JP2837403B2 - オレフィン重合体の製造法 - Google Patents
オレフィン重合体の製造法Info
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- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン重合体
の製造法に関する。さらに詳しくは、本発明は、特定の
触媒の使用によって炭素数3以上のα−オレフィンの重
合に適用した場合に、高立体規則性重合体を高収量で得
ることのできるオレフィン重合体の製造法に関する。 【0002】 【従来の技術】これまで、ハロゲン化マグネシウムにチ
タン化合物を担持させた固体触媒成分と有機アルミニウ
ム化合物とから成る触媒系は、従来の触媒系に比べて重
合活性が高く、重合体から触媒残渣を除去する必要が無
くなる可能性があると言われてきた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この担
体型触媒は立体規則性が低くて、抽出工程の省略は不可
能とされてきたが、近年、助触媒系の改良によってかな
り立体規則性が改善されてきた。重合添加剤としてエス
テル類(特公昭56−39767号、特開昭58−15
7808号公報など)およびフェニル基あるいはアルキ
ル基含有ケイ素化合物(特開昭57−63310号、特
開昭57−63311号公報など)を用いることによっ
て、ある程度の高活性・高立体規則性重合が可能である
ことが知られている。しかし、これらの提案の重合添加
剤でも無脱触・無抽出プロセスの実現は困難であり、さ
らに一層の改良が望まれていた。 【0004】 【課題を解決するための手段】 <要旨>そこで本発明者らは、無脱触・無抽出プロセス
を実現し得る程の高活性・高立体規則性重合添加剤を鋭
意探索してきた。その結果、驚くべきことに、環状脂肪
族炭化水素基を含有するケイ素化合物を用いることによ
り、高活性・高立体規則性重合を実現して、本発明に達
成した。 【0005】すなわち、本発明によるオレフィン重合体
の製造法は、オレフィン類を触媒の存在下に立体規則性
重合させてオレフィン重合体を製造する方法において、
該触媒が(A)ハロゲン化マグネシウムおよびハロゲン
化チタンを必須成分とする固体触媒成分、(B)有機ア
ルミニウム化合物および(C)式R1Si(OR3)3
で表わされる有機ケイ素化合物(式中、R1は炭素数5
〜12の環状脂肪族炭化水素基であり、R3はメチル基
である)から成る触媒であること、を特徴とするもので
ある。 【0006】<効果>本発明触媒によれば、ポリオレフ
ィンを高収率でしかも高立体規則性のものとして得るこ
とができる。 【0007】 【発明の実施の形態】 〔発明の具体的説明〕 <触媒>本発明による触媒は、特定の三成分、(A)、
(B)および(C)、からなるものである。固体触媒成分(A) 本発明に用いられる固体触媒成分(A)は、ハロゲン化
マグネシウムおよびハロゲン化チタンを必須成分として
含有するものである。 【0008】ハロゲン化マグネシウムとしては、塩化マ
グネシウム、臭化マグネシウムおよびヨウ化マグネシウ
ムを用いることができる。好ましくは塩化マグネシウム
であり、さらに実質的に無水であることが望ましい。 【0009】ハロゲン化チタンとしては、チタンの塩化
物、臭化物およびヨウ化物を用いることができる。好ま
しくは塩化物であり、四塩化チタン、三塩化チタンなど
を例示することができるが、特に好ましくは四塩化チタ
ンである。また、一般式Ti(OR)nCl4−n(R
はアルキル基)で表わされるようなアルコキシ基含有チ
タン化合物も用いることができる。 【0010】本発明の固体触媒成分を調製するにあた
り、各種の電子供与体を添加してもよく、また好ましく
もある。電子供与体としては、含酸素化合物および含窒
素化合物が挙げられる。 【0011】含酸素化合物としては、エーテル、ケトン
およびエステルを用いることができるが、好ましくはエ
