JPH07183114A - マイクロ波素子材料およびその製造方法 - Google Patents
マイクロ波素子材料およびその製造方法Info
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- JPH07183114A JPH07183114A JP5327662A JP32766293A JPH07183114A JP H07183114 A JPH07183114 A JP H07183114A JP 5327662 A JP5327662 A JP 5327662A JP 32766293 A JP32766293 A JP 32766293A JP H07183114 A JPH07183114 A JP H07183114A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 本発明は静磁波または磁気共鳴を利用する、
磁性ガーネット単結晶からなるマイクロ波素子材料およ
びその製造方法の提供を目的とするものである。 【構成】 本発明のマイクロ波素子材料は、一般式R3Fe
5-aMaO12(ここにRはY、La、Lu、Biから選択さ
れる少なくとも1つの元素、MはAl、Sc、Ga、I
nから選択される少なくとも1つの元素、0≦a≦0.9
)で示される磁性ガーネット単結晶において、膜厚が1
0μm以上であり、磁性ガーネット単結晶の表面凹凸差
が 0.1μm以上であって、かつXバンドでの磁気共鳴半
値幅(△H)が 0.8Oe以下であることを特徴とするも
のであり、この製造方法は液相エピタキシャル法により
フラックス融液から基板上に磁性ガーネット単結晶を成
長させるに当たり、フラックス成分としての PbO/2B2O3
(モル比)を10〜20の範囲とすることを特徴とするもの
である。
磁性ガーネット単結晶からなるマイクロ波素子材料およ
びその製造方法の提供を目的とするものである。 【構成】 本発明のマイクロ波素子材料は、一般式R3Fe
5-aMaO12(ここにRはY、La、Lu、Biから選択さ
れる少なくとも1つの元素、MはAl、Sc、Ga、I
nから選択される少なくとも1つの元素、0≦a≦0.9
)で示される磁性ガーネット単結晶において、膜厚が1
0μm以上であり、磁性ガーネット単結晶の表面凹凸差
が 0.1μm以上であって、かつXバンドでの磁気共鳴半
値幅(△H)が 0.8Oe以下であることを特徴とするも
のであり、この製造方法は液相エピタキシャル法により
フラックス融液から基板上に磁性ガーネット単結晶を成
長させるに当たり、フラックス成分としての PbO/2B2O3
(モル比)を10〜20の範囲とすることを特徴とするもの
である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマイクロ波素子材料、特
には磁性ガーネット単結晶からなる静磁波または磁気共
鳴を利用するマイクロ波素子材料およびその製造方法に
関するものである。
には磁性ガーネット単結晶からなる静磁波または磁気共
鳴を利用するマイクロ波素子材料およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波素子材料については従来から
磁性ガーネット単結晶からなるものが使用されており、
具体的には式Y3Fe5O12で示されるYIGが汎用されてい
る。
磁性ガーネット単結晶からなるものが使用されており、
具体的には式Y3Fe5O12で示されるYIGが汎用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このYIGは
マイクロ波素子として要求される磁気共鳴半値幅(△
H)は小さいけれども、スピン波への変換効率が悪いと
いう問題点がある。そのため、これを改善する目的にお
いて、磁性ガーネット単結晶を研磨によって荒らし、ス
ピン波の波長と同程度のうねりを有する状態にしてスピ
ン波への変換効率を向上することも考えられているが、
このものは磁気共鳴半値幅が大きくなるために、これを
用いて低損失のマイクロ波フィルターやQの高いマイク
ロ波共振器を作ることが難しいという不利がある。
