JPH06130669A - ポジ型レジスト材料 - Google Patents
ポジ型レジスト材料Info
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- JPH06130669A JPH06130669A JP4303265A JP30326592A JPH06130669A JP H06130669 A JPH06130669 A JP H06130669A JP 4303265 A JP4303265 A JP 4303265A JP 30326592 A JP30326592 A JP 30326592A JP H06130669 A JPH06130669 A JP H06130669A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高感度、高解像性、プロセス適用性に優れた
高エネルギー線露光用ポジ型レジスト材料を提供する。 【構成】 ポリヒドロキシスチレン(A)、溶解阻害剤
(B)、及びオニウム塩(C)の3成分を含む、アルカ
リ水溶液で現像可能な高エネルギー線感応ポジ型レジス
トにおいて、該(B)がクレゾールフタレイン、フェノ
ールフタレイン、チモールフタレインのOH基の少なく
とも一部がt−ブトキシカルボニルオキシ基で置換され
た化合物であり、該(C)が、一般式(化1):(R)
n AM(式中Rは(置換)芳香族基、AはS又はI、M
はp−トルエンスルホネート又はトリフルオロメタンス
ルホネート基、nは2又は3)のオニウム塩で、重量分
率が、0.07≦B≦0.40、0.005≦C≦0.
15、0.55≦A、A+B+C=1であるレジスト材
料。
高エネルギー線露光用ポジ型レジスト材料を提供する。 【構成】 ポリヒドロキシスチレン(A)、溶解阻害剤
(B)、及びオニウム塩(C)の3成分を含む、アルカ
リ水溶液で現像可能な高エネルギー線感応ポジ型レジス
トにおいて、該(B)がクレゾールフタレイン、フェノ
ールフタレイン、チモールフタレインのOH基の少なく
とも一部がt−ブトキシカルボニルオキシ基で置換され
た化合物であり、該(C)が、一般式(化1):(R)
n AM(式中Rは(置換)芳香族基、AはS又はI、M
はp−トルエンスルホネート又はトリフルオロメタンス
ルホネート基、nは2又は3)のオニウム塩で、重量分
率が、0.07≦B≦0.40、0.005≦C≦0.
15、0.55≦A、A+B+C=1であるレジスト材
料。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遠紫外線、電子線やX
線等の高エネルギー線に対して高い感度を有し、アルカ
リ水溶液で現像することによりパタンを形成できる、微
細加工技術に適したポジ型レジスト材料に関する。
線等の高エネルギー線に対して高い感度を有し、アルカ
リ水溶液で現像することによりパタンを形成できる、微
細加工技術に適したポジ型レジスト材料に関する。
【0002】
【従来の技術】LSIの高集積化と高速度化に伴い、パ
タンルールの微細化が求められているが、現在汎用技術
として用いられている光露光では、光源の波長に由来す
る本質的な解像度の限界に近付きつつある。g線(43
6nm)若しくはi線(365nm)を光源とする光露
光では、おおよそ0.5μmのパタンルールが限界とさ
れており、これを用いて製作したLSIの集積度は、1
6MビットDRAM相当までとなる。しかし、LSIの
試作は既にこの段階にまできており、更なる微細化技術
の開発が急務となっている。このような背景により、次
世代の微細加工技術として遠紫外線リソグラフィが有望
視されている。遠紫外線リソグラフィは、0.3〜0.
4μmの加工も可能であり、光吸収の小さいレジストを
用いた場合、基板に対して垂直に近い側壁を有するパタ
ンの形成が可能である。また、一括にパタンを転写する
ことができるために、電子線リソグラフィよりもスルー
プットの点で有利である。近年、遠紫外線の光源として
高輝度なKrFエキシマレーザを利用する段になり、量
産技術として用いられるには、光吸収が小さく、そして
高感度なレジスト材料が要望されている。近年開発され
た、酸を触媒として化学増幅( chemical amplificatio
n ) を行うレジスト材料〔例えば、リュー( Liu )ら、
ジャーナル オブ バキュームサイエンス アンド テ
クノロジー(J.Vac. Sci. Technol. )、第B6巻、第
379頁(1988)〕は、従来の高感度レジストと同
等以上の感度を有し、しかも解像性が高く、ドライエッ
チング耐性も高い、優れた特徴を有する。そのため、遠
紫外線リソグラフィには特に有望なレジスト材料であ
る。ネガ型レジストとしてはシプリー( Shipley )社
が、ノボラック樹脂とメラミン化合物と酸発生剤からな
る3成分化学増幅レジスト(商品名SAL601ER
7)を既に商品化している。しかし、化学増幅系のポジ
型レジストはいまだ商品化されたものはない。LSIの
製造工程上、配線やゲート形成などはネガ型レジストで
対応できるが、コンタクトホール形成は、ネガ型レジス
トを用いたのではカブリやすいために微細な加工はむず
かしく、ポジ型レジストがはるかに適している。そのた
め、高性能なポジ型レジストが強く要望されている。従
来、イトー(Ito)らは、ポリヒドロキシスチレンのOH
基をt−ブトキシカルボニル基(tBoc基)で保護し
たPBOCSTという樹脂に、オニウム塩を加えてポジ
型の化学増幅レジストを開発している。しかし、用いて
いるオニウム塩は金属成分としてアンチモンを含む〔参
考文献:ポリマース イン エレクトロニクス、ACS
シンポジウム シリーズ( Polymers in Electronics,
ACS Symposium Series ) 第242回(アメリカ化
学会、ワシントン DC.1984)、第11頁〕。基
板への汚染を避けるために、一般的には、レジスト材料
中の金属成分は嫌われる。そのためにPBOCSTレジ
ストはプロセス上好ましいものではない。上野らはポリ
(p−スチレンオキシテトラヒドロピラニル)を主成分
とし、酸発生剤を加えた遠紫外線ポジ型レジストを発表
している(参考;第36回応用物理学会関連連合講演
会、1989年、1p−k−7)。しかし、本発明者ら
の検討によれば、この材料系は遠紫外線、電子線やX線
に対してはポジネガ反転しやすかった。以上のような、
OH基を保護基で保護した樹脂と酸発生剤からなる2成
分系ポジ型レジストでは、現像液に溶解するようになる
ためには、多くの保護基を分解する必要がある。その際
に、膜厚変化や膜内の応力あるいは気泡の発生等を引起
こす可能性が高い。化学増幅ポジ型レジストとしては、
機能をより分化させた3成分系、すなわち、アルカリ可
溶性樹脂、溶解阻害剤、酸発生剤からなる材料系の方
が、酸が分解すべき溶解阻害剤の量が小量でよいため、
上述のような膜厚変化や気泡発生等をより少なくするこ
とが可能であり、精密な微細加工にはより有用と推定さ
れる。3成分ポジ型レジストとしては、ヘキスト社がノ
ボラック樹脂に溶解阻害剤としてアセタール化合物を添
加し、更に酸発生剤を添加したレジスト材料−RAY/
PF−をX線リソグラフィ用に開発している。RAY/
PFは室温で化学増幅を行うために、レジトス感度はX
線露光後の放置時間に著しく依存する。実用に供するに
当っては、露光と現像の工程間の時間を定常的に厳密制
御することには困難が伴うため、パタンの寸法制御性が
むずかしい材料と推定される。また、KrFエキシマレ
ーザの露光波長(248nm)での光吸収が大きいとい
う問題点があった。一般に化学増幅を行うためには、露
光後熱処理( post exposure baking ;PEB)を必要
とするものが多い。レジストプロセス工程は室温放置で
化学増幅を行う材料系よりも1工程増えるものの、露光
と現像の間の時間制御が緩くて良くなるため、レジスト
特性の制御がより容易であるという特徴がある。また、
化学増幅過程で加水分解を行う系では、加水分解反応に
水を必要とするので、レジスト材料中に水分を含んでい
ることが必要となる。一般に、レジスト材料の塗布溶媒
には酢酸エトキシエチルのような、水と混合しない有機
溶媒を用いることが多く、レジストの樹脂自身も水と相
溶しにくい材料が多い。このような材料系に水を所定量
混合させることは容易ではなく、また、混合させること
ができるにしても、制御すべき成分が増えることになる
ので、系がより複雑になり好ましいものではない。一
方、tBoc基の分解反応は、tBoc基と触媒である
酸の2成分で反応が進み、第3成分としての水が必要と
しないため、反応が単純であり、化学増幅に利用するに
は好都合である。tBoc化した化合物の多くが、ノボ
ラック樹脂の溶解性を阻害する効果を有し、tBoc基
が溶解阻害能を発現させるのに有用であることは知られ
ている。シュレゲル( Schlegel ) らはノボラック樹脂
と、ビスフェノールAをtBoc化した溶解阻害剤と、
ピロガロールメタンスルホン酸エステルからなる3成分
ポジ型レジストを発表している(1990年春季 第3
7回応用物理学会関連連合講演会 28p−ZE−
4)。シュウォーム( Schwalm ) らは、溶解阻害剤と酸
発生剤を組合せた材料として、ビス(p−t−ブトキシ
カルボニルオキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオ
ロアンチモネートを開発している〔ポリマー フォア
マイクロエレクトロニクス( Polymer for Microelectro
nics )(東京、1989)、セッションA38〕。これ
をノボラック樹脂と混合して遠紫外線用ポジ型レジスト
としている。しかし、この材料系は金属を含む点及びノ
ボラック樹脂の光吸収が大きいので実用上好ましいもの
ではない。また、従来の化学増幅系ポジ型レジストは、
遠紫外線、電子線やX線でパタン形成を行うと、パタン
がオーバーハング状になりやすい欠点を有していた。こ
れは、レジスト表面の溶解性が低下するためと推定され
る〔参考;K.G.チオン(K.G.Chiong )ら、ジャ
ーナル オブ バキューム サイエンス アンド テク
ノロジー、第B7巻、(6)、第1771頁(198
9)〕。オーバーハング形状は、パタン寸法制御をむず
かしくし、ドライエッチングを用いた基板加工に際して
も、寸法制御性を損ねる。また、パタン下部が細まるの
でパタンの倒壊を招きやすい。
タンルールの微細化が求められているが、現在汎用技術
として用いられている光露光では、光源の波長に由来す
る本質的な解像度の限界に近付きつつある。g線(43
6nm)若しくはi線(365nm)を光源とする光露
光では、おおよそ0.5μmのパタンルールが限界とさ
れており、これを用いて製作したLSIの集積度は、1
6MビットDRAM相当までとなる。しかし、LSIの
試作は既にこの段階にまできており、更なる微細化技術
の開発が急務となっている。このような背景により、次
世代の微細加工技術として遠紫外線リソグラフィが有望
視されている。遠紫外線リソグラフィは、0.3〜0.
