JP2937248B2 - ポジ型レジスト材料 - Google Patents

ポジ型レジスト材料

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JP2937248B2
JP2937248B2 JP4060955A JP6095592A JP2937248B2 JP 2937248 B2 JP2937248 B2 JP 2937248B2 JP 4060955 A JP4060955 A JP 4060955A JP 6095592 A JP6095592 A JP 6095592A JP 2937248 B2 JP2937248 B2 JP 2937248B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠紫外線、電子線やX
線等の高エネルギー線に対して高い感度を有し、アルカ
リ水溶液で現像することによりパタンを形成できる、微
細加工技術に適したポジ型レジスト材料に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIの高集積化と高速度化に伴い、パ
タンルールの微細化が求められているが、現在汎用技術
として用いられている光露光では、光源の波長に由来す
る本質的な解像度の限界に近付きつつある。g線(43
6nm)若しくはi線(365nm)を光源とする光露
光では、おおよそ0.5μmのパタンルールが限界とさ
れており、これを用いて製作したLSIの集積度は、1
6MビットDRAM相当までとなる。しかし、LSIの
試作は既にこの段階にまできており、更なる微細化技術
の開発が急務となっている。このような背景により、次
世代の微細加工技術として遠紫外線リソグラフィが有望
視されている。遠紫外線リソグラフィは、0.3μm以
下の加工も可能であり、光吸収の小さいレジストを用い
た場合、基板に対して垂直に近い側壁を有するパタンの
形成が可能である。また、一括にパタンを転写すること
ができるために、電子線リソグラフィよりもスループッ
トの点で有利である。近年、遠紫外線の光源として高輝
度なKrFエキシマレーザを利用する段になり、量産技
術として用いられるには、光吸収が小さく、そして高感
度なレジスト材料が要望されている。近年開発された、
酸を触媒として化学増幅( chemical amplification )
を行うレジスト材料〔例えば、リュー( Liu )ら、ジャ
ーナル オブ バキュームサイエンス アンド テクノ
ロジー( J. Vac. Sci. Technol.) 、第B6巻、第37
9頁(1988)〕は、従来の高感度レジストと同等以
上の感度を有し、しかも解像性が高く、ドライエッチン
グ耐性も高い、優れた特徴を有する。そのため、遠紫外
線リソグラフィには特に有望なレジスト材料である。ネ
ガ型レジストとしてはシプリー( Shipley )社が、ノボ
ラック樹脂とメラミン化合物と酸発生剤からなる3成分
化学増幅レジスト(商品名SAL601ER7)を既に
商品化している。しかし、化学増幅系のポジ型レジスト
はいまだ商品化されたものはない。LSIの製造工程
上、配線やゲート形成などはネガ型レジストで対応でき
るが、コンタクトホール形成は、ネガ型レジストを用い
たのではカブリやすいために微細な加工はむずかしく、
ポジ型レジストがはるかに適している。そのため、高性
能なポジ型レジストが強く要望されている。従来、イト
ー( Ito )らは、ポリヒドロキシスチレンのOH基をt
−ブトキシカルボニル基(tBoc基)で保護したPB
OCSTという樹脂に、酸発生剤を加えてポジ型の化学
増幅レジストを開発している。しかし、用いている酸発
生剤は金属成分としてアンチモンを含む〔参考文献:ポ
リマース イン エレクトロニクス、ACS シンポジ
ウム シリーズ( Polymers in Electronics,ACS
Symposium Series )第242回(アメリカ化学会、ワシ
ントン DC.1984)、第11頁〕。基板への汚染
を避けるために、一般的には、レジスト材料中の金属成
分は嫌われる。そのためにPBOCSTレジストはプロ
セス上好ましいものではない。上野らはポリ(p−スチ
レンオキシテトラヒドロピラニル)を主成分とし、酸発
生剤を加えた遠紫外線ポジ型レジストを発表している
(参考:第36回応用物理学会関連連合講演会、198
9年、1p−k−7)。しかし、本発明者らの検討によ
れば、この材料系は遠紫外線、電子線やX線に対しては
ポジネガ反転しやすかった。以上のような、OH基を保
護基で保護した樹脂と酸発生剤からなる2成分系ポジ型
レジストでは、現像液に溶解するようになるためには、
多くの保護基を分解する必要がある。その際に、膜厚変
化や膜内の応力あるいは気泡の発生等を引起こす可能性
が高い。化学増幅ポジ型レジストとしては、機能をより
分化させた3成分系、すなわち、アルカリ可溶性樹脂、
溶解阻害剤、酸発生剤からなる材料系の方が、酸が分解
すべき溶解阻害剤の量が少量でよいため、上述のような
膜厚変化や気泡発生等をより少なくすることが可能であ
り、精密な微細加工にはより有用と推定される。3成分
ポジ型レジストとしては、ヘキスト社がノボラック樹脂