マイクロ波素子として要求される磁気共鳴半値幅(△
H)は小さいけれども、スピン波への変換効率が悪いと
いう問題点がある。そのため、これを改善する目的にお
いて、磁性ガーネット単結晶を研磨によって荒らし、ス
ピン波の波長と同程度のうねりを有する状態にしてスピ
ン波への変換効率を向上することも考えられているが、
このものは磁気共鳴半値幅が大きくなるために、これを
用いて低損失のマイクロ波フィルターやQの高いマイク
ロ波共振器を作ることが難しいという不利がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、問題点を解決したマイクロ波素子材料およびその製
造方法に関するもので、このマイクロ波素子材料は一般
式R3Fe5-aMaO12(ここにRはY、La、Lu、Biから
選択される少なくとも1つの元素、MはAl、Sc、G
a、Inから選択される少なくとも1つの元素、0≦a
≦0.9 )で示される磁性ガーネット単結晶において、膜
厚が10μm以上であり、磁性ガーネット単結晶の表面凹
凸差が 0.1μm以上であって、かつXバンドでの磁気共
鳴半値幅(△H)が 0.8Oe以下であることを特徴とす
るものであり、この製造方法は液相エピタキシャル法に
よりフラックス融液から基板上に磁性ガーネット単結晶
を成長させるに当り、フラックス成分としての PbO/2B2
O3(モル比)を10〜20の範囲とすることを特徴とするも
のである。
利、問題点を解決したマイクロ波素子材料およびその製
造方法に関するもので、このマイクロ波素子材料は一般
式R3Fe5-aMaO12(ここにRはY、La、Lu、Biから
選択される少なくとも1つの元素、MはAl、Sc、G
a、Inから選択される少なくとも1つの元素、0≦a
≦0.9 )で示される磁性ガーネット単結晶において、膜
厚が10μm以上であり、磁性ガーネット単結晶の表面凹
凸差が 0.1μm以上であって、かつXバンドでの磁気共
鳴半値幅(△H)が 0.8Oe以下であることを特徴とす
るものであり、この製造方法は液相エピタキシャル法に
よりフラックス融液から基板上に磁性ガーネット単結晶
を成長させるに当り、フラックス成分としての PbO/2B2
O3(モル比)を10〜20の範囲とすることを特徴とするも
のである。
【0005】すなわち、本発明者らは磁性ガーネット単
結晶からなる静磁波または磁気共鳴を利用するマイクロ
波素子材料において、従来よりもスピン波へ変換効率を
向上させたマイクロ波素子材料を開発すべく種々検討し
た結果、これについてはこの磁性ガーネット単結晶を一
般式R3Fe5-aMaO12(R、M、aは前記に同じ)で示され
るものとし、これをその膜厚が10μm以上で、この磁性
ガーネット単結晶の表面凹凸差が 0.1μm以上であり、
かつXバンドでの磁気共鳴半値幅が 0.8Oe以下のもの
とすると、このものはスピン波への変換効率が向上され
たものとなり、低損失のマイクロ波フィルターやQの高
いマイクロ波共振器を作ることができるようになるとい
うことを見出した。
結晶からなる静磁波または磁気共鳴を利用するマイクロ
波素子材料において、従来よりもスピン波へ変換効率を
向上させたマイクロ波素子材料を開発すべく種々検討し
た結果、これについてはこの磁性ガーネット単結晶を一
般式R3Fe5-aMaO12(R、M、aは前記に同じ)で示され
るものとし、これをその膜厚が10μm以上で、この磁性
ガーネット単結晶の表面凹凸差が 0.1μm以上であり、
かつXバンドでの磁気共鳴半値幅が 0.8Oe以下のもの
とすると、このものはスピン波への変換効率が向上され
たものとなり、低損失のマイクロ波フィルターやQの高
いマイクロ波共振器を作ることができるようになるとい
うことを見出した。
【0006】また、この種の磁性ガーネット単結晶の製
造方法については、これを液相エピタキシャル法でフラ
ックス融液から基板上に磁性ガーネット単結晶を成長さ
せるときに、このフラックス成分としての PbO/2B2O3の
モル比を10〜20の範囲とすれば、磁性ガーネット単結晶
の表面のストリエーションやスワールが強くなって、表
面凹凸差が 0.1μm以上となり、同時にXバンドでの磁
