JP3236102B2 - ポジ型レジスト材料 - Google Patents

ポジ型レジスト材料

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JP3236102B2 JP04171793A JP4171793A JP3236102B2 JP 3236102 B2 JP3236102 B2 JP 3236102B2 JP 04171793 A JP04171793 A JP 04171793A JP 4171793 A JP4171793 A JP 4171793A JP 3236102 B2 JP3236102 B2 JP 3236102B2
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啓順 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポジ型レジスト材料に関
し、特に、遠紫外線、電子線及びX線等の高エネルギー
線に対して高い感度を有すると共に、アルカリ水溶液で
現像することのできる、微細加工に適したポジ型レジス
ト材料に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、LSI(高密度集積回路)の高
集積化と高速度化に伴い、パタンルールの微細化が求め
られているが、通常の光露光技術で用いる光源から放射
される光は波長が長い上単一波長ではないので、パタン
ルールの微細化には限度があった。そこで、超高圧水銀
灯から放射されるg線(波長436nm)或いはi線
(波長365nm)を光源として用いることも行われて
いる。しかしながら、この場合でも約0.5μmの解像
度のパタンルールが限界であり、製作され得るLSIは
16MビットDRAM程度の集積度のものに過ぎない。
【0003】そこで、近年においては、g線やi線より
も更に波長が短い、遠紫外線を光源として用いた遠紫外
線リソグラフィーが有望視されている。遠紫外線リソグ
ラフィーによれば、0.1〜0.3μmのパタンルール
を形成することも可能であり、光吸収性の小さいレジス
ト材料を用いた場合には、基板に対して垂直に近い側壁
を有するパタンを形成することが可能である。更に、一
括してパタンを転写することもできるので、電子線を用
いたリソグラフィーよりもパタン形成処理効率(スルー
プット)が高い点で優れている。
【0004】また、近年、遠紫外線用の光源として高輝
度のKrFエキシマレーザーを用いることができるよう
になったことに伴い、該光源を用いてLSIを量産する
観点から、特に光吸収が小さい上、高感度であるレジス
ト材料を用いることが必要であるとされている。
【0005】そこで、近年、従来の高感度レジスト材料
と同等以上の感度を有する上、解像度及びドライエッチ
ング耐性の高い、酸を触媒として製造される化学増幅型
のレジスト材料が開発されており(例えば、リュー(L
iu)等、ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス
・アンド・テクノロジー(J.Vac.Sci.Tec
hno.)、第B6巻、第379頁、1988年)、シ
プリー(Shipley)社によってノボラック樹脂と
メラミン化合物及び酸発生剤との三成分から成る、化学
増幅型のネガ型レジスト材料(SAL601ER7:シ
プリー社の商品名)が既に商品化されている。
【0006】しかしながら、LSIの製造工程において
ネガ型レジスト材料を用いた場合には、配線やゲート部
分を形成させることは容易であるものの、微細加工が必
要とされるコンタクトホールを形成させることは困難で
あるという欠点があった。また、従来提案されている化
学増幅型のポジ型レジスト材料をそのまま用いて遠紫外
線や電子線或いはX線でパタン形成を行った場合には、
レジスト表面の溶解性が低下して、現像後のパタンがオ
ーバーハング状になり易いために、パタンの寸法を制御
