JP2794673B2 - 酸化物ガーネット単結晶磁性膜およびその製造方法 - Google Patents
酸化物ガーネット単結晶磁性膜およびその製造方法Info
- Publication number
- JP2794673B2 JP2794673B2 JP1070190A JP7019089A JP2794673B2 JP 2794673 B2 JP2794673 B2 JP 2794673B2 JP 1070190 A JP1070190 A JP 1070190A JP 7019089 A JP7019089 A JP 7019089A JP 2794673 B2 JP2794673 B2 JP 2794673B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- single crystal
- magnetic film
- substrate
- garnet single
- oxide garnet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F41/00—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
- H01F41/14—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates
- H01F41/24—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates from liquids
- H01F41/28—Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for applying magnetic films to substrates from liquids by liquid phase epitaxy
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Thin Magnetic Films (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は酸化物ガーネット単結晶磁性膜、特にはバブ
ルメモリ、磁気光学素子、マイクロ波素子などの用途に
有用とされる、遷移層の小さい酸化物ガーネット単結晶
磁性膜、およびその製造方法に関するものである。
ルメモリ、磁気光学素子、マイクロ波素子などの用途に
有用とされる、遷移層の小さい酸化物ガーネット単結晶
磁性膜、およびその製造方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、バブルメモリ、磁性光学素子、マイクロ波素子
などに使用される酸化物ガーネット単結晶磁性膜は、こ
の酸化物ガーネット単結晶を形成する各成分の金属酸化
物をルツボ中で融解し、これにフラックス成分であるPb
O,B2O3を添加してこの融液を過冷却状態としたのち、こ
こに基板を挿入し、回転および/または反転させて磁性
膜を育成するという方法で作られている。
などに使用される酸化物ガーネット単結晶磁性膜は、こ
の酸化物ガーネット単結晶を形成する各成分の金属酸化
物をルツボ中で融解し、これにフラックス成分であるPb
O,B2O3を添加してこの融液を過冷却状態としたのち、こ
こに基板を挿入し、回転および/または反転させて磁性
膜を育成するという方法で作られている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、上記したような従来法で得られた酸化物ガー
ネット単結晶磁性膜は目的とする化学組成のものとは異
なる構造を有する遷移層が生成し易く、したがってこの
ようにして得た酸化物ガーネット単結晶磁性膜をバブル
メモリや磁気光学系素子として用いるとこの遷移層の間
で歪が発生して消光比が劣化し、マイクロ波素子として
用いると磁気共鳴半値幅が増大してしまうという不利が
生じる。
ネット単結晶磁性膜は目的とする化学組成のものとは異
なる構造を有する遷移層が生成し易く、したがってこの
ようにして得た酸化物ガーネット単結晶磁性膜をバブル
メモリや磁気光学系素子として用いるとこの遷移層の間
で歪が発生して消光比が劣化し、マイクロ波素子として
用いると磁気共鳴半値幅が増大してしまうという不利が
生じる。
[課題を解決するための手段] 本発明はこのような不利を解決した酸化物ガーネット
単結晶磁性膜およびその製造方法に関するものであり、
これは液相エピタキシャル法で基板上に育成された酸化
物ガーネット単結晶磁性膜中の、該基板を融液表面から
融液中の所定位置に移動する間に、基板の上に育成され
た結晶組成が該単結晶磁性膜と異なる遷移層の厚さが該