気共鳴半値幅も 0.8Oe以下とすることができるという
ことを確認して本発明を完成させた。以下にこれをさら
に詳述する。
造方法については、これを液相エピタキシャル法でフラ
ックス融液から基板上に磁性ガーネット単結晶を成長さ
せるときに、このフラックス成分としての PbO/2B2O3の
モル比を10〜20の範囲とすれば、磁性ガーネット単結晶
の表面のストリエーションやスワールが強くなって、表
面凹凸差が 0.1μm以上となり、同時にXバンドでの磁
気共鳴半値幅も 0.8Oe以下とすることができるという
ことを確認して本発明を完成させた。以下にこれをさら
に詳述する。
【0007】
【作用】本発明はマイクロ波素子材料およびその製造方
法に関するものであり、このマイクロ波素子材料は一般
式R3Fe5-aMaO12(ここにRはY、La、Lu、Biから
選択される少なくとも1つの元素、MはAl、Sc、G
a、Inから選択される少なくとも1つの元素、0≦a
≦0.9 )で示される磁性ガーネット単結晶において、膜
厚が10μm以上であり、磁性ガーネット単結晶表面の凹
凸差が 0.1μm以上であって、かつXバンドでの磁気共
鳴半値幅が 0.8Oe以下であることを特徴とするもの
で、このものはスピン波への変換効率が向上されたもの
となり、低損失のマイクロ波フィルターやQの高いマイ
クロ波共振器を作ることができるものとなり、この製造
方法を液相エピタキシャル法によりフラックス融液から
磁性ガーネット単結晶を成長させるときに、フラックス
成分としての PbO/2B2O3のモル比を10〜20の範囲にする
と単結晶の表面凹凸差が 0.1μm以上となり、磁気共鳴
半値幅が 0.8Oe以下になるという有利性が与えられる
というものである。
法に関するものであり、このマイクロ波素子材料は一般
式R3Fe5-aMaO12(ここにRはY、La、Lu、Biから
選択される少なくとも1つの元素、MはAl、Sc、G
a、Inから選択される少なくとも1つの元素、0≦a
≦0.9 )で示される磁性ガーネット単結晶において、膜
厚が10μm以上であり、磁性ガーネット単結晶表面の凹
凸差が 0.1μm以上であって、かつXバンドでの磁気共
鳴半値幅が 0.8Oe以下であることを特徴とするもの
で、このものはスピン波への変換効率が向上されたもの
となり、低損失のマイクロ波フィルターやQの高いマイ
クロ波共振器を作ることができるものとなり、この製造
方法を液相エピタキシャル法によりフラックス融液から
磁性ガーネット単結晶を成長させるときに、フラックス
成分としての PbO/2B2O3のモル比を10〜20の範囲にする
と単結晶の表面凹凸差が 0.1μm以上となり、磁気共鳴
半値幅が 0.8Oe以下になるという有利性が与えられる
というものである。
【0008】本発明のマイクロ波素子材料は一般式R3Fe
5-aMaO12で示される前記した式Y3Fe5O12で示されるYI
G結晶のYの一部または全部をLa、LuまたはBiで
置換し、Feの一部を非磁性イオンMで置換したもので
あるが、このMはAl、Sc,Ga、Inから選択した
ものとすればよい。したがって、これにはY3Fe5O12、(Y
La)3Fe5O12、(YLaLu)3Fe5O12、(YBi)3Fe5O12、Y3(FeAl)
5O12、(YLa)3(FeGa)5O12、(YLu)3(FeAlGa)5O12などが例
示されるが、このガーネット結晶組成物についてはこれ
にCa2+、Mg2+、Ge4+といった2価あるいは4価のイオン
となる酸化物あるいは炭酸塩を添加して、さらに磁気共
鳴半値幅を下げたものとすることが好ましい。
5-aMaO12で示される前記した式Y3Fe5O12で示されるYI
G結晶のYの一部または全部をLa、LuまたはBiで
置換し、Feの一部を非磁性イオンMで置換したもので
あるが、このMはAl、Sc,Ga、Inから選択した
ものとすればよい。したがって、これにはY3Fe5O12、(Y
La)3Fe5O12、(YLaLu)3Fe5O12、(YBi)3Fe5O12、Y3(FeAl)
5O12、(YLa)3(FeGa)5O12、(YLu)3(FeAlGa)5O12などが例
示されるが、このガーネット結晶組成物についてはこれ
