JPH1072296A - ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の製造方法 - Google Patents
ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の製造方法Info
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- JPH1072296A JPH1072296A JP23062196A JP23062196A JPH1072296A JP H1072296 A JPH1072296 A JP H1072296A JP 23062196 A JP23062196 A JP 23062196A JP 23062196 A JP23062196 A JP 23062196A JP H1072296 A JPH1072296 A JP H1072296A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 結晶欠陥が少なく、かつ割れがないなど、結
晶品質が良好で、ファラデー回転子などとして好適に用
いられるビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を効
率よく製造する方法を提供する。 【解決手段】 一般式 CaxNbyGazO12 (2.99<x<3.01、1.67<y<1.72、
3.15<z<3.21) で表わされる組成の単結晶基板上に、液相エピタキシャ
ル成長法により、一般式 BiaR3-aFe5-bMbO12 (Rは希土類金属、MはGa、Al、In、Sc、S
i、Ti、Ge又はMg、0<a<3.0、0≦b≦
1.5)で表わされる組成のビスマス置換希土類鉄ガー
ネット単結晶膜を形成させる。
晶品質が良好で、ファラデー回転子などとして好適に用
いられるビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を効
率よく製造する方法を提供する。 【解決手段】 一般式 CaxNbyGazO12 (2.99<x<3.01、1.67<y<1.72、
3.15<z<3.21) で表わされる組成の単結晶基板上に、液相エピタキシャ
ル成長法により、一般式 BiaR3-aFe5-bMbO12 (Rは希土類金属、MはGa、Al、In、Sc、S
i、Ti、Ge又はMg、0<a<3.0、0≦b≦
1.5)で表わされる組成のビスマス置換希土類鉄ガー
ネット単結晶膜を形成させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビスマス置換希土
類鉄ガーネット単結晶膜の新規な製造方法、さらに詳し
くは、ファラデー回転子などに用いられるビスマス置換
希土類鉄ガーネット単結晶膜を、結晶欠陥及び割れなど
の発生を抑制して、高品質に製造する方法に関するもの
である。
類鉄ガーネット単結晶膜の新規な製造方法、さらに詳し
くは、ファラデー回転子などに用いられるビスマス置換
希土類鉄ガーネット単結晶膜を、結晶欠陥及び割れなど
の発生を抑制して、高品質に製造する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、光ファイバーを用いた通信システ
ムの実用化が急速に進められている。これは、光ファイ
バー通信システムは、従来の電気通信システムに比べ
て、大容量のデータを高速に、かつ低損失で伝送できる
利点を有しているからである。この光ファイバー通信シ
ステムにおいては、光源の半導体レーザーは、外部光に
よって敏感に影響を受け不安定になることが一般に知ら
れているが、光ファイバー通信の低損失化に伴い、近端
だけでなく、遠端からの反射光も半導体レーザーに影響
を及ぼすようになり、したがって、この反射光の影響を
避けるために、光アイソレータの使用が試みられてい
る。この光アイソレータは、一般に偏光子、ファラデー
回転子及び検光子から構成されており、順方向の光を低
損失で通過させるが、逆方向からの入射光の通過を阻止
する機能を有している。
ムの実用化が急速に進められている。これは、光ファイ
バー通信システムは、従来の電気通信システムに比べ
て、大容量のデータを高速に、かつ低損失で伝送できる
利点を有しているからである。この光ファイバー通信シ
ステムにおいては、光源の半導体レーザーは、外部光に
よって敏感に影響を受け不安定になることが一般に知ら
れているが、光ファイバー通信の低損失化に伴い、近端
だけでなく、遠端からの反射光も半導体レーザーに影響
を及ぼすようになり、したがって、この反射光の影響を
避けるために、光アイソレータの使用が試みられてい
る。この光アイソレータは、一般に偏光子、ファラデー
回転子及び検光子から構成されており、順方向の光を低
損失で通過させるが、逆方向からの入射光の通過を阻止
する機能を有している。
【0003】このような光アイソレータや、光サーキュ
レータや、光磁界センサーなどに用いられるファラデー
回転子の材料としては、例えばCaMgZr置換ガドリ
ニウム・ガリウムガーネット(以下GGGと略記する)
単結晶から成る基板上に、液相エピタキシャル成長させ
て形成されたビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜
が知られている(特開昭62−138397号公報)。
レータや、光磁界センサーなどに用いられるファラデー
回転子の材料としては、例えばCaMgZr置換ガドリ
ニウム・ガリウムガーネット(以下GGGと略記する)
単結晶から成る基板上に、液相エピタキシャル成長させ
て形成されたビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜
が知られている(特開昭62−138397号公報)。
【0004】しかしながら、ビスマス置換希土類鉄ガー
