JP3059332B2 - マイクロ波素子材料 - Google Patents

マイクロ波素子材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロ波素子材料、特
には磁性ガーネット単結晶からなる静磁波または磁気共
鳴を利用するマイクロ波素子材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波素子材料については、従来か
ら磁性ガーネット単結晶からなるものが使用されてお
り、具体的には単結晶基板の (111)面上にエピタキシャ
ル成長させた式Y3Fe5O12で示されるYIGが汎用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この (111)面
基板上に成長させたYIGなどはマイクロ波素子として
要求される磁気共鳴半値幅(△H)は小さいが、最低共
鳴周波数が大きく、低周波化できないという問題があ
る。そのため、これを改善する目的において単結晶基板
の (100)面上に磁性ガーネット単結晶薄膜をエピタキシ
ャル成長させたものも提案されているが、このものは最
低共鳴周波数は小さくなるものの、結晶欠陥とクラック
の量が多くなり、しかも磁気共鳴半値幅が大きくなるた
めに、これを用いて低損失のマイクロ波フィルターやQ
の高いマイクロ波共振器を作ることが難しいという不利
がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不利
を解決したマイクロ波素子材料に関するもので、これは
基板単結晶の上に一般式R3Fe5-aMaO12(ここにRはY、
La、Lu、Biから選択される少なくとも一つの元
素、MはAl、Sc、Ga、Inから選択される少なく
とも一つの元素、0≦a≦0.9 )で示される磁性ガーネ
ット単結晶をエピタキシャル成長させてなるマイクロ波
素子材料において、基板単結晶の結晶方位を [100]方向
から1〜10°ずれたものとしてなることを特徴とするも
のである。
【0005】すなわち、本発明者らは上記したような不
利、問題点を解決する方法について種々検討した結果、
磁性ガーネット単結晶を基板単結晶上にエピタキシャル
成長させてマイクロ波素子材料を製造する場合に、この
基板単結晶の (100)面上に磁性ガーネット単結晶をエピ
タキシャル成長させると、 (111)面基板を使用したとき
よりも最低共鳴周波数の小さくなることはフィジカル・
レビュー[J.O.Artman, Phys. Rev. Vol.105 No.1, Jan
1 1957. PP62 〜73]により公知とされている。
【0006】この (100)面はガーネット単結晶において
人工的な面ではなく、自然に生成する成長面であるため
に、この単結晶はエピタキシャル成長工程終了後もフラ
ックスで濡れた状態になり、フラックス除去のための基
板の高速回転によってもフラックスが除去されにくく、
磁性ガーネット単結晶表面のフラックス残渣による結晶
欠陥およびクラックが多量に発生し、磁気共鳴半値幅も
大きくなるが、この単結晶基板をその結晶方位が [100]
よりわずかに傾斜させたものを使用すると、最低共鳴周
波数は小さいままで、磁性ガーネット単結晶表面がフラ
ックスで濡れた状態にならないので、高品質なマイクロ
波素子材料が得られることを見出し、この単結晶の組
成、単結晶基板の結晶方位の傾斜範囲などについての研
究を進めて本発明を完成させた。以下にこれをさらに詳
述する。
【0007】
【作用】本発明のマイクロ波素子材料は、基板単結晶の
上に一般式R3Fe5-aMaO12(ここにRはY、La、Lu、
Biから選択される少なくとも一つの元素、MはAl、
Sc、Ga、Inから選択される少なくとも一つの元
素、0≦a≦0.9 )で示される磁性ガーネット単結晶を
エピタキシャル成長させてなるマイクロ波素子におい
て、結晶方位が [100]方向から1〜10°ずれている基板
単結晶の面上にエピタキシャル成長させたものであり、
これによれば高品質で最低共鳴周波数の小さいマイクロ
波素子材料が得られるという有利性が与えられる。
【0008】本発明のマイクロ波素子材料は上記した式
で示される磁性ガーネット単結晶を結晶方位が [100]方
向から1〜10°ずれた基板単結晶の面上にエピタキシャ
ル成長させたものであるが、ここに使用される基板単結
晶としてはガドリニウム・ガリウム・ガーネット(以下
GGGと略記する)、サマリウム・ガリウム・ガーネッ
ト(以下SGGと略記する)、ネオジム・ガリウム・ガ
ーネット(以下NGGと略記する)、上記のGGGにC
a、Mg、Zr、Yの少なくとも一つを添加したGGG
系のSOG、NOG、YOG[いずれも信越化学工業
(株)製商品名]とすればよく、これらは Gd2O3、Sm2O
3 、Nd2O3 または必要に応じCaO、MgO、ZrO2、Y2
O3などの置換材をそれぞれ所定量の Ga2O3と共にるつぼ
に仕込み、高周波誘導で各々の融点以上に加熱して溶融
したのち、この融液からチョクラルスキー法で単結晶を
引上げることによって得ることができる。
【0009】また、この基板単結晶の面上にエピタキシ
ャル成長される磁性ガーネット単結晶は上記した式R3Fe
5-aMaO12(R、M、aは前記のとおり)で示されるもの
とされるので、これにはY3Fe5O12、(YLu)3Fe5O12、(YLa
Lu)3Fe5O12、(YBi)3Fe5O12、Y3(FeAl)5O12、(YLa)3(FeG
a)5O12、(YLu)3(FeAlGa)5O12などが例示されるが、この
ガーネット結晶組成物にはCa2+、Mg2+、Ge4+とい
った2価あるいは4価のイオンとなる酸化物あるいは炭
酸塩を添加して、さらに磁気共鳴半値幅を下げたものと
