JP4539053B2 - 単結晶基板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、単結晶基板及びその製造方法に関し、特に磁性ガーネット単結晶膜を液相エピタキシャル成長させる際に用いる単結晶基板及びその製造方法に関する。
磁性ガーネット単結晶膜は、光アイソレータ等に用いられるファラデー回転子として光通信システムに多く用いられている。磁性ガーネット単結晶膜は、液相エピタキシャル(LPE)法により基板上に育成される。この基板には、GGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネット)単結晶基板(ウエハ)やCaMgZr置換GGG単結晶基板が用いられている。育成した磁性ガーネット単結晶膜に研磨や切断などの加工を施し、膜表面に無反射膜を成膜してファラデー回転子が作製される。加工の際に単結晶(単結晶基板及び単結晶基板上に育成される磁性ガーネット単結晶膜)が割れるのを防止するため、基板の格子定数とエピタキシャル成長させる磁性ガーネット単結晶膜の格子定数とが室温でほぼ一致するようにして育成する必要がある。
図4は、各種のガーネットの格子定数の温度変化を示すグラフである(非特許文献1参照)。横軸は温度T(℃)を表し、縦軸は格子定数α/α0(室温(約25℃)での格子定数を1としている)を表している。図4に示すように、磁性ガーネットの熱膨張係数とGGGの熱膨張係数とは互いに約20%異なっている。このため、室温で格子定数を一致させても例えば800℃程度の高温での育成中に両者の格子定数は大きくずれてしまい、単結晶内で応力が発生する。育成中に内部に生じる応力に耐え切れなくなると、単結晶は融液中で割れてしまう。特許文献1には、この問題を解決する方法として磁性ガーネット単結晶膜の格子定数を最適な条件で制御する技術が提案されている。
ところが、近年は低コスト化を目的に1枚の単結晶基板から得られるファラデー回転子の個数を増やすため、従来の2インチの単結晶基板に代えて、よりサイズの大きい3インチの単結晶基板が用いられている。基板サイズを大きくすると育成中に単結晶内に生じる応力も大きくなるため、磁性ガーネット単結晶膜を育成する際の格子定数を最適な条件にしているにも関わらず、単結晶が割れる頻度が増加してしまう。このため、基板サイズを大きくしても、1枚の単結晶基板から得られるファラデー回転子の個数が十分に増えず、十分な低コスト化が図れないという問題が生じている。
特許第3197383号公報 V.J.フラテロ他(V.J.Fratello et.al.),"Effect of bismuth doping on thermal expansion and misfit dislocations in epitaxial iron garnets",ジャーナル・オブ・クリスタル・グロウス142(Journal of Crystal Growth 142),1994年,p.93−102
本発明の目的は、割れの発生を抑制できる単結晶基板及びその製造方法を提供することにある。
上記目的は、互いに対向する2つの表面と、前記2つの表面のそれぞれの外周部の間に位置し、1.0μm以下の算術平均粗さに形成された側面とを有することを特徴とする単結晶基板によって達成される。
上記本発明の単結晶基板において、前記算術平均粗さは0.25μm以下であることを特徴とする。
上記本発明の単結晶基板において、前記算術平均粗さは0.02μm以下であることを特徴とする。
上記本発明の単結晶基板において、前記2つの表面のうち少なくとも一方は、鉄ガーネット単結晶膜が育成される膜育成面として用いられることを特徴とする。
上記本発明の単結晶基板において、主要な構成元素としてGaを含むことを特徴とする。
上記本発明の単結晶基板において、前記側面は、端面丸め加工が施されていることを特徴とする。
また、上記目的は、単結晶のインゴットを育成し、前記インゴットを切断して基板を作製し、前記基板の側面を算術平均粗さ1.0μm以下に加工することを特徴とする単結晶基板の製造方法によって達成される。
