JP2828572B2 - ジフェノール酸第三級ブチルエステル誘導体及びそれを含有するポジ型レジスト材料 - Google Patents

ジフェノール酸第三級ブチルエステル誘導体及びそれを含有するポジ型レジスト材料

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JP2828572B2
JP2828572B2 JP5244004A JP24400493A JP2828572B2 JP 2828572 B2 JP2828572 B2 JP 2828572B2 JP 5244004 A JP5244004 A JP 5244004A JP 24400493 A JP24400493 A JP 24400493A JP 2828572 B2 JP2828572 B2 JP 2828572B2
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】本発明は新規な溶解阻害剤及びそれを含有
するポジ型レジスト材料に関し、特に、光レジストの溶
解阻害剤として用いた場合に優れた特性を示すジフェノ
ール酸第三級ブチルエステル誘導体、及び、それを含有
する遠紫外線、電子線及びX線等の高エネルギー線に対
して高い感度を有すると共に、アルカリ水溶液で現像す
ることのできる、微細加工に適したポジ型レジスト材料
に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、LSI(高密度集積回路)の高
集積化と高速度化に伴い、パタンルールの微細化が求め
られているが、通常の光露光技術で用いる光源から放射
される光は波長が長い上単一波長ではないので、パタン
ルールの微細化には限度があった。そこで、超高圧水銀
灯から放射されるg線(波長436nm)或いはi線
(波長365nm)を光源として用いることも行われて
いる。
【0003】しかしながら、この場合でも約0.5μm
の解像度のパタンルールが限界であり、製作され得るL
SIは16MビットDRAM程度の集積度のものに過ぎ
ない。そこで、近年においては、g線やi線よりも更に
波長が短い、遠紫外線を光源として用いた遠紫外線リソ
グラフィーが有望視されている。
【0004】遠紫外線リソグラフィーによれば、0.1
〜0.3μmのパタンルールを形成することも可能であ
り、光吸収性の小さいレジスト材料を用いた場合には、
基板に対して垂直に近い側壁を有するパタンを形成する
ことが可能である。更に、一括してパタンを転写するこ
ともできるので、電子線を用いたリソグラフィーよりも
パタン形成処理効率(スループット)が高い点で優れて
いる。また、近年、遠紫外線用の光源として高輝度のK
rFエキシマレーザーを用いることができるようになっ
たことに伴い、該光源を用いてLSIを量産する観点か
ら、特に光吸収が小さい上、高感度であるレジスト材料
を用いることが必要であるとされている。
【0005】そこで、近年、従来の高感度レジスト材料
と同等以上の感度を有する上、解像度及びドライエッチ
ング耐性の高い、酸を触媒として製造される化学増幅型
のレジスト材料が開発されており(例えば、リュー(L
iu)等、ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス
・アンド・テクノロジー(J.Vac.Sci.Tec
hno.)、第B6巻、第379頁、1988年)、シ
プリー(Shipley)社によってノボラック樹脂と
メラミン化合物及び酸発生剤との三成分から成る、化学
増幅型のネガ型レジスト材料(SAL601ER7:シ
プリー社の商品名)が既に商品化されている。
【0006】しかしながら、LSIの製造工程において
ネガ型レジスト材料を用いた場合には、配線やゲート部
分を形成させることは容易であるものの、微細加工が必
要とされるコンタクトホールを形成させることは困難で
あるという欠点があった。また、従来提案されている化
学増幅型のポジ型レジスト材料をそのまま用いて遠紫外
線や電子線或いはX線でパタン形成を行った場合には、
レジスト表面の溶解性が低下して、現像後のパタンがオ
ーバーハング状になり易いために、パタンの寸法を制御
することが困難となって、ドライエッチングを用いた基
板加工の際の寸法制御性を損なうのみならず、パタンの
倒壊を招き易いという欠点があった〔ケー・ジー・チオ
ン(K.G.Chiong)等、ジャーナル・オブ・バ
キューム・サイエンス・アンド・テクノロジー、第B7
巻、(6)、第1771頁、1989年〕。
【0007】そこで、かかる欠点のない、高性能で化学
増幅型のポジ型レジスト材料の開発が強く望まれてい
た。かかる要望に答えて、イトー(Ito)等は、ポリ
(ヒドロキシスチレン)のOH基をt─ブトキシカルボ
ニル基で保護したポリ(ブトキシカルボニルオキシスチ
レン)(PBOCSTという)樹脂にオニウム塩を加え
た、化学増幅型のポジ型レジスト材料を提案している
(ポリマース・イン・エレクトロニクス、エー・シー・
エスシンポジウムシリーズ〔Polymers in
Electoronics,ACS symposiu
m Series)第242回(アメリカ化学会、ワシ
ントンDC.1984年)、第11頁〕。
【0008】しかしながら、上記のオニウム塩がアンチ
モンを金属成分として含有しているために、該オニウム
塩を含有するレジスト材料を使用した場合には、基板が
汚染されるのみならず、遠紫外線等を照射した後のレジ
スト材料の経時変化が極めて大きいという欠点があっ
た。また、上野等は、ポリ(p─スチレンオキシテトラ
ヒドロピラニル)を主成分とし、これに酸発生剤を添加
してなる遠紫外線用ポジ型レジスト材料を提案している
(第36回応用物理学会関連連合講演会、1989年、
1p─k─7)。
【0009】しかしながら、上記ポジ型レジスト材料
は、遠紫外線、電子線又はX線に対してポジ型からネガ
型へ反転し易いという欠点があった。上記したような、