ステルが使用される。 【0012】エステルとしては、主にカルボン酸エステ
ルが用いられ、脂肪族カルボン酸エステルとして、酢酸
エチル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソル
ブ、メタクリル酸メチル、シュウ酸ジエチル、マレイン
酸ジブチルなどを例示することができる。芳香族カルボ
ン酸エステルとしては、安息香酸エチル、p−トルイル
酸メチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジヘプチルなど
を例示することができる。これらのエステルの中で特に
好ましいのは、フタル酸ジエチル、フタル酸ジヘプチル
などのフタル酸エステルである。 【0013】固体触媒成分の調製にあたり、まず塩化マ
グネシウムの予備処理を行なうことが望ましい。これ
は、粉砕あるいは溶解・析出という手法を用いて実施す
ることができる。塩化マグネシウムの粉砕はボールミル
あるいは振動ミルを用いて行なうことができる。塩化マ
グネシウムの溶解は、溶媒に炭化水素あるいはハロゲン
化炭化水素を用い、溶解促進剤にアルコール、リン酸エ
ステル、あるいはチタンアルコキシドなどを用いて実施
することができる。溶解した塩化マグネシウムの析出
は、貧溶媒、無機ハロゲン化物、エステル等の電子供与
体あるいはメチルハイドロジェンポリシロキサンなどを
添加することにより実施することができる。塩化マグネ
シウムの活性化のためのこのような予備処理の詳細につ
いては、特開昭53−45688号、同54−3109
2号、同57−180612号、同58−5309号お
よび同58−5310号各公報を参照することができ
る。 【0014】予備処理された塩化マグネシウムとハロゲ
ン化チタンと電子供与体との接触は、ハロゲン化チタン
と電子供与体との錯体を形成させてからこの錯体と塩化
マグネシウムとを接触させることによっても、また塩化
マグネシウムとハロゲン化チタンとを接触させてから電
子供与体と接触させることによっても、塩化マグネシウ
ムと電子供与体とを接触させてからハロゲン化チタンと
接触させることによってもよい。 【0015】接触の方法としては、ボールミル、振動ミ
ルなどの粉砕接触でもよいし、あるいはハロゲン化チタ
ンの液相中に塩化マグネシウムまたは塩化マグネシウム
の電子供与体処理物を添加してもよい。 【0016】三成分ないし四成分接触後、あるいは各成
分接触の中間段階で、不活性溶媒による洗浄を行なって
もよい。 【0017】このようにして生成した固体触媒成分のハ
ロゲン化チタン含有量は、1〜20重量%、電子供与体
とハロゲン化チタンのモル比は0.05〜2.0、程度
である。 【0018】有機アルミニウム化合物(B) 本発明に用いられる有機アルミニウム化合物(B)とし
ては、トリアルキルアルミニウムが好ましい。トリアル
キルアルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリi−ブチルアル
ミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウムなどが挙げら
れる。特に好ましいのは、トリエチルアルミニウムであ
る。また、アルキルアルミニウムハライドやアルキルア
ルミニウムアルコキシドなどの有機アルミニウム化合物
を併用することもできる。 【0019】重合において用いられる有機アルミニウム
化合物(B)と固体触媒成分(A)中のハロゲン化チタ
ンとのモル比は、10〜1000の範囲が通常用いられ
る。 【0020】有機ケイ素化合物(C) 本発明に用いられる(C)成分は、一般式R1Si(O
R3)3で表わされる有機ケイ素化合物である。式中、
R1は炭素数5〜12の環状脂肪族炭化水素基であり、
R3はメチル基である。 【0021】以下は、成分(C)の具体例を構造式で示
したものである。 【0022】 【化1】 使用される有機ケイ素化合物と有機アルミニウム化合物
とのモル比は、通常0.01〜1.0、好ましくは0.
