JP2756273B2 - 酸化物ガーネット単結晶およびその製造方法 - Google Patents

酸化物ガーネット単結晶およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は酸化物ガーネット単結晶およびその製造方
法、特には2インチ以上の基板上に液相エピタキシャル
法で磁気共鳴半値巾ΔHが小さく、したがって光アイソ
レーターおよびマイクロ波素子用として有用とされる酸
化物ガーネット単結晶およびこれをヒビやクラックなど
の発生なしに製造する方法に関するものである。
(従来の技術) Y3Fe5O12(YIG)で示される酸化物ガーネット単結晶
は最近における通信の高周波化に伴って光アイソレータ
ー、マイクロ波素子用としての需要が高まってきている
が、このYIG膜については通信に用いる波長との関係で1
0〜100μm程度の厚膜が必要とされるし、静磁波伝搬の
損失を少なくするために磁気共鳴半値巾ΔHの値の小さ
いことが要求される。
また、このYIG厚膜については例えば2インチφ以上
のものが要求されているが、これには 1) 厚膜のものは薄膜のものにくらべて成育時間が非
常に長くなるので、育成条件を最適に近いものに設定し
ないと、膜特性の面内分布が均一にならない。
2) 純粋なYIG膜と基板としてのガドリニウム・ガリ
ウム・ガーネット(以下GGGと略記する)との間に格子
定数の差にもとづく割合大きなミスマッチが存在するた
めに、GGG基板上にYIG膜を育成したときにはヒビやクラ
ックなどの膜質を劣化させる現象が発生する。
という問題点があり、GGGなどの基板上にYIGを2インチ
φ以上の大きさで液晶エピタキシャル法をもってヒビや
クラックの発生なしに、均一な厚膜として得ることは困
難であるとされている。
他方、この種の液相エピタキシャル法によるYIGなど
の結晶育成に当っては、育成中に基板を反転させること
によって均一な膜厚をもつ結晶を育成するという方法も
知られているが、厚膜のものを得るには育成時間が長い
ために反転条件が違ってくると膜厚の均一性に大きな影
響が現われ、膜厚の不均一性は磁気共鳴半値巾ΔHの値
を増大させるので、膜厚の均一な厚膜のYIG結晶の育成
は可成り難しいものとされている。
(発明の構成) 本発明はこのような不利を解決した酸化物ガーネット
単結晶およびその製造方法に関するものであり、これは
融液中で基板を反転および回転させ、液相エピタキシャ
ル法でこの基板上に厚さ10μm以上の酸化物ガーネット
単結晶を育成させる方法において、該基板の回転速度
(rpm)と反転周期を、回転角度をX軸、反転周期をY
軸としたXY平面における点が(20、0.2)、(20、0.
4)、(120、2.5)、(120、1.0)の4点で囲まれる範
囲内となるようにすることを特徴とするものである。
すなわち、本発明者らは前記したような不利を伴わな
い酸化物ガーネット単結晶とその製造方法について種々
検討した結果、従来公知とされている希土類金属・ガリ
ウム・ガーネットからなる基板を融液中に浸漬し、この
基板上に酸化物ガーネット単結晶を育成させるに当っ
て、基板を融液中で反転および回転させるが、この基板
の回転速度(rpm)と反転周期を、回転速度をX軸、反
転周期をY軸としたXY平面における点が(20、0.2)、
(20、0.4)、(120、2.5)、(120、1.0)の4点に囲
まれた第1図に示した範囲内となるようにすると、直径
が2インチ以上の基板を用いても10μm以上の均一な酸
化物ガーネット単結晶を育成させることができることを
見出すと共に、これによれば得られる膜体の磁気共鳴半
値巾ΔHが2.0Oe以下でそのバラツキも1.1Oe以下の低い
値とすることができるので、光アイソレーター、サーキ
ュレーター、マイクロ波素子として有用とされる酸化物
ガーネット単結晶を得ることができることを確認して本
発明を完成させた。
以下に本発明を詳述する。
本発明の酸化物ガーネット単結晶を構成するガーネッ
ト基板単結晶は前記したGGG、サマリウム・ガリウム・