することが困難となって、ドライエッチングを用いた基
板加工の際の寸法制御性を損なうのみならず、パタンの
倒壊を招き易いという欠点があった〔ケー・ジー・チオ
ン(K.G.Chiong)等、ジャーナル・オブ・バ
キューム・サイエンス・アンド・テクノロジー、第B7
巻、(6)、第1771頁、1989年〕。
【0007】そこで、かかる欠点のない、高性能で化学
増幅型のポジ型レジスト材料の開発が強く望まれてい
た。かかる要望に答えて、イトー(Ito)等は、ポリ
(ヒドロキシスチレン)のOH基をt─ブトキシカルボ
ニル基で保護したポリ(ブトキシカルボニルオキシスチ
レン)(PBOCSTという)樹脂にオニウム塩を加え
た、化学増幅型のポジ型レジスト材料を提案している
(ポリマース・イン・エレクトロニクス、エー・シー・
エスシンポジウムシリーズ〔Polymers in
Electoronics,ACS symposiu
m Series)第242回(アメリカ化学会、ワシ
ントンDC.1984年)、第11頁〕。
【0008】しかしながら、上記のオニウム塩がアンチ
モンを金属成分として含有しているために、基板を汚染
するのみならず、上記レジスト材料は、遠紫外線等を照
射した後の経時変化が極めて大きいという欠点があっ
た。また、上野等は、ポリ(p─スチレンオキシテトラ
ヒドロピラニル)を主成分とし、これに酸発生剤を添加
してなる遠紫外線用ポジ型レジスト材料を提案している
(第36回応用物理学会関連連合講演会、1989年、
1p─k─7)。
【0009】しかしながら、上記ポジ型レジスト材料
は、遠紫外線、電子線又はX線に対してポジ型からネガ
型へ反転し易いという欠点があった。上記したような、
OH基を保護基で保護した樹脂と酸発生剤からなる2成
分系のポジ型レジスト材料は、上記の欠点の他に、更
に、現像液に溶解させるために多くの保護基を分解する
必要があるので、LSIの製造工程においてレジストの
膜厚が変化したり、膜内に応力や気泡を発生させ易いと
いう欠点があった。
【0010】そこで、上記2成分系のポジ型レジスト材
料の欠点を改善した化学増幅型のポジ型レジスト材料と
して、アルカリ可溶性樹脂、溶解阻害剤及び酸発生剤か
らなる3成分系のポジ型レジスト材料が開発されてい
る。このような3成分系のポジ型レジスト材料として
は、ノボラック樹脂、溶解阻害剤としてのアセタール化
合物、及び酸発生剤を添加したレジスト材料(RAY/
PFレジスト材料:ヘキスト社)が、X線リソグラフィ
ー用として開発されている。
【0011】しかしながら、このレジスト材料は室温で
化学増幅を行うので、レジスト感度は、X線露光から現
像するまでの時間に著しく依存する。従って、該時間を
常時厳密にコントロールする必要があるが、そのコント
ロールが困難であるために、パタンの寸法を安定させる
ことができないという欠点がある上、KrFエキシマレ
ーザー光(波長248nm)の吸収が大きいために、該
レーザーを用いたリソグラフィーに使用することは不適
当であるという欠点があった。
【0012】ところで、化学増幅するためには一般に、
露光後に熱処理を必要とする場合が多い。この場合に
は、室温で化学増幅を行うレジスト材料の場合よりも工
程が増加するものの、露光から現像するまでの間の時間
のコントロールを厳密に行う必要がないために、レジス
ト特性が安定である。また、化学増幅を行う過程で加水
分解を行う系の場合には、加水分解のために水を必要と
するので、レジスト材料中に水分を含ませることが必要
である。
【0013】しかしながら、レジスト材料を基板に塗布
する際に用いられる溶媒には、一般に、酢酸エトキシエ
チル等の水に溶解しない有機溶媒を用いる場合が多く、
また、レジスト材料として用いられる樹脂自体も水と相
溶しないものが多いので、レジスト材料中に水分を含有
させることが難しい上、含有させたとしてもその水分の
コントロールが煩雑となる。
【0014】これに対し、t─ブトキシカルボニルオキ
