JPH06123971A - ポジ型レジスト材料 - Google Patents

ポジ型レジスト材料

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JPH06123971A
JPH06123971A JP4300373A JP30037392A JPH06123971A JP H06123971 A JPH06123971 A JP H06123971A JP 4300373 A JP4300373 A JP 4300373A JP 30037392 A JP30037392 A JP 30037392A JP H06123971 A JPH06123971 A JP H06123971A
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JP
Japan
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group
resist material
positive resist
hydroxystyrene
poly
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Application number
JP4300373A
Other languages
English (en)
Inventor
Fujio Yagihashi
不二夫 八木橋
Atsushi Watanabe
淳 渡辺
Minoru Takamizawa
稔 高見沢
Haruyori Tanaka
啓順 田中
Yoshio Kawai
義夫 河合
Korehito Matsuda
維人 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来にない高感度、高解像性及び優れたプロセ
ス適性を有する高エネルギー線用ポジ型レジスト材料を
提供すること。 【構成】 一部の水酸基の水素原子がt−ブトキシカル
ボニル基で置換されたポリ(ヒドロキシスチレン)樹脂
a、溶解阻害剤b及びオニウム塩cを、夫々重量分率で
0.55≦a、0.07≦b≦0.40、0.005≦
c≦0.15並びにa+b+c=1となるように含有す
ると共に、アルカリ水溶液で現像することが可能な、高
エネルギー線に感応するポジ型レジスト材料であって、
前記溶解阻害剤bが、水酸基の少なくとも1部につい
て、その水素原子がt−ブトキシカルボニル基で置換さ
れたフェノールフタレン及び/又はその低級アルキル基
誘導体であると共に、前記オニウム塩cが一般式(R)
n AMで表されるオニウム塩であることを特徴とするポ
ジ型レジスト材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポジ型レジスト材料に関
し、特に、遠紫外線、電子線及びX線等の高エネルギー
線に対して高い感度を有すると共に、アルカリ水溶液で
現像することのできる、微細加工に適したポジ型レジス
ト材料に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、LSI(高密度集積回路)の高
集積化と高速度化に伴い、パタンルールの微細化が求め
られているが、通常の光露光技術で用いる光源から放射
される光は波長が長い上単一波長ではないので、パタン
ルールの微細化には限度があった。そこで、超高圧水銀
灯から放射されるg線(波長436nm)或いはi線
(波長365nm)を光源として用いることも行われて
いる。
【0003】しかしながら、この場合でも約0.5μm
の解像度のパタンルールが限界であり、製作され得るL
SIは16MビットDRAM程度の集積度のものに過ぎ
ない。そこで、近年においては、g線やi線よりも更に
波長が短い、遠紫外線を光源として用いた遠紫外線リソ
グラフィーが有望視されている。
【0004】遠紫外線リソグラフィーによれば、0.1
〜0.3μmのパタンルールを形成することも可能であ
り、光吸収性の小さいレジスト材料を用いた場合には、
基板に対して垂直に近い側壁を有するパタンを形成する
ことが可能であり、また、一括してパタンを転写するこ
ともできるので、電子線を用いたリソグラフィーよりも
パタン形成処理効率(スループット)が高い点で優れて
いる。また、近年、遠紫外線用の光源として高輝度のK
rFエキシマレーザーを用いることができるようになっ
たことに伴い、該光源を用いてLSIを量産する観点か
ら、特に高感度のレジスト材料を用いることが必要とさ
れている。
【0005】そこで、近年、従来の高感度レジスト材料
と同等以上の感度を有する上、解像度及びドライエッチ
ング耐性の高い、酸を触媒として製造される化学増幅型
のレジスト材料が開発され(例えば、リュー(Liu)
等、ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・アン
ド・テクノロジー(J.Vac.Techno.)、第
B6巻、第379頁、1988年)、既にシプリー(S
hipley)社によってノボラック樹脂とメラミン化
合物及び酸発生剤との三成分から成る、化学増幅型のネ
ガ型レジスト材料(SAL601ER7:シプリー社の
商品名)が商品化されている。
【0006】しかしながら、LSIの製造工程において
ネガ型レジスト材料を用いた場合には、配線やゲート部
分を形成させることは容易であるものの、微細加工が必