4μmの加工も可能であり、光吸収の小さいレジストを
用いた場合、基板に対して垂直に近い側壁を有するパタ
ンの形成が可能である。また、一括にパタンを転写する
ことができるために、電子線リソグラフィよりもスルー
プットの点で有利である。近年、遠紫外線の光源として
高輝度なKrFエキシマレーザを利用する段になり、量
産技術として用いられるには、光吸収が小さく、そして
高感度なレジスト材料が要望されている。近年開発され
た、酸を触媒として化学増幅( chemical amplificatio
n ) を行うレジスト材料〔例えば、リュー( Liu )ら、
ジャーナル オブ バキュームサイエンス アンド テ
クノロジー(J.Vac. Sci. Technol. )、第B6巻、第
379頁(1988)〕は、従来の高感度レジストと同
等以上の感度を有し、しかも解像性が高く、ドライエッ
チング耐性も高い、優れた特徴を有する。そのため、遠
紫外線リソグラフィには特に有望なレジスト材料であ
る。ネガ型レジストとしてはシプリー( Shipley )社
が、ノボラック樹脂とメラミン化合物と酸発生剤からな
る3成分化学増幅レジスト(商品名SAL601ER
7)を既に商品化している。しかし、化学増幅系のポジ
型レジストはいまだ商品化されたものはない。LSIの
製造工程上、配線やゲート形成などはネガ型レジストで
対応できるが、コンタクトホール形成は、ネガ型レジス
トを用いたのではカブリやすいために微細な加工はむず
かしく、ポジ型レジストがはるかに適している。そのた
め、高性能なポジ型レジストが強く要望されている。従
来、イトー(Ito)らは、ポリヒドロキシスチレンのOH
基をt−ブトキシカルボニル基(tBoc基)で保護し
たPBOCSTという樹脂に、オニウム塩を加えてポジ
型の化学増幅レジストを開発している。しかし、用いて
いるオニウム塩は金属成分としてアンチモンを含む〔参
考文献:ポリマース イン エレクトロニクス、ACS
シンポジウム シリーズ( Polymers in Electronics,
ACS Symposium Series ) 第242回(アメリカ化
学会、ワシントン DC.1984)、第11頁〕。基
板への汚染を避けるために、一般的には、レジスト材料
中の金属成分は嫌われる。そのためにPBOCSTレジ
ストはプロセス上好ましいものではない。上野らはポリ
(p−スチレンオキシテトラヒドロピラニル)を主成分
とし、酸発生剤を加えた遠紫外線ポジ型レジストを発表
している(参考;第36回応用物理学会関連連合講演
会、1989年、1p−k−7)。しかし、本発明者ら
の検討によれば、この材料系は遠紫外線、電子線やX線
に対してはポジネガ反転しやすかった。以上のような、
OH基を保護基で保護した樹脂と酸発生剤からなる2成
分系ポジ型レジストでは、現像液に溶解するようになる
ためには、多くの保護基を分解する必要がある。その際
に、膜厚変化や膜内の応力あるいは気泡の発生等を引起
こす可能性が高い。化学増幅ポジ型レジストとしては、
機能をより分化させた3成分系、すなわち、アルカリ可
溶性樹脂、溶解阻害剤、酸発生剤からなる材料系の方
が、酸が分解すべき溶解阻害剤の量が小量でよいため、
上述のような膜厚変化や気泡発生等をより少なくするこ
とが可能であり、精密な微細加工にはより有用と推定さ
れる。3成分ポジ型レジストとしては、ヘキスト社がノ
ボラック樹脂に溶解阻害剤としてアセタール化合物を添
加し、更に酸発生剤を添加したレジスト材料−RAY/
PF−をX線リソグラフィ用に開発している。RAY/
PFは室温で化学増幅を行うために、レジトス感度はX
線露光後の放置時間に著しく依存する。実用に供するに
当っては、露光と現像の工程間の時間を定常的に厳密制
御することには困難が伴うため、パタンの寸法制御性が
むずかしい材料と推定される。また、KrFエキシマレ
ーザの露光波長(248nm)での光吸収が大きいとい
う問題点があった。一般に化学増幅を行うためには、露
光後熱処理( post exposure baking ;PEB)を必要
とするものが多い。レジストプロセス工程は室温放置で
化学増幅を行う材料系よりも1工程増えるものの、露光
と現像の間の時間制御が緩くて良くなるため、レジスト
特性の制御がより容易であるという特徴がある。また、
化学増幅過程で加水分解を行う系では、加水分解反応に
水を必要とするので、レジスト材料中に水分を含んでい
ることが必要となる。一般に、レジスト材料の塗布溶媒
には酢酸エトキシエチルのような、水と混合しない有機
溶媒を用いることが多く、レジストの樹脂自身も水と相
溶しにくい材料が多い。このような材料系に水を所定量
混合させることは容易ではなく、また、混合させること
ができるにしても、制御すべき成分が増えることになる
ので、系がより複雑になり好ましいものではない。一
方、tBoc基の分解反応は、tBoc基と触媒である
酸の2成分で反応が進み、第3成分としての水が必要と
しないため、反応が単純であり、化学増幅に利用するに
は好都合である。tBoc化した化合物の多くが、ノボ
ラック樹脂の溶解性を阻害する効果を有し、tBoc基
が溶解阻害能を発現させるのに有用であることは知られ
ている。シュレゲル( Schlegel ) らはノボラック樹脂
と、ビスフェノールAをtBoc化した溶解阻害剤と、
ピロガロールメタンスルホン酸エステルからなる3成分
ポジ型レジストを発表している(1990年春季 第3
7回応用物理学会関連連合講演会 28p−ZE−
4)。シュウォーム( Schwalm ) らは、溶解阻害剤と酸
発生剤を組合せた材料として、ビス(p−t−ブトキシ
カルボニルオキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオ
ロアンチモネートを開発している〔ポリマー フォア
マイクロエレクトロニクス( Polymer for Microelectro
nics )(東京、1989)、セッションA38〕。これ
をノボラック樹脂と混合して遠紫外線用ポジ型レジスト
としている。しかし、この材料系は金属を含む点及びノ
ボラック樹脂の光吸収が大きいので実用上好ましいもの
ではない。また、従来の化学増幅系ポジ型レジストは、
遠紫外線、電子線やX線でパタン形成を行うと、パタン
がオーバーハング状になりやすい欠点を有していた。こ
れは、レジスト表面の溶解性が低下するためと推定され
る〔参考;K.G.チオン(K.G.Chiong )ら、ジャ
ーナル オブ バキューム サイエンス アンド テク
ノロジー、第B7巻、(6)、第1771頁(198
9)〕。オーバーハング形状は、パタン寸法制御をむず
かしくし、ドライエッチングを用いた基板加工に際して
も、寸法制御性を損ねる。また、パタン下部が細まるの
でパタンの倒壊を招きやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
ノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレンをベース樹脂
とした、遠紫外線、電子線及びX線に感度を有する化学
増幅系ポジ型レジストは、従来数多く発表されている
が、いずれのものも問題点を含んでおり、いまだ実用に
供することがむずかしいのが現状である。本発明の目的
は、従来技術を上回る、高感度、高解像性、プロセス適
用性に優れた高エネルギー線露光用ポジ型レジスト材料
を提供することにある。
ノボラック樹脂やポリヒドロキシスチレンをベース樹脂
とした、遠紫外線、電子線及びX線に感度を有する化学
増幅系ポジ型レジストは、従来数多く発表されている
が、いずれのものも問題点を含んでおり、いまだ実用に
供することがむずかしいのが現状である。本発明の目的
は、従来技術を上回る、高感度、高解像性、プロセス適
用性に優れた高エネルギー線露光用ポジ型レジスト材料
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明はポジ型レジスト材料に関する発明であって、ポリ
ヒドロキシスチレン(A)、溶解阻害剤(B)、及びオ
ニウム塩(C)の3成分を含む、アルカリ水溶液で現像
可能な高エネルギー線感応ポジ型レジストにおいて、該
溶解阻害剤がクレゾールフタレイン、フェノールフタレ
インあるいはチモールフタレインのヒドロキシ基がt−
ブトキシカルボニルオキシ基で置換された化合物の中か
ら選択された化合物であり、該オニウム塩が下記式(化