にCa2+、Mg2+、Ge4+といった2価あるいは4価のイオン
となる酸化物あるいは炭酸塩を添加して、さらに磁気共
鳴半値幅を下げたものとすることが好ましい。
【0009】この磁性ガーネット単結晶は、基板単結晶
に所定の酸化物融液から液相エピタキシャル法で成長さ
せることによって得ることができるが、ここに使用する
基板単結晶はガドリニウム・ガリウム・ガーネット(以
下GGGと略記する)、サマリウム・ガリウム・ガーネ
ット(以下SGGと略記する)、ネオジウム・ガリウム
・ガーネット(以下NGGと略記する)、上記のGGG
にCa、Mg、Zr、Yの少なくとも1つで置換したG
GG系のSOG、NOG、YOG[いずれも信越化学工
業(株)製商品名]とすればよく、これらは Gd2O3、Sm
2O3 、Nd2O3 または必要に応じ CaO、MgO 、ZrO2、Y2O3
などの置換材をそれぞれ Ga2O3の所定量と共にるつぼに
仕込み、高周波誘導で各々の融点以上に加熱して溶融し
たのち、この融液からチョクラルスキー法で単結晶を引
上げることによって得ることができる。
に所定の酸化物融液から液相エピタキシャル法で成長さ
せることによって得ることができるが、ここに使用する
基板単結晶はガドリニウム・ガリウム・ガーネット(以
下GGGと略記する)、サマリウム・ガリウム・ガーネ
ット(以下SGGと略記する)、ネオジウム・ガリウム
・ガーネット(以下NGGと略記する)、上記のGGG
にCa、Mg、Zr、Yの少なくとも1つで置換したG
GG系のSOG、NOG、YOG[いずれも信越化学工
業(株)製商品名]とすればよく、これらは Gd2O3、Sm
2O3 、Nd2O3 または必要に応じ CaO、MgO 、ZrO2、Y2O3
などの置換材をそれぞれ Ga2O3の所定量と共にるつぼに
仕込み、高周波誘導で各々の融点以上に加熱して溶融し
たのち、この融液からチョクラルスキー法で単結晶を引
上げることによって得ることができる。
【0010】この単結晶基板上に液相エピタキシャル法
で成長させる磁性ガーネット単結晶は上記したように一
般式R3Fe5-aMaO12(R、M、aは前記の通り)で示され
るものとされるが、このものは膜厚が10μm未満ではM
SWフィルターの挿入損失が大となるので膜厚が10μm
以上のものとすることが必要であるし、これはまたスピ
ン波への変換効率を向上させるためにはこの単結晶表面
の凹凸差が 0.1μm以上のものとする必要があり、さら
にはこれがマイクロ波素子材料とされるものであること
からXバンドでの磁気共鳴半値幅(△H)が 0.8Oe以
下のものであることが必要とされる。
で成長させる磁性ガーネット単結晶は上記したように一
般式R3Fe5-aMaO12(R、M、aは前記の通り)で示され
るものとされるが、このものは膜厚が10μm未満ではM
SWフィルターの挿入損失が大となるので膜厚が10μm
以上のものとすることが必要であるし、これはまたスピ
ン波への変換効率を向上させるためにはこの単結晶表面
の凹凸差が 0.1μm以上のものとする必要があり、さら
にはこれがマイクロ波素子材料とされるものであること
からXバンドでの磁気共鳴半値幅(△H)が 0.8Oe以
下のものであることが必要とされる。
【0011】なお、この磁性ガーネット単結晶は、この
単結晶のエピタキシャル法による生長を、白金るつぼ中
にR2O3、Fe2O3 および必要に応じ金属Mの酸化物の所定
量を、フラックス成分として PbO、B2O3と共に仕込み、
1,100〜 1,200℃に加熱して融解させたのち、この過冷
却状態の融液から液相エピタキシャル法で単結晶を成長
させることによって得ることができるが、この場合本発
明にしたがってこのフラックス成分としての PbO、B2O3
を PbO/2B2O3(モル比)が10〜20の範囲のものとする
と、図1におけるA線のようにこの単結晶の表面凹凸差
を 0.1μm以上とすることができるし、このもののXバ
ンドでの磁気共鳴半値幅を図1のB曲線に示したように
0.8Oe以下とすることができるので、これをスピン波
への変換効率の向上されたもので、マイクロ波素子材料
とすることができるという有利性が与えられる。
