JP2833714B2 - 酸化物ガーネット膜の製造方法 - Google Patents
酸化物ガーネット膜の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は酸化物ガーネット膜の製造方法、特には光ア
イソレーターや光スイッチなどの磁気光学素子、および
静磁派(MSW)素子に用いられる酸化物ガーネットエピ
タキシャル厚膜の製造方法に関するものである。
イソレーターや光スイッチなどの磁気光学素子、および
静磁派(MSW)素子に用いられる酸化物ガーネットエピ
タキシャル厚膜の製造方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、液相エピタキシャル法で厚さが50μm以上であ
る酸化物ガーネットエピタキシャル厚膜を形成させる方
法としては、融液の表面に基板結晶を位置させ、この基
板結晶の片面にエピタキシャル膜を育成するという方法
が知られている。
る酸化物ガーネットエピタキシャル厚膜を形成させる方
法としては、融液の表面に基板結晶を位置させ、この基
板結晶の片面にエピタキシャル膜を育成するという方法
が知られている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、この公知の方法ではエピタキシャル膜と基板
結晶との熱膨張が異なるために、育成中または室温でエ
ピタキシャル膜付きの基板結晶が反り、これによって基
板が割れてしまうという不利があり、これにはまた基板
結晶を融液の表面に位置させた状態で結晶を育成させる
ときの融液と基板結晶との熱放射率が相違するために、
基板結晶位置での温度が所望の値より下がるし、基板結
晶位置より上方に位置している基板ホールダー、反射
板、均熱管、熱電対保護管、ヒーターの蓋の位置および
表面の汚れ方などのように基板結晶と輻射熱のやり取り
に関係する因子の変化によってこの結晶基板の温度の下
がり方が変化するために、所望の格子定数をもつエピタ
キシャル結晶を得ることができないという欠点がある。
結晶との熱膨張が異なるために、育成中または室温でエ
ピタキシャル膜付きの基板結晶が反り、これによって基
板が割れてしまうという不利があり、これにはまた基板
結晶を融液の表面に位置させた状態で結晶を育成させる
ときの融液と基板結晶との熱放射率が相違するために、
基板結晶位置での温度が所望の値より下がるし、基板結
晶位置より上方に位置している基板ホールダー、反射
板、均熱管、熱電対保護管、ヒーターの蓋の位置および
表面の汚れ方などのように基板結晶と輻射熱のやり取り
に関係する因子の変化によってこの結晶基板の温度の下
がり方が変化するために、所望の格子定数をもつエピタ
キシャル結晶を得ることができないという欠点がある。
(課題を解決するための手段) 本発明はこのような不利、欠点を解決した酸化物ガー
ネット膜の製造方法に関するもので、これは液相エピタ
キシャル法によって融液中で酸化物ガーネット基板の両
面に酸化物ガーネット膜を成長させ、ついで該酸化物ガ
ーネット基板を横方向から切断し、分割することよりな
ることを特徴とするものである。
ネット膜の製造方法に関するもので、これは液相エピタ
キシャル法によって融液中で酸化物ガーネット基板の両
面に酸化物ガーネット膜を成長させ、ついで該酸化物ガ
ーネット基板を横方向から切断し、分割することよりな
ることを特徴とするものである。
すなわち、本発明者らは酸化物ガーネット基板の片面
だけにエピタキシャル法で酸化物ガーネット膜を成長さ
せる方法について種々検討した結果、これについては酸
化物ガーネット基板の両面に液相エピタキシャル法で酸
化物ガーネット膜を成長させたのち、この基板を横方向
から切断して分割すれば、このエピタキシャル膜の成長
が基板の両側から行なわれるのでエピタキシャル膜を成
長させた基板は反りがなくなり、したがって割れること
がなくなるということ、またこのエピタキシャル成長が
融液表面から少なくとも10mmの深さの位置の融液内で行
なわれるので結晶成長の起きている近傍の温度制御が容
易となることを見出すと共に、このようにして得た基板