シ基の分解反応は、t─ブトキシカルボニルオキシ基と
触媒である酸との2成分で反応が進行し水分を必要とし
ないので、化学増幅を行わせるためには好適である。ま
た、t─ブトキシカルボニルオキシ基を有する化合物の
多くが、ノボラック樹脂の溶解性を阻害する効果を有す
るので、t─ブトキシカルボニルオキシ基がノボラック
樹脂に対して溶解阻害効果を有するということが知られ
ている。
【0015】このような観点から、シュレゲル(Sch
legel)等は、ノボラック樹脂、ビスフェノールA
にt─ブトキシカルボニル基を導入した溶解阻害剤、及
びピロガロールメタンスルホン酸エステルからなる3成
分系のポジ型レジスト材料を提案している(1990年
春李、第37回応用物理学会関連連合講演会、28p─
ZE─4)。しかしながら、この場合には、ノボラック
樹脂の光吸収が大きいために実用化することが困難であ
る。
【0016】また、シュウォーム(Schwalm)等
は、溶解阻害剤と酸発生剤とを兼ねた材料としてビス
(p─t─ブトキシカルボニルオキシフェニル)ヨード
ニウムヘキサフルオロアンチモネートを開発し〔ポリマ
ー・フォア・マイクロエレクトロニクス(polyme
r for Microelectronics)、東
京、1989年、セッションA38〕、これをノボラッ
ク樹脂に混合した遠紫外線用ポジ型レジスト材料を提案
している。
【0017】しかしながら、上記のポジ型レジスト材料
は、ノボラック樹脂の光吸収が大きい上金属を含有する
ことから、実用化が困難であるという欠点があった。と
ころで、樹脂、溶解阻害剤及び酸発生剤からなる3成分
系の化学増幅型ポジ型レジスト材料においては、用いる
酸発生剤が、レジスト材料としての性能に特に大きな影
響を及ぼすことが知られている。
【0018】このような酸発生剤の代表的なものの例と
しては、(C6 5 3 +-3 SCF3 、(C
6 5 3 +-PF6 、(C6 5 3 +-SbF6
(C6 5SC6 4 )(C6 5 2 +-3 SC
3 、CH3 OC6 5 (C6 52 +-OSO2
3 で各々表される化合物が挙げられる。
【0019】しかしながら、これらの何れの酸発生剤も
以下の何れかの欠点を有しているために、レジスト材料
としての性能が低下するという欠点があった。上記の欠
点は、レジスト用感光材料を基材に塗布する際に用いる
エチルセルソルブアセテート、乳酸エチル、メトキシ─
2─プロパノール等の溶媒に対する溶解性が低いため
に、レジスト中に酸発生剤を適量含有させることが困難
であること、溶媒に対する溶解性が比較的高いものであ
っても、レジスト膜形成用樹脂に対する相溶性が悪いた
めに良好なレジスト膜を形成させることが困難であるこ
と、及び光照射後の熱処理を行うまでの間に、経時的な
感度低下やパタン形状の変化が生じ易いことである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は
かかる酸発生剤について鋭意研究した結果、樹脂と溶解
阻害剤及び酸発生剤を組み合わせた化学増幅型ポジ型レ
ジスト材料において、ポリ(ヒドロキシスチレン)系樹
脂及び特定のオニウム塩を酸発生剤として用いた場合に
は、従来の高エネルギー線用の化学増幅型ポジ型レジス
ト材料の欠点が解決され、従来にない、高感度、高解像
性、及び優れたプロセス適性を有する高エネルギー線用
ポジ型レジスト材料とすることができることを見出し、
本発明に到達した。従って、本発明の目的は、従来にな
い、高感度、高解像性、及び優れたプロセス適性を有す
る、高エネルギー線用ポジ型レジスト材料を提供するこ
とにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
一部の水酸基の水素原子がt−ブトキシカルボニル基で
置換されたポリ(ヒドロキシスチレン)樹脂(a)、溶
解阻害剤(b)及びオニウム塩(c)を、それぞれ重量
百分率で0.55≦a、0.07≦b≦0.40、0.
