JP2832713B2 - 繊維性ウェブから液体を除去する方法 - Google Patents

繊維性ウェブから液体を除去する方法

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JP2832713B2
JP2832713B2 JP62202612A JP20261287A JP2832713B2 JP 2832713 B2 JP2832713 B2 JP 2832713B2 JP 62202612 A JP62202612 A JP 62202612A JP 20261287 A JP20261287 A JP 20261287A JP 2832713 B2 JP2832713 B2 JP 2832713B2
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    • D21F3/02Wet presses
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、繊維性ウェブから液体を除去するためのプ
レス方法に関する。より詳しくは、本発明は、繊維性ウ
ェブから水を絞り出すためのプレス方法に関する。尚以
下の記述に於いては、本発明を装置として表現すること
があるが、特許請求に係る発明は方法である。 木材パルプを紙に変える技術に於ては長年に亙り多く
の改善が図られてきた。本質的には、製紙技術は、移動
するスクリーンの上へ繊維性パルプ即ち原料の層を載せ
ることと、比較的薄い繊維性シートを形成するためスク
リーンの上面にてその繊維性原料から過剰な水を排除す
ることとを含む。繊維性シートもしくはウェブの固有の
強度を増大させるため、ウェブはスクリーンから離さ
れ、ウェブに残留している水の量を減らすため多様なプ
レスロールの間を通される。製紙機のプレス部を通過し
た後、増大させられた密度を有するウェブは、ウェブが
プレス部を通過した後もウェブ中に残留する過剰な水が
除去されるようにして多くの加熱されたドラム即ちドラ
イヤの周りへと誘導される。 現代の製紙機に於ては、各々のドラムが1.5mの直径と
6mの長さとを有する80台以上もの乾燥ドラムをその乾燥
部に有することも珍しくはない。これらの乾燥ドラムの
必要性は、形成部とプレス部との据え付けのためにも床
面積が必要とされるのに、度の過ごした極めて莫大な床
面積を塞ぐことになる。その上、増大する燃料コストに
関連して、もしプレス部に於て一層多くの水が除去され
得るならば乾燥部に必要とされる蒸気が少なくて済むこ
とは明白である。それ故、プレス部を通過している間に
繊維性ウェブから一層多量の水を除去し、そるによっ
て、必要とされる乾燥ドラムの数とウェブ中に残ってい
る幾らかの水分を追い出すために必要とされる蒸気の量
とを減少させる試みが多くの研究所によりこれまでにな
されてきた。 プレス部の設計に於ける革新は、プレスされた後のウ
ェブの中に残留している水の量を好成績にもほぼ50%減
少させた、以下の文中に於てはENPとして参照される所
謂押圧面積拡大型プレスの導入により1980年に商業化さ
れた。従来のプレス技術に比較してのENPの主な特徴は
以下の通りである。従来のプレスに於ては互いに逆方向
に回転するロールにより郭定される挾持部をウェブが通
過するのに対して、ENPに於てはロールの一方は凹面の
シューによって置き換えられる。このシューの凹面は、
ウェブがプレスロールとシューとの間で或る延長された
期間の間適度の圧力を以てプレスさせるよう、細長いも
しくは延長されたプレス部を両者の間に郭定すべくプレ
スロールの外面と協力する。従来のプレスに於ては、互
いに逆回転するロールにより郭定される狭い挾持部をウ
ェブが通過するのでウェブは短い期間内に高い圧力を速
かに受ける。しかしながら押圧面積拡大型プレスに於て
は、繊維性ウェブに供給される圧力は、一層ゆっくりと
増大し、凹面とそれに協力するプレスロールとにより郭
定される延長されたプレス部をウェブが通過するので一
層長い期間に亙って加えられる。延長された期間に亙っ
てのこの一層ゆっくりした圧力の増加は、シューの形状
の設計により精密に制御され得る。シューの窪みは、協
力するプレスロールの曲率半径よりもこのシューの曲率
半径の方が大きめであってよい。押圧面積拡大型挾持部
をウェブが通過することを可能にするため、凹面とウェ
ブとの間に移動可能なブランケットが配置されており、
それ故ウェブはプレス部を通過する間ブランケットとプ
レスロールとの間にプレスされる。 1980年に於けるその導入以来、押圧面積拡大型プレス
は多くの成功をもたらし、乾燥部に必要とされるドライ
ヤの数を大幅に減少させ、それにより機械の資本コスト
のみでなく床面積及び燃料消費量をも減少させた。 理想的な状況に於ては、プレス部から抜け出てくるウ
ェブは、乾燥部に於てそれ以上の何らの処理をも必要と
しないような希望通りの密度と水の含有量とを有するで
あろう。そのような理想的な状況は、経費のかかる乾燥
部を排除するばかりでなく、極めて簡潔にまとまった形
状の製紙機を与えるであろう。本発明は、この理想に近
いプレス部へと向けられている。本発明の多様な実施例
(以下に延べられている)の詳細を正しく認識するため
には、延長された期間に亙っての圧力の増大とプレス部
を通過しているウェブの温度の増加との効果に関係を有
する基本的概念を理解することが必要である。 一般に設計されている押圧面積拡大型プレスに於て
は、ウェブは延長された期間に亙って増大された圧力を
加えられる。その上、温度の上昇はウェブからの水分の
除子を助長するから、ウェブは押圧面積拡大型挾持部を
通過するに先立って加熱される。典型的な押圧面積拡大
型プレスに於ては、シューによってウェブに加えられる
圧力は43barの水準であり、その圧力は、長さがほぼ25c
mであってよいプレス部をウェブが通過するとき比較的