単結晶のエピタキシャル法による生長を、白金るつぼ中
にR2O3、Fe2O3 および必要に応じ金属Mの酸化物の所定
量を、フラックス成分として PbO、B2O3と共に仕込み、
1,100〜 1,200℃に加熱して融解させたのち、この過冷
却状態の融液から液相エピタキシャル法で単結晶を成長
させることによって得ることができるが、この場合本発
明にしたがってこのフラックス成分としての PbO、B2O3
を PbO/2B2O3(モル比)が10〜20の範囲のものとする
と、図1におけるA線のようにこの単結晶の表面凹凸差
を 0.1μm以上とすることができるし、このもののXバ
ンドでの磁気共鳴半値幅を図1のB曲線に示したように
0.8Oe以下とすることができるので、これをスピン波
への変換効率の向上されたもので、マイクロ波素子材料
とすることができるという有利性が与えられる。
【0012】本発明の前記した式で示される磁性ガーネ
ット単結晶は、磁性ガーネット単結晶の表面凹凸差が大
きくスピン波への変換効率が向上していると同時に、磁
気共鳴半値幅が従来のYIGと同程度に小さいので、マ
イクロ波素子用材料として優れた物性をもつものとな
り、このものは例えば周波数 100MHzから10GHzの
マイクロ波帯で使用されるマイクロ波素子として有用と
されるほか、光アイソレーター、光サーキュレーター用
の磁気光学用磁性膜としても有用とされる。
ット単結晶は、磁性ガーネット単結晶の表面凹凸差が大
きくスピン波への変換効率が向上していると同時に、磁
気共鳴半値幅が従来のYIGと同程度に小さいので、マ
イクロ波素子用材料として優れた物性をもつものとな
り、このものは例えば周波数 100MHzから10GHzの
マイクロ波帯で使用されるマイクロ波素子として有用と
されるほか、光アイソレーター、光サーキュレーター用
の磁気光学用磁性膜としても有用とされる。
【0013】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげるが例
中における各磁性ガーネット単結晶の組成式はICP発
光分析法による測定結果から求めたもの、表面凹凸差は
タリステップを用いて磁性ガーネット単結晶表面の凹凸
の高さの差を測定した値、磁気共鳴半値幅はFMRを用
いた 9.2GHzにおける測定値を示したものであり、こ
のもののスピン波変換効率は、発熱量(W)/マイクロ
波のパワー(W)×100 の式により求めたものである。
中における各磁性ガーネット単結晶の組成式はICP発
光分析法による測定結果から求めたもの、表面凹凸差は
タリステップを用いて磁性ガーネット単結晶表面の凹凸
の高さの差を測定した値、磁気共鳴半値幅はFMRを用
いた 9.2GHzにおける測定値を示したものであり、こ
のもののスピン波変換効率は、発熱量(W)/マイクロ
波のパワー(W)×100 の式により求めたものである。
【0014】実施例1〜7、比較例1〜5 目的とする磁性ガーネット単結晶を成長させる基板単結
晶として、厚さが 400μm、直径2インチのGGG単結
晶ウェーハを用意した。ついで、純度が 99.99%以上で
ある所定量のY2O3、La2O3 、Bi2O3 、およびFe2O3 、Ga
2O3 をフラックス成分としての PbO/2B2O3(モル比)を
10〜20の範囲とした PbO、B2O3と共に白金るつぼに仕込
み、 1,100℃に加熱して溶融し、この融液から上記した
基板単結晶ウェーハ上に液相エピタキシャル法で表1に
示した3種類の磁性ガーネット単結晶を厚さ40〜60μm
に成長させた。
晶として、厚さが 400μm、直径2インチのGGG単結
晶ウェーハを用意した。ついで、純度が 99.99%以上で
ある所定量のY2O3、La2O3 、Bi2O3 、およびFe2O3 、Ga
2O3 をフラックス成分としての PbO/2B2O3(モル比)を
10〜20の範囲とした PbO、B2O3と共に白金るつぼに仕込
み、 1,100℃に加熱して溶融し、この融液から上記した
基板単結晶ウェーハ上に液相エピタキシャル法で表1に
示した3種類の磁性ガーネット単結晶を厚さ40〜60μm
に成長させた。
【0015】つぎに、これらの磁性ガーネット単結晶の