上記本発明の単結晶基板の製造方法において、前記側面を算術平均粗さ0.25μm以下に加工することを特徴とする。
上記本発明の単結晶基板の製造方法において、前記側面を算術平均粗さ0.02μm以下に加工することを特徴とする。
上記本発明の単結晶基板の製造方法において、前記側面を加工する工程は、粒度800番以上の砥石を用いることを特徴とする。
上記本発明の単結晶基板の製造方法において、前記側面を加工する工程は、粒度1200番以上の砥石を用いることを特徴とする。
上記本発明の単結晶基板の製造方法において、さらに前記側面の鏡面仕上げを行うことを特徴とする。
本発明によれば、単結晶基板の割れの発生を抑制でき、特に、LPE法を用いて単結晶基板上に磁性ガーネット単結晶膜を育成する際の単結晶基板及び磁性ガーネット単結晶膜の割れの発生を抑制できる。
本発明の一実施の形態による単結晶基板及びその製造方法について図1乃至図3を用いて説明する。まず、本実施の形態の原理について説明する。一般に、LPE法による磁性ガーネット単結晶膜の育成に使用する単結晶基板は、引き上げ法を用いて作製される。具体的には、引き上げ法を用いて単結晶のインゴットを育成し、結晶方位を調べた後、膜育成面が必要な結晶方位になるような円板に加工する。そして、円板のエッジ部の面取りのために端面丸め加工を施し、さらに膜育成面の研磨及びエッチングを行ってエピタキシャル成長用の単結晶基板が作製される。
膜育成中に単結晶が割れる様子を観察すると、割れは単結晶基板の外周部から生じていることが確認される。単結晶がエピタキシャル成長中に割れる場合、単結晶基板外周部に割れ(クラック)が発生して単結晶基板の一部が割れ落ちた後、基板固定用冶具から単結晶全体が外れて融液中に脱落する。そして脱落した単結晶と基板固定用冶具とがぶつかって割れが進行し、単結晶は融液中でばらばらになる。
単結晶基板と育成される磁性ガーネット単結晶膜との間には熱膨張係数の違いがあるため、育成中は単結晶基板と磁性ガーネット単結晶膜の双方に応力が内在し、単結晶基板に生じている瑕(きず)や欠陥などがきっかけとなり割れが発生する。これは、単結晶基板として用いられる非磁性ガーネット基板の主要な構成元素がGaであり、エピタキシャル成長する磁性ガーネット単結晶膜(鉄ガーネット単結晶膜)の主要な構成元素が鉄であるため、単結晶基板と磁性ガーネット単結晶膜との間に不可避の熱膨張係数の差が生じるからである。単結晶基板の膜育成面は、鏡面研磨された上、エッチングにより加工変質層が除去されるので、大きな結晶欠陥や取扱いのミスによる瑕が生じていなければ割れは発生しない。ところが単結晶基板の側面は、当該側面上に磁性ガーネット単結晶膜を成長させる必要がないため比較的粗い加工が施されている。このため、基板側面の荒れた部分が単結晶の瑕となり、そこを発端にして育成中の単結晶割れが発生している。
図1は、磁性ガーネット単結晶膜の育成に用いられる一般的な単結晶基板の構成を示している。図1(a)は単結晶基板の構成を示す斜視図である。図1(a)に示すように、円板状の単結晶基板1は、互いに対向する2つの表面10、11を有している。2つの表面10、11のうち少なくとも一方は、磁性ガーネット単結晶膜を育成する膜育成面として用いられる。また単結晶基板1は、表面10の外周部と表面11の外周部との間に側面12を有している。図1(b)は、図1(a)の領域A近傍の単結晶基板1を表面10、11に垂直に切断した断面構成を示している。図1(b)に示すように、単結晶基板1の側面12は、端面丸め加工が施されている。図1(c)は、図1(b)の領域B近傍を拡大して示している。図1(c)に示すように、側面12には、複数の凸部14と複数の凹部16とからなる凹凸が形成されている。凸部14と凹部16との高低差は、一般に数十μm程度である。