OH基を保護基で保護した樹脂と酸発生剤からなる2成
分系のポジ型レジスト材料は、上記の欠点の他に、更
に、現像液に溶解させるために多くの保護基を分解する
必要があるので、LSIの製造工程においてレジストの
膜厚が変化したり、膜内に応力や気泡を発生させ易いと
いう欠点があった。
【0010】そこで、上記2成分系のポジ型レジスト材
料の欠点を改善した化学増幅型のポジ型レジスト材料と
して、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻害剤及び酸発生剤か
らなる3成分系のポジ型レジスト材料が開発されてい
る。このような3成分系のポジ型レジスト材料として
は、ノボラック樹脂、溶解阻害剤としてのアセタール化
合物、及び酸発生剤を添加したレジスト材料(RAY/
PFレジスト材料:ヘキスト社)が、X線リソグラフィ
ー用として開発されている。
【0011】しかしながら、このレジスト材料は室温で
化学増幅を行うので、レジスト感度は、X線露光から現
像するまでの時間に著しく依存する。従って、該時間を
常時厳密にコントロールする必要があるが、そのコント
ロールが困難であるために、パタンの寸法を安定させる
ことができないという欠点がある上、KrFエキシマレ
ーザー光(波長248nm)の吸収が大きいために、該
レーザーを用いたリソグラフィーに使用することは不適
当であるという欠点があった。
【0012】ところで、化学増幅するためには一般に、
露光後に熱処理を必要とする場合が多い。この場合に
は、室温で化学増幅を行うレジスト材料の場合よりも工
程が増加するものの、露光から現像するまでの間の時間
のコントロールを厳密に行う必要がないために、レジス
ト特性が安定である。また、化学増幅を行う過程で加水
分解を行う系の場合には、加水分解のために水を必要と
するので、レジスト材料中に水分を含ませることが必要
である。
【0013】しかしながら、レジスト材料を基板に塗布
する際に用いられる溶媒には、一般に、酢酸エトキシエ
チル等の水に溶解しない有機溶媒を用いる場合が多く、
また、レジスト材料として用いられる樹脂自体も水と相
溶しないものが多いので、レジスト材料中に水分を含有
させることが難しい上、含有させたとしてもその水分の
コントロールが煩雑となる。これに対し、t─ブトキシ
カルボニルオキシ基の分解反応は、t─ブトキシカルボ
ニルオキシ基と触媒である酸との2成分で反応が進行し
水分を必要としないので、化学増幅を行わせるためには
好適である。
【0014】また、t─ブトキシカルボニルオキシ基を
有する化合物の多くが、ノボラック樹脂の溶解性を阻害
する効果を有するので、t─ブトキシカルボニルオキシ
基がノボラック樹脂に対して溶解阻害効果を有するとい
うことが知られている。このような観点から、シュレゲ
ル(Schlegel)等は、ノボラック樹脂、ビスフ
ェノールAにt─ブトキシカルボニル基を導入した溶解
阻害剤、及びピロガロールメタンスルホン酸エステルか
らなる3成分系のポジ型レジスト材料を提案している
(1990年春李、第37回応用物理学会関連連合講演
会、28p─ZE─4)。しかしながら、この場合に
は、ノボラック樹脂の光吸収が大きいために実用化する
ことが困難である。
【0015】また、シュウォーム(Schwalm)等
は、溶解阻害剤と酸発生剤とを兼ねた材料として、ビス
(p─t─ブトキシカルボニルオキシフェニル)ヨード
ニウムヘキサフルオロアンチモネートを開発し〔ポリマ
ー・フォア・マイクロエレクトロニクス(polyme
r for Microelectronics)、東
京、1989年、セッションA38〕、これをノボラッ
ク樹脂に混合した、遠紫外線用ポジ型レジスト材料を提
案している。しかしながら、上記のポジ型レジスト材料
は、ノボラック樹脂の光吸収が大きい上金属を含有する
ことから、実用化が困難であるという欠点があった。
【0016】ところで、樹脂、溶解阻害剤及び酸発生剤
からなる3成分系の化学増幅型ポジ型レジスト材料にお
いては、レジスト膜のアルカリ現像液に対する溶解速度
を溶解阻害剤によって制御すること〔(高エネルギー線
を照射した部分の溶解速度)/(非照射部分の溶解速
度)(以下溶解速度比という)を大きくすること〕が、
レジスト材料としての性能に特に大きな影響を及ぼすこ
とが知られている。即ち、紫外線等の高エネルギー線を
照射した場合のレジスト膜の部分が、アルカリ現像液に
対して速やかに溶解するような物質(溶解阻害剤)をレ
ジスト材料に添加した場合には、レジストパターンの形
成効率が極めて良好となる。
【0017】このような溶解阻害剤は光レジストの性能
に大きな影響を与えるものであり、従来から知られてい
るものとしては、下記化2で表されるジブトキシカルボ
ニルビスフェノールA、下記化3で表されるジブトキシ
カルボニルビスフェノールF、下記化4で表される4−
t−ブトキシカルボニルビフェニル、下記化5で表され
t−ブチルデオキシコレート、下記化6で表されるt
−ブチルコレートが挙げられる。
【0018】
【化2】
【化3】
【化4】
【0019】
【化5】
【化6】 但し、化2、化3及び化4中、t−Bu又はBu−tは
t─ブチル基である。
【0020】しかしながら、これらの何れの溶解阻害剤
もレジストの露光部−未露光部の溶解コントラストが十
分に得られないために、十分な解像性や感度を得ること
ができず、また経時変化によってレジストパターンの形
状が変化するという欠点があった。例えば、ジブトキシ
カルボニルビスフェノールA及びジブトキシカルボニル
ビスフェノールFの場合には、樹脂に対し大きな溶解阻
害効果を有し、紫外線吸収率も小さい上安価であるとい
う特徴を有しているものの、溶解速度比が小さい上樹脂
に対する相溶性が低いので添加量が制限される。
【0021】また、4─t─ブトキシカルボニルビフェ
ニルの場合には、溶解速度比は比較的大きいものの、紫
外線吸収率が大きいためにレジスト膜に対する光透過性
