JP2844995B2 - 電界効果型トランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

電界効果型トランジスタ及びその製造方法

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JP2844995B2 JP3298667A JP29866791A JP2844995B2 JP 2844995 B2 JP2844995 B2 JP 2844995B2 JP 3298667 A JP3298667 A JP 3298667A JP 29866791 A JP29866791 A JP 29866791A JP 2844995 B2 JP2844995 B2 JP 2844995B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特性変動が大幅に抑制
された高性能な電界効果型トランジスタ(FET)及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】GaAsなどのIII −V族化合物半導体
FETを用いた高周波素子及び高速かつ低消費電力LS
Iの研究開発が盛んに行われている。中でも素子サイズ
の縮小、寄生抵抗や容量の低減及び素子の高信頼性維持
は、今後の素子の高性能化を図る上で益々重要となって
くる。
【0003】従来技術においては、ゲート抵抗を下げる
場合、多層フォトレジスト膜を用いたT型ゲート電極形
成法等が用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来方法では、リフトオフ法を用いてゲート金属を形成す
るため、十分なアスペクト比がとれず低抵抗減も不十分
であった。また、耐熱性の金属を形成するのが困難なた
め、金属半導体界面の熱的不安定性を生じさせていた。
更に、T型ゲート電極を支持するものがないため、機械
的強度に脆く、素子の歩留りを落とす原因になってい
た。また、オーミック電極とゲート電極間の表面をSi
2 やSiN膜等で保護するため、GaAs層の半導体
との界面に多くの界面準位を含んでおり、素子特性の変
動を引き起こす大きな要因になっていた。
【0005】本発明の目的は、このような従来の問題を
解決し、機械的に安定で低抵抗のゲート電極を有し、し
かも表面準位に伴う特性変動が大幅に抑制された高性能
な電界効果トランジスタとその製造方法を提供すること
にある。
【0006】本発明の電界効果型トランジスタは、チャ
ネル上方に設置されたゲート制御電極からオーミック電
極方向に延びるチャネル外部の領域に、前記ゲート電極
に接する低不純物濃度で高抵抗の第1の半導体層と、該
第1の半導体層に接する第1の半導体層とは異なる材料
よりなる高不純物濃度で低抵抗の第2の半導体層が設け
られ、前記第1の半導体層は前記オーミック電極とは非
接触であり、前記第2の半導体層は前記オーミック電極
と接触しかつ前記ゲート制御電極とは非接触であること
を特徴とする。
【0007】上記の本発明の電界効果型トランジスタの
製造方法は、基板上にチャネル層を形成し、この上方に
低不純物密度で高抵抗の第1の半導体層を形成する工程
と、第1の半導体層を部分的に除去し、ゲート電極用開
口部を形成する工程と、ゲート電極材料を堆積する工程
と、この開口部を含み、これより大きな面積の部分以外
のゲート電極材料を除去する工程を少なくとも含むこと
を特徴とする。
【0008】更に本発明の電界効果型トランジスタの製
造方法は、基板上にチャネル層を形成し、この上方に低
不純物密度で高抵抗の第1の半導体層を形成する工程
と、第1の半導体層を部分的に除去し、ゲート電極用開
口部を形成する工程と、第2の半導体層を形成する工程
と、異方性ドライエッチング法で第2の半導体層を加工
し、開口部の長さを縮小する工程と、ゲート電極材料を
堆積する工程と、この開口部を含み、これより大きな面
積の部分以外のゲート電極材料を除去する工程を少なく
とも含むことを特徴とする。
【0009】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。
【0010】(実施例1)図1は、第1の発明の第1の
実施例の電界効果型トランジスタの模式的構造断面図で
ある。この電界効果型トランジスタは、半絶縁性のGa
As基板1と、膜厚約500nmのアンドープのGaA
s層2と、不純物密度が5×1017cm-3で膜厚30n
mのn型GaAs層3と、不純物密度が3×1018cm
-3で膜厚300nmのn型GaAs層4と、膜厚300
nmでアンドープのAlGaAs層6と、Ni/Au/
Geによるオーミック電極5と、Wによるゲート電極7
とから構成されている。
【0011】ここで、GaAs層6は、例えば、選択エ
ピタキシャル成長法を用いて形成される。T型のゲート
電極7は、AlGaAs層6及びGaAsチャネル層3
とショットキー接触している。また、オーミック電極5
とゲート電極7との間のチャネル層3は、その表面を露
出することなく、界面特性の良好なAlGaAs層6に
よって保護されている。従って、表面準位による素子特
性の変動に関する問題は基本的に回避できる。尚、この
構造においては、入力容量の増大が懸念されるが、Al
GaAs層6の膜厚をチャネル層3の膜厚に比べ十分に
大きくとれば、その影響は十分に小さくできる。また、