本実施の形態では、端面丸め加工の条件を変化させて側面12の表面形状を変えた複数の単結晶基板1を作製し、それらの単結晶基板1を用いて磁性ガーネット単結晶膜をそれぞれ育成した。レーザ式の表面粗さ測定装置を用いて側面12の表面粗さを表面(膜育成面)10、11に垂直な方向に沿って測定及び評価し、側面12の表面粗さと育成中の単結晶割れとの関係を調べた。すると側面12の算術平均粗さRaが1.0μmとなる条件を境として、単結晶割れの発生頻度が大きく変化することが分かった。
側面12の算術平均粗さRaが1.0μm以下になるように所定の粒度の砥石を備えた加工機を用いて端面丸め加工を行って単結晶基板1を作製し、それらの単結晶基板1を使用して磁性ガーネット単結晶膜の育成を行ったところ、育成中に単結晶が割れる頻度が大きく減少した。これに対し、側面12の算術平均粗さRaが1.0μmより大きい単結晶基板1を用いると、育成中に単結晶が割れる頻度は従来と同様に多かった。端面丸め加工の加工条件を変えて、単結晶基板1の側面12の表面状態をより滑らかな形状に加工することで、割れの原因となる側面12の荒れが小さくなり、育成中の単結晶の割れを抑制することができた。
ここで、側面12の算術平均粗さRaの算出方法について図2を用いて説明する。表面粗さ測定装置により、図2(a)に示す線Cのような側面12のプロファイル(粗さ曲線)が得られたとする。まず、任意の直線Dを引き、次に図2(b)に示すように、線Cのうち直線Dよりも図中下側の部分(図中破線で示している)を直線Dに対して反転させた線C’を作成する。次に、図2(c)に示すように直線Eを作成する。直線Eは、線C’とともに囲む領域のうち、直線Eより上側の領域(図では左上から右下へのハッチングで示している)と、直線Eより下側の領域(図では右上から左下へのハッチングで示している)との面積が等しくなるように作成される。このとき直線Eと直線Dとの距離が算術平均粗さRaになる。なお、直線Eより上方の線C(線C’)上の点と直線Eとの距離の最大値が最大山高さRpになり、直線Eより下方の線C上の点と直線Eとの距離の最大値が最大谷深さRvになる。最大山高さRpと最大谷深さRvとの和が最大高さRy(P−V値)になる。
図3は、単結晶基板1の構成を示している。図3(a)は単結晶基板1を表面10に垂直な方向に見た構成を示し、図3(b)は単結晶基板1を表面10と平行な方向に見た構成を示している。図3(c)及び(d)は、図3(b)の領域F内を拡大して示す写真である。図3(c)は粒度800番の砥石を備えた加工機を用いて端面丸め加工を行った本実施の形態の単結晶基板1の側面12を示し、図3(d)は荒削り用の加工機を用いて端面丸め加工を行った従来の単結晶基板1の側面12を示している。図3(c)、(d)中の片矢印は、表面粗さの測定方向(単結晶基板1の厚さ方向)を示している。図3(c)に示す側面12の算術平均粗さRaは1.0μmであり、図3(d)に示す側面12の算術平均粗さRaは5.5μmであった。
以下、本実施の形態による単結晶基板及びその製造方法について、実施例1乃至3及び比較例を用いて具体的に説明する。
まず、本実施の形態の実施例1による単結晶基板及びその製造方法について説明する。直径82mmのCaMgZr置換GGG単結晶のインゴットを引き上げ法により育成した。X線回折による単結晶インゴットの方位出し、円筒研削及びワイヤーソー切断によって、膜育成面が(111)面となる厚さ500μm、直径3インチの円板状基板を作製した。この円板状基板の側面に対し、粒度1200番の砥石を備えた加工機を用いて端面丸め加工を行った。また円板状基板の膜育成面に対し、砥粒にコロイダルシリカを使った最終研磨などの鏡面研磨加工を行った。さらに160℃の熱リン酸によるエッチングで加工変質層の除去を行いエピタキシャル成長用の単結晶基板1を作製した。ここで、光学式表面粗さ測定装置(Lasertec社製のScanlaser micrometer VH2000)を用いて単結晶基板1の側面12の凹凸の粗さを評価した。ここでは、単結晶基板1の膜育成面に垂直な方向に沿って表面粗さを測定し、算術平均粗さRaを算出した。単結晶基板1の側面12の算術平均粗さRaは0.25μmであった。
