JPH0723405B2 - プロピレン重合体の製造法 - Google Patents

プロピレン重合体の製造法

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JPH0723405B2
JPH0723405B2 JP60054839A JP5483985A JPH0723405B2 JP H0723405 B2 JPH0723405 B2 JP H0723405B2 JP 60054839 A JP60054839 A JP 60054839A JP 5483985 A JP5483985 A JP 5483985A JP H0723405 B2 JPH0723405 B2 JP H0723405B2
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浩一 加藤
秀雄 桜井
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三菱油化株式会社
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、プロピレン重合体の製造法に関する。さらに
詳しくは、本発明は、特定の触媒の使用によってプロピ
レンの単独重合または共重合に適用した場合に高立体規
則性重合体を高収量で得ることのできるプロピレン重合
体の製造法に関する。
これまで、ハロゲン化マグネシウムにチタン化合物を担
持させた固体触媒成分と有機アルミニウム化合物とから
成る触媒系は、従来の触媒系に比べて重合活性が高いの
で重合体から触媒残渣を除去する必要が無くなる可能性
があると言われてきた。
しかしながら、この担持型触媒は立体規則性が低くて、
副成アタクチックポリマーの抽出工程の省略は不可能と
されてきた。
先行技術 近年、触媒系の改良によって、担持型触媒についても立
体規則性がかなり改善されてきた。そのような改良の一
つとして、固体触媒成分の調製時にカルボン酸エステル
を用いることにより、ある程度の高活性・高立体規則性
重合が可能であることが知られている(特公昭52−3678
6号、特公昭52−36913号、特公昭52−50037号公報な
ど)。しかし、これらの提案によっても無脱触・無抽出
プロセスの実現は困難であり、さらに一層の改良が望ま
れていた。
発明の概要 要旨 そこで本発明者らは、無脱触・無抽出プロセスを実現し
得る程の高活性・高立体規則性触媒を鋭意探索してき
た。その結果、驚くべきことに、固体触媒成分中にイオ
ウ−酸素二重結合含有化合物を存在させることにより、
高活性・高立体規則性重合を実現して、本発明に到達し
た。
すなわち、本発明によるプロピレン重合体の製造法は、
触媒の存在下、プロピレンを単独重合または共重合させ
てプロピレン重合体を製造する方法において、該触媒
が、(A)ハロゲン化マグネシウムを炭化水素溶媒に溶
解させたのち析出させ、得られた固体を四ハロゲン化チ
タンおよびイオウ−酸素二重結合含有芳香族化合物と接
触させて得られる固体触媒成分と、(B)有機アルミニ
ウム化合物と(C)アルコキシ基含有有機ケイ素化合物
およびエーテルから選ばれる電子供与性化合物とからな
るものであること、を特徴とするものである。
効果 本発明触媒によれば、プロピレン重合体を高収率でしか
も高立体規則性のものとして得ることができる。
発明の具体的説明 触 媒 本発明による触媒は、特定の三成分、(A)、(B)、
(C)、からなるものである。
固体触媒成分(A) 本発明に用いられる固体触媒成分(A)は、ハロゲン化
マグネシウムを炭化水素溶媒に溶解したのち析出させ、
得られた固体を四ハロゲン化チタンおよびイオウ−酸素
二重結合含有芳香族化合物と接触させて得られる固体で
ある。
(1) ハロゲン化マグネシウム ハロゲン化マグネシウムとしては、塩化マグネシウム、
臭化マグネシウムおよびヨウ化マグネシウムを用いるこ
とができる。好ましいのは塩化マグネシウムであり、さ
らにこれは実質的に無水であることが望ましい。
(2) 四ハロゲン化チタン 四ハロゲン化チタンとしては、TiX4(但し、Xは塩素、