1):
発明はポジ型レジスト材料に関する発明であって、ポリ
ヒドロキシスチレン(A)、溶解阻害剤(B)、及びオ
ニウム塩(C)の3成分を含む、アルカリ水溶液で現像
可能な高エネルギー線感応ポジ型レジストにおいて、該
溶解阻害剤がクレゾールフタレイン、フェノールフタレ
インあるいはチモールフタレインのヒドロキシ基がt−
ブトキシカルボニルオキシ基で置換された化合物の中か
ら選択された化合物であり、該オニウム塩が下記式(化
1):
【0005】
【化1】(R)n AM
【0006】(式中Rは同じでも異なってもよく芳香族
基あるいは置換芳香族基を示し、Aはスルホニウムある
いはヨードニウムを示す。Mはp−トルエンスルホネー
ト基あるいはトリフルオロメタンスルホネート基を示
し、nは2又は3を示す)で表されるオニウム塩であ
り、重量分率が、0.07≦B≦0.40、0.005
≦C≦0.15、0.55≦A、A+B+C=1、であ
ることを特徴とする。
基あるいは置換芳香族基を示し、Aはスルホニウムある
いはヨードニウムを示す。Mはp−トルエンスルホネー
ト基あるいはトリフルオロメタンスルホネート基を示
し、nは2又は3を示す)で表されるオニウム塩であ
り、重量分率が、0.07≦B≦0.40、0.005
≦C≦0.15、0.55≦A、A+B+C=1、であ
ることを特徴とする。
【0007】トリフルオロメタンスルホネートあるいは
p−トルエンスルホネ−トのオニウム塩としては、下記
式(化2)、(化3)、(化4)、(化5)、(化6)
で表される化合物、又はトリフルオロメタンスルホネー
ト基がp−トルエンスルホネ−ト基に置換された化合
物:
p−トルエンスルホネ−トのオニウム塩としては、下記
式(化2)、(化3)、(化4)、(化5)、(化6)
で表される化合物、又はトリフルオロメタンスルホネー
ト基がp−トルエンスルホネ−ト基に置換された化合
物:
【0008】
【化2】(C6 H5 )2 I+-O3 SCF3
【0009】
【化3】(C6 H5 )3 S+-O3 SCF3
【0010】
【化4】(C6 H5 SC6 H4 )(C6 H5 )2 S+-O
3 SCF3
3 SCF3
【0011】
【化5】 (CH3 OC6 H4 )(C6 H5 )I+-O3 SCF3
【0012】
【化6】 (t−C4 H9 −C6 H4 )2 I+-O3 SCF3
【0013】が知られている。ここで重要なことはジグ
ライム、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、1
−メトキシ−2−プロパノール等のレジストの塗布に好
適な溶媒に対して溶解性が良いこと、ベースポリマーあ
るいは溶解阻害剤との相溶性が優れていることである。
一般的にいうとトリフルオロメタンスルホネート基より
p−トルエンスルホネート基の方が溶媒に対する溶解性
及びベースポリマーに対する相溶性が優れている。感度
は逆にトリフルオロメタンスルホネート基の方がp−ト
ルエンスルホネート基より優れている。トリフルオロメ
タンスルホネート基のオニウム塩であってもカチオンの
芳香族基に置換基が存在する方が溶解性及び相溶性に優
れている。置換芳香族でないと、トリフルオロメタンス
ルホネート基のオニウム塩では1〜4μC/cm2 の露
光量で膜減りするものの、露光部が完全に溶解する前に
ネガ反転してしまい、ポジ型にはならなかった。このよ
うなネガ反転に関しては、シュレゲルらも公表しており
(参考文献;前述)、トリフルオロメタンスルホネート
系のオニウム塩はtBoc系溶解阻害剤を含む3成分ポ
ジ型レジストには利用できないことが、これまでの常識
であった。
ライム、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、1
−メトキシ−2−プロパノール等のレジストの塗布に好
適な溶媒に対して溶解性が良いこと、ベースポリマーあ
るいは溶解阻害剤との相溶性が優れていることである。
一般的にいうとトリフルオロメタンスルホネート基より
p−トルエンスルホネート基の方が溶媒に対する溶解性
及びベースポリマーに対する相溶性が優れている。感度
は逆にトリフルオロメタンスルホネート基の方がp−ト
ルエンスルホネート基より優れている。トリフルオロメ
タンスルホネート基のオニウム塩であってもカチオンの
芳香族基に置換基が存在する方が溶解性及び相溶性に優
れている。置換芳香族でないと、トリフルオロメタンス
ルホネート基のオニウム塩では1〜4μC/cm2 の露
光量で膜減りするものの、露光部が完全に溶解する前に
ネガ反転してしまい、ポジ型にはならなかった。このよ
うなネガ反転に関しては、シュレゲルらも公表しており
(参考文献;前述)、トリフルオロメタンスルホネート
系のオニウム塩はtBoc系溶解阻害剤を含む3成分ポ
ジ型レジストには利用できないことが、これまでの常識
であった。
【0014】従来、化学増幅レジスト用酸発生剤で最も
実用性のあるオニウム塩は、芳香族スルホニウム塩であ
るとされている(参考;笈川ら、第37回応用物理学会
関連連合講演会、1990年、28p−PD−2)。し
かし、上述したように、トリフルオロメタンスルホン酸
のスルホニウム塩は、tBoc化合物を溶解阻害剤とす
る3成分系ポジ型レジストの酸発生剤としては実用に供
さない。
実用性のあるオニウム塩は、芳香族スルホニウム塩であ
るとされている(参考;笈川ら、第37回応用物理学会
関連連合講演会、1990年、28p−PD−2)。し
かし、上述したように、トリフルオロメタンスルホン酸
のスルホニウム塩は、tBoc化合物を溶解阻害剤とす
る3成分系ポジ型レジストの酸発生剤としては実用に供
さない。
【0015】一方、溶解阻害剤としてクレゾールフタレ
イン系化合物のヒドロキシ基をt−ブトキシカルボニル
オキシ基で置換した化合物はポジ−ネガ反転が起こりに
くいことが判っている。これは酸による分解あるいはア
ルカリ現像で生じるカルボキシル基がアルカリ溶解性を
極度に大きくするためである。ビスフェノールのヒドロ
キシ基をt−ブトキシカルボニルオキシ基で置換したも
のと比較して、10倍以上の溶解性が得られる。
イン系化合物のヒドロキシ基をt−ブトキシカルボニル
オキシ基で置換した化合物はポジ−ネガ反転が起こりに
くいことが判っている。これは酸による分解あるいはア
ルカリ現像で生じるカルボキシル基がアルカリ溶解性を
極度に大きくするためである。ビスフェノールのヒドロ
キシ基をt−ブトキシカルボニルオキシ基で置換したも
のと比較して、10倍以上の溶解性が得られる。
【0016】本発明者らは、有機のオニウム塩でも、レ
ジスト塗布溶媒への溶解性が高く、ポリヒドロキシスチ
レン系樹脂と溶解阻害剤と酸発生剤の3成分からなるポ
ジ型レジスト材料に用いた場合に良好なポジ型特性を示
す溶解阻害剤と酸発生剤を鋭意検討した。
ジスト塗布溶媒への溶解性が高く、ポリヒドロキシスチ
レン系樹脂と溶解阻害剤と酸発生剤の3成分からなるポ
ジ型レジスト材料に用いた場合に良好なポジ型特性を示
す溶解阻害剤と酸発生剤を鋭意検討した。
【0017】その結果、溶解阻害剤としてクレゾールフ
タレインのヒドロキシ基をt−ブトキシカルボニルオキ
シ基で置換したものが優れ、酸発生剤としてはジフェニ
ル(p−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロ
メタンスルホネート、フェニル(p−メトキシフェニ
ル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジ
フェニル(p−チオフェノキシフェニル)スルホニウム
p−トルエンスルホネート、ジフェニル(p−メトキシ
フェニル)スルホニウムp−トルエンスルホネート、フ
ェニル(p−メトキシフェニル)ヨードニウムp−トル
エンスルホネートが良好な特性を示すことを見出した。
上記オニウム塩は結晶性で再結晶により精製することが
でき、ジグライムに代表されるレジスト塗布溶媒への溶
解性がよい。また、ポリヒドロキシスチレン系樹脂とt
Boc溶解阻害剤を含む3成分レジストに対し、KrF
エキシマレーザあるいは30kVの加速電圧で電子線描
画を行うと、多くのtBoc溶解阻害剤に対して、良好
な酸発生剤として機能し、D0 感度が10〜50mJ/
cm2 、あるいは3〜20μC/cm2 程度になり、少
なくとも72μC/cm2 まではポジネガ反転しなかっ
た。本発明のレジストにおけるオニウム塩の含量は0.