に溶解阻害剤としてアセタール化合物を添加し、更に酸
発生剤を添加したレジスト材料−RAY/PF−をX線
リソグラフィ用に開発している。RAY/PFは室温で
化学増幅を行うために、レジスト感度はX線露光後の放
置時間に著しく依存する。実用に供するに当っては、露
光と現像の工程間の時間を定常的に厳密制御することに
は困難が伴うため、パタンの寸法制御性がむずかしい材
料と推定される。また、KrFエキシマレーザの露光波
長(248nm)での光吸収が大きいという問題点があ
った。一般に化学増幅を行うためには、露光後熱処理
( post exposure baking ; PEB)を必要とするもの
が多い。レジストプロセス工程は室温放置で化学増幅を
行う材料系よりも1工程増えるものの、露光と現像の間
の時間制御が緩くて良くなるため、レジスト特性の制御
がより容易であるという特徴がある。また、化学増幅過
程で加水分解を行う系では、加水分解反応に水を必要と
するので、レジスト材料中に水分を含んでいることが必
要となる。一般に、レジスト材料の塗布溶媒には酢酸エ
トキシエチルのような、水と混合しない有機溶媒を用い
ることが多く、レジストの樹脂自身も水と相溶しにくい
材料が多い。このような材料系に水を所定量混合させる
ことは容易ではなく、また、混合させることができるに
しても、制御すべき成分が増えることになるので、系が
より複雑になり好ましいものではない。一方、tBoc
基の分解反応は、tBoc基と触媒である酸の2成分で
反応が進み、第3成分としての水を必要としないため、
反応が単純であり、化学増幅に利用するには好都合であ
る。tBoc化した化合物の多くが、ノボラック樹脂の
溶解性を阻害する効果を有し、tBoc基が溶解阻害能
を発現させるのに有用であることは知られている。シュ
レゲル( Schlegel ) らはノボラック樹脂と、ビスフェ
ノールAをtBoc化した溶解阻害剤と、ピロガロール
メタンスルホン酸エステルからなる3成分ポジ型レジス
トを発表している(1990年春季 第37回応用物理
学会関連連合講演会 28p−ZE−4)。シュウォー
ム( Schwalm )らは、溶解阻害剤と酸発生剤を組合せた
材料として、ビス(p−t−ブトキシカルボニルオキシ
フェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート
を開発している〔ポリマー フォア マイクロエレクト
ロニクス( Polymer for Microelectronics ) (東京、
1989)、セッションA38〕。これをノボラック樹
脂と混合して遠紫外線用ポジ型レジストとしている。し
かし、この材料系は金属を含む点及びノボラック樹脂の
光吸収が大きいので実用上好ましいものではない。熊田
らは、光吸収の小さいポリヒドロキシスチレンの一部を
tBoc基で置換した樹脂をベースポリマーとし、溶解
禁止剤と酸発生剤を添加し遠紫外線用ポジ型レジストと
している(第40回高分子討論会2H−01,199
1、岡山)。しかし、この材料は、ポリヒドロキシスチ
レンの分子量分布が大きい、またtBoc基の置換率が
1種類の樹脂を使用しているため、KrFリソグラフィ
における0.3μm以下のパタンではデフォーカスマー
ジンが小さくなる問題があった。また、従来の化学増幅
系ポジ型レジストは、遠紫外線、電子線やX線でパタン
形成を行うと、パタンがオーバーハング状になりやすい
欠点を有していた。これは、レジスト表面の溶解性が低
下するためと推定される〔参考;K.G.チオン( K.
G. Chiong ) ら、ジャーナル オブ バキューム サイ
エンス アンド テクノロジー、第B7巻、(6)、第
1771頁(1989)〕。オーバーハング形状は、パ
タン寸法制御をむずかしくし、ドライエッチングを用い
た基板加工に際しても、寸法制御性を損ねる。また、パ
タン下部が細まるのでパタンの倒壊を招きやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
ノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレンをベース樹脂
とした、遠紫外線、電子線及びX線に感度を有する化学
増幅系ポジ型レジストは、従来数多く発表されている
が、いずれのものも問題点を含んでおり、いまだ実用に
供することがむずかしいのが現状である。本発明の目的
は、従来技術を上回る、高感度、高解像性、プロセス適
用性に優れた高エネルギー線露光用ポジ型レジスト材料
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明はポジ型レジスト材料に関する発明であって、ポリ
ヒドロキシスチレンの水酸基の一部がt−ブトキシカル
ボニルオキシ(以下、tBoc−O−と略記する)基で
置換された樹脂(A)、溶解阻害剤(B)、及び酸発生
剤(C)の3成分を含む、アルカリ水溶液で現像可能な
高エネルギー線感応ポジ型レジストにおいて、該ポリヒ
ドロキシスチレンの水酸基の一部がtBoc−O−基で
置換された樹脂(A)が置換率の異なった2種類以上の
樹脂から構成され、該溶解阻害剤(B)が1分子中に1
個以上のtBoc−O−基を含み、重量分率が、0.0