磁性膜の厚さの5%以下であることを特徴とする酸化物
ガーネット単結晶磁性膜、および液相エピタキシャル法
で融液中より基板上に酸化物ガーネット単結晶磁性膜を
育成する方法において、該基板の融液表面から育成位置
までの移動速度を200mm/分以上として育成することを特
徴とする酸化物ガーネット単結晶磁性膜の製造方法に関
するものである。
単結晶磁性膜およびその製造方法に関するものであり、
これは液相エピタキシャル法で基板上に育成された酸化
物ガーネット単結晶磁性膜中の、該基板を融液表面から
融液中の所定位置に移動する間に、基板の上に育成され
た結晶組成が該単結晶磁性膜と異なる遷移層の厚さが該
磁性膜の厚さの5%以下であることを特徴とする酸化物
ガーネット単結晶磁性膜、および液相エピタキシャル法
で融液中より基板上に酸化物ガーネット単結晶磁性膜を
育成する方法において、該基板の融液表面から育成位置
までの移動速度を200mm/分以上として育成することを特
徴とする酸化物ガーネット単結晶磁性膜の製造方法に関
するものである。
すなわち、本発明者らはバブルメモリ、磁気光学素
子、マイクロ波素子などに使用することのできる酸化物
ガーネット単結晶磁性膜を開発すべく種々検討した結
果、これらの用途に使用したときにも特に支障を来たさ
ない酸化物ガーネット単結晶磁性膜はその磁性膜中の、
該基板を融液表面から融液中の所定位置に移動する間
に、基板の上に育成された結晶組成が該単結晶磁性膜と
異なる遷移層の厚さがこの磁性膜の厚さの5%以下とな
るようにすればよいということを見出すと共に、この遷
移層の厚さがこのように薄い酸化物ガーネット単結晶磁
性膜を得るためには公知の液相エピタキシャル法(以下
LPE法と略記する)によってこの酸化物ガーネット単結
晶を構成する各種金属酸化物を融解した融液中に基板を
浸漬し、これを回転および/または反転して基板上に酸
化物ガーネット単結晶磁性膜を作成する方法において、
この基板上への酸化物ガーネット単結晶磁性膜の育成を
この基板の融液表面から育成位置までの移動速度を200m
m/分以上とすれば遷移層の発生が少なくなり、この遷移
層の厚さを磁性層の厚さの5%以下とすることができる
ことを確認して本発明を完成させた。
子、マイクロ波素子などに使用することのできる酸化物
ガーネット単結晶磁性膜を開発すべく種々検討した結
果、これらの用途に使用したときにも特に支障を来たさ
ない酸化物ガーネット単結晶磁性膜はその磁性膜中の、
該基板を融液表面から融液中の所定位置に移動する間
に、基板の上に育成された結晶組成が該単結晶磁性膜と
異なる遷移層の厚さがこの磁性膜の厚さの5%以下とな
るようにすればよいということを見出すと共に、この遷
移層の厚さがこのように薄い酸化物ガーネット単結晶磁
性膜を得るためには公知の液相エピタキシャル法(以下
LPE法と略記する)によってこの酸化物ガーネット単結
晶を構成する各種金属酸化物を融解した融液中に基板を
浸漬し、これを回転および/または反転して基板上に酸
化物ガーネット単結晶磁性膜を作成する方法において、
この基板上への酸化物ガーネット単結晶磁性膜の育成を
この基板の融液表面から育成位置までの移動速度を200m
m/分以上とすれば遷移層の発生が少なくなり、この遷移
層の厚さを磁性層の厚さの5%以下とすることができる
ことを確認して本発明を完成させた。
以下、これをさらに詳述する。
[作 用] 本発明の酸化物ガーネット単結晶磁性膜は前記したよ
うにLPE法で基板上に育成された酸化物ガーネット単結
晶磁性膜中の、該基板を融液表面から融液中の所定位置
に移動する間に、基板の上に育成された結晶組成が該単
結晶磁性膜と異なる遷移層の厚さが該磁性膜の厚さの5
%以下とされたものであるが、この酸化物ガーネット単
結晶磁性膜の育成に使用される基板単結晶はガドリニウ
ム・ガリウム・ガーネット(以下GGGと略記する)、サ
マリウム・ガリウム・ガーネット(以下SGGと略記す
る)、ネオジム・ガリウム・ガーネット(以下NGGと略
記する)、またはこのGGGにCa,Mg,ZrまたはYを置換し
たGGG系のSOG,NOGまたはYOG[いずれも信越化学(株)
製商品名]が例示される。なお、これらの基板単結晶は
いずれも公知のものであるが、これらはGd2O3,Sm2O3,Nd
2O3または必要に応じCaO,MgO,ZrO2またはY2O3などの置
換材をそれぞれGa2O3の所定量と共にルツボに仕込み、
高周波誘導でそれぞれの結晶の融点以上に加熱して溶融
したのち、この溶液からチョクラルスキー法で単結晶を
引上げることによって得ることができるが、このものは
この単結晶から切り出したウェーハを例えば熱リン酸で
エッチングしたのち格子定数を測定すると12.367〜12.5
08Åを示すことが確認された。
うにLPE法で基板上に育成された酸化物ガーネット単結