5〜15wt%が好適である。0.5%未満でもポジ型
のレジスト特性を示すが感度が低い。酸発生剤の含量が
増加すると、レジスト感度は高感度化する傾向を示し、
コントラスト(γ)は向上した。15%より多くてもポ
ジ型のレジスト特性を示すが、含量の増加による更なる
高感度化が期待できないこと、オニウム塩は高価な試薬
であること、レジスト内の低分子成分の増加はレジスト
膜の機械的強度を低下させること、等によりオニウム塩
(化1)の含量は15%以下が好適である。
タレインのヒドロキシ基をt−ブトキシカルボニルオキ
シ基で置換したものが優れ、酸発生剤としてはジフェニ
ル(p−メトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロ
メタンスルホネート、フェニル(p−メトキシフェニ
ル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジ
フェニル(p−チオフェノキシフェニル)スルホニウム
p−トルエンスルホネート、ジフェニル(p−メトキシ
フェニル)スルホニウムp−トルエンスルホネート、フ
ェニル(p−メトキシフェニル)ヨードニウムp−トル
エンスルホネートが良好な特性を示すことを見出した。
上記オニウム塩は結晶性で再結晶により精製することが
でき、ジグライムに代表されるレジスト塗布溶媒への溶
解性がよい。また、ポリヒドロキシスチレン系樹脂とt
Boc溶解阻害剤を含む3成分レジストに対し、KrF
エキシマレーザあるいは30kVの加速電圧で電子線描
画を行うと、多くのtBoc溶解阻害剤に対して、良好
な酸発生剤として機能し、D0 感度が10〜50mJ/
cm2 、あるいは3〜20μC/cm2 程度になり、少
なくとも72μC/cm2 まではポジネガ反転しなかっ
た。本発明のレジストにおけるオニウム塩の含量は0.
5〜15wt%が好適である。0.5%未満でもポジ型
のレジスト特性を示すが感度が低い。酸発生剤の含量が
増加すると、レジスト感度は高感度化する傾向を示し、
コントラスト(γ)は向上した。15%より多くてもポ
ジ型のレジスト特性を示すが、含量の増加による更なる
高感度化が期待できないこと、オニウム塩は高価な試薬
であること、レジスト内の低分子成分の増加はレジスト
膜の機械的強度を低下させること、等によりオニウム塩
(化1)の含量は15%以下が好適である。
【0018】オニウム塩(化1)を用いた、本発明によ
るところのレジスト材料は、溶解阻害剤として、酸によ
る分解後あるいはアルカリ現像中にカルボキシル基を生
じることを必須とする。溶解阻害剤の含量は、7〜40
wt%がよい。7%未満では溶解阻害効果が小さく、4
0%より多くては、レジストの機械的強度や耐熱性が低
下する。
るところのレジスト材料は、溶解阻害剤として、酸によ
る分解後あるいはアルカリ現像中にカルボキシル基を生
じることを必須とする。溶解阻害剤の含量は、7〜40
wt%がよい。7%未満では溶解阻害効果が小さく、4
0%より多くては、レジストの機械的強度や耐熱性が低
下する。
【0019】従来、発表されているポジ型レジスト溶解
阻害剤としてのtBoc化合物は、ビスフェノールAの
OH基をtBoc化した材料がほとんど唯一であった。
しかし、本発明者らは、鋭意検討した結果、クレゾール
フタレインやフェノールフタレイン等をtBoc化した
ものが有用であることを見出した。重要なことはポリヒ
ドロキシスチレンは溶解阻害剤による溶解禁止効果をノ
ボラック樹脂と比較して発現しにくい傾向にあるが、溶
解阻害剤としてクレゾールフタレイン系化合物を用いた
場合十分な溶解阻害効果が得られることである。
阻害剤としてのtBoc化合物は、ビスフェノールAの
OH基をtBoc化した材料がほとんど唯一であった。
しかし、本発明者らは、鋭意検討した結果、クレゾール
フタレインやフェノールフタレイン等をtBoc化した
ものが有用であることを見出した。重要なことはポリヒ
ドロキシスチレンは溶解阻害剤による溶解禁止効果をノ
ボラック樹脂と比較して発現しにくい傾向にあるが、溶
解阻害剤としてクレゾールフタレイン系化合物を用いた
場合十分な溶解阻害効果が得られることである。
【0020】ベース樹脂としてノボラック樹脂を用いた
場合、KrFレーザ光での吸収が大きい問題があり、吸
収の小さいポリヒドロキシスチレンを使用することとし
たが、溶解阻害剤を添加したときの溶解阻害効果が小さ
い。これはポリヒドロキシスチレンの溶解性が高いため
であり、溶解性を制御するためには、溶解禁止効果が大
きく、ベース樹脂との相溶性がよいクレゾールフタレイ
ン系化合物のtBoc化物が有効であることを見出し
た。
場合、KrFレーザ光での吸収が大きい問題があり、吸
収の小さいポリヒドロキシスチレンを使用することとし
たが、溶解阻害剤を添加したときの溶解阻害効果が小さ
い。これはポリヒドロキシスチレンの溶解性が高いため
であり、溶解性を制御するためには、溶解禁止効果が大
きく、ベース樹脂との相溶性がよいクレゾールフタレイ
ン系化合物のtBoc化物が有効であることを見出し
た。
【0021】ポリヒドロキシスチレンの重量平均分子量
は形成されたレジストパタンの耐熱性の観点から一万以
上であることが好ましいが、ラジカル重合で得られるも
のは分子量分布が大きいため、アルカリ水溶液に溶解し
にくい分子量の大きいものを含み、これはパタン形成後
の裾ひきの原因となる。このため、分子量は大きく、分
子量分布はできる限り小さい方が、高精度のパタン形成
に有利である。本発明ではリビング重合により得られる
ポリヒドロキシスチレン(分子量1.4万、分子量分布
1.1)を使用したところ、0.2μmライン&スペー
スのパタンが裾ひきなく精度良く形成できた。しかも、
耐熱性については、150℃で10分間ベークしてもパ
タン変形は認められなかった。ラジカル重合で得られた
分子量1.2万のものは、分子量分布が3.0であり、
0.5μmライン&スペースのパタンでもパタン裾ひき
がみられた。
は形成されたレジストパタンの耐熱性の観点から一万以
上であることが好ましいが、ラジカル重合で得られるも
のは分子量分布が大きいため、アルカリ水溶液に溶解し
にくい分子量の大きいものを含み、これはパタン形成後
の裾ひきの原因となる。このため、分子量は大きく、分
子量分布はできる限り小さい方が、高精度のパタン形成
に有利である。本発明ではリビング重合により得られる
ポリヒドロキシスチレン(分子量1.4万、分子量分布
1.1)を使用したところ、0.2μmライン&スペー
スのパタンが裾ひきなく精度良く形成できた。しかも、
耐熱性については、150℃で10分間ベークしてもパ
タン変形は認められなかった。ラジカル重合で得られた
分子量1.2万のものは、分子量分布が3.0であり、
0.5μmライン&スペースのパタンでもパタン裾ひき
がみられた。
【0022】この様な狭分子量分布のポリマーを得る方
法は一般にラジカル重合法等で重合した広い分子量分布
を持ったポリマーを分別処理によって重合度ごとに分別
することで狭分子量化する方法と、リビング重合法によ
り分子量規制して重合する方法が挙げられるが、前者の
分別法では工程の煩雑化、得率の低下を来してしまうた
め、リビング重合法が好適に用いられる。
法は一般にラジカル重合法等で重合した広い分子量分布
を持ったポリマーを分別処理によって重合度ごとに分別
することで狭分子量化する方法と、リビング重合法によ
り分子量規制して重合する方法が挙げられるが、前者の
分別法では工程の煩雑化、得率の低下を来してしまうた
め、リビング重合法が好適に用いられる。