1≦B≦0.40、0.005≦C≦0.15、0.5
5≦A、A+B+C=1、であることを特徴とする。
【0005】酸発生剤(C)は下記一般式(化1)
【0006】
【化1】(R)n AM
【0007】(式中Rは同じでも異なってもよく芳香族
基あるいは置換芳香族基を示し、Aはスルホニウムある
いはヨードニウムを示し、Mはトリフルオロメタンスル
ホネート(+-3 SCF3 )、ヘキサフルオロホスフェ
ート(+-PF6 )、ヘキサフルオロアンチモネート(+-
SbF6 )、ヘキサフルオロアルセネート(+-As
6)を示す。また、nは正の整数で2あるいは3であ
る)で表されるオニウム塩あるいはハロゲン化メチルト
リアジン、テトラブロモビスフェノールA、ジニトロベ
ンジルエステル化合物、ピロガロールメタンスルホン酸
エステルなどの酸発生剤を使用できる。エチルセロソル
ブアセテート、乳酸エチル、1−メトキシ−2−プロパ
ノール等のレジストの塗布に好適な溶媒に対して溶解
性、反応性(感度)、酸の拡散(解像性)、製造の容易
さ、樹脂との相溶性などから、最適な酸発生剤が選定さ
れる。
【0008】従来、化学増幅レジスト用酸発生剤で最も
実用性のある酸発生剤は、芳香族スルホニウム塩である
とされている(参考;笈川ら、第37回応用物理学会関
連連合講演会、1990年、28p−PD−2)。しか
し、電子線やX線に対しては有効であったが、KrFリ
ソグラフィにおいてはレジスト底面での溶解性が低くパ
タン分離しにくい酸発生剤もあった。これは酸発生剤自
身の溶解阻害効果に起因するものと推定される。このた
め、露光するエネルギー線により最適な酸発生剤を選択
する必要がある。本発明者らは、有機の酸発生剤で、レ
ジスト塗布溶媒への溶解性が高く、ポリヒドロキシスチ
レン系樹脂とtBoc溶解阻害剤と酸発生剤の3成分か
らなるポジ型レジスト材料における酸発生剤としては、
(化1)においてRにメトキシ基などの置換基を有する
フェニル基を有するものが良好な特性を示すことを見出
した。
【0009】本発明のレジストにおける(化1)の含量
は0.5〜15wt%が好適である。0.5%未満でも
ポジ型のレジスト特性を示すが感度が低い。酸発生剤の
含量が増加すると、レジスト感度は高感度化する傾向を
示し、コントラスト(γ)は向上した。15%より多く
てもポジ型のレジスト特性を示すが、含量の増加による
更なる高感度化が期待できないこと、(化1)は高価な
試薬であること、レジスト内の低分子成分の増加はレジ
スト膜の機械的強度を低下させること、等により(化
1)の含量は15%以下が好適である。(化1)を用い
た、本発明によるところのレジスト材料は、溶解阻害剤
として、1分子中に1個以上のtBoc−O−基を含む
ことを必須とする。溶解阻害剤の含量は、1〜40wt
%がよい。1%未満では溶解阻害効果が小さく、40%
より多くては、レジストの機械的強度や耐熱性が低下す
る。従来、発表されているポジ型レジスト用溶解阻害剤
としてのtBoc化合物は、ビスフェノールAのOH基
をtBoc化した材料がほとんど唯一であった。しか
し、本発明者らは、鋭意検討した結果、フロログルシン
やテトラヒドロキシベンゾフェノン等をtBoc化した
ものでも溶解阻害剤として有用であることを見出した。
【0010】ベース樹脂としてノボラック樹脂を用いた
場合、KrFレーザ光での吸収が大きい問題があり、吸
収の小さいポリヒドロキシスチレンを使用することとし
たが、溶解阻害剤を添加したときの溶解阻害効果が小さ
い。これはポリヒドロキシスチレンの溶解性が高いため
であり、溶解性を制御するため、水酸基の一部をtBo
c基で置換したところ1桁以上の溶解阻害効果が得られ
た。しかしながら、tBoc−O−スチレン基で置換さ
れた樹脂(A)を1種類の樹脂とした場合、KrFリソ
グラフィにより0.30μm以下のライン&スペースパ
タンを厚さ1μmで形成するとき、パタン底面で分離解
像させるにはパタン表面の幅が小さくなるあるいは膜減
りを生じる問題があった。すなわち、パタン形状は三角
形となり、プロセスマージンを低下させる原因となって
いた。
【0011】この問題に対処するため、本発明者らが露
光部と未露光部の溶解速度比の向上を鋭意検討した結
果、tBoc−O−スチレンの置換率が一定の1種類の
樹脂を単独で使用するより置換率の異なった2種類以上
の樹脂を混合する方が、大きな溶解速度比が得られるこ
とを発見した。この理由は未露光部では置換率の高い樹
脂の影響により溶解阻害効果が大きくなり、逆に露光部
では置換率の低い樹脂の影響により溶解促進効果が大き
くなるためと推察される。この現象はこの樹脂特有の問
題と推定される。
【0012】本発明の置換率の異なった2種類以上の樹
脂を混合する方法により、KrFリソグラフィにより
0.25μm以下のライン&スペースパタンがレジスト
厚さ1μmで基板に対しほぼ垂直で形成することができ
た。また、デフォーカスマージンは0.3μmのライン
&スペースパタンで実用上問題のない1.5μmが可能
となった。置換率が一定の1種類の樹脂を単独で使用し
た場合、デフォーカスマージンは0.3μmのライン&
スペースパタンで僅か0.5μmであった。このことか