臭素、ヨウ素などのハロゲン)で表わされるような化合
物であり、四塩化チタンが好ましいものである。
(3) S=O化合物 イオウ−酸素二重結合含有芳香族化合物としては、スル
ホキシド、スルホン、スルホハライド、スルホン酸エス
テルなどが挙げられる。
この化合物はイオウが6価のものが好ましく、従ってこ
の好ましい化合物の一つの具体例は下式で示されるもの
である。
ここで、R1は非置換または置換芳香族炭化水素残基(特
に、炭化水素部分が炭素数6〜20程度のフェニル、メチ
ルフェニルまたはナフチルであるもの、また置換基部分
がニトロ、ハロおよびアシル(C1〜C10脂肪族アシルな
らびにベンゾイルおよびメチルベンゾイル)であるも
の)、R2はR1と同一または異なる非置換または置換脂肪
族または芳香族炭化水素残基(その内容についてはR1
照)、ハロ(特に、塩素、臭素およびヨウ素)、または
OR3(R3はR1および(またはR2)と同一または異なる非
置換または置換脂肪族または芳香族炭化水素残基、特に
C1〜C10脂肪族)である。R1とR2とは相互に結合して環
を形成していてもよく、またR1を複数個持つ場合を包含するものとする。
スルホンとしてはジフェニルスルホン、フェニルメチル
スルホン、などを例示することができる。スルホハライ
ドとしては、ベンゼンスルホニルクロリド、ベンゼンス
ルホニルブロミド、m−ベンゼンジスルホニルクロリ
ド、o−ベンゼンスルホニルクロリド、などを例示する
ことができる。スルホン酸エステルとしてはベンゼンス
ルホン酸n−ブチル、ベンゼンスルホン酸エチル、m−
ベンゼンジスルホン酸ジn−ブチル、o−ベンゼンジス
ルホン酸ジエチル、などを例示することができる。置換
基のついたものとしては、o−ニトロベンゼンスルホニ
ルクロリド、o−ニトロベンゼンスルホン酸イソブチ
ル、o−アセチルベンゼンスルホン酸エチル、m−ベン
ゾイルベンゼンスルホニルクロリドなどを例示すること
ができる。
以上のイオウ−酸素二重結合含有芳香族化合物のうち、
好ましいものはスルホハライド、およびスルホン酸エス
テル(有機基に置換基のついたものを包含する)であ
る。
(3) 固体触媒成分(A)の調製 固体触媒成分(A)の調製は、塩化マグネシウムの溶解
・析出という手法を用いて実施する。塩化マグネシウム
の溶解は、溶媒に炭化水素あるいはハロゲン化炭化水素
を用い、溶解促進剤にアルコール、リン酸エステルある
いはチタンアルコキシドなどを用いて実施することがで
きる。溶解した塩化マグネシウムの析出は、貧溶媒、無
機ハロゲン化物、電子供与体(エステル等)あるいはメ
チルハイドロジエンポリシロキサンなどを添加すること
により実施することができる。塩化マグネシウムのこの
ような予備処理の詳細については特開昭53−45688号、
同54−31092号、同57−180612号、同58−5309号および
同58−5310号各公報を参照することができる。
前記のように溶解・析出させて得られた固体とハロゲン
化チタンとイオウ−酸素二重結合含有芳香族化合物との
接触の順序は、ハロゲン化チタンとイオウ−酸素二重結
合含有芳香族化合物の錯体を形成させてから、この錯体
と前記溶解・析出させて得られた固体とを接触させるこ
とによっても、また前記溶解・析出させて得られた固体
とハロゲン化チタンを接触させるからイオウ−酸素二重
結合含有芳香族化合物と接触させることによっても、前
記溶解・析出させて得られた固体とイオウ−酸素二重結
合含有芳香族化合物とを接触させてからハロゲン化チタ
ンと接触させることによってもよい。
接触の方法としては、各成分を一時にあるいは段階的に
混合してボールミル、振動ミルなどで粉砕する方法、あ
るいはハロゲン化チタンの液相中に前記溶解・析出させ
て得られた固体または前記溶解・析出させて得られた固
体をイオウ−酸素二重結合含有芳香族化合物で処理した
ものを添加する方法、がある。
三成分ないし四成分接触後、あるいは各成分接触の中間
段階で、不活性溶媒による洗浄を行なってもよい。
このようにして生成した固体触媒成分のハロゲン化チタ
ン含有量は、1〜20重量%、イオウ−酸素二重結合含有