【0023】しかし本発明のパラヒドロキシスチレンポ
リマーでは、パラヒドロキシスチレンポリマーをそのま
まリビング重合させようとすると、モノマーの水酸基と
重合開始剤とが反応してしまうので重合は進行しない。
このために水酸基を保護する保護基をつけたモノマーを
リビング重合し、重合後に保護基を脱離して目的のパラ
ヒドロキシスチレンポリマーを得る手法が用いられる。
これらの保護基としては第三級ブチル基、ジメチルフェ
ニルカルビニルジメチルシリル基、tBoc基、テトラ
ヒドロピラニル基、第三級ブチルジメチルシリル基など
が挙げられる。
リマーでは、パラヒドロキシスチレンポリマーをそのま
まリビング重合させようとすると、モノマーの水酸基と
重合開始剤とが反応してしまうので重合は進行しない。
このために水酸基を保護する保護基をつけたモノマーを
リビング重合し、重合後に保護基を脱離して目的のパラ
ヒドロキシスチレンポリマーを得る手法が用いられる。
これらの保護基としては第三級ブチル基、ジメチルフェ
ニルカルビニルジメチルシリル基、tBoc基、テトラ
ヒドロピラニル基、第三級ブチルジメチルシリル基など
が挙げられる。
【0024】これを具体的に述べると、本発明のレジス
ト材のベース樹脂である狭分散のポリヒドロキシスチレ
ンは、例えば構造式(化7)又は構造式(化8):
ト材のベース樹脂である狭分散のポリヒドロキシスチレ
ンは、例えば構造式(化7)又は構造式(化8):
【0025】
【化7】
【0026】
【化8】
【0027】で示されるモノマーをリビング重合させた
後、構造式(化7)ではジメチルフェニルカルビニルジ
メチルシリル基を脱離、構造式(化8)ではt−ブチル
基を脱離して得られる。上記のモノマーのリビング重合
には重合開始剤を用いるが、重合開始剤としては有機金
属化合物が用いられる。例えばn−ブチルリチウム、s
ec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ナトリウ
ムナフタレン、アントラセンナトリウム、α−メチルス
チレンテトラマージナトリウム、クミルカリウム、クミ
ルセシウム等の有機アルカリ金属等が挙げられる。
後、構造式(化7)ではジメチルフェニルカルビニルジ
メチルシリル基を脱離、構造式(化8)ではt−ブチル
基を脱離して得られる。上記のモノマーのリビング重合
には重合開始剤を用いるが、重合開始剤としては有機金
属化合物が用いられる。例えばn−ブチルリチウム、s
ec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ナトリウ
ムナフタレン、アントラセンナトリウム、α−メチルス
チレンテトラマージナトリウム、クミルカリウム、クミ
ルセシウム等の有機アルカリ金属等が挙げられる。
【0028】上記モノマーのリビング重合は、一般に、
有機溶媒中で行われる。この場合に用いられる有機溶媒
としては芳香族炭化水素、環状エーテル、脂肪族炭化水
素溶媒であり、これらの具体例としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テト
ラヒドロピラン、ジメトキシエタン、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン等が挙げられる。これらの有機溶媒はその
1種を単独で使用しても2種以上を組合せても良い。
有機溶媒中で行われる。この場合に用いられる有機溶媒
としては芳香族炭化水素、環状エーテル、脂肪族炭化水
素溶媒であり、これらの具体例としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、テト
ラヒドロピラン、ジメトキシエタン、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン等が挙げられる。これらの有機溶媒はその
1種を単独で使用しても2種以上を組合せても良い。
【0029】重合に際するモノマーの濃度は1〜50重
量%、特に1〜30重量%が好適であり、反応は高真空
下又はアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下でかくは
んして行う。反応温度は−100℃から使用した有機溶
媒の沸点温度まで自由に選択することができるが、特に
テトラヒドロフラン溶媒では−78℃〜0℃、ベンゼン
溶媒では室温が好ましい。
量%、特に1〜30重量%が好適であり、反応は高真空
下又はアルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気下でかくは
んして行う。反応温度は−100℃から使用した有機溶
媒の沸点温度まで自由に選択することができるが、特に
テトラヒドロフラン溶媒では−78℃〜0℃、ベンゼン
溶媒では室温が好ましい。
【0030】重合は通常、約10分〜7時間の重合反応
を行うことによりビニル基のみが選択的に反応して重合
し構造式(化7)では下記構造式(化9)、構造式(化
8)では下記構造式(化10)で表されるポリマーが得
られる。
を行うことによりビニル基のみが選択的に反応して重合
し構造式(化7)では下記構造式(化9)、構造式(化
8)では下記構造式(化10)で表されるポリマーが得
られる。
【0031】
【化9】
【0032】
【化10】
【0033】その後、例えば、メタノール、水、メチル
ブロマイド等の停止剤を反応系に添加して反応を停止さ
せる。更に、得られた反応混合溶液を適当な溶剤、例え
ばメタノールを用いて沈殿させ、洗浄、乾燥することに
より精製、単離することができる。こうして得られた高
分子化合物は分子量分布の点で単分散(1.00<Mw
/Mn≦1.50)である。
ブロマイド等の停止剤を反応系に添加して反応を停止さ
せる。更に、得られた反応混合溶液を適当な溶剤、例え
ばメタノールを用いて沈殿させ、洗浄、乾燥することに
より精製、単離することができる。こうして得られた高
分子化合物は分子量分布の点で単分散(1.00<Mw
/Mn≦1.50)である。
【0034】なお、ポリマーの収率は、反応に供したモ
ノマーに基づいてほぼ100%であり、このポリマーの
分子量は使用したモノマーの重量と重合開始剤のモル数
(分子数)から容易に計算できる。また、数平均分子量
(Mn)は膜浸透圧計を用いて測定から求めることがで
き、分子量分布の評価はゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)で行って、得られたポリマーが目
的とするポリマーであるか否かを評価することができ
る。
ノマーに基づいてほぼ100%であり、このポリマーの
分子量は使用したモノマーの重量と重合開始剤のモル数
(分子数)から容易に計算できる。また、数平均分子量
(Mn)は膜浸透圧計を用いて測定から求めることがで
き、分子量分布の評価はゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)で行って、得られたポリマーが目
的とするポリマーであるか否かを評価することができ
る。
【0035】更に前記の構造式(化9)のジメチルフェ
ニルカルビニルジメチルシリル基、あるいは構造式(化
10)のt−ブチル基を脱離し下記構造式(化11):
ニルカルビニルジメチルシリル基、あるいは構造式(化
10)のt−ブチル基を脱離し下記構造式(化11):
【0036】
【化11】
【0037】で表されるフェノール残基構造単位を有す
るポリヒドロキシスチレンを得ることができる。
るポリヒドロキシスチレンを得ることができる。
【0038】エーテル結合の切断反応は、ジオキサン、