ネット単結晶と、基板であるCaMgZr置換GGG単
結晶とは熱膨張係数が異なるため、液相エピタキシャル
成長させて形成されたビスマス置換希土類鉄ガーネット
単結晶膜は、結晶欠陥や割れなどが生じやすく、ファラ
デー回転子としての特性不良や、あるいは液相エピタキ
シャル成長時や加工時の歩留まり低下などの問題がある
[「ジャーナル・オブ・クリスタル・グロース(Jou
rnal of Crystal Growth)」,
第142巻,第93〜102ページ(1994年)]。
ネット単結晶と、基板であるCaMgZr置換GGG単
結晶とは熱膨張係数が異なるため、液相エピタキシャル
成長させて形成されたビスマス置換希土類鉄ガーネット
単結晶膜は、結晶欠陥や割れなどが生じやすく、ファラ
デー回転子としての特性不良や、あるいは液相エピタキ
シャル成長時や加工時の歩留まり低下などの問題がある
[「ジャーナル・オブ・クリスタル・グロース(Jou
rnal of Crystal Growth)」,
第142巻,第93〜102ページ(1994年)]。
【0005】また、熱膨張係数が磁性ガーネットに近い
基板材料としては、例えばCa2.90Nb1.67Ga3.29O
12が知られているが[「フィジカ B(physica
B)」,第213&214巻,第422ページ(199
5年)]、このものはビスマス置換希土類鉄ガーネット
単結晶とは熱膨張係数が一致していないため、前記Ca
MgZr置換GGG単結晶の場合と同様に、結晶欠陥の
発生や割れなどを生じやすいという欠点がある。
基板材料としては、例えばCa2.90Nb1.67Ga3.29O
12が知られているが[「フィジカ B(physica
B)」,第213&214巻,第422ページ(199
5年)]、このものはビスマス置換希土類鉄ガーネット
単結晶とは熱膨張係数が一致していないため、前記Ca
MgZr置換GGG単結晶の場合と同様に、結晶欠陥の
発生や割れなどを生じやすいという欠点がある。
【0006】ところで、結晶欠陥や割れなどの発生がな
い結晶品質の良好なビスマス置換希土類鉄ガーネット単
結晶膜を形成させるには、単結晶基板と該単結晶膜の格
子定数を室温で一致させる必要があるが、基板と単結晶
膜の熱膨張係数が異なると、ビスマス置換希土類鉄ガー
ネット単結晶膜のエピタキシャル成長温度である700
〜900℃においては、該単結晶膜と基板との格子定数
が異なることになり、その結果、単結晶膜に結晶欠陥や
割れなどを生じ、このような結晶欠陥や割れなどは、該
単結晶膜が数百μmの厚さになると特に著しい。
い結晶品質の良好なビスマス置換希土類鉄ガーネット単
結晶膜を形成させるには、単結晶基板と該単結晶膜の格
子定数を室温で一致させる必要があるが、基板と単結晶
膜の熱膨張係数が異なると、ビスマス置換希土類鉄ガー
ネット単結晶膜のエピタキシャル成長温度である700
〜900℃においては、該単結晶膜と基板との格子定数
が異なることになり、その結果、単結晶膜に結晶欠陥や
割れなどを生じ、このような結晶欠陥や割れなどは、該
単結晶膜が数百μmの厚さになると特に著しい。
【0007】したがって、これまで、結晶欠陥や割れな
どの発生を抑制するために、組成を変化させて薄い単結
晶膜にするか、あるいは基板を厚くするなどの処置がと
られてきた。しかしながら、これらの方法においては、
形成される単結晶膜がファラデー回転子などとしての特
性が不十分であったり、あるいは製造工程に経費がかか
り、コスト高になるなどの問題があった。
どの発生を抑制するために、組成を変化させて薄い単結
晶膜にするか、あるいは基板を厚くするなどの処置がと
られてきた。しかしながら、これらの方法においては、
形成される単結晶膜がファラデー回転子などとしての特
性が不十分であったり、あるいは製造工程に経費がかか
り、コスト高になるなどの問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、結晶欠陥や割れなどの発生が抑制された
結晶品質の良好な、ファラデー回転子などに好適に用い
られる厚膜のビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜
を液相エピタキシャル成長法により効率よく製造する方
法を提供するためになされたものである。
事情のもとで、結晶欠陥や割れなどの発生が抑制された
結晶品質の良好な、ファラデー回転子などに好適に用い
られる厚膜のビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜
を液相エピタキシャル成長法により効率よく製造する方
法を提供するためになされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ビスマス
置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の製造方法について鋭
意研究を重ねた結果、特定の組成を有する単結晶基板の
熱膨張係数が、所望のビスマス置換希土類鉄ガーネット
単結晶膜の熱膨張係数とほぼ一致しており、該単結晶基
板上に、特定の組成の金属酸化物の溶融混合物から単結
晶を液相エピタキシャル成長させることにより、結晶欠
陥や割れを生じない単結晶膜が得られることを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の製造方法について鋭
意研究を重ねた結果、特定の組成を有する単結晶基板の
熱膨張係数が、所望のビスマス置換希土類鉄ガーネット
単結晶膜の熱膨張係数とほぼ一致しており、該単結晶基
板上に、特定の組成の金属酸化物の溶融混合物から単結
晶を液相エピタキシャル成長させることにより、結晶欠
陥や割れを生じない単結晶膜が得られることを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、一般式 CaxNbyGazO12 (I) (ただし、x、y及びzは以下に示す範囲の数である。 2.99<x<3.01 1.67<y<1.72 3.15<z<3.21) で表わされる組成の単結晶基板上に、(A)酸化ビスマ