005≦c≦0.15並びにa+b+c=1となるよう
に含有すると共に、アルカリ水溶液で現像することが可
能な、高エネルギー線に感応するポジ型レジスト材料で
あって、前記オニウム塩(c)が一般式(R)3 +
で表されるオニウム塩であることを特徴とするポジ型レ
ジスト材料によって達成された。上記の一般式における
Rは芳香族基であり、各Rの少なくとも一つはβ─ヒド
ロキシエトキシ基で置換されたフェニル基であり、各R
は同じであっても異なっても良い;また、Mはスルホニ
ウムの陰イオンである。
【0022】一部の水酸基の水素原子がt─ブトキシカ
ルボニル化されたポリ(ヒドロキシスチレン)樹脂とし
ては、t─ブトキシカルボニル化率が10〜50モル%
の範囲のものが好ましい。t─ブトキシカルボニル化率
が50モル%以上ではアルカリ水溶液への溶解性が低下
するので、一般に使用されている現像液を用いて現像す
る場合には、レジスト材料の感度が低下する。一方、t
─ブトキシカルボニル化率が10モル%以下では溶解阻
害効果が小さい。
【0023】ポリ(ヒドロキシスチレン)の水酸基にお
ける水素原子をt−ブトキシカルボニル化することは、
一般にペプチド合成で良く用いられるような官能基を保
護する方法、即ち、ピリジン溶液中でポリ(ヒドロキシ
スチレン)を二炭酸ジ−t−ブチルと反応させることに
よって容易に行うことができる。
【0024】ポリ(ヒドロキシスチレン)樹脂の重量平
均分子量は、耐熱性のレジスト膜を得るという観点か
ら、1万以上であることが好ましく、又精度の高いパタ
ンを形成させるという観点から分子量分布は単分散性で
あることが好ましい。ラジカル重合で得られるような、
分子量分布の広いポリ(ヒドロキシスチレン)樹脂を用
いた場合には、レジスト材料中に、アルカリ水溶液に溶
解し難い大きい分子量のものまで含まれることとなるた
め、これがパタン形成後の裾ひきの原因となる。従っ
て、リビング重合によって得られるような単分散性のポ
リ(ヒドロキシスチレン)樹脂を使用することが好まし
い。
【0025】因みに、本発明において、リビング重合に
よって得られたポリ(ヒドロキシスチレン)(例えば、
平均分子量が1万で分子量分布が1.1のもの)を用い
たレジスト材料を使用して、0.2μmのラインとスペ
ースのパタンを形成させた場合には、裾ひきがなく良好
な精度のパタンを形成することができる。また、このよ
うにして得られたパタンを150℃で10分間ベークし
ても、パタンに何の変形も認められず、耐熱性が十分で
ある。
【0026】一方、ラジカル重合で得られたポリ(ヒド
ロキシスチレン)(例えば、平均分子量が1.2万で分
子量分布が3.0)を用いたレジスト材料を使用して、
0.5μmのラインとスペースのパタンを形成させた場
合には、パタンの耐熱性は略同等であるものの、裾ひき
が見られるので、とても0.2μmの解像度は得られな
い。
【0027】尚、単分散性とは分子量分布がMw/Mn
=1.05〜1.50であることを意味する。但し、M
wは高分子の重量平均分子量、Mnは数平均分子量であ
る。重量平均分子量は、リビング重合させる場合にあっ
てはモノマーの重量と開始剤のモル数から計算すること
により、又は光散乱法を用いて容易に求められる。ま
た、数平均分子量は膜浸透圧計を用いて、容易に測定さ
れる。分子量分布の評価は、ゲルパーミェーションクロ
マトグラフィー(GPC)によって行うことができ、分
子構造は赤外線吸収(IR)スペクトル又は1 H─NM
Rスペクトルによって容易に確認することができる。
【0028】単分散性の樹脂(ポリマーという)を得る
方法としては、第1に、ラジカル重合法によって得られ
る、広い分子量分布を有するポリマーを分別処理する方
法、第2にリビング重合法により当初から単分散性のポ
リマーを得る方法が挙げられるが、単分散化する工程が
簡易であることから、リビング重合法を採用することが
好ましい。
【0029】次に、単分散性のポリ(ヒドロキシスチレ
ン)樹脂のリビング重合法による製造法を、ポリ(p─
ヒドロキシスチレン)の場合を例として更に詳述する。
ポリ(p─ヒドロキシスチレン)を得るために、p−ヒ
ドロキシスチレンモノマーをそのままリビング重合させ
ようとしても、モノマーの水酸基と重合開始剤とが反応
してしまうので重合を開始しない。そこで、該水酸基を
保護する保護基を導入したモノマーをリビング重合させ
た後、該保護基を脱離させて目的のパラヒドロキシスチ
レンを得る手法が用いられる。用いられる保護基として
は、第三級ブチル基、ジメチルフェニルカルビルメチル
シリル基、第三級ブトキシカルボニル基、テトラヒドロ
ピラニル基、第三級ブチルジメチルシリル基等が挙げら
れる。
【0030】上記リビング重合に際しては、重合開始剤
として、有機金属化合物を用いることが好ましい。好ま
しい有機金属化合物としては、例えばn−ブチルリチウ