晶磁性膜中の、該基板を融液表面から融液中の所定位置
に移動する間に、基板の上に育成された結晶組成が該単
結晶磁性膜と異なる遷移層の厚さが該磁性膜の厚さの5
%以下とされたものであるが、この酸化物ガーネット単
結晶磁性膜の育成に使用される基板単結晶はガドリニウ
ム・ガリウム・ガーネット(以下GGGと略記する)、サ
マリウム・ガリウム・ガーネット(以下SGGと略記す
る)、ネオジム・ガリウム・ガーネット(以下NGGと略
記する)、またはこのGGGにCa,Mg,ZrまたはYを置換し
たGGG系のSOG,NOGまたはYOG[いずれも信越化学(株)
製商品名]が例示される。なお、これらの基板単結晶は
いずれも公知のものであるが、これらはGd2O3,Sm2O3,Nd
2O3または必要に応じCaO,MgO,ZrO2またはY2O3などの置
換材をそれぞれGa2O3の所定量と共にルツボに仕込み、
高周波誘導でそれぞれの結晶の融点以上に加熱して溶融
したのち、この溶液からチョクラルスキー法で単結晶を
引上げることによって得ることができるが、このものは
この単結晶から切り出したウェーハを例えば熱リン酸で
エッチングしたのち格子定数を測定すると12.367〜12.5
08Åを示すことが確認された。
また、この基板単結晶上にLPE法でエピタキシャル成
長させる酸化物ガーネット単結晶磁性膜は公知のもの
で、これは例えば組成式がYIG,(YM)3Fe5O12または(Y
M)3(FeN)5O12で示され、このMがLa,Bi,Gd,Lu,Ca,S
mなど、またはNがGe,Al,Ga,In,Scの少なくとも1種の
元素から選択されるものとされる。このYIG,(YM)3Fe5
O12または(YM)3(FeN)5O12で示される単結晶は白金
ルツボ中にY2O3,Fe2O3,元素Mの酸化物または元素Nの
酸化物(M,Nは前記の通り)をフラックス成分としてのP
bO,B2O3と共に仕込み、900〜1,300℃に加熱してこれを
溶解させたのち、この融液からLPE法で単結晶を成長さ
せることによって得ることができる。
長させる酸化物ガーネット単結晶磁性膜は公知のもの
で、これは例えば組成式がYIG,(YM)3Fe5O12または(Y
M)3(FeN)5O12で示され、このMがLa,Bi,Gd,Lu,Ca,S
mなど、またはNがGe,Al,Ga,In,Scの少なくとも1種の
元素から選択されるものとされる。このYIG,(YM)3Fe5
O12または(YM)3(FeN)5O12で示される単結晶は白金
ルツボ中にY2O3,Fe2O3,元素Mの酸化物または元素Nの
酸化物(M,Nは前記の通り)をフラックス成分としてのP
bO,B2O3と共に仕込み、900〜1,300℃に加熱してこれを
溶解させたのち、この融液からLPE法で単結晶を成長さ
せることによって得ることができる。
本発明による酸化物ガーネット単結晶磁性膜の製造
は、この磁性膜中における前記した遷移層の厚さを磁性
膜の厚さの5%以下とするということから、この酸化物
ガーネット単結晶を形成させる各種金属酸化物をフラッ
クス成分としてのPbO,B2O3と共に融解し、これを過冷却
状態としたのち、この融液中に上記した基板を浸漬し、
これを回転および/または反転させながら引上げてこの
基板上に酸化物ガーネット単結晶磁性膜を育成するので
あるが、基板上への酸化物ガーネット単結晶の析出は基
板を融液中の所定の育成位置に移動する間にも行なわ
れ、この移動中は基板を回転、反転させることが不可能
であり、これにはまた移動というファクターも加わるた
めに溶液中の存在する金属酸化物各成分の結晶成長速度
が回転,反転中の結晶成長速度と異なり、したがって得
られる結晶の結晶組成が異なってこれが遷移層となるも
のと推考されるので、この遷移層の厚さを小さくするた
めには融液中での所定の育成位置までの基板の移動速度
をできるだけ大きくすることが必要とされる。
は、この磁性膜中における前記した遷移層の厚さを磁性
膜の厚さの5%以下とするということから、この酸化物
ガーネット単結晶を形成させる各種金属酸化物をフラッ
クス成分としてのPbO,B2O3と共に融解し、これを過冷却
状態としたのち、この融液中に上記した基板を浸漬し、
これを回転および/または反転させながら引上げてこの
基板上に酸化物ガーネット単結晶磁性膜を育成するので
あるが、基板上への酸化物ガーネット単結晶の析出は基
板を融液中の所定の育成位置に移動する間にも行なわ
れ、この移動中は基板を回転、反転させることが不可能
であり、これにはまた移動というファクターも加わるた
めに溶液中の存在する金属酸化物各成分の結晶成長速度
が回転,反転中の結晶成長速度と異なり、したがって得
られる結晶の結晶組成が異なってこれが遷移層となるも
のと推考されるので、この遷移層の厚さを小さくするた
めには融液中での所定の育成位置までの基板の移動速度