ら、本発明によりプロセスマージンが大幅に改善された
ことがわかる。
【0013】tBocの置換率が異なった2種類以上の
樹脂を混合する利点は上記のこと以外に樹脂のアルカリ
溶解性を容易に制御できることである。樹脂を単独で使
用する場合、樹脂のアルカリ溶解性はtBocの置換率
で一義的に決まるため、溶解性を制御するためにはtB
ocの置換率を精度よく制御する必要がある。しかしな
がら、置換率は製造条件、製造スケールにより大きく変
化するため、微細パタン形成用レジスト材料に要求され
る精度で製造することは非常に困難となる。本発明の場
合、置換率の異なった2つの樹脂の配合比を制御するこ
とにより容易に制御できる。
【0014】tBocの置換率は0から100%まで使
用することができ、現像液のアルカリ濃度に応じて、そ
の置換率、混合率を選択することができる。一般に使用
されている現像液を使用する場合、tBocの置換率は
50%以下が好ましい。置換率50%超の樹脂を使用す
るとアルカリ水溶液への溶解性が極度に低下するため、
表面に難溶化層が形成されレジストパタン形状がいわゆ
るTトップになり易い。このTトップパタンはリフトオ
フ用に使用できる。しかしながら、置換率が70%以上
になると、一般に使用されている現像液では感度が極度
に低下する。
【0015】ポリヒドロキシスチレンの重量平均分子量
は形成されたレジストパタンの耐熱性の観点から一万以
上であることが好ましいが、ラジカル重合で得られるも
のは分子量分布が大きいため、アルカリ水溶液に溶解し
にくい分子量の大きいものを含み、これはパタン形成後
の裾ひきの原因となる。このため、分子量は大きく、分
子量分布はできる限り小さい方が、高精度のパタン形成
に有利である。本発明ではリビング重合により得られる
ポリヒドロキシスチレン(分子量1.4万、分子量分布
1.1)を使用したところ、電子線描画で0.2μmラ
イン&スペースのパタンが裾ひきなく精度良く形成でき
た。しかも、耐熱性については、150℃で10分間ベ
ークしてもパタン変形は認められなかった。ラジカル重
合で得られた分子量1.2万のものは、分子量分布が
3.0であり、0.5μmライン&スペースのパタンで
もパタン裾ひきがみられた。
【0016】この様な狭分子量分布のポリマーを得る方
法は一般にラジカル重合法等で重合した広い分子量分布
を持ったポリマーを分別処理によって重合度毎に分別す
ることで狭分子量化する方法と、リビング重合法により
分子量規制して重合する方法が挙げられるが、前者の分
別法では工程の煩雑化、得率の低下を来してしまうた
め、リビング重合法が好適に用いられる。しかし本発明
のパラヒドロキシスチレンポリマーでは、パラヒドロキ
シスチレンモノマーをそのままリビング重合しようとす
ると、モノマーの水酸基と重合開始剤とが反応してしま
うので重合は進行しない。このために水酸基を保護する
保護基をつけたモノマーをリビング重合し、重合後に保
護基を脱離して目的のパラヒドロキシスチレンポリマー
を得る手法が用いられる。これらの保護基としては第三
級ブチル基、ジメチルフェニルカルビニルジメチルシリ
ル基、tBoc基、テトラヒドロピラニル基、第三級ブ
チルジメチルシリル基などが挙げられる。
【0017】これを具体的に述べると、本発明のレジス
ト材のベース樹脂である狭分散のポリヒドロキシスチレ
ンは、例えば構造式(化2)又は構造式(化3)
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】で示されるモノマーをリビング重合した
後、構造式(化2)ではジメチルフェニルカルビニルジ
メチルシリル基を脱離、構造式(化3)ではt−ブチル
基を脱離して得られる。上記のモノマーのリビング重合
には重合開始剤を用いるが、重合開始剤としては有機金
属化合物が用いられる。例えばn−ブチルリチウム、s
ec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ナトリウ
ムナフタレン、アントラセンナトリウム、α−メチルス
チレンテトラマージナトリウム、クミルカリウム、クミ
ルセシウム等の有機アルカリ金属等が挙げられる。
【0021】上記モノマーのリビング重合は、一般に、
有機溶媒中で行われる。この場合に用いられる有機溶媒
としては芳香族炭化水素、環状エーテル、脂肪族炭化水
素溶媒であり、これらの具体例としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テト
ラヒドロピラン、ジメトキシエタン、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン等が挙げられる。これらの有機溶媒はその
1種を単独で使用しても2種以上を組合せても良い。重
合に際するモノマーの濃度は1〜50重量%、特に1〜
30重量%が好適であり、反応は高真空下又はアルゴ
ン、窒素等の不活性ガス雰囲気下でかくはんして行う。
反応温度は−100℃から使用した有機溶媒の沸点温度
まで自由に選択することができるが、特にテトラヒドロ
フラン溶媒では−78℃〜0℃、ベンゼン溶媒では室温
が好ましい。重合は通常、約10分〜7時間の重合反応
を行うことによりビニル基のみが選択的に反応して重合