を制御することができない。更に、t─ブチルコレート
及びt─ブチルデオキシコレートの場合には、紫外線吸
収率が小さい上、ノボラック樹脂に対して用いた場合に
は相溶性が良好であって溶解阻害剤として優れているも
のの、ポリ(ヒドロキシスチレン)に対して用いた場合
には、溶解阻害効果が不十分であるために、非照射部分
のレジスト膜がアルカリ現像液に対して溶解するという
膜減り現象が生じる上、原料が天然物であるために供給
が不安定である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、光レジスト用の溶解阻害剤について鋭意研究した結
果、新規なジフェノール酸第三級ブチルエステル誘導体
が光レジスト用溶解阻害剤として有効であることを見出
すと共に、それをポリ(ヒドロキシスチレン)系樹脂の
溶解阻害剤として用いた場合には、従来の高エネルギー
線用の化学増幅型ポジ型レジスト材料の欠点が解決さ
れ、従来にない、高感度、高解像性、及び優れたプロセ
ス適性を有すると共に、経時安定性に優れる高エネルギ
ー線用ポジ型レジスト材料とすることができることを見
出し、本発明に到達した。
【0023】従って、本発明の第1の目的は、光レジス
ト用溶解阻害剤として有効な、新規なジフェノール酸第
三級ブチルエステル誘導体を提供することにある。本発
明の第2の目的は、従来にない、高感度、高解像性、及
び優れたプロセス適性を有すると共に、経時安定性に優
れる、高エネルギー線用ポジ型レジスト材料を提供する
ことにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、下記化7で表されることを特徴とするジフェノール
酸第三級ブチルエステル誘導体、及び、一部の水酸基の
水素原子がt−ブトキシカルボニル基で置換されたポリ
(ヒドロキシスチレン)樹脂(a)、溶解阻害剤(b)
及び酸発生剤(c)をそれぞれ重量百分率で0.55≦
a、0.07≦b≦0.40、0.005≦c≦0.1
5並びにa+b+c=1となるように含有すると共に、
アルカリ水溶液で現像することが可能な、高エネルギー
線に感応するポジ型レジスト材料であって、前記溶解阻
害剤(b)が、前記化7で表される第三級ブチルエステ
ル誘導体であることを特徴とするポジ型レジスト材料に
よって達成された。
【0025】
【化7】 化7中のRは、第三級ブトキシカルボニル基、第三級
ブトキシカルボニルメチル基、テトラヒドロピラニル
基、メトキシメチル基、ジフェニルメチル基、トリフェ
ニルメチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル
基、第三級ブチルジメチルシリル基からなる群の中から
選択される保護基であり、R は水素原子低級アルキル
基又はアルコキシ基の何れかを表す。の具体例とし
ては、水素原子の他、例えばメチル基、エチル基等の低
級アルキル又はメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ
基等を挙げることができる。
【0026】上記化7のジフェノール酸第三級ブチルエ
ステル誘導体は、下記化8で表されるジフェノール酸第
三級ブチルエステルのフェノール性水酸基に、上記R
の保護基を導入することによって得ることができる。化
8のフェノール性水酸基が、予めR以外の基で保護さ
れている場合には、この保護基を脱離させて化8のジフ
ェノール酸第三級ブチルエステルとしてからRを導入
すれば良い。
【化8】
【0027】ここで、保護基Rを導入し得る物質は特
に限定されるものではないが、ジ炭酸ジ第三級ブチル、
ジヒドロ2Hピラン、第三級ブチルジメチルクロロシラ
ン、塩化メトキシメチルなどを挙げることができる。保
護基の導入に際する、これらの物質とジフェノール酸第
三級ブチルエステルとの使用割合は、ジフェノール酸第
三級ブチルエステル1モルに対し、上記物質を2〜5モ
ルとすることが好ましい。これらの反応に対しては、必
要に応じて、パラトルエンスルホン酸ピリジニウム等の
パラトルエンスルホネート、イミダゾール等の触媒を用
いることもできる。また、保護基の導入に際しては、溶
媒としてピリジン、塩化メチレン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド等を使用することができる。
【0028】尚、化8で表されるジフェノール酸第三級
ブチルエステルの合成方法は、欧州特許第457102
号に開示されている。しかしながら、この合成方法で
は、イソプロピルメチルエチルケトン中、硫酸触媒の下
でジフェノール酸をイソブチレンと反応させるため、複
数個の第三級ブチル基が導入された化合物が主生成物と
なるため、化8で表される高純度のジフェノール酸第三
級ブチルエステルを得ることは困難である。
【0029】これに対し、本発明ではジフェノール酸類
又はそのフェノール性水酸基が保護基で保護された化合
物をトリフルオロ酢酸無水物で処理すると共に、第三級
ブタノールと反応させることにより、上記化8で表され
る高純度のジフェノール酸第三級ブチルエステル又はそ
のフェノール性OHを保護基で保護した化合物が得られ
る。ジフェノール酸類等とトリフルオロ酢酸無水物との
使用割合は、ジフェノール酸類等の1モルに対し、トリ
フルオロ酢酸無水物を3〜5モルとすることが好まし
い。また、ジフェノール酸類等と第三級ブタノールの使
用割合は、ジフェノール酸類等の1モルに対し、第三級
ブタノールを3〜5モルとすることが好ましい。
【0030】上記トリフルオロ酢酸無水物による処理及
び第三級ブタノールとの各反応においては、例えばテト
ラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、エチル
エーテル等の溶媒をを用いることができる。また、上記
トリフルオロ酢酸無水物による処理温度は−10〜10
℃の範囲であることが好ましく、その処理時間は、0.
