JP2712306B2 - 液相エピタキシャル磁性ガーネット厚膜の製造方法 - Google Patents
液相エピタキシャル磁性ガーネット厚膜の製造方法Info
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- JP2712306B2 JP2712306B2 JP15356088A JP15356088A JP2712306B2 JP 2712306 B2 JP2712306 B2 JP 2712306B2 JP 15356088 A JP15356088 A JP 15356088A JP 15356088 A JP15356088 A JP 15356088A JP 2712306 B2 JP2712306 B2 JP 2712306B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [発明の概要] 液相エピタキシャル(LPE)法によりガーネット基板
の片面にエピタキシャル成長させた50μm以上の厚みを
もつ磁気光学素子用磁性ガーネット厚膜は基板との熱膨
張係数が異なるため室温下では大きく反っている。この
反りのある片面膜をあらかじめ分割してから研磨するこ
とで、歩留りの低下につながる研磨の際の割れを防ぐこ
とが可能となった。
の片面にエピタキシャル成長させた50μm以上の厚みを
もつ磁気光学素子用磁性ガーネット厚膜は基板との熱膨
張係数が異なるため室温下では大きく反っている。この
反りのある片面膜をあらかじめ分割してから研磨するこ
とで、歩留りの低下につながる研磨の際の割れを防ぐこ
とが可能となった。
[産業上の利用分野] 本発明はファラデー回転効果を利用した光アイソレー
タあるいは光サーキュレータなどに用いられる磁気光学
素子用の磁気光学ガーネットに関する。
タあるいは光サーキュレータなどに用いられる磁気光学
素子用の磁気光学ガーネットに関する。
[従来の技術] 半導体レーザは、光応用機器あるいは光通信などのコ
ヒーレントな光源として広く利用されているが、半導体
レーザから放出された光線が光学系などによって反射さ
れて再びこの半導体レーザに戻るとレーザ発振が不安定
になるという問題がある。
ヒーレントな光源として広く利用されているが、半導体
レーザから放出された光線が光学系などによって反射さ
れて再びこの半導体レーザに戻るとレーザ発振が不安定
になるという問題がある。
この問題に対処するために、半導体レーザの光出力側
に光アイソレータを設け、半導体レーザから放出された
光が戻らないように光路を設定することが行われてい
る。
に光アイソレータを設け、半導体レーザから放出された
光が戻らないように光路を設定することが行われてい
る。
このような半導体レーザから放出された光線と反射光
線とをファラデー回転効果によって分離するための光ア
イソレータ用磁気光学素子材料として、波長が1.1μm
帯以上の領域で優れた透明性を有するイットリウム・鉄
・ガーネット(YIG)のバルク単結晶が用いられてきた
が、近年ファラデー回転係数がこのYIGより数倍大き
く、しかも量産性のある液相エピタキシャル(LPE)法
によるビスマス置換形鉄ガーネット厚膜が多数報告され
ている。
線とをファラデー回転効果によって分離するための光ア
イソレータ用磁気光学素子材料として、波長が1.1μm
帯以上の領域で優れた透明性を有するイットリウム・鉄
・ガーネット(YIG)のバルク単結晶が用いられてきた
が、近年ファラデー回転係数がこのYIGより数倍大き
く、しかも量産性のある液相エピタキシャル(LPE)法
によるビスマス置換形鉄ガーネット厚膜が多数報告され
ている。
一般に磁性ガーネット単結晶膜は、ガーネット成分で
ある希土類元素及び鉄の酸化物をPbO-Bi2O3‐B2O3系融
剤に溶解させた融液に非磁性ガーネット基板を浸漬さ
せ、この基板両面にエピタキシャル成長させることで得
られる。
ある希土類元素及び鉄の酸化物をPbO-Bi2O3‐B2O3系融
剤に溶解させた融液に非磁性ガーネット基板を浸漬さ
せ、この基板両面にエピタキシャル成長させることで得
られる。
しかしながら本発明者等は50μm以上の磁性ガーネッ
ト厚膜、特にビスマス置換型磁性ガーネット厚膜の場
合、800℃前後の高温下で作製されたものを炉から取り
出し室温にまで冷却する過程において、膜に亀裂が入る