次に、白金製の坩堝(るつぼ)にGd23、Yb23、Fe23、Ge23、B23、Bi23、PbOを充填した。次に、前工程で作製した単結晶基板1を用いてLPE法により、組成がBi1.20Gd0.60Yb0.58Pb0.02Fe4.98Ge0.01Pt0.0112である磁性ガーネット単結晶膜を約500μmの厚さに育成した。10枚の単結晶基板1を用いて順次磁性ガーネット単結晶膜を育成し、育成中の単結晶の割れの発生頻度を評価したところ、単結晶の割れを生じさせずに磁性ガーネット単結晶膜を育成できる確率は90%であった。このように、単結晶基板1の側面12の算術平均粗さRaが0.25μmになるように加工した本実施例では、単結晶の割れをほとんど生じさせずに磁性ガーネット単結晶膜を育成することができた。
次に、本実施の形態の実施例2による単結晶基板及びその製造方法について説明する。直径82mmのCaMgZr置換GGG単結晶のインゴットを引き上げ法により育成した。X線回折による単結晶インゴットの方位出し、円筒研削及びワイヤーソー切断によって、膜育成面が(111)面となる厚さ500μm、直径3インチの円板状基板を作製した。この円板状基板の側面に対し、粒度800番の砥石を備えた加工機を用いて端面丸め加工を行った。また円板状基板の膜育成面に対し、砥粒にコロイダルシリカを使った最終研磨などの鏡面研磨加工を行った。さらに160℃の熱リン酸によるエッチングで加工変質層の除去を行いエピタキシャル成長用の単結晶基板1を作製した。ここで、光学式表面粗さ測定装置を用いて単結晶基板1の側面12の凹凸の粗さを評価した。ここでは、単結晶基板1の膜育成面に垂直な方向に沿って表面粗さを測定し、算術平均粗さRaを算出した。単結晶基板1の側面12の算術平均粗さRaは1.0μmであった。
次に、白金製の坩堝にGd23、Yb23、Fe23、Ge23、B23、Bi23、PbOを充填した。次に、前工程で作製した単結晶基板1を用いてLPE法により、組成がBi1.20Gd0.60Yb0.58Pb0.02Fe4.98Ge0.01Pt0.0112である磁性ガーネット単結晶膜を約500μmの厚さに育成した。10枚の単結晶基板1を用いて順次磁性ガーネット単結晶膜を育成し、育成中の単結晶の割れの発生頻度を評価したところ、単結晶の割れを生じさせずに磁性ガーネット単結晶膜を育成できる確率は80%であった。このように、単結晶基板1の側面12の算術平均粗さRaが1.0μmになるように加工した本実施例では、単結晶の割れを余り生じさせずに磁性ガーネット単結晶膜を育成することができた。
次に、本実施の形態の実施例3による単結晶基板及びその製造方法について説明する。直径82mmのCaMgZr置換GGG単結晶のインゴットを引き上げ法により育成した。X線回折による単結晶インゴットの方位出し、円筒研削及びワイヤーソー切断によって、膜育成面が(111)面となる厚さ500μm、直径3インチの円板状基板を作製した。この円板状基板の側面に対し、粒度1200番の砥石を備えた加工機を用いて端面丸め加工を行い、さらに鏡面仕上げを行った。また円板状基板の膜育成面に対し、砥粒にコロイダルシリカを使った最終研磨を含む鏡面加工を行った。さらに160℃の熱リン酸によるエッチングで加工変質層の除去を行いエピタキシャル成長用の単結晶基板1を作製した。ここで、光学式表面粗さ測定装置を用いて単結晶基板1の側面12の凹凸の粗さを評価した。ここでは、単結晶基板1の膜育成面に垂直な方向に沿って表面粗さを測定し、算術平均粗さRaを算出した。単結晶基板1の側面12の算術平均粗さRaは0.02μmであった。
次に、白金製の坩堝にGd23、Yb23、Fe23、Ge23、B23、Bi23、PbOを充填した。次に、前工程で作製した単結晶基板1を用いてLPE法により、組成がBi1.20Gd0.60Yb0.58Pb0.02Fe4.98Ge0.01Pt0.0112である磁性ガーネット単結晶膜を約500μmの厚さに育成した。10枚の単結晶基板1を用いて順次磁性ガーネット単結晶膜を育成し、育成中の単結晶の割れの発生頻度を評価したところ、単結晶の割れを生じさせずに磁性ガーネット単結晶膜を育成できる確率は100%であった。このように、単結晶基板1の側面12の算術平均粗さRaが0.02μmになるように加工した本実施例では、単結晶の割れを全く生じさせずに磁性ガーネット単結晶膜を育成することができた。