スと(B)少なくとも1種の希土類金属酸化物と(C)
酸化鉄と場合により用いられる(D)Ga、Al、I
n、Sc、Si、Ti、Ge及びMgの中から選ばれた
少なくとも1種の金属の酸化物とを含む溶融混合物から
液相エピタキシャル成長させることを特徴とする、一般
式 BiaR3-aFe5-bMbO12 (II) (式中のRは希土類金属の少なくとも1種、MはGa、
Al、In、Sc、Si、Ti、Ge及びMgの中から
選ばれた少なくとも1種の金属であり、a及びbは以下
に示す範囲の数である。 0<a<3.0 0≦b≦1.5) で表わされる組成のビスマス置換希土類鉄ガーネット単
結晶膜の製造方法を提供するものである。
スと(B)少なくとも1種の希土類金属酸化物と(C)
酸化鉄と場合により用いられる(D)Ga、Al、I
n、Sc、Si、Ti、Ge及びMgの中から選ばれた
少なくとも1種の金属の酸化物とを含む溶融混合物から
液相エピタキシャル成長させることを特徴とする、一般
式 BiaR3-aFe5-bMbO12 (II) (式中のRは希土類金属の少なくとも1種、MはGa、
Al、In、Sc、Si、Ti、Ge及びMgの中から
選ばれた少なくとも1種の金属であり、a及びbは以下
に示す範囲の数である。 0<a<3.0 0≦b≦1.5) で表わされる組成のビスマス置換希土類鉄ガーネット単
結晶膜の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明方法においては、単結晶基
板として、その上に形成される単結晶膜との格子整合性
が良く、かつ熱膨張係数が単結晶膜のそれに近いもの、
すなわち、一般式 CaxNbyGazO12 (I) で表わされる組成を有する単結晶基板が用いられる。上
記一般式(I)におけるx、y及びzは、それぞれ以下
に示す範囲の数である。 2.99<x<3.01 1.67<y<1.72 3.15<z<3.21 この一般式(I)で表わされる組成の単結晶基板の熱膨
張係数は、常温〜850℃において、1.07×10-5
K-1程度であり、その上に設けられるビスマス置換希土
類鉄ガーネット単結晶膜の熱膨張係数とほぼ一致してい
る。
板として、その上に形成される単結晶膜との格子整合性
が良く、かつ熱膨張係数が単結晶膜のそれに近いもの、
すなわち、一般式 CaxNbyGazO12 (I) で表わされる組成を有する単結晶基板が用いられる。上
記一般式(I)におけるx、y及びzは、それぞれ以下
に示す範囲の数である。 2.99<x<3.01 1.67<y<1.72 3.15<z<3.21 この一般式(I)で表わされる組成の単結晶基板の熱膨
張係数は、常温〜850℃において、1.07×10-5
K-1程度であり、その上に設けられるビスマス置換希土
類鉄ガーネット単結晶膜の熱膨張係数とほぼ一致してい
る。
【0012】この単結晶基板の形状及び厚さについては
特に制限はなく、従来ファラデー回転子用などの単結晶
膜の製造において用いられる単結晶基板と同様の形状及
び厚さを有するものを使用することができるが、通常円
板状であって、厚さ100〜1200μm程度のものを
用いるのがよい。
特に制限はなく、従来ファラデー回転子用などの単結晶
膜の製造において用いられる単結晶基板と同様の形状及
び厚さを有するものを使用することができるが、通常円
板状であって、厚さ100〜1200μm程度のものを
用いるのがよい。
【0013】本発明方法においては、前記単結晶基板上
に、一般式 BiaR3-aFe5-bMbO12 (II) (式中のRは希土類金属の少なくとも1種、MはGa、
Al、In、Sc、Si、Ti、Ge及びMgの中から
選ばれた少なくとも1種の金属であり、a及びbは以下
に示す範囲の数である。 0<a<3.0 0≦b≦1.5) で表わされる組成のビスマス置換希土類鉄ガーネット単
結晶膜を、液相エピタキシャル成長法により形成させ
る。ここで、液相エピタキシャル成長法とは、過飽和状
態にある溶液あるいは溶融液中に基板を浸せきし、この
基板上にエピタキシャル結晶を成長させる方法である。
に、一般式 BiaR3-aFe5-bMbO12 (II) (式中のRは希土類金属の少なくとも1種、MはGa、
Al、In、Sc、Si、Ti、Ge及びMgの中から
選ばれた少なくとも1種の金属であり、a及びbは以下
に示す範囲の数である。 0<a<3.0 0≦b≦1.5) で表わされる組成のビスマス置換希土類鉄ガーネット単
結晶膜を、液相エピタキシャル成長法により形成させ
る。ここで、液相エピタキシャル成長法とは、過飽和状
態にある溶液あるいは溶融液中に基板を浸せきし、この
基板上にエピタキシャル結晶を成長させる方法である。
【0014】前記一般式(II)においてRで示される
希土類金属としては、例えばY、La、Ce、Pr、N
d、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、Luなどが挙げられ、これらは1種含まれて
いてもよいし、2種以上含まれていてもよい。本発明に
おける単結晶膜においては、基板との格子整合性及び熱
膨張係数を一致させるために、前記Rで示される希土類
金属の一部をビスマスで置換させることが必要である。
このビスマスによる置換の割合はaで表わされ、このa
の値は、本発明においては、0<a<3.0の範囲であ
るが、特に0.5〜1.5の範囲にある場合、単結晶膜
の熱膨張係数と単結晶基板の熱膨張係数とが極めて近似
したものになるので、有利である。また、MはFeと置
換可能な非磁性金属元素で、Ga、Al、In、Sc、
Si、Ti、Ge、Mgであり、これらは1種含まれて
いてもよく、2種以上含まれていてもよい。この非磁性
金属元素のFeとの置換の割合bは0〜1.5の範囲で
選ばれる。
希土類金属としては、例えばY、La、Ce、Pr、N