02〜0.5、程度である。 【0023】<重合>本発明の触媒系を用いるオレフィ
ン類の重合は、エチレン、プロピレン、およびブテンの
単独重合あるいはこれら各モノマーを組合せた共重合に
おいて好適に行なわれる。 【0024】重合は、不活性溶媒の存在下でも、あるい
は不存在下、すなわち気相あるいは液相の塊状重合で
も、実施できる。重合様式は、連続式でも回分式でもよ
い。重合体の分子量は、重合槽の水素濃度を制御するこ
とにより調節され得る。重合温度は、0〜200℃、好
ましくは50〜100℃、の範囲が選ばれる。重合圧力
は、1〜100気圧の範囲がふつうである。 【0025】 【実施例】実施例1 (1)固体触媒成分の調製 窒素置換した500ml内容積のガラス製三ツ口フラス
コ(温度計、撹拌棒付き)に、75mlの精製ヘプタ
ン、75mlのチタンテトラブトキシド、10gの無水
塩化マグネシウムを加える。その後、フラスコを90℃
に昇温し、2時間かけて塩化マグネシウムを完全に溶解
させる。次に、フラスコを40℃まで冷却し、メチルハ
イドロジェンポリシロキサン15mlを添加することに
より塩化マグネシウム・チタンテトラブトキシド錯体を
析出させる。これを精製ヘプタンで洗浄した後、四塩化
ケイ素8.7mlとフタル酸ジヘプチル1.8mlを加
え、50℃で2時間保持する。この後、精製ヘプタンで
洗浄し、さらに四塩化チタン25mlを加えて90℃で
2時間保持する。これを精製ヘプタンで洗浄して、固体
触媒成分を得た。固体触媒成分中のチタン含量は3.0
重量%、フタル酸ジヘプチル含量は25.0重量%であ
った。 【0026】(2)重 合 内容積3リットルのステンレス鋼製オートクレーブを窒
素置換し、精製ヘプタン1.5リットル、トリエチルア
ルミニウム(B)0.75g、シクロヘキシルトリメト
キシシラン(C)0.14gおよび上記固体触媒成分
(A)50mgを仕込み、水素を0.15kg/cm2
の分圧に相当する量仕込む。ついで、オートクレーブを
70℃に昇温したのち、プロピレンを7kg/cm2G
まで昇圧して重合を開始させ、この圧力を保つようにプ
ロピレンを補給しながら3時問重合を続けた。3時間
後、モノマーの導入を止め、未反応モノマーをパージす
ることにより重合を停止した。 【0027】生成重合体をヘプタンから濾別し、乾燥し
たところ、691gのポリプロピレン粉末が得られた。
濾液からヘプタンを加熱除去したところ、無定形重合体
2.1gが得られた。全重合体中の無定形重合体の割合
(以後、APP副生率という)は、0.30%であつ
た。 【0028】また、ポリプロピレン粉末の沸騰n−ヘプ
タン不溶分(以後、P−IIという)は98.1%であ
った。固体触媒当たりの重合体収量(以後、CYとい
う)は13835であった。MFR(メルトフローイン
デックス:ASTM−D−1238に準じて測定し
た。)は1.87、嵩比重は0.46であった。 【0029】比較例1 固体触媒成分は実施例1と同様に調製し、重合添加剤
(C)としてジメチルジメトキシシラン0.08gを用
いること以外は実施例1と同様に重合を行なった。その
結果、352.1gのポリプロピレン粉末が得られ、A
PP副生率は6.31%であった。P−IIは85.4
%、CYは7515、MFRは11.31、嵩比重は
0.35であった。 【0030】比較例2 固体触媒成分は実施例1と同様に調製し、重合添加剤
(C)としてn−ヘキシルトリメトキシシラン0.14
gを用いること以外は実施例1と同様に重合を行なっ
た。その結果、416.8gのポリプロピレン粉末が得
られ、APP副生率は1.43%であった。P−IIは
96.3%、CYは8454、MFRは5.52、嵩比
重は0.44であった。 【0031】比較例3〜4 固体触媒成分は、実施例1と同様に調製し、重合添加剤
(C)として表1記載の化合物を用いること以外は実施
例1と同様に重合を行なった。その結果を表1に示す。 【0032】 【表1】 【0033】比較例5〜7 固体触媒成分は、実施例1と同様に調製し、重合時に使
用する有機アルミニウム化合物(B)及び重合添加剤
(C)としてそれぞれ表2記載の化合物を用いること以
外は実施例1と同様に重合を行なった。その結果を表2
に示す。 【0034】 【表2】【0035】 【発明の効果】本発明触媒によれば、ポリオレフィンを
高収率でしかも高立体規則性のものとして得ることがで
きることは、「課題を解決するための手段」の項におい
て前記したところである。
の製造法に関する。さらに詳しくは、本発明は、特定の
触媒の使用によって炭素数3以上のα−オレフィンの重
合に適用した場合に、高立体規則性重合体を高収量で得
ることのできるオレフィン重合体の製造法に関する。 【0002】 【従来の技術】これまで、ハロゲン化マグネシウムにチ
タン化合物を担持させた固体触媒成分と有機アルミニウ
ム化合物とから成る触媒系は、従来の触媒系に比べて重
合活性が高く、重合体から触媒残渣を除去する必要が無
くなる可能性があると言われてきた。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この担
