JP2830515B2 - 半導体装置,およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置,およびその製造方法

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JP2830515B2
JP2830515B2 JP3169825A JP16982591A JP2830515B2 JP 2830515 B2 JP2830515 B2 JP 2830515B2 JP 3169825 A JP3169825 A JP 3169825A JP 16982591 A JP16982591 A JP 16982591A JP 2830515 B2 JP2830515 B2 JP 2830515B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エネルギーギャップ
の異なる半導体材料を用いた半導体装置,およびその製
造方法に関し、さらに詳しくは、ヘテロ接合を用いた高
性能バイポーラトランジスタ,およびその製造方法の改
良に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、バイポーラLSIを高速動作
させるための1つの方法として、単体トランジスタの寄
生抵抗,寄生容量などの寄生成分を低減させればよいこ
とが、一般に知られている。
【0003】また、バイポーラトランジスタの動作速度
の性能指数としては、注目する基本回路(例えば、NA
ND回路など)において、入力が印加されてから出力が
現われるまでの遅延時間(tpd:Propergation Delay T
ime)が当てられている。そして、超高速動作回路として
知られるECL(Emitter Coupled Logic) 回路などで
は、リング発振回路(R/O:Ring Oscillator)の遅延
時間tpdに対するトランジスタの各種パラメータの影響
度をみる感度解析によると、寄生抵抗であるベース抵抗
の影響の大きいことが知られ、一方,高い電流遮断周波
数fr を得るために、トランジスタのベース幅WB を狭
くするにつれて、真性ベース部でのシート抵抗が増加
し、これを含むベース抵抗もまた増加する傾向にある。
【0004】そこで、このベース抵抗の低減方法の一つ
として、トランジスタのエミッタ領域の幅WE を狭め
て、ベース電極からトランジスタの動作点であるエミッ
タ領域の直下(活性領域)までの間隔を狭めるという手
段が採用されており、この間隔は、装置の進歩に伴って
益々縮小され、現在時点では、おゝよそ1μm 以下にな
ってきている。
【0005】こゝで、図9には、従来例によるこの種の
半導体装置の構成の一例として、縦型(NPN)バイポ
ーラトランジスタの断面構成を模式的に示す。
【0006】すなわち、図9に示す従来例装置の構成に
おいて、符号1は N型シリコン基板であり、2は N型シ
リコン基板1上にエピタキシャル成長されたN-型シリコ
ンエピタキシャル層、3はN-型シリコンエピタキシャル
層2内に選択的に拡散形成された P型ベース領域、4は
P型ベース領域3内に選択的に拡散形成されたN+型エミ
ッタ領域である。
【0007】また、10はこれらの上を覆うシリコン酸
化膜であり、100はシリコン酸化膜10の開口を通し
てN+型エミッタ領域4に接続されたエミッタ電極、20
0は同様にシリコン酸化膜膜10の開口を通して P型ベ
ース領域3に接続されたベース電極、300は N型シリ
コン基板1の裏面に接続形成されたコレクタ電極であ
る。従って、この従来例の場合、トランジスタの各PN接
合は、全てシリコン基板内に形成される。なお、図中,
E はエミッタ幅、WB はベース幅である。
【0008】次に、図10ないし図13には、前記図9
の従来例による半導体装置の製造方法の主要な工程を順
次模式的に示す。
【0009】すなわち、この従来例方法においては、ま
ず、N + 型シリコン基板1上にN-型シリコンエピタキシャ