を横方向から分割すれば片面だけにエピタキシャル膜の
成長された酸化物ガーネット基板を容易にしかも倍の生
産性で生産することができることを確認して本発明を完
成させた。
だけにエピタキシャル法で酸化物ガーネット膜を成長さ
せる方法について種々検討した結果、これについては酸
化物ガーネット基板の両面に液相エピタキシャル法で酸
化物ガーネット膜を成長させたのち、この基板を横方向
から切断して分割すれば、このエピタキシャル膜の成長
が基板の両側から行なわれるのでエピタキシャル膜を成
長させた基板は反りがなくなり、したがって割れること
がなくなるということ、またこのエピタキシャル成長が
融液表面から少なくとも10mmの深さの位置の融液内で行
なわれるので結晶成長の起きている近傍の温度制御が容
易となることを見出すと共に、このようにして得た基板
を横方向から分割すれば片面だけにエピタキシャル膜の
成長された酸化物ガーネット基板を容易にしかも倍の生
産性で生産することができることを確認して本発明を完
成させた。
以下にこれをさらに詳述する。
(作用) 本発明は酸化物ガーネット基板の片面だけに液相エピ
タキシャル法で酸化物ガーネット膜を成長させる酸化物
ガーネットの製造方法に関するものである。
タキシャル法で酸化物ガーネット膜を成長させる酸化物
ガーネットの製造方法に関するものである。
本発明による酸化物ガーネット膜の製造は酸化物ガー
ネット基板の両面に融液中において液相エピタキシャル
法で酸化物ガーネット膜を成長させたのち、この基板を
横方向から切断し、分割することによって片面だけに酸
化物ガーネットエピタキシャル膜を成長させて酸化物ガ
ーネット基板を得るというものである。
ネット基板の両面に融液中において液相エピタキシャル
法で酸化物ガーネット膜を成長させたのち、この基板を
横方向から切断し、分割することによって片面だけに酸
化物ガーネットエピタキシャル膜を成長させて酸化物ガ
ーネット基板を得るというものである。
本発明において始発材とされる酸化物ガーネット基板
は従来公知のものでよく、したがってこれにはガドリニ
ウム・ガリウム・ガーネット(GGG)、ネオジム・ガリ
ウム・ガーネット(NGG)、サマリウム・ガリウム・ガ
ーネット(SGG)、このGGGの陽イオンの一部をCa,Mg,Zr
で置換したもの(NOG)などが例示される。この基板に
ついては液相エピタキシャル法で酸化物ガーネット膜を
育成したのち、後記するように横方向に切断して片側の
みにエピタキシャル膜の成長したものとするので、この
厚さはこれが0.6mmより薄いと切断時に酸化物ガーネッ
トエピタキシャル膜が同時に切り込まれるおそれがある
ので、この切断代を考慮して0.6mm以上とする必要があ
り、この基板厚についての上限はないが、後工程で基板
を取り除くことを考慮すればこれは2.0mmを上限とする
ことがよい。
は従来公知のものでよく、したがってこれにはガドリニ
ウム・ガリウム・ガーネット(GGG)、ネオジム・ガリ
ウム・ガーネット(NGG)、サマリウム・ガリウム・ガ
ーネット(SGG)、このGGGの陽イオンの一部をCa,Mg,Zr
で置換したもの(NOG)などが例示される。この基板に
ついては液相エピタキシャル法で酸化物ガーネット膜を
育成したのち、後記するように横方向に切断して片側の
みにエピタキシャル膜の成長したものとするので、この
厚さはこれが0.6mmより薄いと切断時に酸化物ガーネッ
トエピタキシャル膜が同時に切り込まれるおそれがある
ので、この切断代を考慮して0.6mm以上とする必要があ
り、この基板厚についての上限はないが、後工程で基板
を取り除くことを考慮すればこれは2.0mmを上限とする
ことがよい。
また、この酸化物ガーネット基板上に液相エピタキシ
ャル法で成長させる酸化物ガーネット膜は産業上有益と
されるものであればどのようなものであってもよく、こ
れには(BiEuTb)3(FeGa)5O12,Y3Fe5O12,(BiY)3
(FeGa)5O12などが例示されるが、これらのエピタキシ
ャル膜の厚さは50〜450μmの範囲となるようにすれば
よい。
ャル法で成長させる酸化物ガーネット膜は産業上有益と
