JP2903663B2 - 鮮度保持剤およびこれを用いた青果物の鮮度保持方法 - Google Patents

鮮度保持剤およびこれを用いた青果物の鮮度保持方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は青果物の貯蔵及び流通時に発生するガス障害
およびカビの発生を防止する鮮度保持剤およびこれを用
いて青果物の鮮度を保持する方法に関するものである。
[従来の技術] カビが発生しやすい青果物、例えば、ブドウ、アスパ
ラガス、ブロッコリー等は貯蔵又は流通の際に発生する
カビの為、商品性の著しい低下を招く。これを解決する
手段として、例えば密閉容器内に亜硫酸水素ナトリウム
又はピロ亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸ガス発生剤を配置
する方法が知られている(特開昭52−44252号、特開昭6
2−232332号各公報)。
しかし、この方法では亜硫酸ガス発生量の制御が問題
である。すなわち、亜硫酸ガス濃度が高い場合青果物に
障害を引きおこし、濃度が低い場合防カビ効果が発揮さ
れないという問題があった。従って長期間カビを防止す
る為に亜硫酸ガス発生剤を多くすると亜硫酸ガス濃度が
一時的に高濃度となって青果物に障害を引きおこし、ま
た、障害を発生させない様亜硫酸ガス発生剤を少量にす
ると、カビを抑制する濃度の亜硫酸ガス濃度が長期に保
てない為、効果が長期間持続されなかった。また亜硫酸
ガス発生剤自身に吸湿性があり、実際に使用する条件下
では液体状となり、通常の紙、布あるいは不織布などで
作られた袋で包装した場合内部の液体が袋から漏出して
青果物を汚し障害を引きおこすこともあった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、ガス障害を引き起こす事なくかつカ
ビ発生を抑制する一定濃度の亜硫酸ガスを継続的かつ安
定的に発生させ、青果物の貯蔵又は流通時に発生するカ
ビを抑制する鮮度保持剤を提供することにある。またか
かる鮮度保持剤を用いて青果物の鮮度を保持する方法に
関する。
[課題を解決するための手段] 本発明の要旨は亜硫酸水素ナトリウムおよび/または
ピロ亜硫酸ナトリウムを透湿度0.02〜2.2g/100cm2・hr
のフィルムで包装して成ることを特徴とする鮮度保持剤
に存する。また、かかる鮮度保持剤を亜硫酸水素ナトリ
ウムおよび/またはピロ亜硫酸ナトリウムの量が青果物
10kg当たり1〜10gとなる様に使用することを特徴とす
る鮮度保持方法に存する。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明の鮮度保持剤は、亜硫酸ガス発生剤とそれを包
装するフィルムから構成される。亜硫酸ガス発生剤とし
ては亜硫酸水素ナトリウム又はピロ亜硫酸ナトリウムが
用いられる。
亜硫酸ガス発生剤の形態としては特に制限はなく粉
状、顆粒状で用いられ、更に活性炭粉末、砂、ゼオライ
ト粉末等の細粒子粉と混合して用いてもかまわない。細
粒子粉と混合した場合亜硫酸ガス発生剤の固結が防止さ
れ、より有効にガス発生剤が利用され好ましい。
これらの亜硫酸ガス発生剤を包装するフィルムとして
は透湿度が0.02〜2.2g/100cm2・hrのものであることが
必要であり、好ましくは0,03〜1.8g/100cm2・haであ
る。透湿度が2.2g/100cm2・hr以上であれば、短時間に
多量の亜硫酸ガスが発生し青果物に障害を引きおこし、
また0.02g/100cm2・hr以下であれば長期間の防カビ効果
が認められない。
フィルムの種類としては、特に制限はなく、紙、不織
布、更にはポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラス
チックフィルムに穴をあけた通気性フィルムを使用する
ことも可能であるが、本発明においては特に通気性防水
フィルムを用いることが好ましい。通気性防水フィルム
とは、水蒸気に対して通気性を有し、且つ水滴に対し非
透過性を有するフィルムで、具体的には市販の多孔性特
殊フィルムや従来より人工皮革として用いられているポ
リアミノウレタン樹脂フィルムが挙げられる。
通気性防水フィルムを使用した場合は、亜硫酸ガス発
生剤が吸湿し液化しても液体が外部に漏出することなく
かつ、包装の外部が水で濡れてもその水が内部に侵入す
る恐れがないので好都合である。
かかるフィルムは、本発明の効果を発揮する範囲内で
あるならばその膜厚に制限はないが、20〜100μmの厚
みを有するものが特に好ましい。更にかかるフィルム
を、紙、布等の多孔性基材の表面にラミネート加工して
使用することもできる。
かくして得られる本発明の鮮度保持剤は、青果物が収
納される密閉容器内に配置される。青果物が収納される
密閉容器としては特に制限はなく、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、KOP(ポリ塩化ビニリデンコートした二軸
延伸ポリプロピレンフィルム)等のプラスチックフィル
ムで形成された袋、これらの袋に通気孔をあけたもの、
これらのプラスチックから作られた箱類、またはダンボ
ール箱、木箱等が挙げられる。配置される形態として