ガーネット(以下SGGと略記する)、ネオジム・ガリウ
ム・ガーネット(以下NGGと略記する)、上記したGGGの
1部をCa、Zr、MgまたはYで置換したGGG系のSOG、NO
G、YOG〔いずれも信越化学工業(株)商品名〕とすれば
よく、これらはGd2O3、Sm2O3、Nd2O3または必要に応じC
aO、MgO、ZrO2もしくはY2O3などの置換材をそれぞれGa2
O3の所定量と共にルツボに仕込み、高周波誘導でそれぞ
れの結晶の融点以上に加熱して溶融したのち、この溶液
からチヨクラルスキー法で単結晶を引上げることによっ
て得ることができるが、このものはこの単結晶から切り
出したウェーハを例えば熱リン酸でエッチングしたのち
格子定数を測定すると12.383〜12.508Åを示すことが確
認された。
また、この基板単結晶上に液相エピタキシャル法でエ
ピタキシャル成長させる構造体は上記したように組成式
がY3Fe5O12、(YM)aFe8-aO12または(YM)(FeN)
8-aO12(こゝにMはLa、Bi、Gd、Luから、またNはAl、
Ga、In、Scから選択される少なくとも1つの元素、aは
3.1≧a≧3.0)で示されるものとされる。
この式Y3Fe5O12、(YM)aFe8-aO12または(YM)(F
eN)8-aO12で示される単結晶は白金ルツボ中に必要に応
じY2O3、Fe2O3、M2O3またはN2O3(M、Nは前記の通
り)をフラックスとしてのPbO、B2O3と共に仕込み、1,1
00〜1,150℃に加熱してこれを融解させたのち、この融
液からLPE法で単結晶を引き上げることによって得るこ
とができる。
しかし、本発明の方法は上記した基板を酸化物ガーネ
ット融液中で回転および反転させて該基板上に酸化物ガ
ーネットを育成させるのであるが、本発明の方法ではこ
の回転速度(rpm)および反転周期を一定の範囲でコン
トロールすることが必要とされる。この回転速度、反転
周期は本発明者らの実験によって回転速度をX軸とし、
反転周期をY軸としてXY平面における点が(20、0.
2)、(20、0.4)、(120、2.5)、(120、1.0)の4点
で囲まれた第1図に示した範囲内になるようにすること
が必要とされることが確認され、これによれば直径が2
インチ以上の基板においても厚さが10μm以上の均一な
酸化物ガーネットの厚膜を容易に得ることができ、しか
もこの膜についてはその磁気共鳴半値巾ΔHが2.0Oe以
下でバラツキも1.1Oe以下の低い値になる。
したがって、本発明の方法で得られる酸化物ガーネッ
ト単結晶は、マイクロ波素子用材料としてすぐれた物性
をもつものとなり、共振周波数の温度依存性もなく、こ
のものは例えば周波数100MHzから数10GHzのマイクロ波
帯で使用されるマイクロ波素子として有用とされる磁気
膜のほか、光アイソレーター、サーキュレーター用の磁
気光学素子用磁気膜としても有用とされる。
つぎに本発明の実施例をあげるが、例中における膜厚
分布の測定は育成後のウェーハにNaランプ光を当てゝ生
じる干渉縞の観察により行なったものであり、磁気共鳴
半値巾ΔHの測定はFMRで行なったものである。
実施例1〜7、比較例1〜7 白金製るつぼ2を内蔵する縦型電気炉1のるつぼ上部
に基板3を白金製のホルダー4に担持させてなる第2図
に示したような液相エピタキシャル育成炉を用い、この
基板3としてGGG単結晶ウェーハを用い、白金るつぼ中
に所定量のY2O3、Fe2O3、Bi2O3とフラック成分としての
PhO、B2O3を仕込み1,100℃に加熱してこれを溶融させた
のち、この融液にGGGウエーハを浸漬し、このGGGウェー
ハを第1表に示した回転速度(rpm)、回転周期(T=
秒)で回転、反転させながらこのGGGウェーハの(111)
方向に式Y2.9Bi0.1Fe5O12で示されるエピタキシャル膜
を成長させ、厚さ約15μmの酸化物ガーネット単結晶を
作ったところ、得られた酸化物ガーネット単結晶膜体の
膜厚分布、ΔH分布について第1表に併記したとおりの