次に、本実施の形態の実施例1乃至3に対する比較例について説明する。直径82mmのCaMgZr置換GGG単結晶のインゴットを引き上げ法により育成した。X線回折による単結晶インゴットの方位出し、円筒研削及びワイヤーソー切断によって、膜育成面が(111)面となる厚さ500μm、直径3インチの円板状基板を作製した。この円板状基板の側面に対し、荒削り用の加工機を用いて端面丸め加工を行った。また円板状基板の膜育成面に対し、砥粒にコロイダルシリカを使った最終研磨を含む鏡面加工を行った。さらに160℃の熱リン酸によるエッチングで加工変質層の除去を行いエピタキシャル成長用の単結晶基板1を作製した。ここで、光学式表面粗さ測定装置を用いて単結晶基板1の側面12の凹凸の粗さを評価した。ここでは、単結晶基板1の膜育成面に垂直な方向に沿って表面粗さを測定し、算術平均粗さRaを算出した。単結晶基板1の側面12の算術平均粗さRaは5.5μmであった。
次に、白金製の坩堝にGd23、Yb23、Fe23、Ge23、B23、Bi23、PbOを充填した。次に、前工程で作製した単結晶基板1を用いてLPE法により、組成がBi1.20Gd0.60Yb0.58Pb0.02Fe4.98Ge0.01Pt0.0112である磁性ガーネット単結晶膜を約500μmの厚さに育成した。10枚の単結晶基板1を用いて順次磁性ガーネット単結晶膜を育成し、育成中の単結晶の割れの発生頻度を評価したところ、単結晶の割れを生じさせずに磁性ガーネット単結晶膜を育成できる確率は30%であった。このように、本比較例による育成では大半の単結晶が割れてしまった。
以上説明した実施例1乃至3、及び比較例をまとめると表1のようになる。
Figure 0004539053
表1に示すように、側面12の算術平均粗さRaが1.0μm以下の単結晶基板1を用いれば、単結晶の割れを余り生じさせずに磁性ガーネット単結晶膜を育成できる。側面12の算術平均粗さRaが0.25μm以下の単結晶基板1を用いれば単結晶の割れの発生をより減少させることができ、側面12の算術平均粗さRaが0.02μm以下の単結晶基板1を用いれば単結晶の割れの発生をさらに減少させることができる。このため、基板サイズを大きくすると、1枚の単結晶基板1から得られるファラデー回転子の個数を大幅に増やすことができ、十分な低コスト化が可能になる。
磁性ガーネット単結晶膜の育成に用いられる一般的な単結晶基板の構成を示す図である。 側面12の算術平均粗さRaの算出方法を説明する図である。 単結晶基板1の構成を示す図及び写真である。 各種のガーネットの格子定数の温度変化を示すグラフである。
符号の説明
1 単結晶基板
10、11 表面
12 側面
14 凸部
16 凹部
A、B、F 領域
C、C’ 線
D、E 直線

Claims (3)

  1. 互いに対向し、少なくとも一方が液相エピタキシャル法により鉄ガーネット単結晶膜が育成される膜育成面として用いられる直径3インチ以上の円板状の2つの表面と、
    前記2つの表面のそれぞれの外周部の間に位置し、端面丸め加工が施されて0.02μm以下の算術平均粗さに形成された側面と
    を有することを特徴とする単結晶基板。
  2. 請求項1に記載の単結晶基板において、
    主要な構成元素としてGaを含むこと
    を特徴とする単結晶基板。
  3. 単結晶のインゴットを育成し、
    前記インゴットを切断して直径3インチ以上の円板状基板を作製し、
    前記円板状基板の側面を粒度1200番以上の砥石を用いて端面丸め加工を行い、さらに鏡面仕上げを行ない、算術平均粗さを0.02μm以下に加工し、
    前記円板状基板の膜育成面に液相エピタキシャル法により鉄ガーネット単結晶膜を育成すること
    を特徴とする単結晶基板の製造方法。
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