体型触媒は立体規則性が低くて、抽出工程の省略は不可
能とされてきたが、近年、助触媒系の改良によってかな
り立体規則性が改善されてきた。重合添加剤としてエス
テル類(特公昭56−39767号、特開昭58−15
7808号公報など)およびフェニル基あるいはアルキ
ル基含有ケイ素化合物(特開昭57−63310号、特
開昭57−63311号公報など)を用いることによっ
て、ある程度の高活性・高立体規則性重合が可能である
ことが知られている。しかし、これらの提案の重合添加
剤でも無脱触・無抽出プロセスの実現は困難であり、さ
らに一層の改良が望まれていた。 【0004】 【課題を解決するための手段】 <要旨>そこで本発明者らは、無脱触・無抽出プロセス
を実現し得る程の高活性・高立体規則性重合添加剤を鋭
意探索してきた。その結果、驚くべきことに、環状脂肪
族炭化水素基を含有するケイ素化合物を用いることによ
り、高活性・高立体規則性重合を実現して、本発明に達
成した。 【0005】すなわち、本発明によるオレフィン重合体
の製造法は、オレフィン類を触媒の存在下に立体規則性
重合させてオレフィン重合体を製造する方法において、
該触媒が(A)ハロゲン化マグネシウムおよびハロゲン
化チタンを必須成分とする固体触媒成分、(B)有機ア
ルミニウム化合物および(C)式R1Si(OR3)3
で表わされる有機ケイ素化合物(式中、R1は炭素数5
〜12の環状脂肪族炭化水素基であり、R3はメチル基
である)から成る触媒であること、を特徴とするもので
ある。 【0006】<効果>本発明触媒によれば、ポリオレフ
ィンを高収率でしかも高立体規則性のものとして得るこ
とができる。 【0007】 【発明の実施の形態】 〔発明の具体的説明〕 <触媒>本発明による触媒は、特定の三成分、(A)、
(B)および(C)、からなるものである。固体触媒成分(A) 本発明に用いられる固体触媒成分(A)は、ハロゲン化
マグネシウムおよびハロゲン化チタンを必須成分として
含有するものである。 【0008】ハロゲン化マグネシウムとしては、塩化マ
グネシウム、臭化マグネシウムおよびヨウ化マグネシウ
ムを用いることができる。好ましくは塩化マグネシウム
であり、さらに実質的に無水であることが望ましい。 【0009】ハロゲン化チタンとしては、チタンの塩化
物、臭化物およびヨウ化物を用いることができる。好ま
しくは塩化物であり、四塩化チタン、三塩化チタンなど
を例示することができるが、特に好ましくは四塩化チタ
ンである。また、一般式Ti(OR)nCl4−n(R
はアルキル基)で表わされるようなアルコキシ基含有チ
タン化合物も用いることができる。 【0010】本発明の固体触媒成分を調製するにあた
り、各種の電子供与体を添加してもよく、また好ましく
もある。電子供与体としては、含酸素化合物および含窒
素化合物が挙げられる。 【0011】含酸素化合物としては、エーテル、ケトン
およびエステルを用いることができるが、好ましくはエ
ステルが使用される。 【0012】エステルとしては、主にカルボン酸エステ
ルが用いられ、脂肪族カルボン酸エステルとして、酢酸
エチル、酢酸メチルセロソルブ、酢酸エチルセロソル
ブ、メタクリル酸メチル、シュウ酸ジエチル、マレイン
酸ジブチルなどを例示することができる。芳香族カルボ
ン酸エステルとしては、安息香酸エチル、p−トルイル
酸メチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジヘプチルなど
を例示することができる。これらのエステルの中で特に
好ましいのは、フタル酸ジエチル、フタル酸ジヘプチル
などのフタル酸エステルである。 【0013】固体触媒成分の調製にあたり、まず塩化マ
グネシウムの予備処理を行なうことが望ましい。これ
は、粉砕あるいは溶解・析出という手法を用いて実施す
ることができる。塩化マグネシウムの粉砕はボールミル
あるいは振動ミルを用いて行なうことができる。塩化マ
グネシウムの溶解は、溶媒に炭化水素あるいはハロゲン
化炭化水素を用い、溶解促進剤にアルコール、リン酸エ
ステル、あるいはチタンアルコキシドなどを用いて実施
することができる。溶解した塩化マグネシウムの析出
は、貧溶媒、無機ハロゲン化物、エステル等の電子供与
体あるいはメチルハイドロジェンポリシロキサンなどを
添加することにより実施することができる。塩化マグネ
シウムの活性化のためのこのような予備処理の詳細につ
いては、特開昭53−45688号、同54−3109
2号、同57−180612号、同58−5309号お
よび同58−5310号各公報を参照することができ
る。 【0014】予備処理された塩化マグネシウムとハロゲ
ン化チタンと電子供与体との接触は、ハロゲン化チタン
と電子供与体との錯体を形成させてからこの錯体と塩化
マグネシウムとを接触させることによっても、また塩化
マグネシウムとハロゲン化チタンとを接触させてから電
子供与体と接触させることによっても、塩化マグネシウ
ムと電子供与体とを接触させてからハロゲン化チタンと
接触させることによってもよい。 【0015】接触の方法としては、ボールミル、振動ミ