し構造式(化2)では下記構造式(化4)、構造式(化
3)では下記構造式(化5)で表されるポリマーが得ら
れる。
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】その後、例えば、メタノール、水、メチル
ブロマイド等の停止剤を反応系に添加して反応を停止さ
せる。更に、得られた反応混合溶液を適当な溶剤、例え
ばメタノールを用いて沈殿させ、洗浄、乾燥することに
より精製、単離することができる。こうして得られる高
分子化合物は分子量分布の点で単分散(1.00<Mw
/Mn≦1.50)である。
【0025】なお、ポリマーの収率は、反応に供したモ
ノマーに基づいてほぼ100%であり、このポリマーの
分子量は使用したモノマーの重量と重合開始剤のモル数
(分子数)から容易に計算できる。また、数平均分子量
(Mn)は膜浸透圧計を用いて測定から求めることがで
き、分子量分布の評価はゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)で行って、得られたポリマーが目
的とするポリマーであるか否か評価できる。
【0026】更に、前記の構造式(化4)のジメチルフ
ェニルカルビニルジメチルシリル基、あるいは構造式
(化5)のt−ブチル基を脱離し下記構造式(化6)
【0027】
【化6】
【0028】で表されるフェノール残基構造単位を有す
るポリヒドロイシスチレンを得ることができる。
【0029】エーテル結合の切断反応は、ジオキサン、
アセトン、アセトニトリル、ベンゼン等の混合溶媒中で
塩酸、臭化水素酸等の酸を滴下することによって容易に
行うことができる。これらの反応中、高分子の主鎖が切
断されたり、分子間に架橋反応が起こるということがな
いので、容易に分子量分布の狭い単分散のポリヒドロキ
シスチレンを得ることができる。なお、OH基のtBo
c化はペプチド合成では良く用いられる官能基の保護方
法であり、ピリジン溶液中で二炭酸ジt−ブチルと反応
させることにより簡単に行うことができる。
【0030】本発明のレジストを用いたパタン形成は以
下のようにして行うことができる。本レジストの溶液を
基板にスピン塗布し、プリベークを行う。高エネルギー
線を照射する。この際、酸発生剤が分解して酸を生成す
る。PEBを行うことにより、酸を触媒としてtBoc
基が分解し、溶解阻害効果が消失する。アルカリ水溶液
で現像し、水でリンスすることによりポジ型パタンを得
る。なお、本発明のレジスト材料では、前記のような材
料は、更にポリヒドロキシスチレンを添加してもよい。
【0031】以下に本発明で使用する原料の合成例を示
すが、これらに限定されない。
【0032】 合成例1 狭分散のポリヒドロキシスチレンの合成 反応器にp−ビニルフェノールに対して等モルのジメチ
ルフェニルカルビニルジメチルクロロシランを入れイミ
ダゾールの存在下、ジメチルホルムアミド溶媒中、室温
下で6時間反応させた。生成物を減圧蒸留してp−ビニ
ルフェノキシジメチルフェニルカルビニルジメチルシラ
ンを70%の収率で得た。このp−ビニルフェノキシジ
メチルフェニルカルビニルジメチルシランは130℃/
0.1mmHgの沸点を有していた。上記モノマーから水分
等の不純物を取除くためにCaH2 、ベンゾフェノンナ
トリウム等の精製剤を用いて精製し蒸留を行った。重合
は1リットルのフラスコに、溶媒としてテトラヒドロフ
ラン550ml、重合開始剤としてn−ブチルリチウム
8.5×10-4mol を仕込んだ後、この混合溶液に−7
8℃で50mlのテトラヒドロフランで希釈したp−ビニ
ルフェノキシジメチルフェニルカルビニルジメチルシラ
ンを30g添加し、1時間重合させたところ、溶液は赤
色を呈した。重合終了は反応溶液にメタノールを添加し
て行った。次に反応混合物をメタノール中に注ぎ、得ら
れた重合体を沈殿させた後、分離し、乾燥して24.5
gの白色重合体を得た。得られた重合体の 1H−NMR
を測定したところ下記表1に示す結果を得た。
【0033】
【表1】 表 1 1H−NMR 0.0ppm :基準(S、6H、O−Si−CH3 ) 1〜2ppm : (ブロード、6H、Si−C−CH3 ) 1〜2ppm : (ブロード、3H、CH2 、−CH) 6〜7ppm : (ブロード、5H、Si−C−C6 5 ) 6〜7ppm : (ブロード、4H、C6 5
【0034】1H−NMRからエーテルに結合している
ジメチルフェニルカルビニルジメチルシリル基に活性末
端が反応せずに残存すると共に、スチレン部のビニル基
のみが反応していることが確認された。
【0035】次に得られたポリ(p−ビニルフェノキシ
ジメチルフェニルカルビニルジメチルシラン)20gを
アセトン250mlに溶解し、60℃で少量の濃塩酸を加
え6時間かくはん後、水に注ぎポリマーを沈殿させ洗
浄、乾燥して8gのポリマーを得た。得られたポリマー
の数平均分子量は1.4×10-4g/mol であった。G
PC溶出曲線は図1に示すように非常に単分散性の高い
重合体であることが確認され、分子量分布は1.10で
あった。なお、図1は時間(分、横軸)と強度(縦軸)
との関係を示す図である。更に、 1H−NMRからジメ
チルフェニルカルビニルジメチルシリル基に由来するピ