ル層2をエピタキシャル成長させて堆積した後、その表
面を熱酸化処理してシリコン酸化膜10を形成する(同
図10参照)。
【0010】ついで、前記シリコン酸化膜10上にあっ
て、フォトリソグラフィー法により形成したレジストパ
ターン(この場合,図示省略)をマスクに用い、イオン
注入法によって、 P型不純物としての,例えば、ボロン
(B) を前記N-型シリコンエピタキシャル層2中に選択的
に導入した上で、当該レジストパターンの除去後、これ
を熱処理することにより活性化してP型ベース領域3を
形成する(同図11参照)。
【0011】さらに、前記と同様にシリコン酸化膜10
上にあって、フォトリソグラフィー法により形成したレ
ジストパターン(この場合,図示省略)をマスクに用
い、当該シリコン酸化膜10を選択的に除去してエミッ
タ不純物拡散用の窓部を開口させ、かつ当該レジストパ
ターンの除去後、シリコン酸化膜10をマスクに用い、
イオン注入法によって、拡散用の窓部直下の前記 P型ベ
ース領域3中に対してのみ、 N型不純物としての,例え
ば、砒素(As)を高濃度で選択的に導入した上で、これを
熱処理することで活性化してN+型エミッタ領域4を形成
する(同図12参照)。
【0012】その後、前記シリコン酸化膜10を選択的
に開口してベース電極取出し用の窓部を形成した上で、
前記窓部と共々に、前記N+型エミッタ領域4に対してエ
ミッタ電極100,前記 P型ベース領域3に対してベー
ス電極200をそれぞれに接続形成し、最後に、前記 N
型シリコン基板1の裏面に対してコレクタ電極300を
接続形成する(同図13参照)。
【0013】上記のように、縦型(NPN)バイポーラ
トランジスタにおけるN+型エミッタ領域4は、一般的
に、シリコン基板上に形成したシリコン酸化膜10など
に開口させたエミッタ不純物拡散用の窓部からの不純物
の導入,ならびに熱拡散によって形成されているため
に、当該導入された不純物の横方向への拡散を生じて、
実際に形成されるN+型エミッタ領域4の面積は、不純物
拡散用窓部の面積よりも大きくなると同時に、その周辺
部における領域深さが次第に浅くなる。
【0014】一方,通常の場合、 P型ベース領域3は、
N+型エミッタ領域4の形成前に形成されており、当該 P
型ベース領域3の深さが、N+型エミッタ領域4の不純物
拡散用窓部に対応する領域(中央部)付近では一定であ
ることから、結果的に、エミッタ周辺部においては、N+
型エミッタ領域4とコレクタ領域,こゝでは、N-型シリ
コンエピタキシャル層2との間隔に相当するベース幅W
B が、当該N+型エミッタ領域4の中央部に比較して徐々
に大きくなるように形成される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成による従来例での縦型(NPN)バイポーラトランジ
スタにおいては、次のような問題点がある。
【0016】こゝで、図14は、前記構成の縦型(NP
N)バイポーラトランジスタを用いた基本的なトランジ
スタ動作回路を示すもので、図中,Bはベース、Cはコ
レクタ、Eはエミッタであり、IB はベース電流、IC
はコレクタ電流、IE はエミッタ電流、VB はベース・
エミッタ間電圧、VC はコレクタ・エミッタ間電圧であ
る。
【0017】また、図15は、前記縦型(NPN)バイ
ポーラトランジスタに対して、図14に示すような通常
のバイアス状態にさせたときの,当該トランジスタの主
動作電流におけるエミッタEからの電子(図中,丸印で
囲った−符号で示す)の動きを、エミッタ中央部(図
中,I符号で示す)と周辺部(図中,II符号で示す)と
に対して示したものである。
【0018】すなわち、図14のトランジスタ動作回路
における縦型(NPN)バイポーラトランジスタの場合
でのエミッタ中央部Iと周辺部IIとの電子の動きを比較
すると、エミッタ中央部Iにおいては、ベース幅WB
狭いために、エミッタEからベースBに注入された電子
が、コレクタCに達する割合(輸送効率)が大きいので
コレクタ電流IC が多くなり、トランジスタの直流電流