5〜3時間であることが好ましい。更に、第三級ブタノ
ールとの反応に際する反応温度は、−10〜10℃の範
囲であることが好ましく、その処理時間は、0.5〜1
8時間であることが好ましい。反応終了後に、得られた
反応液を必要により中和し、クロロホルム等により生成
物を抽出して、常法により精製することによって上記化
8で表される高純度のジフェノール酸第三級ブチルエス
テルを得ることができる。
【0031】このような方法で合成されたジフェノール
酸第三級ブチルエステルを出発物質とすることにより、
前記化7で表される高純度のジフェノール酸第三級ブチ
ルエステル誘導体を得ることができる。こうして得られ
る本発明の新規なジフェノール酸第三級ブチルエステル
誘導体は、三成分型の化学増幅型レジストの溶解阻害剤
として優れた性能を発揮する。
【0032】次に、本発明の新規なジフェノール酸第三
級ブチルエステル誘導体を含有するポジ型レジスト材料
について説明する。本発明で使用する一部の水酸基の水
素原子がt─ブトキシカルボニル化されたポリ(ヒドロ
キシスチレン)系樹脂としては、t─ブトキシカルボニ
ル化率が10〜50モル%の範囲のものが好ましい。t
─ブトキシカルボニル化率が50モル%以上ではアルカ
リ水溶液への溶解性が低下するので、一般に使用されて
いる現像液を用いて現像する場合には、レジスト材料の
感度が低下する。一方、t─ブトキシカルボニル化率が
10モル%以下では溶解阻害効果が小さい。
【0033】ポリ(ヒドロキシスチレン)の水酸基にお
ける水素原子をt−ブトキシカルボニル化することは、
一般にペプチド合成で良く用いられるような官能基を保
護する方法、即ち、ピリジン溶液中でポリ(ヒドロキシ
スチレン)を二炭酸ジ−t−ブチルと反応させることに
よって容易に行うことができる。
【0034】ポリ(ヒドロキシスチレン)樹脂の重量平
均分子量は、耐熱性のレジスト膜を得るという観点か
ら、1万以上であることが好ましく、又精度の高いパタ
ンを形成させるという観点から分子量分布は単分散性で
あることが好ましい。ラジカル重合で得られるような、
分子量分布の広いポリ(ヒドロキシスチレン)系樹脂を
用いた場合には、レジスト材料中に、アルカリ水溶液に
溶解し難い大きい分子量のものまで含まれることとなる
ため、これがパタン形成後の裾ひきの原因となる。従っ
て、リビング重合によって得られるような単分散性のポ
リ(ヒドロキシスチレン)樹脂を使用することが好まし
い。
【0035】因みに、本発明において、リビング重合に
よって得られたポリ(ヒドロキシスチレン)(例えば、
平均分子量が1万で分子量分布が1.1のもの)を用い
たレジスト材料を使用して、0.2μmのラインとスペ
ースのパタンを形成させた場合には、裾ひきがなく良好
な精度のパタンを形成することができる。また、このよ
うにして得られたパタンを150℃で10分間ベークし
ても、パタンに何の変形も認められず、耐熱性が十分で
ある。
【0036】一方、ラジカル重合で得られたポリ(ヒド
ロキシスチレン)(例えば、平均分子量が1.2万で分
子量分布が3.0)を用いたレジスト材料を使用して、
0.5μmのラインとスペースのパタンを形成させた場
合には、パタンの耐熱性は略同等であるものの、裾ひき
が見られるので、とても0.2μmの解像度は得られな
い。
【0037】尚、単分散性とは分子量分布がMw/Mn
=1.05〜1.50であることを意味する。但し、M
wは高分子の重量平均分子量、Mnは数平均分子量であ
る。重量平均分子量は、リビング重合させる場合にあっ
てはモノマーの重量と開始剤のモル数から計算すること
により、又は光散乱法を用いて容易に求められる。ま
た、数平均分子量は膜浸透圧計を用いて、容易に測定さ
れる。分子量分布の評価は、ゲルパーミェーションクロ
マトグラフィー(GPC)によって行うことができ、分
子構造は赤外線吸収(IR)スペクトル又は1 H─NM
Rスペクトルによって容易に確認することができる。
【0038】単分散性の樹脂(ポリマーという)を得る
方法としては、第1に、ラジカル重合法によって得られ
る、広い分子量分布を有するポリマーを分別処理する方
法、第2にリビング重合法により当初から単分散性のポ
リマーを得る方法が挙げられるが、単分散化する工程が
簡易であることから、リビング重合法を採用することが
好ましい。
【0039】次に、単分散性のポリ(ヒドロキシスチレ
ン)系樹脂のリビング重合法による製造法をポリ(p─
ヒドロキシスチレン)の場合を例として更に詳述する。
ポリ(p─ヒドロキシスチレン)を得るために、p−ヒ
ドロキシスチレンモノマーをそのままリビング重合させ
ようとしても、モノマーの水酸基と重合開始剤とが反応
してしまうので重合を開始しない。
【0040】そこで、該水酸基を保護する保護基を導入
したモノマーをリビング重合させた後、該保護基を脱離