ークが観測されないことから、得られたポリマーが分子
量分布の狭いポリヒドロキシスチレンであることが確認
された。
【0036】 合成例2 狭分散のポリヒドロキシスチレンの合成 原料のp−t−ブトキシスチレンモノマーを合成例1と
同様の方法で脱水、精製処理した。重合は2リットルの
フラスコに、溶媒としてテトラヒドロフラン1500m
l、開始剤n−ブチルリチウム4×10-3mol を仕込ん
だ。この混合溶液に−78℃で50mlのテトラヒドロフ
ランで希釈したp−t−ブトキシスチレンを80g添加
し、2時間重合させたところ、この溶液は赤色を呈し
た。所望の重合に達したことを確認した後、反応溶液に
メタノールを添加して重合反応を終了させた。次に反応
混合物をメタノール中に注ぎ、得られた重合体を沈殿さ
せた後、分離し、乾燥して80gの白色重合体を得た。
1H−NMRの測定結果から、エーテルに結合している
t−ブチル基に活性末端が反応せずに残存すると共に、
スチレン部分のビニル基のみが反応していることが確認
された。
【0037】次に得られたポリ(p−t−ブトキシスチ
レン)12gをアセトン250mlに溶解し、60℃で少
量の濃塩酸を加え6時間かくはん後、水に注いでポリマ
ーを沈殿させ、洗浄、乾燥して8gのポリマーを得た。
得られたポリマーの数平均分子量は1.4×10-4g/
mol であった。GPC溶出曲線は図2に示すとおりであ
り、非常に単分散性の高い重合体であることが確認さ
れ、分子量分布は1.08であった。なお、図2は時間
(分、横軸)と強度(縦軸)との関係を示す図である。
また、 1H−NMRからtert−ブチル基に由来するピー
クが観測されないことから、得られたポリマーが分子量
分布の狭いポリヒドロキシスチレンであることが確認さ
れた。
【0038】 合成例3 ポリヒドロキシスチレンのtBoc化 合成例1のリビング重合で得られたポリヒドロキシスチ
レン5gをピリジン40mlに溶解させ、45℃でかくは
んしながら二炭酸ジ−t−ブチルを1g(約20mol
%)添加する。添加と同時にガスが発生するが、N2
流中で1時間反応させる。濃塩酸20gを含む水1リッ
トルに反応液を滴下し、白色の沈殿を得る。ろ過したの
ち、アセトン50mlに沈殿を溶解させ、水1リットルに
滴下した。沈殿をろ過したのち、40℃以下で真空乾燥
した。 1H−NMRにおける8ppmのOH基のピークを
用いてtBocの導入率を求めた結果、19.6%であ
った。ポリヒドロキシスチレンに対する二炭酸ジ−t−
ブチルの添加量を増加させることにより、tBocの導
入率を制御できる。
【0039】
【実施例】本発明を以下の実施例で説明するが、本発明
はこれら実施例に限定されない。
【0040】実施例1 合成例3で得られたtBoc化率20%と40%の樹脂
を混合し、そのアルカリ現像液〔テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド(TMAH)2.4%水溶液〕に対す
る溶解性を測定した。図3はtBoc化率20%の樹脂
にtBoc化率40%の樹脂を添加した場合の溶解速度
を示す。すなわち図3はtBoc20%に対するtBo
c40%の組成(%、横軸)と溶解速度(Å/s、縦
軸)との関係を示すグラフである。tBoc化率40%
の樹脂が増加するに伴い、アルカリ溶解速度は低下し
た。両者を1対1で混合した時ほぼtBoc化率30%
の樹脂とアルカリ溶解速度が同じとなり、混合比により
溶解速度を制御できることがわかった。tBoc化率の
異なる3種類以上の樹脂を混合した場合においても、同
様に混合比により、溶解速度の制御が可能であった。
【0041】実施例2 ベース樹脂(実施例1における混合比1対1) 81重量部 溶解阻害剤〔2,2−ビス{p−(tBoc−O−)フェニル}プロパン〕 14重量部 酸発生剤〔ジフェニル(p−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメ タンスルホネート〕 5重量部 溶媒(酢酸エトキシエチル) 400重量部 からなるレジスト溶液をシリコン基板に2000rpm で
スピン塗布し、ホットプレート上にて85℃で1分間プ
リベークした。膜厚は0.7μmであった。KrFエキ
シマレーザあるいは加速電圧30kVの電子線で描画し
たのち、85℃で2分間PEBを行った。2.4%のT
MAHの水溶液で1分間現像を行い、水で30秒間リン
スした。ポジ型の特性を示し、Do 感度は6μC/cm2
であった。電子線に代えて、遠紫外線であるKrFエキ
シマレーザ光(波長248nm)で評価した場合のDo
感度は24mJ/cm2 であった。PEBを85℃で5分
間行った場合は、電子線感度は4.5μC/cm2 であっ
た。
【0042】本実施例とベース樹脂を単独で用いた1例
としてtBoc化率30%の樹脂のレジストのKrFエ
キシマレーザによる露光−残膜特性を比較して図4に示
す。すなわち、図4は露光量(mJ/cm2 、横軸)と残
膜率(縦軸)との関係を示すグラフである。感度は47
mJ/cm2 から24mJ/cm2 へと2倍、γ値は4から
11へと3倍以上向上した。引続き解像性を評価した結
果、tBoc化率30%の樹脂を単独で使用した場合は