凹凸の高さの差をタリステップを用いて測定すると共
に、これらの単結晶から 1.0× 1.0mm角の試料を切り出
してこの試料を強磁性共鳴装置の 9.2GHzの円柱状キ
ャビティ内に、この試料が印可磁界に対して垂直になる
ようにセットし磁気共鳴半値幅を測定したところ、表1
に示したとおりの結果が得られ、このもののスピン波変
動効率をしらべたところ、表1に併記したとおりの結果
が得られた。
凹凸の高さの差をタリステップを用いて測定すると共
に、これらの単結晶から 1.0× 1.0mm角の試料を切り出
してこの試料を強磁性共鳴装置の 9.2GHzの円柱状キ
ャビティ内に、この試料が印可磁界に対して垂直になる
ようにセットし磁気共鳴半値幅を測定したところ、表1
に示したとおりの結果が得られ、このもののスピン波変
動効率をしらべたところ、表1に併記したとおりの結果
が得られた。
【0016】しかし、比較のために上記におけるフラッ
クス成分としての PbO/2B2O3(モル比)を表1に示した
ように 5.9〜9.0 および22.0に変えて表1の比較例1〜
5に示した実施例と同一の2種の組成式の磁性ガーネッ
ト単結晶を得たのち、表面の凹凸の高さの差をタリステ
ップを用いて測定し、つぎにこれから切り出した試料を
上記と同様に処理してその磁気共鳴半値幅およびスピン
波変換効率をしらべたところ、表1に併記したとおりの
結果が得られた。
クス成分としての PbO/2B2O3(モル比)を表1に示した
ように 5.9〜9.0 および22.0に変えて表1の比較例1〜
5に示した実施例と同一の2種の組成式の磁性ガーネッ
ト単結晶を得たのち、表面の凹凸の高さの差をタリステ
ップを用いて測定し、つぎにこれから切り出した試料を
上記と同様に処理してその磁気共鳴半値幅およびスピン
波変換効率をしらべたところ、表1に併記したとおりの
結果が得られた。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明はマイクロ波素子材料及びその製
造方法に関するものであり、前記したように、このマイ
クロ波素子材料は一般式R3Fe5-aMaO12(ここにRはY、
La、Lu、Biから選択される少なくとも1つの元
素、MはAl、Sc、Ga、Inから選択される少なく
とも1つの元素、0≦a≦0.9 )で示される磁性ガーネ
ット単結晶において、膜厚が10μm以上であり、磁性ガ
ーネット単結晶の表面凹凸差が 0.1μm以上であって、
かつXバンドでの磁気共鳴半値幅(△H)が 0.8Oe以
下であることを特徴とするものであり、この製造方法は
液相エピタキシャル法によりフラックス融液から基板上
に磁性ガーネット単結晶を成長させるに当たり、フラッ
クス成分としての PbO/2B2O3(モル比)を10〜20の範囲
とすることを特徴とするものであるが、この磁性ガーネ
ット単結晶は表面凹凸差が大きくてスピン波への変換効
率が向上していると同時に、Xバンドでの磁気共鳴半値
幅が小さいのでマイクロ波素子材料として有用とされ
る。
造方法に関するものであり、前記したように、このマイ
クロ波素子材料は一般式R3Fe5-aMaO12(ここにRはY、
La、Lu、Biから選択される少なくとも1つの元
素、MはAl、Sc、Ga、Inから選択される少なく
とも1つの元素、0≦a≦0.9 )で示される磁性ガーネ
ット単結晶において、膜厚が10μm以上であり、磁性ガ
ーネット単結晶の表面凹凸差が 0.1μm以上であって、
かつXバンドでの磁気共鳴半値幅(△H)が 0.8Oe以
下であることを特徴とするものであり、この製造方法は
液相エピタキシャル法によりフラックス融液から基板上
に磁性ガーネット単結晶を成長させるに当たり、フラッ
クス成分としての PbO/2B2O3(モル比)を10〜20の範囲
とすることを特徴とするものであるが、この磁性ガーネ
ット単結晶は表面凹凸差が大きくてスピン波への変換効
率が向上していると同時に、Xバンドでの磁気共鳴半値
幅が小さいのでマイクロ波素子材料として有用とされ
る。
【図1】本発明のマイクロ波素子材料用の磁性ガーネッ
ト単結晶の液相エピタキシャル法による成長におけるフ
ラックス成分としての PbO/2B2O3(モル比)と、磁性ガ