は、密閉容器内にそのまま配置する方法、容器の内壁に
固定する方法、さらには、密閉容器の材質中に練り込む
方法等が挙げられる。鮮度保持剤の使用量は使用青果物
10kgに対し亜硫酸ガス発生剤として1〜10gとなる量で
あり、好ましくは2〜6gである。亜硫酸ガス発生剤の量
が1g未満であれば亜硫酸ガス発生量が少く防カビ効果が
発揮されず、10gを越えると変色したり味覚が落ちる等
の障害が起こり好ましくない。
また本発明の鮮度保持剤は、他のガス吸収剤、例えば
エチレン吸収剤、酸素吸収剤等と併用して用いることも
できる。
対象とする青果物の種類としては特に制限されない
が、例えばリンゴ、ナシ、ミカン、バナナ、ブドウ、カ
ボス、ウメ等の果実類、トマト、イチゴ、ピーマン、ア
スパラガス、ブロッコリー、タケノコ、マツタケ、ホウ
レンソウ、ニラ、レタス、キャベツ等の野(果)菜類が
挙げられる。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、そ
の要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるもの
ではない。
[実施例1] 亜硫酸水素ナトリウム1gを、ポリエチレンに無機質充
填剤を混入、延伸して多孔化した透湿性フィルム(三菱
化成製、フィルム厚45[μm]、透湿度1.4[g/100cm2
・hr])からなる大きさ3×3cmの袋に収納し、鮮度保
持剤(A)を作成した。
[実施例2] 亜硫酸水素ナトリウム1gとケイ砂(15〜20メッシュ)
3gを混合したものを実施例1と同様の大きさ及び物性の
透湿性フィルムからなる袋に収納し、鮮度保持剤(B)
を作成した。
[実施例3] 亜硫酸水素ナトリウム2gを実施例1と同様の大きさ及
び物性の透湿性フィルムからなる袋に収納し、鮮度保持
剤(C)を作成した。
[実施例4] 亜硫酸水素ナトリウム1gをポリエチレン系透湿性フィ
ルム(フィルム厚45[μm]、透湿度1.0[g/100cm2・h
r])からなる大きさ3×3cmの袋に収納し、鮮度保持剤
(D)を作成した。
[実施例5] 亜硫酸水素ナトリウム1gを紙(厚さ100μm)に有孔
ポリエチレンをラミネートしたフィルム(透湿度0.05
[g/100cm2・hr])からなる大きさ3×3cmの袋に収納
し、鮮度保持剤(E)を作成した。
[実施例6] 亜硫酸水素ナトリウム5gを実施例1と同様の大きさ及
び物性の透湿性フィルムからなる袋に収納し、鮮度保持
剤(F)を作成した。
[実施例7] 亜硫酸水素ナトリウム0.2gを実施例1と同様の大きさ
及び物性のフィルムからなる袋に収納し、鮮度保持剤
(G)を作成した。
[実施例8] 亜硫酸水素ナトリウム5gを実施例5と同様の大きさ及
び物性の有孔ポリエチレンラミネートフィルムからなる
袋に収納し、鮮度保持剤(H)を作成した。
[比較例1] 亜硫酸水素ナトリウム1gをポリオレフィン系多孔性フ
ィルム(フィルム厚[45μm]透湿度0.01[g/100cm2
hr])からなる大きさ3×3cmの袋に収納し、鮮度保持
剤(I)を作成した。
[試験例] 収穫直後のブドウ(巨峰)12kgを30μm厚KOPフィル
ム袋に入れ、この上に鮮度保持剤A-を各々4袋収納し、
入口をゴムで縛り密封状態にした。この際ブドウは2段
に詰めた。
これを低温(2℃)に調節された冷蔵庫に70日間貯蔵
しカビの発生割合、脱粒割合、主穂変色割合、商品性を
観察した。鮮度保持剤B−Iを用い、同様の試験を行っ
た。その結果を第1表に示す。
第1表から明らかな様にNo.1〜5ではカビ発生、脱
粒、変色が殆んど無く、ブドウを新鮮な状態で保持する
ことができる。
一方、No.6では亜硫酸ガス発生剤の量が多すぎるた
め、カビ発生、脱粒はないものの変色し、商品として適
当でなく、No.7では使用量が少なく、カビ発生、脱粒が
みられる、また、No.8では亜硫酸ガス発生剤の使用量は
No.1と同じであるが、包装フィルムの透湿度が低いため
やはりカビ発生、脱粒がみられる。
[発明の効果] 本発明の鮮度保持剤を用いる事により、青果物に障害
を与える事なく、長期にカビの発生を抑制し鮮度保持効
果を維持することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23B 7/00 - 9/00 A23L 3/3445 A23L 3/358

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜硫酸水素ナトリウムおよび/またはピロ
    亜硫酸ナトリウムを透湿度0.02〜2.2g/100cm2・hrのフ
    ィルムで包装して成ることを特徴とする鮮度保持剤。
  2. 【請求項2】フィルムがガス透過性かつ液体非透過性で
    あることを特徴とする請求項1記載の鮮度保持剤。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の鮮度保持剤を、青
    果物10kg当たり亜硫酸水素ナトリウムおよび/またはピ
    ロ亜硫酸ナトリウムが1〜10gとなる様に使用すること
    を特徴とする青果物の鮮度保持方法。
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