0.3μmのライン&スペースのパタンまでした解像で
きなかったが、本実施例では、0.25μmライン&ス
ペースパタンやホールパタンが解像し、垂直な側壁を持
つパタンが形成できた。0.30μmにおけるデフォー
カスマージンは1.2μmが可能であった。また、電子
線描画及びX線露光では0.2μmが解像した。このこ
とから、樹脂混合型の材料の方が樹脂を単独で使用する
レジスト材料よりも解像性に優れていることが判った。
【0043】実施例3 ベース樹脂 tBoc化率20% 20重量部 tBoc化率30% 41重量部 tBoc化率40% 20重量部 2,2−ビス〔p−(tBoc−O−)フェニル〕プロパン 14重量部 ジフェニル(p−メトキシフェニル)スルホニウムトリフ ルオロメタンスルホネート 5重量部 酢酸エトキシエチル 400重量部 からなるレジスト溶液を調整し、実施例2と同様の方法
でKrFレジスト特性を評価した。本実施例とtBoc
化率30%の樹脂を単独で使用したレジストとの露光−
残膜特性を比較した結果を図5に示す。すなわち、図5
は露光量(mJ/cm2 、横軸)と残膜率(縦軸)との関
係を示すグラフである。実施例2の場合と同様に樹脂を
単独で使用する場合より高感度になり、γ値を高くする
ことができることが判る。パタン形状及び解像性につい
ては実施例2と同等であった。
【0044】実施例4 tBoc化率と混合比を変化させた樹脂を用いて、Kr
Fエキシマレーザによるレジスト感度が実施例2と同等
のものを得る組成比を検討した結果、表2のようになっ
た。tBoc化率50%以下のポリヒドロキシスチレン
を使用した場合、0.30μm以下のパタンが基板に対
し垂直で形成できたが、tBoc化率が60%以上のも
のを使用した場合、0.3μm幅のパタン形状は頭部に
“のき”がでた形状、いわゆるTトップとなった。この
Tトップのパタンはリフトオフ用として、有効であっ
た。tBoc化率及び混合比を変化させることにより、
パタン形状は矩形からTトップまで自由に変化させるこ
とができる。
【0045】
【表2】
【0046】実施例5〜8 実施例2におけるベース樹脂の混合比が1対1のものに
代えて混合比を変化させた樹脂を用いて、実施例2と同
様の方法でKrFレジスト特性を評価した結果を表3に
示す。tBoc化率40%のものが増加すると溶解性が
低下するために感度が低下する傾向にある。逆にtBo
c化率20%のものが増加すると感度は高くなるが、膜
減り量が増加する。このため、実施例8は微細なパタン
上部は丸みを帯びた形状となった。また、実施例5はい
わゆるTトップのパタン形状となった。このTトップの
パタンはリフトオフ用として、有効であった。tBoc
化率40%のものを極度に増加させたものもTトップ形
状とすることができる。すなわち、混合比により、パタ
ン形状を自由に制御できる。
【0047】
【表3】
【0048】実施例9 実施例2のレジスト溶液にポリヒドロキシスチレンをベ
ース樹脂に対し10重量%添加したレジストを用いて、
実施例2と同様の方法でKrFレジスト特性を評価し
た。感度は20mJ/cm2 と実施例2より高感度にな
り、膜減り量は0.02μmで変化なかった。ポリヒド
ロキシスチレンの溶解性がよいため、高感度になり、膜
減りはtBoc40%の溶解阻害効果により抑制された
と推察される。
【0049】実施例10〜12 実施例2における溶解阻害剤2,2−ビス〔p−(tB
oc−O−)フェニル〕プロパンに代えて1,3,5−
トリス(tBoc−O−)ベンゼン(実施例10)、分
子量2500のポリ〔p−(tBoc−O−)スチレ
ン〕(実施例11)、分子量2000のノボラック樹脂
のOH基をtBoc化して得られる高分子溶解阻害剤
(実施例12)を用いて、実施例2と同様の方法でレジ
スト特性を評価した。実施例10においては電子線感度
は6.6μC/cm2 、KrF感度は30mJ/cm2 であ
った。KrF露光や電子線描画によって実施例2と同程
度の解像性を有していることを確認し、KrF露光では
垂直な側壁をもつパタンを形成することができた。しか
し、実施例11及び12は、高分子溶解阻害剤が低分子
溶解阻害剤よりもはるかに高い溶解阻害能を有している
ため、溶解性が低く2.4%TMAH水溶液では感度は
共にKrFエキシマレーザで1000mJ/cm2であっ
た。
【0050】実施例13〜15 実施例2における酸発生剤、ジフェニル(p−メトキシ
フェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネー
トに代えて、ビス(p−t−ブチルフェニル)ヨードニ
ウムトリフルオロメタンスルホネート(実施例13)、
ピロガロールメタンスルホン酸エステル(実施例1
4)、フェニル(p−メトキシフェニル)ヨードニウム
トリフルオロメタンスルホネート(実施例15)を用い
て、実施例2と同様の方法でレジスト特性を評価した。
KrFエキシマレーザに対する感度は実施例2は24m
J/cm2 であったが、実施例14と15は共に20mJ
/cm2であり、解像性は共に0.25μmが解像でき
た。しかし、実施例13は感度は20mJ/cm2 であっ
たが、0.30μmまでしか解像できなかった。ビス