均一にウェブに加えられる。プレス部を通過する間にウ
ェブの中の水分は繊維性ウェブから素早く絞り取られ、
ウェブから取り去られた水はプレス部を一緒に通過する
1枚もしくはそれ以上のフェルトにより吸収される。必
要とされる如何なる圧力分布も、ENPのシューの形状を
変えることにより実現され得る。 本発明は、ウェブがプレス部を通過しているときウェ
ブに高温を適用することによる繊維性ウェブからの均等
且つ一層多量の水の除去に関する。ウェブ部を通過して
いる間にウェブの温度は100℃以上に達するので、温度
と圧力と時間との複合効果が繊維性ウェブの内部に水蒸
気を素早く発生させることが明らかである。この水蒸気
は残留している液相の水を繊維性ウェブから押し出し、
それにより、希望に応じた所要密度ばかりでなく、プレ
ス処理の間にウェブから100%までの水が除去され得る
要望通りの乾燥度をも繊維性ウェブにもたらす。 本発明によれば、プレス部を通過する間にウェブは液
体除去の多様な様相を経験することが解る。第一の様相
は、熱的に増大させられる湿潤なプレス相である。この
第一の様相に引き続いて、ウェブ中に残留している液体
の大部分がプレス部の内部に発生させられる水蒸気によ
り置換される第二相がもたらされる。第三の様相は圧力
下での急速な蒸発による乾燥を含み、第四の様相は、ウ
ェブがプレス部から抜け出るので加圧されていない蒸発
による乾燥を含む。 本発明は、希望通りの特性を有する繊維性ウェブを製
造するための革命的製法を与えるのみでなく、必要とさ
れる圧力を高温の適用により減少させることが可能とな
り、それにより、圧力が中位であるから、従来通りのシ
ューへの注油が水を利用した水圧潤滑に置換され得る。
圧力が中程度であるときに油を使用すると、油の粒子に
よる繊維性ウェブの汚染を避けるために、水潤滑システ
ムよりも多くの工程が予め必要となる。 その上、従来通りのENPに於ては、プレス部を通るブ
ランケットの通路を潤滑するためシューの凹面とブラン
ケットとの間に油が供給された。しかしながら、本発明
による操作温度の増大と必要とされる圧力の減少とによ
り、ブランケットとシューとの間の潤滑媒体として使用
された油の代わりに潤滑剤として水を使用することが可
能となり、汚染に関する様々な問題点を回避することが
可能となった。 以上に述べたところから、増大された温度をウェブに
供給するという基本的概念の多くの変形が本発明により
意図されていることが明白である。従って本発明の主な
目的は、従来技術による装置の欠陥を克服し製紙技術に
有意義な貢献をする装置及び方法を与えるプレス装置を
提供することである。 本発明のもう一つの目的は、繊維性ウェブから一層多
くの水を除去するため、延長された期間の間高い圧力と
高い温度とをウェブが受けるようにしたプレス装置を提
供することである。 本発明のもう一つの目的は、プレスを通って延びてい
るウェブから液体を除去するためにENPのシューの凹面
に協力する凹面を郭定するプレス部材を有するプレス装
置を提供することである。 本発明のもう一つの目的は、ウェブがプレス部を通過
している間にプレス部の内部に発生させられた水蒸気が
液体及び/又は蒸気相の液体をウェブから押し出すよ
う、ウェブがプレス部を通過するとき或る延長された期
間の間ウェブが増大された圧力と温度とを加えられるよ
うにしてウェブを加熱するためにプレスロールに近接し
て配置されている加熱手段を含むプレス装置を提供する
ことである。 本発明のもう一つの目的は、効果的に熱をウェブへ伝
達することが可能であり、プレス部をウェブが通過して
いる間の第一の層を抜けて熱の流れが抑制され得るよ
う、第一の層の周りに延びている第二の層が第一の層の
熱伝導率よりも大きい熱伝導率を有するようにされた第
一及び第二の同軸の層を有するプレスロールを含むプレ
ス装置を提供することである。 本発明のもう一つの目的は、加熱手段からウェブへ熱
エネルギーを移送するためプレスロールと第二ロールと
の周りに延びている熱移送手段と前記の第二ロールとを
有するプレス装置を提供することである。 本発明のもう一つの目的は、プレス部を通過している
ウェブへ熱が効果的に移送され得るようにすべく熱移送
手段を加熱するための第二加熱手段が第二ロールに近接
して配置されており、その熱移送手段は前記の第二加熱
手段を抜けて延びているようにされたプレス装置を提供
することである。 本発明のもう一つの目的は、ウェブからの最初の液体
の除去を生じさせるためプレス部を通る前にウェブがプ
レス挾持部を通って案内されるよう補助ロールとプレス
ロールとがその両者の間に前記のプレス挾持部を郭定す
るようにして、共にプレスロールに近接して配置されて
いる補助プレスロールと移送ロールとを含むプレス装置
を提供することである。 本発明のもう一つの目的は、ウェブが熱移送手段に伴
なわれその熱移送手段とプレスロールとを間に挾まれて
補助プレスロールから移送ロールまでの間を移動させら
れるようにして、補助プレスロール及び移送ロールの周
りに延びている熱移送手段と補助プレスロールと移送ロ
ールとを含むプレス装置を提供することである。 本発明のもう一つの目的は、補助プレスロールと、移
送ロールと、前記補助プレスロールの周囲並びに前記補
助プレスロールとプレスロールとの間に延びているブラ
ンケット手段とを含むプレス装置を提供することであ
る。補助プレスロールと移送ロールとの相手方向へ向け
ての互いの移動が、ブランケット手段とプレスロールと
の間に配置されているウェブに対してブランケット手段
により加えられている圧力の増加をもたらすようにし
て、プレスロールの周囲及びプレスロールと移送ロール
との間にブランケット手段が延びている。或る延長され
た期間に亙り供給される温度上昇に関連を有するこのよ
うな圧力の増加が、プレス部内で発生させられる水蒸気
にウェブの外へと液体を追い出させる。 本発明のもう一つの目的は、ブランケット手段が凹面