ゲート面積を大きく取れるため、ゲート長短縮に伴うゲ
ート抵抗の増大はほとんど無くすことができる。
【0012】(実施例2)図2は、第1の発明の第2の
実施例の電界効果型トランジスタの模式的構造断面図で
ある。この電界効果型トランジスタは、半絶縁性のGa
As基板1と、膜厚約500nmでアンドープのAlG
aAs層2と、膜厚約100nでアンドープのGaAs
層11と、不純物密度が3×1018cm-3で膜厚20n
mのn型AlGaAs層12と、膜厚10nmでアンド
ープのGaAs層13と、膜厚5nmでアンドープのA
lGaAs層14と、膜厚200nmでアンドープのG
aAs層15と、不純物密度が約2×1018cm-3のn
型の(Al,Ga)As層16と、Ni/Au/Geに
よるオーミック電極5と、Wによるゲート電極7とから
構成されている。
【0013】ここで、層16は、例えば、耐熱性のT型
ゲート電極7をマスクにしたSiイオンの注入と900
℃、5秒間の短時間熱処理技術を用いて形成される。本
実施例の構造は、GaAs層11とAlGaAs層12
との界面に高移動度の2次元伝導電子が形成される。
尚、T型のゲート電極7は、AlGaAs層14,Ga
As層13及び15とショットキー接触している。ま
た、実施例1の場合と同様に、オーミック電極5とゲー
ト電極7との間は、その表面を露出することなく、Ga
As層15によって保護されている。本実施例の構造に
おいても、実施例1の構造において述べた特徴は満足さ
れている。
【0014】(実施例3)次に、第2の発明の一実施例
について説明する。
【0015】図3の(a)〜(e)は、本発明の一実施
例の電界効果型トランジスタの主な製造工程を示す要素
工程図である。
【0016】まず図3(a)に示すように、半絶縁性の
GaAs基板1上に、膜厚約500nmでアンドープの
GaAs層2と、不純物密度が5×1017cm-3で膜厚
30nmのn型InGaAs層3と、膜厚300nmで
アンドープのGaAs保護膜6とを、分子線エピタキシ
ャル(MBE)法を用いて作製した。
【0017】次に、図3(b)に示すように、SiO2
膜21を堆積し、フォトレジスト(PR)膜22でパタ
ーンニングした後、CF4 ガスを用いてSiO2 膜22
のドライエッチングを行い、PR膜22を除去した後、
塩素ガス23を用いてGaAs保護膜6のドライエッチ
ングを行う。
【0018】次に、図3(c)に示すように、有機金属
分子線結晶成長法(MOMBE法)を用いて、選択的に
低抵抗のGaAs層4を成長する。GaAs層4の不純
物密度は3×1018cm-3、膜厚は300nmである。
その後、PR膜22でパターンニングした後、再び塩素
ガス24を用いてGaAs保護膜6のドライエッチング
を行う。塩素ガスを用いた場合、GaAsとInGaA
sのエッチング選択比は非常に大きいため、エッチング
はInGaAs上で自動停止する。従って、素子特性の
均一化を図ることができる。
【0019】次に、図3(d)に示すように、ゲート電
極用金属Ti/Pt/Au7を堆積し、PR膜22でパ
ターンニングした後、金属メッキ層25を形成し、ゲー
ト抵抗の低減を図る。
【0020】最後に、図3(e)に示すように、PR膜
22を除去後、反応性ドライエッチング法を用いて、N
i/Au/Geによるオーミック電極5を形成し、アロ
イを行い、素子を完成させる。
【0021】この構造においても、実施例1及び2の構
造において述べた特徴は満足されている。
【0022】(実施例4)次に、第3の発明の一実施例
について説明する。
【0023】図4の(a)〜(f)は、本発明の一実施
例の電界効果型トランジスタの主な製造工程を示す要素
工程図である。
【0024】まず図4(a)に示すように、半絶縁性の
GaAs基板31上に、膜厚約500nmでアンドープ
のGaAs層32と、不純物密度が2×1018cm-3
膜厚15nmのn型GaAs層33と、膜厚10nmで
アンドープのAlGaAs層34と、膜厚200nmで
アンドープのGaAs保護膜35とを、分子線エピタキ
シャル(MBE)法を用いて作製した。
【0025】次に、図4(b)に示すように、SiO2
膜21を堆積し、フォトレジスト(PR)膜22でパタ
ーニングした後、CF4 ガスを用いてSiO2 膜21の
ドライエッチングを行い、PR膜22を除去した後、C
Cl22 とHeの混合ガスを用いてGaAs保護膜3
5のドライエッチングを行う。その後、例えばバッファ
ード弗酸を用いて、薄いAlGaAs34を除去する。
【0026】次に、図4(c)に示すように、有機金属
分子線結晶成長法(MOMBE法)を用いて、選択的に
低抵抗のn型GaAs層4を成長する。GaAs層4の
不純物密度は3×1018cm-3、膜厚は200nmであ
る。その後、SiO 2 膜21を除去し、PR膜22でパ
ターニングした後、再びCCl22 とHeの混合ガス
を用いてGaAs保護膜6のドライエッチングを行う。
CCl22 とHeの混合ガスを用いた場合、GaAs
とAlGaAsのエッチング選択比は非常に大きいた
め、エッチングはAlGaAs上で自動停止する。従っ
て、素子特性の均一化を図ることができる。
【0027】次に、図4(d)に示すように、有機金属
結晶成長法(MOCVD法)を用いて、アンドープのA
lGaAs層36を成長する。その後、塩素ガス38で
AlGaAs層36の異方性ドライエッチングを施し、