させて目的のポリ(p─ヒドロキシスチレン)を得る手
法が用いられる。用いられる保護基としては、第三級ブ
チル基、ジメチルフェニルカルビルメチルシリル基、第
三級ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラニル基、
第三級ブチルジメチルシリル基等が挙げられるが、これ
らの中でも、特に第三級ブトキシカルボニル基が好まし
い。
【0041】上記リビング重合に際しては、重合開始剤
として、有機金属化合物を用いることが好ましい。好ま
しい有機金属化合物としては、例えばn−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、ナトリウムナフタレン、アントラセンナトリウム、
α−メチルスチレンテトラマージナトリウム、クミルカ
リウム、クミルセシウム等の有機アルカリ金属化合物等
が挙げられる。
【0042】リビングアニオン重合は、有機溶媒中で行
われることが好ましい。この場合に用いられる有機溶媒
は芳香族炭化水素、環状エーテル、脂肪族炭化水素等の
溶媒であり、これらの具体例としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テト
ラヒドロピラン、ジメトキシエタン、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン等が挙げられる。これらの有機溶媒は単独
で使用しても混合して使用しても良いが、特にテトラヒ
ドロフランを使用することが好ましい。重合に際するモ
ノマーの濃度は1〜50重量%、特に1〜30重量%が
適切であり、反応は高真空下又はアルゴン、窒素等の不
活性ガス雰囲気下で攪拌して行うことが好ましい。
【0043】反応温度は、−100℃乃至使用した有機
溶媒の沸点温度までの範囲で任意に選択することができ
る。特にテトラヒドロフラン溶媒を使用した場合には−
78℃〜0℃、ベンゼン溶媒を使用した場合には室温で
反応させることが好ましい。上記の如き条件で約10分
〜7時間反応を行うことにより、ビニル基のみが選択的
に反応して重合し、ポリマーを得ることができる。
【0044】所望の重合度に達した時点で、例えばメタ
ノール、水、メチルブロマイド等の重合反応停止剤を反
応系に添加して重合反応を停止させることにより、所望
の分子量を有するリビングポリマーを得ることができ
る。更に、得られた反応混合物を適当な溶剤(例えばメ
タノール)を用いて沈澱せしめ、洗浄・乾燥することに
よりリビングポリマーを精製・単離することができる。
【0045】重合反応においては、モノマーが100%
反応するので生成するリビングポリマーの収量は略10
0%である。従って、モノマーの使用量と反応開始剤の
モル数を調整することにより、得られるリビングポリマ
ーの分子量を適宜調整することができる。このようにし
て得られたリビングポリマーの分子量分布は単分散性
(Mw/Mn=1.05〜1.50)である。
【0046】次に、ポリマーのジメチルフェニルカルビ
ルジメチルシリル基やt─ブチル基等の保護基を脱離さ
せることによって、ポリ(p─ヒドロキシスチレン)を
得ることができる。上記の脱離反応は、ポリマーをジオ
キサン、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン等の溶媒
又はこれらの混合溶媒に溶解した後、塩酸、臭化水素酸
又はパラトルエンスルホン酸ピリジニウム塩等の酸を滴
下することによって容易に行うことができる。上記の反
応においては、ポリマーの主鎖が切断されたり分子間に
架橋反応が生じるということがないので、得られるポリ
(p−ヒドロキシスチレン)は単分散性である。
【0047】本発明で使用する溶解阻害剤(b)は、レ
ジスト膜に遠紫外線等の高エネルギー線を照射し、必要
に応じて加熱処理した後、アルカリ現像液で処理する場
合に、アルカリ水溶液に対して可溶性となるような物質
であり、前記化7で表される本発明の新規なジフェノー
ル酸第三級ブチルエステル誘導体を使用する。本発明の
レジスト材料中の溶解阻害剤の含有量は7〜40重量%
の範囲が好ましい。含有量が7重量%未満では溶解阻害
効果が小さく、40重量%以上ではレジスト膜の機械的
強度や耐熱性が低下する。
【0048】本発明で使用する酸発生剤は、高エネルギ
ー線を照射すると分解して酸を発生するような物質であ
り、種々のタイプのものがある。このような物質として
は、例えば、スルホニウム塩及びヨードニウム塩等のオ
ニウム塩が挙げられ、具体的には、(C6 5 2 +-
X、(C6 5 3 +-X、(C6 5 SC6 4
(C6 5 2 +-X、(CH3 OC6 4 )(C6
5 2 +-X、〔(CH3 3 C─C6 5 2 +-
等で表されるオニウム塩等が挙げられる。これらは併用
しても良い。上式中のXはパラトルエンスルホニル基、
