JP2800974B2 - ガーネット単結晶膜およびその製造方法 - Google Patents
ガーネット単結晶膜およびその製造方法Info
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- JP2800974B2 JP2800974B2 JP1053307A JP5330789A JP2800974B2 JP 2800974 B2 JP2800974 B2 JP 2800974B2 JP 1053307 A JP1053307 A JP 1053307A JP 5330789 A JP5330789 A JP 5330789A JP 2800974 B2 JP2800974 B2 JP 2800974B2
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- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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- Thin Magnetic Films (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はガーネット単結晶膜、特にはその膜中にマグ
ネトプランバイトを含まないことからバブルメモリ、磁
気光学素子、マイクロ波素子用として有用とされるガー
ネット単結晶膜およびその製造方法に関するものであ
る。
ネトプランバイトを含まないことからバブルメモリ、磁
気光学素子、マイクロ波素子用として有用とされるガー
ネット単結晶膜およびその製造方法に関するものであ
る。
[従来の技術] ガーネット単結晶膜の製造は一般に液相エピタキシャ
ル法(以下LPE法と略記する)によって行なわれてお
り、これはルツボ中にガーネット成分となる金属酸化物
をフラックス成分としてのPbO,B2O3などと共に溶かし込
んで飽和メルト液を作り、ついでこの融液中に基板を浸
漬し、この基板を回転および/または反転させながら引
上げてこの基板にガーネット単結晶膜を成長させるとい
う方法で作られている。
ル法(以下LPE法と略記する)によって行なわれてお
り、これはルツボ中にガーネット成分となる金属酸化物
をフラックス成分としてのPbO,B2O3などと共に溶かし込
んで飽和メルト液を作り、ついでこの融液中に基板を浸
漬し、この基板を回転および/または反転させながら引
上げてこの基板にガーネット単結晶膜を成長させるとい
う方法で作られている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、この液相エピタキシャル法において生産性を
向上する目的で基板を大きくしたり、融液量を増大させ
ると、このガーネット単結晶膜中にPbFe12O19やPb2Fe6O
11で示されるマグネトプランバイト結晶が析出してピッ
ト状の結晶欠陥が多発する結果、このようにして得られ
たガーネット単結晶はこれを磁気光学素子に用いるとそ
の歪みにより消光比を劣化させ、またマイクロ波素子に
使用すると磁気共鳴半値幅(ΔH)が増加され、バブル
メモリに使用すると磁気的欠陥となるので、これらの用
途に使用することができないという不利が生じる。
向上する目的で基板を大きくしたり、融液量を増大させ
ると、このガーネット単結晶膜中にPbFe12O19やPb2Fe6O
11で示されるマグネトプランバイト結晶が析出してピッ
ト状の結晶欠陥が多発する結果、このようにして得られ
たガーネット単結晶はこれを磁気光学素子に用いるとそ
の歪みにより消光比を劣化させ、またマイクロ波素子に
使用すると磁気共鳴半値幅(ΔH)が増加され、バブル
メモリに使用すると磁気的欠陥となるので、これらの用
途に使用することができないという不利が生じる。
[課題を解決するための手段] 本発明はこのような不利を伴なわないガーネット単結
晶膜およびその製造方法に関するものであり、これは9
〜21kgの金属酸化物を加熱溶融した融液より液相エピタ
キシャル法により成長して得られるガーネット単結晶膜
において、該膜がマグネトプランバイトの析出がみられ
ないものであることを特徴とするガーネット単結晶膜、
および金属酸化物融液中に基板を浸漬し、これを回転さ
せながら引上げてこの基板上にガーネット単結晶膜を成
長させる液相エピタキシャル法によるガーネット単結晶
の製造方法において、9〜21kgの該金属酸化物を加熱溶