要とされるコンタクトホールを形成させることは困難で
あるという欠点があった。また、従来提案されている化
学増幅型のポジ型レジスト材料をそのまま用いて遠紫外
線や電子線或いはX線でパタン形成を行った場合には、
レジスト表面の溶解性が低下して現像後のパタンがオー
バーハング状になり易いために、パタンの寸法を制御す
ることが困難となって、ドライエッチングを用いた基板
加工の際の寸法制御性を損なうのみならず、パタンの倒
壊を招き易いという欠点があった〔ケー・ジー・チオン
(K.G.Chiong)等、ジャーナル・オブ・バキ
ューム・サイエンス・アンド・テクノロジー、第B7
巻、(6)、第1771頁、1989年〕。
【0007】そこで、かかる欠点のない、高性能で化学
増幅型のポジ型レジスト材料の開発が強く望まれてい
た。かかる要望に答えて、イトー(Ito)等は、ポリ
ヒドロキシスチレンのOH基をt─ブトキシカルボニル
基で保護したポリ(ブトキシカルボニルオキシスチレ
ン)(PBOCSTという)樹脂にオニウム塩を加え
た、化学増幅型のポジ型レジスト材料を提案している
(ポリマース・イン・エレクトロニクス、エー・シー・
エスシンポジウムシリーズ〔Polymers in
Electoronics,ACS symposiu
m Series)第242回(アメリカ化学会、ワシ
ントンDC.1984年)、第11頁〕。
【0008】しかしながら、上記のオニウム塩はアンチ
モンを金属成分として含有しているために、基板を汚染
するという欠点があった。また、上野等は、ポリ(p─
スチレンオキシテトラヒドロピラニル)を主成分とし、
これに酸発生剤を添加してなる遠紫外線用ポジ型レジス
ト材料を提案している(第36回応用物理学会関連連合
講演会、1989年、1p─k─7)。しかしながら、
上記ポジ型レジスト材料は、遠紫外線、電子線又はX線
に対してポジ型からネガ型へ反転し易いという欠点があ
った。
【0009】上記したような、OH基を保護基で保護し
た樹脂と酸発生剤からなる2成分系のポジ型レジスト材
料には、上記の欠点の他に、更に現像液に溶解させるた
めには多くの保護基を分解する必要があるので、LSI
の製造工程において、レジストの膜厚が変化したり、膜
内に応力や気泡を発生させ易いという欠点があった。そ
こで、上記2成分系のポジ型レジスト材料の欠点を改善
した化学増幅型のポジ型レジスト材料として、アルカリ
可溶性樹脂、溶解阻害剤及び酸発生剤からなる3成分系
のポジ型レジスト材料が開発されている。
【0010】このような3成分系のポジ型レジスト材料
としては、ノボラック樹脂、溶解阻害剤としてのアセタ
ール化合物及び酸発生剤を添加したレジスト材料(RA
Y/PFレジスト材料:ヘキスト社)が、X線リソグラ
フィー用として開発されている。
【0011】しかしながら、このレジスト材料は室温で
化学増幅を行うので、レジスト感度は、X線露光から現
像するまでの時間に著しく依存する。従って、該時間を
常時厳密にコントロールする必要があるが、そのコント
ロールが困難であるために、パタンの寸法を安定させる
ことができないという欠点がある上、KrFエキシマレ
ーザー光(波長248nm)の吸収が大きいために、該
レーザーを用いたリソグラフィーに使用することは不適
当であるという欠点があった。
【0012】ところで、化学増幅するためには一般に、
露光後に熱処理を必要とする場合が多い。この場合に
は、室温で化学増幅を行うレジスト材料の場合よりも工
程が増加するものの、露光から現像するまでの間の時間
のコントロールを厳密に行う必要がないために、レジス
ト特性が安定である。
【0013】また、化学増幅を行う過程で加水分解を行
う系の場合には、加水分解のために水を必要とすること
から、レジスト材料中に水分を含ませることが必要であ
る。しかしながら、レジスト材料を基板に塗布する際に
用いられる溶媒には、一般に、酢酸エトキシエチル等の
水に溶解しない有機溶媒を用いる場合が多く、またレジ
スト材料として用いられる樹脂自体も水と相溶しないも
のが多いので、レジスト材料中に水分を含有させること
が難しい上、含有させたとしてもその水分のコントロー
ルが煩雑となる。
【0014】これに対し、t−ブトキシカルボニルオキ
シ基の分解反応は、t−ブトキシカルボニルオキシ基と
触媒である酸との2成分で反応が進行し水分を必要とし
ないので、化学増幅を行わせるためには好適である。ま
た、t−ブトキシカルボニルオキシ基を有する化合物の
多くが、ノボラック樹脂の溶解性を阻害する効果を有す
ることから、t−ブトキシカルボニルオキシ基がノボラ
ック樹脂に対して溶解阻害効果を有するということが知
られている。
【0015】このような観点から、シュレゲル(Sch
legel)等は、ノボラック樹脂、ビスフェノールA
にt−ブトキシカルボニル基を導入した溶解阻害剤、及
びピロガロールメタンスルホン酸エステルからなる3成
分系のポジ型レジスト材料を提案している(1990年
春李、第37回応用物理学会関連連合講演会、28p─
ZE─4)。しかしながら、この場合には、ノボラック
樹脂の光吸収が大きいために実用化することが困難であ
る。
【0016】また、シュウォーム(Schwalm)等
は、溶解阻害剤と酸発生剤とを兼ねた材料としてビス
(p−t−ブトキシカルボニルオキシフェニル)ヨード
ニウムヘキサフルオロアンチモネートを開発し〔ポリマ