に沿って移動するときブランケット手段とプレスロール
とがその両者の間にウェブをプレスするようにされてい
る前記プレスロールに協力する凹面を郭定する第一のシ
ューを提供することである。 本発明のもう一つの目的は、プレスロールに近接し配
置されている少なくも一つの誘導加熱ヒータを含む加熱
手段が設けられているプレス装置を提供することであ
る。 本発明の他の目的と利益とは、添付図面に関連して述
べられている詳細な説明を考察することにより、並びに
本発明の範疇を定義している添付された特許請求の範囲
を考察することにより、当業者には明白となるであろ
う。 本発明は、繊維性ウェブから液体を絞り出すためのプ
レス装置及び方法に関する。その上、本発明はそのよう
の方法により製造されるウェブを含む。このプレス装置
は、プレス部を通過する間にプレス部材とブランケット
手段との間にウェブがプレスされるよう、両者の間に延
伸プレス部を郭定するためのプレス部材と該プレス部材
に協力するブランケット手段とを含む。この装置は、ウ
ェブがプレス部を通過するきにウェブから液体が除去さ
れるようブランケットをプレス部材に向けて押し付ける
ための押圧面積拡大手段を含む。ウェブがプレス部を通
過する間にプレス部内に発生させられる水蒸気が液相の
液体をウェブから押し出すよう、ウェブがプレス部を通
過するときに或る延長された期間に亙ってウェブが増大
された圧力と温度とを加えられるようにして、ウェブに
熱を移送するための加熱手段がプレス部材に近接して配
置されている。 本発明の一つの好適な実施例に於ては、プレス部材
は、ENPの凹面に協力する凸面を郭定する。 本発明のもう一つの実施例に於ては、プレスロール
は、平滑で円筒形のプレス面を郭定する。もう一つの実
施例に於ては、プレスロールの表面は多孔性である。本
発明の交替可能な多様な実施例に於て、円筒状のプレス
面は孔を開けられるかもしくは溝を付けられている。他
の実施例に於ては、プレスロール面は金属製である。 本発明のもう一つの実施例に於ては、第一の同軸層と
該第一の層の周りに延びている第二の同軸層とをプレス
ロールを含んでおり、第二の層は第一の層の熱伝導率よ
りも大きい熱伝導率を有している。第一の層は低い熱伝
導率を有する材料であり、第二の層は金属である。この
実施例の修正に於ては、第一の層はセラミックであり第
二の層は金属である。この実施例のもう一つの修正に於
ては、第一の層は第二の層の厚さより大きい厚さを有し
ている。 本発明のもう一つの実施例に於ては、プレス装置は、
第二ロールと、加熱手段からウェブへと熱エネルギを移
送するためにプレスロールと第二のロールとの周りに延
びている熱移送手段とを含む。第二ロールの熱伝導率
は、何れも、熱移送手段の熱伝導率より小さい。 本発明のもう一つの実施例に於ては、プレスロールと
第二ロールとそれぞれ、熱移送手段の熱容量より大きい
熱容量を有する。 本発明のもう一つの実施例に於ては、熱移送手段と第
二ロールとは、その両者の間に、第二加熱部を郭定す
る。この装置は、その上、熱移送装置が第二加熱部を通
過する間に該熱移送装置を加熱するために第二ロールに
近接して配置されている第二加熱手段を含む。 本発明の一層詳しい実施例に於ては、第二加熱手段は
その上、熱移送手段を直接的に加熱るためにフードの内
部に配置されている一体構造のヒータを伴なって第二加
熱部に沿って延びているフード含み、加熱された熱移送
手段がプレスロールの周りを回転するときその熱移送手
段からウェブへ熱が移送されるようになされている。 本発明のもう一つの実施例に於ては、プレス装置は、
ブランケット手段とプレス面とがその両者の間に配置さ
れているウェブの有する方向及び速度に等しい方向及び
速度を以てプレス部に沿って移動するようにして、押圧
面積拡大手段に沿って移動するブランケット手段を含
む。この実施例の多様な修正に於ては、ブランケット手
段は平滑又は孔開きもしくは溝付きであってもよい。 本発明のもう一つの実施例に於ては、プレス装置は、
補助プレスロールとプレスロールとがその両者の間にプ
レス挾持部を郭定するようにしてプレスロールに近接し
て配置されている補助プレスロールを含む。ウェブから
の最初の水の除去を生じさせるために、ウェブはプレス
部を通過する前にプレス挾持部を通して案内される。こ
の実施例の一つの修正に於ては、ブロンケット手段は、
プレス挾持部とプレス部とを通って延びている。更にそ
の上の修正に於ては、プレス装置は、プレスロールに近
接し且プレス部から見て下流に設置されている移送ロー
ルを含み、ブランケット手段は第一挾持部を通り、プレ
ス部を通り更に移送ロールとプレスロールとの間を通っ
て延びている。 本発明のもう一つの実施例に於ては、プレス装置は、
プレスロールに近接して配置されている補助プレスロー
ルを含む。この装置は、その上に、補助プレスロールと
移送ロールとの間にプレス部が配置されるようにしてプ
レスロールに近接して配置されている移送ロールを含
む。熱移送手段は補助プレスロールとと移送ロールとの
周りに延びており、ウェブは、熱移送手段と共に、補助
プレスロールと移送ロールとの間に配置されているプレ
スロールと熱移送手段との間を移動させられる。この実
施例のその上の修正に於ては、加熱手段により熱移送手
段へ供給された熱がウェブへ速やかに移送されるよう該
熱移送手段は金属製である。この実施例の更にその上の
修正に於ては、熱移送手段に供給された熱ブランケット
手段へよりも寧ろウェブへと移送されるよう、熱移送手
段はブランケット手段より大きい熱伝導率を有する。そ
の上の修正に於ては、ウェブが破損した場合には熱移送
手段に供給された熱が速やかに放散するよう、熱移送手
段はプレスロールの熱容量より小さい熱容量を有する。 本発明のもう一つの実施例に於ては、プレス装置は、
補助プレスロールの周囲及び該補助プレスロールとプレ
