さく好ましくない。又、SO2発生量
が60gを超えると、カビ発生率、腐敗数割合等は小さく
その点ではよいが、赤変した果粒数割合が大きくなり、
商品価値が低下して好ましくない。
第3表に示すとおり、本発明の範囲内のSO2発生量のも
のではカビ発生割合は少なく、ブドウ健全割合も高く、
商品性も良好である。
発明の効果 SO2発生剤を果実・野菜10kgに対して特定の量25〜60gの
SO2発生量とし、且つ包装箱の上部及び下部に配置する
ことにより、カビ類特に灰色カビ類(ボトビチス類)の
カビの発生を抑制し、これらのカビの発生しやすい果実
・野菜において、通常30日の貯蔵が限度とされていたも
のが90日という長期貯蔵が可能となり、時宜を得た出荷
ができ、その効果は大きい。又、その操作が極めて簡単
で、かつ安価にでき果実・野菜の長期保存或いは貯蔵法
としてすぐれたものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルム又はシートで包装さ
    れた生鮮果実・野菜類をガス透過性のあるプラスチック
    フィルム又はシートで裏張りされ又は包被され密閉され
    た箱に収納し、重亜硫酸ナトリウムからなるSO2発生剤
    を該包装箱中の上部及び下部に配置し、SO2発生量を該
    果実・野菜類に対して、25〜60g/10kgの割合で供給し、
    該果実・野菜包装箱を0℃前後に冷却貯蔵することを特
    徴とする生鮮果実・野菜の長期保存方法。
  2. 【請求項2】生鮮果実・野菜が灰色カビ病(ボトビチス
    類のカビ)の発生しやすいものである特許請求の範囲第
    1項記載の生鮮果実・野菜の長期保存方法。
JP7253886A 1986-04-01 1986-04-01 So2処理による果実・野菜の長期保存方法 Expired - Lifetime JPH0697942B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7253886A JPH0697942B2 (ja) 1986-04-01 1986-04-01 So2処理による果実・野菜の長期保存方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7253886A JPH0697942B2 (ja) 1986-04-01 1986-04-01 So2処理による果実・野菜の長期保存方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62232332A JPS62232332A (ja) 1987-10-12
JPH0697942B2 true JPH0697942B2 (ja) 1994-12-07

Family

ID=13492227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7253886A Expired - Lifetime JPH0697942B2 (ja) 1986-04-01 1986-04-01 So2処理による果実・野菜の長期保存方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0697942B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CL2012001013A1 (es) * 2012-04-20 2013-01-25 Raab Camalaez Cristian Alberto Método de gasificación de fruta con so2 de fruta, que comprende enfriar y opcionalmete humedecer la fruta previo a la gasificacion; y aparto para realizar dicho metodo.
CN106509070B (zh) * 2016-11-17 2022-12-06 天津捷盛东辉保鲜科技有限公司 葡萄超长期绿色保鲜方法
CN113767973B (zh) * 2021-09-10 2024-01-30 广东省农业科学院果树研究所 一种龙眼鲜果货架期间优化护色方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5228955A (en) * 1975-08-25 1977-03-04 Daiya Totsukiyo Purojiekuto Kk Preserving method of sealeddup packed food

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62232332A (ja) 1987-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DK2563674T3 (en) Packaging system for perishable goods
JPH0414931B2 (ja)
US3928577A (en) Preparation for preserving vegetable food products particularly fruits
JPS5948610B2 (ja) 農産物を新鮮状態に貯蔵する方法
JP5428228B2 (ja) マンゴー類の鮮度保持用包装袋及びマンゴー類の保存方法
Akamine Preventing the darkening of fresh lychees prepared for export
JPH0697942B2 (ja) So2処理による果実・野菜の長期保存方法
JPS60126032A (ja) 植物生鮮品の輸送方法
FR2611669A1 (fr) Procede de conservation de denrees perissables conditionnees dans un emballage et conditionnements correspondants
JPS6120254B2 (ja)
JPS60186246A (ja) 生鮮農産物の貯蔵法
JP2009227297A (ja) ブドウの鮮度保持用包装袋及びブドウの保存方法
JPS596622B2 (ja) 包装渋カキの脱渋法
JP4052747B2 (ja) 青果物の鮮度保持方法
JP2002186420A (ja) 青果物又は花卉の鮮度維持方法
KR101128437B1 (ko) 선도유지와 작업효율을 동시에 개선한 자동포장기용 단감의 포장방법
KR101182604B1 (ko) 단감의 장기간 선도유지를 위한 포장방법
JPS6322501A (ja) 農産物の鮮度保持剤
JP3911249B2 (ja) 雪上保冷による農産物の保存方法
JPH0789858B2 (ja) イチゴの保存方法
JP2010057426A (ja) 果実の鮮度保持方法
JPH09163926A (ja) 山芋の包装体
JP2000210011A (ja) バナナの保存方法
KR200340868Y1 (ko) 농산물 저장용 포장봉지
JP3088385U (ja) 葉茎采類入り鮮度保持包装体