ー・フォア・マイクロエレクトロニクス(polyme
r for Microelectronics)、東
京、1989年、セッションA38〕、これをノボラッ
ク樹脂に混合した遠紫外線用ポジ型レジスト材料を提案
している。しかしながら、上記のポジ型レジスト材料
は、ノボラック樹脂の光吸収も大きい上、金属を含有す
ることから、実用化が困難であるという欠点があった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】そこで、従来の高エネ
ルギー線用の化学増幅型ポジ型レジスト材料の欠点を解
決すべく鋭意研究した結果、本発明者等は特定の樹脂と
溶解阻害剤及びオニウム塩を組み合わせることによっ
て、従来にない高感度、高解像性及び優れたプロセス適
性を有する、高エネルギー線用ポジ型レジスト材料を製
造することができることを見出し本発明に到達した。従
って、本発明の目的は、従来にない高感度、高解像性及
び優れたプロセス適性を有する、高エネルギー線用ポジ
型レジスト材料を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
一部の水酸基の水素原子がt─ブトキシカルボニル基で
置換されたポリ(ヒドロキシスチレン)樹脂a、溶解阻
害剤b及びオニウム塩cを、夫々重量分率で0.55≦
a、0.07≦b≦0.40、0.005≦c≦0.1
5並びにa+b+c=1となるように含有すると共に、
アルカリ水溶液で現像することが可能な、高エネルギー
線に感応するポジ型レジスト材料であって、前記溶解阻
害剤bが、水酸基の少なくとも1部について、その水素
原子をt−ブトキシカルボニル基で置換したフェノール
フタレン及び/又はその低級アルキル誘導体であると共
に、前記オニウム塩cが一般式(R)n AMで表される
オニウム塩であることを特徴とするポジ型レジスト材料
によって達成された。上記の一般式におけるRは芳香族
基又は置換芳香族基であり、各Rは同じであっても異な
っても良い。また、Aはスルホニウム又はヨードニウム
であり、Mはp─トルエンスルホネート基又はトリフル
オロメタンスルホネート基である。
【0019】上記オニウム塩の具体例としては、(C6
5 3 +-3 SCF3 、(C65 SC6 4
(C6 5 2 +-3 SCF3 、(C6 5 2 +-
3 SCF3 、(CH3 OC6 4 )(C6 5 2
+-3 SCF3 及び〔(CH33 ─C6 5 2 +-
3 SCF3 で各々表されるトリフルオロメタンスルホ
ネート基を有するオニウム塩、又はこれら中のトリフル
オロメタンスルホネート基がp─トルエンスルホネート
基で置換されたもの〔例えば、(C6 5 3 +-3
SC6 4 CH3 、(C6 5 SC6 4 )(C
6 5 2 +-3 SC6 4 CH3 、(C6 5 2
+-3 SC6 4 CH3 、(CH3 OC6 4)(C
6 5 2 +-3 SC6 4 CH3 及び〔(CH3
3 ─C6 5 2+-3 SC6 4 CH3 )で各々表
されるp─トルエンスルホネート基を有するオニウム
塩〕等が挙げられる。
【0020】一般に、ポジ型レジスト材料に用いられる
オニウム塩は、塗布時に用いられるジグライム、エチル
セロソルブアセテート、乳酸エチル或いはメトキシ─2
─プロパノール等の溶媒に対する溶解性が良いものであ
ること、用いる樹脂(ベースポリマー)や溶解阻害剤と
の相溶性が優れているものであること、及び、レジスト
塗布基板を露光する際の露光部が完全に溶解する前に、
ネガ型に反転しないものであることが好ましい。
【0021】このような溶解性や相溶性の観点からは、
パラトルエンスルホネート系のオニウム塩を用いたポジ
型レジスト材料の方がトリフルオロメタンスルホネート
系のオニウム塩を用いたものより優れているものの、レ
ジスト材料の感度の観点からはトリフルオロメタンスル
ホネート系を用いたものの方が優れている。その一方、
トリフルオロメタンスルホネート系のものを用いたもの
はネガ型に反転し易い。
【0022】以上のような観点から、前記のオニウム塩
cの中でも、樹脂aと共に用いるオニウム塩cとしては
ジフェニル(p−メトキシフェニル)スルホニウムトリ
フルオロメタンスルホネート、フェニル(p−メトキシ
フェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネー
ト、ジフェニル(p−チオフェノキシフェニル)スルホ
ニウム−p−トルエンスルホネート、ジフェニル(p−
メトキシフェニル)スルホニウム−p−トルエンスルホ
ネート及びフェニル(p−メトキシフェニル)ヨードニ
ウムp−トルエンスルホネートが好適である。
【0023】因みに、上記のオニウム塩cは、結晶性で
あり、容易に再結晶させることによって精製することが
できる上ジグライム等のレジスト塗布用溶媒に対する溶
解性にも優れるものである。レジスト材料中のオニウム
塩の含有量は、0.5〜15重量%の範囲であることが
好ましい。含有量が0.5重量%未満ではレジスト材料
の感度を向上させることができず、15重量%以上で
は、レジスト材料のコストが上昇する上レジスト膜の機
械的強度が低下する。
【0024】本発明で使用する溶解阻害剤bとしては、
パタンがポジ型からネガ型へ反転するのを防止する観点
から、水酸基の少なくとも1部について、その水素原子
がt−ブトキシカルボニル基で置換されたフェノールフ