d、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、Luなどが挙げられ、これらは1種含まれて
いてもよいし、2種以上含まれていてもよい。本発明に
おける単結晶膜においては、基板との格子整合性及び熱
膨張係数を一致させるために、前記Rで示される希土類
金属の一部をビスマスで置換させることが必要である。
このビスマスによる置換の割合はaで表わされ、このa
の値は、本発明においては、0<a<3.0の範囲であ
るが、特に0.5〜1.5の範囲にある場合、単結晶膜
の熱膨張係数と単結晶基板の熱膨張係数とが極めて近似
したものになるので、有利である。また、MはFeと置
換可能な非磁性金属元素で、Ga、Al、In、Sc、
Si、Ti、Ge、Mgであり、これらは1種含まれて
いてもよく、2種以上含まれていてもよい。この非磁性
金属元素のFeとの置換の割合bは0〜1.5の範囲で
選ばれる。
【0015】次に、本発明方法を好適に実施するには、
例えば(A)酸化ビスマスと(B)少なくとも1種の希
土類金属酸化物と(C)酸化鉄と場合により用いられる
(D)Ga、Al、In、Sc、Si、Ti、Ge及び
Mgの中から選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物と
を、それぞれ所定の割合で含有する均質な溶融混合物を
調製する。この際、通常析出用媒質として酸化鉛のよう
な構成元素が単結晶中に混入してこない低融点化合物を
用いる。また、所望に応じ結晶成長向上剤として酸化ホ
ウ素などを含有させてもよい。
例えば(A)酸化ビスマスと(B)少なくとも1種の希
土類金属酸化物と(C)酸化鉄と場合により用いられる
(D)Ga、Al、In、Sc、Si、Ti、Ge及び
Mgの中から選ばれた少なくとも1種の金属の酸化物と
を、それぞれ所定の割合で含有する均質な溶融混合物を
調製する。この際、通常析出用媒質として酸化鉛のよう
な構成元素が単結晶中に混入してこない低融点化合物を
用いる。また、所望に応じ結晶成長向上剤として酸化ホ
ウ素などを含有させてもよい。
【0016】次に、この溶融混合物中に、前記単結晶基
板を浸せきすることにより、基板上に該溶融混合物から
単結晶をエピタキシャル成長させる。この際の溶融混合
物の温度は、原料混合物の組成などにより異なるが、通
常は600〜1000℃の範囲で選ばれる。また、基板
は、溶融混合物中に静置してエピタキシャル成長させて
もよいし、適当に回転させながらエピタキシャル成長さ
せてもよい。回転させる場合、その回転数は10〜20
0rpm程度が有利である。また、成膜速度は、通常
0.08〜0.8μm/分程度である。浸せき時間は、
成膜速度及び所望の膜厚などにより異なり、一概に定め
ることはできないが、通常は、10〜100時間程度で
ある。
板を浸せきすることにより、基板上に該溶融混合物から
単結晶をエピタキシャル成長させる。この際の溶融混合
物の温度は、原料混合物の組成などにより異なるが、通
常は600〜1000℃の範囲で選ばれる。また、基板
は、溶融混合物中に静置してエピタキシャル成長させて
もよいし、適当に回転させながらエピタキシャル成長さ
せてもよい。回転させる場合、その回転数は10〜20
0rpm程度が有利である。また、成膜速度は、通常
0.08〜0.8μm/分程度である。浸せき時間は、
成膜速度及び所望の膜厚などにより異なり、一概に定め
ることはできないが、通常は、10〜100時間程度で
ある。
【0017】エピタキシャル成長終了後、基板を溶融混
合物から引き上げ、付着している溶融混合物を十分に振
り切ったのち、室温まで冷却する。次いで、希硝酸など
の鉱酸水溶液中に浸せきして、形成した単結晶膜表面に
付着している溶融混合物の固化物を取り除いたのち、水
洗、乾燥する。
合物から引き上げ、付着している溶融混合物を十分に振
り切ったのち、室温まで冷却する。次いで、希硝酸など
の鉱酸水溶液中に浸せきして、形成した単結晶膜表面に
付着している溶融混合物の固化物を取り除いたのち、水
洗、乾燥する。
【0018】このようにして、基板上に形成された、前
記一般式(II)で表わされる組成のビスマス置換希土
類鉄ガーネット単結晶膜の厚さは、通常100〜100
0μmの範囲である。
記一般式(II)で表わされる組成のビスマス置換希土
類鉄ガーネット単結晶膜の厚さは、通常100〜100
0μmの範囲である。
【0019】本発明方法により基板上に形成されたビス
マス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の結晶構造及び組
成は、それぞれX線回折及び蛍光X線による組成分析な
どにより測定することができる。また、膜の性能は、こ
の単結晶膜を研磨加工処理したのち、その両面に無反射
膜を設け、ファラデー回転係数、透過損失及び温度特性
などを求めることにより、評価することができる。
マス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の結晶構造及び組
成は、それぞれX線回折及び蛍光X線による組成分析な
どにより測定することができる。また、膜の性能は、こ
の単結晶膜を研磨加工処理したのち、その両面に無反射
膜を設け、ファラデー回転係数、透過損失及び温度特性
などを求めることにより、評価することができる。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、結晶欠陥が少なく、か
つ割れのない結晶品質の良好なビスマス置換希土類鉄ガ
ーネット単結晶膜を効率よく製造することができる。本
発明方法で得られたビスマス置換希土類鉄ガーネット単
結晶膜は、光アイソレータや光サーキュレータなどの光
学材料に使用されるファラデー回転子などとして好適で
ある。
つ割れのない結晶品質の良好なビスマス置換希土類鉄ガ
ーネット単結晶膜を効率よく製造することができる。本