をできるだけ大きくすることが必要とされる。
なお、この移動速度は例えば次のように求められる。
すなわち、融液表面から育成位置の距離をd(mm),融
液表面から育成位置までの間の平均成長速度をv(μm/
分),融液表面から育成位置までの間の基板移動速度を
V(mm/分)とすると、遷移層の厚さh1は次式 で表わされるし、酸化物ガーネット単結晶磁性膜の厚さ
h2は h1/h2(%)<5 であるときに本発明の効果が示されるのであるが、この
ときの移動速度Vは となり、この下限の速度はd,v,h2の値によって変化する
ことになるけれども、磁性膜の厚さh2が1〜100μmで
ある範囲ではこの移動速度Vは200mm/分以上とすること
が必要とされる。なお、この移動速度Vについての上限
はできるだけ大きいほうがよいが、作業上、融液の発泡
性などの点からこれは1,000m/分以上とすることがよ
い。
すなわち、融液表面から育成位置の距離をd(mm),融
液表面から育成位置までの間の平均成長速度をv(μm/
分),融液表面から育成位置までの間の基板移動速度を
V(mm/分)とすると、遷移層の厚さh1は次式 で表わされるし、酸化物ガーネット単結晶磁性膜の厚さ
h2は h1/h2(%)<5 であるときに本発明の効果が示されるのであるが、この
ときの移動速度Vは となり、この下限の速度はd,v,h2の値によって変化する
ことになるけれども、磁性膜の厚さh2が1〜100μmで
ある範囲ではこの移動速度Vは200mm/分以上とすること
が必要とされる。なお、この移動速度Vについての上限
はできるだけ大きいほうがよいが、作業上、融液の発泡
性などの点からこれは1,000m/分以上とすることがよ
い。
上記したような方法で得られる本発明の酸化物ガーネ
ット単結晶磁性膜は、容易に20μm以上の厚膜として得
られるし、このものはその磁気共鳴半値幅ΔHも1.0Oe
以下のように引く、化学組成や格子定数も一定で均一な
値のものとなるので、光アイソレーターやマイクロ波素
子用材料としてすぐれた物性をもつものとなり、このも
のは例えば周波数100MHzから数10GHzのマイクロ波帯で
使用されるマイクロ波素子として例えば、アイソレータ
ー、サーキュレーター用の磁性膜、または磁気光学素子
用磁性膜としても有用とされる。
ット単結晶磁性膜は、容易に20μm以上の厚膜として得
られるし、このものはその磁気共鳴半値幅ΔHも1.0Oe
以下のように引く、化学組成や格子定数も一定で均一な
値のものとなるので、光アイソレーターやマイクロ波素
子用材料としてすぐれた物性をもつものとなり、このも
のは例えば周波数100MHzから数10GHzのマイクロ波帯で
使用されるマイクロ波素子として例えば、アイソレータ
ー、サーキュレーター用の磁性膜、または磁気光学素子
用磁性膜としても有用とされる。
[実施例] つぎに本発明の実施例をあげる。
実施例 酸化物ガーネット単結晶磁性膜を形成させる成分とし
てのY2O329g、Bi2O3600g、Fe2O3500g、Ga2O350gおよび
フラックス成分としてのPbO4,800g、B2O3100gを白金ル
ツボに仕込み、1,100℃に加熱してこれらを溶融し、こ
の融液にGGG単結晶ウェーハを浸漬し、LPE法でGGG単結
晶ウェーハ<111>方向に式(YBi)3(FeGa)5O12で示
される酸化物ガーネット単結晶磁性膜をエピタキシャル
成長させて、厚さ10μmのエピタキシャル基板を作っ
た。
てのY2O329g、Bi2O3600g、Fe2O3500g、Ga2O350gおよび
フラックス成分としてのPbO4,800g、B2O3100gを白金ル
ツボに仕込み、1,100℃に加熱してこれらを溶融し、こ
の融液にGGG単結晶ウェーハを浸漬し、LPE法でGGG単結
晶ウェーハ<111>方向に式(YBi)3(FeGa)5O12で示
される酸化物ガーネット単結晶磁性膜をエピタキシャル
成長させて、厚さ10μmのエピタキシャル基板を作っ
た。
この際、融液表面から育成位置までの間のGGG単結晶
ウェーハの移動速度を10mm/分から1,000mm/分まで変化
させ、この移動速度と得られた酸化物ガーネット単結晶
磁性膜中の遷移層の厚さh1と磁性膜の厚さh2との比h1/h
2(%)とを関係をしらべたところ、第1図に示したと
おりの結果が得られ、またこのh1/h2とこの酸化物ガー
ネット単結晶磁性膜をマイクロ波素子としたときの磁気
共鳴半値幅ΔHとの関係をしらべたところ、第2図に示
したとおりの結果が得られたので、GGG単結晶ウェーハ
の移動速度を200mm/分以上とすればh1/h2=5%以下と
することができ、このh1/h2を5%以下とすれば磁気共
鳴半値幅を1.0Oe以下とすることのできることが確認さ
れた。
ウェーハの移動速度を10mm/分から1,000mm/分まで変化
