JP2846638B2 - 可撓性複合フィルム - Google Patents

可撓性複合フィルム

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JP2846638B2
JP2846638B2 JP63058801A JP5880188A JP2846638B2 JP 2846638 B2 JP2846638 B2 JP 2846638B2 JP 63058801 A JP63058801 A JP 63058801A JP 5880188 A JP5880188 A JP 5880188A JP 2846638 B2 JP2846638 B2 JP 2846638B2
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貞男 藤井
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は可撓性複合フィルムに関し、更に詳しくは、
フレキシブルプリント基板等に好適な、耐湿性及び絶縁
性に優れた可撓性複合フィルムに関するものである。
〔従来技術と問題点〕
ポリイミドフィルムに代表される耐熱性高分子フィル
ムは、高分子であることに由来する可撓性と、耐熱性及
び絶縁性を備えており、フレキシブルプリント基材用、
耐熱絶縁テープ用等のフィルムとして巾広く応用されて
いる。
しかし、耐熱性高分子フィルムは比較的吸湿性があ
り、該フィルムに吸湿された水分は寸法安定性を損なう
他、実用的における絶縁特性に悪い影響を与える。また
上記水分は高周波回路における隣接配線間クロストーク
の原因ともなり、特に、プリント基板に用いる場合、マ
ウント密度をあまり高くすることができないという実質
的不利益を生じる。
一方、ガラス等に代表される絶縁性金属酸化物は、吸
湿性、寸法安定性に優れているものの、薄膜にした場合
の機械的強度あるいは可撓性に問題があり、実用に耐え
ることができない。
従って、高い耐湿性と絶縁性を兼ね備えた可撓性複合
フィルムの実現が望まれている。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、上記問題点を鑑み、耐湿性及び絶縁性に優
れた複合フィルム、及び該フィルム上に導電層を形成さ
せた複合フィルムを提供するものである。
即ち、本発明はポリイミドフィルム表面Si又はAlより
なる金属酸化物からなる絶縁層を設けたことを特徴とす
る、吸湿性が低く表面抵抗の大きい複合フィルム、及び
前記絶縁層の上に導電層を設けたことを特徴とする複合
フィルムを提供するものである。
本発明に用いられる高ポリイミドフィルムと金属酸化
物層との接着性が充分に得られない場合は、接着性改良
のためにフィルム表面をプライマー処理したものを用い
る方が好ましい場合がある。プライマー処理としては、
公知の処理方法をそのまま適用することが可能である。
ポリイミドフィルム上に設ける絶縁性Si又はAlよりな
る金属酸化物はスパッタ、ICB等の真空薄膜形成技術を
用い高分子フィルム上に形成させることもできるが、有
機金属化合物を用いたいわゆるゾルゲル法による形成法
は、生産性も高く好適な方法である。
ゾルゲル法により該酸化物層を形成する場合、有機金
属化合物としては、各種アルキルシロキサン等の金属ア
ルコキシドであり、これらのアルコキシドは、有機溶媒
中に分散溶解して用いられる。有機溶媒は、該金属アル
コキシド溶液をポリイミドフィルム上に塗布した後蒸発
させる必要があるため、揮発性の溶剤が好ましく、含有
アルコキシドや、後に述べる硬化触媒と反応せず、しか
もポリイミドフィルムを溶解させないものであれば、通
常用いられるアルコール類、ケトン類、エーテル類、エ
ステル類等の揮発性溶剤を広く用いることが可能であ
る。
該アルコキシド溶液は、必要によりアミン等の硬化触
媒を添加し、ポリイミドフィルムに塗布する。
ポリイミドフィルムに該アルコキシド溶液を塗布する
方法としては、簡単な方法には、刷毛塗りの他、スプレ
ー、ディップ、ロールコート等の各種方法が可能である
が、均一な厚みに塗布する方法として、ディップ又はロ
ールコート法が好ましい。該アルコキシド溶液を塗布し
たポリイミドフィルムは、静置することにより溶剤が蒸
発して該アルコキシド層が形成され、該層は空気中の水
分あるいは硬化触媒により徐々に硬化し、絶縁性の酸化
物層を形成するが、一般には、加熱することにより、硬
化を促進させることが好ましい。加熱温度は、硬化完了
時間と密接に関係しており、通常は50〜200℃の範囲か
ら選択される。この時、アルコキシドを形成していた有
機化合物から成る原子団は完全に脱離していることが望
ましいが、絶縁特性や、経時安定性に影響を与えない程
度に残存していてもかまわない。
硬化等の方法により表面に絶縁性酸化物層を形成させ
たポリイミドフィルムは、その両面あるいは片面に導電
性の層を形成させることにより、可撓性プリント基板と
することができる。
可撓性プリント配線板として加工する際、プリント基
板切断面にて、ポリイミドフィルムがむき出しになり、
ここより内奥部のポリイミドフィルムが吸湿し、好まし
くない変形あるいは剥離の生ずることがある。そのた
め、接断面はシリコン樹脂等の耐熱・吸湿性ポリマーで
シールすることが望ましい。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例を用いて更に詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
50ミクロンの膜厚を有するポリイミドフィルムを用い
るアルコールを溶剤とし変性アルキルシリケートを約1
ミクロン厚さに塗布した。このフィルムを100℃にて2
時間加熱した。このフィルム上に10ミクロンの膜厚を有
する銅箔を形成し、0.1ミリの配線間隔をとりパターン
化した後、配線間の表面抵抗を測定したところ、1016Ω
以上であり吸湿により特性の経時変化も認められなかっ
た。
一方、比較のために、金属酸化物層を形成していない
プリント基板の場合についても同様の操作を行ったが、
1014Ωの抵抗しかなかった。
〔作用・効果〕
本発明の複合フィルムは、表面或いは中間層に絶縁
性、耐湿性の金属酸化物層を有するため、ポリイミドフ
ィルムの吸湿変形を防止する他、表面抵抗を高く保つこ
とができる。また、吸湿による電気特性の経時的変化も
少なく、高密度配線が可能となる。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリイミドフィルム表面にSi又はAlよりな
    る金属酸化物からなる絶縁層を設けたことを特徴とす
    る、耐湿性及び絶縁性に優れた可撓性複合フィルム。
  2. 【請求項2】絶縁層をゾルゲル法により設けた請求項1
    記載の複合フィルム。
  3. 【請求項3】絶縁層の上に導電層を設けた請求項1記載
    の複合フィルム。
  4. 【請求項4】導電層が銅からなる請求項3記載の複合フ
    ィルム。
  5. 【請求項5】銅からなる導電層に0.1ミリの配線間隔を
    とりパターン化した場合の線間表面抵抗が1016Ω以上で
    ある請求項4記載の複合フィルム。
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