融して融液を作り、これをその飽和温度以上に5日〜8
日間保持し、この間に該融液を撹拌したのち液相エピタ
キシャル法で基板上にガーネット単結晶膜を成長させる
ことを特徴とする膜中にマグネトプランバイトを含有し
ないガーネット単結晶膜の製造方法に関するものであ
る。
晶膜およびその製造方法に関するものであり、これは9
〜21kgの金属酸化物を加熱溶融した融液より液相エピタ
キシャル法により成長して得られるガーネット単結晶膜
において、該膜がマグネトプランバイトの析出がみられ
ないものであることを特徴とするガーネット単結晶膜、
および金属酸化物融液中に基板を浸漬し、これを回転さ
せながら引上げてこの基板上にガーネット単結晶膜を成
長させる液相エピタキシャル法によるガーネット単結晶
の製造方法において、9〜21kgの該金属酸化物を加熱溶
融して融液を作り、これをその飽和温度以上に5日〜8
日間保持し、この間に該融液を撹拌したのち液相エピタ
キシャル法で基板上にガーネット単結晶膜を成長させる
ことを特徴とする膜中にマグネトプランバイトを含有し
ないガーネット単結晶膜の製造方法に関するものであ
る。
すなわち、本発明者らは前記したような不利を伴なわ
ないガーネット単結晶膜を開発すべく種々検討した結
果、LPE法で得られたガーネット単結晶膜に菱面体状の
析出物もしくはピット状の結晶欠陥の生じるのは膜中に
マグネトプランバイト結晶が析出するためであり、これ
は特にガーネット単結晶を引上げる融液が9〜21kgと多
い場合に発生し易いということから、融液中の金属酸化
物成分が充分によく混合しておらず、したがって反応が
よく行なわれていないためであろうと推考し、この金属
酸化物成分の混合、反応を促進させるためにはこの融液
を各金属酸化物の融点以上の高温に加熱したのち基板を
浸漬し、ついでガーネット単結晶膜を成長させればよい
ということを見出し、この融液を9〜21kgの該金属酸化
物を加熱溶融して溶液を作り、これをその飽和温度以上
に5日〜8日間保持し、この間に該融液を撹拌したのち
LPE法でガーネット単結晶膜を成長させたところ、マグ
ネトプランバイト結晶の析出のないガーネット単結晶膜
を容易に得ることができることを確認して本発明を完成
させた。
ないガーネット単結晶膜を開発すべく種々検討した結
果、LPE法で得られたガーネット単結晶膜に菱面体状の
析出物もしくはピット状の結晶欠陥の生じるのは膜中に
マグネトプランバイト結晶が析出するためであり、これ
は特にガーネット単結晶を引上げる融液が9〜21kgと多
い場合に発生し易いということから、融液中の金属酸化
物成分が充分によく混合しておらず、したがって反応が
よく行なわれていないためであろうと推考し、この金属
酸化物成分の混合、反応を促進させるためにはこの融液
を各金属酸化物の融点以上の高温に加熱したのち基板を
浸漬し、ついでガーネット単結晶膜を成長させればよい
ということを見出し、この融液を9〜21kgの該金属酸化
物を加熱溶融して溶液を作り、これをその飽和温度以上
に5日〜8日間保持し、この間に該融液を撹拌したのち
LPE法でガーネット単結晶膜を成長させたところ、マグ
ネトプランバイト結晶の析出のないガーネット単結晶膜
を容易に得ることができることを確認して本発明を完成
させた。
以下これをさらに詳述する。
[作用] 本発明のガーネット単結晶は公知のLPE法により製造
されるが、このガーネット単結晶膜を成長させるために
使用する基板単結晶は公知のものでよく、これには例え
ばガドリニウム・ガリウム・ガーネット(以下GGGと略
記する)、サマリウム・ガリウム・ガーネット(以下SG
Gと略記する)、ネオジム・ガリウム・ガーネット(以
下NGGと略記する)、上記したGGGにCa,Mg,ZrまたはYを
置換したGGG系のSOG,NOG,YOG[いずれも信越化学工業
(株)商品名]とすればよく、これらはGd2O3,Sm2O3,Nd
2O3または必要に応じ、CaO,MgO,ZrO2,Y2O3などの置換元
素をそれぞれGa2O3の所定量と共にルツボに仕込み、高
周波誘導でそれぞれの融点以上に加熱して溶融したの
ち、この融液からチョクラルスキー法で単結晶を引上げ
ることによって得ることができる。
されるが、このガーネット単結晶膜を成長させるために
使用する基板単結晶は公知のものでよく、これには例え
ばガドリニウム・ガリウム・ガーネット(以下GGGと略
記する)、サマリウム・ガリウム・ガーネット(以下SG
Gと略記する)、ネオジム・ガリウム・ガーネット(以