トリフルホロメタンスルホニル基、六フッ化アンチモネ
ート基、六フッ化ホスフェート基又は四フッ化ボレート
基等である。
【0049】本発明においては、オニウム塩以外の化合
物を酸発生剤として単独で或いは併用して用いることが
できる。上記化合物としては、例えば、置換又は非置換
のジ(フェニルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾ化
合物、2,6─ジニトロベンジルトシレート等のベンジ
ルトシレート類、ベンゾイントシレート及びトリアジン
誘導体等を挙げることができる。
【0050】本発明において、レジスト材料中に含有さ
せる酸発生剤の使用量は、0.5〜15重量%の範囲で
あることが好ましい。使用量が0.5重量%未満ではレ
ジスト材料の感度を向上させることができず、15重量
%以上では、レジスト材料のコストが上昇する上レジス
ト膜の機械的強度が低下する。
【0051】本発明のレジスト材料を用いて基板にパタ
ンを形成することは、以下の方法によって容易に行うこ
とができる。即ち、レジスト材料溶液を基板上にスピン
塗布した後、プリベークを行って塗布基板を得る。得ら
れた塗布基板に高エネルギー線を照射すると、塗布膜中
の酸発生剤が分解して酸が生成する。次いで、熱処理を
行うと、生成した酸を触媒としてt─ブトキシカルボニ
ルオキシ基が分解し、レジストの溶解阻害効果が消失す
ることによって形成された潜像を有する基板が得られ
る。次に、該潜像を有する基板をアルカリ水溶液で現像
処理し、水洗することによってポジ型パタンを形成する
ことができる。
【0052】本発明のレジスト材料が高エネルギー線に
対する感度及び解像度に優れている理由は必ずしも明ら
かではないが、本発明で溶解阻害剤として使用するジフ
ェノール酸t−ブチルエステル誘導体がポリ(ヒドロキ
シスチレン)等のフェノール性樹脂に対して相溶性が良
好である上、溶解阻害能力も大きく、従って溶解速度比
を大きくすることができるためと推定される。
【0053】
【発明の効果】本発明のジフェノール酸第三級ブチルエ
ステル誘導体は、三成分型の化学増幅型レジストの溶解
阻害剤として優れた性能を発揮し、これを用いることに
よって高解像度のレジスト像を得ることができる。本発
明のポジ型レジスト材料は、高エネルギー線に対する感
度が高く、特に波長の短い遠紫外線(KrFエキシマレ
ーザー等)に対する感度が高い。
【0054】また、プラズマエッチング耐性及びレジス
トパーターンの耐熱性に優れている上、該遠紫外線の吸
収が少ないので、LSI等に用いられる基板の微細加工
に好適なレジスト材料である。更に、本発明のポジ型レ
ジスト材料は、金属元素を含まず露光後の経時依存性が
少ない上化学増幅過程で水分を必要としないので、LS
I等に用いられる基板の、高エネルギー線による微細加
工プロセスに極めて好適なポジ型レジスト材料である。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、実施例に先立ち、本発明のジフェノール酸第三級ブ
チルエステル誘導体を得るための出発物質であるジフェ
ノール酸第三級ブチルエステルの合成例を示す。
【0056】合成例1. ジフェノール酸57.3g(0.20モル)をテトラヒ
ドロフラン200mlに溶解し、この溶解液を窒素雰囲
気下で攪拌しながら、氷水浴で5℃に冷却し、トリフル
オロ酢酸無水物138g(0.657モル)を30分間
かけて滴下した。滴下終了後、室温で更に2時間攪拌し
た後、氷水浴で5℃に冷却した。次いで第三級ブタノー
ル150mlを約10分間かけて滴下し、滴下終了後に
室温で6時間攪拌した。
【0057】得られた反応液を氷水浴で5℃に冷却し、
これに濃アンモニア水150mlを滴下し、一夜放置し
た。この反応液から生成物をクロロホルムで抽出し、得
られた抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留
去し、半結晶状の残渣を得た。得られた残渣にn−ヘキ
サンを加えて攪拌した後、ろ過することにより、目的と
する生成物を得た。収量は48.7g(0.142モ
ル、収率71.1%)であった。
【0058】この生成物のNMRスペクトルは下記に示
す通りである。この結果は、上記反応によって得られた
生成物が前記化8で が水素原子である場合のもの
表される、ジフェノール酸第三級ブチルエステルであ
ることを示すものである。 NMR(CDCl、δ) 1.41(9H,s) 1.75(3H,s) 1.89(2H,t) 2.18(2H,t) 3.87(2H,s) 6.60(4H,d) 6.89(4H,d)
【0059】実施例1. 合成例1で得られたジフェノール酸第三級ブチルエステ
ル2.94g(10mmol)をピリジン50mlに溶
解した溶液にジ炭酸ジ第三級ブチル4.8g(22mm
ol)を加え、40℃で30時間攪拌して反応させた。