スロールとの間に亙って延びているブランケット手段及
び共にプレスロールに近接して配置されている補助プレ
スロールと移送ロールとを含む。補助プレスロールと移
送ロールとの相手方へ向けての互いの移動が、結果的
に、ブランケット手段とプレスロールとの間に配置され
ているウェブへ向けてのブランケット手段による増大さ
れた圧力の発揮をもたらすようにして、該ブランケット
手段がプレスロールの周囲並びにプレスロールと移送ロ
ールとの間に亙って延びている。延長された期間に亙り
供給される温度上昇に関連を有する圧力のこうした増大
は、プレス部内に発生させられた水蒸気に、液相及び/
又は気相の液体をウェブの外へのと追い出される。 本発明のもう一つの実施例に於ては、プレス装置は、
ブランケット手段とウェブとの間に配置されているフェ
ルトを含む。 本発明の一層特定的な実施例に於ては、ブランケット
手段をプレスロールへと向けて推し進めるための手段
に、凹面を郭定する第一のシューを含む。ブランケット
手段が凹面に沿って移動するとき該ブランケット手段と
プレスロールとがその両者の間にウェブをプレスするよ
うにして、該凹面は該プレスロールと協力する。 本発明のもう一つの実施例に於てプレス装置は、第二
のシューと、第一のシューと第二のシューとの間に配置
されている第一案内手段とを含んでおり、該第一案内手
段はプレスロールから見て遠方に配置されている。ブラ
ンケット手段は、第一のシューと第二のシューとの間に
於てブランケット手段がウェブから離されるようにして
第一案内手段の周りに延びている。この実施例の一つの
修正に於ては、フェルトやウェブとブランケット手段と
の間に配置されており、第二案内手段は第一のシューと
第二のシューとの間に配置されており、且、該第二案内
手段はプレスロールから見て遠方に配置されている。そ
の上、フェルトは、ウェブを湿らせることを禁止するた
め該フェルトがウェブから引き離されるようにして第二
案内手段の周りに延びている。 本発明のもう一つの実施例に於ては、該加熱手段は第
一の誘導加熱ヒータである。或いはまた、該加熱手段
は、赤外線ヒータ又はマイクロ波ヒータ又はレーザ・ヒ
ータもしくは抵抗加熱ヒータであってもよい。或いはま
た、該加熱手段は、加熱された油をプレスロールを通し
て循環させる手段を含んでいてもよい。 一層特定的には、第一誘導加熱ヒータは、ウェブに接
触するに先立ってプレスロールが加熱されるようにし
て、プレスロールに近接し且プレス部から離して設置さ
れる。この実施例の一つの修正に於ては、増大された圧
力を適用される直前にウェブが加熱されるようにして、
プレスから見て上流に且プレス部に近接して第二誘導加
熱ヒータが配置されている。 本発明のもう一つの実施例に於ては、プレス装置は多
くのシューを含み、その各々はブランケット手段と協力
する凹面を郭定する。その上、プレス装置は、多くの補
助誘導加熱ヒータを含み、各々の補助ヒータはこの多く
のシューの中の隣接するシューの間に配置されている。 本発明のもう一つの実施例に於ては、プレス装置は、
ウェブがプレスロールの周りに拡大された押圧面積にて
押されるに先立ってウェブを加熱するための予熱手段を
含む。この予熱手段は、上記のウェブの中へ蒸気を引き
入れるための蒸気ボックスと真空吸引口とを含む。 本発明は、以上に述べられ且詳細な説明の中で以下に
述べられる多様な実施例に限定されるものではない。こ
れらの様々な実施例は、本発明の概念を実現するための
多様な要領を示すため、例示の目的で述べられているに
過ぎない。添付された特許請求の範囲により定義される
本発明の精神と範疇とから逸脱することなく本発明の多
くの変化が実行され得ることが当業者には明白であろ
う。本発明は特に紙及びボール紙を製造するための繊維
性ウェブのプレスへの適用に関連して述べられているけ
れども、繊維性ウェブからの液体の除去を必要とされる
如何なるプロセスに対しても本発明が等しく適用され得
ることが当業者には明白であろう。 第1図は、本発明の第一実施例による、符号10Aで全
体的に示されているプレス装置の側面図である。プレス
装置10Aは回転可能なプレスロール12Aと、押圧面積拡大
型プレス部20Aをその両者の間に郭定するためプレスロ
ール12Aと協力するブランケット手段14Aとを含み、ウェ
ブWAは、プレス部20Aを通過する間中ロール12Aとブラン
ケット手段14Aとの間にてプレスされる。ウェブWAがプ
レス部20Aを通過する間にウェブWA内の液体がウェブWA
から絞り出されるようにして、プレス装置10Aは、ブラ
ンケット手段14Aをロール12Aの方へと押し付けるための
押圧面積拡大手段22Aを含む。その上プレス装置10Aは、
ウェブWAがプレス部20Aを通過する間にプレス部20A内に
発生させられる水蒸気が液相の液体をウェブWAから追い
出すよう、ウェブWAがプレス部20Aを通過するとき或る
延長された期間に亙ってウェブWAが増加された圧力と温
度とを受けるようにして、ウェブWAへと熱を移動させる
ためプレスロール12Aに近接して配置されている加熱手
段28Aを含む。 第1図に示されているように、ウェブWAがプレス部20
Aを通過する間にウェブWAから絞り出された液体を運び
去るためブランケット手段14AとウェブWAとの間にフェ
ルト30Aが配置されている。その上、第1図に示されて
いるように、ウェブは、符号32Aにより全体的に示され
ている予熱手段により予熱される。その上、プレスロー
ル12Aは平滑な円筒状プレス面34Aを郭定する。 第2図は本発明の第二実施例を示しており、そこに符
号10Bにて全体的に示されているプレス装置は、第一の
同軸層36Bと該第一の層36Bの周りに延びている第二の同
軸層38Bとを有するプレスロール12Bを含んでおり、該第
二層38Bは第一の層36Bの熱伝導率より大きい熱伝導率を
有している。第一の層36Bは低い熱伝導率を有する材料