発明方法で得られたビスマス置換希土類鉄ガーネット単
結晶膜は、光アイソレータや光サーキュレータなどの光
学材料に使用されるファラデー回転子などとして好適で
ある。
【0021】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの例によってなんら限定され
るものではない。
するが、本発明は、これらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0022】実施例1 白金製ルツボに、Ho2O3 5.747g、Gd2O3
6.724g、B2O343.214g、Fe2O3 12
6.84g、PbO 989.6g及びBi2O382
6.4gを入れ、約1000℃で溶融しかきまぜて均質
化したのち、120℃/hrの速度で降温して、832
℃の過飽和状態で保持した。次いで、この溶融液中に、
面方位が<111>で直径2インチのCa3.00Nb1.69
Ga3.19O 12単結晶基板を浸せきし、100rpmで基
板を回転させながら単結晶を液相エピタキシャル成長さ
せ、基板上に膜厚450μmの単結晶膜を形成させた。
この単結晶膜の表面の結晶欠陥の数から、基板の欠陥の
数を引いて単結晶膜のエピタキシャル成長時に発生した
結晶欠陥数を求めたところ、径2インチの単結晶膜で4
個であった。また、この単結晶膜には割れは認められな
かった。得られた単結晶膜は、蛍光X線法により分析し
たところ、Bi1.1Gd1.1Ho0.8Fe5.0O12の組成を
有するビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜であっ
た。また、この単結晶膜及び基板の熱膨張係数を室温〜
850℃で求めたところ、それぞれ1.10×10-5K
-1及び1.07×10-5K-1であった。次に、このよう
にして得られたビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶
膜を研磨加工し、両面に無反射膜を設けて波長1.55
μmのファラデー回転係数、ファラデー回転角45度で
の透過損失及び温度特性を評価したところ、ファラデー
回転係数は0.118deg/μm、透過損失は0.0
3dB、温度特性は0.065deg/℃であった。
6.724g、B2O343.214g、Fe2O3 12
6.84g、PbO 989.6g及びBi2O382
6.4gを入れ、約1000℃で溶融しかきまぜて均質
化したのち、120℃/hrの速度で降温して、832
℃の過飽和状態で保持した。次いで、この溶融液中に、
面方位が<111>で直径2インチのCa3.00Nb1.69
Ga3.19O 12単結晶基板を浸せきし、100rpmで基
板を回転させながら単結晶を液相エピタキシャル成長さ
せ、基板上に膜厚450μmの単結晶膜を形成させた。
この単結晶膜の表面の結晶欠陥の数から、基板の欠陥の
数を引いて単結晶膜のエピタキシャル成長時に発生した
結晶欠陥数を求めたところ、径2インチの単結晶膜で4
個であった。また、この単結晶膜には割れは認められな
かった。得られた単結晶膜は、蛍光X線法により分析し
たところ、Bi1.1Gd1.1Ho0.8Fe5.0O12の組成を
有するビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜であっ
た。また、この単結晶膜及び基板の熱膨張係数を室温〜
850℃で求めたところ、それぞれ1.10×10-5K
-1及び1.07×10-5K-1であった。次に、このよう
にして得られたビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶
膜を研磨加工し、両面に無反射膜を設けて波長1.55
μmのファラデー回転係数、ファラデー回転角45度で
の透過損失及び温度特性を評価したところ、ファラデー
回転係数は0.118deg/μm、透過損失は0.0
3dB、温度特性は0.065deg/℃であった。
【0023】実施例2 白金製ルツボに、Tb2O3 14.110g、Nd2O3
1.521g、B2O346.45g、Fe2O3 14
8.82g、PbO 1054.4g及びBi2O3 96
5.8gを入れ、約1000℃で溶融しかきまぜて均質
化したのち、120℃/hrの速度で降温して、828
℃の過飽和状態で保持した。次いで、この溶融液中に、
面方位が<111>で直径2インチのCa3.00Nb1.69
Ga3.19O12単結晶基板を浸せきし、100rpmで基
板を回転させながら単結晶を液相エピタキシャル成長さ
せ、基板上に膜厚550μmの単結晶膜を形成させた。
この単結晶膜の表面の結晶欠陥の数から、基板の欠陥の
数を引いて単結晶膜のエピタキシャル成長時に発生した
結晶欠陥数を求めたところ、径2インチの単結晶膜で5
個であった。また、この単結晶膜には割れは認められな
かった。得られた単結晶膜は、蛍光X線法により分析し
たところ、Bi0.9Tb2.0Nd0.1Fe5.0O12の組成を
有するビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜であっ
た。また、この単結晶膜及び基板の熱膨張係数を室温〜
850℃で求めたところ、それぞれ1.08×10-5K
-1及び1.07×10-5K-1であった。次に、このよう
にして得られたビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶
膜を研磨加工し、両面に無反射膜を設けて波長1.55
μmのファラデー回転係数、ファラデー回転角45度で
の透過損失及び温度特性を評価したところ、ファラデー
回転係数は0.090deg/μm、透過損失は0.1
4dB、温度特性は0.042deg/℃であった。
1.521g、B2O346.45g、Fe2O3 14
8.82g、PbO 1054.4g及びBi2O3 96
5.8gを入れ、約1000℃で溶融しかきまぜて均質
