JP2869951B2 - 磁性ガーネット単結晶およびマイクロ波素子材料 - Google Patents

磁性ガーネット単結晶およびマイクロ波素子材料

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は磁性ガーネット単結晶およびこれよりなるマ
イクロ波素子材料、特には静磁波または磁気共鳴を利用
する磁性ガーネット単結晶およびマイクロ波素子材料に
関するものである。
(従来の技術) マイクロ波素子材料については、従来からガーネット
単結晶からなるものが使用されており、具体的には式Y3
Fe5O12で示されるYIGが汎用されている。
(発明が解決しようとする課題) しかし、このYIGなどはマイクロ波素子として要求さ
れる磁気共鳴半値幅(ΔH)は小さいが、飽和磁化(4
πMs)の温度依存性が大きいためにマイクロ波素子の温
度特性が悪化するという問題がある。
そのため、これを改善する目的においてYIGのFeのサ
イトの一部をGaで置換したものも提案されているが、こ
のものは温度特性は改善されるものの磁気共鳴半値幅
(ΔH)が大きくなるために、これを用いて低損失のマ
イクロ波フィルターやQの高いマイクロ波共振器を作る
ことが難しいという不利がある。
(課題を解決するための手段) 本発明はこのような不利を解決することのできる磁性
ガーネット単結晶およびこれよりなるマイクロ波素子材
料に関するもので、これは一般式(BixY3-x-zLuz)(Fe
5-yMy)O12(ここにMはGa、Alから選択される少なくと
も一つの元素、x、yは第1図におけるP1、P2、P3
P4、P5、P6の各点で囲まれる範囲のもの、zは0<z≦
0.3)で示される磁性ガーネット単結晶およびこれより
なるマイクロ波素子材料に関するものである。
すなわち、本発明者らは上記したような問題点を解決
する方法について種々検討した結果、一般にマイクロ波
の共鳴周波数(f)と垂直印加磁界Hとの間には次式 という関係があり、式中の4πMsとKugが温度依存性を
有することから、YIGのYの一部をBiおよびLuで置換
し、このFeの一部を非磁性イオンで置換し、この置換量
を4πMsとKugがその温度依存性を相殺するように選定
すれば、磁気共鳴半値幅(ΔH)を低下させると共に温
度特性を向上させることができることを見出し、この単
結晶の組成についての研究を進めて本発明を完成させ
た。
以下にこれをさらに詳述する。
(作用) 本発明の磁性ガーネット単結晶は一般式(BixY3-x-zL
uz)(Fe5-yMy)O12(ここにMはGa、Alから選択される
少なくとも一つの元素、x、yは第1図におけるP1
P2、P3、P4、P5、P6の各点で囲まれる範囲のもの、zは
0<z≦0.3)で示されるものであり、本発明のマイク
ロ波素子材料はこれよりなるものとされる。
本発明の磁性ガーネット単結晶としての上記した一般
式(BixY3-x-zLuz)(Fe5-yMy)O12で示されるものは式
Y3Fe5O12で示されるYIG結晶のYの一部をBiおよびLuで
置換し、Feの一部を非磁性イオンMで置換したものであ
るが、このYIGにおけるMはGa、Alから選択したものと
すればよい。
したがってこれには(BixY3-x-zLuz)(Fe5-yGay)O
12で示されるものが結晶欠陥が少ないということから好
ましいものとされる。
この式(BixY3-x-zLuz)(Fe5-yMy)O12(M、x、
y、zは前記に同じ)で示される磁性ガーネット単結晶
は基板単結晶に所定の酸化物融液からこの結晶を液相エ
ピタキシャル法で成長させることによって得ることがで
きる。
ここに使用される基板単結晶はガドリニウム・ガリウ
ム・ガーネット(以下GGGと略記する)、サマリウム・
ガリウム・ガーネット(以下SGGと略記する)、ネオジ
ム・ガリウム・ガーネット(以下NGGと略記する)、上
記したGGGにCa、Mg、Zr、Yの少なくとも1つで置換し
たGGG系のSOG、NOG、YOG[いずれも信越化学工業(株)
商品名]とすればよく、これらはGd2O3、Sm2O3、Nd2O3
または必要に応じCaO、MgO、ZrO2、Y2O3などの置換材を
それぞれGa2O3の所定量と共にルツボに仕込み、高周波
誘導で各々の融点以上に加熱して溶融したのち、この融
液からチヨクラルスキー法で単結晶を引き上げることに
よって得ることができる。
また、この基板単結晶上に液相エピタキシャル法でエ
ピタキシャル成長させる磁性ガーネット単結晶は上記し
たように組成式が(BixY3-x-zLuz)(Fe5-yMy)O
12(M、x、y、zは前記に同じ)で示されるものであ
るが、上記した式で示したガーネット単結晶膜は白金ル
ツボ中にBi2O3、Y2O3、R2O3、Fe2O3および金属Mの酸化
物の所定量をフラックスとしてのPbO、B2O3と共に仕込
み、1,100〜1,200℃に加熱してこれを融解させたのち、
この過冷却状態の融液から液相エピタキシャル法で単結
晶を成長させることによって得ることができる。
なお、本発明の磁性ガーネット単結晶は上記したよう
に式(BixY3-x-zLuz)(Fe5-yMy)O12(M、x、y、z
は前記に同じ)で示されるものとされるが、このX,Y値
については本発明者がこの式で示されるものを多種類作
成してその垂直共鳴磁界(H)、磁気共鳴半値幅(Δ
H)を測定すると共にこのものの温度特性をしらべ、X
軸をBiの置換量x値、Y軸をMの置換量y値としてグラ
フを作ったところ、第1図に示したようにx,y値が(0.