アセトン、アセトニトリル、ベンゼン等の混合溶媒中で
塩酸、臭化水素酸等の酸を滴下することによって容易に
行うことができる。これらの反応中、高分子の主鎖が切
断されたり、分子間に架橋反応が起こるということがな
いので、容易に分子量分布の狭い単分散のポリヒドロキ
シスチレンを得ることができる。
アセトン、アセトニトリル、ベンゼン等の混合溶媒中で
塩酸、臭化水素酸等の酸を滴下することによって容易に
行うことができる。これらの反応中、高分子の主鎖が切
断されたり、分子間に架橋反応が起こるということがな
いので、容易に分子量分布の狭い単分散のポリヒドロキ
シスチレンを得ることができる。
【0039】なお、クレゾールフタレイン系化合物のO
H基のtBoc化はペプチド合成では良く用いられる官
能基の保護方法であり、ピリジン溶液中で二炭酸ジt−
ブチルと反応させることにより簡単に行うことができ
る。
H基のtBoc化はペプチド合成では良く用いられる官
能基の保護方法であり、ピリジン溶液中で二炭酸ジt−
ブチルと反応させることにより簡単に行うことができ
る。
【0040】本発明のレジストを用いたパタン形成は以
下のようにして行うことができる。本レジストの溶液を
基板にスピン塗布し、プリベークを行う。高エネルギー
線を照射する。この際、酸発生剤が分解して酸を生成す
る。PEBを行うことにより、酸を触媒としてtBoc
基が分解し、溶解阻害効果が消失する。アルカリ水溶液
で現像し、水でリンスすることによりポジ型パタンを得
る。
下のようにして行うことができる。本レジストの溶液を
基板にスピン塗布し、プリベークを行う。高エネルギー
線を照射する。この際、酸発生剤が分解して酸を生成す
る。PEBを行うことにより、酸を触媒としてtBoc
基が分解し、溶解阻害効果が消失する。アルカリ水溶液
で現像し、水でリンスすることによりポジ型パタンを得
る。
【0041】以下に本発明で使用する原料の合成例を示
すが、これらに限定されない。
すが、これらに限定されない。
【0042】合成例1 狭分散のポリヒドロキシスチレ
ンの合成 反応器にp−ビニルフェノールに対して等モルのジメチ
ルフェニルカルビニルジメチルクロロシランを入れイミ
ダゾールの存在下、ジメチルホルムアミド溶媒中、室温
下で6時間反応させた。生成物を減圧蒸留してp−ビニ
ルフェノキシジメチルフェニルカルビニルジメチルシラ
ンを70%の収率で得た。このp−ビニルフェノキシジ
メチルフェニルカルビニルジメチルシランは130℃/
0.1mmHgの沸点を有していた。上記モノマーから
水分等の不純物を取除くためにCaH2 、ベンゾフェノ
ンナトリウム等の精製剤を用いて精製し蒸留を行った。
重合は1リットルのフラスコに、溶媒としてテトラヒド
ロフラン550ml、重合開始剤としてn−ブチルリチ
ウム8.5×10-4molを仕込んだ後、この混合溶液
に−78℃で50mlのテトラヒドロフランで希釈した
p−ビニルフェノキシジメチルフェニルカルビニルジメ
チルシランを30g添加し、1時間重合させたところ、
溶液は赤色を呈した。重合終了は反応溶液にメタノール
を添加して行った。次に反応混合物をメタノール中に注
ぎ、得られた重合体を沈殿させた後、分離し、乾燥して
24.5gの白色重合体を得た。得られた重合体の 1H
−NMRを測定したところ下記表1に示す結果を得た。
ンの合成 反応器にp−ビニルフェノールに対して等モルのジメチ
ルフェニルカルビニルジメチルクロロシランを入れイミ
ダゾールの存在下、ジメチルホルムアミド溶媒中、室温
下で6時間反応させた。生成物を減圧蒸留してp−ビニ
ルフェノキシジメチルフェニルカルビニルジメチルシラ
ンを70%の収率で得た。このp−ビニルフェノキシジ
メチルフェニルカルビニルジメチルシランは130℃/
0.1mmHgの沸点を有していた。上記モノマーから
水分等の不純物を取除くためにCaH2 、ベンゾフェノ
ンナトリウム等の精製剤を用いて精製し蒸留を行った。
重合は1リットルのフラスコに、溶媒としてテトラヒド
ロフラン550ml、重合開始剤としてn−ブチルリチ
ウム8.5×10-4molを仕込んだ後、この混合溶液
に−78℃で50mlのテトラヒドロフランで希釈した
p−ビニルフェノキシジメチルフェニルカルビニルジメ
チルシランを30g添加し、1時間重合させたところ、
溶液は赤色を呈した。重合終了は反応溶液にメタノール
を添加して行った。次に反応混合物をメタノール中に注
ぎ、得られた重合体を沈殿させた後、分離し、乾燥して
24.5gの白色重合体を得た。得られた重合体の 1H
−NMRを測定したところ下記表1に示す結果を得た。
【0043】
【表1】 表 1 1H−NMR 0.0ppm:基準(S、6H、O−Si−CH3 ) 1〜2ppm: (ブロード、6H、Si−C−CH3 ) 1〜2ppm: (ブロード、3H、CH2 、−CH) 6〜7ppm: (ブロード、5H、Si−C−C6 H5 ) 6〜7ppm: (ブロード、4H、C6 H5 )
【0044】1H−NMRからエーテルに結合している
ジメチルフェニルカルビニルジメチルシリル基に活性末
端が反応せずに残存すると共に、スチレン部のビニル基
のみが反応していることが確認された。
ジメチルフェニルカルビニルジメチルシリル基に活性末
端が反応せずに残存すると共に、スチレン部のビニル基
のみが反応していることが確認された。
【0045】次に得られたポリ(p−ビニルフェノキシ
ジメチルフェニルカルビニルジメチルシラン)20gを
アセトン250mlに溶解し、60℃で少量の濃塩酸を
加え6時間かくはん後、水に注ぎポリマーを沈殿させ洗
浄、乾燥して8gのポリマーを得た。得られたポリマー
の数平均分子量は1.4×10-4g/molであった。
GPC溶出曲線は図1に示すように非常に単分散性の高
い重合体であることが確認され、分子量分布は1.10
であった。なお、図1は時間(分、横軸)と強度(縦
軸)との関係を示す図である。更に、 1H−NMRから
ジメチルフェニルカルビニルジメチルシリル基に由来す
るピークが観測されないことから、得られたポリマーが
分子量分布の狭いポリヒドロキシスチレンであることが
確認された。
ジメチルフェニルカルビニルジメチルシラン)20gを
アセトン250mlに溶解し、60℃で少量の濃塩酸を
加え6時間かくはん後、水に注ぎポリマーを沈殿させ洗
浄、乾燥して8gのポリマーを得た。得られたポリマー
の数平均分子量は1.4×10-4g/molであった。
GPC溶出曲線は図1に示すように非常に単分散性の高
い重合体であることが確認され、分子量分布は1.10
であった。なお、図1は時間(分、横軸)と強度(縦
軸)との関係を示す図である。更に、 1H−NMRから
ジメチルフェニルカルビニルジメチルシリル基に由来す
るピークが観測されないことから、得られたポリマーが
分子量分布の狭いポリヒドロキシスチレンであることが
確認された。
【0046】合成例2 狭分散のポリヒドロキシスチレ
ンの合成 原料のp−t−ブトキシスチレンモノマーを合成例1と
同様の方法で脱水、精製処理した。重合は2リットルの
フラスコに、溶媒としてテトラヒドロフラン1500m
l、開始剤n−ブチルリチウム4×10-3molを仕込
んだ。この混合溶液に−78℃で50mlのテトラヒド
ロフランで希釈したp−t−ブトキシスチレンを80g
添加し、2時間重合させたところ、この溶液は赤色を呈
した。所望の重合に達したことを確認した後、反応溶液
にメタノールを添加して重合反応を終了させた。次に反
応混合物をメタノール中に注ぎ、得られた重合体を沈殿
させた後、分離し、乾燥して80gの白色重合体を得