化したのち、120℃/hrの速度で降温して、828
℃の過飽和状態で保持した。次いで、この溶融液中に、
面方位が<111>で直径2インチのCa3.00Nb1.69
Ga3.19O12単結晶基板を浸せきし、100rpmで基
板を回転させながら単結晶を液相エピタキシャル成長さ
せ、基板上に膜厚550μmの単結晶膜を形成させた。
この単結晶膜の表面の結晶欠陥の数から、基板の欠陥の
数を引いて単結晶膜のエピタキシャル成長時に発生した
結晶欠陥数を求めたところ、径2インチの単結晶膜で5
個であった。また、この単結晶膜には割れは認められな
かった。得られた単結晶膜は、蛍光X線法により分析し
たところ、Bi0.9Tb2.0Nd0.1Fe5.0O12の組成を
有するビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜であっ
た。また、この単結晶膜及び基板の熱膨張係数を室温〜
850℃で求めたところ、それぞれ1.08×10-5K
-1及び1.07×10-5K-1であった。次に、このよう
にして得られたビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶
膜を研磨加工し、両面に無反射膜を設けて波長1.55
μmのファラデー回転係数、ファラデー回転角45度で
の透過損失及び温度特性を評価したところ、ファラデー
回転係数は0.090deg/μm、透過損失は0.1
4dB、温度特性は0.042deg/℃であった。
【0024】実施例3 白金製ルツボに、Y2O3 9.110g、Ga2O3 5.
765g、B2O3 39.64g、Fe2O3 131.6
8g、PbO 922.4g及びBi2O3 960.3g
を入れ、約1000℃で溶融しかきまぜて均質化したの
ち、120℃/hrの速度で降温して、764℃の過飽
和状態で保持した。次いで、この溶融液中に、面方位が
<111>で直径2インチのCa3.00Nb1.69Ga3.19
O12単結晶基板を浸せきし、100rpmで基板を回転
させながら単結晶を液相エピタキシャル成長させ、基板
上に膜厚360μmの単結晶膜を形成させた。この単結
晶膜の表面の結晶欠陥の数から、基板の欠陥の数を引い
て単結晶膜のエピタキシャル成長時に発生した結晶欠陥
数を求めたところ、径2インチの単結晶膜で10個であ
った。また、この単結晶膜には割れは認められなかっ
た。得られた単結晶膜は、蛍光X線法により分析したと
ころ、Bi1.5Y1.5Fe4.7Ga0.3O12の組成を有する
ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜であった。ま
た、この単結晶膜及び基板の熱膨張係数を室温〜850
℃で求めたところ、それぞれ1.11×10-5K-1及び
1.07×10-5K-1であった。次に、このようにして
得られたビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を研
磨加工し、両面に無反射膜を設けて波長1.55μmの
ファラデー回転係数、ファラデー回転角45度での透過
損失及び温度特性を評価したところ、ファラデー回転係
数は0.129deg/μm、透過損失は0.02d
B、温度特性は0.070deg/℃であった。
765g、B2O3 39.64g、Fe2O3 131.6
8g、PbO 922.4g及びBi2O3 960.3g
を入れ、約1000℃で溶融しかきまぜて均質化したの
ち、120℃/hrの速度で降温して、764℃の過飽
和状態で保持した。次いで、この溶融液中に、面方位が
<111>で直径2インチのCa3.00Nb1.69Ga3.19
O12単結晶基板を浸せきし、100rpmで基板を回転
させながら単結晶を液相エピタキシャル成長させ、基板
上に膜厚360μmの単結晶膜を形成させた。この単結
晶膜の表面の結晶欠陥の数から、基板の欠陥の数を引い
て単結晶膜のエピタキシャル成長時に発生した結晶欠陥
数を求めたところ、径2インチの単結晶膜で10個であ
った。また、この単結晶膜には割れは認められなかっ
た。得られた単結晶膜は、蛍光X線法により分析したと
ころ、Bi1.5Y1.5Fe4.7Ga0.3O12の組成を有する
ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜であった。ま
た、この単結晶膜及び基板の熱膨張係数を室温〜850
℃で求めたところ、それぞれ1.11×10-5K-1及び
1.07×10-5K-1であった。次に、このようにして
得られたビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を研
磨加工し、両面に無反射膜を設けて波長1.55μmの
ファラデー回転係数、ファラデー回転角45度での透過
損失及び温度特性を評価したところ、ファラデー回転係
数は0.129deg/μm、透過損失は0.02d
B、温度特性は0.070deg/℃であった。
【0025】実施例4 白金製ルツボに、Tb2O3 12.110g、La2O3
3.211g、B2O343.208g、Fe2O3 12
6.82g、PbO 1124.4g及びBi2O3 82
6.3gを入れ、約1000℃で溶融しかきまぜて均質
化したのち、120℃/hrの速度で降温して、847
℃の過飽和状態で保持した。次いで、この溶融液中に、
面方位が<111>で直径2インチのCa3.00Nb1.69
Ga3.19O12単結晶基板を浸せきし、100rpmで基
板を回転させながら単結晶を液相エピタキシャル成長さ
せ、基板上に膜厚920μmの単結晶膜を形成させた。
この単結晶膜の表面の結晶欠陥の数から、基板の欠陥の
数を引いて単結晶膜のエピタキシャル成長時に発生した
結晶欠陥数を求めたところ、径2インチの単結晶膜で7
個であった。また、この単結晶膜には割れは認められな
かった。得られた単結晶膜は、蛍光X線法により分析し