することが好ましい。
【0010】この磁性ガーネット単結晶は、白金るつぼ
中にR2O3、Fe2O3 および必要に応じ金属Mの酸化物の所
定量をフラックスとしてのPbO、B2O3と共に仕込み、
1,100〜 1,200℃に加熱してこれらを溶融させたのち、
この過冷却の融液から液相エピタキシャル法で単結晶を
成長させることによって得ることができるが、この場合
この液相エピタキシャル法で成長させる基板単結晶をそ
の結晶方位が [100]方向から1〜10°ずれたものとする
と、ここに得られる磁性ガーネット単結晶は最低共鳴周
波数が小さく、磁気共鳴半値幅が0.60Oe以下と小さい
ものとなるので、マイクロ波素子材料としてすぐれた物
性を示すものになることが確認された。
【0011】なお、このようにして得られた磁性ガーネ
ット単結晶はエピタキシャル成長工程終了後のフラック
スによる濡れが減少されるので、クラックもなく、エピ
タキシャル膜表面も鏡面状であり、磁気共鳴半値幅が従
来のYIGと同程度に小さく、また同時に最低共鳴周波
数も小さくなるので、このものはマイクロ波素子用材料
としてすぐれた物性をもつものとなり、このものは例え
ば周波数 100MHzから数10GHzのマイクロ波帯で使
用されるシグナルノイズエンハンサなどのマイクロ波素
子として有用とされるほか、光アイソレーター、光サー
キュレーター用の磁気光学用磁性膜としても有用とされ
る。
【0012】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげるが、
例中における各試料の組成式はICP発光分析法による
測定結果から求めたものであり、この磁気共鳴半値幅は
9.2GHzによる測定値を示したもの、クラック密度
(mm/cm2)はガーネット膜上に、1cm2 当たりに発生し
たクラックの長さ(mm)を示したものである。
【0013】実施例1〜9、比較例1〜7 目的とする磁性ガーネット単結晶を成長させる基板単結
晶として、結晶方位が[100]方向からのずれ角度ψが1
〜10°の範囲であり、厚さが 400μmの直径2インチの
GGG単結晶のウエーハを用意した。ついで、純度が 9
9.99%以上であるY2O3、La2O3 、Bi2O3 および Fe2O3
所定量(9種類)をフラックス成分としてのPbOとB2
O3と共に白金るつぼに仕込み、 1,100℃に加熱してこれ
らを溶融し、この融液から上記した基板単結晶ウエーハ
上に液相エピタキシャル法で9種類の酸化物ガーネット
単結晶を成長させたところ、クラックや結晶欠陥のない
単結晶が得られたので、この単結晶の組成を測定したと
ころ、表1に示したとおりの結果が得られた。
【0014】つぎに、これらの単結晶から 1.0mm×1.0m
m 角の試料を切り出し、この試料を強磁性共鳴装置の
9.2GHzの円柱状キャビティ内に、この試料が印加磁
界に対して垂直になるようにセットし、その磁気共鳴半
値幅と最低共鳴周波数を測定したところ、表1に併記し
たとおりの結果が得られた。
【0015】しかし、比較のために上記における基板単
結晶ウエーハの結晶方位の (100)方向からの傾斜角度を
表1に示したように0、または12°、14°、54°44' と
し、表1の比較例1〜7に示した組成式の酸化物ガーネ
ット単結晶を作ったところ、これらにはクラックや結晶
欠陥が多く認められ、これから切り出した試料を実施例
と同じように処理してその磁気共鳴半値幅および最低共
鳴周波数をしらべたところ、表1に併記したとおりの結
果が得られた。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】本発明はマイクロ波素子材料に関するも
のであり、これは前記したように基板単結晶の上に一般
式R3Fe5-aMaO12(ここにRはY、La、Lu、Biから
選択される少なくとも一つの元素、MはAl、Sc、G
a、Inから選択される少なくとも一つの元素、0≦a
≦0.9 )で示される磁性ガーネット単結晶をエピタキシ
ャル成長させてなるマイクロ波素子材料において、基板
単結晶の結晶方位を [100]方向から1〜10°ずれたもの
としてなることを特徴とするものであるが、このように
して作られたマイクロ波素子材料には高品質で最低共鳴
周波数の小さいものになるという有利性が与えられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01P 11/00 H01P 11/00 H (72)発明者 流王 俊彦 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 化学工業株式会社 精密機能材料研究所 内 (56)参考文献 特開 昭63−10901(JP,A) 特開 昭58−54315(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 3/00 C30B 19/12 C30B 29/28 H01B 3/12 309 H01P 1/215 H01P 11/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板単結晶の上に一般式R3Fe5-aMaO12(こ
    こにRはY、La、Lu、Biから選択される少なくと
    も一つの元素、MはAl、Sc、Ga、Inから選択さ
    れる少なくとも一つの元素、0≦a≦0.9 )で示される
    磁性ガーネット単結晶をエピタキシャル成長させてなる
    マイクロ波素子材料において、基板単結晶の結晶方位を
    [100]方向から1〜10°ずれたものとしてなることを特
    徴とするマイクロ波素子材料。
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