(p−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロ
メタンスルホネートの溶解禁止効果が大きいためと推定
される。電子線・X線では0.2μmが溶解できた。
【0051】実施例16〜23 実施例2における溶解阻害剤2,2−ビス〔p−(tB
oc−O−)フェニル〕プロパンに代えて表4及び表5
の溶解阻害剤を用いて、KrFエキシマレーザでレジス
ト特性を評価した。解像性は共に0.25μmのパタン
を解像した。
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】実施例24〜29 実施例2におけるベース樹脂、溶解阻害剤〔2,2−ビ
ス{p−(tBoc−O−)フェニル}プロパン〕、酸
発生剤〔ジフェニル(p−メトキシフェニル)スルホニ
ウムトリフルオロメタンスルホネート〕を含むレジスト
溶液を用い、各成分の分率を変えて、実施例2と同様の
方法でKrFレジスト特性を検討した結果を表6に示
す。基本的には、85℃で2分間PEBし、現像は2.
4%TMAH水溶液を用いて1分間行った。解像性は共
に0.25μmのパタンを解像した。
【0055】
【表6】
【0056】実施例30 合成例2で得られた狭分散ポリヒドロキシスチレンを合
成例3によりtBoc化を行い、tBoc化率20%と
40%の樹脂を合成した。この2つの樹脂を1対1で混
合した樹脂をベース樹脂として用い、実施例2と同様の
組成のレジスト溶液を調整し、実施例2と同様の方法で
KrFレジスト特性を評価した。感度は36mJ/cm2
と実施例2より低感度であったが、解像性には違いは認
められなかった。
【0057】
【発明の効果】本発明により得られるポジ型レジスト
は、高エネルギー線に感応し、感度、解像性、プラズマ
エッチング耐性に優れている。しかも、レジストパタン
の耐熱性が優れている。また、溶解性の異なる樹脂2種
類以上を混合してベース樹脂としているため、KrFエ
キシマレーザリソグラフィで0.25μm幅のパタン形
成が可能であり、デフォーカスマージンを大きくするこ
とができる。しかもオーバーハング状になりにくく、寸
法制御性に優れている。化学増幅過程でPEBを必要と
するためにレジスト特性の露光後経時依存性が小さいこ
と、化学増幅過程で水を必要としないため系がより単純
であること、等の特徴を有する。これらより、特に電子
線や遠紫外線による微細加工に有用である。特にKrF
エキシマレーザの露光波長での吸収が小さいため、微細
でしかも基板に対し垂直なパタンを容易に形成できる特
徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】狭分散ポリヒドロキシスチレンのGPC溶出曲
線を示す図である。
【図2】他の狭分散ポリヒドロキシスチレンのGPC溶
出曲線を示す図である。
【図3】tBoc化率20%の樹脂にtBoc化率40
%の樹脂を添加した場合の添加量と溶解速度の関係を示
す図である。
【図4】tBoc化率20%の樹脂とtBoc化率40
%の樹脂を1対1で混合したものをベース樹脂とした場
合のKrFエキシマレーザによる露光−残膜特性を示す
図である。
【図5】tBoc化率20%の樹脂、tBoc化率30
%とtBoc化率40%の3種類の樹脂を混合したもの
をベース樹脂とした場合のKrFエキシマレーザによる
露光−残膜特性を示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−18565(JP,A) 特開 平2−19849(JP,A) 特開 平3−289659(JP,A) 特開 平3−189652(JP,A) 特開 平2−18564(JP,A) 特開 昭58−221842(JP,A) 特開 平5−134414(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/039 G03F 7/004 501

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリヒドロキシスチレンの水酸基の一部
    がt−ブトキシカルボニルオキシ基で置換された樹脂
    (A)、溶解阻害剤(B)、及び酸発生剤(C)の3成
    分を含む、アルカリ水溶液で現像可能な高エネルギー線
    感応ポジ型レジストにおいて、該ポリヒドロキシスチレ
    ンの水酸基の一部がt−ブトキシカルボニルオキシ基で
    置換された樹脂(A)が置換率の異なった2種類以上の
    樹脂から構成され、該溶解阻害剤(B)が1分子中に1
    個以上のt−ブトキシカルボニルオキシ基を含み、重量
    分率が、0.01≦B≦0.40、0.005≦C≦
    0.15、0.55≦A、A+B+C=1、であること
    を特徴とするレジスト材料。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のレジスト材料にポリヒ
    ドロキシスチレンを添加してなることを特徴とするレジ
    スト材料。
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