JP2837216B2 - 石膏ボード貼りパネルによる小壁の取付構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、プレハブ住宅等のような、主としてパネ
ルの接合によって建築物の躯体を形成する方式の工業化
住宅に好適に適用される石膏ボード貼りパネルによる小
壁の取付構造に関する。

［従来の技術］ 一般に、一戸建てプレハブ住宅等の工業化住宅では、
その躯体や外装および内装関係の部材等を規格化するこ
とによって現場での施工作業の省力化や簡略化が図られ
ている。そして近年では、壁や間仕切等を、工場等で予
め内装下地を形成してなるパネルを用いることによっ
て、現場ではこれらのパネルを突き合わせて接合するだ
けの作業で躯体を形成するといった施工法が採り入れら
れている。

ところで、このような一戸建てプレハブ住宅等におい
て、壁や間仕切に窓や出入口となる開口部を形成する場
合には、一般に第７図に示すような小壁となる小壁パネ
ルを利用する方法が用いられている。

第７図は、Ｌ字型に曲げて形成された間仕切の角部付
近に、出入口となる開口部が形成された例を示すもの
で、この出入口となる部位の上部に小壁パネルが取り付
けられている。

図中符号１が、小壁となる小壁パネルであり、間仕切
となる間仕切パネル2,3の間の上端部に取り付けられて
おり、この小壁パネル１の下部には、窓や出入口となる
開口部４が形成されている。ここで、間仕切パネル2,3
および小壁パネル１には、いずれも、芯材等が矩形輪郭
に組まれてなる枠体1a,2a,3aの表面に合板が貼着され、
その表面に現場で石膏ボード1b,2b,3bが貼設されてなる
パネルが用いられている。

小壁パネル１は、その一方の端面が間仕切パネル２の
端面に突き合わされるように配設されてほぼ真直ぐに接
合されるとともに、他方の端部は、一方の面に貼られた
石膏ボード1aがこの端部の側辺に沿って矩形状にカット
され、このカット部分に別の間仕切パネル３の端面が突
き合わされるように配設されて、ほぼ直角に接合されて
いる。

また小壁パネル１の下端面は、前記間仕切パネル2,3
の端面に沿って配設された半割材5,6によって支えられ
ている。また小壁パネル１が間仕切パネル３と直角に突
き合わされて形成された段部には、この段部の幅と奥行
きを埋める大きさの角型調整材７が設けられている。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、前述のような、従来のパネルによる小壁の
取付構造では、小壁パネル１を間仕切パネル2,3の端面
に突き合わすようにして両者が接合されているので、十
分な接合耐力を得ることが難しい。したがってこの接合
耐力を補うためには、前記のような半割材5,6の使用に
よって小壁パネル１の下端面を支えることが必要であ
る。ところが、このような半割材5,6を使用すると、そ
れだけ多くの種類の部材を用意しなくてはならず、取り
付け作業性が悪くなるうえ、費用の増大を招く問題があ
る。

また、小壁パネル１と間仕切パネル３とを直角に接合
する部位においては、前述のように、小壁パネル１の表
面に貼られた石膏ボード1bの側部を、前記接合部位に対
応してカットする作業を現場で行わなくてはならず、現
場に石膏ボード1bの切り屑が出るうえ、石膏ボード貼り
パネルの仕上げ品質を維持することが難しいという問題
もある。