とか、基板ごと完全に割れてしまうなどの問題があるこ
とを知った。
ト厚膜、特にビスマス置換型磁性ガーネット厚膜の場
合、800℃前後の高温下で作製されたものを炉から取り
出し室温にまで冷却する過程において、膜に亀裂が入る
とか、基板ごと完全に割れてしまうなどの問題があるこ
とを知った。
また、基板の片側だけを融液表面に接触させ磁性ガー
ネットを基板の片側のみに成長させる片面エピタキシャ
ル法の場合、冷却によって第1図に示すように基板及び
膜が反るものの、膜に亀裂が入るとか基板ごと完全に割
れてしまうなどの問題はなくなり、50μm以上の厚みを
もつ磁気光学素子用磁性ガーネット厚膜作製においては
両面エピタキシャル法よりも片面エピタキシャル法が優
れていることを知った。
ネットを基板の片側のみに成長させる片面エピタキシャ
ル法の場合、冷却によって第1図に示すように基板及び
膜が反るものの、膜に亀裂が入るとか基板ごと完全に割
れてしまうなどの問題はなくなり、50μm以上の厚みを
もつ磁気光学素子用磁性ガーネット厚膜作製においては
両面エピタキシャル法よりも片面エピタキシャル法が優
れていることを知った。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記片面エピタキシャル法によって得
られた膜厚50μm以上の磁性ガーネット厚膜は、反りが
あるために研磨工程で不規則な形で割れてしまい、この
結果製品歩留りが低下するという問題点がある。
られた膜厚50μm以上の磁性ガーネット厚膜は、反りが
あるために研磨工程で不規則な形で割れてしまい、この
結果製品歩留りが低下するという問題点がある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、液相エピタキシャル法により非磁性ガーネ
ット基板に磁性ガーネット膜を成長させ、得られた膜を
基板除去等のために研磨して磁性ガーネット膜を製造す
る方法において、非磁性ガーネット基板の片面に磁性ガ
ーネット膜を50μm以上の厚みになるように成長させ、
得られた厚膜を予め分割した後、研磨することを特徴と
する液相エピタキシャル磁性ガーネット厚膜の製造方法
である。
ット基板に磁性ガーネット膜を成長させ、得られた膜を
基板除去等のために研磨して磁性ガーネット膜を製造す
る方法において、非磁性ガーネット基板の片面に磁性ガ
ーネット膜を50μm以上の厚みになるように成長させ、
得られた厚膜を予め分割した後、研磨することを特徴と
する液相エピタキシャル磁性ガーネット厚膜の製造方法
である。
本発明において厚膜の分割は、分割した膜が研磨の際
に割れないような大きさであって、最終製品より大きく
なるように行われる。例えば1インチあるいは2インチ
基板を用いた場合は第2図に示すような4分割、3イン
チ基板を用いた場合は第3図に示すような9分割を行う
のが好ましい。
に割れないような大きさであって、最終製品より大きく
なるように行われる。例えば1インチあるいは2インチ
基板を用いた場合は第2図に示すような4分割、3イン
チ基板を用いた場合は第3図に示すような9分割を行う
のが好ましい。
本発明によれば、反りのある磁性ガーネット単結晶片
面膜をあらかじめ所定の大きさに分割した後研磨するこ
とにより、研磨時の割れをふせぐことが出来、製品歩留
りの低下を防止できる。
面膜をあらかじめ所定の大きさに分割した後研磨するこ
とにより、研磨時の割れをふせぐことが出来、製品歩留
りの低下を防止できる。
[実施例] 次に本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1 第1表に示す融液を用い直径2インチの{111}(GdC
a)3(GaMgZr)5O12基板(格子定数12.496Å)の片面に820
℃で30時間、液相エピタキシャル成長させることによっ
て鏡面を呈する400μm厚の(TbLuBi)3Fe5O12の組成を有
する磁性ガーネット単結晶膜を得ることが出来た。
a)3(GaMgZr)5O12基板(格子定数12.496Å)の片面に820
℃で30時間、液相エピタキシャル成長させることによっ
て鏡面を呈する400μm厚の(TbLuBi)3Fe5O12の組成を有
する磁性ガーネット単結晶膜を得ることが出来た。
この膜の曲率半径は1.5mであったが、第2図のように
4分割した後に基板を研磨除去し、さらに研磨で膜厚を