タレン及び/又はその低級アルキル誘導体が好ましい。
本発明で使用する溶解阻害剤bの具体例としては、ジ−
t−ブトキシカルボニルオキシフェノールフタレイン、
ジ−t−ブトキシカルボニルオキシクレゾールフタレイ
ン、ジ−t−ブトキシカルボニルオキシチモールフタレ
イン及びジ−t−ブトキシカルボニルオキシフルオレセ
イン等が挙げられる。
【0025】尚、上記の、水酸基の水素原子をt−ブト
キシカルボニル基で置換することは、後記するポリ(ヒ
ドロキシスチレン)における水酸基の水素原子をt−ブ
トキシカルボニル基で置換する方法と同様の方法によっ
て容易に行うことができる。レジスト材料中の溶解阻害
剤bの含有量は、7〜40重量%の範囲であることが好
ましい。含有量が7重量%未満では溶解阻害効果が小さ
く、40重量%以上ではレジスト膜の機械強度や耐熱性
が低下する。
【0026】水酸基の少なくとも1部について、その水
素原子がt─ブトキシカルボニル基で置換されたポリヒ
ドロキシスチレン樹脂aとしては、t─ブトキシカルボ
ニル基の置換率が10〜50モル%の範囲のものが好ま
しい。置換率が50モル%以上ではアルカリ水溶液への
溶解性が低下するために、一般に使用されている現像液
を用いて現像する場合には、レジスト材料の感度が低下
する。一方、置換率が10モル%以下では溶解阻害効果
が小さい。
【0027】用いるポリヒドロキシスチレンの重量平均
分子量は、耐熱性のレジスト膜を得るという観点から、
1万以上であることが好ましく、又精度の高いパタンを
形成させるという観点から、分子量分布は単分散性であ
ることが好ましい。ラジカル重合で得られるような、分
子量分布の広いポリヒドロキシスチレンを用いた場合に
は、レジスト材料中に、アルカリ水溶液に溶解し難い大
きい分子量のものまで含まれることとなるため、これが
パタン形成後の裾ひきの原因となる。従って、リビング
重合によって得られるような単分散性のポリヒドロキシ
スチレンを使用することが好ましい。
【0028】因みに、本発明において、リビング重合に
よって得られたポリヒドロキシスチレン(例えば、平均
分子量が1万で分子量分布が1.1のもの)を用いたレ
ジスト材料を使用して、0.2μmのラインとスペース
のパタンを形成させた場合には、裾ひきがなく良好な精
度のパタンを形成することができる。また、このように
して得られたパタンを150℃で10分間ベークして
も、パタンに何の変形も認められず、耐熱性が十分であ
る。
【0029】一方、ラジカル重合で得られたポリヒドロ
キシスチレン(例えば、平均分子量が1.2万で分子量
分布が3.0のもの)を用いたレジスト材料を使用し
て、0.5μmのラインとスペースのパタンを形成させ
た場合には、パタンの耐熱性は略同等であるものの、裾
ひきが見られるので、とても0.2μmの解像度は得ら
れない。
【0030】尚、単分散性とは分子量分布がMw/Mn
=1.05〜1.50であることを意味する。但し、M
wは高分子の重量平均分子量、Mnは数平均分子量であ
る。重量平均分子量は、リビング重合させる場合にあっ
てはモノマーの重量と開始剤のモル数から計算すること
により、又は光散乱法を用いて容易に求められる。ま
た、数平均分子量は膜浸透圧計を用いて、容易に測定さ
れる。
【0031】分子量分布の評価は、ゲルパーミェーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)によって行うことがで
き、分子構造は赤外線吸収(IR)スペクトル又は1
─NMRスペクトルによって容易に確認することができ
る。単分散性のポリマーは、第1に、ラジカル重合法に
よって得られる広い分子量分布を有するポリマーを分別
処理する方法、第2に、リビング重合法により当初から
単分散のポリマーを得る方法、によって得られるが、単
分散化する工程が簡易であることから、リビング重合法
を採用することが好ましい。
【0032】p−ヒドロキシスチレンモノマーをそのま
まリビング重合させようとしても、モノマーの水酸基と
重合開始剤とが反応してしまうので重合を開始しない。
そこで、該水酸基を保護する保護基を導入したモノマー
をリビング重合させた後、該保護基を脱離させて目的の
パラヒドロキシスチレンを得る手法が用いられる。用い
られる保護基としては、第三級ブチル基、ジメチルフェ
ニルカルビルメチルシリル基、第三級ブトキシカルボニ
ル基、テトラヒドロピラニル基、第三級ブチルジメチル
シリル基等が挙げられる。
【0033】例えば、下記化1又は化2で表されるモノ
マーをリビングアニオン重合させた後、ジメチルフェニ
ルカルビルジメチルシリル基又はt−ブチル基を脱離さ
せることにより容易に得ることができる。
【化1】
【化2】
【0034】上記リビングアニオン重合に際しては、重
合開始剤として、有機金属化合物を用いることが好まし
い。好ましい有機金属化合物としては、例えばn−ブチ
ルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチ
ルリチウム、ナトリウムナフタレン、アントラセンナト
リウム、α−メチルスチレンテトラマージナトリウム、
クミルカリウム、クミルセシウム等の有機アルカリ金属
化合物等が挙げられる。
【0035】リビングアニオン重合は、有機溶媒中で行
われることが好ましい。この場合に用いられる有機溶媒
は芳香族炭化水素、環状エーテル、脂肪族炭化水素等の