本発明は、このような種々の問題点に鑑みてなされた
ものであり、少ない種類の部材で、簡単に高い接合耐力
を得ることができ、内装下地の現場施工を実質的に省略
することのできるような石膏ボード貼りパネルによる小
壁の取付構造を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、矩形輪郭に組まれた枠体の表面に、少なく
とも一つの側部に沿う矩形状の部分を残して石膏ボード
が貼られるとともに、前記石膏ボードの貼られていない
矩形状の部分に、少なくとも上端部に沿う一部を残して
接合板が貼られてなる壁パネルの、前記石膏ボードおよ
び接合板の貼られていない窪み部分に、矩形輪郭に組ま
れた枠体の表面に石膏ボードが貼られるとともに、端面
の少なくとも上端部に、上辺に沿う矩形状の接合板が貼
られてなる小壁パネルの該接合板を嵌め込んだことによ
って、前記壁パネルと小壁パネルとを接合したこと、 あるいは、矩形輪郭に組まれた枠体の表面に石膏ボー
ドが貼られてなる壁パネルの端面に、少なくとも一つの
面にその上辺に沿う矩形状の部分を残して接合板が貼ら
れてなる正角パネルを接合するとともに、該正角パネル
の接合板の貼られていない窪み部分に、矩形輪郭に組ま
れた枠体の表面に石膏ボードが貼られるとともに、端面
の少なくとも上端部に、上辺に沿う矩形状の接合板が貼
られてなる小壁パネルの該接合面を嵌め込んだことによ
って、前記壁パネルと小壁パネルとを、前記正角パネル
を介して接合したことを解決手段とした。

［作用］ 前記構成の石膏ボード貼りパネルによる小壁の取付構
造によれば、小壁パネルの端面上部に貼り付けられた接
合板を、壁パネルの表面あるいは正角パネルの端面上部
に設けられた窪み部分に嵌め込んで接合するだけの簡単
な取付作業によって、両者を高い接合耐力で接合するこ
とができ、仕上げ品質の向上を図ることができる。また
この取付構造によれば、小壁パネルを支える半割材が不
要である。

［実施例］ 以下、本発明を図面に基づいて説明する。

第１図は、請求項１に記載した石膏ボード貼りパネル
による小壁の取付構造の一実施例を示すものである。

図中符号10が、外壁となる外壁パネルである。この外
壁パネル10は、第２図に示したような枠体11と、第３図
に示すように該枠体11の一方の面に貼り合わされた石膏
ボード12と接合板13と、他方の面に貼り合わされた裏面
用合板14とを有してなるものである。枠体11は、第２図
に示すように、芯材11a,11b,11c,11dを矩形輪郭に組
み、さらに縦に補強用芯材11eを設けるとともに、上側
の芯材11aに対し所定の間隔をおいて該芯材11aと平行に
受け芯材11fを配設し、一方の側の芯材11bに対し所定の
間隔において該芯材11bと平行に受け芯材11gを配設した
ものである。またこの枠体11には、芯材11bと受け芯材1
1gとの間に４個の埋木11h…が配設されている。これら
の埋木11hは、芯材11bと受け芯材11gとの間を補強する
とともに後述するようにこれらの上に貼設される接合板
13の接合を強化するためのものである。この枠体11の一
方の面には、芯材11a、受け芯材11g、芯材11c、芯材11d
をそれぞれ一辺とするようにして第３図に示すようにこ
れらの上に矩形状の石膏ボード12が、また受け芯材11
f、芯材11b、芯材11c、受け芯材11gをそれぞれ一辺とす
るようにしてこれらの上に細長い矩形状の接合板13が貼
設されている。またこの枠体11の反対側の面には、その
全面に裏面用合板14が貼設されている。

また符号20は小壁となる小壁パネルである。この小壁
パネル20は、前記外壁パネル10とほぼ同様に、芯材を矩
形輪郭に組んでなる枠体21の内部に補強用芯材21aを配
設し、さらにその一方の面に石膏ボード22を、他方の面
に裏面用合板24を貼設してなるものであって、その縦方
向の寸法が前記外壁パネル10の縦の寸法より小さく設定
されている。この小壁パネル20の端面には、その上端部
に上辺に沿って矩形状の接合板23が貼設されている。

そして前記のような外壁パネル10と小壁パネル20と
は、第１図に示すように、外壁パネル10の表面でかつ前
記石膏ボード12および接合板13が貼られていない窪み部
分15に、小壁パネル20の端面上部に貼り付けられた接合
板23が嵌め込まれ、ほぼ直角に接合されている。また小
壁パネル20の前記外壁パネル10に接合した側と反対側の
端面は、別の外壁パネルあるいは間仕切パネルに、同様
にして接合されている。また小壁パネル20の下部に形成
された開口部は、躯体の窓や出入口となるものである。