得られた反応液から減圧下で溶媒を留去して残渣を得
た。この残渣に含水メタノールを加えて再結晶すること
により、融点107℃の無色結晶3.56g(収率72
%)を得た。
【0060】この生成物のNMRスペクトルは下記に示
す通りである。この結果は、上記反応によって得られた
生成物は下記化9で表されるジ第三級ブトキシカルボニ
ルジフェノール酸第三級ブチルエステルであることを示
すものである。 NMR(CDCl 、δ) 1.40(9H,s) 1.54(18H,s) 1.58(3H,s) 2.00(2H,t) 2.36(2H,t) 7.06(4H,d) 7.17(4H,d)
【化9】
【0061】実施例2. 合成例1で得られたジフェノール酸第三級ブチルエステ
ル2.94g(10mmol)を20mlのN,N−ジ
メチルホルムアミドに溶解し、更に炭酸カリウム2.7
6g(20mmol)及びブロム酢酸t−ブチル3.9
g(20mmol)を加え、混合物を60℃で6時間加
熱しながら攪拌した。得られた反応液を放冷した後50
mlのクロロホルムに溶解し、50mlの純水で3回洗
浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を
留去して得られた薄茶色の油状残査をシリカゲルクロマ
トグラフィーによって分離したところ、下記化10で表
される目的の生成物4.31g(収率75.5%)が得
られた。
【化10】
【0062】得られた生成物のNMRスペクトルは下記
に示す通りである。 NMR(CDCl 、δ) 1.39(9H,s) 1.47(18H,s) 1.58(3H,s) 1.98(2H,t) 2.32(2H,t) 4.47(4H,s) 6.78(4H,s) 7.07(4H,s)
【0063】実施例3. 合成例1で得られたジフェノール酸第三級ブチルエステ
ル2.94g(10mmol)と塩化メチレン100m
lの混合物に、ピリジウムパラトルエンスルホネート
0.25g(1mmol)及び3,4−ジヒドロ−2H
−ピラン2.52g(30mmol)を加え、室温(2
0℃)で3時間攪拌した。得られた反応液を水洗した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去すること
によりガラス状の残渣を得た。この残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーによって分離し、目的とする生成物
4.02g(収率82%)を得た。
【0064】この生成物のNMRスペクトルは下記に示
す通りである。この結果は、上記反応によって得られた
生成物は下記化11で表されるジテトラヒドロピラニル
ジフェノール酸第三級ブチルエステルであることを示す
ものである。 NMR(CDCl、δ) 1.42(9H,s) 2.13(2H,m) 2.38(2H,m) 3.59(6H,m) 3.87(6H,m) 5.35(4H,s) 5.91(2H,s) 6.93(4H,d) 7.08(4H,d)
【化11】
【0065】実施例4. 合成例1で得られたジフェノール酸第三級ブチルエステ
ル2.94g(10mmol)をN,N−ジメチルホル
ムアミド30mlに溶解し、イミダゾール0.68g
(1mmol)を添加した後、第三級ブチルジメチルク
ロロシラン3.32g(22mmol)を加え、室温下
で4時間攪拌した。得られた反応液をクロロホルムに溶
解した後、水洗した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、溶媒を留去することにより残渣を得た。この残渣
をシリカゲルクロマトグラフィーによって分離し、目的
とする生成物4.21g(収率81%)を得た。
【0066】この生成物のNMRスペクトルは下記に示
す通りである。この結果は、上記反応によって得られた
生成物は下記化12で表されるジ第三級ブチルジメチル
シリルジフェノール酸第三級ブチルエステルであること
を示すものである。 NMR(CDCl3 、δ) 0.24(12H,s) 0.88(18H,s) 1.42(9H,s) 1.55(3H,s) 2.10(2H,m) 2.34(2H,m) 6.93(4H,d) 7.08(4H,d)
【化12】
【0067】実施例5. 合成例1で得られたジフェノール酸第三級ブチルエステ
ル2.94g(10mmol)と塩化メチレン100m
lの混合物に、トリエチルアミン3.1ml(22mm
ol)を添加した後、塩化メトキシメチル3.54g
(22mmol)を加え、室温下で12時間反応させ
た。得られた反応液を100mlの水で3回洗浄し、有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去するこ
とにより油状の残渣を得た。この残渣をシリカゲルクロ
マトグラフィーによって分離し、目的とする生成物2.