されるものであればどのようなものであってもよく、こ
れには(BiEuTb)3(FeGa)5O12,Y3Fe5O12,(BiY)3
(FeGa)5O12などが例示されるが、これらのエピタキシ
ャル膜の厚さは50〜450μmの範囲となるようにすれば
よい。
本発明による酸化物ガーネットエピタキシャル膜の成
長は成長させるべき酸化物ガーネット膜を形成する金属
酸化物の融液中に酸化物ガーネット基板を浸漬し、これ
を回転させるという公知の液相エピタキシャル法で行な
えばよいが、この基板の融液の位置についてはこの基板
を融液の表面に近いところに設置すると融液の温度が急
激に変化する結果、基板結晶の上面と下面とで温度変化
が異なるようになり、上面と下面とで格子定数の異なる
エピタキシャル膜が成長することになって好ましくない
ので、これは第1図に示した融液内の温度分布から表面
より少なくとも10mm離れた位置で成長を行なわせること
がよく、これによれば基板結晶の上面と下面に同じ格子
定数をもつエピタキシャル膜を成長させることができ
る。
長は成長させるべき酸化物ガーネット膜を形成する金属
酸化物の融液中に酸化物ガーネット基板を浸漬し、これ
を回転させるという公知の液相エピタキシャル法で行な
えばよいが、この基板の融液の位置についてはこの基板
を融液の表面に近いところに設置すると融液の温度が急
激に変化する結果、基板結晶の上面と下面とで温度変化
が異なるようになり、上面と下面とで格子定数の異なる
エピタキシャル膜が成長することになって好ましくない
ので、これは第1図に示した融液内の温度分布から表面
より少なくとも10mm離れた位置で成長を行なわせること
がよく、これによれば基板結晶の上面と下面に同じ格子
定数をもつエピタキシャル膜を成長させることができ
る。
本発明ではこのようにして得られた基板結晶の上面と
下面に格子定数の同じ酸化物ガーネットエピタキシャル
膜を成長させた酸化物ガーネット基板を横方向から切断
して片面のみに酸化物ガーネットエピタキシャル膜を成
長させた酸化物ガーネット基板を製造するのであるが、
この切断は上記のようにして得た酸化物エピタキシャル
膜を成長させた酸化物ガーネット基板を硝酸などの酸溶
液中で洗浄してフラックス成分を洗い落したのち、これ
をエポキシ樹脂などの接着剤を用いて2枚のカーボン板
に挟んで固定したのち、内周切断機を用いて横方向から
切断して片面のみに酸化物ガーネットエピタキシャル膜
が成長している酸化物ガーネット基板を得るようにすれ
ばよいし、この場合にはこの上下面にエピタキシャル膜
が成長させられている酸化物ガーネット基板をダイシン
グマシーンで所望の大きさに切断してから、これを上記
の方法で横方向に切断するようにしてもよい。
下面に格子定数の同じ酸化物ガーネットエピタキシャル
膜を成長させた酸化物ガーネット基板を横方向から切断
して片面のみに酸化物ガーネットエピタキシャル膜を成
長させた酸化物ガーネット基板を製造するのであるが、
この切断は上記のようにして得た酸化物エピタキシャル
膜を成長させた酸化物ガーネット基板を硝酸などの酸溶
液中で洗浄してフラックス成分を洗い落したのち、これ
をエポキシ樹脂などの接着剤を用いて2枚のカーボン板
に挟んで固定したのち、内周切断機を用いて横方向から
切断して片面のみに酸化物ガーネットエピタキシャル膜
が成長している酸化物ガーネット基板を得るようにすれ
ばよいし、この場合にはこの上下面にエピタキシャル膜
が成長させられている酸化物ガーネット基板をダイシン
グマシーンで所望の大きさに切断してから、これを上記
の方法で横方向に切断するようにしてもよい。
なお、このようにして得られた片面のみに酸化物ガー
ネットエピタキシャル膜が成長している酸化物単結晶基
板はこの切断で取り切れなかった基板結晶を砥粒を用い
てラッピングして完全に落してから、研磨機を用いて鏡
面研磨すれば光アイソレーター、光スイッチなどの磁気
光学素子、あるいは静磁波素子として有用なものとして
取得される。
ネットエピタキシャル膜が成長している酸化物単結晶基
板はこの切断で取り切れなかった基板結晶を砥粒を用い