したがって、このような小壁の取付構造にあっては、
外壁パネル10と小壁パネル20とが単に突き合わされて接
合されたものではなく、外壁パネル10の表面に形成され
た窪み部分15に、小壁パネル20の端面に貼り付けられた
接合板23が嵌め込まれて係止した状態で接合されたもの
であるので、小壁パネル20の重量による荷重が、この係
止部分によって受けられることとなり、両者の接合耐力
は十分に高いものとなる。

またこの取付構造では、前記構成の外壁パネル10およ
び小壁パネル20を予め工場等で作製しておけば、現場で
は、これらを組み合わせて接合するだけの作業によって
目的の窓や出入口となる開口部を備えた躯体を形成する
ことができ、また内装仕上げの現場施工を実質的に省略
することができる。

次に、請求項２の記載の石膏ボード貼りパネルによる
小壁の取付構造の一例を第４図を参照して説明する。

符号30が間仕切となる間仕切パネルである。間仕切り
パネル30は、芯材を矩形輪郭に組んでなる枠体31の内部
に、縦横に補強用芯材31aを配設するとともに、その表
面に両側から石膏ボード32,32を貼り合わせたものであ
る。

この間仕切パネル30の端面には、符号40で示される正
角パネルが接合されている。正角パネル40は、例えば第
５図に示すように、２枚の細長い内側面材40a,40aを平
行に対向させてその間を複数本（この例では５本）の埋
木40b…で連結、補強し、さらにこれら内側面材40a,40a
両端部の間に形成された開口面を２枚の外側面材40c,40
cで覆ってなるものである。ここで前記内側面材40a,40a
は木質材からなるものである。また外側面材40c,40cは
木質材あるいは石膏ボードからなるものであり、正角パ
ネル40の配設部位や使用方法などに応じて、適宜決定さ
れればよい。この正角パネル40の少なくとも一面には、
その面の上端部に、上辺に沿う矩形状の部分を残して、
接合板43が貼設されている。この接合板43は、前記内側
面材40aの厚みを増して防火性能を高めるとともに、別
のパネル等との接合を強化するためのものである。そし
てこの正角パネル40は、４つの側面の幅がいずれも、前
記間仕切パネル30の厚さと同一の幅寸法を有するように
正角柱状に形成されている。

そしてこの正角パネル40は、前記接合板43の貼設され
た側と反対側の側面を、前記間仕切パネル30の端面に合
わせて接合されている。

また符号20は、小壁となる小壁パネルである。この小
壁パネル20は、矩形輪郭に組まれた枠体21に両面側から
石膏ボード22,22を貼設してなるもので、その縦方向の
寸法が前記間仕切パネル30の縦の寸法より小さく設定さ
れている。

この小壁パネル20の端面には、その上端部に上辺に沿う
矩形状の接合板23が貼設されている。

そしてこのような間仕切パネル30と小壁パネル20と
は、第４図に示すように、正角パネル40の端面の接合板
43の貼られていない窪み部分45に、小壁パネル20の端面
に貼り付けられた接合板23が嵌め込まれて係止した状態
で、ほぼ真っ直ぐに接合されている。また小壁パネル20
の前記間仕切パネル30に取り付けられた側と反対側の端
面は、別の間仕切パネルや外壁パネル等に、同様にして
取り付けられている。

このような取付構造は、前記と同様に、正角パネル40
の窪み部分45（接合板43が貼られていない部分）と小壁
パネル20の端面に貼り付けられた接合板23との嵌合によ
って、間仕切パネル30と小壁パネル20が正角パネル40を
介して接合されたものであるので、高い接合耐力が得ら
れ、躯体の品質が保証される。