溶媒であり、これらの具体例としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テト
ラヒドロピラン、ジメトキシエタン、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン等が挙げられる。
【0036】これらの有機溶媒は単独で使用しても混合
して使用しても良いが、特にテトラヒドロフランを使用
することが好ましい。重合に際するモノマーの濃度は1
〜50重量%、特に1〜30重量%が適切であり、反応
は高真空下又はアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下
で攪拌して行うことが好ましい。
【0037】反応温度は−100℃乃至使用した有機溶
媒の沸点温度までの範囲で任意に選択することができ
る。特にテトラヒドロフラン溶媒を使用した場合には−
78℃〜0℃、ベンゼン溶媒を使用した場合には室温で
反応させることが好ましい。上記の如き条件で約10分
〜7時間反応を行うことにより、ビニル基のみが選択的
に反応して重合し、下記化3又は化4で表されるポリマ
ーを得ることができる。
【0038】
【化3】
【化4】
【0039】所望の重合度に達した時点で、例えばメタ
ノール、水、メチルブロマイド等の重合反応停止剤を反
応系に添加して重合反応を停止させることにより、所望
の分子量を有するリビングポリマーを得ることができ
る。更に、得られた反応混合物を適当な溶剤(例えばメ
タノール)を用いて沈澱せしめ、洗浄・乾燥することに
よりリビングポリマーを精製・単離することができる。
【0040】重合反応においては、モノマーが100%
反応するので生成するリビングポリマーの収量は略10
0%である。従って、モノマーの使用量と反応開始剤の
モル数を調整することにより、得られるリビングポリマ
ーの分子量を適宜調整することができる。このようにし
て得られたリビングポリマーの分子量分布は単分散性
(Mw/Mn=1.05〜1.50)である。
【0041】更に、化3又は化4で表されるポリマーの
ジメチルフェニルカルビルジメチルシリル基又はt−ブ
チル基が結合するエーテル結合を切断することによっ
て、下記化5で表されるポリ(p−ヒドロキシスチレ
ン)を得ることができる。
【化5】
【0042】上記のエーテル結合を切断する反応は、化
3又は化4で表されるポリマーをジオキサン、アセト
ン、アセトニトリル、ベンゼン等の溶媒又はこれらの混
合溶媒に溶解した後、塩酸、臭化水素酸又はパラトルエ
ンスルホン酸ピリジニウム塩等の酸を滴下することによ
って容易に行うことができる。上記の反応においては、
ポリマーの主鎖が切断されたり分子間に架橋反応が生じ
るということがないので、得られるポリ(p−ヒドロキ
シスチレン)は単分散性である。
【0043】ポリ(ヒドロキシスチレン)における水酸
基の水素原子をt−ブトキシカルボニル基に置換するこ
とは、一般にペプチド合成で良く用いられる官能基を保
護する方法、即ち、ピリジン溶液中でポリ(ヒドロキシ
スチレン)を二炭酸ジ−t−ブチルと反応させることに
よって容易に達成される。本発明のレジスト材料を用い
て基板にパタンを形成することは、以下の方法によって
容易に行うことができる。即ち、レジスト材料溶液を基
板上にスピン塗布した後、プリベークを行って塗布基板
を得る。
【0044】得られた塗布基板に高エネルギー線を照射
すると、塗布膜中の酸発生剤が分解して酸が生成する。
次いで、該基板を露光した後熱処理を行うと、生成した
酸を触媒としてt─ブトキシカルボニルオキシ基が分解
し、レジストの溶解阻害効果が消失することによって潜
像が形成された基板が得られる。次に、該潜像を有する
基板をアルカリ水溶液で現像処理し、水洗することによ
ってポジ型パタンを形成することができる。次に、本発
明で使用することができる単分散性ポリ(ヒドロキシス
チレン)の合成方法について述べる。
【0045】合成例1単分散性ポリ(p─ヒドロキシスチレン)の合成 反応器に、イミダゾールと共に溶媒としてジメチルホル
ムアミドを仕込み、p─ヒドロキシスチレン及びそれと
等モルのジメチルフェニルカルビルジメチルクロロシラ
ンを添加し、室温下で6時間反応させた。
【0046】得られた反応生成物を減圧蒸留し、0.1
mmHgの圧力下における沸点が130℃のp─ビニル
フェノキシジメチルフェニルカルビルジメチルシラン
(モノマー)を、70%の収率で得た。上記のようにし
て得たモノマーをCaH2 の存在下で更に蒸留した後、
ベンゾフェノンナトリウムを用いて精製し、水分等の不
純物を除去したモノマーを得た。
【0047】ポリ(p─ビニルフェノキシジメチルフェ
ニルカルビルジメチルシラン)の合成 1リットルのフラスコに、溶媒としてテトラヒドロフラ
ンを550ml、及び重合開始剤としてn−ブチルリチ
ウムを8.5×10-4モル仕込み、−78℃に冷却した
後、既に合成したp─ビニルフェノキシジメチルフェニ
ルカルビルジメチルシランモノマー30g(50mlの
テトラヒドロフランに溶解して−78℃に冷却したも
の)を添加し、リビング重合反応を1時間行わせたとこ
ろ、溶液は赤色を呈した。
【0048】所望の重合度に達したことを確認した後、
反応溶液にメタノールを添加してリビング重合反応を終
了させた。次に、得られた反応混合物をメタノール中に
注いで重合体を沈澱させ、分離・乾燥して白色の重合体