ルなどの粉砕接触でもよいし、あるいはハロゲン化チタ
ンの液相中に塩化マグネシウムまたは塩化マグネシウム
の電子供与体処理物を添加してもよい。 【0016】三成分ないし四成分接触後、あるいは各成
分接触の中間段階で、不活性溶媒による洗浄を行なって
もよい。 【0017】このようにして生成した固体触媒成分のハ
ロゲン化チタン含有量は、1〜20重量%、電子供与体
とハロゲン化チタンのモル比は0.05〜2.0、程度
である。 【0018】有機アルミニウム化合物(B) 本発明に用いられる有機アルミニウム化合物(B)とし
ては、トリアルキルアルミニウムが好ましい。トリアル
キルアルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミ
ニウム、トリエチルアルミニウム、トリi−ブチルアル
ミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウムなどが挙げら
れる。特に好ましいのは、トリエチルアルミニウムであ
る。また、アルキルアルミニウムハライドやアルキルア
ルミニウムアルコキシドなどの有機アルミニウム化合物
を併用することもできる。 【0019】重合において用いられる有機アルミニウム
化合物(B)と固体触媒成分(A)中のハロゲン化チタ
ンとのモル比は、10〜1000の範囲が通常用いられ
る。 【0020】有機ケイ素化合物(C) 本発明に用いられる(C)成分は、一般式R1Si(O
R3)3で表わされる有機ケイ素化合物である。式中、
R1は炭素数5〜12の環状脂肪族炭化水素基であり、
R3はメチル基である。 【0021】以下は、成分(C)の具体例を構造式で示
したものである。 【0022】 【化1】 使用される有機ケイ素化合物と有機アルミニウム化合物
とのモル比は、通常0.01〜1.0、好ましくは0.
02〜0.5、程度である。 【0023】<重合>本発明の触媒系を用いるオレフィ
ン類の重合は、エチレン、プロピレン、およびブテンの
単独重合あるいはこれら各モノマーを組合せた共重合に
おいて好適に行なわれる。 【0024】重合は、不活性溶媒の存在下でも、あるい
は不存在下、すなわち気相あるいは液相の塊状重合で
も、実施できる。重合様式は、連続式でも回分式でもよ
い。重合体の分子量は、重合槽の水素濃度を制御するこ
とにより調節され得る。重合温度は、0〜200℃、好
ましくは50〜100℃、の範囲が選ばれる。重合圧力
は、1〜100気圧の範囲がふつうである。 【0025】 【実施例】実施例1 (1)固体触媒成分の調製 窒素置換した500ml内容積のガラス製三ツ口フラス
コ(温度計、撹拌棒付き)に、75mlの精製ヘプタ
ン、75mlのチタンテトラブトキシド、10gの無水
塩化マグネシウムを加える。その後、フラスコを90℃
に昇温し、2時間かけて塩化マグネシウムを完全に溶解
させる。次に、フラスコを40℃まで冷却し、メチルハ
イドロジェンポリシロキサン15mlを添加することに
より塩化マグネシウム・チタンテトラブトキシド錯体を
析出させる。これを精製ヘプタンで洗浄した後、四塩化
ケイ素8.7mlとフタル酸ジヘプチル1.8mlを加
え、50℃で2時間保持する。この後、精製ヘプタンで
洗浄し、さらに四塩化チタン25mlを加えて90℃で
2時間保持する。これを精製ヘプタンで洗浄して、固体
触媒成分を得た。固体触媒成分中のチタン含量は3.0
重量%、フタル酸ジヘプチル含量は25.0重量%であ
った。 【0026】(2)重 合 内容積3リットルのステンレス鋼製オートクレーブを窒
素置換し、精製ヘプタン1.5リットル、トリエチルア
ルミニウム(B)0.75g、シクロヘキシルトリメト
キシシラン(C)0.14gおよび上記固体触媒成分
(A)50mgを仕込み、水素を0.15kg/cm2
の分圧に相当する量仕込む。ついで、オートクレーブを
70℃に昇温したのち、プロピレンを7kg/cm2G
まで昇圧して重合を開始させ、この圧力を保つようにプ
ロピレンを補給しながら3時問重合を続けた。3時間
後、モノマーの導入を止め、未反応モノマーをパージす
ることにより重合を停止した。 【0027】生成重合体をヘプタンから濾別し、乾燥し
たところ、691gのポリプロピレン粉末が得られた。
濾液からヘプタンを加熱除去したところ、無定形重合体
2.1gが得られた。全重合体中の無定形重合体の割合
(以後、APP副生率という)は、0.30%であつ
た。 【0028】また、ポリプロピレン粉末の沸騰n−ヘプ
タン不溶分(以後、P−IIという)は98.1%であ
った。固体触媒当たりの重合体収量(以後、CYとい
う)は13835であった。MFR(メルトフローイン
デックス:ASTM−D−1238に準じて測定し
た。)は1.87、嵩比重は0.46であった。 【0029】比較例1 固体触媒成分は実施例1と同様に調製し、重合添加剤
(C)としてジメチルジメトキシシラン0.08gを用
いること以外は実施例1と同様に重合を行なった。その
結果、352.1gのポリプロピレン粉末が得られ、A
PP副生率は6.31%であった。P−IIは85.4