86g(収率75%)を得た。
【0068】この生成物のNMRスペクトルは下記に示
す通りである。この結果は、上記反応によって得られた
生成物は下記化13で表されるジメトキシメチルジフェ
ノール酸第三級ブチルエステルであることを示すもので
ある。 NMR(CDCl3 、δ) 1.58(3H,s) 2.00(2H,t) 2.34(2H,t) 3.51(6H,s) 5.20(4H,s) 7.06(4H,d) 7.17(4H,d)
【化13】
【0069】実施例6. 下記の組成物を混合したレジスト溶液を、シリコーン基
板上に2,000回転/分でスピン塗布し、ホットプレ
ート上で85℃で1分間プリベークして、レジスト膜の
厚さが0.7μmのレジスト塗布基板を得た。 ベース樹脂 81重量部、 4,4−ビス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)ペンタン 酸−tert−ブチルエステル 14重量部、 フェニルジ(4−t−ブトキシフェニル)スルホニウムトリフレート 5重量部、 酢酸エトキシエチル 400重量部 尚、ベース樹脂には、分子量が10,000で分子量分
布(Mw/Mn)が1.05のポリ(p−ヒドロキシス
チレン)を20モル%t−ブトキシカルボニル化した樹
脂を用いた。
【0070】得られた塗布基板の塗布側に、KrFエキ
シマレーザー(波長248nm)を用いて描画した後、
熱処理を85℃で2分間行った。次いで、テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.4重量%の
水溶液を用いて1分間現像を行い、30秒間水洗して、
パタンが形成されたシリコーン基板(パタン基板)を得
た。
【0071】得られた基板のパタンはポジ型の特性を示
し、レジスト膜のD0 感度は35mJ/cm2 であっ
た。また、KrFエキシマレーザーに代えて30kvの
電子線を用いた場合には、レジスト膜のDo感度は1
3.3μC/cm2 であった。得られたパタンは、Kr
Fエキシマレーザーを用いた場合のものでは、ラインと
スペースのパタン及びホールパタンの解像度が夫々0.
25μmである上、垂直な側壁を有するパタンであり、
電子線を用いた場合のパタンの解像度は0.2μmであ
った。
【0072】実施例7実施例6 で使用した4,4−ビス(4−tert−ブト
キシカルボニルオキシフェニル)ペンタン酸−tert
−ブチルエステルに代えて、4,4−ビス(4−ter
t−ブトキシカルボニルメトキシフェニル)ペンタン
−t−ブチルエステルを用いた他は、実施例6と全く同
様にしてレジスト溶液を調製し、パタン基板を作製し、
実施例6と全く同様にして感度及び解像度を評価した。
【0073】KrFエキシマレーザーを用いて描画した
ときのレジスト膜のD感度は47mJ/cmであっ
た。また、KrFエキシマレーザーに代えて30kvの
電子線を用いた場合には、レジスト膜のD感度は2
1.6μC/cmであった。解像度等は実施例6の場
合のものと同様であった。
【0074】実施例8〜21. 実施例6 で使用したフェニルジ(4−t−ブトキシフェ
ニル)スルホニウムトリフレートに代えて、下記表1で
示した酸発生剤を用いた他は、実施例6と全く同様にし
てレジスト溶液を調製し、パタン基板を作製し、実施例
と全く同様にして感度及び解像度を評価した。感度の
結果は下記表2に示した通りである。尚、多少の差異は
見られるものの、いずれの場合も、ラインとスペースの
パタンの解像度は0.3μmであった。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】実施例22〜32. 実施例6 で使用したベース樹脂及び溶解阻害剤に代え
て、下記表3及び表4で示したベース樹脂及び溶解阻害
剤を各々用い、実施例6で使用したフェニルジ(4−t
−ブトキシフェニル)スルホニウムトリフレートに代え
て、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム
トリフレートを用いた他は、実施例6と全く同様にして
レジスト溶液を調製し、パタン基板を作製し、実施例6
と全く同様にして感度及び解像度を評価した。感度の結
果は下記表5に示した通りである。尚、多少の差異は見
られるものの、いずれの場合も、ラインとスペースのパ
タンの解像度は0.3μmであった。
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高見沢 稔 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1 号 信越化学工業株式会社 コーポレー トリサーチセンター 内 (72)発明者 田中 啓順 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社 内 (72)発明者 河合 義夫 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社 内 (72)発明者 松田 維人 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭59−5240(JP,A) 特開 昭57−40248(JP,A) 特開 昭57−40249(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/734 C08K 5/10 C08L 25/18 G03F 7/004 501 G03F 7/039 501 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記化1で表されることを特徴とするジフ
    ェノール酸第三級ブチルエステル誘導体; 【化1】 式中、R第三級ブトキシカルボニル基、第三級ブト
    キシカルボニルメチル基、テトラヒドロピラニル基、メ
    トキシメチル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメ
    チル基、トリメチルシリル基及び第三級ブチルジメチル
    シリル基からなる群の中から選択される保護基を表し、
    は水素原子、低級アルキル基又はアルコキシ基の何
    れかを表す。
  2. 【請求項2】一部の水酸基の水素原子がt−ブトキシカ
    ルボニル基で置換されたポリ(ヒドロキシスチレン)樹
    脂(a)、請求項1に記載された第三級ブチルエステル
    誘導体(b)及び酸発生剤(c)をそれぞれ重量百分率
    で0.55≦a、0.07≦b≦0.40、0.005
    ≦c≦0.15並びにa+b+c=1となるように含有
    する、アルカリ水溶液で現像することが可能な、高エネ
    ルギー線に感応するポジ型レジスト材料。。
  3. 【請求項3】ポリ(ヒドロキシスチレン)が、リビング
    重合反応により得られる単分散性ポリ(ヒドロキシスチ
    レン)である、請求項2に記載のポジ型レジスト材料。
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