24.5gを得た。得られた重合体の1 H−NMRを測
定したところ、表1の通りであり、該重合体は、スチレ
ン部のビニル基のみが反応し、ジメチルフェニルカルビ
ルジメチルシリル基に活性末端が反応せずに残ってい
る、ポリ(p─ビニルフェノキシジメチルフェニルカル
ビルジメチルシラン)であることが確認された。
【0049】
【表1】 尚、膜浸透圧測定法によって測定した数平均分子量は1
1,000g/モルであった。
【0050】ポリ(p─ヒドロキシスチレン)の合成 合成したポリ(p─ビニルフェノキシジメチルフェニル
カルビルジメチルシラン)20gをアセトン250ml
に溶解し、少量の塩酸を60℃で添加して6時間攪拌し
た後、該溶液を水中に注いで重合体を沈澱させ、洗浄
し、分離・乾燥してポリマー8gを得た。GPC溶出曲
線(図1)から得られたポリマーの分子量分布(Mw/
Mn)は1.10であり、該ポリマーの単分散性が極め
て高いことが確認された。
【0051】更に、得られたポリマーの1 H─NMRス
ペクトルにおいては、ジメチルフェニルカルビルジメチ
ルシリル基に由来するピークが消失した。これらの結果
から、得られたポリマーが、単分散性のポリ(p─ヒド
ロキシスチレン)であることが確認された。尚、得られ
たポリマーの膜浸透圧測定法による数平均分子量は1.
4×104g/モルであった。
【0052】合成例2単分散性ポリ(p─ヒドロキシスチレン)の合成 ポリ(p─t─ブトキシスチレン)の合成 2リットルのフラスコに、溶媒としてテトラヒドロフラ
ンを1,500ml、及び重合開始剤としてn─ブチル
リチウム4×10-3モルを仕込み、−78℃に冷却し、
次いで、CaH2 の存在下で蒸留した後ベンゾフェノン
ナトリウムを用いて精製し、水分等の不純物を除去した
p−t−ブトキシスチレンモノマー80g(50mlの
テトラヒドロフランに溶解して−78℃に冷却したも
の)を添加し、リビング重合反応を2時間行わせた他は
合成例1と全く同様にして、白色の重合体80gを得
た。
【0053】得られた重合体の1 H−NMRを測定した
ところ、得られた重合体は、スチレン部分のビニル基の
みが反応し、エーテルに結合しているt−ブチル基に活
性末端が反応せずに残っている、ポリ(p−t−ブトキ
シスチレン)であることが確認された。
【0054】ポリ(p−ヒドロキシスチレン)の合成 上記のように合成したポリ(p−t−ブトキシスチレ
ン)12gをアセトン250mlに溶解し、少量の塩酸
を60℃で添加して8時間攪拌した後、該溶液を水中に
注いで重合体を沈澱させ、洗浄し、分離・乾燥してポリ
マー8gを得た。GPC溶出曲線(図2)から得られた
ポリマーの分子量分布(Mw/Mn)は1.08であ
り、該ポリマーの単分散性が極めて高いことが確認され
た。
【0055】得られたポリマーの1 H−NMRスペクト
ルにおいては、t−ブチル基に由来するピークが消失し
た。これらの結果から、得られたポリマーは、極めて単
分散性の高いポリ(p−ヒドロキシスチレン)であるこ
とが確認された。尚、得られたポリマーの膜浸透圧測定
法による数平均分子量は5×104 g/モルであった。
【0056】合成例3ポリ(p−ヒドロキシスチレン)に対するt−ブトキシ
カルボニル基の導入 反応容器に、ピリジン40mlを仕込み、合成例1で合
成したポリ(p−ヒドロキシスチレン)5gを添加して
溶解し、攪拌しながら45℃で二炭酸ジ−t−ブチル1
g(約22モル%)を添加し、窒素気流中で1時間反応
させた。尚、二炭酸ジ−t−ブチルを添加すると同時に
ガスが発生した。
【0057】得られた反応液を濃塩酸20gを含有する
1リットルの水溶液中に滴下してポリマーを沈澱させ、
濾過して白色の生成物を得た。得られた生成物をアセト
ン50mlに溶解した後、1リットルの水中に滴下し、
ポリマーを沈澱させた後濾過し、更に40℃以下で真空
乾燥してt−ブトキシカルボニル基を導入したポリ(p
−ヒドロキシスチレン)を得た。
【0058】得られたポリ(p−ヒドロキシスチレン)
1 H−NMRスペクトルにおける脂肪族プロトンと芳
香族プロトンの面積比から、ポリ(p−ヒドロキシスチ
レン)に対するt−ブトキシカルボニル基の導入率が1
9.6%であることが確認された。
【0059】
【発明の効果】本発明のポジ型レジスト材料は、高エネ
ルギー線に対する感度が高く、特に波長の短い遠紫外線
(KrFエキシマレーザー等)に対する感度が高い上、
該遠紫外線の吸収が少ないので、LSI等に用いられる
基板の微細加工に好適なレジスト材料である。また、本
発明のポジ型レジスト材料は、金属元素を含まず、露光
後の経時依存性が少ない上化学増幅過程で水分を必要と
しないので、LSI等に用いられる基板の、高エネルギ
ー線による微細加工プロセスに極めて好適なポジ型レジ
スト材料である。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、実施例1〜29中のベース樹脂には、合成例3で得
られたtーブトキシカルボニル基の導入率が20モル%
のポリ(p−ヒドロキシスチレン)、実施例30〜39
ではt─ブトキシカルボニル基の導入率が40モル%の
ポリヒドロキシスチレン、実施例40〜41では合成例
2で得られたポリ(p−ヒドロキシスチレン)にt−ブ
トキシカルボニル基を20モル%(実施例40)及び4
0モル%(実施例41)導入した樹脂を各々用いた。