増幅率hFEが大きくなる。
【0019】また、当該エミッタ中央部Iにおいては、
ベース幅WB が小さい,つまり、エミッタEからコレク
タCへの電子の走行距離(換言すると、ベース走行時
間)が短いために、トランジスタの電流増幅遮断周波数
r が大きくなる。
【0020】一方,エミッタ周辺部IIでは、上記とは逆
になる。
【0021】このように、従来の場合にあっては、トラ
ンジスタの高性能化を図る目的で、エミッタ幅WE を狭
くするに従い、エミッタEにおける周辺部IIの割合が大
きくなり、これに伴って当該周辺部IIを流れる電子電流
の割合も増加するために、トランジスタ全体としての直
流電流増幅率hFEが徐々に低下し、かつその電流増幅遮
断周波数fr も小さくなるものであった。
【0022】この結果,エミッタEの領域直下でのエミ
ッタ中央部Iにおいて決定されるトランジスタの潜在的
な最高性能を引出して、これを高速動作させるために
は、エミッタ周辺部IIを流れる電流成分を低減させ、当
該エミッタ中央部Iにのみ電流が流れるようにすること
が望ましい。
【0023】この発明は、このような従来の問題点を解
消するためになされたもので、その目的とするところ
は、たとえエミッタ幅を狭くしても、エミッタ周辺部で
の電流成分の割合を少なくできて、電流増幅率が高くて
電流遮断周波数の大きい高性能なバイポーラトランジス
タを得られるようにした,この種の半導体装置,および
その製造方法を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、この発明に係る半導体装置は、ベース領域,および
エミッタ領域によって形成されるPN接合のエネルギーバ
ンド構造(Energy BandStructure) が、エミッタ中央部
と周辺部とで異なるようにするために、当該ベース領域
とエミッタ領域とをそれぞれにエネルギーギャップの異
なる半導体材料層で形成させるようにしたものである。
【0025】すなわち、この発明は、エネルギーギャッ
プの異なる複数の半導体材料層を有する第1導電型の半
導体領域と、当該第1導電型の半導体領域内に設けら
れ、エネルギーギャップの異なる複数の半導体材料層を
有する第2導電型の第1の半導体領域と、前記第1導電
型の半導体領域に外接して設けられ、エネルギーギャッ
プの異なる複数の半導体材料層を有する第2導電型の第
2の半導体領域とにより、PN接合を形成させた半導体装
置であって、前記第2導電型の第1の半導体領域の中央
部と周辺部とで、エネルギーバンド構造が異なるように
PN接合を形成させ、中央部のPN接合面が前記第1導電型
の半導体領域のいずれかの半導体材料層内に形成されて
いることを特徴とする半導体装置である。
【0026】また、この発明に係る半導体装置の製造方
法は、ベース領域,およびエミッタ領域を形成する前
に、半導体基体材料よりもエネルギーギャップの大きい
半導体材料層を形成させ、その後、前記半導体基体とエ
ネルギーギャップの大きい半導体材料層とに跨ってベー
ス領域を形成させ、さらに、前記半導体基体とエネルギ
ーギャップの大きい半導体材料層とに跨ってエミッタ領
域を形成させ、エミッタ中央部と周辺部とで、PN接合の
エネルギーバンド構造が異なるようにしたものである。
【0027】すなわち、この発明は、エネルギーギャッ
プの異なる複数の半導体材料層を有する第1導電型の半
導体領域と、当該第1導電型の半導体領域内に設けられ
て、エネルギーギャップの異なる複数の半導体材料層を
有する第2導電型の半導体領域とにより、PN接合を形成
させた半導体装置の製造方法であって、半導体基体上
に、当該半導体基体よりもエネルギーギャップの大きい
半導体材料層を形成する工程と、前記半導体基体とエネ
ルギーギャップの大きい半導体材料層とに跨って前記第
1導電型の半導体領域を形成する工程と、前記第1導電
型の半導体領域内で、前記半導体基体とエネルギーギャ
ップの大きい半導体材料層とに跨って前記第導電型の
半導体領域を形成する工程とを少なくとも含み、前記第