芳香族化合物とハロゲン化チタンのモル比は0.01〜3.0
程度である。
有機アルミニウム化合物(B) 本発明に用いられる有機アルミニウム化合物(B)とし
ては、トリアルキルアルミニウムが好ましい。トリアル
キルアルミニウムとしては、例えばトリメチルアルミニ
ウム、トリエチルアルミニウム、トリi−ブチルアルミ
ニウム、トリn−ヘキシルアルミニウムなどが挙げられ
る。特に好ましいのは、トリエチルアルミニウムであ
る。また、アルキルアルミニウムハライドやアルキルア
ルミニウムアルコキシドなどの有機アルミニウム化合物
を併用することもできる。
重合において用いられる有機アルミニウム化合物(B)
と固体触媒(A)中のハロゲン化チタンとのモル比は、
10〜1000の範囲が通常用いられる。
電子供与性化合物(C) 本発明に用いられる電子供与性化合物(C)としては、
アルコキシ基含有有機ケイ素化合物およびエーテルから
選ばれる化合物である。
有機ケイ素化合物としては、アルコキシ基(炭素数1〜
4程度)を持ったものが好ましく、フェニルトリエトキ
シシラン、ジフェニルジメトキシシラン、2−ノルボル
ナントリメトキシシラン、5−エチリデン−2−ノルボ
ルナントリエトキシシラン、tert−ブチルトリエトキシ
シラン、テトラエトキシシランなどが挙げられる。これ
らのうち、アルコキシ基が2個ないし3個のものが特に
好ましい。
エーテルとしては、一般式 R1R2R3COR4またはR1R2C(OR4で表わされる化合物が
挙げられる。式中R1は芳香族炭化水素(特に、フェニル
またはメチルフェニル)あるいは環状脂肪族炭化水素
(特に炭素数1〜10)であり、R2、R3およびR4は炭化水
素基である。具体例としては、α−クミルメチルエーテ
ル、α−クミルエチルエーテル、1,1−ジフェニルエチ
ルメチルエーテル、1,1−ジフェニルエチルエチルエー
テル、α−クミル第三ブチルエーテル、ジα−クミルエ
ーテル、1,1−ジトリルエチルメチルエーテル、1,1ジト
リルエチルエチルエーテル、ビス(1,1−ジトリルエチ
ル)エーテル、1−トリル−1−メチルエチルメチルエ
ーテル、フェニルメチルジメトキシメタン、ジフェニル
ジメトキシメタン、トリルメチルジエトキシメタン、2
−ノルボルナンメチルジメトキシメタン、ビス(2−ノ
ルボルナン)ジメトキシメタン、5−エチリデン−2−
ノルボルナンメチルジメトキシメタンなどを挙げること
ができる。その他のエーテルとしては、1,8−シネオー
ル、1,4−シネオール、メタ−シネオールなどを挙げる
ことができる。
使用される電子供与性化合物(C)と有機アルミニウム
化合物(B)とのモル比は、通常0.01〜1.0、好ましく
は0.02〜0.5である。
重 合 本発明の触媒系を用いるプロピレンの重合は、プロピレ
ンの単独重合またはプロピレンとエチレン、ブテンなど
のオレフィンとの共重合において好適に行なわれる。
重合は不活性溶媒の存在下でも、あるいは不存在下すな
わち気相あるいは液相の塊状重合でも、実施できる。重
合様式は、連続式でも回分式でもよい。重合体の分子量
は、重合槽の水素濃度を制御することにより調節され得
る。重合温度は0〜200℃、好ましくは50〜100℃、の範
囲が選ばれる。重合圧力は、1〜100気圧の範囲がふつ
うである。
実 験 例 実施例−1 1) チタン含有固体触媒成分の製造 充分に窒素置換した300mlフラスコに、脱水および脱酸
素したn−ヘプタン50mlを導入し、次いでMgCl2(塩化
マグネシウム)を0.1モル、Ti(OBu)(テトラブトキ
シチタン)を0.2モル導入後、90℃にて2時間反応させ
て、MgCl2の炭化水素溶液を調製した。次いで、メチル
ハイドロジエンポリシロキサン(20cps)を12ml加えて4
0℃で3時間反応させたところ、約40gの灰白色の固体が
析出した。この析出固体をn−ヘプタンで充分に洗浄し
て分析したところ、この析出固体には12.1重量%のMgCl
2が含まれていた。
この析出固体から20g(MgCl2=2.43g)をサンプリング
して、SiCl4(四塩化ケイ素)7.5mlおよびo−ニトロベ
ンゼンスルホニルクロリド0.997gを加えて反応させた