てラッピングして完全に落してから、研磨機を用いて鏡
面研磨すれば光アイソレーター、光スイッチなどの磁気
光学素子、あるいは静磁波素子として有用なものとして
取得される。
(実施例) つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。
実施例1 酸化物ガーネットエピタキシャル膜を形成させる金属
酸化物としてのBi2O3977.38g、Eu2O31,489g、Tb4O713,9
29g、Fe2O3122.86g、Ga2O35,272gと、フラックス成分と
してのPbO936.36gとB2O341.72gとを白金ルツボに秤取
し、加熱溶融させ、第1図に示した温度分布を有する融
液とし、育成温度が750℃で基板結晶としての格子定数
が12.496Åで厚さが1,200μmである直径2インチのGGC
単結晶の陽イオンの一部をCa,Mg,Zrで置換した単結晶NO
G[信越化学工業(株)製商品名]のウエーハをこの融
液の液面下20mmの位置に浸漬し、50時間にわたってこの
基板結晶を回転させたのち、この基板結晶をエピタキシ
ャル炉から取り出したところ、この基板にはその両面に
膜厚550μmのエピタキシャル膜が形成されていた。
酸化物としてのBi2O3977.38g、Eu2O31,489g、Tb4O713,9
29g、Fe2O3122.86g、Ga2O35,272gと、フラックス成分と
してのPbO936.36gとB2O341.72gとを白金ルツボに秤取
し、加熱溶融させ、第1図に示した温度分布を有する融
液とし、育成温度が750℃で基板結晶としての格子定数
が12.496Åで厚さが1,200μmである直径2インチのGGC
単結晶の陽イオンの一部をCa,Mg,Zrで置換した単結晶NO
G[信越化学工業(株)製商品名]のウエーハをこの融
液の液面下20mmの位置に浸漬し、50時間にわたってこの
基板結晶を回転させたのち、この基板結晶をエピタキシ
ャル炉から取り出したところ、この基板にはその両面に
膜厚550μmのエピタキシャル膜が形成されていた。
ついで、この基板結晶を10容量%の硝酸中で洗浄して
フラック成分を洗い落し、このエピタキシャル膜をしら
べたところ、これは式(BiEuTb)3(FeGa)5O12で示さ
れる酸化物ガーネットであり、このものは上面も下面も
格子定数が12.493Åの同一のものであることが確認され
た。
フラック成分を洗い落し、このエピタキシャル膜をしら
べたところ、これは式(BiEuTb)3(FeGa)5O12で示さ
れる酸化物ガーネットであり、このものは上面も下面も
格子定数が12.493Åの同一のものであることが確認され
た。
つぎにこの酸化物ガーネットエピタキシャル膜をもつ
結晶基板をエポキシ樹脂からなる接着剤で2枚のカーボ
ン板間に挟んで固定し、内周切断機で横方向から切断
し、切断し切れなかった基板結晶をGC#600のグリーン
カーボンでラッピングして凹凸をなくし、コロイダルシ
リカとクロスを用いた研磨機で420μm厚まで鏡面研磨
し、このようにして得られた酸化物ガーネットエピタキ
シャル膜をダイシングマシーンで2mm角に切断したとこ
ろ、光アイソレーター用として有用とされる磁気光学素
子としてのファラデーローテーターが得られた。
結晶基板をエポキシ樹脂からなる接着剤で2枚のカーボ
ン板間に挟んで固定し、内周切断機で横方向から切断
し、切断し切れなかった基板結晶をGC#600のグリーン
カーボンでラッピングして凹凸をなくし、コロイダルシ
リカとクロスを用いた研磨機で420μm厚まで鏡面研磨
し、このようにして得られた酸化物ガーネットエピタキ
シャル膜をダイシングマシーンで2mm角に切断したとこ
ろ、光アイソレーター用として有用とされる磁気光学素
子としてのファラデーローテーターが得られた。
実施例2 酸化物ガーネットエピタキシャル膜を形成させる金属
酸化物としてのY2O329g、Fe2O3512g、Bi2O3575gとフラ
ックス成分としてのPbO4,790gとB2O396gとを白金ルツボ
に秤取し、1,100℃に加熱して溶融し、育成温度である8
80℃まで温度を下げたのち、基板結晶としての格子定数