導電型の半導体領域の中央部と周辺部とで、エネルギ
ーバンド構造が異なるようにPN接合を形成させるととも
に、中央部のPN接合面が前記第1導電型の半導体領域の
いずれかの半導体材料層内に形成されるようにしたこと
を特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0028】
【作用】従って、この発明に係る半導体装置では、第1
導電型の半導体領域(ベース領域),および第2導電型
の半導体領域(エミッタ領域)によって形成されるPN接
合が、それぞれにエネルギーギャップの異なる半導体材
料層を有し、第2導電型の半導体領域(エミッタ領域)
の中央部と周辺部とで、PN接合のエネルギーバンド構造
が異なるようにしたので、当該第2導電型の半導体領域
(エミッタ領域)の中央部と周辺部とに流れる動作電流
の割合を変化させ得る。
【0029】そしてまた、この発明に係る半導体装置の
製造方法では、第1導電型の半導体領域(ベース領
域),および第2導電型の半導体領域(エミッタ領域)
を形成する前に、半導体基体材料よりもエネルギーギャ
ップの大きい半導体材料層を形成させておき、その後、
前記半導体基体とエネルギーギャップの大きい半導体材
料層とに跨って第1導電型の半導体領域(ベース領域)
を形成させ、さらに、前記半導体基体とエネルギーギャ
ップの大きい半導体材料層とに跨って第2導電型の半導
体領域(エミッタ領域)を形成させるようにしたので、
第2導電型の半導体領域(エミッタ領域)の中央部で
は、エネルギーギャップの大きい半導体材料層部分をも
つ第2導電型の半導体領域(エミッタ領域)部分と、エ
ネルギーギャップの小さい半導体材料層部分をもつ第1
導電型の半導体領域(ベース領域)部分とによるPN接合
(エミッタ・ベース接合)を形成でき、かつ第2導電型
の半導体領域(エミッタ領域)の周辺部では、第2導電
型の半導体領域(エミッタ領域)部分,および第1導電
型の半導体領域(ベース領域)部分が共に、エネルギー
ギャップの大きい半導体材料層部分によるPN接合(エミ
ッタ・ベース接合)を形成できる。
【0030】
【実施例】以下,この発明に係る半導体装置,およびそ
の製造方法の実施例につき、図1ないし図8を参照して
詳細に説明する。
【0031】図1ないし図4はこの発明の一実施例を適
用した半導体装置の製造方法,こゝでは、縦型(NP
N)バイポーラトランジスタの製造方法の主要な工程を
順次模式的に示すそれぞれに断面図であり、この実施例
各図において、上述した従来例各図と同一符号は同一ま
たは相当部分を示している。
【0032】すなわち、この実施例方法においては、ま
ず、N+型シリコン基板1上にN-型シリコンエピタキシャ
ル層2をエピタキシャル成長させて堆積し、かつ引続い
て当該N-型シリコンエピタキシャル層2よりもエネルギ
ーギャップの大きいN-型半導体層5を堆積した後、その
表面を熱酸化処理してシリコン酸化膜10を形成する
(同図1参照)。
【0033】ついで、前記シリコン酸化膜10上にあっ
て、フォトリソグラフィー法により形成したレジストパ
ターン(この場合,図示省略)をマスクに用い、イオン
注入法などによって、 P型不純物としての,例えば、ボ
ロン(B) を前記N-型半導体層5中に選択的に導入した上
で、かつ当該レジストパターンの除去後、これを熱処理
することによって、前記N-型シリコンエピタキシャル層
2に達するように拡散かつ活性化して P型ベース領域3
を形成する(同図2参照)。
【0034】さらに、前記と同様にシリコン酸化膜10
上にあって、フォトリソグラフィー法により形成したレ
ジストパターン(この場合,図示省略)をマスクに用
い、当該シリコン酸化膜10を選択的に除去してエミッ
タ不純物拡散用の窓部を開口させ、かつ当該レジストパ
ターンの除去後、シリコン酸化膜10をマスクに用い、
イオン注入法などによって、拡散用の窓部直下の前記 P
型ベース領域3中でのN-型半導体層5部分に対しての
み、 N型不純物としての,例えば、砒素(As)を高濃度で