8、0.9)P1、(0.8、0.5)であるP2、(1.2、0.0)であ
るP3、(1.6、0.0)であるP4、(1.6、0.4)であるP5
(1.2、0.9)であるP6の各点で囲まれる範囲がすぐれた
物性を示すことを確認した。
本発明の前記した式で示される磁性ガーネット単結晶
はクラックもなくエピタキシャル膜表面も鏡面状であ
り、またΔHも小さく温度特性もよいので、マイクロ波
素子用材料としてすぐれた物性をもつものとなり、この
ものは例えば周波数100MHzから数10GHzのマイクロ波帯
で使用されるマイクロ波素子として有用とされるほか、
光アイソレーター、サーキュレーター用の磁気光学用磁
性膜としても有用とされる。
(実施例) つぎに本発明の実施例をあげるが例中における各試料
の組成式はICP発光分析法による測定結果から求めたも
の、格子定数はボンド法による測定結果を示したもので
あり、この磁気共鳴半値幅(ΔH)は9.2GHzによる測定
値を、またこのものの温度幅(ΔT)は共鳴磁界の変動
幅が3G以下となる室温付近の温度幅を示したものであ
る。
実施例1、比較例1〜4 目的とする磁性ガーネット単結晶を成長させる基板単
結晶としてGGG単結晶を構成する元素の一部をCa、Mgお
よびZrで置換した格子定数が12.496Åで、厚さが500μ
m、直径3インチのウエーハを用意した。
また、純度が99.99%以上である所定量のBi2O3、Y
2O3、Lu2O3、Fe2O3、Al2O3およびGa2O3をフラックス成
分としてのPbOとB2O3と共に白金ルツボに仕込み、1,100
℃に加熱して溶融し、この融液から上記した基板単結晶
ウエーハ上に液相エピタキシャル法で膜厚が約29μmの
酸化物ガーネット単結晶を成長させ、この単結晶の組
成、格子定数を測定したところ第1表に示したとおりの
結果が得られた。
つぎにこれらの単結晶から2.6×2.6mm角の試料を切り
出してこの試料を強磁性共鳴装置の9.2GHzの円柱状にキ
ャビティ内に、この試料が印加磁界に対して垂直になる
ようにセットし、温度を−50〜80℃に変化させて磁気共
鳴半値幅を測定したところ、第1表に併記したとおりの
結果が得られ、垂直共鳴磁界(G)の変動幅が3G以内で
ある室温付近の温度幅(ΔT)を求めたところ、第1表
に併記したとおりの結果が得られた。
しかし、比較のために上記における融液製造のための
金属酸化物のうちのBi2O3、Al2O3とGa2O3の添加量を変
えて第1表の比較例1〜4に示した組成式の酸化物ガー
ネット単結晶が得られるようにし、得られた酸化物ガー
ネット単結晶の格子定数を測定し、これから切り出した
試料を上記と同様に処理して、その磁気共鳴半値幅(Δ
H)と温度幅(ΔT)をしらべたところ、第1表に併記
したとおりの結果が得られた。
(発明の効果) 本発明は磁性ガーネット単結晶およびこれよりなるマ
イクロ波素子材料に関するものであり、この磁性ガーネ
ット単結晶はY3Fe5O12で示されるYIGのYの一部をBi、L
uで置換すると共に、さらにFeの一部Ga、Alで置換した
一般式(BixY3-x-zLuz)(Fe5-yMy)O12(ここにMはG
a、Alから選択される少なくとも一つの元素、x、yは
第1図のP1、P2、P3、P4、P5、P6の各点で囲まれる範囲
のもの、zは0≦z≦0.3)で示されるものであり、こ
のものは磁気共鳴半値幅が1.80e以下と小さく、その温
度特性もよいのでマイクロ波素子材料として有用とされ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のマイクロ波素子材料用の磁性ガーネッ
ト単結晶におけるBi置換基とM置換量の好ましい範囲を
示すxy関係グラフを示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−107900(JP,A) 特開 昭63−89495(JP,A) 特開 平2−88430(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C30B 28/00 - 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(BixY3-x-zLuz)(Fe5-yMy)O
    12(ここにMはGa、Alから選択される少なくとも一つの
    元素、x、yは第1図におけるP1、P2、P3、P4、P5、P6
    の各点で囲まれる範囲のもの、zは0z≦0.3)で示
    される磁性ガーネット単結晶。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の磁性ガーネット単結晶か
    らなることを特徴とするマイクロ波素子材料。
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