であり、第二の層38Bは金属製であってよい。或いはま
た、第二の層38Bが金属製である一方で第一の層36Bはセ
ラミックであってもよい。第2図に示されているよう
に、ウェブWBを加熱するため加熱手段28Bにより第二の
層38Bへ供給された熱がウェブWBへと転送され、プレス
ロール12Bの回転軸へ向けて熱の消散を第一の層36Bが抑
制するよう、第一の層36Bは第二の層38Bの厚さT2より大
きい厚さT1を有しており、第二の層38Bは0.0127cmから
0.127cmの範囲の厚さTを有するのが望ましい。 第3図には本発明の第三実施例が示されており、その
中にて、プレス装置10Cはプレスロール12Cと第二ロール
40Cとを含む。熱移送手段18Cは、加熱手段28Cからウェ
ブWCへと熱エネルギを移送するためプレスロール12Cと
第二ロール40Cとの周りを延びている。プレスロール12C
の熱伝導率と第二ロール40Cの熱伝導率とは何れも、熱
移送手段18Cの熱伝導率より小さい。その上、プレスロ
ール12Cと第二ロール40Cとは何れも、熱移送手段18Cの
熱容量より大きい熱容量を有する。熱移送手段18Cは、
0.0127cmから0.508cmの範囲内の厚さT3を有する。熱移
送手段18Cは金属製であるのが望ましく、熱移送手段18C
と第二ロール40Cとはその両者の間に第二加熱部42Cを郭
定する。符号44Cにて全体的に示されている第二加熱手
段は、熱移送手段18Cが第二加熱部42Cを通過する間にそ
の熱移送手段18Cを加熱するため第二ロール40Cに近接し
て配置されている。より一層特定的には、第二加熱手段
44Cは、第二加熱部42Cに沿って延びているフード46Cを
含む。一体構造の48Cは、熱移送手段18Cを直接的に加熱
するためフード46Cの内部に配置され、熱移送手段18Cが
プレスロール12Cの周りを回転するとき熱移送手段18Cか
らウェブWCへと熱が転送される。 第4図は、第二加熱部42Dを通過する間に熱移送手段1
8Dの内面を一体構造のヒータ48Dが加熱するようにし
て、二つのロール12D、40Dの間にフード46Dが配置され
ていることを除いては第3図に示されている実施例と同
様の本発明の第四実施例が示されている。 第5図は、プレスロール12Eとブランケット手段14Eと
を有するプレス装置10Eを含む本発明の第五実施例を示
す。ブランケット手段14Eとプレスロール12Eのプレス面
34Eとがその両者の間に配置されてるウェブWEの有する
方向と速度とに等しい方向と速度とも以てプレス部20E
に沿って移動するようにして、ブランケット手段14Eが
押圧面積拡大手段22Eに沿って移動する。第5図に示さ
れているように、プレス装置10Eはその上、ウェブWEか
らの液体の最初の除去を行わせるためプレス部20Eを通
過する前にウェブWEがプレス挾持部52Eを通って案内さ
れるよう補助プレスロール50Eとプレスロール12Eとがそ
の両者の間に符号52Eにて全体的に示されているプレス
挾持部を郭定するようにしてプレスロール12Eに近接し
て配置されている補助プレスロール50Eを含む。 第6図に示されているように、本発明の第六実施例に
於ては、ブランケット手段14Fは単にプレス部20Fを通っ
て延びているだけであり、補助ロール50Fはプレスロー
ル12Fと間に挾持部を郭定していない。 第7図には本発明の第七実施例が示されており、その
中で、プレス装置10Gは、プレスロール12Gと、プレス部
20Gから見て下流側に且プレスロール12Gに近接して配置
されている移送ロール54Gとを含む。第7図に示されて
いるように、ブランケット手段14Gは、補助プレスロー
ル50Gとプレスロール12Gとにより郭定されているプレス
挾持部42Gを通って延びている。ブランケット手段14G
は、プレス部20Gを通り且移送ロール54Gとプレスロール
12Gとの間を通って延びている。第7図に示されている
ように、プレス装置10Gはその上に、補助プレスロール5
0Gと移送ロール54Gとを周りに延びている熱移送手段18G
を含み、熱移送手段18Gはブランケット手段14Gの通路と
同じ通路に従い、補助プレスロール50Gと移送ロール54G
との間に於てはウェブWGは熱移送手段18Gとプレスロー
ル12Gとの間に挾まれて熱移送手段18Gと手を携えて移動
させられる。加熱手段28Gによって熱移送手段18Gに加え
られた熱がウェブWGへと素早く移動させられるよう熱移
送手段18Gは金属製であるのが好ましい。熱移送手段18G
に加えられた熱がブランケット手段14Gへ向けてよりウ
ェブWGへ向けて伝達される傾向を有するよう、熱移送手
段18Gはブランケット手段14Gより大きい熱伝導率を有す
るのが好ましい。ウェブWGが破損した場合には熱移送手
段18Gに加えられた熱が速やかに消散するよう、熱移送
手段18Gはプレスロール12Gの熱容量より小さい熱容量を
有するのが好ましい。 第7図に示されているものに於ては、プレスロール12
Gのプレス面34Gは多孔質である。しかしながら、ウェブ
WGから除去されらフェルト30Gにより吸い上げられる液
体が少なくとも部分的にはプレスクロール12Gを通って
除去されるよう、プレスロールは孔を開けられもしくは
溝を付けられていてもよく、また、金属製であってもよ
い。 第8図には本発明の第八実施例が示されており、その
中で、プレス装置10Iは補助プレスロール50Iを含み、ウ
ェブWIはフェルト30Iとプレスロール12Iとの間に配置さ
れている。フェルト30IとウェブWIとはプレス挾持部52I
を通って延びている。複数の細長いシュー22Iが、プレ
ス部20Iに沿って配置されている。複数の加熱手段28Iが
押圧面積拡大手段即ちシュー22Iとの間に設けられてお
り、ブランケット手段14Iは押圧面積拡大手段22Iとフェ
ルト30Iとの間に配置されている。移送ロール54Iはプレ