選択的に導入した上で、これを熱処理することによっ
て、当該 P型ベース領域3中でのN-型シリコンエピタキ
シャル層2に達するように拡散かつ活性化してN+型エミ
ッタ領域4を形成する(同図3参照)。
【0035】その後、前記シリコン酸化膜10を選択的
に開口してベース電極取出し用の窓部を形成した上で、
前記窓部と共々に、前記N+型エミッタ領域4に対してエ
ミッタ電極100,前記 P型ベース領域3に対してベー
ス電極200をそれぞれに接続形成し、最後に、前記 N
型シリコン基板1の裏面に対してコレクタ電極300を
接続形成する(同図参照)。
【0036】またこゝで、この実施例構成での縦型(N
PN)バイポーラトランジスタの作用,ならびに効果を
それぞれに説明するために、当該縦型(NPN)バイポ
ーラトランジスタにおけるN+型エミッタ領域4付近での
拡大断面図を図5に示し、また、当該トランジスタに通
常のバイアス電圧を印加して、これを動作状態にしたと
き(このときの回路構成は、前記図14に対応する)
の,N+型エミッタ領域4におけるエミッタ中央部I直
下,およびエミッタ周辺部IIでのコレクタ領域に至るエ
ネルギー・バンド・ダイアグラム(Energy Band Diagra
m) を図6,および図7に示す。そしてまた、比較のた
めに、上述の従来技術の項で示した従来の構成によるト
ランジスタでの該当エネルギー・バンド・ダイアグラム
を図8に示す。この従来の構成によるトランジスタで
は、エミッタ中央部I,および周辺部IIにおいてベース
幅WB が異なるのみで、エネルギー・バンド・ダイアグ
ラム自体に基本的な差異がないために、この図8による
のみで比較し得る。
【0037】これらの図6,図7,および図8の各図に
おいて、EC は伝導帯の下端、EVは充満帯の上端であ
り、また、ΔEC は伝導帯下端の段差、ΔEV は充満帯
上端の段差を示し、電子は丸印で囲った−符号、ホール
は丸印で囲った+符号でそれぞれに示す。さらに、VB
はベース・エミッタ間電圧、VC はコレクタ・エミッタ
間電圧である。
【0038】まず、この実施例構成によるエミッタ中央
部Iに対応した図6での作用,ならびに効果について述
べる。
【0039】すなわち、この実施例構成での図6に示す
エミッタ中央部Iにおいては、エミッタ・ベース接合が
順バイアス状態であるために、エミッタEからは、電子
がベースBへ、ベースBからは、ホールがエミッタEへ
それぞれに注入されることになる。
【0040】この場合、こゝでのエミッタEからベース
Bに向かう電子に対するエネルギー段差ΔEC は、エミ
ッタ・ベース接合付近が、双方共にエネルギーギャップ
の小さい材料(この場合,シリコン)であることから、
当該エネルギーギャップの小さいもの同士のPN接合で決
まる段差しかないのに対して、ベースBからエミッタE
に向かうホールに対するエネルギー段差ΔEV は、エミ
ッタEの一部がエネルギーギャップの大きい材料である
ために、上記従来例構成での図8に比較して大きくな
る。
【0041】そして、このことは、エミッタEからの電
子電流とベースBからのホール電流との和であるところ
の,エミッタ電流と、ホール電流であるところの,ベー
ス電流との比,つまり、電流増幅率hFEが、従来例構成
での図8に示すところの,エネルギーギャップの小さい
材料(この場合,シリコン)のみで形成した場合に比較
して、大きくなることを意味しており、かつこのエミッ
タ中央部Iでは、ベース幅WB が狭いので、その電流増
幅遮断周波数fr高い
【0042】次に、この実施例構成によるエミッタ周辺
部IIに対応した図7での作用,ならびに効果について述
べる。
【0043】このエミッタ周辺部IIにおいては、前記の
エミッタ中央部Iの場合とは異なって、エミッタ・ベー
ス接合付近が、双方共にエネルギーギャップの大きい
あることから、エミッタEからベースBに向かう電
子,およびベースBからエミッタEに向かうホールの双
方にとって、そのエネルギー段差ΔEC,およびEV が大
きくなるもので、それぞれのエミッタ電流,およびベー