ーネット単結晶の表面凹凸差、及び磁気共鳴半値幅(△
H)との関係図を示したものである。
ト単結晶の液相エピタキシャル法による成長におけるフ
ラックス成分としての PbO/2B2O3(モル比)と、磁性ガ
ーネット単結晶の表面凹凸差、及び磁気共鳴半値幅(△
H)との関係図を示したものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01P 3/00 9/00 Z
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式R3Fe5-aMaO12(ここにRはY、L
a、Lu、Biから選択される少なくとも1つの元素、
MはAl、Sc、Ga、Inから選択される少なくとも
1つの元素、0≦a≦0.9 )で示される磁性ガーネット
単結晶において、膜厚が10μm以上であり、磁性ガーネ
ット単結晶の表面凹凸差が 0.1μm以上であって、かつ
Xバンドでの磁気共鳴半値幅(△H)が 0.8Oe以下で
あることを特徴とするマイクロ波素子材料。 - 【請求項2】 液相エピタキシャル法によりフラックス
融液から基板上に磁性ガーネット単結晶を成長させるに
当り、フラックス成分としての PbO/2B2O3(モル比)を
10〜20の範囲とすることを特徴とする請求項1に記載し
たマイクロ波素子材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5327662A JPH07183114A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | マイクロ波素子材料およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5327662A JPH07183114A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | マイクロ波素子材料およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07183114A true JPH07183114A (ja) | 1995-07-21 |
Family
ID=18201571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5327662A Pending JPH07183114A (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | マイクロ波素子材料およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07183114A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100444101B1 (ko) * | 1999-12-09 | 2004-08-09 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 정자파 소자 및 그 제조방법 |
CN111910252A (zh) * | 2020-07-17 | 2020-11-10 | 中国电子科技集团公司第九研究所 | 大尺寸掺杂yig单晶薄膜材料及制备方法 |
-
1993
- 1993-12-24 JP JP5327662A patent/JPH07183114A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100444101B1 (ko) * | 1999-12-09 | 2004-08-09 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 정자파 소자 및 그 제조방법 |
CN111910252A (zh) * | 2020-07-17 | 2020-11-10 | 中国电子科技集团公司第九研究所 | 大尺寸掺杂yig单晶薄膜材料及制备方法 |
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