なお、前記正角パネル40の構成および正角パネル40の
前記間仕切パネル30への取付方向は、前記実施例に限定
されず、例えば第６図に示したように、正角パネル40
を、その接合板43の表面が間仕切パネル30の表面と面一
になるように向けて取り付けることもでき、この場合に
は、間仕切パネル30と小壁パネル20とは、前記正角パネ
ル40を介して互いに直角に接合されるようになる。ただ
しこの場合には、正角パネル40の前記間仕切パネル30端
面に接合される側の外側面材40cを木質材から構成し、
また正角パネル40の接合板43と反対側の面には、前記間
仕切パネル30の石膏ボード32面と面一となるように石膏
ボード40dを貼設しておくことが望ましい。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明の石膏ボード貼りパネルに
よる小壁の取付構造では、小壁パネル端面に貼り付けら
れた接合板を、壁パネルの表面あるいは正角パネルの端
面上部の窪みに嵌め込んで係止した状態で、小壁パネル
が壁パネルに取り付けられているので、両者の接合耐力
は十分に高く、従来のような半割材が不要である。した
がって、少ない部品数で小壁を取り付けることができ、
取付作業性の向上、費用の削減が図れる。また小壁を取
り付けるに際しては、予め所定の位置に接合板が貼り付
けられた壁パネルおよび小壁パネルを用い、現場でこれ
らを、前記構成にしたがって嵌め込んで接合するだけの
簡単な作業を行うだけで、目的の窓や出入口となる開口
部を有する躯体を形成することができるうえに、内装仕
上げの現場施工を実質的に省略することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、請求項１に記載の小壁の取付構造の一例を示
す斜視図、第２図は第１図に示した例で用いられた壁パ
ネルをなす枠体を示す側面図、第３図は第１図に示した
例で用いられた壁パネルを示す側面図であり、第４図は
請求項２に記載の小壁の取付構造の一例を示す斜視図、
第５図は第４図に示した例で用いられた正角パネルを示
す斜視図、第６図は請求項２に記載の小壁の取付構造の
他の一例を示す斜視図であり、第７図は従来の小壁の取
付構造の一例を示す斜視図である。 10……外壁パネル（壁パネル）、 11……枠体、12……石膏ボード、 13……接合板、15……窪み部分、 20……小壁パネル、21……枠体、 22……石膏ボード、23……接合板、 30……間仕切パネル（壁パネル）、 31……枠体、32……石膏ボード、 40……正角パネル、43……接合板。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】矩形輪郭に組まれた枠体の表面に、少なく
   とも一つの側部に沿う矩形状の部分を残して石膏ボード
   が貼られるとともに、前記石膏ボードの貼られていない
   矩形状の部分に、少なくとも上端部に沿う一部を残して
   接合板が貼られてなる壁パネルの、前記石膏ボードおよ
   び接合板の貼られていない窪み部分に、 矩形輪郭に組まれた枠体の表面に石膏ボードが貼られる
   とともに、端面の少なくとも上端部に、上辺に沿う矩形
   状の接合板が貼られてなる小壁パネルの該接合板を嵌め
   込んだことによって、前記壁パネルと小壁パネルとを接
   合したことを特徴とする石膏ボード貼りパネルによる小
   壁の取付構造。
2. 【請求項２】矩形輪郭に組まれた枠体の表面に石膏ボー
   ドが貼られてなる壁パネルの端面に、 少なくとも一つの面にその上辺に沿う矩形状の部分を残
   して接合板が貼られてなる正角パネルを接合するととも
   に、該正角パネルの接合板の貼られていない窪み部分
   に、 矩形輪郭に組まれた枠体の表面に石膏ボードが貼られる
   とともに、端面の少なくとも上端部に、上辺に沿う矩形
   状の接合板が貼られてなる小壁パネルの該接合面を嵌め
   込んだことによって、前記壁パネルと小壁パネルとを、
   前記正角パネルを介して接合したことを特徴とする石膏
   ボード貼りパネルによる小壁の取付構造。