開口部の側面にのみAlGaAs層を残す。同時に、下
地のAlGaAs34も異方性エッチングにより加工
し、ゲート電極の開口部を形成する。
【0028】次に、図4(e)に示すように、ゲート電
極用金属Ti/Al7を堆積する。
【0029】最後に、図4(f)に示すように、PR膜
でパターンニングした後、Ni/Au/Geによるオー
ミック電極5を形成し、アロイを行い、素子を完成させ
る。
【0030】尚、この構造においても、実施例1及び2
の構造において述べた特徴は満足されている。
【0031】本発明では、光学露光法を用いた場合のサ
イズ縮小の限界を破り、更にゲート長を短縮できるた
め、素子の微細化及び高性能化に有利となる。尚、本発
明の原理は、ここで述べた以外の材料を用いても実現で
きることは明らかである。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電界効果ト
ランジスタ及びその製造方法は、寄生ゲート抵抗の低減
及びゲート長の短縮が可能なため、素子の性能を大幅に
向上できる効果を有している。しかも、ゲート電極の機
械的強度の向上が図れるため、素子の製造歩留り向上及
び低価格化を実現できる。更に、表面に界面特性の優れ
た半導体層を有するため、素子特性変動も大幅に低減で
き、素子の信頼性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の第1の実施例の電界効果型トラン
ジスタの模式的構造断面図である。
【図2】第1の発明の第2の実施例の電界効果型トラン
ジスタの模式的構造断面図である。
【図3】第2の発明の一実施例の電界効果型トランジス
タの主な製造工程を示す要素工程図である。
【図4】第3の発明の一実施例の電界効果型トランジス
タの主な製造工程を示す要素工程図である。
【符号の説明】
1,31 基板 2,32 バッファ層 3,33 チャネル層 4,16 低抵抗層 5 オーミック電極 6,15,35 低不純物密度の半導体層 7 ゲート電極 11 高純度半導体層 12 高不純物密度の半導体層 13 表面保護用半導体層 14,34 エッチング停止層 21 絶縁膜 22 フォトレジスト 23,24,37,38 エッチングガス 25 金メッキ層 36 側壁形成用半導体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/337 - 21/338 H01L 27/095 - 27/098 H01L 29/775 - 29/778 H01L 29/80 - 29/812 H01L 21/28 - 21/288 H01L 21/44 - 21/445 H01L 29/40 - 29/51 H01L 29/872

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チャネル上方に設置されたゲート制御電極
    からオーミック電極方向に延びるチャネル外部の領域
    に、前記ゲート電極に接する低不純物濃度で高抵抗の第
    1の半導体層と、該第1の半導体層に接する第1の半導
    体層とは異なる材料よりなる高不純物濃度で低抵抗の第
    2の半導体層が設けられ、前記第1の半導体層は前記オ
    ーミック電極とは非接触であり、前記第2の半導体層は
    前記オーミック電極と接触しかつ前記ゲート制御電極と
    は非接触であることを特徴とする電界効果型トランジス
    タ。
  2. 【請求項2】チャネル上方に設置されたゲート制御電極
    からオーミック電極方向に延びるチャネル外部の領域
    に、前記ゲート電極に接する低不純物濃度で高抵抗の第
    1の半導体層と、該第1の半導体層に接する第1の半導
    体層とは異なる材料よりなる高不純物濃度で低抵抗の第
    2の半導体層が設けられ、前記第1の半導体層は前記オ
    ーミック電極とは非接触であり、前記第2の半導体層は
    前記オーミック電極と接触しかつ前記ゲート制御電極と
    は非接触であることを特徴とする電界効果型トランジス
    タの製造方法において、 基板上にチャネル層を形成し、この上方に低不純物密度
    で高抵抗の第1の半導体層を形成する工程と、 第1の半導体層を部分的に除去し、ゲート電極用開口部
    を形成する工程と、 ゲート電極材料を堆積する工程と、 この開口部を含み、これより大きな面積の部分以外のゲ
    ート電極材料を除去する工程を少なくとも含むことを特
    徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。
  3. 【請求項3】基板上にチャネル層を形成し、この上方に
    低不純物密度で高抵抗の第1の半導体層を形成する工程
    と、 第1の半導体層を部分的に除去し、ゲート電極用開口部
    を形成する工程と、 第2の半導体層を形成する工程と、 異方性ドライエッチング法で第2の半導体層を加工し、
    開口部の長さを縮小する工程と、 ゲート電極材料を堆積する工程と、 この開口部を含み、これより大きな面積の部分以外のゲ
    ート電極材料を除去する工程を少なくとも含むことを特
    徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。
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