が12.383Åで厚さが1,400μmである直径3インチのGGG
ウエーハをこの融液の液面下50mmの位置に浸漬し、20時
間にわたってこの基板結晶を回転させたのち、これをエ
ピタキシャル炉から取り出したところ、これにはその両
面に膜厚250μmのエピタキシャル膜が形成されてい
た。ついで、この基板結晶を10容量%の硝酸中で洗浄し
てフラックス成分を洗い落し、このエピタキシャル膜を
しらべたところ、これは式(BiY)3Fe5O12で示される酸
化物ガーネットであり、このものは上面と下面がいずれ
も格子定数12.383Åである同じものであることが確認さ
れた。
酸化物としてのY2O329g、Fe2O3512g、Bi2O3575gとフラ
ックス成分としてのPbO4,790gとB2O396gとを白金ルツボ
に秤取し、1,100℃に加熱して溶融し、育成温度である8
80℃まで温度を下げたのち、基板結晶としての格子定数
が12.383Åで厚さが1,400μmである直径3インチのGGG
ウエーハをこの融液の液面下50mmの位置に浸漬し、20時
間にわたってこの基板結晶を回転させたのち、これをエ
ピタキシャル炉から取り出したところ、これにはその両
面に膜厚250μmのエピタキシャル膜が形成されてい
た。ついで、この基板結晶を10容量%の硝酸中で洗浄し
てフラックス成分を洗い落し、このエピタキシャル膜を
しらべたところ、これは式(BiY)3Fe5O12で示される酸
化物ガーネットであり、このものは上面と下面がいずれ
も格子定数12.383Åである同じものであることが確認さ
れた。
つぎに、この酸化物ガーネットエピタキシャル膜が形
成されている基板結晶をダイシングマシーンで10mm角に
切断し、この10mm角のウエーハをエポキシ樹脂からなる
接着剤で2枚のカーボン板間に挟んで固定したのち、内
周切断機で横方向から切断し、切断し切れなかった基板
結晶をGC#600のグリーンカーボンでラッピングして凹
凸をなくし、コロイダルシリカとクロスを用いて研磨機
で420μm厚にまで鏡面研磨したところ、酸化物ガーネ
ットエピタキシャル膜を片面だけに成長させた酸化物ガ
ーネット基板が得られ、このものは静磁波素子用として
有用とされるものであった。
成されている基板結晶をダイシングマシーンで10mm角に
切断し、この10mm角のウエーハをエポキシ樹脂からなる
接着剤で2枚のカーボン板間に挟んで固定したのち、内
周切断機で横方向から切断し、切断し切れなかった基板
結晶をGC#600のグリーンカーボンでラッピングして凹
凸をなくし、コロイダルシリカとクロスを用いて研磨機
で420μm厚にまで鏡面研磨したところ、酸化物ガーネ
ットエピタキシャル膜を片面だけに成長させた酸化物ガ
ーネット基板が得られ、このものは静磁波素子用として
有用とされるものであった。
比較例1 実施例1における酸化物ガーネットエピタキシャル膜
としての(BiEuTb)3(FeGa)5O12を形成させる金属酸
化物の融液の温度を育成温度である746℃まで低下させ
たのち、この融液に上記実施例1で使用した基板結晶と
してのNOGウエーハを液面下に浸漬したのち液面位置ま
で引き上げ、この位置で50時間にわたって基板結晶を回
転して基板結晶の片面に(BiEuTb)3(FeGa)5O12で示
される酸化物ガーネットエピタキシャル膜を膜厚580μ
mで成長させ、このようにして得たNOGウエーハをエピ
タキシャル炉から引出したところ、このものは反りが大
きくなったために炉口部で割れ、ウエーハの一部が融液
中に落下した。
としての(BiEuTb)3(FeGa)5O12を形成させる金属酸
化物の融液の温度を育成温度である746℃まで低下させ
たのち、この融液に上記実施例1で使用した基板結晶と
してのNOGウエーハを液面下に浸漬したのち液面位置ま
で引き上げ、この位置で50時間にわたって基板結晶を回
転して基板結晶の片面に(BiEuTb)3(FeGa)5O12で示
される酸化物ガーネットエピタキシャル膜を膜厚580μ
mで成長させ、このようにして得たNOGウエーハをエピ
タキシャル炉から引出したところ、このものは反りが大