調整することにより、320±5μmの厚みを有する割れ
の無い2インチの4分の1の大きさの単結晶厚膜四枚を
得ることが出来た。
4分割した後に基板を研磨除去し、さらに研磨で膜厚を
調整することにより、320±5μmの厚みを有する割れ
の無い2インチの4分の1の大きさの単結晶厚膜四枚を
得ることが出来た。
比較列1 実施例1と同一条件で404μm厚の(TbLuBi)3Fe5O12の
組成を有する磁性ガーネット単結晶膜を得た。
組成を有する磁性ガーネット単結晶膜を得た。
この膜を分割せずに基板除去のための研磨を行ったと
ころ第4図に示すような不規則な形状に割れた。
ころ第4図に示すような不規則な形状に割れた。
[効果] 本発明によれば、50μm以上の厚みを持つ磁性ガーネ
ット単結晶片面膜をあらかじめ分割した後、研磨するこ
とにより、製品歩留りの低下につながる研磨の際の基板
の不規則な形状の割れが防止される。
ット単結晶片面膜をあらかじめ分割した後、研磨するこ
とにより、製品歩留りの低下につながる研磨の際の基板
の不規則な形状の割れが防止される。
第1図は非磁性ガーネット基板上の片側に作製した磁性
ガーネット厚膜の室温における反りの状態を示す図、第
2図は本発明による2インチ基板上に作製した厚膜の切
断方法を示す図、第3図は3インチ基板上に作製した厚
膜の切断方法を示す図、第4図は比較列1における2イ
ンチ基板の研磨工程での割れを示す図である。
ガーネット厚膜の室温における反りの状態を示す図、第
2図は本発明による2インチ基板上に作製した厚膜の切
断方法を示す図、第3図は3インチ基板上に作製した厚
膜の切断方法を示す図、第4図は比較列1における2イ
ンチ基板の研磨工程での割れを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/095 H01S 3/115 H01S 3/108 G02B 6/12 L 3/115 M
Claims (1)
- 【請求項1】液相エピタキシャル法により非磁性ガーネ
ット基板に磁性ガーネット膜を成長させ、得られた膜を
基板除去等のために研磨して磁性ガーネット膜を製造す
る方法において、非磁性ガーネット基板の片面に磁性ガ
ーネット膜を50μm以上の厚みになるように成長させ、
得られた厚膜を予め分割した後、研磨することを特徴と
する液相エピタキシャル磁性ガーネット厚膜の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15356088A JP2712306B2 (ja) | 1988-06-23 | 1988-06-23 | 液相エピタキシャル磁性ガーネット厚膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15356088A JP2712306B2 (ja) | 1988-06-23 | 1988-06-23 | 液相エピタキシャル磁性ガーネット厚膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH026395A JPH026395A (ja) | 1990-01-10 |
JP2712306B2 true JP2712306B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=15565166
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15356088A Expired - Fee Related JP2712306B2 (ja) | 1988-06-23 | 1988-06-23 | 液相エピタキシャル磁性ガーネット厚膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2712306B2 (ja) |
-
1988
- 1988-06-23 JP JP15356088A patent/JP2712306B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH026395A (ja) | 1990-01-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
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