下NGGと略記する)、上記したGGGにCa,Mg,ZrまたはYを
置換したGGG系のSOG,NOG,YOG[いずれも信越化学工業
(株)商品名]とすればよく、これらはGd2O3,Sm2O3,Nd
2O3または必要に応じ、CaO,MgO,ZrO2,Y2O3などの置換元
素をそれぞれGa2O3の所定量と共にルツボに仕込み、高
周波誘導でそれぞれの融点以上に加熱して溶融したの
ち、この融液からチョクラルスキー法で単結晶を引上げ
ることによって得ることができる。
また、この基板単結晶上にLPE法でエピタキシャル成
長させるガーネット単結晶膜は組成的には公知のもので
よく、これについては例えば組成式がF3Fe5O12または
(YMFe)8O12で示され、このMがLa,Bi,Gd,Lu,Sm,Ca,G
e,Ga,Al,Sc,Inの少なくとも1種の元素であるものが選
択されるものとされるが、この式Y3Fe5O12または(YMF
e)8O12で示される単結晶は白金ルツボ中に各成分の金
属酸化物の所要量をフラックス成分としてのPbO,B2O3と
共に仕込み、900〜1,300℃に加熱してこれを融解させる
ことによって融液とすればよい。
長させるガーネット単結晶膜は組成的には公知のもので
よく、これについては例えば組成式がF3Fe5O12または
(YMFe)8O12で示され、このMがLa,Bi,Gd,Lu,Sm,Ca,G
e,Ga,Al,Sc,Inの少なくとも1種の元素であるものが選
択されるものとされるが、この式Y3Fe5O12または(YMF
e)8O12で示される単結晶は白金ルツボ中に各成分の金
属酸化物の所要量をフラックス成分としてのPbO,B2O3と
共に仕込み、900〜1,300℃に加熱してこれを融解させる
ことによって融液とすればよい。
本発明のガーネット単結晶膜は上記のようにして得た
エピタキシャル成長させるべきガーネット単結晶の融液
中に前記した基板を浸漬し、これを回転および反転させ
ながら育成するというLPE法でこの基板上にガーネット
単結晶を成長させればよいが、このガーネット単結晶膜
をPbFe12O19またはPb2Fe6O11などのようなマグネトプラ
ンバイト結晶を含まないものにするということから、こ
の融液中における金属酸化物をよく混合させ、これらが
充分反応したものとすることが必要であり、したがって
この融液についてはガーネット単結晶を構成するための
各金属酸化物の融点以上の高温に所定時間以上加熱する
必要がある。この加熱は各金属酸化物の融点以上とする
ということからこれはその飽和温度以上のできるだけ高
い温度とすることがよいが、通常このLPE法に使用され
るカンタル線を使用したヒーターの温度限界が1,150〜
1,200℃前後とされるので、この程度の温度までに加熱
すればよい。しかし、この高温に加熱する時間はその融
液量により異なり、その量が多くなればそれだけ長くす
ることが必要とされるが、この加熱する時間は、9〜21
kgの融液量において、5日未満では時間が短くてマグネ
トプランバイト結晶をなくすことができないので、第1
図の結果よりこれは少なくとも5日はこの温度に保持し
ておくことが必要とされるが、この時間は融液量や添加
量によって、調節され、8日以上とする必要はないの
で、これは5日〜8日間とすればよい。この場合金属酸
化物の混合、反応をよりよくするということからこの融
液を撹拌することがよいが、これによれば各酸化物が完
全に均一に混合され、反応も充分に行なわれるので上記
したようなマグネトプランバイト結晶が析出することが
なくなり、目的とするガーネット単結晶膜を確実に得る
ことができる。
エピタキシャル成長させるべきガーネット単結晶の融液
中に前記した基板を浸漬し、これを回転および反転させ
ながら育成するというLPE法でこの基板上にガーネット
単結晶を成長させればよいが、このガーネット単結晶膜
をPbFe12O19またはPb2Fe6O11などのようなマグネトプラ
ンバイト結晶を含まないものにするということから、こ
の融液中における金属酸化物をよく混合させ、これらが
充分反応したものとすることが必要であり、したがって
この融液についてはガーネット単結晶を構成するための
各金属酸化物の融点以上の高温に所定時間以上加熱する
必要がある。この加熱は各金属酸化物の融点以上とする
ということからこれはその飽和温度以上のできるだけ高
い温度とすることがよいが、通常このLPE法に使用され
るカンタル線を使用したヒーターの温度限界が1,150〜
1,200℃前後とされるので、この程度の温度までに加熱
すればよい。しかし、この高温に加熱する時間はその融
液量により異なり、その量が多くなればそれだけ長くす
ることが必要とされるが、この加熱する時間は、9〜21
kgの融液量において、5日未満では時間が短くてマグネ
トプランバイト結晶をなくすことができないので、第1
図の結果よりこれは少なくとも5日はこの温度に保持し
ておくことが必要とされるが、この時間は融液量や添加
量によって、調節され、8日以上とする必要はないの
で、これは5日〜8日間とすればよい。この場合金属酸
化物の混合、反応をよりよくするということからこの融
液を撹拌することがよいが、これによれば各酸化物が完
全に均一に混合され、反応も充分に行なわれるので上記
したようなマグネトプランバイト結晶が析出することが
なくなり、目的とするガーネット単結晶膜を確実に得る
ことができる。
なお、このLPE法によるガーネット単結晶膜の成長は
通常同一の融液から連続して何回も行なわれるが、結晶
成長終了後この残留融液から結晶成長を再開するときに
は、この残留融液を再度飽和温度以上に3時間以上保持
したのち成長させることがよいし、またこの残留融液に
新しく作成した金属酸化物融液を追加して使用するとき
には第2図に示すように、この混合融液を作成量に応じ
てその飽和温度以上に3時間以上保持したのち成長させ
るようにすることがよい。
通常同一の融液から連続して何回も行なわれるが、結晶
成長終了後この残留融液から結晶成長を再開するときに
は、この残留融液を再度飽和温度以上に3時間以上保持
したのち成長させることがよいし、またこの残留融液に
新しく作成した金属酸化物融液を追加して使用するとき
には第2図に示すように、この混合融液を作成量に応じ
てその飽和温度以上に3時間以上保持したのち成長させ
るようにすることがよい。
[実施例] つぎに本発明の実施例をあげる。
実施例1 Y2O3 0.15重量%、Sm2O3 0.12重量%、Lu2O3 0.26
重量%、CaCO3 0.28重量%、Fe2O3 8.17重量%、GeO2
1.53重量%、フラックス成分としてのPbO 88.30重量
%、B2O3 1.18重量%という比率でこれらの金属酸化物
を白金ルツボに仕込み、このルツボを縦型環状炉に装備
して1,050℃まで昇温し溶融して融液を作り、融液の温
度を、940℃から920℃の間で変えながらGGGの小片をこ
の融液に浸漬してGGG表面にガーネット膜が成長するか
否かを目視で判断することで飽和温度を求めた結果、こ
の融液組成の飽和温度は930℃であることが判った。つ
ぎにこの融液量を9〜21kgとし、この融液量に応じてこ
れを飽和温度以上の1,050℃の温度に5日〜8日間保持
し、ついでこの融液に3インチφのGGGウエーハを浸漬
し、このウエーハを60rpmに回転させながら結晶成長さ
せてこのウエーハ上に(YSmLuCa)3(FeGe)5O12のガ
ーネット単結晶膜をエピタキシャル成長させた。
重量%、CaCO3 0.28重量%、Fe2O3 8.17重量%、GeO2
1.53重量%、フラックス成分としてのPbO 88.30重量
%、B2O3 1.18重量%という比率でこれらの金属酸化物
を白金ルツボに仕込み、このルツボを縦型環状炉に装備
して1,050℃まで昇温し溶融して融液を作り、融液の温
度を、940℃から920℃の間で変えながらGGGの小片をこ
の融液に浸漬してGGG表面にガーネット膜が成長するか
否かを目視で判断することで飽和温度を求めた結果、こ
の融液組成の飽和温度は930℃であることが判った。つ
ぎにこの融液量を9〜21kgとし、この融液量に応じてこ
れを飽和温度以上の1,050℃の温度に5日〜8日間保持
し、ついでこの融液に3インチφのGGGウエーハを浸漬
し、このウエーハを60rpmに回転させながら結晶成長さ
せてこのウエーハ上に(YSmLuCa)3(FeGe)5O12のガ
ーネット単結晶膜をエピタキシャル成長させた。
つぎにここに得られたガーネット単結晶膜を十分に洗
浄したのち、100倍の微分干渉顕微鏡でその結晶表面を
観察してマグネトプランバイト結晶の有無をしらべたと
ころ、第1図に示したとおりの結果が得られ、この結果
から融液をその飽和温度以上である1,050℃に5〜8日
間保持すればマグネトプランバイト結晶はなくなるが、
しかしこの保持日数については融液量によって調節する
必要のあることが確認された。
浄したのち、100倍の微分干渉顕微鏡でその結晶表面を
観察してマグネトプランバイト結晶の有無をしらべたと
ころ、第1図に示したとおりの結果が得られ、この結果
から融液をその飽和温度以上である1,050℃に5〜8日
間保持すればマグネトプランバイト結晶はなくなるが、
しかしこの保持日数については融液量によって調節する
必要のあることが確認された。
なお、図中における○印はマグネトプランバイト結晶
の認められなかったもの、×印はこの存在が認められた
ものを示したものである。
の認められなかったもの、×印はこの存在が認められた
ものを示したものである。
実施例2 実施例1でガーネット単結晶膜を成長させた残留融液
に同一組成の新しい融液を80g,170g,220g添加したの
ち、1,050℃に3時間以上保持してから、実施例1と同
じ方法でガーネット単結晶膜をエピタキシャル成長さ
せ、得られたガーネット単結晶膜中におけるマグネトプ
ランバイト結晶存在の有無をしらべたところ、第2図に
示したとおりの結果が得られ、この場合においても1,05
0℃に3時間以上保持すればマグネトプランバイト結晶
がなくなるが、これも添加量によってこの保持時間を調
節する必要のあることが確認された。
に同一組成の新しい融液を80g,170g,220g添加したの
ち、1,050℃に3時間以上保持してから、実施例1と同
じ方法でガーネット単結晶膜をエピタキシャル成長さ
せ、得られたガーネット単結晶膜中におけるマグネトプ
ランバイト結晶存在の有無をしらべたところ、第2図に
示したとおりの結果が得られ、この場合においても1,05
0℃に3時間以上保持すればマグネトプランバイト結晶
がなくなるが、これも添加量によってこの保持時間を調
節する必要のあることが確認された。
[発明の効果] 本発明のガーネット単結晶膜は前記したように、LPE
法で作られたもので、これはマグネトプランバイト結晶
の存在しないものであり、このものは金属酸化物融液を
飽和温度以上に3時間以上保持してからLPE法でガーネ
ット単結晶膜をエピタキシャル成長させることによって
製造されるが、これによればマグネトプランバイトを含
有しないガーネット単結晶膜が得られ、このものは磁気
的欠陥であるマグネトプランバイトを含まないことから
バブルメモリ用の磁性膜として有用であるばかりでな
く、その磁気共鳴半値巾ΔHも2.0 Oe以下のように低
く、化学組成や格子定数も一定で均一な値のものとな
り、またこの均一さにより歪が認められなくなるので、
光アイソレーターやマイクロ波素子用材料としてすぐれ
た物性をもつものとなり、例えば周波数1GHzから数10GH
zのマイクロ波帯で使用されるマイクロ波素子として、
さらにはアイソレーター、サーキュレーター用の磁性膜
または磁気光学素子用磁性膜としても有用とされる。
法で作られたもので、これはマグネトプランバイト結晶
の存在しないものであり、このものは金属酸化物融液を
飽和温度以上に3時間以上保持してからLPE法でガーネ
ット単結晶膜をエピタキシャル成長させることによって
製造されるが、これによればマグネトプランバイトを含
有しないガーネット単結晶膜が得られ、このものは磁気
的欠陥であるマグネトプランバイトを含まないことから
バブルメモリ用の磁性膜として有用であるばかりでな
く、その磁気共鳴半値巾ΔHも2.0 Oe以下のように低
く、化学組成や格子定数も一定で均一な値のものとな
り、またこの均一さにより歪が認められなくなるので、
光アイソレーターやマイクロ波素子用材料としてすぐれ
た物性をもつものとなり、例えば周波数1GHzから数10GH
zのマイクロ波帯で使用されるマイクロ波素子として、
さらにはアイソレーター、サーキュレーター用の磁性膜
または磁気光学素子用磁性膜としても有用とされる。
第1図は本発明の実施例1における融液量と1,050℃で
の保持時間とによるマグネトプランバイトの析出の有無
を示したグラフ、第2図は実施例2における残留融液に
添加した新しい融液の添加量と1,050℃での保持時間に
よるマグネトプランバイトの析出の有無を示したグラフ
である。
の保持時間とによるマグネトプランバイトの析出の有無
を示したグラフ、第2図は実施例2における残留融液に
添加した新しい融液の添加量と1,050℃での保持時間に
よるマグネトプランバイトの析出の有無を示したグラフ
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丹地 雅行 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 化学工業株式会社精密機能材料研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−216310(JP,A) 特開 昭58−161313(JP,A) 特開 昭51−140437(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】9〜21kgの金属酸化物を加熱溶融した融液
より液相エピタキシャル法により成長して得られるガー
ネット単結晶膜にマグネトプランバイトの析出がみられ
ないものであることを特徴とするガーネット単結晶膜。 - 【請求項2】金属酸化物融液中に基板を浸漬し、これを
回転させながら引上げてこの基板上にガーネット単結晶
膜を成長させる液相エピタキシャル法によるガーネット
単結晶の製造方法において、9〜21kgの該金属酸化物を
加熱溶融して融液を作り、これをその飽和温度以上に5
日〜8日間保持し、この間に該融液を撹拌したのち液相
エピタキシャル法で基板上にガーネット単結晶膜を成長
させることを特徴とする請求項1に記載のガーネット単
結晶膜の製造方法。 - 【請求項3】請求項2に記載の方法における金属酸化物
融液から液相エピタキシャル法で基板上にガーネット単
結晶膜を成長させたのちの残留融液をその飽和温度以上
で3時間以上保持し、ついで残留融液から液相エピタキ
シャル法で基板上にガーネット単結晶膜を成長させるこ
とを特徴とする請求項1に記載のガーネット単結晶膜の
製造方法。 - 【請求項4】請求項2に記載の方法における金属酸化物
融液から液相エピタキシャル法で基板上にガーネット単
結晶膜を成長させたのちの残留融液を、新しく作成した
該金属酸化物融液と混合し、この混合融液を作成量に応
じてその飽和温度以上で3時間以上保持し、ついでこの
混合融液から液相エピタキシャル法で基板上にガーネッ
ト単結晶膜を成長させることを特徴とする請求項1に記
載のガーネット単結晶膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1053307A JP2800974B2 (ja) | 1989-03-06 | 1989-03-06 | ガーネット単結晶膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1053307A JP2800974B2 (ja) | 1989-03-06 | 1989-03-06 | ガーネット単結晶膜およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02232906A JPH02232906A (ja) | 1990-09-14 |
JP2800974B2 true JP2800974B2 (ja) | 1998-09-21 |
Family
ID=12939067
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1053307A Expired - Lifetime JP2800974B2 (ja) | 1989-03-06 | 1989-03-06 | ガーネット単結晶膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2800974B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6641751B1 (en) | 1999-08-02 | 2003-11-04 | Tkd Corporation | Magnetic garnet single crystal and faraday rotator using the same |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS609329B2 (ja) * | 1975-05-30 | 1985-03-09 | 株式会社日立製作所 | 液相エピタキシヤル成長法による磁気バブル素子用磁性薄膜の製造方法 |
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-
1989
- 1989-03-06 JP JP1053307A patent/JP2800974B2/ja not_active Expired - Lifetime
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