%、CYは7515、MFRは11.31、嵩比重は
0.35であった。 【0030】比較例2 固体触媒成分は実施例1と同様に調製し、重合添加剤
(C)としてn−ヘキシルトリメトキシシラン0.14
gを用いること以外は実施例1と同様に重合を行なっ
た。その結果、416.8gのポリプロピレン粉末が得
られ、APP副生率は1.43%であった。P−IIは
96.3%、CYは8454、MFRは5.52、嵩比
重は0.44であった。 【0031】比較例3〜4 固体触媒成分は、実施例1と同様に調製し、重合添加剤
(C)として表1記載の化合物を用いること以外は実施
例1と同様に重合を行なった。その結果を表1に示す。 【0032】 【表1】 【0033】比較例5〜7 固体触媒成分は、実施例1と同様に調製し、重合時に使
用する有機アルミニウム化合物(B)及び重合添加剤
(C)としてそれぞれ表2記載の化合物を用いること以
外は実施例1と同様に重合を行なった。その結果を表2
に示す。 【0034】 【表2】【0035】 【発明の効果】本発明触媒によれば、ポリオレフィンを
高収率でしかも高立体規則性のものとして得ることがで
きることは、「課題を解決するための手段」の項におい
て前記したところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】チーグラー触媒に関する本発明の技術内容の理
解を助けるためものである。
解を助けるためものである。
─────────────────────────────────────────────────────
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(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
C08F 4/64 - 4/658
C08F 10/00 - 10/14
C08F 110/00 - 110/14
C08F 210/00 - 210/18
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.オレフィン類を触媒の存在下に立体規則性重合させ
てオレフィン重合体を製造する方法において、該触媒が
(A)ハロゲン化マグネシウムおよびハロゲン化チタン
を必須成分とする固体触媒成分、(B)有機アルミニウ
ム化合物および(C)式R1Si(OR3)3で表わさ
れる有機ケイ素化合物から成る触媒であることを特徴と
する、オレフィン重合体の製造法(式中、R1は炭素数
5〜12の環状脂肪族炭化水素基であり、R3はメチル
基である)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31314297A JP2837403B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | オレフィン重合体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31314297A JP2837403B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | オレフィン重合体の製造法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59201347A Division JPH07651B2 (ja) | 1984-09-26 | 1984-09-26 | オレフイン重合体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10147612A JPH10147612A (ja) | 1998-06-02 |
JP2837403B2 true JP2837403B2 (ja) | 1998-12-16 |
Family
ID=18037615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31314297A Expired - Lifetime JP2837403B2 (ja) | 1997-11-14 | 1997-11-14 | オレフィン重合体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2837403B2 (ja) |
-
1997
- 1997-11-14 JP JP31314297A patent/JP2837403B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10147612A (ja) | 1998-06-02 |
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Legal Events
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EXPY | Cancellation because of completion of term |