【0061】実施例1. ベース樹脂 81重量部 t−ブトキシカルボニル化したクレゾールフタレン(t−ブトキシカルボニル 化率が20モル%であるもの) 14重量部 ジフェニル(p−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホ ネート 5重量部 酢酸エトキシエチル 400重量部 を混合したレジスト溶液を、シリコーン基板上に2,0
00回転/分でスピン塗布し、ホットプレート上で85
℃で1分間プリベークしてレジスト膜の厚さが0.7μ
mのレジスト塗布基板を得た。
【0062】得られた塗布基板の塗布側にKrFエキシ
マレーザー(波長248nm)を用いて描画した後、熱
処理を85℃で2分間行った。次いで、テトラメチルア
ンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.4重量%の水
溶液を用いて1分間現像を行い、30秒間水洗して、パ
タンが形成されたシリコーン基板(パタン基板)を得
た。得られた基板のパタンはポジ型の特性を示し、レジ
スト膜のD0 感度は30mJ/cm2 であった。
【0063】また、KrFエキシマレーザーに代えて3
0kvの電子線を用いた場合には、レジスト膜の電子線
感度は3.6μC/cm2 であった。更に描画後の熱処
理を85℃で5分間とした場合の電子線感度は2.5μ
C/cm2 であった。得られたパタンは、KrFエキシ
マレーザーを用いた場合のものでは、ラインとスペース
のパタン及びホールパタンの解像度が夫々0.25μm
である上、垂直な側壁を有するパタンであった。また、
電子線を用いた場合のパタンの解像度は0.2μmであ
った。
【0064】尚、用いたベース樹脂のプリベーク前にお
ける現像液に対する溶解速度を測定したところ70nm
/秒であり、プリベーク後の樹脂の溶解速度は、未露光
部では、0.5nm/秒、露光部では熱処理後で7nm
/秒であった。溶解阻害剤を添加しすることによって、
溶解速度が140分の1に低下することが判明した。
【0065】実施例2.実施例1で使用したt─ブトキ
シカルボニル化したクレゾールフタレンに代えて、t─
ブトキシカルボニル化したフェノールフタレイン(t−
ブトキシカルボニル化率が20モル%であるもの)を用
いた他は、実施例1と全く同様にしてレジスト溶液を調
製し、パタン基板を作製して評価した。
【0066】この結果、KrFエキシマレーザー感度は
30mJ/cm2 、電子線感度は3.6μC/cm2
あった。尚、プリベーク前の未露光時の溶解速度は約
0.5nm/秒であった。また、KrFエキシマレーザ
ーを用いた場合には垂直な側壁を有するパタンを形成す
ることができること、及び解像度等についての性能は実
施例1の場合と同様であることが確認された。
【0067】実施例3〜15.実施例1で使用したジフ
ェニル(p─メトキシフェニル)スルホニウムトリフル
オロメタンスルホネートに代えて、表2で示したオニウ
ム塩を使用した他は実施例1と全く同様にしてレジスト
溶液を調製し、パタン基板を作製し、実施例1と全く同
様にして電子線を用いた場合のレジスト特性を評価し
た。結果は表2に示した通りである。トシレート系より
もトリフルオロメタンスルホネート系の方が高感度であ
ったが、トシレート系の場合は描画後の熱処理温度を高
くすることにより、解像性を低下させることなく感度を
向上させることが出来た。尚、解像性については、いず
れの場合も0.2μmの解像度が得られることを確認す
ることができた。
【0068】実施例16〜29 実施例1でオニウム塩として使用したジフェニル(p−
メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンス
ルホネートに代えて、表3に示したオニウム塩を使用し
た他は、実施例1と全く同様にしてKrFエキシマレー
ザーを用いた場合のレジスト特性を評価した。結果は表
3に示した通りであり、電子線の場合と同様に、トシレ
ート系の場合よりもトリフルオロメタンスルホネート系
の場合の方が高感度であった。解像性については、いず
れの場合も0.25μmの解像度が得られることを確認
することができた。
【0069】実施例30〜39 ベース樹脂、ジ−t−ブトキシカルボニルオキシクレゾ
ールナフタレン(溶解阻害剤)及びジフェニル(p−メ
トキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスル
ホネート(オニウム塩)を用い、成分分率を表4で示し
たように変えた他は、実施例1と全く同様にしてレジス
ト溶液を調製し、パタン基板を作製してKrFエキシマ
レーザーを用いた場合のレジスト特性を評価した。結果
は表4に示した通りである。
【0070】尚、露光後の熱処理は85℃で2分間行
い、現像は2.4%TMAH水溶液を用いて1分間行っ
た。この結果から、t─ブトキシカルボニル基の導入率
が40モル%のベース樹脂を用いた場合には、アルカリ
水溶液に対する溶解性が低下するために、レジスト感度
が相対的に低下することが判明した。
【0071】また、t─ブトキシカルボニル基の導入率
が20モル%のベース樹脂を用いた場合のものに比べ、
パターンの上部の形状が矩形に近いものであった。電子
線を用いて描画した場合には、0.2μm以下のパター
ンを解像することができた。尚、用いたベース樹脂のプ
リベーク前における現像液に対する溶解速度は8nm/