スロール12Iに近接して配置されており、もう一つの加
熱手段28Iはプレス部20Iから見て上流方向に且プレスロ
ール12Iに近接して配置されている。 第9図には本発明の第九実施例が示されており、この
中で、ブランケット手段14Jをプレスロール12Jへ向けて
押し付けるための符号22Jにて全体的に示されている押
圧面積拡大手段は凹面24Jを郭定する第一のシュー56Jを
含み、該凹面24Jはブランケット手段14Jが凹面24Jに移
動するときブランケット手段14Jとプレスロール12Jとが
その両者の間にウェブWJをプレスするようにしてプレス
ロール12Jと協力する。第9図に示されているようにプ
レス装置10Jはその上、第二のシュー58Jと、第一及び第
二のシュー56J、58Jの間に配置されている第一案内手段
60Jとを含み、該第一案内手段60Jはプレスロール12Jか
ら離して配置されている。 ブランケット手段14Jは、第一及び第二のシュー56J、
58Jの間にてブランケット手段14JがウェブWJから離され
るようにして第一案内手段60Jの周りに延びている。 その上、第9図には、ウェブWJとブランケット手段14
Jとの間に配置されているフェルト30Jが示されている。
第二案内手段62Jは、該第二案内手段62Jがプレスロール
12Jから離して配置されるようにして第一及び第二のシ
ュー56J、58Jの間に配置されている。フェルト30Jは、
該フェルト30JがウェブWJから引き離されそれによりウ
ェブWJが再び湿ることを妨げるようにして第二案内手段
62Jの周りに延びている。 本発明の前記九の実施例の何れに於ても、加熱手段2
8、28(A−J)は誘導加熱ヒータを含む。しかしなが
ら何れの実施例に於ても、加熱手段は、赤外線ヒータ又
はマイクロ波ヒータ又は一体構造型ヒータ又は抵抗加熱
ヒータ又はレーザ・ヒータもしくはそれらの類似品を含
んでもよい。 或いはまた、第10図に示されているように、符号28に
て全体的に示されている加熱手段は、加熱された油をプ
レスロール12Kの全体に亙って循環させるためプレスロ
ール12Kの中に複数の孔64Kを含んでいてもよい。 第1図から第9図までに示されている各実施例に於
て、ウェブに接触するに先立ってプレスロール又は熱移
送手段が加熱され得るようにして、プレス部から離れ且
プレスロールに近接して加熱手段が配置されてよい。 第1図から第9図までに示されている実施例に於て、
加熱手段は、その上、圧力を加えられている間にウェブ
が加熱されるようにして、プレス部に近接して配置され
ている一つもしくはそれ以上のヒータを含んでよい。 第1図から第10図までに示されている各実施例に於
て、ウェブがプレス部を通過するに先立って100℃まで
の温度にウェブを予熱すべく予熱器32がウェブに近接し
て配置されてよい。第1図に全体的に示されている予熱
器32Aは、蒸気をウェブWAの中へ引き入れるため蒸気ボ
ックス66A及び真空吸引口68Aを含む。 第11図、第12図及び第13図はそれぞれ、第7図に示さ
れている実施例の斜視図である。第11図に於て、プレス
ロール12Lは平滑なロールである。 第12図は第11図と同様であるが、しかしながら、プレ
スロール12Mには孔を開けられている。 第13図と第11図と同様であるが、しかしながら、プレ
スロール12Nには溝が付けられている。 第1図から第13図までに示されている実施例のうち補
助ロールもしくは移送ロールが使用されている何れの実
施例に於ても、そうしたロールは選択的に平滑であって
も、孔を開けられていてももしくは溝を付けられていて
もよい。 以上に開示されているように、プレスロールの直ぐ近
くへの誘導加熱ヒータの設置によりウェブへの熱伝達の
増大が得られ、それにより、延長された期間に亙る温度
上昇と加圧とによってプレス部内に発生させられる水蒸
気が液相の水をウェブの外へと追い出す。このような誘
導加熱ヒータはプレス部内の紙の温度を649℃に等しい
ほどまで上昇させることが可能であり、ウェブに伝達さ
れたこうした高温は液相の水をウェブの外へ素早く追い
出す。こうした高温のお陰で、押圧面積拡大型プレスに
一般に採用されている高い圧力が減少させられ得ること
が見出された。加熱されたENPの所要圧力に於けるそう
した総体的な減少は、ブランケットとシューの凹面との
間の潤滑剤としての油に代えて水に置換することを可能
にする。潤滑媒体としての水の適用により、ウェブの汚
染に伴う諸問題は解決され、加熱されたENPの総体的構
成の細目は大幅に単純化される。その上、非常に高い温
度の適用とそれに相応する所要圧力の総体的な減少によ
り、油に代えて圧力媒体として水を使用しそれによって
油によるウェブの汚染の可能性を一層抑制するようにし
た水圧機構を含むシューの負荷機構をも本発明は想い描
いている。 以上に述べられた一般的概念に加えて、本発明は、製
品ウェブの正確な厚さが得られるよう機械横断方向に配
置されている複数の誘導加熱ヒータの設置等、他の選択
可能な実施例及びそれに関連する利益をも想い描いてい
る。そのような構成に於ては、プレス部内に存在する期
間とその間に加えられる圧力とは機械横断方向に対して
一定に保たれるのに対して、温度因子は機械横断方向に
対し変化し得る。そのような温度の変化により、ウェブ
形成の不揃いは補償されることが可能であり、従って得
られる製品ウェブは機械横断方向に希望通りの均一さを
与えられ得る。 以上に開示されているように、本発明の概念は、円筒
状プレスロールとプレス用凹面を郭定するシューとを設
ける代わりに、第一のシューの凹面と協力するための凸
面を郭定する第二のシューによりプレスロールが置換さ
れてよい一つの実施例をも想い描いている。ウェブがそ
の両者の間に挾まれるようにされた2枚の互いに協力し
合うブランケットを設けることにより、本発明の概念
は、ウェブの両側に均一な表面特性を有する製品ウェブ
を供給すべく実行されてよい。 同様に、希望通りの両面即ち表面特性の均一性を有す