た。1H−NMRの結果から、エーテルに結合している
t−ブチル基に活性末端が反応せずに残存すると共に、
スチレン部分のビニル基のみが反応していることが確認
された。
ンの合成 原料のp−t−ブトキシスチレンモノマーを合成例1と
同様の方法で脱水、精製処理した。重合は2リットルの
フラスコに、溶媒としてテトラヒドロフラン1500m
l、開始剤n−ブチルリチウム4×10-3molを仕込
んだ。この混合溶液に−78℃で50mlのテトラヒド
ロフランで希釈したp−t−ブトキシスチレンを80g
添加し、2時間重合させたところ、この溶液は赤色を呈
した。所望の重合に達したことを確認した後、反応溶液
にメタノールを添加して重合反応を終了させた。次に反
応混合物をメタノール中に注ぎ、得られた重合体を沈殿
させた後、分離し、乾燥して80gの白色重合体を得
た。1H−NMRの結果から、エーテルに結合している
t−ブチル基に活性末端が反応せずに残存すると共に、
スチレン部分のビニル基のみが反応していることが確認
された。
【0047】次に得られたポリ(p−t−ブトキシスチ
レン)12gをアセトン250mlに溶解し、60℃で
少量の濃塩酸を加え6時間かくはん後、水に注いでポリ
マーを沈殿させ、洗浄、乾燥して8gのポリマーを得
た。得られたポリマーの数平均分子量は1.4×10-4
g/molであった。GPC溶出曲線は図2に示すとお
りであり、非常に単分散性の高い重合体であることが確
認され、分子量分布は1.08であった。なお、図2は
時間(分、横軸)と強度(縦軸)との関係を示す図であ
る。また、 1H−NMRからt−ブチル基に由来するピ
ークが観測されないことから、得られたポリマーが分子
量分布の狭いポリヒドロキシスチレンであることが確認
された。
レン)12gをアセトン250mlに溶解し、60℃で
少量の濃塩酸を加え6時間かくはん後、水に注いでポリ
マーを沈殿させ、洗浄、乾燥して8gのポリマーを得
た。得られたポリマーの数平均分子量は1.4×10-4
g/molであった。GPC溶出曲線は図2に示すとお
りであり、非常に単分散性の高い重合体であることが確
認され、分子量分布は1.08であった。なお、図2は
時間(分、横軸)と強度(縦軸)との関係を示す図であ
る。また、 1H−NMRからt−ブチル基に由来するピ
ークが観測されないことから、得られたポリマーが分子
量分布の狭いポリヒドロキシスチレンであることが確認
された。
【0048】合成例3 クレゾールフタレインのtBo
c化 クレゾールフタレイン5gをピリジン40mlに溶解さ
せ、45℃でかくはんしながら二炭酸ジ−t−ブチルを
1g(約20mol%)添加する。添加と同時にガスを
発生するが、N2 気流中で一時間反応させる。濃塩酸2
0gを含む水1リットルに反応液を滴下し、白色の沈殿
を得る。ろ過したのち、アセトン50mlに沈殿を溶解
させ、水1リットルに滴下した。沈殿をろ過したのち、
40℃以下で真空乾燥した。 1H−NMRにおける8p
pmのOH基のピークを用いてtBocの導入率を求め
た効果、98%以上であった。
c化 クレゾールフタレイン5gをピリジン40mlに溶解さ
せ、45℃でかくはんしながら二炭酸ジ−t−ブチルを
1g(約20mol%)添加する。添加と同時にガスを
発生するが、N2 気流中で一時間反応させる。濃塩酸2
0gを含む水1リットルに反応液を滴下し、白色の沈殿
を得る。ろ過したのち、アセトン50mlに沈殿を溶解
させ、水1リットルに滴下した。沈殿をろ過したのち、
40℃以下で真空乾燥した。 1H−NMRにおける8p
pmのOH基のピークを用いてtBocの導入率を求め
た効果、98%以上であった。
【0049】
【実施例】本発明を以下の実施例で説明するが、本発明
はこれら実施例に限定されない。
はこれら実施例に限定されない。
【0050】実施例1 ベース樹脂(合成例1) 81重量部 クレゾールフタレインのtBoc化物 14重量部 ジフェニル(p−メトキシフェニル)スルホニウムトリフ ルオロメタンスルホネート 5重量部 酢酸エトキシエチル 400重量部 からなるレジスト溶液をシリコン基板に2000rpm
でスピン塗布し、ホットプレート上にて85℃で1分間
プリべークした。膜厚は0.7μmであった。KrFエ
キシマレーザあるいは加速電圧30kVの電子線で描画
したのち、85℃で2分間PEBを行った。1.8%の
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の
水溶液で1分間現像を行い、水で30秒間リンスした。
ポジ型の特性を示し、D0 感度は3.6μC/cm2 で
あった。電子線に代えて、遠紫外線であるKrFエキシ
マレーザ光(波長248nm)で評価した場合のD0 感
度は30mJ/cm2 であった。PEBを85℃で5分
間行った場合は、電子線感度は2.5μC/cm2 であ
った。ここで用いたベース樹脂は、現像液に対して70
nm/sの溶解速度を示した。本レジストは未露光部は
約0.5nm/sの溶解速度を有し、露光部はPEB
後、7nm/sの溶解速度を有した。KrFエキシマレ
ーザ露光では、0.25μmライン&スペースパタンや
ホールパタンが解像し、ほぼ垂直な側壁を持つパタンを
形成することができた。また、電子線描画では0.2μ
mが解像した。
でスピン塗布し、ホットプレート上にて85℃で1分間
プリべークした。膜厚は0.7μmであった。KrFエ
キシマレーザあるいは加速電圧30kVの電子線で描画
したのち、85℃で2分間PEBを行った。1.8%の
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の
水溶液で1分間現像を行い、水で30秒間リンスした。
ポジ型の特性を示し、D0 感度は3.6μC/cm2 で
あった。電子線に代えて、遠紫外線であるKrFエキシ
マレーザ光(波長248nm)で評価した場合のD0 感
度は30mJ/cm2 であった。PEBを85℃で5分
間行った場合は、電子線感度は2.5μC/cm2 であ
った。ここで用いたベース樹脂は、現像液に対して70
nm/sの溶解速度を示した。本レジストは未露光部は
約0.5nm/sの溶解速度を有し、露光部はPEB
後、7nm/sの溶解速度を有した。KrFエキシマレ
ーザ露光では、0.25μmライン&スペースパタンや
ホールパタンが解像し、ほぼ垂直な側壁を持つパタンを
形成することができた。また、電子線描画では0.2μ
mが解像した。
【0051】実施例2〜3 実施例1における溶解阻害剤クレゾールフタレインのt
Boc化物にかえて、フェノールフタレインのtBoc
化物(実施例2)、チモールフタレインのtBoc化物
(実施例3)を用いたレジスト溶液を作製し、実施例1
と同様に評価した。実施例2の結果、電子線感度は3.
6μC/cm2 、KrF感度は30mJ/cm2 であっ
た。本レジストは未露光時において現像液に対して約
0.5nm/sの溶解速度を示したので、溶解阻害剤に
よって溶解速度は70分の1に低下することがわかっ
た。KrF露光や電子線描画によって実施例1と同程度
の解像性を有していることを確認し、KrF露光では垂
直な側壁をもつパタンを形成することができた。実施例
3は電子線感度はそれぞれ3.0μC/cm2 、そして
KrFエキシマレーザに対する感度は25mJ/cm2
であった。
Boc化物にかえて、フェノールフタレインのtBoc
化物(実施例2)、チモールフタレインのtBoc化物
(実施例3)を用いたレジスト溶液を作製し、実施例1
と同様に評価した。実施例2の結果、電子線感度は3.
6μC/cm2 、KrF感度は30mJ/cm2 であっ
た。本レジストは未露光時において現像液に対して約
0.5nm/sの溶解速度を示したので、溶解阻害剤に
よって溶解速度は70分の1に低下することがわかっ
た。KrF露光や電子線描画によって実施例1と同程度
の解像性を有していることを確認し、KrF露光では垂
直な側壁をもつパタンを形成することができた。実施例
3は電子線感度はそれぞれ3.0μC/cm2 、そして
KrFエキシマレーザに対する感度は25mJ/cm2
であった。
【0052】実施例4〜16 実施例1におけるオニウム塩、ジフェニル(p−メトキ
シフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネ
ートにかえて、表2のオニウム塩を使用し、実施例1と
同様の方法で電子線レジスト特性を評価した。p−トル
エンスルホネート系よりもトリフルオロメタンスルホネ
ート系の方が高感度であった。p−トルエンスルホネー
ト系の場合、PEB温度を高くすることにより、解像性
を低下させること無く感度を向上させることができる。
解像性については、いずれも0.25μm幅のパタンを
電子線露光で分離解像できた。
シフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネ
ートにかえて、表2のオニウム塩を使用し、実施例1と
同様の方法で電子線レジスト特性を評価した。p−トル
エンスルホネート系よりもトリフルオロメタンスルホネ
ート系の方が高感度であった。p−トルエンスルホネー
ト系の場合、PEB温度を高くすることにより、解像性
を低下させること無く感度を向上させることができる。
解像性については、いずれも0.25μm幅のパタンを
電子線露光で分離解像できた。
【0053】
【表2】
【0054】Ts:p−トルエンスルホネート O3 SCF3 :トリフルオロメタンスルホネート
【0055】実施例17〜30 実施例3におけるオニウム塩、ジフェニル(p−メトキ
シフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネ
ートにかえて、表3のオニウム塩を使用し、実施例1と
同様の方法でKrFレジスト特性を評価した。電子線の
特性と同様にp−トルエンスルホネート系よりもトリフ
ルオロメタンスルホネート系の方が高感度であった。解
像性については、いずれも0.24μm幅のパタンをK
rFエキシマレーザで分離解像できた。
シフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネ
ートにかえて、表3のオニウム塩を使用し、実施例1と
同様の方法でKrFレジスト特性を評価した。電子線の
特性と同様にp−トルエンスルホネート系よりもトリフ
ルオロメタンスルホネート系の方が高感度であった。解
像性については、いずれも0.24μm幅のパタンをK
rFエキシマレーザで分離解像できた。
【0056】
【表3】
【0057】Ts:p−トルエンスルホネート O3 SCF3 :トリフルオロメタンスルホネート
【0058】実施例31〜36 ベース樹脂、溶解阻害剤(チモールフタレインのtBo
c化物)、オニウム塩〔フェニル(p−メトキシフェニ
ル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート〕を含むレ
ジスト溶液を用い、各成分の分率を変えて、KrFエキ
シマレーザによるレジスト特性を検討した。表4に結果
を示す。基本的には、85℃で2分間PEBし、現像は
1.8%TMAH水溶液を用いて1分間行った。いずれ
も、0.25μm幅のパタンが解像できた。
c化物)、オニウム塩〔フェニル(p−メトキシフェニ
ル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート〕を含むレ
ジスト溶液を用い、各成分の分率を変えて、KrFエキ
シマレーザによるレジスト特性を検討した。表4に結果
を示す。基本的には、85℃で2分間PEBし、現像は
1.8%TMAH水溶液を用いて1分間行った。いずれ
も、0.25μm幅のパタンが解像できた。
【0059】
【表4】
【0060】オニウム塩:フェニル(p−メトキシフェ
ニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート
ニル)ヨードニウムp−トルエンスルホネート
【0061】実施例37〜46 合成例2のポリヒドロキシスチレンをベース樹脂として
用い、溶解阻害剤、オニウム塩(実施例31〜36に同
じ)を含むレジスト溶液を調整し、実施例31〜36と
同様に各成分の分率を変えて、KrFエキシマレーザに
よるレジスト特性を検討した。表5に結果を示す。基本
的には、85℃で2分間PEBし、現像は1.8%TM
AH水溶液を用いて1分間行った。ベース樹脂のアルカ
リ水溶液に対する溶解性が低下した。このため、感度は
表4と比較して低くなっていることが分かる。しかし、
解像性はいずれも0.25μmライン&スペースの解像
が可能であり、パタン上部での形状が合成例1のベース
樹脂を用いた場合より矩形に近い。電子線で評価した結
果では、0.2μm以下のパタンが解像できた。ここで
用いたベース樹脂は、現像液に対して8nm/sの溶解
速度を示した。
用い、溶解阻害剤、オニウム塩(実施例31〜36に同
じ)を含むレジスト溶液を調整し、実施例31〜36と
同様に各成分の分率を変えて、KrFエキシマレーザに
よるレジスト特性を検討した。表5に結果を示す。基本
的には、85℃で2分間PEBし、現像は1.8%TM
AH水溶液を用いて1分間行った。ベース樹脂のアルカ
リ水溶液に対する溶解性が低下した。このため、感度は
表4と比較して低くなっていることが分かる。しかし、
解像性はいずれも0.25μmライン&スペースの解像
が可能であり、パタン上部での形状が合成例1のベース
樹脂を用いた場合より矩形に近い。電子線で評価した結
果では、0.2μm以下のパタンが解像できた。ここで
用いたベース樹脂は、現像液に対して8nm/sの溶解
速度を示した。
【0062】
【表5】
【0063】
【発明の効果】本発明により得られるポジ型レジスト
は、高エネルギー線に感応し、感度、解像性、プラズマ
エッチング耐性に優れている。しかも、レジストパタン
の耐熱性が優れている。また、パタンがオーバーハング
状になりにくく、寸法制御性に優れている。金属元素を
含まない材料系であること、化学増幅過程でPEBを必
要とするためにレジスト特性の露光後経時依存性が小さ
いこと、化学増幅過程で水を必要としないため系がより
単純であること、等の特徴を有する。これらより、特に
電子線や遠紫外線による微細加工に有用である。特にK
rFエキシマレーザの露光波長での吸収が小さいため、
微細でしかも基板に対し垂直なパタンを容易に形成でき
る特徴がある。
は、高エネルギー線に感応し、感度、解像性、プラズマ
エッチング耐性に優れている。しかも、レジストパタン
の耐熱性が優れている。また、パタンがオーバーハング
状になりにくく、寸法制御性に優れている。金属元素を
含まない材料系であること、化学増幅過程でPEBを必
要とするためにレジスト特性の露光後経時依存性が小さ
いこと、化学増幅過程で水を必要としないため系がより
単純であること、等の特徴を有する。これらより、特に
電子線や遠紫外線による微細加工に有用である。特にK
rFエキシマレーザの露光波長での吸収が小さいため、
微細でしかも基板に対し垂直なパタンを容易に形成でき
る特徴がある。
【図1】狭分散ポリヒドロキシスチレンのGPC溶出曲
線を示す図である。
線を示す図である。
【図2】他の狭分散のポリヒドロキシスチレンのGPC
溶出曲線を示す図である。
溶出曲線を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伴 弘司 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 八木橋 不二夫 東京都千代田区大手町2丁目6番1号 信 越化学工業株式会社内 (72)発明者 渡辺 淳 東京都千代田区大手町2丁目6番1号 信 越化学工業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリヒドロキシスチレン(A)、溶解阻
害剤(B)、及びオニウム塩(C)の3成分を含む、ア
ルカリ水溶液で現像可能な高エネルギー線感応ポジ型レ
ジストにおいて、該溶解阻害剤(B)がクレゾールフタ
レイン、フェノールフタレインあるいはチモールフタレ
インのヒドロキシ基の一部あるいはすべてがt−ブトキ
シカルボニルオキシ基で置換された化合物の中から選択
された化合物であり、該オニウム塩(C)が下記式(化
1): 【化1】(R)n AM (式中Rは同じでも異なってもよく芳香族基あるいは置
換芳香族基を示し、Aはスルホニウムあるいはヨードニ
ウムを示す。Mはp−トルエンスルホネート基あるいは
トリフルオロメタンスルホネート基を示し、nは2又は
3を示す)で表されるオニウム塩であり、重量分率が、
0.07≦B≦0.40、0.005≦C≦0.15、
0.55≦A、A+B+C=1、であることを特徴とす
るレジスト材料。 - 【請求項2】 該ポリヒドロキシスチレンが、リビング
重合で得られるものであることを特徴とする請求項1に
記載のレジスト材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4303265A JPH06130669A (ja) | 1992-10-16 | 1992-10-16 | ポジ型レジスト材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4303265A JPH06130669A (ja) | 1992-10-16 | 1992-10-16 | ポジ型レジスト材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06130669A true JPH06130669A (ja) | 1994-05-13 |
Family
ID=17918882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4303265A Pending JPH06130669A (ja) | 1992-10-16 | 1992-10-16 | ポジ型レジスト材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06130669A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6723483B1 (en) | 1999-12-27 | 2004-04-20 | Wako Pure Chemical Industries, Ltd. | Sulfonium salt compounds |
JP2009128882A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-11 | Kyocera Mita Corp | 電子写真感光体及び画像形成装置 |
-
1992
- 1992-10-16 JP JP4303265A patent/JPH06130669A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6723483B1 (en) | 1999-12-27 | 2004-04-20 | Wako Pure Chemical Industries, Ltd. | Sulfonium salt compounds |
JP2009128882A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-11 | Kyocera Mita Corp | 電子写真感光体及び画像形成装置 |
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