きくなったために炉口部で割れ、ウエーハの一部が融液
中に落下した。
(発明の効果) 本発明は酸化物ガーネット基板の片面のみに酸化物ガ
ーネットエピタキシャル膜を成長させた酸化物ガーネッ
ト膜の製造方法に関するもので、これは前記したように
液相エピタキシャル法により融液中で酸化物ガーネット
基板の両面に酸化物ガーネット膜を形成し、ついで該酸
化物ガーネット基板を横方向から切断し、分割すること
を特徴とするものであるが、これによれば基板の両面に
エピタキシャル膜が成長するので片側だけにエピタキシ
ャル膜を成長させたときのような反りがなくなり、した
がって割れを防止することができるし、融液表面ではな
く融液中で成長が行なわれるので結晶成長が起きている
近傍の温度制御が容易になるという有利性が与えられる
ほか、基板結晶が横方向に切断されて片側だけに酸化物
ガーネットエピタキシャル膜を形成させた酸化物ガーネ
ット基板が複数枚得られるので、この製造を倍増させる
ことができるという有利性が与えられる。
ーネットエピタキシャル膜を成長させた酸化物ガーネッ
ト膜の製造方法に関するもので、これは前記したように
液相エピタキシャル法により融液中で酸化物ガーネット
基板の両面に酸化物ガーネット膜を形成し、ついで該酸
化物ガーネット基板を横方向から切断し、分割すること
を特徴とするものであるが、これによれば基板の両面に
エピタキシャル膜が成長するので片側だけにエピタキシ
ャル膜を成長させたときのような反りがなくなり、した
がって割れを防止することができるし、融液表面ではな
く融液中で成長が行なわれるので結晶成長が起きている
近傍の温度制御が容易になるという有利性が与えられる
ほか、基板結晶が横方向に切断されて片側だけに酸化物
ガーネットエピタキシャル膜を形成させた酸化物ガーネ
ット基板が複数枚得られるので、この製造を倍増させる
ことができるという有利性が与えられる。
第1図は酸化物ガーネットエピタキシャル膜を形成させ
る金属酸化物融液の温度分布測定図を示したものであ
る。
る金属酸化物融液の温度分布測定図を示したものであ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】液相エピタキシャル法によって融液中で酸
化物ガーネット基板の両面に酸化物ガーネット膜を成長
させ、ついで該酸化物基板を横方向から切断し、分割す
ることよりなることを特徴とする酸化物ガーネット膜の
製造方法。 - 【請求項2】該酸化物ガーネット膜の成長を融液表面か
ら少なくとも10mmの深さの位置で行なう請求項1に記載
した酸化物ガーネット膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29804490A JP2833714B2 (ja) | 1990-11-02 | 1990-11-02 | 酸化物ガーネット膜の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29804490A JP2833714B2 (ja) | 1990-11-02 | 1990-11-02 | 酸化物ガーネット膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04171707A JPH04171707A (ja) | 1992-06-18 |
JP2833714B2 true JP2833714B2 (ja) | 1998-12-09 |
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---|---|---|---|---|
CN115522262B (zh) * | 2022-09-30 | 2024-03-12 | 电子科技大学 | 一种磁光传感用成像单晶晶片快速生产的方法 |
-
1990
- 1990-11-02 JP JP29804490A patent/JP2833714B2/ja not_active Expired - Fee Related
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