ス電流による電流増幅率hFEが、従来例構成での図8に
示すところの,エネルギーギャップの小さい材料のみで
形成した場合に比較して、小さくなることを意味してお
り、かつこのエミッタ周辺部IIでは、ベース幅WB がエ
ミッタ中央部Iに比較して広いので、その電流増幅遮断
周波数fr低い
【0044】
【発明の効果】以上、実施例によって詳述したように、
この発明によれば、第1導電型の半導体領域(ベース領
域),および第2導電型の半導体領域(エミッタ領域)
によって形成されるPN接合が、それぞれにエネルギーギ
ャップの異なる半導体材料層を有し、第2導電型の半導
体領域(エミッタ領域)の中央部と周辺部とで、PN接合
のエネルギーバンド構造が異なるようにしたので、当該
第2導電型の半導体領域(エミッタ領域)の中央部と周
辺部とに流れる動作電流の割合を変化させて、周辺部を
流れる性能の低い動作電流を減少させ得るのである。
【0045】また、この発明方法によれば、第1導電型
の半導体領域(ベース領域),および第2導電型の半導
体領域(エミッタ領域)を形成する前に、半導体基体材
料よりもエネルギーギャップの大きい半導体材料層を形
成させ、その後、前記半導体基体とエネルギーギャップ
の大きい半導体材料層とに跨って第1導電型の半導体領
域(ベース領域)を形成させ、さらに、前記半導体基体
とエネルギーギャップの大きい半導体材料層とに跨って
第2導電型の半導体領域(エミッタ領域)を形成させる
ようにしたので、結果的に、第2導電型の半導体領域
(エミッタ領域)の中央部では、エネルギーギャップの
大きい半導体材料層部分をもつ第2導電型の半導体領域
(エミッタ領域)部分と、エネルギーギャップの小さい
半導体材料層部分をもつ第1導電型の半導体領域(ベー
ス領域)部分とによるPN接合(エミッタ・ベース接合)
を形成でき、かつ第2導電型の半導体領域(エミッタ領
域)の周辺部では、第2導電型の半導体領域(エミッタ
領域)部分,および第1導電型の半導体領域(ベース領
域)部分が共に、エネルギーギャップの大きい半導体材
料層部分によるPN接合(エミッタ・ベース接合)を形成
できるもので、これによって、こゝでも第2導電型の半
導体領域(エミッタ領域)の周辺部を流れる性能の低い
動作電流を減少させ得るのである。
【0046】すなわち、以上,これを要するに、この発
明の場合にあっては、ベース幅の狭いエミッタ中央部に
おいて、電流増幅率を大きくでき、かつ電流増幅遮断
周波数が高く、動作電流が流れ易くなり、また、ベース
幅の広いエミッタ周辺部において、電流増幅率小さ
くかつ電流増幅遮断周波数が低いが、動作電流流れ難
くなるで、結果的に、装置の高速動作を意図して、ベ
ース抵抗の低減のためにエミッタ幅を狭く設定しても、
装置全体における電流増幅率,および電流増幅遮断周波
数のそれぞれを、従来よりも格段に向上させ得るという
優れた特長を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を適用した縦型(NPN)
バイポーラトランジスタの製造方法の第1の工程を模式
的に示す断面図である。
【図2】同上一実施例方法での第2の工程を模式的に示
す断面図である。
【図3】同上一実施例方法での第3の工程を模式的に示
す断面図である。
【図4】同上一実施例方法での第4の工程を模式的に示
す断面図である。
【図5】この発明の一実施例構成による縦型(NPN)
バイポーラトランジスタでのエミッタ領域付近を拡大し
て模式的に示す断面図である。
【図6】この発明の一実施例構成による縦型(NPN)
バイポーラトランジスタでのエミッタ領域中央部下のエ
ネルギー・バンド・ダイアグラムとキャリアの動きとを
示す断面説明図である。
【図7】この発明の一実施例構成による縦型(NPN)
バイポーラトランジスタでのエミッタ領域周辺部下のエ
ネルギー・バンド・ダイアグラムとキャリアの動きとを
示す断面説明図である。
【図8】この発明の一実施例構成と比較するための従来
例構成による縦型(NPN)バイポーラトランジスタで