させ、この移動速度と得られた酸化物ガーネット単結晶
磁性膜中の遷移層の厚さh1と磁性膜の厚さh2との比h1/h
2(%)とを関係をしらべたところ、第1図に示したと
おりの結果が得られ、またこのh1/h2とこの酸化物ガー
ネット単結晶磁性膜をマイクロ波素子としたときの磁気
共鳴半値幅ΔHとの関係をしらべたところ、第2図に示
したとおりの結果が得られたので、GGG単結晶ウェーハ
の移動速度を200mm/分以上とすればh1/h2=5%以下と
することができ、このh1/h2を5%以下とすれば磁気共
鳴半値幅を1.0Oe以下とすることのできることが確認さ
れた。
[発明の効果] 本発明の酸化物ガーネット単結晶磁性膜は前記したよ
うに磁性膜中の、該基板を融液表面から融液中の所定位
置に移動する間に、基板の上に育成された結晶組成が該
単結晶磁性膜と異なる遷移層の厚さを磁性膜の厚さの5
%以下としたものであり、このものは融液中に浸漬して
いる単結晶基板の融液表面から育成位置までの移動速度
を200mm/分以上とすることによって得られるが、この酸
化物ガーネット単結晶基板は遷移層の厚さが薄いのでこ
れをバブルメモリや磁気光学素子に使用したときにも遷
移層の間で歪の発生することがなく、消光比が劣化する
こともないし、これはまたマイクロ波素子として使用し
たときに磁気共鳴半値幅が1.0Oe以下となり、これが増
大することもないという有利性が与えられる。
うに磁性膜中の、該基板を融液表面から融液中の所定位
置に移動する間に、基板の上に育成された結晶組成が該
単結晶磁性膜と異なる遷移層の厚さを磁性膜の厚さの5
%以下としたものであり、このものは融液中に浸漬して
いる単結晶基板の融液表面から育成位置までの移動速度
を200mm/分以上とすることによって得られるが、この酸
化物ガーネット単結晶基板は遷移層の厚さが薄いのでこ
れをバブルメモリや磁気光学素子に使用したときにも遷
移層の間で歪の発生することがなく、消光比が劣化する
こともないし、これはまたマイクロ波素子として使用し
たときに磁気共鳴半値幅が1.0Oe以下となり、これが増
大することもないという有利性が与えられる。
第1図は実施例におけるGGG単結晶ウェーハの移動速度
と得られた酸化物ガーネット単結晶磁性膜中の、該基板
を融液表面から融液中の所定位置に移動する間に、基板
の上に育成された結晶組成が該単結晶磁性膜と異なる遷
移層の厚さと磁性膜の厚さとの比h1/h2(%)との関係
グラフを示したものであり、第2図はこの実施例で得ら
れた酸化物ガーネット単結晶磁性膜をマイクロ波素子と
して使用したときの磁気共鳴半値幅と上記の遷移層の厚
さと磁性膜の厚さの比h1/h2との関係グラフを示したも
のである。
と得られた酸化物ガーネット単結晶磁性膜中の、該基板
を融液表面から融液中の所定位置に移動する間に、基板
の上に育成された結晶組成が該単結晶磁性膜と異なる遷
移層の厚さと磁性膜の厚さとの比h1/h2(%)との関係
グラフを示したものであり、第2図はこの実施例で得ら
れた酸化物ガーネット単結晶磁性膜をマイクロ波素子と
して使用したときの磁気共鳴半値幅と上記の遷移層の厚
さと磁性膜の厚さの比h1/h2との関係グラフを示したも
のである。
Claims (2)
- 【請求項1】液相エピタキシャル法で基板上に育成され
た酸化物ガーネット単結晶磁性膜中の、該基板を融液表
面から融液中の所定位置に移動する間に、基板の上に育
成された結晶組成が該単結晶磁性膜と異なる遷移層の厚
さが該磁性膜の厚さの5%以下であることを特徴とする
酸化物ガーネット単結晶磁性膜。 - 【請求項2】液相エピタキシャル法で融液中より基板上
に酸化物ガーネット単結晶磁性膜を育成する方法におい
て、該基板の融液表面から育成位置までの移動速度を20
0mm/分以上として育成することを特徴とする酸化物ガー
ネット単結晶磁性膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1070190A JP2794673B2 (ja) | 1989-03-22 | 1989-03-22 | 酸化物ガーネット単結晶磁性膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1070190A JP2794673B2 (ja) | 1989-03-22 | 1989-03-22 | 酸化物ガーネット単結晶磁性膜およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02249211A JPH02249211A (ja) | 1990-10-05 |
JP2794673B2 true JP2794673B2 (ja) | 1998-09-10 |
Family
ID=13424358