ム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウ
ム、ナトリウムナフタレン、アントラセンナトリウム、
α−メチルスチレンテトラマージナトリウム、クミルカ
リウム、クミルセシウム等の有機アルカリ金属化合物等
が挙げられる。
【0031】リビングアニオン重合は、有機溶媒中で行
われることが好ましい。この場合に用いられる有機溶媒
は芳香族炭化水素、環状エーテル、脂肪族炭化水素等の
溶媒であり、これらの具体例としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テト
ラヒドロピラン、ジメトキシエタン、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン等が挙げられる。これらの有機溶媒は単独
で使用しても混合して使用しても良いが、特にテトラヒ
ドロフランを使用することが好ましい。重合に際するモ
ノマーの濃度は1〜50重量%、特に1〜30重量%が
適切であり、反応は高真空下又はアルゴン、窒素等の不
活性ガス雰囲気下で攪拌して行うことが好ましい。
【0032】反応温度は、−100℃乃至使用した有機
溶媒の沸点温度までの範囲で任意に選択することができ
る。特にテトラヒドロフラン溶媒を使用した場合には−
78℃〜0℃、ベンゼン溶媒を使用した場合には室温で
反応させることが好ましい。上記の如き条件で約10分
〜7時間反応を行うことにより、ビニル基のみが選択的
に反応して重合し、ポリマーを得ることができる。
【0033】所望の重合度に達した時点で、例えばメタ
ノール、水、メチルブロマイド等の重合反応停止剤を反
応系に添加して重合反応を停止させることにより、所望
の分子量を有するリビングポリマーを得ることができ
る。更に、得られた反応混合物を適当な溶剤(例えばメ
タノール)を用いて沈澱せしめ、洗浄・乾燥することに
よりリビングポリマーを精製・単離することができる。
【0034】重合反応においては、モノマーが100%
反応するので生成するリビングポリマーの収量は略10
0%である。従って、モノマーの使用量と反応開始剤の
モル数を調整することにより、得られるリビングポリマ
ーの分子量を適宜調整することができる。このようにし
て得られたリビングポリマーの分子量分布は単分散性
(Mw/Mn=1.05〜1.50)である。
【0035】次に、ポリマーのジメチルフェニルカルビ
ルジメチルシリル基やt─ブチル基等の保護基を脱離さ
せることによって、ポリ(p─ヒドロキシスチレン)を
得ることができる。上記の脱離反応は、ポリマーをジオ
キサン、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン等の溶媒
又はこれらの混合溶媒に溶解した後、塩酸、臭化水素酸
又はパラトルエンスルホン酸ピリジニウム塩等の酸を滴
下することによって容易に行うことができる。上記の反
応においては、ポリマーの主鎖が切断されたり分子間に
架橋反応が生じるということがないので、得られるポリ
(p−ヒドロキシスチレン)は単分散性である。
【0036】本発明で使用する溶解阻害剤(b)として
は、レジスト膜に遠紫外線等の高エネルギー線を照射
し、必要に応じて加熱処理した後、アルカリ現像液で処
理する場合に、アルカリ水溶液に対して可溶性となるよ
うな物質が挙げられる。このような溶解阻害剤として
は、ジ─t─ブトキシカルボニルヒドロキノン、4,
4’─ジ─t─ブトキシカルボニルオキシビフェニル、
ジ─t─ブトキシカルボニルビスフェノールA、ジ─t
─ブトキシカルボニルビスフェノールF等のt─ブトキ
シカルボニル基によって保護されたフェノール類;コー
ル酸─t−ブチルエステル、デオキシコール酸─t─ブ
チルエステル等の胆汁酸誘導体、及び4─t─ブトキシ
カルボニルビフェニル、ジ─t─ブトキシアセチルビス
フェノールA等の、テトラヒドロピラニル基、メトキシ
メチル基、t─ブチル基又はt─アミル基等で保護され
たエステル類が挙げられる。
【0037】本発明のレジスト材料中の溶解阻害剤の含
有量は7〜40重量%の範囲が好ましい。含有量が7重
量%未満では溶解阻害効果が小さく、40重量%以上で
はレジスト膜の機械強度や耐熱性が低下する。本発明で
使用するオニウム塩の一般式中、Rは芳香族基であり、
各Rの内の少なくとも一つはβ─ヒドロキシエトキシ基
で置換されたフェニル基であり、各Rは同じであっても
異なっても良い。また、Mはスルホニウムの陰イオンで
ある。
【0038】芳香族基としては、フェニル基、3─メチ
ルフェニル基、4─メチルフェニル基、4─イソプロピ
ルフェニル基、4─t─ブチルフェニル基、4─フルオ
ロフェニル基、3─フルオロフェニル基、4─クロロフ
ェニル基、2─メトキシフェニル基、3─メトキシフェ