結果が得られた。
実施例8 GGGウェーハの(111)方向に所定量のY2O3とFe2O3
原料としフラックス成分としてPbO、B2O3を用い実施例
3と同一の条件でY3Fe5O12で示されるエピタキシャル膜
を成長させ、15μmの厚さのものを得た。これの膜厚分
布は良好でΔH分布も0.50〜1.52Oeと良好であった。
実施例9 GGGウェーハの(111)方向に所定量のY2O3とBi2O3、F
e2O3およびGa2O3を原料とし、フラックス成分としてPb
O、B2O3を用い、実施例3と同一の条件でY2.9Bi0.1Fe
4.1Ga0.9O12で示されるエピタキシャル膜を成長させ、1
5μmの厚さのものを得た。これの膜厚分布は良好でΔ
H分布も0.40〜1.40Oeと良好であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法における回転数(X)と反転周期
(Y)との関係図、第2図は本発明の実施例に使用され
た液相エピタキシャル育成炉の縦断面要図を示したもの
である。 1……電気炉、2……白金製るつぼ、 3……基板ウェーハ、4……白金製ホルダー

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融液中で基板を反転および回転させ、液相
    エピタキシャル法でこの基板上に厚さ10μm以上の酸化
    物ガーネット単結晶を育成させる方法において、該基板
    の回転速度(rpm)と反転周期を、回転角度をX軸、反
    転周期をY軸としたXY平面における点が(20、0.2)、
    (20、0.4)、(120、2.5)、(120、1.0)の4点で囲
    まれる範囲内となるようにすることを特徴とする酸化物
    ガーネット単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】基板がガドリニウム・ガリウム・ガーネッ
    ト(GGG)、一部をCa、Zr、MgまたはYの1種または2
    種以上で置換したGGG系、サマリウム・ガリウム・ガー
    ネット(SGG)またはネオジム・ガリウム・ガーネット
    (NGG)のいずれかであり、酸化物ガーネット単結晶がY
    3Fe5O12単結晶である請求項1に記載の酸化物ガーネッ
    ト単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】基板がガドリニウム・ガリウム・ガーネッ
    ト(GGG)、一部をCa、Zr、MgまたはYの1種または2
    種以上で置換したGGG系、サマリウム・ガリウム・ガー
    ネット(SGG)またはネオジム・ガリウム・ガーネット
    (NGG)のいずれかであり、酸化物ガーネット単結晶が
    (YM)aFe8-aO12または(YM)(FeN)8-aO12(ここに
    MはLa、Bi、Gd、Luから、またNはAl、Ga、In、Scから
    選択される少なくとも1つの元素、aは3.1≧a≧3.0)
    である請求項1に記載の酸化物ガーネット単結晶の製造
    方法。
  4. 【請求項4】磁気共鳴半値巾(ΔH)が2.0Oe以下で、
    バラツキが1.1Oe以下である、液相エピタキシャル法で
    基板上に育成させた酸化物ガーネット単結晶。
  5. 【請求項5】酸化物ガーネット単結晶がY3Fe5O12である
    請求項4に記載の酸化物ガーネット単結晶。
  6. 【請求項6】酸化物ガーネット単結晶が(YM)aFe8-aO
    12(M、aは前記に同じ)で示されるものである請求項
    4に記載の酸化物ガーネット単結晶。
  7. 【請求項7】酸化物ガーネット単結晶が(YM)(Fe
    N)8-aO12(M、N、aは前記に同じ)で示されるもの
    である請求項4に記載の酸化物ガーネット単結晶。
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