(n−ヘプタン70mlの溶媒中で30℃/1時間、次いで70℃
/1時間)。反応終了後、生成物をn−ヘプタンで洗浄
し、得られた固体生成物のn−ヘプタンスラリー中へTi
Cl4(四塩化チタン)25mlを加えて90℃にて1時間処理
を行ない、上澄み液を除去後、再び同一条件でのTiCl4
との接触処理を行なった。この処理後、デカンテーショ
ンにより固体を洗浄して(nヘプタン200mlで5回)、
目的とするチタン含有固体触媒成分(A)スラリーを得
た。このスラリーの一部をサンプリングしてn−ヘプタ
ンを蒸発乾固後に分析したところ、固体中には4.78重量
%のチタンが含まれていることが判った。
2) プロピレンの重合 内容積3リットルの攪拌装置を備えたオートクレーブ
に、乾燥および脱気したn−ヘプタン1.5リットル、フ
ェニルトリエトキシシラン(C)320mg、トリエチルア
ルミニウム(B)750mgおよび上記固体触媒成分(A)
スラリーより固体触媒成分で50mgをプロピレン雰囲気下
でこの順序で導入し、水素200mlを加えて重合を開始し
た。重合は、プロピレン圧力7Kg/cm2G、70℃/3時間の条
件で行なった。重合終了後、残存モノマーをパージし、
ポリマースラリーを別して粉体ポリマーの乾燥および
液の濃縮によりそれぞれの生成ポリマー量を求めた。
この粉体ポリマーの立体規則性(以下製品IIという)
は、沸騰n−ヘプタン抽出試験により求めた。また、全
II(全生成ポリマー量に対する沸騰n−ヘプタン不溶性
ポリマー量の割合)は、全II=粉体ポリマー量×製品II
/(粉体ポリマー量+液濃縮ポリマー量)なる関係式
で求めた。結果は、表−1に記す通りであった。
実施例−2〜6 チタン含有固体触媒成分の製造に際して、成分(A)で
定義されているイオウ−酸素二重結合含有芳香族化合物
の種類を変える以外は実施例−1と同一の条件、方法に
て固体触媒成分(A)を製造し、プロピレンの重合を行
った。結果は、表−1に記す通りであった。
実施例−7〜10 実施例−1を繰返したが、成分(C)で定義されている
電子供与性化合物をフェニルトリエトキシシランから表
−2に示されている化合物に変えて使用した。重合試験
の結果は、表−2に記す通りであった。
比較例−1、2 チタン含有固体触媒成分(A)の製造に際して、成分
(A)で定義されているイオウ−酸素二重結合含有芳香
族化合物を全く使用しないかあるいは公知の電子供与化
合物を用いること以外はすべて実施例−1と同一条件、
方法にて行った。結果は、表−3に記す通りであった。
比較例−3(特開昭59−129206号の比較例4の追試) 特開昭59−129206号の比較例4と同様に、無水塩化マグ
ネシウムおよびジフェニルスルホンをボールミル中で共
粉砕し、さらに四塩化チタンおよび1,2−ジクロロエタ
ンと反応させて固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分を使用した以外は実施例−5と同
様にプロピレンの重合を行った。結果を表−4に実施例
−5と併せて示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、チーグラー触媒に関する本発明の技術内容の
理解を助けるためのものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の存在下、プロピレンを単独重合また
    は共重合させてプロピレン重合体を製造する方法におい
    て、該触媒が、(A)ハロゲン化マグネシウムを炭化水
    素溶媒に溶解させたのち析出させ、得られた固体を四ハ
    ロゲン化チタンおよびイオウ−酸素二重結合含有芳香族
    化合物と接触させて得られる固体触媒成分と、(B)有
    機アルミニウム化合物と(C)アルコキシ基含有有機ケ
    イ素化合物およびエーテルから選ばれる電子供与性化合
    物とからなるものであることを特徴とする、プロピレン
    重合体の製造法。
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