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1070190A Expired - Fee Related JP2794673B2 (ja) | 1989-03-22 | 1989-03-22 | 酸化物ガーネット単結晶磁性膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2794673B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5022294A (ja) * | 1973-07-02 | 1975-03-10 | ||
JPS6199318A (ja) * | 1984-10-22 | 1986-05-17 | Hitachi Ltd | 磁性ガ−ネツト膜の作製方法 |
-
1989
- 1989-03-22 JP JP1070190A patent/JP2794673B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02249211A (ja) | 1990-10-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US2957827A (en) | Method of making single crystal garnets | |
US4355072A (en) | Magnetic hexagonal ferrite layer on a nonmagnetic hexagonal mixed crystal substrate | |
JPH0513916B2 (ja) | ||
US4690726A (en) | Liquid phase epitaxial growth of bismuth-containing garnet films | |
US5466388A (en) | Material for magnetostatic-wave devices | |
JP2794673B2 (ja) | 酸化物ガーネット単結晶磁性膜およびその製造方法 | |
US4414290A (en) | Magnetic structure suitable for the propagation of single-walled magnetic domains | |
JP2784926B2 (ja) | 酸化物ガーネット単結晶およびその製造方法 | |
JP2756273B2 (ja) | 酸化物ガーネット単結晶およびその製造方法 | |
JP2869951B2 (ja) | 磁性ガーネット単結晶およびマイクロ波素子材料 | |
JP2924282B2 (ja) | 磁気光学材料、その製造法およびそれを用いた光素子 | |
JPH02248398A (ja) | 酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法 | |
US4293372A (en) | Growth of single-crystal magnetoplumbite | |
US4468438A (en) | Garnet epitaxial films with high Curie temperatures | |
JP2800974B2 (ja) | ガーネット単結晶膜およびその製造方法 | |
JPH06260322A (ja) | 静磁波素子用材料 | |
JPH0549638B2 (ja) | ||
JP2867736B2 (ja) | 磁気光学材料、その製造法およびそれを用いた光素子 | |
JP3059332B2 (ja) | マイクロ波素子材料 | |
US4292119A (en) | Growth of single-crystal 2PbO.Fe2 O3 | |
JP3089742B2 (ja) | 静磁波デバイス用材料 | |
US4273610A (en) | Method for controlling the resonance frequency of yttrium iron garnet films | |
JP3089741B2 (ja) | 静磁波デバイス用材料 | |
JP3324304B2 (ja) | 静磁波素子用磁性ガーネット単結晶膜の処理方法およびその処理手段を備えた磁性ガーネット単結晶膜の製造装置 | |
Huahui et al. | Epitaxial growth of highly Bi-substituted garnet films with narrow FMR linewidth and low optical absorption loss |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |