JPH06260322A - 静磁波素子用材料 - Google Patents
静磁波素子用材料Info
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- JPH06260322A JPH06260322A JP6013978A JP1397894A JPH06260322A JP H06260322 A JPH06260322 A JP H06260322A JP 6013978 A JP6013978 A JP 6013978A JP 1397894 A JP1397894 A JP 1397894A JP H06260322 A JPH06260322 A JP H06260322A
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- trivalent
- halide
- yig
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/03—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
- H01F1/12—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
- H01F1/34—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites
- H01F1/342—Oxides
- H01F1/344—Ferrites, e.g. having a cubic spinel structure (X2+O)(Y23+O3), e.g. magnetite Fe3O4
- H01F1/346—[(TO4) 3] with T= Si, Al, Fe, Ga
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- Compounds Of Iron (AREA)
- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Soft Magnetic Materials (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁気特性が改善された静磁波素子用材料を提
供する。 【構成】 Y3 Fe5 O12において、長周期律表で7B
族を形成するハライド元素が添加された、静磁波素子用
材料である。一般式(Y3+ 3-m Mm )(Fe2+ xFe3+
5-x-n M′n )O12(ただし、Mは少なくとも1種類の
3価の元素、M′は少なくとも1種類の3価または2価
の元素、0<m<3、0<n<0.5)で表される磁性
ガーネット単結晶において、長周期律表で7B族を形成
するハライド元素が添加されてもよい。
供する。 【構成】 Y3 Fe5 O12において、長周期律表で7B
族を形成するハライド元素が添加された、静磁波素子用
材料である。一般式(Y3+ 3-m Mm )(Fe2+ xFe3+
5-x-n M′n )O12(ただし、Mは少なくとも1種類の
3価の元素、M′は少なくとも1種類の3価または2価
の元素、0<m<3、0<n<0.5)で表される磁性
ガーネット単結晶において、長周期律表で7B族を形成
するハライド元素が添加されてもよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は静磁波素子用材料に関
し、特に磁性ガーネット単結晶の材料となる静磁波素子
用材料に関する。
し、特に磁性ガーネット単結晶の材料となる静磁波素子
用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、静磁波素子において磁性ガーネッ
ト単結晶の材料として、イットリウム・鉄ガーネット
(Y3 Fe5 O12:以下YIGと表す。)が重要な材料
として使われていた。特に、このYIGは、極端に強磁
性半値幅(ΔH)が小さい。そのため、YIGを用いた
静磁波素子において、入力信号と出力信号との差を小さ
くできる。
ト単結晶の材料として、イットリウム・鉄ガーネット
(Y3 Fe5 O12:以下YIGと表す。)が重要な材料
として使われていた。特に、このYIGは、極端に強磁
性半値幅(ΔH)が小さい。そのため、YIGを用いた
静磁波素子において、入力信号と出力信号との差を小さ
くできる。
【0003】静磁波素子の材料となるYIG単結晶は、
一般的には、薄膜として酸化鉛(PbO)と三酸化二硼
素(B2 O3 )とを混合した溶媒に、三酸化二鉄(Fe
2 O3 )と三酸化二イットリウム(Y2 O3 )とを溶質
として溶かし込み、ガドリニウム・ガリウムガーネット
(Gd3 Ga5 O12:以下GGGと表す。)単結晶基板
上にYIG単結晶薄膜を成長させる液相成長法(Liq
uid PhaseEpitaxy法:以下LPE法と
略す。)によって製造される。
一般的には、薄膜として酸化鉛(PbO)と三酸化二硼
素(B2 O3 )とを混合した溶媒に、三酸化二鉄(Fe
2 O3 )と三酸化二イットリウム(Y2 O3 )とを溶質
として溶かし込み、ガドリニウム・ガリウムガーネット
(Gd3 Ga5 O12:以下GGGと表す。)単結晶基板
上にYIG単結晶薄膜を成長させる液相成長法(Liq
uid PhaseEpitaxy法:以下LPE法と
略す。)によって製造される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このY
IG単結晶薄膜を成長させたとき、同一の成長条件およ
び同一の成長後の温度履歴によっても、所望の磁気特性
が得られなかったり、また、作製した個々の単結晶薄膜
間での磁気特性の再現性がとれなかったりする場合があ
った。そして、成長したYIG単結晶薄膜内での磁気特
性に不均一が生じ、その結果として、このYIG単結晶
薄膜を用いて作製した静磁波素子の特性が劣化する場合
があった。
IG単結晶薄膜を成長させたとき、同一の成長条件およ
び同一の成長後の温度履歴によっても、所望の磁気特性
が得られなかったり、また、作製した個々の単結晶薄膜
間での磁気特性の再現性がとれなかったりする場合があ
った。そして、成長したYIG単結晶薄膜内での磁気特
性に不均一が生じ、その結果として、このYIG単結晶
薄膜を用いて作製した静磁波素子の特性が劣化する場合
があった。
【0005】それゆえに、この発明の主たる目的は、磁
気特性が改善された静磁波素子用材料を提供することで
ある。
気特性が改善された静磁波素子用材料を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、Y3 Fe
5 O12において、長周期律表で7B族を形成するハライ
ド元素が添加された、静磁波素子用材料である。ハライ
ド元素の添加量は、Y3 Fe5 O12に対して、0.00
1〜0.1重量%であるのが好ましい。
5 O12において、長周期律表で7B族を形成するハライ
ド元素が添加された、静磁波素子用材料である。ハライ
ド元素の添加量は、Y3 Fe5 O12に対して、0.00
1〜0.1重量%であるのが好ましい。
【0007】第2の発明は、一般式(Y3+ 3-m Mm )
(Fe2+ x Fe3+ 5-x-n M′n )O12(ただし、Mは少
なくとも1種類の3価の元素、M′は少なくとも1種類
の3価または2価の元素、0<m<3、0<n<0.
5)で表される磁性ガーネット単結晶において、長周期
律表で7B族を形成するハライド元素が添加された、静
磁波素子用材料である。ハライド元素の添加量は、前記
磁性ガーネット単結晶に対して、0.001〜0.1重
量%であるのが好ましい。また、3価の元素Mは、B
i,Sbおよびランタン系遷移元素の中から選ばれる少
なくとも1種類以上であるのが好ましい。3価または2
価の元素M′は、Ga,In,Tl,CoおよびNiの
中から選ばれる少なくとも1種類以上であるのが好まし
い。
(Fe2+ x Fe3+ 5-x-n M′n )O12(ただし、Mは少
なくとも1種類の3価の元素、M′は少なくとも1種類
の3価または2価の元素、0<m<3、0<n<0.
5)で表される磁性ガーネット単結晶において、長周期
律表で7B族を形成するハライド元素が添加された、静
磁波素子用材料である。ハライド元素の添加量は、前記
磁性ガーネット単結晶に対して、0.001〜0.1重
量%であるのが好ましい。また、3価の元素Mは、B
i,Sbおよびランタン系遷移元素の中から選ばれる少
なくとも1種類以上であるのが好ましい。3価または2
価の元素M′は、Ga,In,Tl,CoおよびNiの
中から選ばれる少なくとも1種類以上であるのが好まし
い。
【0008】
【作用】本発明者らは、長周期律表で7B族を形成する
ハライド元素(フッ素,塩素,臭素,沃素,アスタチ
ン:以下それぞれF,Cl,Br,I,Atと表す。)
を結晶成長段階で故意に添加して、作製したYIG単結
晶中に含有させることによって、磁気特性が改善された
静磁波素子用YIG単結晶が得られることを見いだし
た。
ハライド元素(フッ素,塩素,臭素,沃素,アスタチ
ン:以下それぞれF,Cl,Br,I,Atと表す。)
を結晶成長段階で故意に添加して、作製したYIG単結
晶中に含有させることによって、磁気特性が改善された
静磁波素子用YIG単結晶が得られることを見いだし
た。
【0009】一般に、鉄(Fe)イオンは、周囲の環境
に応じて、+2価イオンから+3価イオンに、あるい
は、+3価イオンから+2価イオンに容易に変化する。
このことから、本発明者らは、YIG中では本来+3価
イオンでなければならないYIGの構成要素であるFe
が、成長時の条件や成長後の温度履歴によって容易に+
2価イオンに変化するために、YIG単結晶の磁気特性
の不均一性が生じると考えた。
に応じて、+2価イオンから+3価イオンに、あるい
は、+3価イオンから+2価イオンに容易に変化する。
このことから、本発明者らは、YIG中では本来+3価
イオンでなければならないYIGの構成要素であるFe
が、成長時の条件や成長後の温度履歴によって容易に+
2価イオンに変化するために、YIG単結晶の磁気特性
の不均一性が生じると考えた。
【0010】YIG中のすべてのFeイオンのうちxだ
けがFe2+に変化したとすると、電荷中性の条件から次
の(1)式が得られる。 Y3+ 3 Fe2+ x Fe3+ 5-x O-2 12-x/2□0 x/2 ・・・(1)
けがFe2+に変化したとすると、電荷中性の条件から次
の(1)式が得られる。 Y3+ 3 Fe2+ x Fe3+ 5-x O-2 12-x/2□0 x/2 ・・・(1)
【0011】(1)式において、正の電荷と負の電荷と
の和は0となる。ここで、YIGを構成する元素のう
ち、イットリウム(Y)は+3価をとり、酸素(O)は
−2価をとる。しかし、電荷中性の条件からだけだと、
本来酸素の格子位置にはいるべき酸素原子がx/2だけ
不足する。その酸素原子の不足分を補うために、結晶中
に(1)式で□0 で表される電荷0の点欠陥が、必ずx
/2存在することとなる。このような点欠陥は、いわゆ
るショットキー欠陥と称されているもので、本来原子が
占めるべき格子位置に原子が入らず、空になってしまう
欠陥である。Fe2+が含まれているYIG単結晶薄膜に
おいては、電荷中性の条件から、このような点欠陥が存
在する方が化学的に安定な状態となる。このような点欠
陥が結晶中に存在すると、局在的な核スピンが発生し、
YIGの静磁波特性を著しく阻害する結果となる。ここ
で、本発明者が提案するように、長周期律表で7B族を
形成するハライド元素(Xと表す:イオン価数は−1)
を結晶中に含有させると、(1)式で□0 で表される欠
陥がX-1で置換されて、次の(2)式のように表され
る。 Y3+ 3 Fe2+ x Fe3+ 5-x O-2 12-xX-1 x ・・・(2)
の和は0となる。ここで、YIGを構成する元素のう
ち、イットリウム(Y)は+3価をとり、酸素(O)は
−2価をとる。しかし、電荷中性の条件からだけだと、
本来酸素の格子位置にはいるべき酸素原子がx/2だけ
不足する。その酸素原子の不足分を補うために、結晶中
に(1)式で□0 で表される電荷0の点欠陥が、必ずx
/2存在することとなる。このような点欠陥は、いわゆ
るショットキー欠陥と称されているもので、本来原子が
占めるべき格子位置に原子が入らず、空になってしまう
欠陥である。Fe2+が含まれているYIG単結晶薄膜に
おいては、電荷中性の条件から、このような点欠陥が存
在する方が化学的に安定な状態となる。このような点欠
陥が結晶中に存在すると、局在的な核スピンが発生し、
YIGの静磁波特性を著しく阻害する結果となる。ここ
で、本発明者が提案するように、長周期律表で7B族を
形成するハライド元素(Xと表す:イオン価数は−1)
を結晶中に含有させると、(1)式で□0 で表される欠
陥がX-1で置換されて、次の(2)式のように表され
る。 Y3+ 3 Fe2+ x Fe3+ 5-x O-2 12-xX-1 x ・・・(2)
【0012】(2)式においては、点欠陥は存在せず、
電荷中性の条件も満足している。さらに、X-1の電子状
態は希ガスと等価になるために、局在的なスピンも発生
しない。このように、YIG単結晶において安定した状
態となるため、磁気特性の優れた静磁波素子用材料が得
られる。
電荷中性の条件も満足している。さらに、X-1の電子状
態は希ガスと等価になるために、局在的なスピンも発生
しない。このように、YIG単結晶において安定した状
態となるため、磁気特性の優れた静磁波素子用材料が得
られる。
【0013】以上の作用は、一般式(Y3+ 3-m Mm )
(Fe2+ x Fe3+ 5-x-n M′n )O12(ただし、Mは少
なくとも1種類の3価の元素、M′は少なくとも1種類
の3価または2価の元素、0<m<3、0<n<0.
5)で表される磁性ガーネット単結晶にハライド元素を
添加した場合においても同様である。
(Fe2+ x Fe3+ 5-x-n M′n )O12(ただし、Mは少
なくとも1種類の3価の元素、M′は少なくとも1種類
の3価または2価の元素、0<m<3、0<n<0.
5)で表される磁性ガーネット単結晶にハライド元素を
添加した場合においても同様である。
【0014】
【発明の効果】この発明によれば、YIG単結晶および
YIGと同一構造でFeを含むガーネット型単結晶の磁
気特性が大きく改善される。そして、このYIG単結晶
などを用いて、より安定した特性の静磁波素子を高歩留
りで安価に製造することができる。
YIGと同一構造でFeを含むガーネット型単結晶の磁
気特性が大きく改善される。そして、このYIG単結晶
などを用いて、より安定した特性の静磁波素子を高歩留
りで安価に製造することができる。
【0015】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳
細な説明から一層明らかとなろう。
【0016】
【実施例】この発明の実施例をLPE法を例にとって以
下に示す。
下に示す。
【0017】YIG単結晶薄膜を成長させるための材料
組成は、モル%で、Fe2 O3 :FeF3 :Y2 O3 :
PbO:B2 O3 =9.0:0.5:0.5:84.
6:5.4である。溶質材料として、Fe2 O3 とY2
O3 とにFeF3 を加え、溶媒材料であるPbO+B2
O3 混合物と混合して、白金製坩堝の中に充填させた。
この白金製坩堝をLPE炉内に設置し、1200℃まで
昇温して、原料を均一に融解したのち、結晶成長温度で
ある900℃まで降温し、安定させた。そののち、この
融液中にGGG結晶基板を浸漬させて、YIG単結晶薄
膜を成長させたのち取り出して、室温まで冷却して、試
料を得た。
組成は、モル%で、Fe2 O3 :FeF3 :Y2 O3 :
PbO:B2 O3 =9.0:0.5:0.5:84.
6:5.4である。溶質材料として、Fe2 O3 とY2
O3 とにFeF3 を加え、溶媒材料であるPbO+B2
O3 混合物と混合して、白金製坩堝の中に充填させた。
この白金製坩堝をLPE炉内に設置し、1200℃まで
昇温して、原料を均一に融解したのち、結晶成長温度で
ある900℃まで降温し、安定させた。そののち、この
融液中にGGG結晶基板を浸漬させて、YIG単結晶薄
膜を成長させたのち取り出して、室温まで冷却して、試
料を得た。
【0018】この試料を用いて、電子スピン共鳴(ES
R)装置によって、強磁性共鳴スペクトルを観察した。
別に、上記の条件でFeF3 を加えずに、YIG単結晶
薄膜を成長させ、比較のための試料とした。
R)装置によって、強磁性共鳴スペクトルを観察した。
別に、上記の条件でFeF3 を加えずに、YIG単結晶
薄膜を成長させ、比較のための試料とした。
【0019】図1はこの発明の実施例のYIG単結晶薄
膜の強磁性共鳴スペクトル(ローレンツ型)を示すグラ
フである。また、図2はFeF3 を加えない条件で得ら
れた比較例のYIG単結晶薄膜の強磁性共鳴スペクトル
(ローレンツ型)を示すグラフである。
膜の強磁性共鳴スペクトル(ローレンツ型)を示すグラ
フである。また、図2はFeF3 を加えない条件で得ら
れた比較例のYIG単結晶薄膜の強磁性共鳴スペクトル
(ローレンツ型)を示すグラフである。
【0020】図1および図2から明らかなように、比較
例のYIG単結晶薄膜の強磁性共鳴スペクトルでは、2
つのピークが観察されているが、この発明の実施例のY
IG単結晶薄膜の強磁性共鳴スペクトルでは、単一ピー
クとなっている。
例のYIG単結晶薄膜の強磁性共鳴スペクトルでは、2
つのピークが観察されているが、この発明の実施例のY
IG単結晶薄膜の強磁性共鳴スペクトルでは、単一ピー
クとなっている。
【0021】さらに、比較例のYIG単結晶薄膜では、
酸素中で熱処理を施すことによって、強磁性共鳴スペク
トルが変化した。それに対し、この発明のYIG単結晶
薄膜では、酸素中で熱処理を施しても、強磁性共鳴スペ
クトルはほとんど変化しなかった。なお、酸素中でのY
IG単結晶薄膜の熱処理条件は、900℃,6時間であ
る。
酸素中で熱処理を施すことによって、強磁性共鳴スペク
トルが変化した。それに対し、この発明のYIG単結晶
薄膜では、酸素中で熱処理を施しても、強磁性共鳴スペ
クトルはほとんど変化しなかった。なお、酸素中でのY
IG単結晶薄膜の熱処理条件は、900℃,6時間であ
る。
【0022】なお、確認のために、この発明の実施例の
YIG単結晶薄膜を分析したところ、約0.02重量%
のFが検出された。
YIG単結晶薄膜を分析したところ、約0.02重量%
のFが検出された。
【0023】このように、この実施例によれば、YIG
単結晶薄膜の磁気特性が大きく改善される。そして、こ
のYIG単結晶薄膜を用いて、より安定した特性の静磁
波素子を高歩留りで安価に製造することができる。
単結晶薄膜の磁気特性が大きく改善される。そして、こ
のYIG単結晶薄膜を用いて、より安定した特性の静磁
波素子を高歩留りで安価に製造することができる。
【0024】なお、この実施例では、FeF3 を溶質に
添加したが、FeF3 の代わりに、FeX3 またはYX
3 などの鉄またはイットリウムのハロゲン化物を、単独
にあるいは同時に添加しても同様の効果が得られる。こ
の実施例では、約0.02重量%のFを添加したが、ハ
ライド元素の添加範囲は0.5重量%以下であり、好ま
しくは、0.001〜0.1重量%の範囲である。ま
た、この実施例は、薄膜単結晶についてであるが、バル
ク単結晶についても同様の効果が得られる。
添加したが、FeF3 の代わりに、FeX3 またはYX
3 などの鉄またはイットリウムのハロゲン化物を、単独
にあるいは同時に添加しても同様の効果が得られる。こ
の実施例では、約0.02重量%のFを添加したが、ハ
ライド元素の添加範囲は0.5重量%以下であり、好ま
しくは、0.001〜0.1重量%の範囲である。ま
た、この実施例は、薄膜単結晶についてであるが、バル
ク単結晶についても同様の効果が得られる。
【0025】さらに、この実施例は、YIG単結晶薄膜
についてであるが、一般式(Y3+ 3-m Mm )(Fe2+ x
Fe3+ 5-x-n M′n )O12(ただし、Mは少なくとも1
種類の3価の元素、M′は少なくとも1種類の3価また
は2価の元素、0<m<3、0<n<0.5)で表され
る磁性ガーネット単結晶について同様の効果が得られ
る。このとき、3価の元素Mは、Bi,Sbおよびラン
タン系遷移元素の中から選ばれる少なくとも1種類以上
であり、3価または2価の元素M′は、Ga,In,T
l,CoおよびNiの中から選ばれる少なくとも1種類
以上である。
についてであるが、一般式(Y3+ 3-m Mm )(Fe2+ x
Fe3+ 5-x-n M′n )O12(ただし、Mは少なくとも1
種類の3価の元素、M′は少なくとも1種類の3価また
は2価の元素、0<m<3、0<n<0.5)で表され
る磁性ガーネット単結晶について同様の効果が得られ
る。このとき、3価の元素Mは、Bi,Sbおよびラン
タン系遷移元素の中から選ばれる少なくとも1種類以上
であり、3価または2価の元素M′は、Ga,In,T
l,CoおよびNiの中から選ばれる少なくとも1種類
以上である。
【図1】この発明のYIG単結晶薄膜の強磁性共鳴スペ
クトル(ローレンツ型)を示すグラフである。
クトル(ローレンツ型)を示すグラフである。
【図2】FeF3 を加えない条件で得られたYIG単結
晶薄膜の強磁性共鳴スペクトル(ローレンツ型)を示す
グラフである。
晶薄膜の強磁性共鳴スペクトル(ローレンツ型)を示す
グラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 Y3 Fe5 O12において、長周期律表で
7B族を形成するハライド元素が添加された、静磁波素
子用材料。 - 【請求項2】 前記ハライド元素の添加量は、Y3 Fe
5 O12に対して、0.001〜0.1重量%である、請
求項1の静磁波素子用材料。 - 【請求項3】 一般式(Y3+ 3-m Mm )(Fe2+ x Fe
3+ 5-x-n M′n )O12(ただし、Mは少なくとも1種類
の3価の元素、M′は少なくとも1種類の3価または2
価の元素、0<m<3、0<n<0.5)で表される磁
性ガーネット単結晶において、長周期律表で7B族を形
成するハライド元素が添加された、静磁波素子用材料。 - 【請求項4】 前記ハライド元素の添加量は、一般式
(Y3+ 3-m Mm )(Fe2+ x Fe3+ 5-x-n M′n )O12
(ただし、Mは少なくとも1種類の3価の元素、M′は
少なくとも1種類の3価または2価の元素、0<m<
3、0<n<0.5)で表される磁性ガーネット単結晶
に対して、0.001〜0.1重量%である、請求項3
の静磁波素子用材料。 - 【請求項5】 3価の元素Mは、Bi,Sbおよびラン
タン系遷移元素の中から選ばれる少なくとも1種類以上
である、請求項3の静磁波素子用材料。 - 【請求項6】 3価または2価の元素M′は、Ga,I
n,Tl,CoおよびNiの中から選ばれる少なくとも
1種類以上である、請求項3の静磁波素子用材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6013978A JPH06260322A (ja) | 1993-01-11 | 1994-01-11 | 静磁波素子用材料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1953893 | 1993-01-11 | ||
JP5-19538 | 1993-01-11 | ||
JP6013978A JPH06260322A (ja) | 1993-01-11 | 1994-01-11 | 静磁波素子用材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06260322A true JPH06260322A (ja) | 1994-09-16 |
Family
ID=26349839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6013978A Pending JPH06260322A (ja) | 1993-01-11 | 1994-01-11 | 静磁波素子用材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06260322A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08301695A (ja) * | 1995-05-08 | 1996-11-19 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 光学材料及びその製造方法 |
WO2010010950A1 (ja) * | 2008-07-25 | 2010-01-28 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | ガーネット型単結晶、それを用いた光学部品およびその関連機器 |
JP2010030804A (ja) * | 2008-07-25 | 2010-02-12 | National Institute For Materials Science | ガーネット型単結晶、それを用いた光学部品およびその関連機器 |
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