る製品ウェブを提供するため、ウェブの反対側の面に希
望通りの同じ表面特性を与えるべく第一プレス部から見
て下流側に第二の加熱された押圧面積拡大型プレスが設
けられてよい。 本発明の更にもう一つの実施例に於ては、形成部から
従来通りの押圧面積拡大型プレスを抜けての最初の水除
去のためのウェブの通過と、それに引く続く、それ以上
の乾燥を最早必要としないかもしくは少ししか必要とし
ないような要望通りの密度と水分含有量とを兼備えたウ
ェブの両面を与えるための前述した様式の第一及び第二
の加熱された押圧面積拡大型プレスを抜けてのプレスさ
れたウェブの通過とが勧められてよい。 本発明による製法を用いることにより、最終製品に要
求される諸特性を生じさせるため、時間と圧力と温度と
の変化が操作される。従来の製造技術に於ては、強度等
の固有のシート特性は、その紙を製造するに使用される
繊維の混合物により前以て制御される。しかしながら、
必要とされる諸特性を獲得するため、特別な費用のかか
る処理にパルプ化された繊維がしばしば使用された。こ
の特別な費用のかかるパルプの使用は、紙製造の経費を
推し上げるばかりでなく高価な型のパルプの一層の需要
不足へと導く。従来技術に於ては、前述の問題点はシー
トの諸特性を希望通りに増強するためのパルプ中への化
学薬品の添加へと向けて托されてきたけれども、そうし
た解決法は紙製造の経費の増加に加えて環境問題と製紙
機械の腐食へと導いた。 本発明によれば、製品の均一性及び水除去効率等の諸
特性は機械の設計及び制御へ向けて託される。以上に述
べたように、ウェブの予熱温度が100℃に近付くように
蒸気又は赤外線装置の使用によりウェブは予熱されてよ
い。本発明の製造法並びに装置によれば、延長された期
間に亙り適切な温度と圧力とを適用することにより、強
度及び密度及び平滑さ等の諸特性の多様性が達成され得
る。前述の利点に加えて、本発明は、必要とされる乾燥
部の減少に関連して、規格外の製品を作ることなく安い
原料及び器具の使用を可能にする。その上、本発明によ
る前述の製法による製造されるウェブは、パルプ中に添
加剤を使用する従来通りの製法による達成可能な特性よ
り以上の特性を獲得する。 本発明による装置の運転に関しては、ウェブは押圧面
積拡大型プレスに入る前に82℃から100℃までの範囲内
に予熱されてよい。こうした予熱は、第1図に示されて
いるように蒸気ボックス66及び真空吸引要素68の利用に
より実行されよう。或いはまた、必要とされるエネルギ
入力をウェブへ供給すべく赤外線加熱手段又はマイクロ
波ヒータが設けられてもよい。ウェブとブランケット手
段との重合体には更に帯状の熱移送手段が重ね合わさ
れ、かかる熱移送体がプレス部に入る前に誘導加熱ヒー
タにより加熱されるようになっていてもよい。かかる構
成によれば、ウェブは継続的に熱移送手段に接触してい
るので、ウェブは押圧処理を受ける期間を通じて高い温
度に保たれる。第8図に示されている特別な実施例に於
て、複数の誘導加熱ヒータが各シューの間に配置されて
いる。本発明によれば、107barまでの圧力と649℃のロ
ール温度が達成され得る。 本発明の多様な実施例によれば、温度と圧力とが変化
され得るのみでなく、シューの長さと数とを選ぶことに
よりプレス部内へのウェブの滞在時間もまた変化させら
れ得る。このように、要望される結果を得るため与えら
れた機器の上に如何なる特性的が条件が必要とされるか
が一度決定されると、設計は十分柔軟にそれらの条件に
適用させ得る。 第9図の実施例は、フェルトとの長引いた接触に起因
してウェブが再び湿らされることを防ぎ、フェルトに与
えられる十分長い走行は押圧面積拡大型挾持部の間にて
良好な状態とされることをフェルトに許容する。この特
別な構成のもう一つの利点は、この配置がENPのシュー
に沿うフェルトに対しプレスロールから引き離させるこ
とを可能にすることである。 本発明による加熱される押圧面積拡大型プレスに伴う
過度の温度及び圧力の可能性のため、安全の見地から或
る設計上の配慮がなされねばならない。このプレス装置
により加えられる圧力は、相当な壁の厚さをプレスロー
ルに要求する。その材料は、本明細書中に開示されてい
る材料のように鋼又は鉄等の金属製の導電性材料である
ことを誘電加熱ヒータが必要とする。鉄製もしくは鋼製
のロールの熱容量は生憎相当に大きく、それ故例えば37
1℃のプレスロール温度にて紙が破れた場合や修理のた
めに機械の運転が停止された時ですらも相当大きな危険
をもたらすであろう。これらの危険のため、そうした引
き上げられた運転温度に於けるプレスロールの熱容量の
大きさは最小にされねばならず、それにより、安全上の
問題を予防するに十分な素早い冷却をロールに許容す
る。 本発明によれば、プレスロールには、高い熱伝導率及
び高い導電率を有する外側の38Bに覆われており、且、
低い熱容量と低い熱伝導率とを有する、強度を与えるた
めの基質36Bを含む。導電性であることが望まれるこの
外側の層は、第一義的にはこの製法に要求される熱を考
慮して決定される。必要とされる熱移送量が大きいた
め、外側の層は厚くなければならない。この特別な構成
の熱容量は同じ大きさの全金属製ロールより遥かに小さ
いので、第7図に示されているように、ウェブを離れた
湿潤なフェルトのロール上の走行は受け入れ可能な水準
まで装置を素早く冷却するであろう。 第3図及び第4図の実施例は、金属ベルト18C、18Dの
使用によ8り二層プレスロールの必要性を解決する。 第7図に示されている実施例の運転に関しては、加熱
されるベルト18G即ち熱移送手段は大きな主プレス12Gと
は接触しない。従ってプレスロール12Gは紙の温度以上
にはならないであろう。第7図に示されている特定的な
実施例に於ては、ロール50Gとロール54Gとその周りに熱
移送手段18Gが延びている残された二つのロールとは、