ニル基、4─メトキシフェニル基、4─フェノキシフェ
ニル基、4─フェニルチオフェニル基、3─トリフルオ
ロメチルフェニル基、4─トリフルオロメチルフェニル
基等が挙げられる。
【0039】スルホニウムの陰イオンとしては、求核性
を有しない陰イオンであれば特に限定されるものではな
いが、具体的には、ヘキサフルオロフォスフェート、ヘ
キサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネ
ート、トリフルオロメタンスルホネート、パラトルエン
スルホネート、テトラフロオロボレート、フルオロスル
ホネート等が挙げられる。これらの中でも、金属イオン
による基板の汚染を防止する観点から、特にトリフルオ
ルロメタンスルホネートやパラトルエンスルホネートを
使用することが好適である。
【0040】本発明のレジスト材料中のオニウム塩の含
有量は、0.5〜15重量%の範囲であることが好まし
い。含有量が0.5重量%未満ではレジスト材料の感度
を向上させることができず、15重量%以上では、レジ
スト材料のコストが上昇する上レジスト膜の機械的強度
が低下する。
【0041】本発明のレジスト材料を用いて基板にパタ
ンを形成することは、以下の方法によって容易に行うこ
とができる。即ち、レジスト材料溶液を基板上にスピン
塗布した後、プリベークを行って塗布基板を得る。得ら
れた塗布基板に高エネルギー線を照射すると、塗布膜中
のスルホニウム塩(酸発生剤)が分解して酸が生成す
る。次いで、熱処理を行うと、生成した酸を触媒として
t─ブトキシカルボニルオキシ基が分解し、レジストの
溶解阻害効果が消失することによって形成された潜像を
有する基板が得られる。次に、該潜像を有する基板をア
ルカリ水溶液で現像処理し、水洗することによってポジ
型パタンを形成することができる。
【0042】オニウム塩を用いた本発明のレジスト材料
が高エネルギー線に対する感度及び解像度に優れている
理由は、必ずしも明らかではないが、本発明で使用する
スルホニウムが、レジスト材料の塗布時に用いる溶剤、
ポリ(ヒドロキシレン)樹脂及び溶解阻害剤に対する相
溶性が良好であるために、均一なレジスト膜を形成する
ことができること、及びレジスト材料中のスルホニウム
が光照射によって酸を生成させるので、光照射されなか
った部分は優れた溶解阻害効果を有しているにもかかわ
らず、光照射された部分はアルカリ水溶液に対する溶解
速度が大きくなり、しかも溶解する樹脂が単分散性であ
るためと推定される。
【0043】
【発明の効果】本発明のポジ型レジスト材料は、高エネ
ルギー線に対する感度が高く、特に波長の短い遠紫外線
(KrFエキシマレーザー等)に対する感度が高い。ま
た、プラズマエッチング耐性及びレジストパターンの耐
熱性に優れている上、該遠紫外線の吸収が少ないので、
LSI等に用いられる基板の微細加工に好適なレジスト
材料である。更に、本発明のポジ型レジスト材料は、金
属元素を含まず露光後の経時依存性が少ない上、化学増
幅過程で水分を必要としないので、LSI等に用いられ
る基板の、高エネルギー線による微細加工プロセスに極
めて好適なポジ型レジスト材料である。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、実施例中のベース樹脂には、分子量が10,000
で分子量分布(Mw/Mn)が1.05のポリ(p−ヒ
ドロキシスチレン)を20モル%tーブトキシカルボニ
ル化した樹脂を用いた。
【0045】実施例1.下記の組成物を混合したレジス
ト溶液を、シリコーン基板上に2,000回転/分でス
ピン塗布し、ホットプレート上で85℃で1分間プリベ
ークして、レジスト膜の厚さが0.7μmのレジスト塗
布基板を得た。 ベース樹脂 81重量部、 2,2─ビス〔p─(t─ブトキシカルボニルオキシ)フェニル〕プロパン( 溶解阻害剤) 14重量部、 フェニルジ(β−ヒドロキシエトキシフェニル)スルホニウムトリフレート 5重量部、 酢酸エトキシエチル 400重量部
【0046】得られた塗布基板の塗布側に、KrFエキ
シマレーザー(波長248nm)を用いて描画した後、
熱処理を85℃で2分間行った。次いで、テトラメチル
アンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.4重量%の
水溶液を用いて1分間現像を行い、30秒間水洗して、
パタンが形成されたシリコーン基板(パタン基板)を得
た。
【0047】得られた基板のパタンはポジ型の特性を示
し、レジスト膜のD0 感度は60mJ/cm2 であっ
た。また、KrFエキシマレーザーに代えて30kvの
電子線を用いた場合には、レジスト膜のDo感度は1
0.3μC/cm2 であった。得られたパタンは、Kr
Fエキシマレーザーを用いた場合のものでは、ラインと
スペースのパタン及びホールパタンの解像度が夫々0.