のエミッタ領域下のエネルギー・バンド・ダイアグラム
とキャリアの動きとを示す断面説明図である。
【図9】従来例による縦型(NPN)バイポーラトラン
ジスタの概要構成を模式的に示す断面図である。
【図10】同上従来例による縦型(NPN)バイポーラ
トランジスタの製造方法の第1の工程を模式的に示す断
面図である。
【図11】同上従来例方法での第2の工程を模式的に示
す断面図である。
【図12】同上従来例方法での第3の工程を模式的に示
す断面図である。
【図13】同上従来例方法での第4の工程を模式的に示
す断面図である。
【図14】この発明の一実施例構成,ならびに実施例構
成での縦型(NPN)バイポーラトランジスタを適用し
たトランジスタ動作回路におけるバイアス電圧印加時の
回路図である。
【図15】従来例による縦型(NPN)バイポーラトラ
ンジスタでのエミッタ領域付近を拡大して模式的に示す
断面図である。
【符号の説明】
1 N+型シリコン基板 2 N - 型エピタキシャル層 3 P型ベース領域 4 N+型エミッタ領域 5 エネルギーギャップの大きいN - 型半導体層 10 シリコン酸化膜 100 エミッタ電極 200 ベース電極 300 コレクタ電極 WB ベース幅 WE エミッタ幅 B ベース E エミッタ C コレクタ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/33 - 20/331 H01L 29/68 - 29/737 H01L 21/329 H01L 29/861 H01L 29/864 - 29/87 H01L 29/88 - 29/96

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エネルギーギャップの異なる複数の半導
    体材料層を有する第1導電型の半導体領域と、当該第1
    導電型の半導体領域内に設けられ、エネルギーギャップ
    の異なる複数の半導体材料層を有する第2導電型の第1
    半導体領域と、前記第1導電型の半導体領域に外接し
    て設けられ、エネルギーギャップの異なる複数の半導体
    材料層を有する第2導電型の第2の半導体領域とによ
    り、PN接合を形成させた半導体装置であって、 前記第2導電型の第1の半導体領域の中央部と周辺部と
    で、エネルギーバンド構造が異なるようにPN接合を形成
    させ、中央部のPN接合面が前記第1導電型の半導体領域
    のいずれかの半導体材料層内に形成されていることを特
    徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 エネルギーギャップの異なる複数の半導
    体材料層を有する第1導電型の半導体領域と、当該第1
    導電型の半導体領域内に設けられ、エネルギーギャップ
    の異なる複数の半導体材料層を有する第2導電型の半導
    体領域とにより、PN接合を形成させた半導体装置の製造
    方法であって、 半導体基体上に、当該半導体基体よりもエネルギーギャ
    ップの大きい半導体材料層を形成する工程と、 前記半導体基体とエネルギーギャップの大きい半導体材
    料層とに跨って前記第1導電型の半導体領域を形成する
    工程と、 前記第1導電型の半導体領域内で、前記半導体基体とエ
    ネルギーギャップの大きい半導体材料層とに跨って前記
    導電型の半導体領域を形成する工程とを少なくとも
    含み、 前記第導電型の半導体領域の中央部と周辺部とで、エ
    ネルギーバンド構造が異なるようにPN接合を形成させる
    とともに、中央部のPN接合面が前記第1導電型の半導体
    領域のいずれかの半導体材料層内に形成されるようにし
    たことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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