共に比較的小さな熱容量を有しており、それ故、安全上
の重大な懸念はもたらさない。 以上に述べられているように、プレスロールの表面が
多孔性である場合には、もし多孔性ではなくフェルトの
みが使用されるならば発生するであろう水処理上の諸問
題の幾つかが軽減される。その上、水の除去を一層増強
し処理を十分完璧なものとするため、ロールの表面と連
絡を保ってロールの内部に真空が適用されてよい。 交替可能な実施例の一つに於て、多孔性の面を有する
プレスロールの代わりに、孔を開けられたロールと共に
フェルトが使用されてよい。この、孔を開けられたプレ
スロールは、フェルト中の過剰な水に逃げ場を与える。
この構成は、孔を開けられていないプレスロールが使用
された場合よりフェルト設計による影響が少ないことが
見出された。 機械横断方向に配置された誘導加熱ユニットの各部分
を制御するため、希望通りのパラメータから外れている
ことが一度感知されるとその希望通りのパラメータを保
つため熱と圧力とが制御され得るようにしてこれらの誘
導加熱ヒータが閉ループ制御システムに接続されてい
る。この手段により、希望通りの含水量もしくは必要と
される他の如何なる特性を入手するための制御が温度の
制御により可能である。 本発明は、乾燥ドラムと補助装置の設置のため従来必
要とされた資金を減少させるのみでなく、そうした乾燥
部を収容する床面積を用意するための経費をも減少させ
るプレス装置並びに方法を与える。その上、そうした加
熱された押圧面積拡大型プレス装置に必要とされる熱入
力は、乾燥部に従来必要とされた蒸気供給用の燃料消費
に於けるそれ以上の減少により十分に補償される。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明の第一実施例の側面図である。 第2図は、本発明の第二実施例の側面図である。 第3図は、本発明の第三実施例の側面図である。 第4図は、本発明の第四実施例の側面図である。 第5図は、本発明の第五実施例の側面図である。 第6図は、本発明の第六実施例の側面図である。 第7図は、本発明の第七実施例の側面図である。 第8図は、本発明の第八実施例の側面図である。 第9図は、本発明の第九実施例の側面図である。 第10図は、本発明の第十実施例の側面図である。 第11図は、第7図に示されている実施例の平滑なロール
を示す斜視図である。 第12図は、第7図に示されている実施例の孔を開けられ
たロールを示す斜視図である。 第13図は、第7図に示されている実施例の溝を付された
ロールを示す斜視図である。 本発明の多様な実施例を通じて類似の参照番号は類似の
部品を指し示す。 10……プレス装置,12……プレス・ロール,14、16……ブ
ランケット手段、18……熱移送手段,20……押圧面積拡
大型プレス部,22……シュー即ち押圧面積拡大手段,24…
…凹面,26……凸面,28……加熱手段,30……フェルト、3
2……予熱手段,34……円筒状プレス面,36……第一の同
軸層,38……第二の同軸層,40……第二ロール,42……第
二加熱部,44……第二加熱手段,46……フード,48……一
体構造のヒータ,50……補助ロール,52……プレス挾持
部,54……移送ロール,56……第一のシュー,58……第二
のシュー,60……第一案内手段,62……第二案内手段,64
……孔,66……蒸気ボックス,68……真空吸引要素,A……
補助ロール50と移送ロール54との移動方向,T1……第一
同軸層36の厚さ,T2……第二同軸層38の厚さ,T3……熱移
送手段18の厚さ,W……ウェブ
フロントページの続き (72)発明者 デヴィッド・ヴイ・ランジ アメリカ合衆国ウイスコンシン州、ベロ イト、ハケット・ストリート 1150 (72)発明者 エリザベス・マクレム アメリカ合衆国ウイスコンシン州、ベロ イト、リッチャー 1526 (72)発明者 ジェフリー・エイチ・パルコースキー アメリカ合衆国ウイスコンシン州、ベロ イト、ナインス・ストリート 1330 (56)参考文献 特開 昭59−66594(JP,A) 特開 昭59−71495(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.繊維性ウェブを製紙機のプレス部に通す間に該ウェ
    ブより液体を除去する方法にして、 回転するプレスロールに対して該プレスロールの凸型表
    面に対向した凹型表面を呈するシューを押し合わせるこ
    とにより該プレスロールの周方向に押圧面積が拡大され
    た押圧面積拡大型プレス部を形成することと、 前記ウェブにブランケットを重ね合わせて前記押圧面積
    拡大型プレス部に通し、該ウェブと該ブランケットの重
    合体が該押圧面積拡大型プレス部を通過する間に該ウェ
    ブを前記プレスロールと前記シューとにより押圧して該
    ウェブより液体を絞り出すことと、 前記ウェブを前記押圧面積拡大型プレス部に通すに先立
    って加熱手段により予熱することと、 (イ)前記プレスロールの周面に隣接して配置された第
    一の加熱手段により該プレスロールの周面を加熱するこ
    とと、(ロ)前記ウェブと前記ブランケットの重合体に
    重ね合わされて前記押圧面積拡大型プレス部に通される
    熱搬送手段を第二の加熱手段により加熱すること、の
    (イ)又は(ロ)の少なくとも一方により、前記押圧面
    積拡大型プレス部にて押圧されつつある前記ウェブを加
    熱することと、を含み、前記ウェブは前記押圧面積拡大
    型プレス部を通過する間に長期間に亙って圧縮と加熱と
    を受け、該ウェブが該押圧面積拡大型プレス部を通過す
    る間に該ウェブに含まれた液体を蒸気にして除去するこ
    とを特徴とする方法。
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