25μmである上、垂直な側壁を有するパタンであり、
電子線を用いた場合のパタンの解像度は0.2μmであ
った。
【0048】実施例2〜15. 実施例1で使用したフェニルジ(β‐ヒドロキシエトキ
シフェニル)スルホニウムトリフレートに代えて、表1
で示したスルホニウム塩(酸発生剤)を用いた他は、実
施例1と全く同様にしてレジスト溶液を調製し、パタン
基板を作製し、実施例1と全く同様にして感度及び解像
度を評価した。感度の結果は表2に示した通りである。
尚、解像度等は実施例1のものと同様であった。
【0049】実施例16〜30. 実施例1で使用したベース樹脂及び溶解阻害剤に代え
て、表3及び表4で示したベース樹脂及び溶解阻害剤を
各々用い、実施例1で使用したフェニルジ(β‐ヒドロ
キシエトキシフェニル)スルホニウムトリフレートに代
えて、表1に示した酸発生剤を各々用いた他は、実施例
1と全く同様にしてレジスト溶液を調製し、パタン基板
を作製し、実施例1と全く同様にして感度及び解像度を
評価した。感度の結果は表5に示した通りである。尚、
多少の差異は見られるものの、何れの場合も、ラインと
スペースのパタンの解像度は0.3μmであった。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【表4】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 淳 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1 号 信越化学工業株式会社 コーポレー トリサーチセンター 内 (72)発明者 高見沢 稔 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1 号 信越化学工業株式会社 コーポレー トリサーチセンター 内 (72)発明者 田中 啓順 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社 内 (72)発明者 河合 義夫 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社 内 (72)発明者 松田 維人 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社 内 (56)参考文献 特開 平4−215662(JP,A) 特開 平2−181151(JP,A) 特開 平4−45125(JP,A) 特開 平4−350658(JP,A) 特開 平4−195138(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/00 - 7/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一部の水酸基の水素原子がt−ブトキシカ
    ルボニル基で置換されたポリ(ヒドロキシスチレン)樹
    脂(a)、溶解阻害剤(b)及びオニウム塩(c)を、
    それぞれ重量百分率で0.55≦a、0.07≦b≦
    0.40、0.005≦c≦0.15並びにa+b+c
    =1となるように含有すると共に、アルカリ水溶液で現
    像することが可能な、高エネルギー線に感応するポジ型
    レジスト材料であって、前記オニウム塩(c)が一般式
    (R)3 + Mで表されるオニウム塩であることを特徴
    とするポジ型レジスト材料;但し、一般式中のRは芳香
    族基であり、各Rの少なくとも一つはβ─ヒドロキシエ
    トキシ基で置換されたフェニル基であり、各Rは同じで
    あっても異なっても良い;また、Mはスルホニウムの陰
    イオンである。
  2. 【請求項2】ポリ(ヒドロキシスチレン)が、リビング
    重合反応により得られる、単分散性ポリ(ヒドロキシス
    チレン)である請求項1に記載のポジ型レジスト材料。
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