秒であった。
【0072】実施例40〜41.実施例1で用いたベー
ス樹脂に代えて、合成例2で得られたポリ(p−ヒドロ
キシスチレン)にt−ブトキシカルボニル基を20モル
%を導入した樹脂(実施例40)及び40モル%(実施
例41)導入した樹脂を各々用いた他は、実施例1と全
く同様にしてレジスト溶液を調製し、パタン基板を作製
して評価した。この結果、KrFエキシマレーザー感度
は、実施例40の場合のものでは100mJ/cm2
実施例41の場合のものでは90mJ/cm2 であり、
電子線感度は何れの場合も8μC/cm2 であった。
【0073】KrFエキシマレーザーを用いて描画した
場合は、ラインとスペースのパタン及びホールパタンに
ついて、0.2μmを解像することができ、得られたパ
タンは垂直な側壁を有するものであった。また、電子線
を用いて描画した場合には、0.2μmのパタンを解像
することができた。尚、以上の実施例において、合成例
1で得られたポリ(p−ヒドロキシスチレン)を用いた
場合のパタンと合成例2で得られたポリ(p−ヒドロキ
シスチレン)を用いた場合のパタンとを比較したとこ
ろ、これらのポリマーに基づく解像性の相違は認められ
なかった。
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1で合成したポリマーのGPC溶出曲線
である。
【図2】合成例2で合成したポリマーのGPC溶出曲線
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/029 H01L 21/027 (72)発明者 渡辺 淳 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 信越化学工業株式会社コーポレートリサ ーチセンター内 (72)発明者 高見沢 稔 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 信越化学工業株式会社コーポレートリサ ーチセンター内 (72)発明者 田中 啓順 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 河合 義夫 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 松田 維人 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一部の水酸基の水素原子がt─ブトキシ
    カルボニル基で置換されたポリ(ヒドロキシスチレン)
    樹脂a、溶解阻害剤b及びオニウム塩cを、夫々重量分
    率で0.55≦a、0.07≦b≦0.40、0.00
    5≦c≦0.15並びにa+b+c=1となるように含
    有すると共に、アルカリ水溶液で現像することが可能
    な、高エネルギー線に感応するポジ型レジスト材料であ
    って、前記溶解阻害剤bが、水酸基の少なくとも1部に
    ついて、その水素原子をt−ブトキシカルボニル基で置
    換したフェノールフタレン及び/又はその低級アルキル
    誘導体であると共に、前記オニウム塩cが一般式(R)
    n AMで表されるオニウム塩であることを特徴とするポ
    ジ型レジスト材料;但し、一般式中、Rは芳香族基又は
    置換芳香族基であり、各Rは同じであっても異なっても
    良い。また、Aはスルホニウム又はヨードニウムであ
    り、Mはp─トルエンスルホネート基又はトリフルオロ
    メタンスルホネート基である。
  2. 【請求項2】ポリ(ヒドロキシスチレン)が、リビング
    重合反応により得られる、単分散性ポリ(ヒドロキシス
    チレン)である請求項1に記載のポジ型レジスト材料。
  3. 【請求項3】溶解阻害剤bが、ジ−t−ブトキシカルボ
    ニルオキシフェノールフタレイン、ジ−t−ブトキシカ
    ルボニルオキシクレゾールフタレイン、ジ−t−ブトキ
    シカルボニルオキシチモールフタレイン又はジ−t−ブ
    トキシカルボニルオキシフルオレセインの中から選択さ
    れる少なくとも1種である請求項1又は2に記載のポジ
    型レジスト材料。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0701171A1 (en) * 1993-04-15 1996-03-13 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Resist compositions
WO2002092559A1 (fr) * 2001-05-11 2002-11-21 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. Sels de triphenylsulfonium fluores

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0701171A1 (en) * 1993-04-15 1996-03-13 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Resist compositions
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