たところ、Bi0.5Tb2.3La0.2Fe5.0O12の組成を
有するビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜であっ
た。また、この単結晶膜及び基板の熱膨張係数を室温〜
850℃で求めたところ、それぞれ1.04×10-5K
-1及び1.07×10-5K-1であった。次に、このよう
にして得られたビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶
膜を研磨加工し、両面に無反射膜を設けて波長1.55
μmのファラデー回転係数、ファラデー回転角45度で
の透過損失及び温度特性を評価したところ、ファラデー
回転係数は0.056deg/μm、透過損失は0.2
1dB、温度特性は0.032deg/℃であった。
3.211g、B2O343.208g、Fe2O3 12
6.82g、PbO 1124.4g及びBi2O3 82
6.3gを入れ、約1000℃で溶融しかきまぜて均質
化したのち、120℃/hrの速度で降温して、847
℃の過飽和状態で保持した。次いで、この溶融液中に、
面方位が<111>で直径2インチのCa3.00Nb1.69
Ga3.19O12単結晶基板を浸せきし、100rpmで基
板を回転させながら単結晶を液相エピタキシャル成長さ
せ、基板上に膜厚920μmの単結晶膜を形成させた。
この単結晶膜の表面の結晶欠陥の数から、基板の欠陥の
数を引いて単結晶膜のエピタキシャル成長時に発生した
結晶欠陥数を求めたところ、径2インチの単結晶膜で7
個であった。また、この単結晶膜には割れは認められな
かった。得られた単結晶膜は、蛍光X線法により分析し
たところ、Bi0.5Tb2.3La0.2Fe5.0O12の組成を
有するビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜であっ
た。また、この単結晶膜及び基板の熱膨張係数を室温〜
850℃で求めたところ、それぞれ1.04×10-5K
-1及び1.07×10-5K-1であった。次に、このよう
にして得られたビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶
膜を研磨加工し、両面に無反射膜を設けて波長1.55
μmのファラデー回転係数、ファラデー回転角45度で
の透過損失及び温度特性を評価したところ、ファラデー
回転係数は0.056deg/μm、透過損失は0.2
1dB、温度特性は0.032deg/℃であった。
【0026】比較例 白金製ルツボに、Tb2O3 15.059g、Nd2O3
1.464g、B2O347.55g、Fe2O3 15
7.76g、PbO 182.6g及びBi2O395
8.8gを入れ、約1000℃で溶融しかきまぜて均質
化したのち、120℃/hrの速度で降温して、839
℃の過飽和状態で保持した。次いで、この溶融液中に、
面方位が<111>で直径2インチのCaMgZr置換
GGG単結晶基板を浸せきし、100rpmで基板を回
転させながら単結晶を液相エピタキシャル成長させ、基
板上に膜厚520μmの単結晶膜を形成させた。この単
結晶膜の表面の結晶欠陥の数から、基板の欠陥の数を引
いて単結晶膜のエピタキシャル成長時に発生した結晶欠
陥数を求めたところ、径2インチの単結晶膜で76個で
あった。また、この単結晶膜には、縁から6mm内側の
外周部で同心円状の割れが8本生じていた。得られた単
結晶膜は、蛍光X線法により分析したところ、Bi0.7
Tb2.2Nd0.1Fe5.0O12の組成を有するビスマス置
換希土類鉄ガーネット単結晶膜であった。また、この単
結晶膜及び基板の熱膨張係数を室温〜850℃で求めた
ところ、それぞれ1.06×10-5K-1及び0.87×
10-5K-1であった。次に、このようにして得られたビ
スマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を研磨加工し、
両面に無反射膜を設けて波長1.55μmのファラデー
回転係数、ファラデー回転角45度での透過損失及び温
度特性を評価したところ、ファラデー回転係数は0.0
76deg/μm、透過損失は0.17dB、温度特性
は0.037deg/℃であった。
1.464g、B2O347.55g、Fe2O3 15
7.76g、PbO 182.6g及びBi2O395
8.8gを入れ、約1000℃で溶融しかきまぜて均質
化したのち、120℃/hrの速度で降温して、839
℃の過飽和状態で保持した。次いで、この溶融液中に、
面方位が<111>で直径2インチのCaMgZr置換
GGG単結晶基板を浸せきし、100rpmで基板を回
転させながら単結晶を液相エピタキシャル成長させ、基
板上に膜厚520μmの単結晶膜を形成させた。この単
結晶膜の表面の結晶欠陥の数から、基板の欠陥の数を引
いて単結晶膜のエピタキシャル成長時に発生した結晶欠
陥数を求めたところ、径2インチの単結晶膜で76個で
あった。また、この単結晶膜には、縁から6mm内側の
外周部で同心円状の割れが8本生じていた。得られた単
結晶膜は、蛍光X線法により分析したところ、Bi0.7
Tb2.2Nd0.1Fe5.0O12の組成を有するビスマス置
換希土類鉄ガーネット単結晶膜であった。また、この単
結晶膜及び基板の熱膨張係数を室温〜850℃で求めた
ところ、それぞれ1.06×10-5K-1及び0.87×
10-5K-1であった。次に、このようにして得られたビ
スマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を研磨加工し、
両面に無反射膜を設けて波長1.55μmのファラデー
回転係数、ファラデー回転角45度での透過損失及び温
度特性を評価したところ、ファラデー回転係数は0.0
76deg/μm、透過損失は0.17dB、温度特性
は0.037deg/℃であった。
【0027】実施例1〜4及び比較例の結果をまとめて
表1に示す。
表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】[注]ビスマス置換量は、前記一般式(I
I)のBiaR3-aFe5-bMbO12(R、M、a及びbは
前記と同じ意味をもつ)におけるaを示す。
I)のBiaR3-aFe5-bMbO12(R、M、a及びbは
前記と同じ意味をもつ)におけるaを示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式 CaxNbyGazO12 (ただし、x、y及びzは以下に示す範囲の数である。 2.99<x<3.01 1.67<y<1.72 3.15<z<3.21) で表わされる組成の単結晶基板上に、(A)酸化ビスマ
スと(B)少なくとも1種の希土類金属酸化物と(C)
酸化鉄と場合により用いられる(D)Ga、Al、I
n、Sc、Si、Ti、Ge及びMgの中から選ばれた
少なくとも1種の金属の酸化物とを含む溶融混合物から
液相エピタキシャル成長させることを特徴とする、一般
式 BiaR3-aFe5-bMbO12 (式中のRは希土類金属の少なくとも1種、MはGa、
Al、In、Sc、Si、Ti、Ge及びMgの中から
選ばれた少なくとも1種の金属であり、a及びbは以下
に示す範囲の数である。 0<a<3.0 0≦b≦1.5) で表わされる組成のビスマス置換希土類鉄ガーネット単
結晶膜の製造方法。 - 【請求項2】 ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶
膜が、その組成式におけるaが0.5〜1.5の範囲の
数である請求項1記載の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP23062196A JP3816591B2 (ja) | 1996-08-30 | 1996-08-30 | ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の製造方法 |
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---|---|---|---|
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JPH1072296A true JPH1072296A (ja) | 1998-03-17 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6527973B2 (en) * | 2000-02-22 | 2003-03-04 | Tdk Corporation | Magnetic garnet material and magnetooptical device using the same |
EP1821321A1 (en) * | 2006-02-20 | 2007-08-22 | TDK Corporation | Magnetic garnet single crystal and optical element using the same |
US7695562B2 (en) | 2006-01-10 | 2010-04-13 | Tdk Corporation | Magnetic garnet single crystal and method for producing the same as well as optical element using the same |
US7758766B2 (en) | 2007-09-17 | 2010-07-20 | Tdk Corporation | Magnetic garnet single crystal and Faraday rotator using the same |
US7811465B2 (en) | 2004-11-19 | 2010-10-12 | Tdk Corporation | Magnetic garnet single crystal and optical element using same as well as method of producing single crystal |
US7828895B2 (en) | 2006-01-27 | 2010-11-09 | Tdk Corporation | Method of producing optical element |
-
1996
- 1996-08-30 JP JP23062196A patent/JP3816591B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7695562B2 (en) | 2006-01-10 | 2010-04-13 | Tdk Corporation | Magnetic garnet single crystal and method for producing the same as well as optical element using the same |
US7828895B2 (en) | 2006-01-27 | 2010-11-09 | Tdk Corporation | Method of producing optical element |
EP1821321A1 (en) * | 2006-02-20 | 2007-08-22 | TDK Corporation | Magnetic garnet single crystal and optical element using the same |
JP2007217257A (ja) * | 2006-02-20 | 2007-08-30 | Tdk Corp | 磁性ガーネット単結晶及びそれを用いた光学素子 |
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